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教え方のコツ

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小学生の英語文法の教え方と勉強法

もし、「何でもいいからスワヒリ語で話してみよう」と言われて、すぐにスワヒリ語を話し始める人はいないはずです。英会話教室で「積極的に英会話をしましょう」と講師が呼び掛けても子どもの反応が良くないのは、どうしていいのかわからないからです。

幼児や小学校低学年の子どもたちなら、無邪気に周囲のまねをして英語の歌を歌ったり講師のフレーズを口真似したりします。しかし、高学年の子どもは精神的に成長していて論理的に新しいことを覚えようとします。そこで必要となるのがマニュアルです。

英語学習におけるマニュアルとは文法のことを指します。子どもは適齢期にわかりやすい文法が与えられると、英語を理解しやすくなります。しかし、文法を習っただけでは英語を使えるようにはなりません。文法に沿って繰り返し英語を使うトレーニングが不可欠です。

しばらくトレーニングを繰り返すと、次第に文法をほとんど意識しなくても口が動くようになります。

そこで、英語を使えるようになるために、最初に子どもが覚えるべき基礎的な文法について具体的に説明します。また、どのようなトレーニングをすれば文法をほとんど意識しなくても英語を使えるようになるのかについても解説します。

小学4年生からは英語の文法が必要

個人差はあるものの、小学4年生から少しずつ文法学習を始められます。小学校低学年までの小さい子どもは文法を教えても理解できません。そこで実際の英語にたくさん触れながら英語の規則に気づかせる手法をとります。

例えば、小学校低学年ではI have a dog. やHe has a nice car. などの用例を多く口にすることで、自然と「主語(I, He)+動詞(have, has)+目的語(a dog, a nice car)」のパターンを覚えていきます。

このような習得方法は「体験的習得」と呼ばれており、小さい子どもはこの能力に優れています。文法用語を使わずに覚えるので一見簡単に思われますが、実際は言葉の規則性を発見・理解するまでに膨大な時間を要します。

子どもが「ママ」という一単語を発してから、「ママはご飯を作っている」など3語の文章で話せるまでの時間を思い出してください。日本語漬けの状態でも1年はかかったはずです。簡単に日本語が話せるようになったわけではありません。

子どもは10歳頃を境に、自然に言語を習得する能力(体験的習得能力)が急速に衰えます。しかし、それと引き換えに文法を理解する能力(論理的習得能力)が急速に発達していきます。この年齢からは文法を勉強しながら英語を学ぶのが最も効率的です。
論理的習得能力グラフ
グラフで示した黄色の部分は、ちょうど小学1年生から6年生までの範囲です。小学4年生を境に二つの異なる能力が逆転しているのがわかります。つまり、10歳になったら文法からのアプローチを取り入れたほうが英語を早く理解できるようになります。

もしお母さんがこのことを知らずに、小学校高学年の子どもに対して幼い子どもと同じような英語教育をしているなら今すぐ考え直しましょう。

小学校では文法を学ばせると英語嫌いにつながるとして、文法を教えない授業が進められています。一見、子どもに配慮しているように感じられますが、実はこの配慮こそが子どもが英語を嫌いにさせている可能性があります。

小学4年生の子どもの一部は、文法を教えたほうが英語を効率的に理解できる年齢になっています。それにもかかわらず、小学校では遠慮して低学年の子どもへのやり方で英語を教えています。

そのために、子どもはいつまでたっても英語を理解できずストレスが溜まります。そして、英語嫌いになっていきます。

発達段階に差がある児童一人ひとりに対応した指導方法を採用するのは現実的ではないので、学校の先生を責めるつもりはありません。現状では、文法に関しては各家庭で個別に対応するしかありません。

小学生の基礎英文法:語順と否定文・疑問文の作り方

文法の授業といっても、小学生に難しい文法用語を使って細かい知識を覚えさせるようなことは無意味なだけでなく英語嫌いを作る原因となります。

小学生に教えるべき文法は、わかりやすい英語のマニュアルです。このマニュアルは大きく二つの内容に分けることができます。一つ目は、英語の語順です。語順がわかれば英文を読んだり、単語をその順番に並べれば大まかな英文を作れます。

二つ目は、基本的な文の形である平叙文(へいじょぶん:単に情報を伝える文)・否定文・疑問文の作り方です。英語の語順は平叙文が前提となっていますが、実際は否定文や疑問文の形に変える必要が出てきます。

英語の語順を知り、さらに否定文や疑問文に対応できれば英語の基本を身につけられます。未来形・過去形・現在進行形・現在完了形などを将来学ぶときにも、基本が身についていれば理解するのはそれほど難しくありません。

参考書不要! 小学生にもわかる英語の語順(3文型)

英語の5文型は高校で学ぶ内容です。「S(主語), V(動詞), O(目的語), C(補語)」などの記号を使って教えられるので、堅苦しくてあまりいい印象を持っていないお母さんも多いことでしょう。実際、いきなり難しい文法の参考書や問題集に取り組んでもすぐに飽きてしまいます。まずは最低限の知識に限定して学習するようにしましょう。

小学生にはこれらの知識をかみ砕いて教える必要があります。最初に主語・動詞・目的語などの文の要素(文中での役割を示したもの)を理解させます。これがわからないと語順を理解することができないので、大切なポイントです。

文の中の役割

すぐには理解できないので、あまり詰め込まないように注意しましょう。次に、高校で習う5文型のうち主な3つの文型だけに凝縮させた文型を示します。
am/ is/ are の文目的語がない文
目的語ありI gave her a present. (私は彼女に誕生プレゼントをあげた)のような第4文型とWe call him Ken. (私たちは彼をケンと呼びます)のような第5文型は思い切って省略しました。3つの基本的な文型をマスターしてから、必要なタイミングで知識を増やせばいいからです。

3つの基本文型と例文をセットにしたカードはこちらからダウンロードできますので、子どもの目につく壁に貼り、いつでも確認できるようにしておきましょう。

基本的な文の形:平叙文・否定文・疑問文の作り方

単に情報を伝える文を平叙文(へいじょぶん)といいます。肯定文と呼ばれることもあります。次にnotなどを用いて「~ではない」「~ません」という意味の文を否定文といいます。また、何かについて「~ですか」とたずねる文を疑問文といいます。

先述した文型の動詞に着目してください。「am/ is/ are」を用いた文型とそれ以外の動詞を使う文型の二つに分けることができます。この動詞の種類によって、否定文と肯定文の作り方が変わります。

中学校で英文法を本格的に勉強するようになると、最初につまずくポイントは中学1年生の1学期に訪れます。それは「am/ is/ are」を用いた文とその他の動詞を用いた文について、それぞれ正確に否定文と疑問文を作れずに混乱するからです。

・am/ is/ are の否定文は「notを付け足す」

否定文の基本的な考え方は「notを動詞のうしろに付け足す」発想です。日本語では「~ではありません」のように文末に否定語を持ってきますが、英語の場合は動詞のうしろに否定語notを付け足すのが特徴です。

平叙文 否定文
She is tall. She is not tall.

・その他の動詞の否定文は、do にnotを付け足す

doは「する」という意味です。すべての動詞は結局何かをすることです。例えば「think(考える), make(作る), run(走る)」などの動詞に共通しているのは、何かを「する(do)」ことです。

このように考えると、これらの動詞の前に常に( )に入ったdoがあると解釈できます。

You (do) go to school. (私は学校へ行きます)

go(行く)の意味にはdo(する)が含まれるので、いちいち書かないけれども実はこの位置にdoがあると考えます。否定文の基本的な発想は「動詞にnotを付け足す」ことなので、次のような否定文が完成します。

平叙文 否定文
You go to school. You do not go to school.

notを付け足すのは見えている動詞(go)ではなく、普段見えていないdoの後です。気をつけましょう。

・三単現のs

英語を使う人の意識では、会話をしている「私(達)とあなた(達)」と「その他の人や物」を分けます。その他の人や物が主語になるときは、動詞に(-s, -es)を付ける習慣があります。絵で表すと下のようになります。

3単現のs

例えば、「彼はよい車に乗っています」は会話をしている私(達)とあなた(達)以外の人について話をしています。さらに、彼は一人で、いつものこと(現在形)を表現しています。このようなときは動詞driveにsを付けてdrivesにします。いわゆる三人称・単数・現在形のs(略して三単現のs)です。

He drives a car. (彼は車を運転します)

この文にももちろんdoが本来は含まれています。

He (does) drive a car.

先ほど動詞にsを付けるといいましたが、doにs(音の関係上es)が付いてdoesになっていることに注目しましょう。平叙文ではわかりきっているためにdoesを隠しますが、動詞に-s, -esを付けなければいけないので、drivesになっていると考えましょう。

ではnotを使って否定文にしてみましょう。動詞のうしろにnotを付け足すのが基本発想なので、次のようになります。

平叙文 否定文
He drives a car.

(=He does drive a car.)

He does not drive a car.

否定文を作るとき、He does not drives a car. とdriveにsを付けないように気を付けましょう(すでにdoesについているので不要です)。

・am/ is/ are の疑問文は「主語と動詞を入れ替える」

「am/ is/ are」の疑問文は、主語と動詞を入れ替えます。疑問文を作るときの発想は、主語と動詞の入れ替えです。最後にクエスチョンマーク(?)を入れます。

平叙文 疑問文
She is tall. Is she tall?

・その他の動詞の疑問文も「主語と動詞(do/ does)を入れ替える」

その他の動詞でも疑問文の作り方は同じです。つまり主語と動詞を入れ替えます。ここでの動詞とはdoまたはdoesを指します。

平叙文 疑問文
I (do) go to school. Do you go to school?
She drives a car.

(=She does drive a car.)

Does she drive a car?

Iから始まる平叙文を疑問文にするときはDo you ~?の形にするのが一般的です。「私は~ですか?」と相手に尋ねる文は少し変だからです(実際はよくあります)。

否定文と疑問文の作り方をまとめます。否定文は動詞のうしろにnotを付け足して作ります。疑問文は、主語と動詞を入れ替えて作ります。am/ is/ are以外の動詞には本来do (またはdoes)が存在していることを理解するのがポイントです。

語順と平叙文・否定文・疑問文がわかれば英語が得意になる

英語の語順と平叙文・否定文・疑問文について理解することが最も大切です。これさえできれば文法学習の最大の山を乗り越えたも同然です。なぜなら基本的なルールさえ理解してしまえば、高度な英語表現にも簡単に応用できるからです。

例えば中学1年生で助動詞canを学ぶとき、doやdoesの位置に置き換えれば否定文や疑問文に応用できます。

I (do) speak English. I can speak English.
I do not speak English. I cannot speak English.
Do you speak English? Can you speak English?

私は英語が苦手な中学生の指導経験が多数ありますが、彼らのほとんどは基本の語順と平叙文・否定文・疑問文をきちんと理解できていません。理屈を理解せずに暗記しようとすると混乱するケースが多いので注意しましょう。

丸暗記でAre you ~?とかDo you ~?と覚えてしまうと、Are you go to school? という誤った文を作ってしまいます。一度変な理解をしてしまうと、あとで正しく覚え直すのは大変なので最初が肝心です。

すでに数年程度の英語学習歴がある子どもにも、語順や否定文・疑問文の作り方を教えることで散らかった知識が体系的に整理されます。それまで何となく口にしていた英語の語順がきちんと論理的に説明できるのでプラスの効果が生まれます。

文法の理解が早く正しくできるようになると学校のテストで点数を取ることは可能になります。しかし、それだけでは本当に英語を使えるようにはなりません。次に、習得した文法の知識を使って英語を使える(話せる)ようになるための方法を説明します。

英文法を知識で終わらせないための学習方法

英語上級者のように、文法を意識しなくても英語がスラスラと口から出てくるためのトレーニングを紹介します。

学校や英会話スクールで習った英文を材料にして家庭でトレーニングをしてみましょう。例えば、My favorite color is blue.(私の好きな色は青です)という表現を習ったら、これを材料にして文型を確認させます。

文型を確認するときは壁に貼ってある基本3文型のカードを見ながら学習を進めます。最初に動詞を確認させます。この場合はisが動詞です。青い色鉛筆でisを○で囲みます。

その次に主語を確認します。子どもは主語を1語だけと思い込んでいるので、すぐには答えられないかもしれません。そこでヒントでMy favorite colorに鉛筆で下線を引いてあげます。そうすると全体で主語であることが理解しやすくなります。これを赤で囲みます。
my favorite color is blue.

最後にblueという言葉がせつめい語なのか、それとも「in, on, atなど」なのかを考えさせます。正解はせつめい語です。この場合、isという動詞は左側の主語と右側のせつめい語が同じであること(イコール)を意味します。

ここまで細かく説明すれば、それぞれの単語がどういう意味でなぜその順番に並んでいたのかが理解できます。そうするとスッキリした状態で、英文の暗唱に気持ちを集中させることができます。

あまり細かいところまでやりすぎると混乱する原因になります。とりあえず学校や英会話スクールで習った基本文の理解だけにとどめておきましょう。

・否定文と疑問文も作ってみる

否定文と疑問文も作ってみましょう。否定文は動詞のうしろにnotを付け足すだけなので、My favorite color is not blue.で完成です。また、疑問文は主語と動詞を入れ替えてIs your favorite color blue?となります。myをyourに変えるのがポイントです。

否定文や疑問文を作るときは、紙に書かずに口頭で答えさせましょう。紙に書かせるとスペリングを正確に書けなければいけないので、英作文に集中できません。一度に複数の作業をさせると効果が低下するので、口頭英作文が最適です。

このように、たった一つの基本文だけでも、語順と否定文・疑問文の作り方までを繰り返し学ぶことができます。

ほとんどの英文が3つの文型に収まることがわかれば少しずつやる気が出てきます。一度考え方を伝えれば、自分で解決できないときだけ質問するようになります。そのときは壁に貼った文型のカードを確認しながら教えてあげましょう。

英会話につなげる小学生の文法学習

文法や語法を習ったときは、必ず学習事項を使った英文を暗唱することが必要です。実際の使用例を何度も声に出して言うことで、文法を筋肉に覚えこませます。

例えば「~が得意である:be good at ~」を習ったら、これを使ったHe is good at math.(彼は算数が得意である)という例文を暗唱します。やり方は次の通りです。

・英会話につなげるための文法学習ステップ1

まず、この文章の文型を確認します。「主語 is せつめい語」のパターンです。得意は「良い」と置き換えられるので、goodを使用しています。日本語がどのように英語に変えられるのかを理解すると言語感覚が磨かれます。得意な物を示すときは、atを使います。

ここまでをきちんと理解できたら、英文を見ながら3回音読しましょう。回数を増やしすぎると、意味を無視してお経を唱えるような状態になってしまいます。3回だけでいいので、覚えるつもりで集中します。

・英会話につなげるための文法学習ステップ2

次に何も見ないで3回音読してみます。このときに表現を忘れたり口ごもったりしたら、ステップ1からやり直します。

・英会話につなげるための文法学習ステップ3

最後に日本語訳を見ながら、日本語のどの部分がどのように英語に置き換えられているのかを確認しながら、英文を音読します。例文では「得意」の意味を「good」で表しているのが特徴です。これも3回音読します。

英会話練習の中心はステップ1~3をひたすら繰り返すことです。英文そのものを暗記することが目的ではありません。まったく同じ表現を使用する機会は、めったに訪れないからです。

それよりも「得意である」をgoodで表現できるとか、得意な分野や対象をatのうしろに置くなどのことを脳に染み込ませることが大切です。何気なく音読を繰り返しても効果はほとんどありません。

英会話に使える表現を瞬時に出せるために練習していることを忘れないでください。文型や文法を筋肉が覚えるくらいまで繰り返すと、少しずつ英語を話すことができるようになります。

英語を流ちょうに話す人は、文法を意識していないのではありません。文法を意識しながら数多くの練習を繰り返した結果、ほとんど意識せずに話せるようになっているだけです。文法は知識で終わらせるのではなく、使いこなせてこそ意味があります。

英語の文法を学ぶときに、ひと言も声を出さずに完了してはいけません。理屈を理解したらすぐに口頭練習を繰り返すことが大切です。もし、あなたの子どもが静かに英語を勉強していたらそれは間違った学習方法なのでアドバイスをしてあげましょう。

英語の総合力をつけるには、こちらの動画セミナーがオススメです。

まとめ

小さい子どもは体験を通して英語の語順などの文法を自然と身につける能力を備えています。しかし、10歳頃を境にしてその能力は衰えます。代わりに論理的に言語を習得する能力が急速に高まります。

このことから小学4年生からは少しずつ文法を学んだほうが、効率よく英語を身につけられることがわかります。初めに学ぶべき文法とは、基本的な文型(語順)と否定文・疑問文の作り方です。

また、これらの文法を学んだだけでは単なる知識で終わってしまいます。大切なのはこの知識を使って実際に口を動かして英文を暗唱しながら筋肉に文法を覚えこませることです。

「文法を意識するから英会話ができない」という間違った認識は捨てましょう。英語を流ちょうに話す人は学んだ文法を使って練習を繰り返した人です。

これから長い時間をかけて子どもたちは英語を学んでいきますが、お母さんからもときどき文法学習の意義を伝えてあげましょう。

紛らわしい「comeとgo」を小学生でも攻略できる方法

私の父は九州の出身です。私は関東で育ちましたが、ときどき父の言葉で妙にひっかかる表現がありました。その一つは父が母に向かって言う「じぶん」でした。「じぶん、これから買い物行くの?」という具合でした。

私にとって「自分」は私(I)のことです。しかし文脈上、あきらかに父は「あなた」の意味で「じぶん」と呼びかけています。実は西日本では割と普通の表現であることを知ったときは本当に驚きました。

ここでのポイントは、視点の移動です。父の「じぶん」は、母の視点に立った「わたし」のことです。日本人だけでなく外国人も同じような使い方をすることから、人間にはときどき相手の立場になって語りかける性質があるようです。

今回のテーマである「come」は基本動詞ですが、ある条件が揃うときまさに「視点の移動」が適用されます。そのため反対の意味を持つ「go」と混乱してしまいます。

comeとgoは超基本単語です。しかし、使い方にはコツが必要です。日本で育った子どもは日本人の発想で英語を話そうとするため間違えがちです。状況を与えながら考えていけば子どもにも理解できるので、お母さんからきちんと説明してあげましょう。

comeを使うときは「相手の立場で」考えよう

普段、私たちは自分の視点から物事を見ています。そして言葉を話すときも基本的には自分から見た話をします。

ところがたまに相手の視点に意識を切り替えて話すこともあります。例えば、お母さんが子どもに向かって「お母さん、おやつを冷蔵庫に入れておいたからあとで食べてね」と語りかけたとします。

このときお母さんは自分のことを「お母さん」と呼んでいます。これは明らかに「子どもから見た視点」に意識を変化させている証拠です。西日本の人は相手に向かって「じぶん(あなた)」と話すのと似ています。

英語の基本動詞であるcome(来る)を使うときも、話し手の意識は「相手の視点」に切り替わることがあります。そのため動詞のgoと混乱してしまう子どもが多いです。ポイントさえつかめば子どもにも簡単に理解できます。

comeの意味は「来る」でOK

試しに英英辞典(オックスフォード新英英辞典)でcomeの定義を調べてみましょう。

come: move or travel towards or into a place thought of as near or familiar to the speaker.
(話し手に近いほうへ移動する)例文:Jess came into the kitchen.(ジェスはキッチンに来た)

come1
この例文の語り手は「私」です。私はすでにキッチンにいて、そこにジェスが来たからcomeを使って表現しています。「話し手(=私)のほうに移動する」に相当する日本語は「来る」で間違いなさそうです。

では、相手がキッチンにいて呼ばれたとき「僕は行くよ」と答えるときはどうでしょうか? 「行く」のだから「I’m going.」と考えがちですが、正解は「I’m coming.」です。その理由について以下詳述します。

相手の立場(聞き手の視点)に立つのがポイント

聞き手(you)のところへ行くときはcomeを使います。なぜならこの場合に限っては、視点が聞き手(you)に移動するからです。
come2

 

相手のほうへ移動するときに限っては「相手からの視点に移る」のです。

大切なポイントなのでもう一度繰り返します。相手のほうへ移動するときに限っては、「相手からの視点に移して」comeを使用します。

come homeそれともgo home?

理解を確かなものにするために、少し頭のトレーニングをしましょう。お母さんは子どもと一緒に考えてみて下さい。

(状況)あなたは友達の誕生パーティーに呼ばれました。

問題1.出かける前に、お母さんからWhere are you going?と質問されました。正しいほうを選びなさい。

I’m (going/ coming) to the birthday party.

問題2.誕生バーティ―に向かう途中、誕生日を迎える友達から「今どこ?」と電話がありました。答え方で正しいほうを選びなさい。

I’m (going/ coming) soon.

問題3.パーティーの途中、遅れてくる予定の友人Kから電話がありました。「あと5分でそっちに行くよ」という内容でした。電話を切ったあと、パーティー会場の仲間に「Kはあと5分で着くよ」と伝えるとき、どちらが正しいでしょうか?

K is (going/ coming) here in 5 minutes.

問題4.誕生パーティーも終わりが近づき、そろそろ家に帰る時間になりました。友達に「もう家に帰らないと」と伝えるとき、正しいほうを選びなさい。

I have to (go/ come) home now.

問題5.家のお母さんから電話があり「そろそろ帰らないとダメよ」と言われました。「もうすぐ家に帰るよ」と伝えるとき、正しいほうを選びなさい。

I’m (going/ coming) home soon.

解答

問題1.going
解説:聞き手はお母さんです。パーティーの場所は友達のところです。私のところに来るわけでもなく、聞き手のお母さんのところに行くわけでもありません。したがって離れた場所に行くので「going」が正解です。問題2.coming
解説:聞き手はあなた(友達)です。あなたの方向へ行く場合は、「あなた」に視点を移します。したがってcomingが正解です。問題3.coming
解説:これはcomeの本来の意味「(自分のほうへ)来る」意味なので、comingが正解です。

問題4.go
解説:家に帰るということは、聞き手からも自分のほうにも向かわないのでgoが正解です。

問題5.coming
解説:聞き手(お母さん)のほうへ向かうので、相手の立場に切り替えます。よってcomeが正解です。

comeとgoの使い分けはできましたか? ひとつだけ見分けるコツをお伝えします。それは「to you」を付けられるときは「come」を使う、というルールです。

例えば、ホテルで滞在中、フロントから電話がありました。「フロントで〇〇さんがお待ちです」といわれて「すぐに行きます」と伝えたいとき

I’m coming (to you) soon. →I’m coming soon.

となります。

相手の立場になって動詞を使う感覚は日本語にはない発想です。子どもが慣れるまでは時間がかかるかもしれません。しかし、日常的に頻繁に使う単語なのでマスターできるようにサポートしてあげましょう。

まとめ

comeは超基本動詞で意味は「来る」で間違いありません。基本的には「自分のほうへ移動する」ということです。ところが、自宅で待つお母さんに向かって「すぐに行くよ」の場合はgoではなくcomeを使います。I’m coming soon.が正解です。

comeとgoの使い分けを難しくしているのは、「あなたのほうへ移動する」条件のときのみ「視点が相手に移動するから」です。聞き手であるお母さんから見れば私は「来る」のでcomeを使用します。

一度理屈を理解し、あとは状況のなかで瞬時に使い分けができるようにトレーニングするしかありません。もし子どもの英語を聞いていて変だなと感じたら、お母さんからわかりやすく説明してあげましょう。

小学生が英検5級に合格する勉強法や考え方

「子どもに英検5級を一発で合格させたい!」というお母さんは多いです。英検5級の受験者のほとんどは英語を習い始めて1年程度の子どもです。子どもが合格して達成感を味合わい、今後の英語学習の弾みになれば理想的です。

しかし、5級に関しては「合否」よりも大切なことがあります。それは「いかに質の高い英語学習法を身につけるか」ということです。

かつて私が英語の個人指導をしていたとき、同じくらいの能力の2人の生徒がいました。まったく同じ英語の授業を行ったところ、しばらくすると両者に明確な英語の実力差が現れました。当時の私には本当になぜこのようなことが起きるのか不思議でした。

今は原因がはっきりとわかります。英語が苦手な子と得意な子では「頭の中の活動量」が異なるからです。これが何年も続くと二人の英語力には大きな差が生じます。やっかいなのは、見た目には両者の違いがほとんどわからないことです。

英検の筆記問題は、文法事項の大切なポイントを幅広く網羅しています。その問題に一つひとつじっくりと取り組み、「質の高い学習」を習慣づけることは「合否」そのものよりもはるかに大切です。

ここでは、英検5級の学習を通じて、質の高い英語学習を身につける方法について詳しく解説します。

小学生向け英検5級対策の基礎知識

小学生が英語を学び始めて1年ほど経過したら、そろそろ「英検5級」の受験を検討してもいい頃です。これから英語を学習するために基盤を固めるためにも、英検の勉強はとても有効です。

私は試験のための学習には否定的です。「人々がコミュニケーションのために使用する道具」としての本来の英語を忘れてしまうからです。しかし「試験をきっかけにして正しい勉強法を身につける」という意味では英検の受験に大賛成です。

小学生は英語や検定試験に不慣れです。もしあなたが合否にこだわりすぎて接し方を誤ると、子どもは「英語嫌い」になりかねません。そこで、合否以外の指標にも注目して、子どもの実力を長期的な視点で見守るように気をつけましょう。

合否判定だけでなくCSEスコアにも注目

「英検」を受験すると得られる最大のメリットは、子どもの「現在地」がわかることです。以前とは異なり、現在は「〇級合格・不合格」の成績だけでなく「CSEスコア」をすべての受験者に示しています。

CSEとはCommon Scale for English(英語の共通尺度)の略です。この評価が導入された背景には英語資格試験のグローバル化があります。英語の試験にはTOEFL・IELTS・TOEICなどがあり、かつてはそれぞれ独自の基準で評価され受験者にとって不便でした。

そこでお手本にしたのがCEFR(Common European Framework of Reference for Languages:ヨーロッパ言語共通参照枠)と呼ばれる指標です。ヨーロッパは多言語社会のため共通して利用できる外国語の習得基準を設けたのです。

CSE
*英検ホームページから引用:英検スコアとCSEスコアの換算表

英検受験でわかるCSEスコアを見ると、CEFRにおけるレベルがわかります。そうすると他の試験を受けなくても、そのスコアの目安を簡単に換算できます。

また同じ英検5級合格でも「ギリギリ合格」と「余裕で合格」では実力は異なります。不合格だったしても「あと少しで合格できた」など子どもの実力を正確に把握することができます。

CSEスコアを活用して、スキル別の現在地や伸びを長期的に記録することで、子どもの英語学習に活用できます。

英検5級のレベルと小学生の合格率

お母さんは「英検5級」のレベルを正しく把握しましょう。おおまかに説明すると「中学校初級程度」です。習得語彙数は300~400語が必要です。

  • 英検による5級の目安
級 推奨目安 出題目安 出題形式
5級 中学初級程度 英語を習い始めた方の最初の目標。家族のこと、趣味やスポーツなど身近な話題が出題されます。
英語の基礎固めに最適です。
スピーキングテストも受験可能です。
  • 筆記
  • リスニング
  • 録音形式のスピーキングテスト

*英検ホームページから引用:各級の目安

小学生で英検5級を受験することは、中学1年のレベルと同じ試験を受けることと同じです。子どもが前向きに英検受験に取り組むだけでもほめてあげましょう。

数字・曜日・月・基本単語(名詞・動詞・形容詞・副詞)など少なくとも「正しく読めて意味がわかる」レベルであることが合格の条件です。

  • 英検5級の合格ライン・合格率の状況

公式な発表はありませんが、合格ラインは問題の65%の正解率に設定されているようです。5級はリーディングとリスニングでそれぞれ25点合計50点の配点になっています。したがって、33点を獲得すれば合格できるといえそうです。

受験者全体の8割以上が合格できているようですが、中学生の受験者が半分以上います。小学生だけの受験者に限定するともう少し合格率は低下するかもしれません。とはいえ、英語を習い始めて1年程度の小学生で2か月くらいの準備期間があるなら合格は決して難しくありません。

語彙力・文法力と4技能の関係

最近、一般の人にも英語の4技能(Listening, Speaking, Reading, Writing)が認知されるようになりました。しかし、「語彙力・文法力」がこれら4技能とどのような関係になっているのかを正しく把握している人は少ないです。

語彙力と文法力は英語力の中心です。このふたつが揃っていないと話になりません。そして4技能もそれぞれ独立した技能(スキル)ではなく、お互いに相互作用している関係です。これを下に図で表しました。

4技能相関図

例えば、I can swim fast.という基本文を暗唱する会話練習をしたとします。canは「~できる」という意味の助動詞でその次に動詞の原形(run)が来ます。これは文法の知識です。当然、それぞれの単語の意味を知らないと暗唱をしても意味がありません。

音読しているときは自分で自分の声を聴いているので「リスニング」の練習をしていることになります。一部を忘れてテキストを読めば「リーディング」紙に書いて覚えようとすれば「ライティング」の学習です。

英語の学習をするときは常に「語彙・文法」を中心に、4つの技能を複合的に使用しています。だから「リスニングを強化」するための勉強であっても、その他の能力が極端に低いと伸びが悪くなるのは当然です。

語彙・文法と4技能の関係を理解して学習することが必要であることをお母さんはきちんと把握しましょう。

リスニングが弱点の子どもには、こちらの動画セミナーによる学習法がオススメです。

小学生向け英検5級おすすめ問題集

大きめの書店に行くと英検対策のコーナーがあります。そこには参考書がたくさん並べられていてどれを選んだらよいか迷ってしまいます。
book store
英検の対策本は主に「その級に頻出する単語・熟語集」と「過去問を主体とした問題集」の二つに分かれています。

5級を受験する場合、単語・熟語集は不要です。5級に登場する単語は超基本的なものばかりです。わざわざ単語集で暗記するまでもなく、しばしば目にするので普通の問題集を進めながら意味を確認すれば大丈夫です。

また5級で扱う超基本単語はカバーする意味の範囲が広く、1対1の訳語を暗記するやり方になじみません。例えば、単語帳で「call:呼ぶ」と暗記しても、“Please call me tonight.”(今夜私に電話してください)のような文脈では役に立ちません。

簡単な単語ほど多義語(一つの言葉でいろいろな意味を持つ言葉)の傾向があります。そのため、実際の文の中での意味をしっかりと確認したほうが、より単語のイメージを正しくとらえることができます。

もちろん知識を整理したり辞書替わりに単語帳を利用したりするのは問題ありません。ただし、暗記するために単語帳を買う必要はありません。

小学生向けの英検問題集がよい

英検5級は英語学習を始めて1年程度の初心者が受験します。したがって中学生の受験者が多く、問題集の多くは中学生が使用することを前提にして書かれています。

ところが注意深く探すと小学生向けの英検ドリルが発売されていました。試しに1冊購入してみたところ、なかなかよく出来ているので紹介します。
小学生向け英検ドリル

私がおすすめするのは『小学生のための英検5級合格ドリル』(旺文社)です。価格は税別で1,100円でした。このシリーズは英検5~3級まで対応しています。小学生でも3級の受験者が増えていることを反映しているようです。

「小学生のための英検5級合格ドリル」おすすめポイント

では、『小学生のための英検5級合格ドリル』のおすすめポイントについて詳しく説明します。

・英検情報が充実している

英語の問題集でありながら、英検の試験についての詳しい説明が充実しています。ネットでもいろいろと調べられますが、活字での情報は信頼性が高く重宝します。例えば、受験のときに必要な持ち物や結果がいつ頃わかるのかなどの情報が掲載されています。

・すべての漢字にルビが振ってある

本書にあるすべての漢字にはルビ(読みがな)が振ってあります。そのため小学校低学年の子どもでも頑張ればこの問題集を利用して勉強できます。学習者の年齢不問で利用できるのはとてもありがたいことです。
ルビ

・問題量がちょうどよい

1~13のレッスンとおまけページで構成されていて、小学生が2か月前から取り組むのにちょうどいい分量です。学習計画のモデルについては後述しますが、毎日1レッスンをすすめるのに30分あれば大丈夫です。

・CD付きで音声が充実

CD付きの問題集は珍しくありませんが、どのレッスンも英語の音を大切にしているところに好感が持てます。CDを聞かないと問題を進められないので、自然と英文を聞く量は増えていきます。

CDのデータをスマホなどに移行して、CDプレイヤーを利用しなくても聞けるようにお母さんがセッティングしてあげましょう。英文は聞くだけでなく、必ず自分でリピートするように習慣づけると英語の上達するスピードは加速します。

・すべての英文の日本語訳が巻末にある

5級の英文は簡単なものばかりです。それでも小学生が学ぶときには、意味がわからない箇所がいくつか出てきます。そのようなときにやはり日本語訳があると安心して学習をすすめられます。

最後の仕上げとして、「巻末の日本語訳を見ながら英語に直してみる」トレーニングをすると、より英語を深く理解できるようになります。
全訳

このように「小学生のための」と銘打つだけあって、細かい配慮が感じられる問題集です。ではこの問題集を使用して、どのように学習計画を立てて実行したらいいのかを具体的に説明します。

小学生向け英検5級の対策と教え方

英検の1次試験は6月・10月・1月に行われます。私のおすすめは、長期休暇を絡めながら2か月前から準備することです。例えば10月に受験する場合、夏休み(8月)にスタートするといいでしょう。

ドリルは全部で4回繰り返しますが、最初の1回目が最も大変です。長期休暇をその大変な部分の学習に充てることで、子どもが規則正しい生活を送れるようになります。また、お母さんのアシストも普段よりは期待できるので、より合格できる確率が高まります。

  • 1回目

平日は頑張って30分で1レッスンを進めましょう。私の経験では土日はイベントが多く、思ったよりも余裕がありません。だから思い切って休みにするか、何らかの事情で平日にできなかった場合の予備日として活用しましょう。

このペースで進めていくと、3週間で1回目が終了します。

  • 2~3回目

2~3回目を繰り返すときは、CDを聞かなくてもいいです。その代わり各レッスンの英文はすべて声を出して音読しましょう。もし読み方に自信がない場合は、面倒くさがらずにCDを聞くようにしましょう。

ここでは「プチ予想問題にチャレンジ」の筆記問題に力を入れましょう。1回目では正解を選べばOKですが、2回目以降は「なぜ、その答えを選んだのか」「なぜ、他の選択肢ではいけないのか」を自分で説明できるようにしてください。

単に正解・不正解をチェックするだけでなく、このように根拠をしっかりと説明しながら問題を解くことで文法や語法の理解を確実にしていきます。できればこの部分だけはお母さんがチェックしてあげるのが理想です。

教え方のポイントは、子どもが説明に困ったときはヒントを小出しにしながら、一生懸命考えさせてることです。子どもが考えた分だけ、英語の伸びにつながります。

最後のダメ押し(4回目)の復習はお母さんと一緒に

最後のダメ押しとなる4回目の復習について説明します。まずは巻末の予想問題に挑戦してみましょう。このとき、お母さんがそばにいられる状況で、本番と同じように時間を決めて実施します。
予想問題
採点後、合格圏内(30点以上)であれば思いっきりほめてあげましょう。実際、ここまで計画通りに学習を進められれば立派です。もし得点が合格ラインに到達していなくても、良かったところをきちんと評価してあげましょう。

予想問題で間違えたところはきちんと学習して理解を確実にしましょう。ドリルについては、「プチ予想問題にチャレンジ」に絞って最初から最後までもう一度復習します。これで、英検5級の対策は終了です。

小学生が身につけたい! 英検5級仕上げの勉強法

各レッスンにある「プチ予想問題にチャレンジ」について補足します。小学生でも表面的な学習で終わりにしないために大切なポイントをまとめました。英検5級受験を機に正しい勉強法を身につけて、将来の飛躍につなげていきましょう。

・単語
選択肢から1つ正解を選ぶ問題で、正解以外の単語についても意味を知っているかどうかをチェックしましょう。同じ問題は2度と出ないので、知らない単語があればきちんと調べることが大切です。

知らなかった単語については、はじめに正しく発音できることを心がけましょう。それから意味を調べるように習慣づけしましょう。

リスニングで英語を理解する場合、単語を聞いた瞬間にイメージが頭に浮かぶかどうかが大切です。例えば、baseballを読んだときに「野球」という訳語が頭に浮かぶようでは、リスニングのスピードに対応できません。

そうではなくて、baseballを読んだら野球場の光景や選手の様子が頭の中で浮かぶようにしておきましょう。普段、音読するときにこのようなことを常に意識しておくと、リスニング対策になります。

・文法
イメージが大切なのは単語だけではありません。文法に関しても同じことがいえます。例えば現在進行形の-ingを見たときに、「今、〇〇している最中」のようなイメージが浮かぶかどうかはとても大切です。

リスニング力は「聴く」とき以外でも鍛えられます。上記のように、リーディングをしていて単語や文法を即座にイメージ化(映像化)できるようにしておくと、それはリスニングにおいてとても有利に働きます。

・テキストの英文はすべて自分に向けられていると考える
ドリルに掲載されているダイアローグ(対話文)やその他の問題文について、「自分ごととして読む」ように子どもに教えてあげましょう。自分と関係ない無機質な文ではなく、自分がその人になったつもりで音読するだけで、英語の定着はまったく変わってきます。

1冊のドリルをここまで深く学習すると本物の英語力が身につきます。合格ラインを大幅に上回る得点が取れた場合、CSEスコアに注目してください。もし英検4級の合格ラインに近かったらそれはとてもいい学習ができていることの証左となります。

英検3級まではお母さんと一緒に挑戦するのが理想

お母さんの役割として理想なのは、子どもの「ライバル」として一緒に英検を受験することです。英語な苦手なお母さんは尻込みするかもしれませんが、英語が苦手なお母さんのほうが子どもからすると追いつけるかもしれない」とやる気になるものです。

英語ができるお母さんだとつい自分の英語力を子どもに誇示してしまい、子どもが委縮してしまいます。一方的に教えるよりは、子どもと同じテキストを使いながら一緒に学ぶ姿勢を見せましょう。

英検3級は「中学校卒業程度」のレベルです。できれば、英検3級までは親子受験を続けて欲しいと思います。

e-ラーニングサイト「リトルフォックス」にはさまざまなレベルが用意されていて、子どもから大人まで学べる教材が用意されています。

まとめ

英語を学び始めて1年ほど経過したら、子どもに英検5級を受験させてみましょう。合否よりもその学習過程で身につけられる「効果的な学習法」に価値があるからです。

小学生が英検を受験する場合は、問題集の選び方に注意しましょう。特に小学校低学年の子どもが勉強するときは、小学生向けの問題集を使用することをおすすめします。漢字にルビが振ってあるなど配慮が行き届いているからです。

1次試験の日から逆算して2か月前から準備を進めましょう。長期休暇を上手に活用すれば、小学生でも充分に合格できます。

問題集を何度も繰り返しながら、少しずつ深く学べるように子どもを導きましょう。最初のうちはなかなか意識できないことでも、常に意識させるように促せば少しずつ習慣化されていきます。質の高い学習が身につくと、将来子どもの英語力は飛躍的に伸びます。

最初の検定試験なので、子どもは負担に感じるかもしれません。できればお母さんも一緒に受験してライバル的な存在になりましょう。「お母さんに負けたくない!」という気持ちが子どもをやる気にさせます。

子どもに英文法:「時制の一致」を教えてはいけない

世の中には「知らないほうが幸せだった」雑学があります。例えば、「きゅうりは世界一栄養のない野菜」とか「エビのしっぽの成分はゴキブリの羽と同じ成分でできている」などが該当します。

学校で習う英文法にも似たものがあります。その代表例は「時制の一致」です。高校で英語を学んだ人なら一度は耳にしたことがあるはずです(忘れた人はそのまま忘れたほうが幸せですから、この先読まないでください)。

この知識はまさに「百害あって一利なし」です。今回の記事は、高校時代に英語を一生懸命勉強したお母さんに向けて書きました。「時制の一致」は理屈に合わない部分が多いので、振り回されないように気をつけましょう。

子どもに英語を教えるときも、「時制の一致」の知識を子どもに押しつけないようにしていただきたいと思います。

時制の一致とは

高校の英語文法には「時制の一致」という項目があります。私は受験勉強の際、機械的に「時制を一致」させるようについ考えてしまいます。このときは何の疑念も抱きませんでしたが、今となっては「ほとんどインチキ」とさえ感じています。

時制の一致の不合理さを説明する前に、「時制の一致」とはどのようなものだったか確認しましょう。

時制の一致のおさらい

例えば、She said, “I am a student.”(彼女は「私は生徒です」と言った)から“”(引用符)を取り除くとします。

すると、She said that she was a student.(彼女は彼女は生徒ですと言った)と書き換えられます。このときに「時制の一致」を適用しなければいけませんが、その理屈は下の表のようになります。

*時制の一致

主節 従属節
She said that she was a student.
主節の動詞said(過去形)に揃えるために→ 従属節の動詞(be)もwas(過去形)にする

「時制の一致」は変?

息子が海外のインターナショナルスクールに通っていた頃のことです。子どもを学校に迎えに行くと同級生のママさんに会いました。話題は今学期で母国(韓国)に戻ってしまう生徒の話です。

韓国に帰る女の子のお母さんから直接聞いていたので、私は次のように教えてあげました。“Her mom said (that) they would go back to Korea.”

主節の動詞saidの時制は過去形です。時制の一致のルールを適用して、willの過去形wouldを何も考えずに使いました。文法的には正しいです。

すると私の話を聞いていたママさんは目をまるくして“Oh, are they already gone?”(えっ、もういないの?)とたずねてきました。慌てて否定して「今学期が終わったら帰るんだよ」と訂正しました。

誤解の原因は私の「機械的な時制の一致」です。“He mom said they will go back to Korea after this term ends.”と伝えれば誤解されませんでした。しかし、この文には「時制の一致」が適用されていません。

例外だらけ

「時制の一致」には例外がたくさんあります。というより、一致しないことのほうが多くて、「そんなルールは存在しない」と表現したほうが適切です。

具体例をもう少し見てみましょう。

「時制の一致」をしなくてもよい例

People knew that water boils at 100℃.(人々は水が100度で沸騰することを知っていた)

この場合従属節の文章water boils at 100℃.は「不変の事実」なので現在形boilsのままにしなければいけません。boiledにはなりません。

時制の一致の例外はこれだけではありません。こうなると何がなんだかわからなくなってしまいます。

しかし、慌てないでください。英語における時制の発想はもっとシンプルです。子どもでも理解できます。

常に「今」と比較しよう

時制の大原則は、常に「今」と比較することです。これだけを頭に入れておけば、時制の一致など学ぶ必要はまったくありません。むしろ知らないほうがいいとさえいえます。

主節も従属節も「今」を基準にして時制を決めよう

She said, “I am a student.”

主節の動詞も従属節の動詞も、「今」を基準に考えてみましょう。彼女が言ったのは過去なので過去形のsaidを使います。

“”内のI は彼女のことなのでsheに変えます。be動詞の時制については、「今」を基準にします。現在彼女は学校を卒業して働いていたら、studentだったのは昔のことなので、wasにするのが正解です。

She said that she was a teacher.

この場合主節と従属節の時制は同じ過去形で一致しています。しかし、これはただの偶然です。

もし彼女の発言が昨日のことで、「今」も生徒なら「いつものこと」をあらわす現在形isを使用するのが正解です。だからShe said that she is a teacher.もあり得ます。

私が知り合いのママさんに間違えて伝えた発言も、「時制の一致」などにつられなければ簡単にわかります。

Her mom said, “We will go back to Korea.”

女の子のお母さんが発言したのは過去なので、過去形のsaidで正解です。

そして引用符内のweはher familyのことなのでtheyに置き換えます。彼らが韓国に戻るのは、私が発言している「今」を基準にすると未来のことなので、willを使うほうが誤解されません。
今を基準に考える

Her mom said that they will go back to Korea.

wouldでも文法上は間違っていませんが、この場合はwillのほうが適切でした。

主節の時制と従属節の時制はそもそも無関係

強調しておきたいのは「主節の時制と従属節の時制には何の関連性もない」ということです。それなのに受験勉強では繰り返し主節と従属節の時制を一致させようと問題を解き続けました。

そのときに問題に気づかなかったのは「たまたま一致していた」事例だけが、扱われていたからに過ぎません。

引用符の文章を間接話法(引用符ではない表現)を用いて表現するときは、動詞の時制よりも主語を正しく変えられるかどうかのほうがはるかに大切です。

例えば昨夜のパーティーでKateとMikeが“We are going to buy a house.”と発言していたとします。

これを間接話法で書き換えるとKate and Mike said that they were going to buy a house.となります。語り手である「私」から見てthat節内を書き換えるので、we→theyとするのが正しいです。

この視点の移動については子どもにもきちんと教えてあげましょう。

まとめ

英文法は英語を学ぶ上でとても大切です。しかし、「時制の一致」に関しては、むしろ知らないほうがマシです。

英語では時制の決め方はとてもシンプルで、常に「今」を基準にして決められています。そのため「従属節の動詞の時制を主節の動詞の時制に一致させる」ようにすると訳がわからなくなってしまいます。

子どもの英作文をチェックするときは、「時制の一致」の知識は忘れましょう。何も触れないほうが子どもは正しく理解する可能性が高いです。

子どものフォニックス教材選び:3文字英単語攻略法

英会話教室に子どもを通わせると、子どもは英語を覚えます。ところが英語学習を中断すると、すぐに覚えた英語を忘れてしまいます。

同様に幼稚園~小学校低学年を英語圏の学校で過ごした帰国子女は、日本に戻るとあっという間に英語を忘れてしまいます。それは、音だけで英語を学んでいるからです。

もしあなたの子どもが小学生なら、音だけでなく文字からのアプローチも積極的に試みることをおすすめします。なぜなら、文字から学んだ英語は忘れにくい特徴があるからです。

ところが英語には「文字通りに発音されない」というやっかいな性質があります。そこで役立つのが「フォニックス(綴りと音の関係)」です。

今回はアルファベットを学び終わったあと、次のステップとしてフォニックスをどこまで勉強したらいいのかを具体的に解説します。フォニックスの基礎を身につけると意味不明だった英単語が読めるようになり、さらに「意味を知りたい」という意欲につながっていきます、

とても大事なスキルなので、子どもが楽しみながらフォニックスの基礎を学べる方法を紹介します。

アルファベットと実際の音は違うことを覚えさせる

私の経験上、英語が苦手な中学生のほとんどは「音読」が苦手です。つづりと音の関係(フォニックス)の基礎が身についていないからです。

英語の場合アルファベットを読めても、英単語は正しく読めません。例えば、F(エフ)O(オー)X(エクス)の3文字から出来ているFOXは「エフオーエクス」とは読まずに「フォックス」と発音されます。

これに対して日本語ではひらがなを読めれば、単語や文章を読めます。「き」「つ」「ね」がよめれば3文字の単語「きつね」も読めます。

英語と日本語の決定的な違いに気づかずに、英語に苦手意識を持ってしまう生徒が非常に多いです。残念なことに中学校の英語の先生もこの部分に時間をかけません。そして英語のできる生徒とできない生徒の差はどんどん開いてしまいます。

アルファベット表を活用して基本の「音」を覚える

英語の読み方には「緩いルール」があります。つづりと読み方の関係をまとめたものを「フォニックス」と呼びます。これを理解するためには、アルファベットが「別の音で読まれること」を学ばなければいけません。

別々に覚えると効率が悪いので、アルファベットを学ぶときに一緒に「別の音」を覚えさせましょう。

用意するものは「アルファベット表」です。大文字・小文字だけでなく、その文字を使用した単語とイラストが印刷されたものがいいです。「A/a」だったら、appleとリンゴの絵がセットになっているものです。

alphabet表*引用:「ちびむすドリル英語」(http://happylilac.net/alphabet-s.html)

これを使って「A(エイ)、ア、ア、ア、apple!」「B(ビー)、ブッ、ブッ、ブッ、banana!」のように、アルファベットの読み方(エイ、ビー)と単語に使われたときの音(ア、ブッ)をセットで覚えていきます。

この活動を通じて子どもは「アルファベットとしての読み方と違う音がある」ことを認識します。ここまでがフォニックスの最初の一歩です。

・アルファベット読みともう一つの読み方を覚えるまでが第一歩

実は単語の中では、アルファベット通りに発音されることも少なくありません。例えば、FACEのAはアルファベット読み(エイ)されます。これはアルファベットが読めればすぐに慣れるので特別に学ぶ必要はありません。

先述したように「A(エイ)、ア、ア、ア、apple!」と覚えると、アルファベット一文字に対して2種類の読み方(エイとア)を覚えたことになります。これだけでも読める単語はかなり広がります。

リビング、ランチョンマット、お風呂などに貼って声に出して覚える

アルファベットを覚えるときは、アルファベット表を子どもの目につく場所に複数個所貼っておきましょう。いつでもどこでも子どもが興味を持ったときに学習できるようにするためです。

私の場合は、リビング・お風呂・ランチョンマットの3ヵ所でした。ランチョンマットといってもアルファベット表を写真に撮ってA4サイズにプリントアウトして、それをラミネート加工しただけです。
アルファベット表風呂場
食べ終わって暇なとき、子どもは勝手にブツブツいいながら眺めています。読み方がわからなくなると聞いてくるので教えてあげました。お風呂のとき「A~Kまで言えたらお風呂から出ていいよ」とゲーム風にすると、顔を真っ赤にして必死になってやります。

英語を習い始めたら、アルファベットとそれぞれの基本的な音をセットで身につけます。これが完璧になったら、次のステップへと進みます。

フォニックスの基本は3文字英単語

次は「3文字の英単語を読む」トレーニングです。3文字の英単語は、bag, set, hit, dog, bug のように「子音+母音+子音」の組み合わせによる単語です。

アルファベットとは異なる「音」が身についていれば、それぞれの音を足し算するだけで「3文字英単語」は読めるようになります。

  • なぜ3文字単語か

3文字英単語を選ぶのには二つの理由があります。ひとつ目は「フォニックスの細かいルールに触れなくて済むから」です。

例えば、hatはアルファベットとは異なる音を理解していれば読むのは難しくありません。しかしこれにeを付け足して、hate(ヘイト:を嫌う)という4文字単語にしてしまうと一気に読みが難しくなります。

aは「エイ」のアルファベット読みになり、最後のeは発音されません。初心者である子どもには難しすぎる変化です。

3文字英単語を利用するふたつ目の理由は「扱える単語が一気に増えるから」です。もし2文字だけだと、is, in , on, upなどしか扱えず子どもにとって楽しくありません。

「英語を読めるようになった!」という達成感を子どもに味合わせるには、やはり3文字英単語が適しています。

フォニックスの基本:3つの音を足し算する

実際に教えるときは、まず一文字ずつの音の復習から入ります。ここでは、capを例に説明します。

母:Cを指しながら「クッ、クッ、クッ」
子:「クッ、クッ、クッ」
母:Aを指しながら「ア、ア、ア」
子:「ア、ア、ア」
母:Pを指しながら「プッ、プッ、プッ」
子:「プッ、プッ、プッ」
母:今の音全部足してみようか? 「クッ・ア・プッ、キャップ!」
子:cap!(キャップ)

このような感じでコツを示し子どもに「音を足す」感覚を理解させます。そして、少しずつ自分だけで読めるように導いていきます。

・フォニックスの効果

ここまで1~2か月ほど費やしますが、これができると今まで謎の文字だった英語が一気に意味のあるものに感じられます。

正しい音で読めると、子どもはかなり嬉しそうな反応をします。ここまでくればしめたもので、3文字英単語のフラッシュカード(片方に単語、反対側に絵)で瞬間的に読むトレーニングに移行することもできます。

フォニックスの基本はここまで

3文字英単語が読めれば、基本の終了まであと一歩です。最後の仕上げとしてdiagraph(ダイアグラフ)を覚えてしまいましょう。

ダイアグラフとは子音2字で新しい音を作るペアです。例えば、shで「シュ」・chで「チ」という音になります。全部で8個だけなので一気に覚えさせましょう。

th 【θ, ð】(例)think, then
ch【ʧ】(例)chat
sh【ʃ】(例)shut
gh【f】(例)cough
ph【f】(例)graph
wh【wh】(例)what
ck【k】(例)chick
ng【ŋ】(例)sing

ダイアグラフを学ぶと fishやrich などが読めるようになり、さらに英語学習のスピードは加速します。

私が考えるフォニックスの基本はここまでです。本格的なフォニックスの授業では、もっと細則を扱います。しかし私は深く学ぶことはおすすめしません。

なぜならルールが増えるにしたがって逆に読めなくなってしまうからです。また、ボキャブラリーが増えてくると例外がたくさん登場します。

例えばone, owlはフォニックスのルールでは読めるようになりません。そのためパッとひと目で読めるようにすることが推奨される単語です。いわゆる「sight word(サイトワード)」と呼ばれる単語です。

基礎が終わったら例外も含めて声に出しながら単語を覚えていけば、自然と英単語を読めるようになっていきます。少しくらいの間違いは、リーディングを学習しながら修正していけば問題ありません。

英単語を覚えるときの鉄則とは

英単語を覚えるときの鉄則は「正しい発音→意味→スペリング」の順番を守ることです。

英語が苦手な中学生は「Wednesday(発音はわからない)意味は水曜日。スペリングはウエドネスデイで覚えておこう」と考えます。

この生徒はリスニングを学ぶとき「ウエドネスデイはウェンズデイ」と2つの音で暗記しようとします。バカバカしく感じるかもしれませんが、このような覚え方をしている生徒は意外と多いのです。こんな単語学習では効率が悪すぎて、すぐに頭はパンクしてしまいます。

こんな覚え方をしないように、小学生のうちに英単語を覚えるときの鉄則を身につけて欲しいです。たったこれだけのコツで英語はずいぶんと楽に学べるはずです。

フォニックス教材を使ってゲーム感覚で楽しもう

フォニックスの基礎を子どもに学ばせるとき、市販の教材を利用するのはいいアイデアです。教材といっても高額なものは不要です。3文字英単語(Three-Letter Words)に絞ってカードを使った学習を紹介します。

絵合わせカードでフォニックスを学ぶ

Amazonで「Three-Letter Words」で検索すると多くの教材がヒットします。その中から「3 Letter Words (FlashKids Flash Cards)」Sterling Publishing Co., Inc.を選びました。

このカードは「3文字英単語をアルファベットだけでなく絵合わせによっても並べられる」のが特徴です。価格は467円ととてもリーズナブルです。

3 letter card

割と大きめのカードが届きました。この箱の中に86枚のカード(28単語×3)が入っています。カードの表には「1/3の絵とアルファベット(小文字)」が印刷されています。裏側には「アルファベット(小文字)」だけです。

bag Abag B

イラストは日本の子どもにも親しめる雰囲気のもので、海外の製品にありがちな「クドさ」は感じません。

遊び方

イラスト側を表にして、すべてのカードをランダムに広げます(畳1枚くらい)。次にイラストを参考にしながら3枚のカードを正しく並べます。ここまでは英語がわからなくても参加できるので、弟や妹がいるなら一緒にワイワイやりましょう。

3letterword_card1

cards B次に、イラストの下に書いてあるアルファベットを一音ずつ発音します。

「b・ビー、ブッ、ブッ、ブッ、a・エイ、ア、ア、ア、g・ジー、グッ、グッ、グッ」と子どもに発音させます。ここまではアルファベット表で練習をしているので、問題ないはずです。

大切なのは「音の足し算」です。「ブッ・ア・グッ…bag!」となれば完了です。初めのうちはそれほどスムーズにできませんが、イラストを頼りに少しずつ取り組みましょう。

これを繰り返していくと徐々に3文字英単語が読めるようになっていきます。お母さんの仕事は子どもをほめてやる気にさせるだけです。

裏側の活用

このカードの裏側はアルファベットだけがプリントされています。こちらの面の活用法も考えてみます。

cards C

始めにお母さんが3文字単語を読み上げます。その音を聞いて子どもは「スペリング」を想像しながらカードを並べます。イラストが見えないため、純粋に文字と音の関係を理解していないと単語を作れません。

またお母さんがダイアグラフ(th, sh, chなど)のカードを自作で追加すると「think」などを作れるようになり、さらにバリエーションと難易度を上げられます。こうしてゲーム感覚で楽しみながらフォニックスの基本を身につけられます。

小学校就学前の幼児でも、お兄ちゃんやお姉ちゃんと一緒に遊んでいるうちにフォニックスの基本を覚えてしまうかもしれません。

動画でフォニックスを学ぶなら、リトルフォックスがオススメです。

まとめ

フォニックスは例外や細かいルールが多いので、教育関係者でも否定的な意見を持つ人達がいます。ただ私は、「フォニックスの基本」は身につけたほうが絶対に英語をスムーズに読めると感じます。ただし、細かすぎるルールの学習は不要です。

アルファベットを学んだら、声を出しながらアルファベット読みとは異なる「音」を覚えましょう。それが充分に身についたら、3文字英単語を読めるようにします。3文字の単語は例外も少なく、少し頑張るだけで子どもでも読めるようになります。

3文字英単語の読み方を学ぶときに市販のカード教材を利用すると、弟や妹たちと一緒に遊びながら3文字英単語を学べます。価格も安いので、ひとつ揃えておくととても便利です。

フォニックスの基本が身につくと、少しずつ簡単な英語の本を読めるようになっていきます。文字から覚えた英語は忘れにくい特徴があります。英語学習の効率と定着が劇的に向上するので、時間をかけてしっかりと子どもに教えてあげましょう。

英語のパターンプラクティスはお母さんのジェスチャーで

スポーツや楽器の練習など技能の向上には、基礎トレーニングは欠かせません。野球なら「素振り」ピアノなら「バイエルン」などが該当します。地味な練習ですが大切です。

英会話の練習にも似たような基礎練習があります。指示に従って、文章の一部を入れ替えながら瞬時に口頭で英作文をする「パターンプラクティス」です。

なぜ、パターンプラクティスが必要かについて説明します。

ある一つの英語表現を覚えたときに、それとまったく同じ文章を実際の場面で使える確率はかなり低いです。例えば、I have a dog. という表現を習ったあと、そのままこのフレーズを使うには、本当に自宅で犬を一匹飼って誰かに説明する場面を待たなければいけません。すべての条件が揃うのはなかなか厳しいです。

でも、誰かの家に遊びに行って「君、犬を飼ってるんだ!」という状況はあり得ます。または、犬ではなくてネコが複数いる状況に置かれるかもしれません。

そのときに、タイミングよくYou have cats. というためには、パターンプラクティスが有効です。パターンプラクティスは、覚えた表現をあらゆる文脈や状況に変換できるように鍛えるためのトレーニングといえるでしょう。

その際、合図の出し方を工夫しないと意味のある練習になりません。今回は私が教員の頃に教わったジェスチャーを使って「パターンプラクティス」をテンポ良く進める方法を紹介します。

簡単に出来て子どももゲーム感覚で楽しめるので、ぜひ取り入れてみてください。

何かと必要な人称のパターンプラクティス

英語の口頭練習を子どもにさせるとき、パターンプラクティスをやらせることがあります。パターンプラクティスとはターゲットの文章の一部を入替えて、できるだけ早く口頭で英作文する英会話の練習方法です。

その中でも最も多いのが、人称(I, You, He, She…など)を入れ替える練習です。いくつかその具体例を見てみましょう。

現在形(いつものこと形)のbe動詞の練習

I am a boy. がターゲット文(子どもに学ばせたいセンテンス)のとき、主語が変わることによってbe動詞(am, is, are)が変化することに慣れさせます。また、a boy/a girl/boys/girlsのいずれかに変えなくてはいけません。

子どもが男の子だったら、例えば次のように練習します。

I am a boy.  You are a boy.  He is a boy.  She is a girl.  We are boys.  You are boys.  They are boys.

具体的に人の写真を見たり、周囲の人達を見たりして練習すると「イメージ→英語に変換」できるようになります。

このときゆっくり紙に書いては効果がありません。テンポ良く口をついて出てくるまで練習するのがポイントです。

所有格の練習

パターンプラクティスでの人称は主格(I, You, Heなど)だけではありません。所有格の練習にも使われます。

ターゲット文:This is my book.

This is my book.  This is your book.  This is his book.  This is her book.  This is our book.  This is your book.  This is their book.

パターンプラクティスではしばしば人称を入れ替える練習が行われますが、そのときに問題になることがあります。それは「いかにテンポ良く人称を伝えるか」です。

ただでさえ単調なトレーニングなのに、間延びした合図を出すと子どもはすぐに飽きてしまいます。

主語を頭に思い浮かべながら適切な動詞を選ぶ練習が必要

「テンポ良く伝える」以外にも、実際にやってみると問題が生じることがわかります。例えばお母さん(A)と子ども(B)の間でこのようなパターンプラクティスをしたとします。

A: When I say “my,” you say “This is my book.”
B: Okay.
A: My.
B: This is my book.
A: Your.
B: This is your book.

実はこのパターンプラクティスは効果的とはいえません。なぜなら、お母さんが答え(my, yourなど)を先に伝えてしまい、子どもはそれを繰り返すだけだからです。これでは何も練習になっていません。

また単数形のyourと複数形のyourの違いも伝わらず、子どもも戸惑ってしまいます。

理想的なパターンプラクティスにするには「イメージ」を与えて、それを子どもに英語に変換させなければいけません。では一体、どうやったらいいのでしょうか。

ジェスチャーで示せば解決する

これから紹介するテクニックは私が教員時代に指導教諭から教わったものです。家庭でも簡単に応用できるので、試してみてください。

  • 1人称(I, my, me)は自分を指す

1人称単数

  • 2人称(you, your, you)は相手を指す

2人称単数

  • 3人称(he, his, him)は隣を指す

3人称単数 he

  • 3人称(she, her, her)は隣を指す

3人称単数 she

*複数形は両手で表現する

1人称複数

2人称複数

3人称複数

*itを使わせたいときは指で表現する

it

テンポ良く

試しに先ほどのターゲット文であるThis is my book. のパターンプラクティスをジェスチャーで練習してみます。

お母さんはこのように示します。

3人称複数

子どもはそのイメージから「their」を頭に思い浮かべます。そして、“This is their book.”と間髪置かずに口頭英作文をします。すぐにお母さんは次の人称ジェスチャーを見せます。

もし子どもの反応が遅すぎたら、理解が充分でない可能性があります。もう一度復習してから、パターンプラクティスに移行しましょう。

始めのうちは「1人称単数→2人称単数→3人称単数→1人称複数→2人称複数→3人称複数」の順番で進めていきます。慣れてきたらランダムに切り替えます。テンポ良くやると子どもはゲーム感覚で頑張ろうとして、結構盛り上がります。

あなたの家族の名前など具体的な人を当てはめて練習するとより現実感のある練習ができます。パターンプラクティスはどうしても単調になりがちなので、いろいろ工夫をしてバリエーションをつけましょう。

「一回でできるように」と焦らずに数日に分けて少しずつ練習すると、子どもが飽きるのを防げるし効率の良い復習ができます。

まとめ

英語の基本センテンスを覚えたあと、いろいろな文脈で使用できるようにするためにパターンプラクティスは有効な練習方法です。その際、人称を入れ替えて基本センテンスをもとにして瞬時に口頭英作文をすることがしばしばあります。

このときに人称をジェスチャーで示してあげると「イメージ→英語に変換」の作業がスムーズにできるようになります。最初にお母さんと子どもの間で取り決めをしておけば、その後ずっと使えるので便利です。

パターンプラクティスは単調になりがちな練習です。テンポ良く短めに練習することを心がけましょう。具体的なイメージを交えたりしながら変化をつけて子どもが飽きないようにしましょう。.

 

子どもの英語教育に熱心なお母さんへお伝えしたいこと

あなたは子どもの頃、スポーツをしていましたか? 一生懸命プレーしている試合中、親が「何やってんだ〇〇! もっと速く走れ!」と大声で叫ぶ声が聞こえてきて嫌な気分になりませんでしたか?

私は少年野球をしていましたが、チャンスで打てないときやエラーをしたときに父親の怒鳴り声を聞いて「自分の子どもには絶対にこんなことは言わない!」と誓ったものです。

あれから数十年後。自分が親になり、あれほど嫌だった親の言動と同じことを言ってしまいそうになる自分がいます。そんなときは子どもの頃の自分の誓いを思い出すようにしています。

お母さんが英語教育に熱心なのは良いことです。しかし、それはあくまでも子どもの立場からサポートすることが前提です。子どもを自分の所有物のように扱ったり、すべてにおいて自分の命令に従わせようとしたりするのは間違っています。

英語教育の最悪の失敗は子どもを「英語嫌い」にしてしまうことです。本来、学ぶことは楽しいはずなのに「嫌な感情」を抱いてしまったなら、それは大人の責任です。

子どもが自らの意志で「もっと英語を学びたい」と思えるようにお母さんはサポートしましょう。その際「何を心がけなければいけないのか」について解説します。
勉強中の母娘

英語教育に熱心なお母さんが陥りがちな誤りとは

英語教育に熱心なお母さんに「なぜ、子どもに英語を学ばせたいのですか?」と質問すると、ほとんどの回答は次の3つに集約されます。

ひとつ目は「私は英語が苦手だったので、子どもには得意になって欲しいから」です。お母さんの英語コンプレックスが子どもの英語教育に駆り立てているパターンです。

コンプレックスが強いと子どもの英語教育に熱心になり過ぎる傾向があります。その結果、子どもの適性や自主性を無視して子どもに苦痛を感じさせる危険性が高まります。いわゆる「教育虐待」です。

ふたつ目は「これからの時代、英語を話せるのは必須だから」です。一見合理的に見える答えですが、子どもが成人する20年後の世界で何が必要とされるかなど誰にもわかりません。

私が高校生のとき(1980年代後半)社会の先生が「君たちが大人になったら衛星を通じてテレビ放送されるのが主流になる時代が来るよ」と雑談していたのを覚えています。いわゆる衛星放送(BS)です。

確かにその後すぐに衛星放送は始まりました。しかし、インターネットの出現は先生には予見できませんでした。大人ができる将来予想など現在の延長線でしかなく、まったく新しい未来など誰にも想像できません。

私は人口予想以外の未来予想はほとんど無意味だと思っています。誰にも準備できるものではなく、ただ変化に対応できるようにするだけです。

3つ目の答えは「英語ができると入試に有利だから」です。確かに英検の取得級によっては受験で加点されるなどの優遇措置があったり、大学受験では英語配点が高かったりします。

しかし、子どもの適性もわからないうちから大学進学する前提で話を進めているのは変です。また、入試の配点など小学生くらいの子どもにとっては正直「どうでもいい」話です。

「自身の英語コンプレックス克服」「時代の先読み」「入試における英語偏重」の3つの答えには共通して欠けている観点があります。それは、「子どもの立場で考えていない」ことです。

最悪なのは英語嫌いにしてしまうこと

子どもの英語教育で最悪の失敗は「子どもを英語嫌いにしてしまうこと」です。親のコンプレックスなど子どもには関係のない話です。時代の変化や入試での優位性についても、子どもには理解不能でしょう。

お母さんの意見を押しつけられて無理やり英語をやらされていたら、たまったものではありません。

英語はただの言語です。英語を主言語とする国では普段語として使われています。また、世界共通語としての役割もあり、世界中の人とのコミュニケーション手段として重宝されています。「嫌いになる」対象ではありません。

英語を通じて学べることに楽しさや喜びを子どもが感じられるように、お母さんがサポートするのが理想です。

私も親なのでお母さんの気持ちはよくわかります。私は水泳が苦手で今でもカナヅチです。学生の頃、友達から海に誘われると憂鬱でした。そのため息子には「水泳が得意になって欲しい」と強く思っていました。完全なコンプレックス型です。

しかし、息子も水泳が苦手で、プール教室に通っても全然上達しませんでした。イライラして子どもに文句を言いそうになったこともあります。かろうじて我慢しましたが、子どもに私の気持ちは伝わっていたかもしれません。

幸い指導の上手な先生に恵まれて人並みに泳げるようになり、プールを楽しいと感じるまでになりました。もしあのとき私が口やかましく水泳を押しつけていたら、むしろ私が願う方向と反対の結果になったはずです。

大切なのでもう一度繰り返します。最悪なのは子どもを「英語嫌い」にしてしまうことです。

子どもの立場で考えること

子どもの最大の利点は「好奇心が強い」ことです。この特性を最大限に活用して英語学習をさせると自発的に英語を学ぼうとします。何かに興味を持ったときの子どもの学ぶパワーは相当なものがあります。

私が小学校低学年までの子どもにおすすめしている「英語絵本の読み聞かせ」は、「楽しいストーリーを読みたい」「続きがどうなるのか知りたい」という子どもの好奇心を刺激します。

このとき英語は無理にやらされる勉強ではなく、好奇心を満たすために必要なことです。だから「英語についてもっと知りたい」という気持ちに子どもを駆り立てます。

もちろん面倒な暗記もときには必要です。しかし、その対価として「楽しさ」や「喜び」を得られるとわかれば子どもの英語学習への姿勢が異なってきます。

いったんお母さんの心にある英語への思いは胸にしまっておきましょう。そして、子ども目線でどうしたら知的に楽しく学べるのかを考えてみましょう。

最高にオススメなのが、英語の動画がたくさん見られるリトルフォックスです

英語が得意なお母さんも気をつけよう

強い英語コンプレックスが子どもの英語教育に向かうとあまりいい結果につながらないのと同様に、英語が得意なお母さんが子どもを苦しめてしまうことがあります。

これに関して私にも苦い思い出があります。私は英語が得意でしたし、かつて高校の英語教員でした。ところが自分の息子に英語を教えるとなると、本当に難しいことばかりでした。

もちろん教える内容が難しいのではありません。子どもへの接し方や教え方が難しいのです。恥ずかしい話ですが、子どもにわからない文法用語を多用したり、正確さを求めすぎて怒ってばかりしていたりしたことがあります。

また答えを与えすぎて、子どもが自ら法則を見つけ出す学ぶ喜びを奪ってしまうことも多々ありました。

子どもの英語の伸びが悪く、すぐに自分の誤りに気がつきました。そこで、全面的に指導法を見直しました。本を一緒に楽しんだり、子どもに考えさせる余地を与えたり、不正確な英語でもあえて無視したりするようになったのです。

英語が得意なお母さんも、子どもに英語を教えるときには細心の注意が必要です。

デンマークサッカー協会による「子どものサッカー指導者向け10カ条」

サッカー強豪国であるデンマークのサッカー協会による「子どものサッカー指導者向け10カ条」があります。英語とサッカーは無関係に感じるかもしれませんが、子どもに大人が何かを教えるという点では共通です。

そして忘れてならないのは「デンマークが世界でもトップクラスの教育先進国」であることです。サッカー関係者だけでなく、教育に関係するすべての大人は理解しておいたほうがいい示唆に溢れています。

10カ条の紹介

  1. 子どもたちはあなたのモノではない。
  2. 子どもたちはサッカーに夢中だ。
  3. 子どもたちはあなたとともにサッカー人生を歩んでいる。
  4. 子どもたちから求められることはあってもあなたから求めてはいけない。
  5. あなたの欲望を子どもたちを介して満たしてはならない。
  6. アドバイスはしてもあなたの考えを押し付けてはいけない。
  7. 子どもの体を守ること。しかし子どもたちの魂まで踏み込んではいけない。
  8. コーチは子どもの心になること。しかし子どもたちに大人のサッカーをさせてはいけない。
  9. コーチが子どもたちのサッカー人生をサポートすることは大切だ。しかし、自分で考えさせることが必要だ。
  10. コーチは子どもを教え導くことはできる。しかし、勝つことが大切か否かを決めるのは子どもたち自身だ。

このような10カ条が発表される背景には、サッカー指導において子どもとの接し方に問題のある大人が多いからです。日本だけの問題ではなく世界中で見られる問題です。だからこそ、大人が意識して気をつけなければいけないのです。

英語に当てはめて考えてみる

サッカー10カ条を英語教育に当てはめてみると、私たち大人の振舞いについてどうあるべきかが見えてきます。

1と5は、英語コンプレックスを持つお母さんには特に気をつけてもらいたいです。子どもには子どもの人生があるので、自分の意のままにしようとしてもいずれ破綻します。

私は4・6・9が心に刺さりました。つい答えを与えることで満足してしまい、子どもの頭で考えさせる機会を奪っていたからです。正しいことを伝えることは簡単ですが、本当に子どものためになるかどうかは真剣に考えなくてはいけません。

スイスサッカー協会の保護者むけポスター


おとなのみなさんへ

 

「ぼくたちのゲームを観に来てくれて、そしてぼくたちのこと、ぼくらのサッカーのことを気にかけてくれてどうもありがとう」

 

今日はぼくたちの1日

 

「ぼくたちは、サッカーをするのが楽しくて大好きなんだ。もちろん、ぼくらのうちのだれが勝っても楽しいんだ。でもぼくらにとって一番大事なのはプレーすることなんだよ」

 

だから、プレーをさせておいてください

 

「大声でさわがないでね。相手のチームや応援に対してもフェアな態度をとってね。ミスをしたからって、いちいち言わないで。そんなことを言われたらがっかりだし、言われたからってそう簡単にうまくできるようにはならないんだ」

 

すべてのこどもより

これはスイスサッカー協会が子どものサッカーを観戦する保護者むけに掲示したポスターの内容です。すべての大人はかつて子どもだったのに、いつの間にか当時の気持ちを忘れてしまいます。上記のポスターの内容は私が子どもの頃親に言われて嫌だったことそのものです。

私は少年野球で内野ゴロを打ち試合に負け、父親にけなされました。そのとき「大人になったら俺はこんなこと子どもには言わないぞ」という記憶がよみがえってきました。あなたにも一つくらい同じような経験があるはずです。

自分の子どもには同じ思いをさせてはいけません。

「何のために学ぶのか」の原点を忘れずに

本来「学ぶこと」は楽しいはずです。できなかったことができるようになったり、知識が膨らむと見える世界もグングン広がったりするからです。初めて自転車に乗れるようになって、生活圏が急に広がったときの感覚です。

人間の究極の目的は「幸せに生きること」です。AI(人工知能)の出現によって翻訳機能が完成され英語学習は不要になるという意見があります。本当かもしれないし、違うかもしれません。

しかし、AIには人間の学ぶ喜びを妨げることはできません。あらゆる分野で人間の能力を凌駕しても、知識欲は減退しないはずです。速く走る車やバイクが登場しても、陸上競技で速く走るために一生懸命練習する選手が消滅しないことを見れば明らかです。

私など大人になっても英語の歌の歌詞が聴き取れたり、自分で口ずさめたりすると嬉しいと感じます。翻訳機では決してこの喜びは味わえないでしょう。

人間の本能でいろいろなことを知りたいし、何かができるようになると幸せを感じます。お母さんが子どもの英語学習をサポートするときの接し方を考えるとき、子どもが「学ぶことの喜び」を感じられるように配慮しましょう。

まとめ

子どもに英語を学ばせたいと願うなら、子どもの立場で考えてあげないと「英語嫌い」になってしまう確率が高いです。英語は言語であり、そもそも「嫌い」になる対象ではありません。

例えば親子で英語絵本を楽しんでいて「続きを知りたい」欲求を満たすために学ぼうとするのが、本来のあるべき姿です。お母さんの考えや願望はもちろん理解できます。しかし、それは心の中にしまっておくほうが賢明です。

デンマークの「子どものサッカー指導者向け10カ条」を紹介しました。ひとつひとつ熟読すると、ほとんどのお母さんは一つくらい反省点が見つかるはずです。

「学びたい」「知りたい」という感情は、人間の基本的な欲求のひとつだと思います。そこを刺激してあげられるようにサポートするのが理想的な「英語教育に熱心なお母さん」の姿です。

私も一人でも多くの子ども達が「英語っておもしろい!」と感じてくれるように、お手伝いできればと考えています。一緒に頑張りましょう。

小学生にもわかるように比較表現「than」「as~as」を解説します

お母さん世代なら覚えているでしょうが「than」や 「as ~ as」を使った比較表現は中学校で習いました。この頃に扱われる比較表現は簡単なので多くの生徒にとって理解は難しくありません。

ところが高校に入った途端、今まで見たこともない「than」や「as ~ as」の比較表現が登場します。中学まではA is taller than B. だったのが、高校に入るとA is taller than B is. と当然のように教えられます。

実は高校で習う比較表現は「最も基本的な型」です。中学で学ぶのは「究極に省略された型」または「文法から外れてしまった口語表現」です。

問題は、そのギャップを埋める指導がほとんどなされないことです。高校の英語教師は中学でどこまで教えるかついてあまり関心を払っていません。中学の先生も高校で教えられる内容についてあまり詳しく理解していません。

そこで今回の記事では「比較表現の基本」について詳しく解説しました。

小学生にとって比較表現は簡単ではありません。しかし、「最も基本的な型」を理解すれば、高校に進学したときもスムーズに学習できます。もし子どもの英語レベルが大丈夫そうだったら、時間をとってお母さんから「比較表現」を教えてみましょう。

Jane is taller than Mike. を徹底解説!

子どもに英語を教えるときは、「動画・写真・イラストなど視覚に訴えるもの」を活用するのが一般的です。特に比較表現では具体的なものを見せないと「AよりBが~」「AとBは同じくらい~」を理解しづらいです。

今回は3人の子どもの写真を用意しました。名前と年齢(数字)を追加しました。

これを使って小学生にもわかるように比較表現を解説します。たったの3ステップで誰でも理解できます。

Jane is tall. とMike is tall.

最初に「背比べ」をしてみます。形容詞の「tall」を基準にします。このとき本当に背が高いかどうかは関係ありません。背が低い者どうしを比べることもあります。実際に高いかどうかではなく、「高い」を基準にしてどちらが程度は強いのかを比べています。

まずJaneとMikeについて2つの文章を別々に作ります。

Jane is tall.  と Mike is tall.

比較の文章では常に程度の強いほうを左側(最初に)、程度の弱いほうを右側に置きます。子どもがこれらの文章を理解できなければ、比較表現は早すぎます。もう少し準備してから挑戦しましょう。ここまでが最初のステップです。

ふたつの文章をthanでつなごう

次に、さきほどの2つの文章を「than」を使ってつなぎます。thanは文法的には「接続詞」です。つまり文と文をつなぐ働きをします。

この「than」には特徴があって、これだけでは文章をつなげません。

例えば、「ボルト」は何かを固定するものです。しかし、これだけで何かと何かをつなぎ合わせることはできません。必ず「ナット」が必要です。

ボルト

thanをボルトに例えると、ナットは形容詞の比較級です。比較級とは簡単に言えば、形容詞の最後に-erをつけたり(old→older)形容詞の前にmoreをつけたりする(beautiful→more beautiful)ことで作れます。

比較級をボルトとナットに例える

すると次の文章ができあがります。

Jane is taller than Mike is tall.

ここまでが第2ステップです。

前に出てきたのと同じものは省略・削除

いよいよ最後のステップです。ここからは、余計なものを削除したり省略したりして形を整えていきます。

*共通している比較の「基準」はあとに登場するほうを削除する

今回は「tall」という共通する基準で比較しているので、うしろのtallは削除します。

Jane is taller than Mike is tall.

これでthanを使った比較級の最もスタンダードな文章が完成です。

*左側の文章と右側の文章の共通している部分は省略可能

この例文ではis(be動詞)が共通しているので省略できます(省略しなくてもいいです)。

Jane is taller than Mike (is).

これがギリギリまで削った型です。お母さん達が中学校で習った比較級のタイプはこれです。最も短いので初心者用のテキストにはこの文章が好まれて掲載されます。

省略しない変化もあるので、ひとつだけ紹介します。

Jane swims faster than Mike does.

swimsを繰り返し使わずに、doesに置き換えました。これはやや上級編です。もちろん、動詞そのものを省略しても大丈夫です。

Jane swims faster than Mike.

ここまで3ステップに分けて、thanを使った比較級の文章について解説しました。お母さんが中学校の頃に初めて習ったthanの例文は「省略の究極形」であることがポイントです。

最初にこの形から覚えるとその場は簡単です。しかし、将来スタンダードなタイプ(Jane is taller than Mike is.)を見たときに「えっ、何でMikeのあとにisがついているのだろう」と混乱してしまいます。

「最初に基本形を習ってから省略も可能」と理解したほうが、子どものためになると私は思っています。

Jane is as old as Billy. を徹底解説

比較表現にはthanの他に、「as ~ as」 を用いて「~と同じくらい…」の意味になる用法があります。ここでもthanと同じく3ステップに分けて詳しく説明します。

Jane is old. と Billy is old.

写真のJaneとBillyは同じ9歳です。そこで今度は「old」を基準にして等しいことを表すふたつの文章を用意します。ここでも強調したいほうを最初(左側)に置きます。

ここではJaneにフォーカスを当てて、「JaneとBillyは同い年です」という意味の文章を作ってみます。

Jane is old. と Billy is old.

ここまでが最初のステップです。

ふたつの文章をasでつなごう

次に、2つの文章をasでつなぎます。ここでもthanのときに登場した「ボルトとナット」の話を思い出してください。asだけで文章をつなげないので、左側の形容詞の前にasをナット代わりに置きます。

同等比較ボルトとナット

Jane is as old as Billy is old.

ここまでが第2ステップです。

前に出てきたのと同じものは省略・削除

いよいよ最後のステップです。ここからは、余計なものを削除したり省略したりして形を整えていきます。

*共通の比較の「基準」はあとに登場するほうを削除する

今回は「old」という共通する基準で比較しているので、うしろのoldは削除します。

Jane is as old as Billy is old.

これがas  asを使った比較級の最もスタンダードな形です。

*左側の文章と右側の文章の共通している部分は省略可能

Jane is as old as Billy is.

これが中学校の教科書にも出てくる究極まで削った形です。

「(2番目の)as」 は接続詞なので、うしろにセンテンス(主語+動詞…)が続くことを理解することが肝心です。省略されているものをイメージしながら補えれば合格です。

口語表現で注意すること

口語表現と聞くと「やさしい言葉」「イケてる言葉」を連想するかもしれません。しかし、そのほとんどは文法からズレていて、外国人にとってやっかいです。

これから紹介する口語表現は、本来の正統的な表現を超えるほど市民権を得ているのでなおさらやっかいです。

Jane is taller than Mike. を代名詞で書き換えてみる

Jane is taller than Mike. を代名詞を使って書き換えてみます。

She is taller than he.

これで正解ですが、「口語ではthanのうしろに目的格を置くことが多い」です。すると主格のheはhimに変化します。

She is taller than him.

これまで説明してきたように、thanのうしろにはセンテンス(主語+動詞…)が続きます。普通に考えればMikeの代名詞として文法的に正しいのは「he」です。

しかし、口語表現では頻繁にthanのうしろに目的格(ここではhim)を続けます。ある調査によると、ネイティブが自然に感じる比較表現を順番に並べると次のようになったそうです。

1位:She is taller than he is.
2位:She is taller than him. (1位と僅差で)
3位:She is taller than he. (低い支持率)

日本語でも本来正しくないとされる「ら抜き言葉」が徐々に多数派になりつつあります。英語でも似た現象が見られるのは興味深いです。

こんな文も読めるようになる

私が最も短く省略された形や口語体ではなく、比例表現の基本形から説明したのには理由があります。それは「最も応用が利く」からです。

入試では教科書の表現に留意して問題は作成されます。だから省略された型から学んでも支障はないです。

一方、ネイティブの子ども向けに書かれた本は、基本形を理解していないと読めない比較表現で溢れています。そのような文章にであったときに子どもが慌てないために、やはり基本形を抑えておいたほうがいいです。

「入試に出る・出ない」で学ぶ内容を考えるのではなく、本物の英語を理解するために学ぶという基準を忘れてはいけません。

ネイティブのYear3~4(小2~3)に人気のGeronimo Stiltonに出てくる比較表現

ネイティブの子どもが読む本の中で比較表現はどのように登場するのかを解説します。ここで取り上げるのはGeronimo Stiltonのシリーズです。

Geronimo Stiltonは新聞社を経営しているネズミです。このシリーズはネズミにまつわるダジャレがちりばめられていて、小学校低学年~中学年の子どもに人気の児童書です。

その中のTHE KARATE MOUSEでは、主人公のGeronimoが空手の試合に出場する話です。手強い相手と試合中の場面からの引用です。

Champrat was big, tall, and covered with muscles, but he was a lot slower than I was!
(チャンピオンのネズミは大きくて背が高くて筋肉に覆われていたが、僕よりずっと遅かった!)

Geronimo Stilton THE KARATE MOUSE

基本を理解していれば簡単に読める文章です。しかし、もしhe was a lot slower than me.とかhe was a lot slower than I.の形でしか比較表現を習っていなかったら、きっと混乱するでしょう。

やはり応用の利く基本形を学んだほうが近道です。

まとめ

「than」を使った比較表現と「as ~ as」 を使った比較表現を3つのステップに分けてわかりやすく解説しました。お母さんの多くは中学校から英語を本格的に学んでいますが、そのときに扱われる比較表現は最も省略がすすんだ形です。

thanもasも文章と文章をつなぐ役割をしているので、主語と動詞が続きます。条件が揃ったときだけ省略できます。

口語ではthanのあとを目的格にすることがあり、文法に忠実な文章と同じくらい広く使われています。英語学習者にとってはやっかいですが慣れるしかありません。

比較表現をきちんと理解して英文を読めるようになるためには、一度時間をかけて比較表現を子どもに基本から理解させる必要があります。それさえできれば一気に運用力も高まるので、安易に近道を選ばないようにしましょう。

意外と難しい「現在形」と小学生のうちに知っておくべき時制とは

「英文法の授業が大好きだった」人は少数派です。本来、英語の語順や用法をまったくわからない日本人のために説明してくれるありがたい授業なので、もう少し感謝されてもいいはずです。

ところが実際は「英文法など役に立たない」「細かい知識ばかり覚えさせられた」など最低の評価ばかりです。確かに参考書を見ると小難しい用語で埋め尽くされていて、楽しく読める内容ではありません。

参考書や教科書は「正しいこと」を伝えるのが目的で、「わかりやすく」伝えるのは教師の腕にかかっています。ところが多くの英語教師も「正しいこと」だけを伝えてしまい、生徒は混乱しているのが英文法の授業の実態です。

子どもが英語を学ぶときに避けて通れない文法の壁はいくつかあります。そのうちのひとつは時制です。「過去形・現在形・未来形」は日本語にはない概念なので、腑に落ちるまでにかなりの時間と労力が必要です。

その中でも特に「現在形」は「過去形・未来形」と比較しても理解するのが難しい時制です。ワークブックに取り組んでも英語スクールで習っても、正しく理解できている子どもは少ないです。

そこでお母さん向けに、「現在形」の本質について説明することにしました。楽しい話題ではありませんが、一度理解すると子どもにも良いアドバイスができます。ちょっとだけ辛抱して最後まで読んでください。

現在形は「今」ではない!

中学校で本格的に英語を学習すると最初に扱う時制は「現在形」です。その後に学習する過去形・未来形と合わせて「3つの基本時制」のうちのひとつです。

ところがこの「現在形」は意外とクセモノです。他の二つの時制にはない特徴があるので、正しく理解するには時間がかかります。

まずはお母さんが正しく理解して子どもの質問に答えられるように準備しておきましょう。

過去形・未来形は点、現在形だけ幅のある時制

学生時代に少しだけ戻って、3つの時制を復習しましょう。

*過去形

I was 10 years old in 2013. (私は2013年に10歳だった)

2013年の時点(過去)において、「10歳だった」と伝えています。

*未来形

I will be ten years old next year. (私は来年10歳になります)

来年の時点で10歳になります、と伝えています。

*現在形

I am 10 years old. (私は10歳です)

日本語訳は「私は10歳です」で間違ってはいませんが、もう少し深く考えてみましょう。昨日私は何歳でしたか? 明日私は何歳でしょうか?

現在形は「今」のことだけでなく、少し前から少し未来のことまでを含めた時間を表現しています。過去形と未来形がそれぞれの時間軸の点で表現できるのに対して、現在形には「幅」があるのです。

これは現在形の大きな特徴なので正しく理解しましょう。

現在形という用語が悪い! 「いつものこと形」と呼ぼう

現在形には「幅」があることはすでにお伝えしました。しかし、中学生、いや高校生でも正しく理解している生徒は少ないかもしれません。

混乱の一因は「現在形」という文法用語ではないかと考えています。日本語の現在とは「今」の時点のことです。

英語の現在形を子どもにわかりやすく伝えるために、現在形ではなく「いつものこと形」と呼ぶことを提唱します。これは私のオリジナルではなく、友人の英語の先生が教えてくれたことです。

「いつものこと形」なら、英語の現在形を的確に表しています。例えば、I drink coffee after meals. なら「私は食後コーヒーを飲みます」という「いつものこと」を表現しています。

昔、高校の受験参考書の解説には「現在の反復動作」「不変の真理」に現在形を用いると書いてありましたが、子どもにそんな説明をして理解できません。

「不変の真理」を表す例文として代表的なものを紹介します。

The earth goes around the sun.

これも「いつものこと」で充分説明できます。地球が太陽の周りを回っているのは「いつものこと」だからです。

子どもに3つの基本時制「過去形」「現在形」「未来形」を教えるときは、現在形は「いつものこと形」として理解させましょう。現在形だけ「幅」のある時制であることを教えてあげるだけで英語の理解度は格段に違ってきます。

「今」を語るなら、現在進行形

では今この時点のことを表すには、どうしたらいいのでしょうか。答えは、「現在進行形」です。

例文を見て違いを感じ取りましょう。

I listen to music every day.(現在形orいつものこと形)

I am listening to music.(現在進行形)

先述のとおり、「いつものこと形(現在形)」には幅が感じられます。おとといも昨日も今日も明日もあさっても「音楽を聴く」のです。

現在進行形では「(今)音楽を聴いている」ことを表しています。幅は感じられず、今この一点だけです。

子どもに時制を教えるのはプロでも難しいです。「現在」という文法用語に引きずられて、「今」を表す現在進行形と「いつものこと」を表す現在形を混同する傾向があるからです。

また「現在形」では「3人称・単数(he, she, itなど)」が主語になると動詞に「s」をつけるルールがあります。3つの基本時制の中で最も難しい時制です。

もし子どもが英語スクールや塾の先生から時制を教わって混乱していたら、お母さんがもう一度整理して教えてあげましょう。

3つの基本時制と3つの相

子どもが時制を学ぶときに混乱してしまうもう一つの原因は、時制の知識が整理されないまま詰め込まれるからです。3つの基本時制のあと、進行形や完了形などが追加されると訳がわからなくなります。

ここでは時制の概念をわかりやすくするために、表を用いて解説します。また、小学6年生までにどの時制まで学習しておいたほうがいいのか、の目安についても触れます。

  • すべての時制を一枚の表で理解する

まず、「過去形」「現在形」「未来形」の3つの基本時制があります。

基本 過去形 現在形 未来形

そして3つの基本時制だけでは表現できないニュアンスがあるため、さらに3つの概念を掛け合わせます。

基本 過去形 現在形 未来形
進行 過去進行形 現在進行形 未来進行形
完了 過去完了形 現在完了形 未来完了形
完了進行 過去完了進行形 現在完了進行形 未来完了進行形

ご覧のとおり、時制は全部で3×4=12あります。しかし、基本はあくまでも過去形・現在形・未来形しかありません。「進行」「完了」「完了進行」は「味付け」です。

麺の基本が、「うどん」「そば」「パスタ」とします。それに「カレー味」「カルボナーラ」「めんつゆ」の味付けをしていると考えればわかりやすいかもしれません(一部食べたくない組み合わせがありますが)。

基本 うどん そば パスタ
カレー カレーうどん カレーそば カレーパスタ
カルボナーラ カルボナーラうどん カルボナーラそば カルボナーラパスタ
めんつゆ めんつゆ+うどん めんつゆ+そば めんつゆ+パスタ

詳しい説明は割愛しますが、現在完了形は「現在形」の一種です。

I have just finished my homework.

これはたった「今」宿題を終えたという表現なので、現在形のグループであることは明らかです。

もし子どもに英語の時制について解説を求められて混乱してしまったら、一度この表を眺めてみることをおススメします。

小学6年生までに理解しておきたい時制はここまで

では、小学6年生までに時制についてどのあたりまで理解しておけばいいのか、の目安について解説します。

英語の絵本の読み聞かせをしたことのあるお母さんならすでにお気づきと思いますが、いきなり過去形のオンパレードです。なぜなら、物語は「~しました」という過去形で大部分が語られるからです。

まずは現在形・過去形を理解するところから始めましょう。お母さんが中学時代にやったような不規則動詞の「原形・過去形」を呪文のように唱える覚え方は、子どもには不向きに感じます。

例えば、子どもは絵本や本の音読を繰り返しながら、thoughtとthinkを別々に覚えてもいいです。そのあとどこかの時点でふたつの単語がつながって「同じ単語である」と認識でいれば大丈夫です。

余談ですが、未来形は正確には動詞は変化していません。willや be going toを組み合わせて表現するので「未来表現」と呼んだほうが適切です(これも英語教師の友人に教えてもらいました)。

3つの基本時制を理解したら、それに進行形の味付けを加えられれば表現の幅はグッと広がります。小学6年生までに、表で示された「赤とオレンジの枠」まで理解できれば充分です。
時制*学習の優先順位の第一位は 赤 >  黄色 > 緑 > 青

まとめ

「現在形」が表現するのは「今」の一点ではなく、幅のある「いつものこと」です。「今」に限定した内容を表すには「現在進行形」を用います。

この点において、「現在形」は他の基本時制である「過去形・未来形」とは決定的に異なります。また現在形においては、主語が3人称・単数の場合、動詞にsをつける決まりがあります。「現在形」は中学校で最初に習う時制ですが、実は最も難しい時制と言えます。

進行形・完了形・完了進行形は、「時制」への味付けです。これらのことを長期間に渡り一つずつ学ぶと頭の中が混乱してしまいます。しかし、一覧表で眺めればそれほど難しいことではありません。

小学生にも理解しておいて欲しいのは、3つの基本時制と進行形までで充分です。ここまで進めば簡単な本を読めるようになるので、英語学習のスピードは加速します。

小学生に英文法を学ばせるときのコツとは?

子どもからテストを渡されて、最初に何をチェックしていますか? 「得点でしょ」というお母さんの声が聞こえてきそうです。

私は子どものテストを受け取ったら、得点よりも「学習内容」を先に見ます。今、何を勉強していているのかが気になるからです。そして、理解できていることと理解できていないことを確認します。得点にはあまり関心がありません。

私の専門は英語ですが、国語のテストは細かくチェックしています。特に「主部・述部・修飾語」の文法問題が出題されたときは注意深く見ています。なぜなら、この理解度によって英語文法を教えるべきタイミングを判断できるからです。

個人差はあるものの、小学4年生くらいから少しずつ英語文法を理解し始めるようになります。でもその年齢はまだ抽象的な概念の操作は得意ではありません。そのため文法を教えるときは慎重にしないと、一気に英語嫌いになってしまいます。

先生にお願いするにしてもお母さんが自分で教えるにしても、文法を何のために学ぶのかを正しく理解しなければいけません。日本人の子どもは、ネイティブのように無意識に英語を話せません。そのため、日本語と英語の違いを理屈で理解しなければいけません。

このときに必要なのが文法です。文法は正体不明の外国語をわかりやすく理解させてくれる便利な知識です。文法を学ぶと「自信をもって英語を使えるようになる」のが理想です。文法の知識が足枷になり英語を積極的に使えなくなってしまうのでは、本末転倒です。

この記事では英語学習には欠かせない英語文法を小学生が学ぶときに、どのようなことについて注意をしたらいいのかを詳述します。また、文法を理解できるタイミングの見極め方や具体的な方法について解説します。

小学4年生から英文法にチャレンジ

子どもが英語を学ぶときは「音の学習中心」ですすめたほうがいいです。アルファベット、フォニックスの基本、基本単語やセンテンスの音読を通じて英語の音に慣れていくのが理想です。

街の英語教室に子どもを通わせているお母さんの中には「遊びみたいなことばかりしている」と感じるかもしれません。しかし、遊びを通じて英語を発話する機会を多く作っているのならとても有意義です。

ところが小学3年生くらいになると、無邪気にリピートする子どもは少なくなります。積極的に英語を話そうとする姿勢が見られなくなってくるのです。

こうなるとそれまでと同じようなアプローチで学ぶのは難しくなります。それでも「音」の学習の重要性は変わりません。家で英語を音読したりするときは、お母さんは否定的な言葉を使わずにできるだけ良い部分をほめてあげるようにしましょう。

そもそも小さい子どもに特有の無邪気さが消えていくことは、悪いことではなく成長の証です。これまで何も考えずに言われた英語を「リピート」していたけれど、あるときから「あれ、日本語と全然違うぞ」と気がつき始めます。

これが「英語文法」への意識の始まりです。この疑問を感じ始めたタイミングをうまくとらえると、効果的に英語文法の学習を開始できます。これ以降は音の学習と文法の学習を並行して進めていくと効果的です。

日本語との違いを意識し始めたときが合図だが

例えば“I played football in the park yesterday.”(きのう公園でサッカーをした)を音読するとき、小学2年生までの子どもなら何も考えずに先生の後について大きな声で読み上げます。

しかし、小学3・4年生になると「あれっ、yesterday(きのう)は何で最後に来るんだろう?」「サッカーをしただから、football playになるはずなのに…」と日本語と英語の違いに気づき始めます。

このように子どもがモヤモヤした感情を持つようになったら、最初に文法を教える合図です。何かを「知りたい」と思っているタイミングで、必要な知識を学ぶのが最も効率がいいからです。乾いた砂に水をかけるとあっという間に吸収されるのと似ています。

ところが話はそれほど単純ではありません。この時期の子どもは文法のような抽象的な概念の学習はまだ苦手なのです。そのためお母さんが中学校で受けたような英語文法をそのまま学ぶことはできません。

無理に文法の知識を教え込もうとすると、たちまち英語嫌いになってしまいます。小学3・4年生は英語文法に意識を向け始めつつも、文法学習には早すぎる難しい年齢であるといえます。

国語の授業に注目

国語教科書を見ると小学2年生くらいから「主部と述部」について授業で習うようです。そして小学3年生では「修飾語」なども扱われています。

学校から国語のテストを持ち帰ってきたら、点数だけ確認するのではなく、このような文法をどこまで理解しているかをお母さんには確かめて欲しいのです。

3年生までの国語文法に関する事項をほぼ問題なく理解しているようだったら、英語の文法を学ぶ下地ができているサインです。もし、国語文法問題に誤りが多ければ、まだ抽象的な概念の学習には早すぎます。

英語文法の基礎を学ぶ合図は、国語文法のテストの結果がひとつのバロメーターになります。

あせりは厳禁だが、できそうならチャレンジ

成長段階を無視して文法学習を始めるのは絶対にやってはいけません。時間の無駄になるだけでなく、子どもが「英語嫌い」になってしまう可能性があるからです。そのため、国語の文法の理解度を見て大丈夫と思ったら、少しずつ英語文法の学習に取り組んでもいいです。

一般的には小学5年生くらいから英語文法を理解できるようになります。もし、心配ならそこまで待つのも悪くありません。

文法学習は彫刻制作と似ている

理想的な文法学習は、石膏彫刻の制作過程と似ています。

彫刻(面取り)

最初にノミとハンマーを使って大まかな形を作ります(面取り)。

彫刻仕上げ

それから徐々に全体のバランスに気を配りながら、細部を仕上げていきます。

これを文法学習に当てはめてみます。初めのうちは細かいところにこだわらず大切な部分だけを大まかに学習します。そして、少しずつ段階を経て細かい文法知識を身につけていくのが理想です。

細部から始めたらフリーズする

もし、石膏彫刻をするときにいきなり髪の毛の細かいところから彫りだしたらおそらく作品は失敗します。なぜなら、全体のバランスを見失うからです。

ところが中学校から始まる英語文法学習は、これに近いことが行われています。例えば中学校の1学期には「3単現のs」を扱います。

ネイティブの子どもでも小学校2年生くらいまでは「3単現のs」を間違えることがあります。2歳から英語を話し始めて5年以上英語漬けの子ども達です。彼らでさえ「3単現のs」は5年目で完成させる項目なのです。

一方、日本の中学校に目を移すと、中1の1学期には「3単現のs」を扱います。つまり本格的に英語を学び始めて数か月しか経っていません。

「-s, -x, -ch, -sh, 子音字+oで終わる動詞には-esをつける」「子音字+yで終わる動詞はyをiに変えて-esをつける」はテストでも頻出事項です。しかし、これらの知識は彫刻でいえば毛髪一本一本に相当します。

このような細かいルールから覚えていったら、誰でも頭はフリーズ状態になってしまいます。「英語を話しましょう」と言われても、無理に決まっています。

中学校以降の文法知識はテストを意識しています。このような細かい知識を問う問題にしないと、得点に差がつかず成績をつけられません。理想的な「英語をスッキリと理解するための文法」とはかけ離れた姿です。

お母さんができる対策としては、小学校までに文法の「面取り」作業を終えておくことです。そして、中学校以降で細部の仕上げに移行できるようにしてあげれば、子どもの頭もフリーズせずに英語の発話を妨げないようになります。

大事な部分を残して、細部は捨てる勇気を

小学生が英語文法を習うときは、大事な部分を残して細部は捨てる思い切りのよい指導が必要です。先ほどの「3単現のs」を再び例に挙げると、次のようなステップを踏むことになります。

1.私(たち)あなた(たち)以外の人やモノ(3人称)に意識を向ける

2.とりあえず私(たち)とあなた(たち)以外が主語で「いつものこと(現在形)」を表現するときは、動詞にsをつけてみる

3.複数ではなく単数のときだけ動詞にsをつけてみる

4.疑問文や否定文のときはdoesを使う

このようなステップを設けることで、少しずつ子どもでも「3単現のs」を理解できるようになります。「yをiに変えてesをつける」(study→studies)のような知識は中学校まで先送りしても問題ありません。

英文法の核は語順である

小学生が学ぶべき英語文法の大事な部分は「語順」です。英語ネイティブは意識せずに英文を作れます。しかし、日本人は「無意識に」英文を作ることはできません。意識的に文法(語順)を学ばなければ、いつまで経っても簡単な文章でさえも作れません。

英語は日本語よりも語順の制約が大きいので、文法初心者はまず基本的な文型(パターン)を理解することから始めるといいです。

小学生は手を動かして基本文型を学ぼう

文型を小学生に学ばせるときに、「SV」「主語、動詞、目的語、補語」のような用語を使っても、混乱するだけです。小学生は目に見える具体的な物の操作は得意です。文法を理解させたければ、できるだけ目に見える形で教えなければいけません。

英語教師でそのように指導してくれているなら、任せていても大丈夫です。しかし、小学5年生になっても何も文法を取り扱わなかったり、細かい知識を詰め込むような中学校の前倒しの授業をしていたりするならお母さんのフォローが必要です。

基本文型は「動詞」の理解が鍵

文型の「肝」は動詞の理解です。国語でいえば「述部」と似ています。動詞という用語はどうも小学生ウケが悪いです。ネイティブっぽく「action words(アクション・ワード)」と呼んだほうが、子どもはイメージしやすいこともあります。

まず、「目的語を必要とする動詞(他動詞)」と「目的語を必要としない動詞(自動詞)」の区別をできることが第一段階です。例えば、下のような例文をいくつか見せながら、動詞に線を引かせてみます。

I play football.
I live.
I read a book.
I want some water.
I walk.

次に、目的語(~を)を必要とする動詞は青色、不要なものは赤色で〇をつけます。

I play football.
I live.
I read a book.
I want some water.
I walk.

playのあとにfootball(目的語)が無かったら、意味が通じない感覚を理解させます。一方、live(生きる)は目的語が無くても文章は成立します。

上記の説明は高校で習う「SV(第1文型)」と「SVO(第3文型)」に相当します。「動詞には自動詞と他動詞の2種類ある」が、文型理解の第一歩になります。

小学4年生くらいなら、この二つを見分けるだけでも「スッキリ」する感覚が味わえます。

文型を「見える化」する方法

以前、100円ショップで購入したマグネットシートを使って、文型理解をするためのパズルのようなものを作成しました。子どもにも文法をわかりやすく伝える方法はないかと考えたときに試作しました。

これを使って、SVOO(第4文型)を実際に教えてみます。主語と動詞はすでに学習済みと仮定します。

1.紙に書いた例文を音読させる(意味はジェスチャーで分からせる)

I gave him a pen.

2.動詞に線を引かせる

I gave him a pen.

3.お母さんがセンテンスを4つの要素に切り分ける

I gave him a pen

4.SVOOの文型ブロックに切り分けた要素を貼り付けてみる

5.この動詞には二つの目的語をとって、順番は「人・物」となることを確認

目的語の順番「人・物」の説明は正確ではありません。しかし、正しい説明をしようとすると小学生の発話を妨げる「細かい知識」レベルになるので、あえて避けたほうが賢明です。

6.まったく別のセンテンスを音読して、切断、バラバラのブロックに貼り付けておく

I bought her a present

7.ブロックを組み立てて、英文を音読してみる

I bought her a present.

上記の練習を通して、この文型(第4文型)の動詞には特徴があることに気づきます。

give:「相手の元に何かを届ける」種類 show, sell, send, tell

buy:「相手のために何かする」種類  cook, make

上記のように、小学生は目の前のパズルに言葉を当てはめながら使われている動詞の特徴を理解すると、文型を理解しやすくなります。

扱う文型の順番

「自分で子どもに文型を教えてみたい」お母さんのために、小学生に文型を教えるときの順番について解説します。単純に第1文型~第5文型まで順番に学ぶよりも、次のような順番のほうが理解しやすいです。

1.SVとSVO(目的語不要の動詞と、目的語必須の動詞を対比して)

2.SVOO(SVOの流れから、目的語が二つある文型を扱ったほうがわかりやすいから)

3.SVOC(C:補語の概念を例文で理解させて、目的語とは異なることを理解)

4.SVC(補語のある文型をもう一つ扱い、目的語と違うことを確認。主にbe動詞が使われる)

文型はある時期に一気に教えるよりも、たまたま音読したり習ったりした英文に疑問を感じている様子のときに、少しずつ教えたほうが子どもの負担がないのでおすすめです。

忘れても「またどこかでやればいい」くらいのゆったりとした気持ちで子どもと接してください。一回で覚えられないからと叱ったりするのは最悪です。

ボンヤリをスッキリさせるのが理想の文法学習

先述したように、文法は本来、英語を読んでいて意味がわからずモヤモヤしているときに、スッキリと理解するためのものです。

特に疑問も感じていない段階で次から次へと知識を詰め込んでしまうと、細かい知識が足枷になって英語を積極的に使えなくなってしまいます。少々わかりづらいので、子どもの様子を観察しながらどのタイミングで何をどのように教えたらいいかを説明します。

PPAPをまねしているだけの段階

世界最強の英語チャンツは何といってもピコ太郎さんの「PPAP」です。これまでいろんな人や会社がまじめに教材を作ってきたのに、一瞬でそれを抜き去ってしまうほどのインパクトがありました。

その証拠に子どもにこのビデオを見せると、勝手に英語で歌い出します(ちなみにネイティブの子どもも歌っていました)。これが「音」の学習です。普通は「音読」がこれに相当します。

何か変だな、と気づく段階

子どもが小さいうちは口まねして終わりです。ところがある年齢になると、「あれっ?」と疑問に感じ始めます。日本語では「私はペンを持っています」(主語・目的語・動詞の順)なのに、なぜ英語では入れ替わっているのかに気づくからです。

子どもはその疑問を上手に言葉で表現できません。だから子どもから「質問があるんだけど」とはなかなか言いません。しかし、ここをお母さんが察知して「なんで順番が違うんだろうねえ」と共感してあげるだけで、子どもは自分で考えるようになります。

理屈を学び、スッキリする段階

このタイミングで文型「SVO」を学ぶと、子どもの頭の中はかなり整理されます。モヤモヤしながら歌っていた歌詞は正しい英語の語順だったことを理屈で理解するからです。

“I have a pen.  I have an apple.”の“a pen”“an apple”を別の言葉に置き換えたり、haveを別の他動詞に置き換えたりすれば、英語の表現力は一気に広がります。

同じ文型で違うことを表現できるところまで訓練すれば、文法は「自信をもって英語で伝えるための道具」として実感できるはずです。文法は面倒くさいものではなく、それがないと困るものとして子どもに認識されます。

あらたな疑問に出会う段階

しばらくして何かの場面で、“I sent him a letter.”(私は彼に手紙を送った)を見かけたとき、この子は再び「あれ?」と疑問に感じます。

“I sent a letter.”(手紙を送った)だったら理解できるが、「“him”って何だろう?」とモヤモヤした疑問を感じます。これも言葉ではうまく表現できないため、お母さんから「このhimって何だろうね」と学びのきっかけを作ってあげましょう。

こうして、ひとつずつ英語の文型を覚えて正しい英語を話したり書いたりできるようになります。もちろん、読んだり聞いたりするときも文法の知識なしには正しい理解はありえません。

まとめ

小学生が英文法を学ぶ適齢期の判断はとても難しいです。一般的に小学3年生までは文法のような抽象的概念の学習は苦手です。小学4年生くらいから、子どもの国語文法の理解度を観察しながら少しずつ始めるといいです。

日本人にとって英語は外国語です。ネイティブのように無意識に英語を使うことはできません。どうしても文法の知識が必要です。文法とは外国人にもその言葉を使えるようにしてくれる便利な道具です。

細かい知識でいきなり教え込んで、それが足枷になり英語を使えなくなってしまうのでは本末転倒です。彫刻を制作するように、大まかな形から徐々に細部を仕上げていくことを意識しましょう。

子どもが学ぶ英文法の最優先事項は、英語の基本文型です。文法を子どもに理解させるには、できるだけ具体的な教具を使用しながら、視覚に訴えることが大切です。手を動かしながら学ぶのも効果的な方法です。

理想は子どもが日本語との違いを意識しだしたタイミングで、その疑問に答えるように文法を与えてあげると吸収がいいです。

強調しておきたいのは、やはり語学の基礎は「音」の学習です。充分に音読練習を積みながら少しずつ文型も学んでいけると、子どもの英語の理解は深まります。文法による知識を学んだら定着させるためにも音読は欠かせません。

子どもの「もっと知りたい」好奇心を喚起できるように、文法学習をサポートしましょう。

中学入学前までに英語を音読する習慣を

先日、電車に乗ると、私の目の前に2歳くらいの男の子とお母さんが座っていました。電車内が混雑してきて、男の子がぐずり始めてしまいました。

するとお母さんが、バッグや服の色を示しながら色の名前を教え始めました。男の子はお母さんの言葉をまねして発話しています。ところが、「ももいろ」と何度お母さんが教えても、男の子は「ももいろ」と言えず、「もいろ」と間違えてしまいます。

お母さんも男の子も笑いながら同じことを繰り返しました。

言葉のまねにも飽きて5分ほど沈黙した後のことです。男の子が突然、もも色を指さして、「ももいろ」とつぶやいたのです。お母さんも子どもも大喜びでした。

この光景を見ていた私は「やはり、音読が語学の基本なんだな」と確信しました。私たちは忘れていますが、母国語を覚えるときもこの親子のように数限りない音読練習をしたはずです。

しかし、英語学習になると、ほとんどの子どもはなぜか黙々と勉強します。この傾向は年齢が上がるにつれて顕著になり、中学生になるとほとんどの生徒が音読することを避けるようになります。

原因は「音読をすることへの抵抗感」です。「間違えたら恥ずかしい」「下手くそな英語を声にするのが格好悪い」などと感じるのでしょう。

私は現在も中学生に英語を教えていますが、なかなか素直に音読する生徒に出会うことは少ないです。

「なんとか中学前に英語を音読する習慣をつけさせたい」

私はこのように強く思っています。「英語学習とは音読すること」くらいの意識で取り組めば、英語が得意になる生徒の数はかなり増えるはずです。

今回の記事では、音読が大切な理由と簡単な取り組み方ついて詳しく説明します。

英語学習の基本は音読

近年、一般の人達にも「英語の4技能」という言葉が浸透してきました。

語彙力と文法力を中心に、4つの技能は関連している。

これは「聞く」「話す」「読む」「書く」という4つの技能を指しています。学校のテストでは「読む」「書く」が重視されていますが、実際の英語を使う現場では同じくらい「聞く」「話す」技術も大切です。

英語は入試の一科目として存在しているわけではありません。コミュニケーションのための道具と考えるのが自然です。「聞く」「話す」の技能に直結する音読によるトレーニングを軽視していいはずがありません。

学校では音読の価値や方法について指導されない

英語が得意な人は音読の価値を理解しています。学校で英語を教える先生達も音読を大切に思っているはずです。

しかし、実際の授業の中で、音読についてきちんとした指導がされることはほとんどありません。「時間がない」「他にやるべきことが多すぎる」などの理由は理解できますが、大変残念です。

「音読」の習慣化について学校に期待するのは難しいのが現状です。そうなると小学生のうちに家庭で指導するしかありません。英文を見たらとりあえずブツブツ音読するくらいまでに習慣化してるのが理想です。

では、なぜ音読することが英語学習においてそんなに大切なのでしょうか。

音読のパワー:文法や語法の知識は音読して使える状態となる

例えば、中学生に英語の冠詞「a,an」について教えるとき、学校の先生や教科書の説明は次のようになります。

数えられる名詞で1つの物(人)のときには、名詞をつける。名詞が読まれるとき母音から始まる単語には、anをつける。

ほとんどの生徒はこのルールを理解します。例えば、bookならa bookに、eraserならan eraserと答えられます。

でも、「私は彼女に一時間前に会った」という英作文をさせるとかなりの生徒が、

× I met her a hour ago.

と書いてしまいます。

正解は、hourの発音は母音から始まるので、

〇 I met her an hour ago.

なぜこのような間違いをしてしまうのでしょうか。それは、anを使う条件を知識で覚えているからです。

正しくan hourと答えるためには、まず英語を音読する習慣が必要です。テスト中静かにしなければいけない場面でも頭の中で音声化しているかどうかが鍵になります。

an hour(「アナワー」と発音)を音読した経験があれば、a hourだと読みづらかったり何か変であったりすることに気がつきます。理屈だけでなく耳で覚えている感覚です。

音読を英語力向上につなげられるかどうかのポイントは、読む英文について正しく理解しているかどうかです。単語の意味、文法、語法、発音、アクセント、イントネーションなどすべてを理解してから音読練習するようにしましょう。

意味も分からずに音読するのは、何の役にも立ちません。

ネイティブに英語を質問すると、ブツブツつぶやいてから答える

ネイティブに英語の表現について「こういう言い方はしますか」とたずねると、かなりの確率でブツブツ英語をつぶやいてから答えてくれます。

ネイティブも知識として語法を覚えているだけでなく、実際に口で言ってみることで正しいかどうかを確認することが多いです。

私たち外国人が英語を学ぶなら、なおさら英語の表現を文章ごと音読する訓練を積まなければなりません。

このように、英語を知識として学ぶだけでなく、この知識を使える状態のレベルにまで引き上げるための訓練が音読ということになります。

英語を見たらとりあえず音読:教材にこだわらない

本格的な音読トレーニングにはそれに適した教材と方法があります。しかし、今回の記事ではもっとお手軽な方法について説明します。

英語のテキストや問題集に取り組むと、必ず例文が載っています。その例文を何度も声に出して読むことで、知識を使えるレベルにまで変化させることが可能となります。

例えば、homeは意外と使い方が難しい単語です。

I came home at six.(私は6時に帰宅した)

よくやってしまう間違いが、

× I came to home at six.

という間違いです。homeは「家に(帰宅)」という意味の副詞なので、前置詞のtoは不要です。

もうひとつ紛らわしいのが、at homeという表現です。この場合は、「家に(在宅)」を意味します。

My father was at home when I gave a call to him. (私が父に電話した時、彼は家にいた)

さらに「家」という名詞を使いたい時には、普通はhouseを使います。

He built a house. (彼は家を建てた)

さて、これらのhome, at home, houseの使い分けについて、知識として覚えるのは効率の良い勉強法といえるでしょうか。私も含めて普通の人は、丸暗記した知識はすぐに忘れてしまいます。

でも、それぞれの例文を丸ごと何度も音読して暗唱できるようになっていれば、間違えることはないでしょう。

問題集に取り組むときも音読してみる

例えば、英検の問題集をしていて次のような問題があったとします。

問題( )に入る最も適切なものを1~4の中から一つ選びなさい。

My school starts at 7:45, so I  (   ) my house at 7:15.

1 ride   2 go  3 take  4 leave

正解は4です。

この問題文には大切な語法がいくつも含まれています。

starts の s は三単現の s 、時刻を言うときは at を使う、leave ~で「~を発つ・離れる」、家(建物)の意味のときはhouseを使う、などです。

こんなに大切な学習ポイントがたくさんあるのに、〇か×だけで終わらせるなんてもったいなさすぎます。私が指導するときは、たとえ正解してもこの文章を丸ごと暗唱させます。

テストで間違えたところの正解文については、最低40回くらいは音読することを生徒に伝えています。真面目にやっている生徒は確実に英語の成績が伸びます。

英会話の場面ですぐに口から出せる表現は、何度も音読した表現だけです。本当に簡単な方法ですが、実践する生徒はわずかしかいません。

このように、音読教材用の短いストーリーを扱う本格的なものとは別に、文法の教科書に出てくる短い例文でも何度も音読することは英語学習においてとても大切なポイントとなります。

お子さんが静かに英語を勉強していたら、注意しましょう

日頃、子どもが英語の勉強をしているときに、静かに机に向かっていたらあまり良くない傾向です。反対に、ときどき声を出して英語を読んでいれば、順調です。

例えば単語を覚えるときにも音読練習が基本となります。小学生時代の漢字書き取りの習慣からなのか、英語をひたすら紙に書いて覚えようとする子どもが多いです。しかし、これは非常に効率が悪く、使える英語につながらないのでやめましょう。

単語を覚えるときの順番は、1)正しい発音・アクセントで何度も音読する、2)意味の確認、3)スペリングを覚える、の3ステップが基本です。

音読するときにはカタカナ発音しないように注意しましょう。thingという単語を覚えるときにいい加減に「シング」と発音すると、単語を書くときに「sing」とか「shing」と書いてしまう原因になります。

正しい発音は正しいスペリングにもつながります。最後に実際に書いてみて確認してみましょう。しかし、音読「9」に対して書く「1」の比率で充分です。単純に読み上げる方が書くスピードよりも5倍は早いので効率が良いからです。

文法・会話・単語など英語の学習の基礎はすべて音読です。私もかつて中学生の頃、何度も英語を音読した翌日は口の周りの筋肉が筋肉痛になりました。英語の筋肉をつけるまでに時間がかかりましたが、確実に英語力は伸びました。

まとめ

音読は英語学習の中心となるものですが、中学生になるとほとんどの生徒は音読することに消極的です。恥ずかしさが主な原因です。私たち日本人でも日本語を覚えるときに数限りない音読と失敗を重ねていますが、そんなことは忘れてしまうようです。

しかし、これではいつまでたっても英語を得意にはなりません。

そこで英語を音読する習慣を小学生のうちに身につけさせることが成功の鍵となります。

音読は、英語の知識を使える状態にするための訓練です。英語が苦手な生徒は文法を知識のまま覚えようとして失敗します。反対に、理解した文法事項を含む例文を何度も音読すると、使える状態になります。

単語学習でも、小学生の時の漢字の書き取り練習のように黙々と書き連ねている生徒が多いのですが、これでは英語を得意にはなりません。ここでもやはり何度も音読することが大切となります。

英語を習い始めた小学生のお母さんにはぜひ、子どもが静かに英語を勉強していないかチェックして欲しいと思います。英語は体育や楽器のような技能教科です。

音読せずに黙って問題集に向かっているのは、素振りをしないで野球を上手になろうとするようなものです。中学入学前までに英語音読の習慣を家庭で身につけるようにアドバイスしましょう。.

子どもの英語学習は何歳から? 子どもの英会話は意味ないって本当?

「英語ができる人は早期英語教育に否定的です。やらせたがる人は英語ができない人です」

有名なコメンテーターがテレビで主張して、一時期話題になりました。

ネットでは「そうだ、そうだ! よくぞ言ってくれた」という意見が多かったようなのですが、私は「そうかな?」と感じました。

知り合いの英語上級者の家庭では、子どもの英語教育に割と積極的だからです。しかも良い結果を出しています。

彼らの子どもの様子を聞いてみても、日本語が遅れることはなさそうです。

「子どもの英語学習はいつから始めるのがベストなのか」

今回の記事では私の経験をもとに、

・子どもの頃を逃すと英語は身につかないのか

・英語力をキャリアに活かすためにはどのようなプランで学んだらいいのか

・早期英語教育は本当に無駄なのか

上記の3点について解説します。

子どもの英語はいつから始めるのが正解?

英語の仕事をしていると、ママさんから「英語は何歳から始めるのが正解なんですか?」とよく聞かれます。

結論から言いますと、何歳から英語学習を始めても問題ありません。

「えっ、そうなの?」と意外な表情を浮かべるママさんが多いのですが、事実です。

確かに脳科学的には子どものほうが音に関する感性が高いことは証明されているようです。【l】と【r】が聞き分けられるなどの、いわゆる英語耳が育ちやすいのはその一例です。

しかし、大人にも論理的な類推力や常識など、子どもよりもはるかに優れている分野があります。

それぞれの年齢や発達段階に応じた強みを生かせば、何歳から始めても英語の習得は可能です。

「〇〇歳までに始めないと、英語脳(耳)は育たない!」

このような広告を見て、「ウチの子はもう遅いのか…」などとあきらめたり、慌てて高額の教材を購入する必要はまったくありません。

反対に、退職後のおじいちゃんやおばあちゃんが英語を習い始めても、まったく遅すぎることはありません。努力に比例して英語を伸ばすことは可能です。

しかし、私は10歳から本格的に英語学習を始めることをおすすめしています。

「話が違うだろ!」とツッコミが入りそうですが、落ち着いて私の話を聞いてください。

一つ目の理由は、人間は10歳くらいから、論理的・抽象的な思考力が高まります。そうすると英文法を理解できるようになるので、効率的な英語学習が可能となるからです。

論理的習得能力グラフ

もう一つの理由は、その時期から始めると受験においても就職・仕事・転職においても最も英語の恩恵を受けられるからです。

このことについてもう少し詳しく説明しましょう。

英語による収入アップを目指すなら、10歳から英語を始めよう

多くの人が大学進学を実現していますが、現役で合格したとすると21~22歳(大学3~4年生)あたりで、就職活動の時期を迎えます。

この時期に履歴書で「私は英語ができますよ」とアピールしたければ、英検準1級レベル、TOEICなら800点以上が目安です。

難関大学の入試レベルでも、英検準1級には届きません。つまり難関大学に入学してからも英語学習を正しい方法で1年間学び続けることが求められます。

海外との取引がある会社や部門で働くことになると、一定水準以上の英語力は必須となります。どんな業務であっても、やはり英検準1級程度の英語力がないと、実際の業務に支障があるでしょう。

もちろん簡単なことではないので、このレベルの英語力を持ったビジネスパーソンはそうでない人よりも年収が高くなる傾向にあります。

その証拠に、高い英語力を証明するTOEICのスコアを持っている人は、より有利な条件の転職に成功する傾向が顕著にあるようです。

これらのことを総合的に考えると、21歳までには英検準1級レベル、TOEICなら800点以上を取得しておくと、就職・仕事・転職で大きなアドバンテージを得られることがわかります。

これをとりあえずのゴールと考えるなら、小学4年生(10歳)くらいから本格的な英語学習を開始したほうが良いと私は考えます。

受験英語で優位に立ち、大学入学後も英語学習を続ければ社会人になっても高い収入を得られる確率が高まるからです。

英語ができる社会人になるまでのざっくりプラン

目標とその達成時期が明確になったところで、どのようなプランで達成するかを大まかに頭に入れておきましょう。

下の図は小学4年生から大学生までの間でクリアするべきステップを示したものです。上の段は、お母さん世代が受けていた英語教育の様子です。下の段は今の子ども達が目標にするべき目安です。

お母さん達がかつて受けていた従来の英語教育よりも、一段階目標到達時期が早まっていることがわかります。

そして、よりコミュニケーション能力が重視され、リスニング・スピーキング・ライティングも含めた4技能をバランスよく伸ばすことが求められています。

つまり、やることが増えてより早い段階で達成しなければいけなくなったのです。

しかし、中学校・高校では他教科のレベルも上がり部活動など時間のやり繰りが大変になってきます。英語学習ばかりに時間を充てられません。

英語学習は年単位の努力が必要です。そうなると中学入学前の小学校時代にできるところは進めておくことがポイントになります。

結論として、

英語は何歳からでも学べます。しかし、将来の収入アップに最大限活用したければ、小学4年生から本格的な英語学習を始めましょう。

そうすれば社会人になる前に英検準1級(TOEIC800点以上)の取得もかなり現実的になります。

「それなら、もっと早く幼児期から英語教育を始めたらどうなの?」

という疑問が湧いてきますよね。そこで、早期英語教育について、メリットとデメリットを考えてみましょう。

幼児期から英語学習を始めるメリットとデメリット

私の住む地域では、英語のプレスクールが大盛況です。英語のネイティブが幼児を預かり英語で子どもを保育する場所です。

ときどき散歩で家の前を通る子ども達を見かけますが、ネイティブのような発音で英語の歌を歌いながら歩いています。

“Look!  It’s a butterfly.”  (見て!チョウチョウだよ)

簡単な英語だけれど、状況に合わせてスラスラときれいな発音で英語を話すのを見ると感心してしまいます。

我が家は一時期海外に住んでいたことがあります。当時5歳だった息子はインターナショナルスクールに入り、3年半通いました。帰国して1年以上経過しますが、今でも英語を話せます。

一方、日本語が完成しないうちからの英語教育に反対する意見も根強くあります。日本語に悪影響を及ぼすというのが主な理由です。

また、小さい頃から英会話教室に通わせても、まったく英語が上達しなかったという話もよく耳にします。

幼児期からの英語教育は本当に効果的なのか、またどのようなメリットとデメリットがあるのかについて説明します。

本気で英語を必要と子どもに感じさせられるかどうかがポイント

私の経験上、幼児期の英語教育を成功させるための条件はたった一つです。その条件とは「英語が生活に必要な言葉として本人が本気で認識すること」です。

幼児は教養のためとか将来のために勉強をするわけではありません。その言葉を覚えないとお母さんと話ができなかったり、友達と楽しく遊べないから、必死になって覚えるのです。

英語のプレスクールに通う子ども達は、おそらく一日の大半を過ごす場所では英語がメインで使われるため、覚えたほうが絶対に楽しく過ごせるから英語を話すのです。

インターナショナルスクールに通っていた私の息子は本来は社交的な性格でしたが、最初は英語ができずに無言で過ごしました。

しかし「友達と遊びたい」「先生の指示がわからないとマズイ…」と本能で悟り、幼児期の自然に言語をマスターできる能力と合わさり、3カ月後には簡単な英語を話すようになりました。

英会話教室に通わせても子どもがなかなか英語を話さない、というケースをよく耳にします。これは、子どもの中では生活に必要な言語として英語が認識されないため、メインの言語として使おうと思わないからです。

日本で過ごしながら、子どもに英語の必要性を感じさせる環境を作るのは大変です。しかし、その条件さえクリアすれば子どもは積極的に英語を覚えようとします。

必要性がなければ急速に英語を忘れる

幼児期を海外で過ごした子どもが日本に帰国すると、あっという間に英語を忘れるという話は本当です。

なぜなら、「もう英語は必要ない」と子どもの脳が感じるからです。特に、音声だけから覚えた英語は必要なくなると急速に忘れます。

これを防ぐには、本(文字)を読めるようにしておくのが有効です。

私は自分の息子で試してみました。海外にいるとき、話すことよりも英語で読書をすることに力を入れました。

簡単な本を一緒に読んだりしながら、少しずつ読書経験を積ませます。テレビは見られなかったので、暇な時間は読書をするか映画をみるしかありません。

2年くらいすると、ネイティブの子どもと同じくらいの本が読めるようになりました。

帰国後は普通の公立小学校に通っています。普段の会話はほぼ100%日本語です。しかし、文字から覚えた英語はほとんど忘れていません。

幼児期に運よく英語を話せるようになったなら、もうひと頑張りをして英語で本が読めるようにしておくようにしましょう。

そうすることで日本語環境に戻ったとしても、英語を忘れずに一生のスキルとして保持することができます。

幼児期の英会話はムダって本当?

では、そこまで徹底的にやらない「習い事としての英会話」は無駄なのでしょうか? 週1回、楽しく英語に触れるレッスンは時間とお金の無駄なのでしょうか?

私は中学校から英語を習い始め英語が得意になりました。現在は、英語上級者といわれる英検1級も取得しています。

大人になったある日のこと、母から私が英会話教室に通っていたことを聞かされました。ところが、私はまったくこの記憶がありません。

通ったことすら忘れているありさまなので、普通に考えると時間とお金の無駄です。

ところが、一つ私が「そうだったのか!」と腑に落ちたことがあります。それは、中学校で英語を習い始めたときに、私はすぐに英語らしい発音ができたのです。

【f/v】【th/θ】【l/r】などは日本人が苦手とする発音です。しかし、私は先生の見本の通りにほとんど初日からこれらの発音の使い分けができました。

クラスメイトがなかなか発音できないのを見て、「なぜ、こんなのもできないのだろう」と不思議に感じたのを覚えています。

もしかすると小さい頃に通った英会話教室で訓練していて、身体が覚えていたのかもしれません。

中学校では、英語を上手に読めることで気分が良くなり、英語好きになりました(単純な性格ですね!)。

この経験から、幼児期の週1回の英会話教室も、実は役に立ったといえるのではないかと感じます。

確かに、あまりにも高額な教材を購入したり、嫌がる子どもに無理やり英語を習わせるのは私も反対です。

しかし、幼児期に楽しく英語に触れる経験をすることは、たとえ英語を話せなかったとしても無駄ではないでしょう。

そういう意味では、英会話教室に通わなくても、親と英語の絵本を読んで楽しく過ごすだけでも充分です。

幼児期の英語教育は、楽しく学びながら将来役に立つことがあるかもしれないと大らかに構えておきましょう。

英語の早期教育は日本語に悪影響を及ぼすって本当?

海外に住む日本人の子ども達は多かれ少なかれ日本語の発達が遅れます。母親との会話は簡単なやり取りで済むため、高度な日本語の刺激が入らず幼児レベルのままであることが多いです。

特に漢字については海外では必要性がないのと、難易度が高いために年齢相応に覚える子どもはほとんどいません。

しかし、これらの話は海外に住む子どものことです。

日本に住む子どもが半日英語環境で毎日暮らしていたとしても、一歩外に出ればそこは日本です。この状況では、日本語への悪影響はほとんどありません。

人工的に極端な英語環境を作れば話は別ですが、そんなことはほとんど起こりません。したがって、幼児期から英語を学んだとしても日本語が育たなくなるなどの心配は無用です。

まとめ

英語を学ぶのに年齢は関係ありません。しかし、受験・就職・仕事・転職において英語力を武器に収入アップを目指すなら、小学4年生から本格的な英語学習を開始したほうが余裕をもって取り組めます。

さらに早い時期である幼児の英語教育については、賛否両論あります。子どもが英語を必要と感じる環境に置けば、高確率で英語を話すようになります。

日本にいながら週1回の英会話教室では英語を話すのは難しいでしょう。しかし、将来、本格的な英語学習を開始したときに思わぬ形で役立つ可能性もあるので無駄とは言い切れません。

幼児の英語教育については、楽しく学ばせることが大切です。高額すぎる教材を購入したり、嫌がる子どもに無理強いするのは厳禁です。お母さんはあまり前のめりにならないように注意しましょう。

私の周りの英語上級者の家庭でも積極的に子どもに英語学習をさせています。日本語力の低下や思考力が育たないなどの心配はしなくても大丈夫です。

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