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英語表現

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  • 子どもに説明できますか? お店の看板OPEN/CLOSEDの英語の疑問
  • 紛らわしい「comeとgo」を小学生でも攻略できる方法
  • excitedそれともexciting? 子どもが混乱する原因はここにあった!
  • 小学生にもわかるように比較表現「than」「as~as」を解説します
  • 形容詞の並び順は「心」で理解しよう
  • 「brother, sister, sibling」で英語と日本語のズレを確認しよう
  • 「fishの複数形はfish」からできる子どもを育てる
  • 小学生のための、ワンランク上の「英語で自己紹介」
  • 子どもの万能表現「楽しかった」を英語で言おう

子どもに説明できますか? お店の看板OPEN/CLOSEDの英語の疑問

先日、何気なく近所を歩いていると喫茶店や花屋さんの入口の営業時間が目に留まりました。気になったのは時間ではなく、開店と閉店の意味で使われている「OPEN/CLOSE」の英語の間違いに気づいたからです。

「開店」は英語でOPEN、「閉店」はCLOSEDが正しい表記です。駅に行くまでの10分間、すべての店の入り口をチェックしたところかなりの店がOPEN/ CLOSEと間違った表記をしていました。

今回は、なぜOPEN/ CLOSEDと表記するのが正しいのかについて説明します。子どもと外出するときに説明してあげれば、歩きながらでも英語の勉強になります。また、今回の事例を通して、効率の良い文法学習についても説明します。

お店の営業看板のOPENとCLOSED

日本の多くの店の入り口に見られるOPENとCLOSEの表記は誤りで、正しくはOPENとCLOSEDです。文章にすると、We’re open.(我々は営業中です)とWe’re closed.(我々は閉まっています)となります。

ここで多くの人が疑問に感じるのは、なぜOPEN/CLOSEやOPENED/CLOSEDでは間違いなのかということです。その理由について、一つずつ説明します。

OPEN/CLOSEが間違っている理由とは

OPENは形容詞で「開いている・営業中の」という意味です。だから、そのままの形でまったく問題ありません。

一方、CLOSEを形容詞として使うと、発音は「クロース」となり意味は「近い」という意味です。つまり「閉まった・閉店中の」という意味はありません。

「閉まった」という形容詞がないので、「閉める」という意味の動詞CLOSE(発音:クローズ)を「閉められた」という形容詞のような形に変化させます。文法用語で説明すると、動詞を過去分詞形のCLOSEDにすることで形容詞の代用とします。

上記の理由から、開店中は形容詞のOPENを閉店中は動詞CLOSEの過去分詞形であるCLOSEDで表すのが正解です。

両方とも過去分詞形のOPENEDとCLOSEDではダメな理由

ここで一つ疑問が浮かびます。OPENには動詞として「開く」という意味があります。過去分詞形にすれば「開かれた」の意味になるので、いっそOPENではなくOPENEDにしたほうがCLOSEDと統一感が出ます。

しかし、実際はOPENEDは使いません。これには二つ理由があります。

一つ目は、OPENという立派な形容詞があるため、わざわざ動詞を変形させる必要がないからです。

二つ目の理由は、動詞としてのOPENには「開業する」という意味で使用されます。新規に開業する場合または通常の営業が開業するという意味です。一方、形容詞のOPENは開業中の状態を表しています。

最初に示した通り、お店の看板のOPENとCLOSEDは、We’re open. とWe’re closed.を省略したものです。

営業中・閉店中という状態を表現するためには、やはり形容詞のOPENと動詞の過去分詞形のCLOSEDが最適ということになります。

小学生から身につけたい英語文法の勉強法とは

「ずいぶんと細かい英文法の知識ばかりで、覚えられないよ」と嫌気がさしたお母さんもいることでしょう。私はこのような知識を暗記して欲しいとは、まったく思っていません。私が子どもに英文法を教えるときも、「〇〇は決まっていることだから暗記しなさい」という指示を出すことはほとんどありません。

このような細かい知識は、いわゆる枝葉末節です。このような一事例から、木の幹に相当する「考え方」や「法則」を見つけ出すことが本当の学習です。

たとえば、今回のOPEN/CLOSEDの学習から見えてくるのは「もともと立派な形容詞で表現できることは、わざわざ動詞の過去分詞形で代用することはない」という英語の考え方です。これだけをしっかりと理解すると、その他の事例にも応用できます。

高校の英語の時間、Don’t speak with your mouth full.(口いっぱいに食べ物を入れたまま話してはいけません)という英文を習いました。「full は filled にしない理由は何ですか」と私は先生に質問しました。

その先生は「そう決まっているから、覚えるしかない」と答えましたが、今考えるとお粗末な指導です。

きちんと学んだ先生なら、「full(いっぱいになっている)という立派な形容詞があるので、わざわざ動詞 fill(満たす)の過去分詞形 filledを使う必要がないからです」と答えたでしょう。

英語が苦手な人は枝葉末節を暗記しようとするから、英語の勉強が大変になり、応用が利かないことになります。そうではなくて幹となる根底の考え方を理解し、事例ごとに応用していくのが英語が得意になる勉強法です。

まとめ

街のお店の前を通ると、営業時間外の意味でCLOSEの看板を出しているところがありますが、英語としては誤りです。正しくはOPENとCLOSEDが正解です。

OPENをOPENEDにしない理由は、形容詞のOPENで用が足りるからです。動詞を過去分詞形にすれば確かに形容詞的に使えますが、本物の形容詞より優先されることはありません。この考え方をしっかりと理解すれば、個別の事柄にも応用させることができます。

街で見かけるたった一つの看板からも、このように大切な考え方を学ぶことができます。机に向かってワークブックに取り組むだけが勉強ではないことを頭に入れながら、子どもの英語教育をサポートしましょう。

紛らわしい「comeとgo」を小学生でも攻略できる方法

私の父は九州の出身です。私は関東で育ちましたが、ときどき父の言葉で妙にひっかかる表現がありました。その一つは父が母に向かって言う「じぶん」でした。「じぶん、これから買い物行くの?」という具合でした。

私にとって「自分」は私(I)のことです。しかし文脈上、あきらかに父は「あなた」の意味で「じぶん」と呼びかけています。実は西日本では割と普通の表現であることを知ったときは本当に驚きました。

ここでのポイントは、視点の移動です。父の「じぶん」は、母の視点に立った「わたし」のことです。日本人だけでなく外国人も同じような使い方をすることから、人間にはときどき相手の立場になって語りかける性質があるようです。

今回のテーマである「come」は基本動詞ですが、ある条件が揃うときまさに「視点の移動」が適用されます。そのため反対の意味を持つ「go」と混乱してしまいます。

comeとgoは超基本単語です。しかし、使い方にはコツが必要です。日本で育った子どもは日本人の発想で英語を話そうとするため間違えがちです。状況を与えながら考えていけば子どもにも理解できるので、お母さんからきちんと説明してあげましょう。

comeを使うときは「相手の立場で」考えよう

普段、私たちは自分の視点から物事を見ています。そして言葉を話すときも基本的には自分から見た話をします。

ところがたまに相手の視点に意識を切り替えて話すこともあります。例えば、お母さんが子どもに向かって「お母さん、おやつを冷蔵庫に入れておいたからあとで食べてね」と語りかけたとします。

このときお母さんは自分のことを「お母さん」と呼んでいます。これは明らかに「子どもから見た視点」に意識を変化させている証拠です。西日本の人は相手に向かって「じぶん(あなた)」と話すのと似ています。

英語の基本動詞であるcome(来る)を使うときも、話し手の意識は「相手の視点」に切り替わることがあります。そのため動詞のgoと混乱してしまう子どもが多いです。ポイントさえつかめば子どもにも簡単に理解できます。

comeの意味は「来る」でOK

試しに英英辞典(オックスフォード新英英辞典)でcomeの定義を調べてみましょう。

come: move or travel towards or into a place thought of as near or familiar to the speaker.
(話し手に近いほうへ移動する)例文:Jess came into the kitchen.(ジェスはキッチンに来た)

come1
この例文の語り手は「私」です。私はすでにキッチンにいて、そこにジェスが来たからcomeを使って表現しています。「話し手(=私)のほうに移動する」に相当する日本語は「来る」で間違いなさそうです。

では、相手がキッチンにいて呼ばれたとき「僕は行くよ」と答えるときはどうでしょうか? 「行く」のだから「I’m going.」と考えがちですが、正解は「I’m coming.」です。その理由について以下詳述します。

相手の立場(聞き手の視点)に立つのがポイント

聞き手(you)のところへ行くときはcomeを使います。なぜならこの場合に限っては、視点が聞き手(you)に移動するからです。
come2

 

相手のほうへ移動するときに限っては「相手からの視点に移る」のです。

大切なポイントなのでもう一度繰り返します。相手のほうへ移動するときに限っては、「相手からの視点に移して」comeを使用します。

come homeそれともgo home?

理解を確かなものにするために、少し頭のトレーニングをしましょう。お母さんは子どもと一緒に考えてみて下さい。

(状況)あなたは友達の誕生パーティーに呼ばれました。

問題1.出かける前に、お母さんからWhere are you going?と質問されました。正しいほうを選びなさい。

I’m (going/ coming) to the birthday party.

問題2.誕生バーティ―に向かう途中、誕生日を迎える友達から「今どこ?」と電話がありました。答え方で正しいほうを選びなさい。

I’m (going/ coming) soon.

問題3.パーティーの途中、遅れてくる予定の友人Kから電話がありました。「あと5分でそっちに行くよ」という内容でした。電話を切ったあと、パーティー会場の仲間に「Kはあと5分で着くよ」と伝えるとき、どちらが正しいでしょうか?

K is (going/ coming) here in 5 minutes.

問題4.誕生パーティーも終わりが近づき、そろそろ家に帰る時間になりました。友達に「もう家に帰らないと」と伝えるとき、正しいほうを選びなさい。

I have to (go/ come) home now.

問題5.家のお母さんから電話があり「そろそろ帰らないとダメよ」と言われました。「もうすぐ家に帰るよ」と伝えるとき、正しいほうを選びなさい。

I’m (going/ coming) home soon.

解答

問題1.going
解説:聞き手はお母さんです。パーティーの場所は友達のところです。私のところに来るわけでもなく、聞き手のお母さんのところに行くわけでもありません。したがって離れた場所に行くので「going」が正解です。問題2.coming
解説:聞き手はあなた(友達)です。あなたの方向へ行く場合は、「あなた」に視点を移します。したがってcomingが正解です。問題3.coming
解説:これはcomeの本来の意味「(自分のほうへ)来る」意味なので、comingが正解です。

問題4.go
解説:家に帰るということは、聞き手からも自分のほうにも向かわないのでgoが正解です。

問題5.coming
解説:聞き手(お母さん)のほうへ向かうので、相手の立場に切り替えます。よってcomeが正解です。

comeとgoの使い分けはできましたか? ひとつだけ見分けるコツをお伝えします。それは「to you」を付けられるときは「come」を使う、というルールです。

例えば、ホテルで滞在中、フロントから電話がありました。「フロントで〇〇さんがお待ちです」といわれて「すぐに行きます」と伝えたいとき

I’m coming (to you) soon. →I’m coming soon.

となります。

相手の立場になって動詞を使う感覚は日本語にはない発想です。子どもが慣れるまでは時間がかかるかもしれません。しかし、日常的に頻繁に使う単語なのでマスターできるようにサポートしてあげましょう。

まとめ

comeは超基本動詞で意味は「来る」で間違いありません。基本的には「自分のほうへ移動する」ということです。ところが、自宅で待つお母さんに向かって「すぐに行くよ」の場合はgoではなくcomeを使います。I’m coming soon.が正解です。

comeとgoの使い分けを難しくしているのは、「あなたのほうへ移動する」条件のときのみ「視点が相手に移動するから」です。聞き手であるお母さんから見れば私は「来る」のでcomeを使用します。

一度理屈を理解し、あとは状況のなかで瞬時に使い分けができるようにトレーニングするしかありません。もし子どもの英語を聞いていて変だなと感じたら、お母さんからわかりやすく説明してあげましょう。

excitedそれともexciting? 子どもが混乱する原因はここにあった!

「be interested in ~(~に興味がある)」「be surprised at~(~に驚く)」「be tired of~(~に飽きる)」は英語初心者にもなじみのある表現です。中学生の頃、何度も覚えた経験があると思います。

ところでこれらの表現に共通する「-ed」が気になりませんか? 「-ed」で終わるのは、過去形か過去分詞形(受け身または完了)です。

「be interested in ~(~に興味がある)」「be surprised at~(~に驚く)」「be tired of~(~に飽きる)」これらはすべて感情に関する表現の「形容詞」です。それなのに動詞にしかつかない「-ed」で終わるのはよくわかりません。

実はこれらの表現はすべて「受け身(受動態)」であり、形式は「be+動詞の過去分詞形」です。だからedで終わるのが正しいのです。

この表現がわかりにくい原因は、日本人と英語ネイティブの「発想の違い」にあります。ここをしっかりと理解すると、なぜ感情表現が「受け身」で表現されるのかわかります。

「僕はワクワクしていた」を英語でいうとき、「I was exciting.」と「I was excited.」のどちらが正しいのか子どもはしばしば混乱します。そんなときにズバリ教えられるように、お母さんのために解説します。

感情動詞の理解が難しい理由とは

動詞の種類の中で「感情動詞」と呼ばれるカテゴリーがあります。ひと言で説明すると「感情を引き起こす」意味の動詞です。

例えばsurpriseは動詞で「を驚かせる」意味です。用例としてはThe news surprised us.(そのニュースは私たちを驚かせた)となります。

視点を変えて私(I)を主語にした文章にするとき、子どもだけでなく大人でも混乱する傾向があります。I was surprising at the news. か、それとも I was surprised at the news.なのか混乱してしまいます。

実はこうした混乱は、感情にまつわる考え方が日本人と英語ネイティブで真逆であることが原因です。まずは両者の考え方の違いを詳しく解説します。

日本人の心理

日本人にとって、感情は「自分の心の中から発生する」ものです。「驚く」感情は自分の心の中から生じるものとして感じています。

日本人のびっくりした

ネイティブの心理

一方、英語ネイティブの感情に対する考え方は真逆です。「ニュース」が自分を「驚かした」結果、自分は「驚かされている」のです。これは受け身(受動態)の発想です。

ネイティブの発想

感情が発生するのは外部の何かに「された」からです。これを英語で表現するためには「過去分詞形(された形)」を使用します。先程の例ではsurprisedとなります。したがって「私はそのニュースに驚いた」の英語は次のようになります。

I was surprised at the news.

感情動詞の具体例

感情動詞の仲間は他にもたくさんあります。そのなかの一部を紹介します。

amaze をびっくりさせる
bore をうんざりさせる
disappoint をがっかりさせる
excite を興奮させる
scare をこわがらせる
tire  を疲れさせる
satisfy  を満足させる

これらはすべて原因となる物や人が主語になるときに使われる動詞です。例えば、The baseball game bored me.(その野球の試合は私をうんざりさせた)のように使用されます。

視点を変えて「私(I)」を中心に表現してみます。そうすると私は「うんざりさせられている(受け身)」ので、次のように表現できます。

I was bored with the baseball game.

(私はその野球の試合にうんざりさせられた)=自然な日本語にすると(うんざりした)

原因となる物・人を中心に語るときは-ingにする

今度は反対に、原因となる物や人を説明するときにはどうするかを見てみましょう。先程の例文では「つまらなくさせる(能動態)」のは「野球の試合」です。だから「その野球の試合はつまらない」と言いたければ、現在分詞と呼ばれる(-ing形)にします。

The baseball game was boring.(その野球の試合はつまらなかった)
The boring baseball game.(つまらない野球の試合)

子どももとても間違いやすい文法事項なので、子どもに正しいアドバイスを送れるようにお母さんのために問題を用意したので、一緒に考えてみましょう。

edとingの使い分けをマスターしよう

以前、上原浩二選手がメジャーリーグのボストン・レッドソックスでインタビューを受けたときに息子さんもマイクを向けられたことがありました。お父さんと一緒に渡米してアメリカで教育を受けているようで英語にも慣れている様子です。

実は私はこのシーンをテレビで見ていました。以下、女性リポーターと息子さんのやり取りです。
(リ:リポーター、子:息子)

リ: Your dad said he almost threw up out there.  How did you feel when he was pitching? (君のお父さんはもうちょっとで吐きそうだったって言ってたわ。彼のピッチングについてどう思った?)
子: I don’t know. (さあ)
リ:Did you get sick when he was out there, or excited? (お父さんがあそこにいたとき、吐きそうだった? それともワクワクしていた?)
子:Excited! (テレビのテロップにはEXCITINGの文字)

これを見ていたときに私は「あれっ」と思いました。息子さんの「Excited」が正しいのか、テレビの字幕の「EXCITING」が正しいのか、どちらかわかるでしょうか?

excited/ exciting

リポーターの質問は「Did you get sick when he was out there, or (did you get) excited?」でした。パパのピッチングが原因で、「あなたの感情は興奮させられたかしら?(受け身)」と聞いているのです。

よって正しい受け答えは、(I got) excited! です。上原投手の息子さんが正解で、テレビの字幕が間違いです

confusing/ confused

あなたの目の前に一卵性双生児の女の子が2人います。名前は「あやか」と「あやな」です。紛らわしいですね。この状況をconfuse(を困惑させる)という感情動詞を使って表現してみましょう。

I am (             ).
The twins are (               ).

問題:それぞれの( )の中に、confusing かconfusedのどちらかを入れてみましょう。

正解

I am confused.(私は混乱させられた=私は混乱した)
The twins are confusing.(その双子は紛らわしい)

まとめ

感情動詞から派生した「-ed」と「-ing」の使い分けは、子どもにとって難しく感じる部分です。その難しく感じる原因は、日本人と英語ネイティブの発想の違いにあります。

お母さんは図や具体例を示しながら子どもに教えてあげましょう。感情にまつわる表現は会話でも頻繁に使われます。瞬時に使い分けをするためには根本的な理解が欠かせません。

一度で理解できない子どもも多いはずなので、わかるまで何度も付き合ってあげる根気も必要です。

小学生にもわかるように比較表現「than」「as~as」を解説します

お母さん世代なら覚えているでしょうが「than」や 「as ~ as」を使った比較表現は中学校で習いました。この頃に扱われる比較表現は簡単なので多くの生徒にとって理解は難しくありません。

ところが高校に入った途端、今まで見たこともない「than」や「as ~ as」の比較表現が登場します。中学まではA is taller than B. だったのが、高校に入るとA is taller than B is. と当然のように教えられます。

実は高校で習う比較表現は「最も基本的な型」です。中学で学ぶのは「究極に省略された型」または「文法から外れてしまった口語表現」です。

問題は、そのギャップを埋める指導がほとんどなされないことです。高校の英語教師は中学でどこまで教えるかついてあまり関心を払っていません。中学の先生も高校で教えられる内容についてあまり詳しく理解していません。

そこで今回の記事では「比較表現の基本」について詳しく解説しました。

小学生にとって比較表現は簡単ではありません。しかし、「最も基本的な型」を理解すれば、高校に進学したときもスムーズに学習できます。もし子どもの英語レベルが大丈夫そうだったら、時間をとってお母さんから「比較表現」を教えてみましょう。

Jane is taller than Mike. を徹底解説!

子どもに英語を教えるときは、「動画・写真・イラストなど視覚に訴えるもの」を活用するのが一般的です。特に比較表現では具体的なものを見せないと「AよりBが~」「AとBは同じくらい~」を理解しづらいです。

今回は3人の子どもの写真を用意しました。名前と年齢(数字)を追加しました。

これを使って小学生にもわかるように比較表現を解説します。たったの3ステップで誰でも理解できます。

Jane is tall. とMike is tall.

最初に「背比べ」をしてみます。形容詞の「tall」を基準にします。このとき本当に背が高いかどうかは関係ありません。背が低い者どうしを比べることもあります。実際に高いかどうかではなく、「高い」を基準にしてどちらが程度は強いのかを比べています。

まずJaneとMikeについて2つの文章を別々に作ります。

Jane is tall.  と Mike is tall.

比較の文章では常に程度の強いほうを左側(最初に)、程度の弱いほうを右側に置きます。子どもがこれらの文章を理解できなければ、比較表現は早すぎます。もう少し準備してから挑戦しましょう。ここまでが最初のステップです。

ふたつの文章をthanでつなごう

次に、さきほどの2つの文章を「than」を使ってつなぎます。thanは文法的には「接続詞」です。つまり文と文をつなぐ働きをします。

この「than」には特徴があって、これだけでは文章をつなげません。

例えば、「ボルト」は何かを固定するものです。しかし、これだけで何かと何かをつなぎ合わせることはできません。必ず「ナット」が必要です。

ボルト

thanをボルトに例えると、ナットは形容詞の比較級です。比較級とは簡単に言えば、形容詞の最後に-erをつけたり(old→older)形容詞の前にmoreをつけたりする(beautiful→more beautiful)ことで作れます。

比較級をボルトとナットに例える

すると次の文章ができあがります。

Jane is taller than Mike is tall.

ここまでが第2ステップです。

前に出てきたのと同じものは省略・削除

いよいよ最後のステップです。ここからは、余計なものを削除したり省略したりして形を整えていきます。

*共通している比較の「基準」はあとに登場するほうを削除する

今回は「tall」という共通する基準で比較しているので、うしろのtallは削除します。

Jane is taller than Mike is tall.

これでthanを使った比較級の最もスタンダードな文章が完成です。

*左側の文章と右側の文章の共通している部分は省略可能

この例文ではis(be動詞)が共通しているので省略できます(省略しなくてもいいです)。

Jane is taller than Mike (is).

これがギリギリまで削った型です。お母さん達が中学校で習った比較級のタイプはこれです。最も短いので初心者用のテキストにはこの文章が好まれて掲載されます。

省略しない変化もあるので、ひとつだけ紹介します。

Jane swims faster than Mike does.

swimsを繰り返し使わずに、doesに置き換えました。これはやや上級編です。もちろん、動詞そのものを省略しても大丈夫です。

Jane swims faster than Mike.

ここまで3ステップに分けて、thanを使った比較級の文章について解説しました。お母さんが中学校の頃に初めて習ったthanの例文は「省略の究極形」であることがポイントです。

最初にこの形から覚えるとその場は簡単です。しかし、将来スタンダードなタイプ(Jane is taller than Mike is.)を見たときに「えっ、何でMikeのあとにisがついているのだろう」と混乱してしまいます。

「最初に基本形を習ってから省略も可能」と理解したほうが、子どものためになると私は思っています。

Jane is as old as Billy. を徹底解説

比較表現にはthanの他に、「as ~ as」 を用いて「~と同じくらい…」の意味になる用法があります。ここでもthanと同じく3ステップに分けて詳しく説明します。

Jane is old. と Billy is old.

写真のJaneとBillyは同じ9歳です。そこで今度は「old」を基準にして等しいことを表すふたつの文章を用意します。ここでも強調したいほうを最初(左側)に置きます。

ここではJaneにフォーカスを当てて、「JaneとBillyは同い年です」という意味の文章を作ってみます。

Jane is old. と Billy is old.

ここまでが最初のステップです。

ふたつの文章をasでつなごう

次に、2つの文章をasでつなぎます。ここでもthanのときに登場した「ボルトとナット」の話を思い出してください。asだけで文章をつなげないので、左側の形容詞の前にasをナット代わりに置きます。

同等比較ボルトとナット

Jane is as old as Billy is old.

ここまでが第2ステップです。

前に出てきたのと同じものは省略・削除

いよいよ最後のステップです。ここからは、余計なものを削除したり省略したりして形を整えていきます。

*共通の比較の「基準」はあとに登場するほうを削除する

今回は「old」という共通する基準で比較しているので、うしろのoldは削除します。

Jane is as old as Billy is old.

これがas  asを使った比較級の最もスタンダードな形です。

*左側の文章と右側の文章の共通している部分は省略可能

Jane is as old as Billy is.

これが中学校の教科書にも出てくる究極まで削った形です。

「(2番目の)as」 は接続詞なので、うしろにセンテンス(主語+動詞…)が続くことを理解することが肝心です。省略されているものをイメージしながら補えれば合格です。

口語表現で注意すること

口語表現と聞くと「やさしい言葉」「イケてる言葉」を連想するかもしれません。しかし、そのほとんどは文法からズレていて、外国人にとってやっかいです。

これから紹介する口語表現は、本来の正統的な表現を超えるほど市民権を得ているのでなおさらやっかいです。

Jane is taller than Mike. を代名詞で書き換えてみる

Jane is taller than Mike. を代名詞を使って書き換えてみます。

She is taller than he.

これで正解ですが、「口語ではthanのうしろに目的格を置くことが多い」です。すると主格のheはhimに変化します。

She is taller than him.

これまで説明してきたように、thanのうしろにはセンテンス(主語+動詞…)が続きます。普通に考えればMikeの代名詞として文法的に正しいのは「he」です。

しかし、口語表現では頻繁にthanのうしろに目的格(ここではhim)を続けます。ある調査によると、ネイティブが自然に感じる比較表現を順番に並べると次のようになったそうです。

1位:She is taller than he is.
2位:She is taller than him. (1位と僅差で)
3位:She is taller than he. (低い支持率)

日本語でも本来正しくないとされる「ら抜き言葉」が徐々に多数派になりつつあります。英語でも似た現象が見られるのは興味深いです。

こんな文も読めるようになる

私が最も短く省略された形や口語体ではなく、比例表現の基本形から説明したのには理由があります。それは「最も応用が利く」からです。

入試では教科書の表現に留意して問題は作成されます。だから省略された型から学んでも支障はないです。

一方、ネイティブの子ども向けに書かれた本は、基本形を理解していないと読めない比較表現で溢れています。そのような文章にであったときに子どもが慌てないために、やはり基本形を抑えておいたほうがいいです。

「入試に出る・出ない」で学ぶ内容を考えるのではなく、本物の英語を理解するために学ぶという基準を忘れてはいけません。

ネイティブのYear3~4(小2~3)に人気のGeronimo Stiltonに出てくる比較表現

ネイティブの子どもが読む本の中で比較表現はどのように登場するのかを解説します。ここで取り上げるのはGeronimo Stiltonのシリーズです。

Geronimo Stiltonは新聞社を経営しているネズミです。このシリーズはネズミにまつわるダジャレがちりばめられていて、小学校低学年~中学年の子どもに人気の児童書です。

その中のTHE KARATE MOUSEでは、主人公のGeronimoが空手の試合に出場する話です。手強い相手と試合中の場面からの引用です。

Champrat was big, tall, and covered with muscles, but he was a lot slower than I was!
(チャンピオンのネズミは大きくて背が高くて筋肉に覆われていたが、僕よりずっと遅かった!)

Geronimo Stilton THE KARATE MOUSE

基本を理解していれば簡単に読める文章です。しかし、もしhe was a lot slower than me.とかhe was a lot slower than I.の形でしか比較表現を習っていなかったら、きっと混乱するでしょう。

やはり応用の利く基本形を学んだほうが近道です。

まとめ

「than」を使った比較表現と「as ~ as」 を使った比較表現を3つのステップに分けてわかりやすく解説しました。お母さんの多くは中学校から英語を本格的に学んでいますが、そのときに扱われる比較表現は最も省略がすすんだ形です。

thanもasも文章と文章をつなぐ役割をしているので、主語と動詞が続きます。条件が揃ったときだけ省略できます。

口語ではthanのあとを目的格にすることがあり、文法に忠実な文章と同じくらい広く使われています。英語学習者にとってはやっかいですが慣れるしかありません。

比較表現をきちんと理解して英文を読めるようになるためには、一度時間をかけて比較表現を子どもに基本から理解させる必要があります。それさえできれば一気に運用力も高まるので、安易に近道を選ばないようにしましょう。

形容詞の並び順は「心」で理解しよう

英語を学び始めた頃「あれっ、これってどうなっているの?」と疑問に思うことはたくさんあります。しかし、その場ですぐに聞ける先生がいないとそのままになりがちです。

例えば、「私の茶色の新しい靴」を英語で書きたいときにふと手が止まります。

shoes

靴はshoes、これを修飾する言葉はmy, brown, newです。どれも簡単な形容詞ばかりですが、どの順番で並べたらいいのか迷ってしまいます。

そんなときに子どもがお母さんに質問してきたら、多くの人はインターネットで検索するはずです。そして、載っている答えを子どもに伝えます。

子どもを英語しかできない子どもではなく本当に賢く育てたければ、ここでひとつ立ち止まって二人で考えて欲しいと思います。「なぜ、この並び順なんだろうか?」

仮説でもいいので自分なりに納得する答えを出せれば充分です。丸暗記をさせるのと、「なぜ?」を考えさせるのとでは、将来、大きな差が開くと私は考えています。

今回は形容詞の順番を学びながら、お母さんと子どもが頭を使って考えるようになる英語学習のコツを説明します。

どうなっているの? 形容詞の順番

形容詞とは名詞の性質や状態を説明する言葉です。例えば、a beautiful flowerではbeautiful(美しい)という形容詞はflower(花)という名詞をより詳しく説明しています。

日本語でも「美しい花」と表現するので、語順で混乱することは子どもでもありません。しかし、形容詞が3つ以上続くと「どの順番で」それらを名詞の前につけるのか考えこんでしまいます。

3つくらいの形容詞が使われることは普通に起こりえます。形容詞を並べる順番には目安があって、自由に並べられるわけではありません。

参考書を開くと

「私のペン」はmy penで簡単です。「私の2本のペン」もmy two pensもそれほど迷わずに答えられます。

では、「私の2本の長い赤いペン」はどうでしょうか? longとredをどこに置いたらいいのでしょうか?

文法の参考書によると下の表のような順番が示されています。
adjectives order
形容詞の並び順にはある程度の目安があります。たしかに入れ替えて読んでみると「違和感」を覚えます。

しかし上の表を暗記するのは面倒ですし、すぐに忘れてしまいます。ネイティブはどのようにしてこれらの順番を覚えているのか調べてみました。

OSASCOMP(オサスコンプ)とは

ネイティブは形容詞の並び順に関して、それぞれの頭文字を取って「OSASCOMP」と覚える人もいます。どのようなものか詳しく説明します。

Opinion-Size-Age-Shape-Colour-Origin-Material-Purpose
  • Opinion(主観)

これは主観的な判断に関する言葉が該当します。

my perfect case

perfect(完璧な)はその人の主観的な意見なので、最初のほうに置きます。

  • Size(大きさ)

これは大きさ(big, small, largeなど)が該当します。

my perfect small case

  • Age(古さ)

これは古さ(old, newなど)が該当します。

my perfect small new case

  • Shape(形)

これは形が該当します。

my perfect small new round case

  • Colour(色)

これは色(black, white, redなど)が該当します。

my perfect small new round black case

  • Origin(出どころ)

これは出所・起源が該当します。

my perfect small new round black French case

  • Material(材料)

ここには材料が来ます。

my perfect small new round black French wooden case

  • Purpose(目的)

最後に目的が来ます。

my perfect small new round black French wooden pencil case

OSASCOMPを参考書の並び順に当てはめてみます。
OSASCOMP上記の説明で示した具体例は、あくまでも説明用のものです。実際は連続して形容詞を多用するのは避けられます。通常使用される形容詞は3つまでです。

また実際には多少の順番の入れ替わりはあり得ます。したがって、上記の並び順は絶対的なルールではありません。

日本語でもOSASCOMPでも、形容詞の並び順に関して「丸暗記」するのはおすすめしません。特に子どもに英語を教えるときは、できるだけ「暗記させない」工夫が必要です。

子どもを英語が得意にしたければ、安易に「丸暗記」させない

実は私は暗記科目が大の苦手でした。本当に「どうしてこんなに覚えられないのか」と自分でも呆れるほどです。そのため、高校では世界史や日本史のテストでは常に赤点を取り、夏休みに補習を受けなければいけないありさまでした。

あるとき英語のテストが返却されました。いつもより問題が難しく、平均点が40点台でした。先生は怒り心頭で「トップが90点で、その次が70点台だぞ。ひどすぎる!」と吠えまくっていました。

クラスメートの関心は「誰がトップだったのか」です。成績上位の常連も全滅でした。そして最後まで誰が最高点だったのかわからずじまいでした。

もうわかると思いますが、最高点は私でした。私は試験範囲を勉強して点数が上振れするのが嫌だったので、自分の英語力を正確に測るために一度も「試験範囲の勉強」をしたことがありませんでした(マネしないでください)。

もちろん、まったく英語を勉強しなかった訳ではありません。そのかわり英語で読書をしたり音読したり文法の学習は自分のペースで続けていました。

この経験から断言できますが、英語に暗記力はほとんど必要ありません。むしろすぐに「丸暗記」するのは、大事なことを学習する機会を奪ってしまうことにつながります。

なぜ、そうなっているのかを立ち止まって考える

前述のとおり私は暗記が苦手でした。そこで英語の文法や語法を学習するときはできるだけ丸暗記を避けて「なぜ、そうなるのか?」を常に考えるようにしていました。

語源や文化的な背景、人間の心理にまで考えを自分なりに巡らせて納得しながら英語を学習すると、忘れにくいし雑学も増えます。

例えば「たがをはずす」を聞いて「規律や束縛から抜け出す」と丸暗記すると、「たが」とは一体何なのかを学習する機会を失います(ちなみに「たが」は樽の外側にはめて締めるための輪のことです)。

たが

言葉は人間が長い歴史の中で作り上げてきたものです。何かしらの起源や意味、心理的なものがベースにあるものです。それに気づくか気づかないかは、そのときに限ればたいした違いではありません。

しかし10年・20年と経過すると、「丸暗記→テスト後に忘却」してしまう人と「なぜと疑問→理由を探す」の習慣がある人とでは、大きな差となって現れます。子どもの「地頭」を鍛えるためにも非常に有効な方法です。

文法理解は「心」で理解せよ

さきほどの形容詞の順番ですが、私はいちいち覚えていません。説明を書いておいてひどい話ですが「覚えられない」のです。

それでも何とかなっている私の頭の中を公開します。

「結びつきの強いものは近くに置きたい」心を理解する

名詞に近い形容詞に注目しましょう。「材料に関する形容詞」は「名詞」に最も近い形容詞です。材料は、その名詞が作られている素材そのものです。つまり、名詞ととても親密な関係にあります。

それに比べると「古さ・大きさ」などは、名詞と「距離が離れた形容詞」と考えられます。

形容詞の順番の心

そして、英語においては4つ以上の形容詞を一文の中で同時に使用することはあまり推奨されていません。だから、「ほどほどに覚えておけばいい」のです。

私の頭の中をさらけ出すと、「theとかmyが最初、次に数字、あとは心理的に結びつきの強い形容詞を名詞のそばに置く」程度にしか理解していません。

「いい加減な奴だ。そんなレベルでよく教員をしていたな!」と叱られそうですが、本当だから仕方ありません。これは形容詞の順番に限ったことではなく、文法の学習は常にこんな感じです。

大量の音読トレーニングをすることで、自然と形容詞の順番も身につきます

練習問題

それでは練習問題を載せておくので、お母さんは子どもと一緒に形容詞を正しい順番に並べて名詞を修飾してみましょう。ふたりでワイワイいいながらやってみると楽しいです。

1.名詞 a dressを修飾してみましょう

使う形容詞:white, perfect, new

2.名詞 the chairを修飾してみましょう

使う形容詞:wooden, Chinese, old

3.名詞 my shoesを修飾してみましょう

使う形容詞:old, leather, expensive

解答

1.a perfect new white dress

(Opinion-Age-Colour)

2.the old Chinese wooden chair

(Age-Origin-Material)

3.my expensive old leather shoes

(Opinion-Age-Material)

まとめ

形容詞とは名詞の性質や状態を説明する言葉です。通常は3つまでの形容詞が連続して使われることがあり、どの順番で並べるか迷ってしまいます。

参考書には詳しい説明はありますが、丸暗記するのは面倒です。OSASCOMPという頭字語を使って形容詞の順番を覚えることも可能ですが、これも基本的には暗記です。

言葉は人間が作り出したものであり、その裏側にはその言葉を使う人達の文化や心が現れています。すぐに丸暗記させず、「なぜ、そうなっているのか?」を子どもに考えさせるようにしましょう。

形容詞の場合は、「修飾する名詞と結びつきの強い形容詞ほど近くに置かれる」法則があることに気がつきます。

ちょっと立ち止まって心理的な面から文法や語法を理解すると、忘れにくくなると同時に地頭の良い子どもになります。「覚えるしかない」「そう決まっているから」と子どもに英語を押しつけないように気をつけましょう。

「なぜだろう」と考えると子どもは知的になります。お母さんはそういうきっかけを作ってあげられるようにサポートしてあげましょう。

 

「brother, sister, sibling」で英語と日本語のズレを確認しよう

欧米で教育を受けた帰国子女は日本に帰国すると「(年齢の)上下関係や先輩後輩の感覚を理解できない」といわれますが、これは本当です。欧米では相手が自分より年上か年下かはあまり意識しません。

この文化的な違いは、英単語にも表れています。例えば、子どもでも知っているbrotherとsisterです。便宜上、日本語では「兄弟」とか「姉妹」と訳されています。しかし、お気づきのとおり、brotherとsisterには年上・年下の区別はありません。

brotherとsisterを使用していて、使いづらさを感じるのはこれが原因です。このように英語と日本語で1対1に対応していない単語はたくさんあります。

その他にも、英語を話すときに性別がわからないと迷ってしまう場面があります。性別がわからないbabyやpetの代名詞は、he/ she/ itのどれが適切なのでしょうか?

今回取り上げた単語はどれも子どもでも知っている単語ばかりです。お母さんがときどき子どもに英語の雑学を教えてあげると、子どもの知的好奇心を刺激できます。

「兄弟(姉妹)はいる?」と聞きたいときはどうするか?

「日本語を介さずに英語を話しなさい」というアドバイスをしばしば見かけます。私は学生時代からずっと英語を学んできましたが、正直未だにこの境地には至っていません。

確かに“Thanks.”レベルの表現は、すぐに口をついて出てきます。しかし、普通に何かを話すときはほんの一瞬でも「日本語」で内容を考えています。

「日本語で考えない」に縛られすぎるとかえって英語が出てこなくなります。だから自分の子どもにはあまりヒステリックに「日本語で考えるな」とは強制しないようにしています。

ただし、名詞に関しては「物のイメージ→英語」で覚えるほうがいいです。

 

apple

つまり「apple=リンゴ」ではなく、図のようにイメージと英単語をダイレクトに結びつけるのです。あとで日本語の「リンゴ」であると結びつけるのはOKですが、わざわざ日本語を間に挟んで記憶する必要はありません。

ところが英語と日本語は常に1対1で言葉が対応しているとは限りません。このタイプの単語を学ぶときは、日本語と比較しながら「重なる部分」と「重ならない部分」を確かめたほうが英語を深く理解できます。

子どもでも知っている単語の中にもそのような単語はたくさんあります。ここではbrotherとsisterについて取り上げます。

日本語の兄弟姉妹と英語のbrother & sister

日本語の「兄・弟・姉・妹」は男女を区別するだけでなく、年上・年下の関係も明確に示しています。アジア圏の上下関係を重んじる文化を感じます。

男 女
年上 兄 姉
年下 弟 妹

ちなみに日本語で「兄弟はいますか?」と質問されたときに、「はい、妹がいます」と答えても不自然ではありません。これは「兄弟」が「姉妹」の意味も含めて使われているからです。

次に英語のbrother/ sisterは男女を区別はしていますが、年上・年下は同じ扱いです。これを表で表したのが下です。

男 女
年上 brother sister
年下

英語で日本語と同じような意味で「兄弟(姉妹)はいますか?」と質問する場合、“Do you have any brothers or sisters?”となります。何だか面倒です。

さらに“Yes, I have a brother.”と相手が答えた場合、兄なのか弟なのかはっきりしません。年齢の上下を区別するときには、年上にはelderを年下にはyoungerをつけなければいけません。

男 女
年上 elder/ big brother elder/ big sister
年下 younger/ little brother younger/ little sister

*big brotherとかlittle brotherと表現することも多いです。

elderとよく似た単語で同じ形容詞のelderlyは「お年寄りの」の意味になります。私は勘違いしてelderとelderlyを混同していた時期がありました。紛らわしいので間違えないようい気をつけましょう。

英語にもあった! 「兄弟姉妹」を表す1単語とは

実は英語にはbrotherとsister以外にも「兄弟姉妹」すべてを網羅する便利な単語があります。それはsiblingです。

男 女
年上 sibling
年下

ご覧のように、たったの1語で済ませられるとても便利な単語なのです。しかも日常的にかなりの頻度で使用されています。

「兄弟はいますか?」の質問をsiblingで作文すると次のようになります。

“Do you have any siblings?”

だいぶ簡単に表現できます。

他にも何かの書類で“siblings”という記入欄を見たことがあります。かなり浸透している言葉なので、海外に行く機会のある人は知っておいたほうがいい単語です。

私が最も頻繁にsiblingを目にしたのは、インター校での保護者宛のメールでした。学期の最後のお迎えのときの注意にはこのようなメールが来ました。

Older children will be asked to sit with their younger siblings.  So when you drive through, the location of your youngest child should be where you stop to collect.
(年上の子どもは年下のきょうだいと座るように指示されます。だから車で来られるときは、一番年下のお子様の場所があなたが子どもを拾う場所です)

siblingは決して特殊な単語ではありません。子どもがbrotherとsisterを覚えたら、ついでにsiblingも教えてあげましょう。男女の区別をしなくてよいので、きっといろいろと役立つ場面が出てくるはずです。

babyの代名詞も難しい

簡単な英語なのに、いざ話そうとすると考えこんでしまうときがあります。

学校に子どもを迎えに来ると、知り合いのお母さんがかわいい赤ちゃんを抱っこしていました。ベビー服を見ると白のベビー服なので「男の子か女の子か」わかりません。

そこで「男の子ですか、女の子ですか?」と質問するときに、ふと止まってしまいました。

Is (  )a boy or a girl?

文法的には簡単なbe動詞の疑問文です。問題は(  )の中は「he/ she/ itのどれが適切なのか」です。
baby

参考書ではbabyの代名詞は、性別がわからないときはit、それ以外はhe, sheで受ける

文法の参考書では「babyの代名詞は、性別がわからないときはit、それ以外はhe, sheで受ける」と書いてあります。

しかし、いざ赤ちゃんを抱っこしているお母さんを前に、性別がわからないからといって「it」を使うのがはばかられたのです。試験の解答用紙には躊躇なくitと記入できます。ところが、実際の場面では「失礼になるのではないか」と不安で言えませんでした。

しばらくすると別のママ友が“How cute!  Can I hold her?”と近寄ってきたので、「女の子か!」とわかったので、そのあとは普通に会話できました。

itは奥の深い代名詞

文法上はitで間違いないのですが、やはり人間の感情としてかわいい赤ちゃんにitを使うのは気が引けてしまいます。このへんの微妙な感覚をいつかネイティブの人に聞いてみようと思っています。

冷静に考えれば、代名詞を使わずに“Is your baby a boy or a girl?”と聞けばよかったです。

そういえばスティーブン・キングのホラー小説に『IT』があります。2度映画化されて私も観ました。弱い子どもにしか見えない不気味な存在の「何か」は確かに「IT」でしか表せません。

このようにitには明確に既出の名詞を指す場合と、正体不明の何かを示すために使われる場合の両方があります。

ペットも同じ

赤ちゃんと同様に、ペットの場合も「性別がわからないときはit、それ以外はhe, sheで受ける」ルールが適用されます。

しかし、ペットを溺愛している飼い主に向かって、「it」とはなかなか言えないです。「モノ」の響きがあるからです。こういうときは主語を省略して「男の子ですか、女の子ですか?」と聞ける日本語は便利だなと感じます。

代名詞について子どもに教えるときに、ゴリゴリの暗記をさせるとすぐにあくびをし始めます。しかし、このような話を織り交ぜながら考えさせると、日本語と英語の違いについて理解を深めることができます。

まとめ

「brotherとsister」は英語習いたての子どもでも知っている単語です。しかし、日本語の「兄弟と姉妹」という訳語にはぴったりと一致していません。なぜなら、上下関係がわからないままだからです。

この違いに着目すると、その言語を使っている人達の文化が見えてきます。日本は人間関係において年齢を重視しています。一方、欧米の人達は日本ほど相手の年齢を気にしていません。だから区別する必要が薄いのです。

ところで、英語には兄弟姉妹すべてを包括した単語があります。それはsiblingです。決して特殊な単語ではなく、日常会話でもしばしば使用されます。

人を表す代名詞の場合は男女の区別をします(he/ she)。しかし、性別がよくわからない赤ちゃんやペットに対しては、itを使うことがあります。知識としては正しいのですが、いざお母さんや飼い主の前でitと言おうとすると、抵抗を感じてしまいます。

itは短い単語ですが、英語と日本語の違いを知り文化的な差異に気づかせるきっかけになります。

英語を勉強として捉えて、ワークブックばかりやらせると子どもは英語を嫌いになってしまいます。しかし、おやつの時間などに、子どもにこのような話をしてあげると言語や文化に対する興味を惹くことができます。

「fishの複数形はfish」からできる子どもを育てる

私は25歳のとき、初の海外旅行先にニュージーランドを選びました。バスで国内を移動中、突然バスが田舎道で止まりました。

すると、何百頭のヒツジの群れが道路を横断しているのが見えました。人口よりもヒツジの数のほうが多いと言われるニュージーランドらしい光景でした。このとき突然「なぜ、sheepは複数形でもsheepなんだろうか?」と私は考えました。

sheepは複数形でもsをつけない代表的な名詞です。同じく、fishも複数形でも形は変わりません。「ヒツジと魚の共通点は何だろうか?」としばらく考えましたが、そのときは何も思い浮かびませんでした。

今回の記事は、単数形でも複数形でも形が同じ「fish」について取り上げてみます。子どもでも知っている単語ですが、実は奥が深い名詞です。

お母さんはこの記事の内容を雑談のなかで子どもに教えてあげてください。きっと興味を惹かれる子どももいるでしょう。

fishは単複同形の名詞

英語を学び始めて最初に嫌気がさすのは「名詞」に関する文法です。名詞の単数形・複数形や可算名詞(数えられる名詞)・不可算名詞(数えられない名詞)の概念は日本人には理解しがたい感覚です。

学習初期のうちは簡単です。appleは数えられる名詞(可算名詞)だけれどwaterは数えられない(不可算名詞)ことは、子どもでもほぼ理解できます。

しかし、次第に日本人の理解を超えていきます。例えばfurniture(家具)が数えられない名詞であることを知ると、子どもはもちろん大人でも混乱し始めます。

furnitureはいろいろな種類の家具の総称であるため正確には「家具類」のことを指します。だから、one furnitureとかtwo furnituresとは数えません。数える必要があるときは、a piece of furnitureとするか、two desksなどと具体的に表現します。

このように英語では名詞について独特の捉え方をしており、子どもの英語学習の負担になっています。

fishは単数形と複数形が同じ名詞

突然ですが、問題です。( )の中にfishを必要に応じて適切な形に直して入れてください。

I can swim like a (      ).
We caught a lot of (     ) yesterday.

解答です。

I can swim like a (fish).
We caught a lot of (fish) yesterday.

fishは子どもでも知っている単語です。注意しなくてはいけないのは、複数形になってもfishのまま(s, esがつかない)であることです。

学校のテストでもよく出るところなので、正解したお母さんも多かったかもしれません。

このように単数形も複数形も形が変わらないことを「単複同形(たんぷくどうけい)」と呼びます。

形が同じだけで単数形と複数形がある…つまり可算名詞

はじめに次の2文を読んでください。

I caught some fish.
I want some water.

ここで質問です。fishはappleと同様に数えられる名詞(可算名詞)でしょうか。それとも、waterと同様に数えられない名詞(不可算名詞)でしょうか。では、少しだけ考えてください。スタート!

正解:fishは可算名詞

形が変わらないので、waterと同じくfishは不可算名詞であると誤解する人が多いです。しかし、実際は、fish は数えられる名詞(可算名詞)です。複数形の「s(es)」が付かないだけです。

言葉だけではよくわからないので、表にして整理してみます。

表で確認してみる

単数形 複数形
可算名詞

(数えられる名詞)

apple apple apples
fish fish fish
不可算名詞

(数えられない名詞)

water water water

この表からわかるとおり、fishは複数形のときにs(-es)がつかないだけで、実は数えられる名詞です。だから、次のように表現できます。

I need two fish for dinner.

一方、waterにはone, two…と数字をつけることはできません。理由は数えられないからです。この場合は、下記のように入れ物(容器)にいれて数えるしかありません。

a glass of water, two glasses of water

単複同形の名詞に見える人間の歴史

fishのように単数形も複数形も形が変わらない名詞(可算名詞)は、他にもあります。

sheep(ヒツジ)
deer(シカ)

正確に調べたわけではありませんが、群れで行動する動物や人間が狩猟対象・家畜対象として認識している動物に、単複同形の名詞が多いように感じます。毎日見て世話をしたり食べたりしているといちいち「複数形のs」をつけるのが面倒になったのかもしれません。

文法を絶対的なルールとして捉える人もいますが、それは間違っています。言葉は人間的であいまいなものです。fishの扱いは人間の都合で見方を変えているだけです。合理的な理由があるわけではないのです。その証拠に時代によって文法は変化しています。

fish, sheep, deerが単複同形であることから、人間の狩りや動物の飼育の歴史を垣間見ることもできます。

単なる知識として子どもに押し付けると英語嫌いまっしぐらです。しかし、おやつの時間などに子どもとこのような話をしながら、「なぜそうなったか」について意見を出し合うと英語への理解や興味関心を引き出せます。

スーパーで売られている魚はどうやって表す?

以前、マレーシアに住んでいるときにマーケットにいくとデカい謎の魚を切り売りしていました(歯ごたえのある白身魚でおいしいです)。

妻に買い物を頼まれたときは、店のおばさんに“I’ll take four slices of fish.”(魚4切れちょうだい)と注文すると、手際よく切り身にして渡してくれました。

切り身はa slice of fish

four slices of fishという言い方は、a slice of breadと同じ表現です。つまり、fish(魚)を数えられない名詞として考えています。

つまり下の写真のような魚は不可算名詞です。

slices of fish

「肉」として扱われる場合の魚は不可算名詞です。このように決まった形を持たない物質として扱われる場合、数えることはできません。このような種類は「物質名詞」と呼ばれ、他にも下記のものなどが該当します。

cheese(チーズ), wine(ワイン), paper(紙), smoke(煙), iron(鉄), wood(木)など

そのような訳で、数えるときはa slice of fish, two slices of fishと表現することになります。

魚の「種類」を強調するときはfishes

実は、魚の「種類」を強調するときはfishesと表現することがあります。例えば下記のような文章でfishesは使われます。

There are many different kinds of fishes in this river.

(この川には多くの種類の魚がいます)

しかし、この文章でs(es)を付けずにfishを使用しても間違いではありません。子どもに細かいことを教えると混乱するので、やはりfishは単数形も複数形もfishで統一したほうがよいです。

上記のように、魚をどのような対象で見るかによってfishの扱い方が変わることがわかります。生物としてなら可算名詞としてのfish、切り身で売られているときは数えられない名詞(物質名詞)としてのfishとなります。

種類を強調するときのみfishesと表現することは可能です。しかし、fishでも間違いではないのであえて覚える必要はありません。

意外な単複同形名詞

海外旅行に行くとお金を支払う場面は多々あります。そのときにふと思うのは、「お金の単位には複数形のsをつけるのだろうか」という疑問です。

日頃音読している記憶では、“one hundred yen”が普通です。 “one hundred yens”は見たことがありません。

日本のお金「円」は単複同形の名詞です。

dollarにあって、yenにはないもの

では米国の通貨である「ドル(dollar)」はどうでしょうか。

実は、dollarにはsをつけます。つまり、one dollar、two dollars、three dollars…と続きます。同じく英語ネイティブであるイギリスの通貨「ポンド(pound)」も、複数形のsをつけます。

表

頭を整理するために、下の表をご覧ください。

単数形 複数
dollar dollar dollars
pound pound pounds
Euro/ euro Euro/ euro Euros/ euros
yen yen yen

表の中に「ユーロ」があります。英語での表記で、大文字から始めるか小文字から始めるかはまだあいまいです。複数形に関してはsをつけます。

根底にある考え方

アジアの通貨には複数形でも「s」を付けません。やはり英語ネイティブの価値観は「西欧中心主義」であることが、お金の数え方からもチラッとうかがえます。

文法は数学のようにきれいに割り切れるルールなど存在しません。すべて人間の心理や思考に基づいているので、あいまいな部分や文化的な価値観が現れています。

英語を深く学ぶとこのような違いにも気づきます。余談ですが英語の普及は完全に政治的なものです。大英帝国の植民地主義や20世紀に大国となったアメリカの影響力が大きかったからこそ、英語は共通語のような扱われ方をしています。

英語中心の世界が、英語ネイティブに有利に働いていることは間違いありません。

まとめ

fishは子どもでも知っている基本単語ですが、複数形のときも「s(es)」は付きません。いわゆる「単複同形」の名詞です。

形が変わらないため、waterと同じく不可算名詞として考える人がいます。しかし、それは誤解です。fishはあくまでも可算名詞で形が変わらないだけです。

おなじfishでもスーパーで切り身として売られている場合は、waterと同じ「不可算名詞」と同じ扱いになります。また、種類を強調するときはfishesと複数形の「es」をつけることもあります。

同じく紛らわしい名詞にお金の単位があります。yen(円)には、one yen, two yen, three yen…のように複数形のsをつけません。ところが、dollar(ドル)、pound(ポンド)、euro(ユーロ)にはsをつけます。

英語を母国語としない日本人から見ると謎の文法です。背景には人間の都合だったり政治的な力が働いていたりします。このような些細なことからも英語やそれを使う人達との文化的な違い・考え方の相違を感じられます。

理屈をこねて伝えると子どもは英語嫌いになります。しかし、何かの折にこれらの話を分かりやすく伝えてあげると、子どもの英語や異文化に対する興味・関心を喚起できます。

英語を学ぶ意味のひとつは異文化理解です。言葉を通じて世界を別の視点から眺められるようになります。英語を正しく学ぶとより深く世の中を見渡せる子どもになります。

小学生のための、ワンランク上の「英語で自己紹介」

私は以前、海外に住んでいたときにあるチャットグループに参加していました。スマートフォンでアプリを開くと参加者のプロフィール画像が見られます。それらの写真とひとことコメントはどれもアピール力がとても強く驚きました。

「これはハリウッド女優か?」と見紛うまでに加工された自撮り写真は、笑顔で自信に溢れています。日本人ならそもそも自分の顔をアップで載せる人は少数派なので、これは大きな文化的な違いといえるでしょう。

子どもの自己紹介においても状況はまったく同じです。日本なら名前や年齢を言って、「よろしくお願いします」で終わらせてしまうのが一般的です。しかし、英語で同じように自己紹介すると、圧倒的にアピール力が足りません。

英語での自己紹介で最も大切なのは、「フレンドリーさ」「ポジティブ感」の演出です。そのツボさえ押さえれば、簡単な英語表現でも「ワンランク上」の自己紹介ができるようになります。

今回は小学生でもできる「ワンランク上の英語で自己紹介」について詳述します。

Hello, my name is ~.  I’m ~ years old. で終わり?

英語の授業で子どもに自己紹介をしてもらうと、ほとんどの子は “My name is ~.  I’m ~ years old.”まではスムーズにいえますが、その先が続けられません。主な原因は準備不足にあります。

自己紹介は、最も準備しやすいテーマです。自分自身のことなので、ひと通り英語でいえるようにしておくといろいろな場面で活用できます。

このときのポイントは、自己紹介の「構成」と「英語表現」です。自己紹介にはある程度決まり切った型(テンプレート)があるので、これを意識しながら原稿を練り上げるといいです。

まずは実際のインターナショナルスクールに掲示されていたYear 6(日本の小学5~6年生)による自己紹介の例を見てみましょう。

みんなの前で口頭で発表するなら、日頃の音読練習がモノを言います。

ネイティブの実例を見てみよう

self-introduction

あるインターナショナルスクールの男の子と女の子それぞれ二人ずつ自己紹介文を掲載します。Prefect(風紀委員のようなもの)のメンバーで、学校の生徒向けに掲示されていたものです。

これらを参考にすると、英語学習中の小学生でもワンランク上の自己紹介ができるようになります。

男の子1

My name is Tim.  If you are in trouble, come talk to me.  The class I’m in is 6JM.  I’ll try and sort any mayhem.  The house I’m in is Yellow house.  I was chosen as a prefect by Mr. T(校長先生の名前).

I was born on the 12th of February.  I’m always smiling and merry.  I enjoy all kinds of sports.  I’ll usually be in the four-square court.

I hope to see you around the school.  I’ll make sure you follow every rule.

 

和訳

僕の名前はティムです。困ったことがあるなら、話に来てください。僕のクラスは6JMです。どんな騒動でも対処しますよ。僕のハウス(縦割りに色分けして競い合う)は黄色です。T校長先生によって、風紀委員に選ばれました。

僕は2月12日生まれです。いつでも笑顔で陽気です。あらゆるスポーツが好きです。いつも「フォー・スクエア・コート」にいますよ。

学校で会えるといいですね。みんなが規則を守っているかどうかを確認します。

女の子1

Hi there, kids!  For you who don’t know me yet: I am Eliza from 6JA and one of the school prefects.

Here is a short fact file: I am in yellow house.  I don’t have a favourite colour because I like all colours.

I wanted to become a prefect so that I could help the school and you.

If you need help with something on the field, you can look out for me for help.

 

和訳

やあ、みなさん。まだ私を知らないあなた方のために。私は6JAのエルザで、学校風紀委員の一人です。

こちらは(私の)簡単な調査ファイルです。私は黄色のハウスです。私はお気に入りの色はありません。全部の色が好きです。

私は学校とあなた達を助けるために風紀委員になりたいと思いました。もし、校庭で何か助けが必要なら、私を探してくださいね。

男の子2

I want to take on the role of the Prefect because I have a thirst to contribute to the school community by helping to ensure my fellow school mates abide our 学校名’ rules and regulations including the 8 Golden Rules.

(中略)

Now a little bit about myself.  I enjoy playing tennis, swimming, football, and basketball.  These activities have prepared me to be tolerant, tenacious and work effectively in a team.  I have been with 学校名 since Nursery and I feel very honoured to be a part of the Prefect Team.  Have a pleasant day!

和訳

私が風紀委員の役を引き受けたのは以下の理由からです。学校の仲間たちに校則と8ゴールデン・ルールを含めた規則を確実に守ってもらう手伝いをすることで、学校に貢献したい渇望があるからです。

ではここで少々私のことを。私はテニス、水泳、サッカー、そしてバスケットボールをするのが好きです。これらの活動を通じて学んだのは辛抱強さと粘り強さそしてチームの中で効果的に働くことです。私はこの学校に保育園の頃からいます。そして風紀委員の一員であることにとても誇りを感じています。それでは良い一日をお過ごしください!

女の子2

Hi!  My name is フルネーム and you can call me Ting.  I have been in 学校名 since nursery till Y6, so 学校名 has been in my life for 8 years.

I wanted to be a prefect so that I can help the school and the children.  You can find me around school wearing a prefect badge and I could be the one to open your car door each morning.

My interests are swimming, cooking, reading and having fun with my friends.  When I grow up, I want to be a travel journalist and travel around the world.  What do you want to be when you grow up?

和訳

やあ! 私の名前は〇〇です。ティンと呼んでね。保育園から6年生までずっとこの学校にいます。だから学校は私の人生の中の8年間を占めています。

学校や子ども達を助けるために風紀委員になりたかったのです。学校では風紀委員のバッジをつけている私を見つけられます。そして毎朝車のドアを開けている一人かもしれません。

私の趣味は水泳、料理、読書そして友だちと遊ぶことです。大人になったら、旅行記者になって世界中を旅してまわりたいです。あなたは大人になったら何になりたい?

自己紹介のパターン

4人の子ども達の自己紹介文を掲載しました。よく読むと共通する構成や順番があることに気がつきます。これらをまとめてみましたので、子どもの自己紹介文を作成するときの参考にしましょう。

呼びかけ

以前、日本人学校に交流会に来たインター校の生徒達が日本人の生徒と記念撮影をした写真を見たことがあります。印象的だったのは、日本人の子ども達は全員真面目な表情で写っているのに対して、インター校の生徒達は全員歯を見せてニッコリと笑っているのです。

これは文化による違いです。日本人は記念撮影の際は真面目な表情をするように求められることが多く、外国人との記念撮影でもつい真面目な表情をしてしまうのです。環境によってこのような行動を取るのです。

その証拠に、インター校で育った日本人の子どもはカメラを向けるとすぐに笑顔を作ります。日本人が条件反射的に「ピースサイン」をするようなものです。

話がそれました。英語で自己紹介するときは、つかみの部分で「フレンドリーさ」を演出しましょう。写真なら笑顔が大切です。英語表現については後述します。

名前・所属・年齢

名前・所属・年齢はきっちりと書いておきましょう。定型表現で乗り切れるので、簡単に覚えられます。

ちなみにY6JMとはクラス名です。最初のY6はYear 6(6年生)のことです。これに続くアルファベットの2文字は、担任の先生のイニシャルです。例えば、担任の名前がHarrison Fordだったら、Y6HFとなります。

日本の学校なら6th grade, class 2(6年2組)と表記すれば大丈夫です。

出没箇所

正直私も戸惑ったのですが、「学校のどの辺に行けば自分に会えるか」の謎アピールです。日本の小学生はこのようなことは書きませんが、なぜかこの学校では半分の生徒がそのことに触れています。

おもしろい自己PRなので、日本の小学生でも書いてみるとおもしろいです。英語表現については後述します。

好きなことや性格

定番の説明です。自分の好きな色、スポーツ、自分の特徴などが該当します。これもできるだけポジティブな情報を盛り込みましょう。

一見つまらなさそうな情報でも、その人の性格を判断するのに貴重な情報となることはよくあります。「血液型はB型なので…」のような説明に科学的根拠は皆無です。しかし、そんな情報でさえも読み手(聞き手)は勝手に想像を膨らませてくれるからです。

将来なりたいもの

これも定番の情報です。なりたい職業を伝えるとその人の「性格や得意なこと」をイメージしやすくなります。だからこれらの情報を自己紹介に入れると効果的です。

締め

やはり締めの言葉がないと自己紹介が締まらないので、ひとこと入れるようにしたほうがいいです。簡単に“Have a pleasant day!”(良い一日を)で充分です。

役立つ英語表現

ここからは、先ほど紹介した自己紹介の構成順に、英語でどのように表現していくのかを具体的に説明します。最後に自己紹介の例文(全文)を掲載したので、参考にしてください。

呼びかけ

冒頭の部分は、小学生の子どもなら“Hi, there!”(やあ、こんにちは)くらいの調子で始めるとフレンドリーさを演出できます。簡単に “Hello!” で始めてもいいです。

  • 呼びかけ表現のまとめ
Hi, there!

名前・所属・年齢

“My name is ~.” と教科書的に名前を伝えるだけでも悪くはありません。しかし、ここではもう一つだけ文章を足してこのような表現にしましょう。

“My name is Kentaro Kawasaki(フルネーム), and you can call me Ken(呼び名).”

冒頭でのフレンドリーさを演出した流れをそのまま受け継いで、フルネームを伝えた後で呼び名も追加します。「〇〇って呼んでね」と言われたら、グッと親しみやすくなります。

次に所属の紹介です。先述のとおり「〇年〇組」の表現は英語圏では一般的ではありません。担任の先生の名前を使って表現します。例えば、“I’m in Mr. Smith’s class.” (私はスミス先生のクラスです)となります。

日本式のクラス(例えば4年3組)を英語で表現すると、「(序数)grade, class(組番号)」(4th grade, class 3)となります。

英語表現は、“I’m in 4th grade, class 3.”で大丈夫です。ネイティブの英語表現を真似すると、“The class I’m in is ~.”(私のいるクラスは~です)となります。“The class I’m in is 4th grade, class 3.”です。

最後に年齢です。“I’m ~ years old.”(私は~歳です)は小学生でもなじみのある表現です。よくあることですが、もうすぐ誕生日が近づいている場合(公開される頃には歳が変わっている)とか、つい最近誕生日を迎えた場合の表現も覚えておきましょう。

たとえば、現在10歳でもうすぐ11歳になる場合は次のようになります。“I’m 10 years old, but I’m turning 11 soon.” また、11歳になったばかりなら、“I turned 11.”となります。覚えておいて損はない表現です。

  • 名前・所属・年齢に関する表現のまとめ
My name is Kentaro Kawasaki and you can call me Ken.  I’m in 5th grade, class 1.  I’m 10 years old, but I’m turning 11 soon.

出没箇所

日本ではあまりなじみのない「出没箇所アピール」ですが、斬新なので取り入れてみましょう。

たとえば鉄棒が好きで、休み時間はいつもそこにいるのなら次のようになります。“You can find me around the bars.”

また、見た目の特徴があるのならそれについても触れたほうがいい自己紹介になります。例えばハリーポッターのような丸いメガネをかけているならこのようになります。“You can find me around the school wearing round glasses like Harry Potter.”

  • 出没箇所の表現のまとめ
“You can find me in the library wearing round glasses like Harry potter.”

好きなことや性格

ここでのおすすめ英語表現は2つあります。ひとつめは、“I enjoy ~ing.” です。3つ挙げるなら、A, B, and Cです。4つならA, B, C, and D(最後のandの前にはカンマを入れましょう)。ふたつのときは、A and Bのように単純にand でつなぎます。

“I enjoy playing tennis, swimming, and basketball.”

もう一つの表現方法は、“My interests are ~.”(私の関心ごとは~です)。特にこれといった趣味がない場合でも、悩む必要はありません。

“My interest is having fun with my friends.”(私の関心ごとは友達と楽しく過ごすことです)程度でもかまいません。

低学年なら好きな色を紹介するのも、手軽でおすすめです。日本人の会話では血液型からその人の性格を連想することが多いですが、これと似たような感覚です。簡単に“My favorite color is blue.”のように伝えれば充分です。

  • 好きなことの表現まとめ
“My interests are swimming, football, and reading.  My favorite color is red.”

将来なりたいもの

将来なりたい職業などに触れておくと、自分のことをより詳しく知ってもらえます。これも定型文があります。“When I grow up, I want to be a ~.”(大人になったら、~になりたい)とストレートに伝えましょう。

  • 将来なりたいもの表現のまとめ
“When I grow up, I want to be a policeman.”

締め

締めの言葉です。あくまでも「フレンドリーかつポジティブに」が基本です。

あいさつ的に終わらせるなら、簡単に“Have a nice day!” で大丈夫です。頼りがいのある自分をアピールするなら、“If you need help with something, you can count on me.”(もし何か困ったことがあるなら、ボクに任せて)くらい強気でオーケーです。

  • 締めの表現まとめ
“Have a nice day!”
  • 自己紹介例全文

Hi, there!  My name is Kentaro Kawasaki and you can call me Ken.  I’m in 5th grade, class 1.  I’m 10 years old, but I’m turning 11 soon.

You can find me in the library wearing round glasses like Harry Potter.

My interests are swimming, football, and reading.  My favorite color is red.  When I grow up, I want to be a policeman.

If you need help with something, you can count on me!

自己紹介をする機会は人生で多い

自己紹介をする機会は新学期だけではありません。インターネット上でのブログやフェイスブックなどには自己プロフィール欄があり、これらも自己紹介と同じです。

実は私自身、このような自己紹介欄を埋めるのがとても苦手です。なぜなら、自分の良い面を伝えることを遠慮したり、あまりにも他人の評価を気にしすぎたりするからです。つい無難な事実だけを書いてしまいがちです。

自己紹介で最も大切なのは、「フレンドリーさ」や「ポジティブさ」の演出と他人から覚えてもらうことです。嫌な部分は明かす必要はありません。

子どものうちに自己紹介の定番パターンを身につけておくと、その後の人生で何度も役にたちます。そしてそれが就職活動の自己PRにも少なからず影響を与えることになります。

英語で自己紹介することを通じて、自己紹介パターンを持つことはとても役に立つことなのでおすすめです。

まとめ

自分のことは書く内容に困ることはありません。決まりきった英語表現を使いこなすだけでも、名前や年齢だけに触れる自己紹介よりもワンランク上の自己紹介ができるようになります。

自己紹介は一度作ったら、そのまま放置するものではありません。年齢とともに情報を入れ替える必要があります。また、もっと高度な内容を盛り込みたくなってくるものです。

そのようなときは身近に利用できる英語の先生を見つけて、アドバイスをもらうといいでしょう。「〇〇のように書き直したいけれど、どうすればいいですか?」と質問すれば、きっといいアイデアをもらえるはずです。

写真付きの自己紹介なら、笑顔も忘れないようにしましょう!

子どもの万能表現「楽しかった」を英語で言おう

大人の会話で「よろしくお願いします」は頻出表現のひとつです。深い意味もなく使われることもあり「何をよろしくお願いされたのかな?」と疑問に感じることさえあります。

では、子どもの会話で最も頻繁に使われる表現は何でしょうか? 小学生が書く作文を思い出してください。「昨日、〇〇公園へ遠足に行きました…」という出来事が語られます。そして最後は「…して楽しかったです」でまとめることがとても多いです。

これは日本特有のことではありません。海外の子ども達の作文を読んでいても、頻繁に「楽しかった」が登場します。細かい感情を表現できないので、子どもなりの万能表現である「楽しかったです」でまとめています。
fun

頻繁に使うフレーズは、あらかじめ英語でスラスラと言えるようにしておくと英会話に便利です。子どもにとって「楽しかったです」は最初に攻略しなければいけない表現です。

今回の記事では、頻出表現である「楽しかった」を英語でどのように表現したらいいのかに絞って説明します。特に、funとenjoyを使った表現は多用されます。子どもの英会話力が一段レベルアップするように、お母さんは助けてあげましょう。

「楽しかったです」は子どもの万能表現

幼稚園で遠足があった日に「どうだった?」と子どもに聞くと、ほとんどの場合「楽しかった!」と答えます。たずねたお母さんやお父さんも、よほどのことがない限りそれ以上の追求はあまりしません。

子どもにとっては説明する手間を省けるし、親も満足してくれる便利なフレーズが「楽しかった」の正体です。

このように大人の「よろしくお願いします」くらい、「楽しかった」は子どもにとって万能表現です。感想を求められたらとりあえず「楽しかった」を伝えれば大丈夫であることを子どもは自然と覚えています。

このような便利な表現を英語ですぐにいえるようにしておくと、とっさのときに困りません。日本語でさえ「楽しかった」としか言えないなら、英語でそれ以上のことを言う必要もありません。

「楽しかった」を英語で表現するとき

「楽しかったです」の最も一般的な英語表現は、教科書でもよく見かけるこれです。

I had a good time.

しかし、ネイティブの子どもと会話するとfunやenjoyを使うことが多いです。これらふたつの単語を使った例文をいくつか覚えておくだけで、子どもの英会話にはとても役に立ちます。

以下、それぞれの単語についてポイントを説明します。いくつかの例文を暗唱するだけで、誰かから感想を求められても子どもは英語で乗り切れるようになります。

funの使い方

海外で子どもと話をしたり、子どもの書いた文章を読んだりしているとfunが多用されています。日本人の子どもの「楽しかったです」と同じです。funの綴りや音の響きが、「楽しいこと」を連想させてくれます。

さっそくfunに関するポイントついて説明します。
fun 定義

数えられない名詞のfun

funは「楽しみ」の意味を持つ「数えられない名詞」です。「数えられない」ことと「名詞である」ことに注目です。

例えば「それはとても楽しかった」と言いたい場合、

It was so much fun.

It was a lot of fun.

のどちらかで表現します。

「数えられない名詞」なので次のような表現は誤りです。

(誤)It was many fun.

数えられない名詞にmanyは使えません。

a lot of がおすすめ

学習の際は、「数えられる名詞なのか数えられない名詞なのか」をしっかりと理解させましょう。しかし、実際に会話しているときはいちいちそんなことを気にしていたら、言葉が出てきません。

子どもに会話の指導をする場合、できるだけ汎用性の高い表現を使うように伝えましょう。今回のケースでは、funは数えられる名詞か数えられない名詞かで迷います。そこで、どちらに使っても良いa lot ofを使用すると悩まずに済みます。

余計なことを考えずに済ませるために、「とても楽しかった」は

It was a lot of fun.

と覚えておきましょう。

主な使い方の3パターン

・「~して楽しかった」はhad fun -ing

例えば、「友だちの家でゲームをして楽しかった」と伝える場合は、

We had fun playing the game.

です。

funの後に-ingを続けるのがポイントです。誰かと一緒に楽しんだのなら、主語はWeにしたほうがいいでしょう。

・話の内容を受けて、「楽しかった」はIt was a lot of fun.

この表現は、最初に「何をしたか」を説明します。その後で、「(それは)楽しかった」とまとめるパターンです。

I played the game with Ken.  It was a lot of fun.
(ケンくんとゲームしたよ。とても楽しかった)

「楽しかった出来事」と「楽しいかった」を2つに分けて表現するので、子どもでも使いやすいです。

・Sounds like fun. 「おもしろそうだね」

前者2つは過去形で使われるのに対して、この表現は現在形で使われます。先頭に(That)が省略されていて、誰かの話に対して「それおもしろそうだね」と感想を言うときに使います。

前述の通り、funは名詞なので前置詞のlike(~のように)が必要です。

(That) sounds like fun.
(おもしろそうだね)

なお、Sounds fun. のように、funを形容詞として使われることもあります。しかし、あくまでも名詞としての使用が正式なので、無理に覚えることはありません。

enjoyでも表現してみよう

enjoyは「~を楽しむ」意味の動詞です。enjoyを使用するときには注意が2つあるので、きちんと子どもに伝えましょう。

注意点1:enjoyは必ず目的語が必要な動詞

enjoyはうしろに必ず目的語を必要とする動詞です。例えば次のような文章は誤りです。

(誤)I played the game.  I enjoyed.

正しくは

I enjoyed the game.

です。

何か困ったらもっといい表現があります。それは enjoy oneself で「楽しかった」です。例えばパーティーで楽しかったら次のように使えます。

I enjoyed myself at the party.(パーティーで楽しかった)

注意点2:~して楽しかったは、-ingを続ける

もし、「~して楽しかった」と言いたい場合は、目的語の位置に-ingを置きます。

I enjoyed playing the game.

「~すること」の意味でto doを置きたくなるかもしれませんが、それは語法として間違いです。

(誤)I enjoyed to play the game.

enjoy -ingの形を覚えておきましょう。

つまらなかった場合の表現方法

では、反対に「つまらなかった」場合の英語表現について解説します。

be tired of -ing

tiredは「疲れた」だけでなく、「飽きた」という意味を持つ形容詞です。二つの意味を暗記するのではなく、イメージを膨らませて共通の根っこを捉えるようにすると忘れにくくなります。

例えば、子どもに朝礼で校長先生のつまらない長話をイメージします。暑い日差しの中、起立の状態で聞かされたら、疲れるし飽きます。tiredのイメージはまさにこれです。

be tired of – は「~に飽きる」というイディオムです。ここから「つまらない」気持ちを表せます。

I played the game with Ken, but I played it a hundred times.  I was tired of it.
(ケン君とゲームしたけど、何度もやったんだ。つまらなかったよ)

boring

もし、「つまらない」という意味をストレートに伝えたければ、boringという単語がピッタリです。校長先生の話がつまらなかった場合は、こうなります。

The principal’s speech was boring.

これだとかなり直接的な表現なので失礼かもしれません。もう少しソフトに表現するなら別の言い方があります。

not very interesting

The principal’s speech was not very interesting.
(校長先生のスピーチはあまりおもしろくなかった)

このようにnot veryを使うことで、ネガティブな意味を少しやわらげることができます。

まとめ

子どもにとっての万能表現である「楽しかった」について、英語でどのように表現したらいいのかについて説明しました。

もう一度、記事の中の例文をまとめてみます。

・最も一般的な「楽しかった」

We had a good time. (私たちは楽しかった)

・funを使った表現

We had fun playing the game. (私たちはゲームをして楽しかった)

It was a lot of fun.(それはとても楽しかった)

(That) sounds like fun.(楽しそうだね)

・enjoyを使った表現

We enjoyed the game. (ゲームを楽しんだ)

We enjoyed playing the game.(ゲームをするのを楽しんだ)

上記6つの表現を覚えておくようにしましょう。

これらの例文を暗唱できたら、実際の出来事に関連づけて感情を込めて英語で話してみましょう。気持ちと英語表現をしっかりと結びつけられると、英会話をしているときにも自然に聞こえます。

英語で何か質問されたときに答えるだけでなく、自分の感想をひとことでも添えられると子どもの英会話は一段上のレベルになります。最初のステップとして「楽しかった」の英語表現を子どもに教えてあげましょう。

英会話の先生に最近の出来事を聞かれることがあります。細かいことまで言えなくてもとりあえず、fun を使って「楽しかった」と言えれば会話は弾みます。外国人の先生と話す機会が多ければ、ぜひ、覚えておきましょう。

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