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中学受験の英語入試について

我が家には小学生の子どもがいますが私立中学の受験は考えておらず、割とのんびりと生活しています。日が暮れるまで校庭で遊び、帰ってから宿題をやる程度の毎日です。

一方、私の住む地域では教育熱心な家庭が多く、中学受験に向けて夜遅くまで塾に通う小学生が大勢います。夜9時頃の塾帰りの小学生を見て「小学生なのにすごいな」と感心していました。

先日何気なく塾のチラシを読んでいると、「中学受験で英語入試を採用する学校が増加している」という記事がありました。大学入試改革における英語4技能の総合評価と小学校での英語の教科化の影響です。

中学受験の英語試験について私はこれまでまったく知識がありませんでした。しかし、中学受験における英語入試についていろいろと調べてみたところ、いろいろと学びがありました。小学生の子どもを持つお母さんで中学受験を検討されている方に、私なりの見解を交えて解説します。

中学受験で英語入試を実施する学校は年々増加

首都圏模試センターの資料によると、2019年首都圏中学入試での「英語(選択)入試」(帰国生入試以外)の実施校は私立と国立を合わせて125校でした。5年前の2014年はわずかに15校だったことを考えると、大幅に増加しています。

*詳しい資料はこちらからダウンロード:https://www.syutoken-mosi.co.jp/blog/upload/a09cfcb8651fbddc970d8acb8d509148_7.pdf
(首都圏模試センター)

資料を細かく調べると、試験形態や英語を含めた科目数はバラバラです。それぞれの学校が独自の基準を設けて、試行錯誤している様子がわかります。基本的な問題を出す学校から、小学生向けとは思えないような難問を出す学校まで難易度もさまざまです。

中学受験の英語入試2つのタイプとは

中学受験の英語入試には大きく2つのタイプがあります。一つ目は、帰国子女向けの英語入試です。親の海外勤務に帯同し海外で教育を受けた子どもが、中学受験を機に帰国するケースを想定しています。

生徒募集要項にある「帰国生入試」はこれに該当します。出願資格には、海外在留期間〇年以上などの条件があります。

もう一つのタイプは、日本で生まれ育った普通の小学生が対象の「英語選択入試」です。英語を小学校の間学び、英語が得意科目なのでそれを活かして受験したい、という子どものために一般入試の一形式として英語を選択できるケースです。英語は選択科目であり、受験に必ず必要ではないところがポイントです。

この場合、英語以外の科目については学校ごとに異なりますが、下記のうちのいずれかに分類されます。

国語、算数、英語から2科目選択
算数と英語の2科目で受験
英語のみの1科目で受験

近年増加しているのは、上記のうちのいずれかによる一般入試における英語選択入試です。次に、超難関校や難関校での英語試験導入についての動向について調べてみました。

中学受験:超難関校では英語入試は未実施

「英語選択入試」を採用している中学校は、つい最近までは中堅・下位校だけでした。しかし、2017年から難関校でも徐々に採用されるようになり、2019年度入試では慶応湘南藤沢中等部でも「英語選択入試」がスタートしました。

一方、私のように中学受験に疎い者でも聞いたことのある御三家(麻布・開成・武蔵・桜蔭・雙葉・女子学院)においては、2019年時点では未実施です。

これらの超難関校に入学できるくらいの能力ならば、中学から英語を学んでも大学受験の頃には余裕で英検準1級レベルに到達するでしょう。そのためこれらの学校ではあえて英語を入試科目に入れる必要はない、と判断しているのかもしれません。

中学入試:難関校の英語入試のレベル

超難関校では様子見が続いていますが、難関校では少しずつ英語選択入試を導入する学校が増えています。そこで、実際の英語試験のレベルはどの程度のものなのかを調べてみました。

実際に英語入試問題がインターネット上に公開されている学校から、関西の難関校である「西大和学園中学校」の英語入試問題を参考にしました(2018年度英語重視型A方式筆記問題・東京会場)。

西大和学園中学校の英語入試問題の紹介

まず、問題用紙の表紙から度肝を抜かれました。目次や注意書きがすべて英語で書かれています。受験生はあらかじめ塾などで何が書かれているかを予習するのでしょうが、小学生向けの試験とは思えない仕様です。

・Section 1: Error identification 文法や語法の誤りを見つける問題(15問)

選択肢をよく見ると、「d 間違いがない」が含まれており、これが難易度を上げています。あいまいな文法理解では正答できない問題で、英検2級に合格できるくらいの英語力が必要です。

・Section 2: Choosing the appropriate words 文中の空欄に適した語句を選ぶ問題(15問)

過去形と現在分詞形の違い・関係代名詞の正確な知識・高度な語彙が求められます。全問正解する必要はないのでしょうが、私にもわからない単語が含まれている問題がありました。

・Section 3: Choosing the best response to the prompt 質問に対する適切な応答を選ぶ問題(10問)

前のセクションと比較すれば、やや易しめの問題ですが、あとに長文が控えているので悩んでいる時間はありません。

・Reading Comprehension  長文の内容一致問題(2問)

長文の内容一致問題が二つ(それぞれ5問)あります。英検2~準1級レベルのリーディング力が求められます。

正確さだけでなく、圧倒的な速読力が必要です。前半の問題で20分かけたとしたら、一つの長文には答える時間も含めて10分しかかけられません。

海外のインターナショナルスクールに3年半通った息子は、ハリーポッターシリーズを英語で読めますが、この問題を解かせたところ制限時間ギリギリでした(10問中9問正解)。日本で生まれ育った小学生にこの英語力を求めるとは、もう笑うしかありません。

西大和学園中学校の英語入試は相当難しい

私が過去問を見たところ、問題のレベルは英検2級相当の生徒なら6割くらいは正答できます。しかし、英検2級よりも難易度が高いと感じることが2つあります。

一つ目は解答時間が短いことです。相当な速読力が求められており、同じ文を繰り返し読み直す時間的余裕はありません。

二つ目は扱われるテーマや語彙レベルの高さです。長文ではハッブル宇宙望遠鏡やイギリスの児童文学作家のロアルド・ダールによる『チャーリーとチョコレート工場』がテーマです。これらの知識がなくても解答はできるでしょうが、ある程度の予備知識がなければ小学生でこの内容を理解できる子どもはかなり限られます。

難易度をまとめると、文法力は英検2級レベル、リーディングに関しては英検準1級に近い英語力がなければ高得点を取るのは難しいテストです。

結局、合否を決めるのは日頃の英語トレーニングの質と量です。こちらの動画セミナーで詳しく説明しています。

中学入試:難関校を本気で英語入試で受けるためのプラン

ここまで読んだほとんどのお母さんは「そんなの無理」と思ったことでしょう。実際、その通りで普通に英語を習ったくらいでは、小学6年生でこのテストに自信をもって解答できる子はほとんどいないでしょう。

さすがにこのレベルになると、生まれつきの頭の良さが絶対に必要です。もちろん相応の努力も必要です。ここまで読んでもチャレンジしたい、と思う小学生やお母さんのために一応、私なりのプランを考えてみました。

  • 小学6年生の夏前までには英検2級取得が最低ライン

難易度から判断すると、小学6年生の6月の英検までには2級を取得しなければなりません。ギリギリの合格ではダメで、あまり試験対策をしなくても余裕をもって合格できるくらいの英語力が必要です。

小学6年生の夏からは文法・語法の細かい知識を完成させつつ、多読と精読に時間をかけてリーディング力を向上させましょう。リーディングだけなら準1級に合格できるくらいの結果が欲しいです。

  • 小学3年生から本格的な英語学習をスタート

逆算すると、どんなに遅くても小学3年生になったらすぐに本格的な英語学習に取り組まなければいけません。中学レベルの英語は1年半~2年で完成(英検3級レベル)させましょう。

ワークブックに取り組むだけでは不充分です。早い段階から、多読に取り組むことも大切です。使用語彙数が限定された英語の本を日常的に読む習慣を身につけましょう。

英検2級の取得前後からは、語彙数を多少強引に伸ばすことも必要です。具体的には単語帳などを活用しながら、暗記に励む努力が求められます。

  • 一般教養も必須

先述のとおり長文で扱われる内容が高度なため、普段から幅広い分野に興味を持つことが大切です。テスト勉強だけでなく、図書館やインターネットなどを活用しながら自ら調べるような習慣が厚みのある知識や教養を作ります。

難関校の中学受験で英語を選択する場合は、相当な時間と努力が必要です。英語を選択できる入試が増えているとはいえ、複数校を受験することを考えると効率の良い方法とはいえない気がします。

英語が好きでたまらなくて何時間勉強しても苦にならず、抜群に英語力が伸びる生徒に限定されそうです。難関校の英語試験については、私はこのように感じました。

中学受験と英語学習の継続は可能か

中学受験の詳細については私は素人です。しかし、メディアなどの情報から相当大変であることは理解できます。受験科目としてではなく、子どもに英語を習わせ続けるかどうか悩むお母さんも多いかもしれません。

私は、中学受験の勉強をしながら、受験に必須ではない英語を学習し続けることは難しいと推測します。英語は教科の中でも成果が表れるまでに最も時間がかかる科目です。限られた時間のなかで、中学受験と英語学習を両立させるのは困難です。本格的な受験勉強に取り組むならそちらを優先させるほうが効率がいいのは間違いありません。

  • 本気で英語入試に絞る子ども以外はおすすめできない

このように考えると、難関校を志望する場合、あえて英語を選択する小学生はどのような子どもでしょうか。

何らかの事情で海外の学校に数年通っていて、英語の基礎がすでにありつつ国語や算数もできる生徒。
神童レベルで何を学んでもすぐに吸収してしまう生徒。
英語が好きでたまらなくて、大人がビックリするほど急激に英語力が伸びる生徒。

このような条件から「帰国生よりも該当者が少ないのでは」と私は感じました。

  • 中学校の意図がわからない

中学受験の対象のほとんどは私立なので、それぞれ学校の独自性があっていいと思います。しかし、中学入学前までにこのようなハイレベルな英語力を課して、その後の6年間をどのように教育するつもりなのか私のレベルでは理解できません。

このような難問を8割以上正答できる生徒なら、あと1年英語の授業を受ければほとんどの大学に合格できます。中学生で英検1級に合格も可能でしょう。残りの5年間、英語の教師は何か教えることが残っているのでしょうか?

私が無知なだけで、もっと高度な英語力を養成するプログラムがあるのかもしれません。いろいろと調べた結果、世の中には実にいろいろな学校があり、スーパーエリートの子どもがいるものだとあらためて感じました。

まとめ

中学受験において、帰国子女以外の生徒が受ける「英語選択入試」を採用する学校が急激に増加しています。最難関校では今のところ英語は導入されていませんが、一部の難関校には少しずつ広がっています。

難関校で実際に出題された過去問を見ると、小学生が受けるとは思えないほどのハイレベルな問題です。日本で生まれ育った普通の小学生が本気で英語で受験するとなると、努力だけでなく才能も必要です。

普通の中学受験を選択するなら、英語学習との両立は困難なのでやめたほうがいいでしょう。

それにしても入学前に英検準1級相当の英語力を持った小学生が、中学・高校の6年間でどのような英語教育を受けるのでしょうか。私にはわかりませんが、想像を超えた世界であることは間違いなさそうです。

子どもの英語リスニングは精聴で伸ばそう(準備編)

英語学習の楽しみはいろいろありますが、英語を聴いてダイレクトに自分の脳で内容を理解できたときは「英語を学んできてよかったな」としみじみ思います。

英語を長く学ぶには、損得勘定ではなくこういう喜びが大きな原動力になります。子どもであっても、これは同じではないでしょうか。

一方で、リスニング能力が今後英語の試験で大きな比重を占めることになりそうです。社会人の昇進や就活などに使われるTOEICはリーディングとリスニングが半々なので、リスニングを得意にしておくと有利に働くことは間違いありません。

従来は文法・単語学習・リーディングなど優先で後回しにされがちでしたが、今後は早めにリスニング対策することが大切です。

今回は英語試験におけるリスニングの状況と、小学生がリスニング学習を始めるときに気をつけるポイントについて詳しく説明します。

子どもの英語リスニング力を伸ばそう

リスニングは4技能(読む・書く・聴く・話す)のうちのひとつです。しかし、リスニングは他の技能とも密接に関連しています。だから、リスニング能力だけを単独で伸ばすという考え方は正しくありません。これは他の技能にも当てはまることです。

英語を聴き取るには、まず単語力と文法力が必要です。英語教育に携わる人の間では常識ですが「知らない単語は聴き取れない」からです。したがって、知っている単語の数が多いほど聴き取れる確率は高まります。

文法が重要なのは次のような場面です。たとえば、“He’s been to Okinawa…” の短縮形の部分(He’s)の部分を聴き取るときに役立ちます。もし現在完了形(have+過去分詞)の知識があって、次に続くbeenを聴き取れればこの ’s がhasの省略形だと理解できます。

また、実際の英語でこの ’s を聴き取るのが難しかったとしても、文法の知識があれば「hasと言ったに違いない」と良い先入観を持てます。したがってリスニングを伸ばしたければ、文法を学ぶことが大前提です。

リスニングとリーディングには強い相関関係があります。リーディングで返り読み(目線を左に戻して何度も同じところを読む)をしている子どもは、リスニングで英語を理解することは不可能です。

なぜなら音声は聞こえた順番に消えるので、読まれたとおりに理解できなければそれで終わりです。返り読みをしていては、英語の内容を耳で聞きながら内容を理解することは不可能です。

スピーキングにおいては、一方的に自分だけが話すわけではありません。相手の言った内容や質問に正しく反応することで英会話は成立します。つまり、リスニングができないとスピーキングも成立しません。

これらのことから、リスニングを伸ばすためには単語と文法力を基礎にして、他の技能と同時に伸ばしていかないと難しいことがわかります。

リスニングが苦手な子どもは早めに克服しよう

中学・高校での英語のテストではあいかわらずリーディングが中心です。定期テストでもリスニングを導入していますが、配点はそれほど高くありません。そのため生徒はリスニング対策をつい後回しにしてしまいがちです。

ところが高校入試や大学入試ではリスニングの配点が今後高くなることが決定しています。センター試験では250点満点中50点でしたが、次の大学入試共通テストでは、英語の50%はリスニングにすることが検討されています。

リスニングは暗記科目のように一朝一夕に仕上げられません。日常的に英語音声を利用した地道なトレーニングを長期間実施して初めて身に付きます。

理想はそれぞれの学習段階に合わせて、リスニング能力を継続的に引き上げていくことです。リスニングに苦手意識を持たぬよう、小学生のうちから少しずつ英語の音声に慣れていく必要があります。

リスニングが得意だとこんなに得をする

リスニングが得意だと、そうでない生徒と比較してかなりのアドバンテージを得られます。英検でも大学入試問題でも、リスニング問題がもし文字で印刷されていたら実はかなり簡単な問題だからです。

つまり音さえ聞き取れれば、割と簡単に解答できるため貴重な得点源にすることができます。我が家の息子は小学4年生のときに英検2級に合格しました。海外のインターナショナルスクールに通っていたためリスニングは得意です。

成績表を細かく見ると、リーディングや語法の問題で少し間違いがありました。しかし、リスニング問題の出来は良好でした。英語を聴き取ることができれば、小学生でも理解できる内容であることの証明です。

中学・高校の英語の授業は英語で教えられる

今後、中学・高校の英語の授業は基本的に英語で行われる予定です。もし、リスニングが苦手だったら英語の授業がほとんど理解できない状態になります。

このような事態を防ぐために、文法の説明だけは日本語に切り替える先生が多いと予想されますが、オールイングリッシュの授業にこだわる先生なら文法も英語で説明するでしょう。

6年間の英語の授業をほとんど聴き取れない状態で過ごすなんて、かなりの苦痛だと思います。こうならないためにも、早い段階から生の英語を聴き取れるように対策をするべきです。

子どものリスニングは精聴から取り組もう

リスニングのトレーニングには大きく分けて精聴(せいちょう)と多聴(たちょう)があります。精聴とは短めの音声を利用して、一字一句逃さぬように神経と研ぎ澄ませながら英語を聴き取る訓練方法です。聴き取り精度を上げるのが目的です。

多聴とは、英語をたくさん聞くことです。聴き取れない部分に執着せずに長めの英語を聴くことです。映像やテロップなどを参考にしながら、聴き取れなかった部分を想像しながら英語を聴きます。多聴は集中力を切らさずに大意をつかむのが目的です。

英語の中級者以上(英検2級以上)なら、両方とも平行して取り組むのが一番です。しかし、小学生の場合はほとんど英語の音を捉えることができないため、精聴だけに集中しましょう。

リスニング対策を始めるタイミング

リスニングのトレーニングをするタイミングですが、英検でいえば4級を取得したあたりから少しずつ精聴を始めるといいです。この時期になれば、最低限の単語と文法を身につけているからです。

このレベルになるまでは、英語をモデルとなる音声のマネをして音読するだけで充分です。我流で音読しても正しく読めるようにならないので、英語の先生に指導してもらうのが一番です。

英語は文章として読まれる場合、音の変化を伴います。一例を挙げると、sit downでは、sit のtの音は消えて「スィッ ダウン」と発音されるのが普通です。このような英語特有の音の変化に慣れておくと、あとでリスニング力を伸ばすのに役立ちます。

英検4級を取得するまでは、英文を英語の音の変化にしたがって正しく音読するように訓練しておきましょう。語彙が600語を超え過去形や助動詞の基礎を学んだら、少しずつリスニングのトレーニングも取り入れていきましょう。

リスニングに効果的な子どもがハマる教材

リスニングの精聴トレーニングの詳細については「子どもの英語リスニングは精聴で伸ばそう(実践編)で説明しますが、何度も同じ英文を聞くので大人でもきついと感じるときがあります。

そのためリスニング学習に使用する教材はできるだけ子どもが「楽しい」「おもしろい」と感じる素材であることが望ましいです。平易な語彙を使用しながら内容が楽しい素材を探すのは難しいのですが、これはとても重要なことです。

以前、マレーシアに居住していたときインターナショナルスクールに通う息子のリスニング力を伸ばしたいと考えたことがありました。そのときに、いろいろと探した結果、まさに理想的なリスニング教材「Little Fox」を紹介します。

「Little Fox 英語童話ライブラリー」をおすすめする理由

息子が実際に使って効果を上げたのは「Little Fox 英語童話ライブラリー」でした。

レベル別に子ども向けの楽しいストーリーがたくさんあり、集中力が切れない長さにまとめられているところが素晴らしいです。人間は物語を欲するので、「次はどうなるのか」と興味や好奇心が喚起されます。これが英語学習を続けられるエンジンです。

400本近くの動画が無料で体験できます。小学生なら、レベル1か2から始めるとよいです。Little Foxの素晴らしさは、物語のおもしろさだけではありません。再生機能や学習機能がとても充実しています。

パソコンで再生する場合、動画の横に5つのアイコンが並んで見えます。

・クイズ(鉛筆のアイコン)

内容一致問題です。レベル2では、本文中の英語が一文読まれて、それと一致する絵を2つの中から選びます。英検4級くらいのレベルです。

・単語学習(ABのアイコン)

動画で登場した主な英単語が学習できます。掲載されている例文は動画の中の説明文やセリフと一致しているので、使用された文脈を思い出しながら学習できます。

子どもの学習者のために、スピーカーのアイコンを押せば単語の正しい発音を聞くことができます。日本語の定義で使用される漢字にはフリガナが振ってあるので、まさに至れり尽せりです。

・スペリング学習(クロスワードのアイコン)

英文字のタイピングができるなら、表示された単語をタイピングすることによって学習します。ちょっとしたゲームのようになっています。タイピングができない子どもには、使えない機能です。

・MP3ダウンロード(ヘッドホンのアイコン)

音声だけをダウンロードできます。スマートフォンなどにダウンロードしておけば、外出時に音声だけを聴いて物語を再生することができます。

動画の情報に頼らず音声だけで場面を想像したりできるため、リスニング力を磨くにはとてもありがたい機能です。

・プリンタブルブック(プリンターのアイコン)

A4の紙に印刷すると、一冊の絵本が出来上がる機能です。この機能は地味ですが、とても価値の高いものだと私は思います。

ホチキスで止めてテーブルの上に置いておくと、暇なときに子どもは英語を読むようになります。一度動画で内容を理解しているので、英語を読むのが苦になりません。

洋書はコンスタントに購入するとかなりの金額になります。有料版を使用したとしても、この機能だけで元が取れてしまいます。

・スクリプト(紫のアイコン)

最後は、動画の英文だけを印刷できる機能です。圧巻なのは、単語をクリックすると表示/非表示を切り替えられるため、オリジナルの「虫食い」テキストを簡単に作れるところです。

リスニングでポイントとなる部分をOFFにして、その他の部分をONにすれば子どもの能力に合わせたリスニングテストを作成できます。

精聴用と多聴用のエピソードを分ける

まじめなお母さんは、Little Foxのすべてのエピソードを精聴させようと考えるかもしれません。しかし、せっかく楽しい物語(動画)を子どもが楽しめなくなってしまいます。

そこで私のおすすめは、精聴用の動画と多聴用の動画を分けることです。子どもがある程度内容がわかるレベルなら、うるさいことは言わずに好きなストーリーを時間を決めて見せます。

おもしろいセリフは子どもが勝手に覚えるので、あまり英語の勉強と結び付けるのはよくありません。とにかく楽しませておけばいいです。

精聴用の動画は、1話すべて(または一部)を何度も何度も繰り返し聴きながらトレーニングをします。内容のおもしろさも大切ですが、レベルの選択が鍵になります。

30秒くらいの部分を取り上げて、字幕を見ずに何度も英語を聴きます。最初に聴いたときに、せめて4割くらい理解できるものを選ぶと挫折しないで済みます。

無料でもしばらくは学習できる

子どもが食いつくかどうかを確認するために、しばらくは無料で見られる範囲で試してみましょう。400本近い無料動画があるので、数か月は困りません。

子どもがハマったのを確認できたら、有料版の購読を検討しましょう。長期一括にするほど割安になっています。

アメリカドルでの価格設定なので、為替レートの変動により日本円での費用が異なりますので注意しましょう。

パソコン(タブレット)、インターネット環境は必須

Little Foxの機能を使い倒すなら、パソコン・プリンター・インターネット環境は必須です。スマートフォンやタブレットのアプリからも利用できますが、一部機能に制限がかかったり仕様が異なります。

リスニングは音声にかかわるトレーニングなので、デジタル機器の得意分野です。昔なら到底実現できなかった学習環境とコンテンツが世界中から利用できるようになっているので、積極的に英語学習に取り入れましょう。

具体的なトレーニング法については、こちらの動画セミナーで詳しく説明しています。

子どものリスニングで聞き流し教材は効果なし

新聞・雑誌などの広告で大々的に宣伝されているリスニング教材に「聞き流し教材」があります。勉強不要で、ただ音声を再生してれば自然と英語が聞き取れるようになる、というウリで人気があるようです。

しかし、断言しますが英語をただ聞き流すだけでは、BGMと何ら変わりません。学習効果はゼロです。聞き流すだけではリスニング力は向上しません。

多聴と聞き流しは似ているように感じる人もいるでしょう。しかし、多聴ではわからない部分を映像や文脈などで必死に補いながら英語を聴きます。何も考えずに英語を聞き流すときとはまったく異なります。

歌はリスニング学習にあまり向いていない

洋楽をリスニングに取り入れたいと考えるお母さんも多いかもしれません。確かに大好きな歌なら、リスニングには最適と考えたくなるのももっともです。

しかし、歌もまたリスニング学習の教材としてメインに使用するのに向いていません。なぜなら歌は独特の節がつくため普通に読まれる英語よりも聴き取るのが難しいからです。

NHKの朝ドラ『まんぷく』は人気のあったドラマなので、観た人も多かったと思います。その主題歌「あなたとトゥラッタッタ」はドリカムが歌っていましたが、日本語であるにもかかわらず、私はほとんど聴き取れませんでした。

これと同じ現象が英語でも起こります。ネイティブでも聴き取れない歌を日本人の子どもがリスニング学習に使うのは不適切です。

また、歌詞では文法的な正しさよりも語呂の良さを優先することがしばしばあります。たとえばビートルズが歌っていた「Ticket To Ride」では、she doesn’t careとすべき箇所がshe don’t careと歌われています(下の動画0:33あたり)。

ただし、歌は耳に残りやすいし、すべての歌がリスニングに不向きなわけではありません。息抜きに英語を楽しむ分にはまったく問題ありません。あくまでもリスニングのメイン教材としては不向きであるということです。

リスニングにまったく効果がないのが「聞き流し教材」です。また、洋楽の歌はネイティブでも聴き取りにくいことを考えると、リスニング学習の教材としては不向きです。

端的にまとめると、聞き流さないのがリスニング学習です。ストーリーのあるもの、内容がまとまっているものを標準的な英語で話された素材を使うのがポイントです。

まとめ

英語を攻略することが受験や入試には大切です。また、新しい大学共通テストではリスニングの配点を半分にまで引き上げることが検討されています。リスニング対策を後回しにせず、早めに取り組むことが求められています。

小学生が英語リスニングを本格的に始めるなら、英検4級を取得した頃がいいです。リスニングには精聴と多聴の二つのトレーニング方法がありますが、初心者の場合は精聴だけで充分です。

使用する教材は子どもが続けやすいものを選ぶのがポイントです。私のおすすめはLittle Foxです。とにかく内容が充実しているのと、欲しい学習機能がすべてそろっているので、リスニング教材としては最適です。

聞き流し教材や洋楽などをリスニングに活用するのはやめましょう。聴き取り能力を向上させるためには、集中して英語を聴き取る努力が求められるからです。

リスニング能力を伸ばすと、英語試験において圧倒的に有利なので頑張りましょう。

次の記事「子どもの英語リスニングは精聴で伸ばそう(実践編)」では、Little Foxを使って実際にどのように子どもにリスニング学習をさせるのかについて説明します。

小学生で英検3級に合格!おすすめ問題集と効果的な勉強法

小学生で英検3級を目指すことについて、これまで私はあまり肯定的ではありませんでした。中学校からの英語の準備として考えた場合、4級まで取得していれば充分だと考えているからです。「親が英検3級を子どもに強制する」悪いイメージを抱いていました。

しかし、実際に合格した子どもやお母さんと話をしてその認識を改めました。意外にも子どもが前向きに3級取得に向けてコツコツと英語学習に取り組んでいたり、お母さんもその様子を見守りながら励ましているケースのほうが圧倒的でした。

たしかに小学生の間に英検3級に合格するには、能力だけでなく子どもの前向きな気持ちが不可欠です。母親が無理やり子どもに勉強させても合格は難しいでしょう。

私が推奨するのは親子受験です。学校を卒業してから英語から遠ざかっているお母さんも一緒に子どもと勉強するのです。親子で共通の目標をもって何かに取り組むことは、思い出作りにもぴったりです。

そこで、「どんどん難しい英語にも挑戦したい」という子どもを持つお母さんのために、小学生の間に英検3級に合格するための知識と具体的な勉強法について解説します。

英検3級:小学生の合格率と受験者数の推移

小学3年生からの英語必修化に伴い、小学生の英検志願者数は堅調に増加しています(2016年度約37万人)。その背景には、センター試験が廃止され英語については民間資格や検定の導入されたり、中学受験で英検資格保持者が優遇されるなどの状況もあるようです。

英検が合格率を開示していた最後の2013年度資料によると、英検3級の小学生の合格率は約53%(志願者数27,781人に対して13,767人が合格)でした。大まかな合格ラインは正答率6割といわれています。

当時よりも多くの小学生が受験していると仮定すると、毎年約1万5千人もの小学生が英検3級に合格していることになります。これらの統計から、計画的に英語学習を進めていけば小学生でも英検3級に合格できることがわかります。

英検3級の英語レベルについて

英検3級のレベルは大まかにいえば「中学校3年間で学習する英語」です。中学3年生で学習する主な文法事項を列挙してみます。

受動態
現在完了形
現在分詞・過去分詞
間接疑問文
関係代名詞

かつて「make(原形)/ made(過去形)/ made(過去分詞形)」などと不規則動詞の活用を暗記したと思いますが、それがちょうど中学3年生の内容です。受動態(~される)や現在完了形(~したところだ)を学習するときに必須の知識です。

文法の節(せつ)の概念が試される間接疑問文や関係代名詞は中学生にとっても理解に時間がかかる分野です。小学生で合格するためには、長期的な本腰を入れた学習が必要であり一夜漬けで合格することはありません。

品詞・修飾関係を理解できるかどうかが鍵

英検4級に合格したら、その勢いでそのまま継続して英語学習を続けましょう。子どもが英検3級の学習内容へ準備ができているかどうかのバロメーターは「品詞を理解できるか」と「修飾関係を理解できるか」の2点です。

英語の品詞は10種類に分類できます。その中でも少なくとも4つを理解できないと、英検3級に向けての学習に取り組めません。大事な4つの品詞とは「名詞・動詞・形容詞・副詞」です。子どもにもわかるように説明すると次のようになります。

品詞 働き 例
名詞 人や物の名前を表す desk, teacher, tree, John
動詞 人や物の動作を表す have, go, make, run
形容詞 名詞を修飾したり説明する beautiful, happy, tall
副詞 動詞・形容詞・他の副詞を修飾 slowly, always, tomorrow

品詞の理解に欠かせないのが修飾の概念です。修飾とは「ある語句が他の語句の意味を詳しく説明すること」です。小学校3・4年生くらいから国語の授業で修飾と被修飾(修飾される)との関係を学ぶようですが、これは英文法を理解するときにも大いに役に立ちます。

例えば、「やせた男が急ぎ足で歩いていた」という文では「やせた」は「男」を修飾しています。同様に「急ぎ足で」は「歩いていた」を修飾しています。

あなたの子どもが品詞を区別できて修飾関係を理解できる状態なら、英文法を少しずつ学ぶ準備が整っているといえます。もしこれらの理解が苦手な場合は、無理に英文法を教えると英語嫌いになってしまうので延期したほうがいいです。

小学生で英検3級を取得するためのロードマップ

仮に小学6年生で英検3級合格を目指すとしたら、どのような計画で進めていけば実現するのかを見てみましょう。
英検3級合格ロードマップ能力や時間配分などにより個人差はありますが、おおむねこのようなスケジュールで進めていけば英検3級に合格できます。

ここで「英検3級に合格するために6年間も費やすのは非効率的」と考えるお母さんがいても不思議ではありません。なぜなら、中学生になってから英語を学習しても中3で多くの生徒は英検3級に合格できるからです。

しかしそのように判断するのは早計です。中学校になると他教科の学習量の増加や部活動などの関係で、英語の音に慣れる時間が思うように取れません。カタカナ読みのまま英検を取得してもその後伸び悩むのはあきらかです。

資格取得に必要な期間だけを見れば非効率的かもしれませんが、小さい頃から正しい発音・アクセント・イントネーションを充分に積み重ねた経験は決して無駄ではありません。

文法事項に関しても同様です。例えば「to 不定詞」の用法を暗記しただけの状態と、「to 不定詞」を使用して瞬時に口頭で英作文できる状態では、同じ英検3級でもコミュニケーション能力に大きな開きがあります。

小学生の間に英検3級を目指すなら、小手先のテクニックにとらわれずに取り組むことを強く推奨します。

本格的な英語力を伸ばすトレーニングはこちらで紹介しています。

英検3級の出題内容

英検3級の1次試験は筆記試験とリスニングです。それに合格すると2次試験のスピーキングテストを受けます。英検4級まではスピーキングテストは合否に関係ありませんでしたが、3級以上は合否にも関係してくるので対策が欠かせません。

2017年度第1回の検定から、英検3級と準2級の筆記試験にもライティング(英作文)テストが導入されました。これにより3級以上は4技能(リーディング・ライティング・リスニング・スピーキング)についてバランスよく試されることになりました。

英検3級1次試験(筆記)

1次試験の筆記試験はマークシート方式の語法・読解問題とライティング(英作文)に大きく分かれます。

問題 形式 問題数
1(マークシート) 短文の穴埋め問題 15問
2(マークシート) 会話文の穴埋め問題 5問
3(マークシート) 長文の読解問題 10問
4(記述) 英作文問題 1問

・短文の穴埋め問題

短文または会話文の中の( )に入る適切な語(句)を選択肢の中から選びます。( )の前後の内容を理解できることがポイントです。

・会話文の穴埋め問題

ダイアローグ(対話)形式の会話文中の( )に入る適切な語句や文を選択肢から選びます。

・長文の読解問題

A, B, C 3つの英文を読み、内容に関する質問の答えを選びます。Aは「お知らせ・掲示」、Bは「Eメールや手紙文」、Cは「説明文」の内容です。BとCは文章量が多めなので、普段から長文に慣れていないと得点できません。

・英作文問題

与えられたトピックについて、自分の考えと理由二つを英語で書きます。語数の目安は25~35語です。一見難しそうに見えますが、コツをつかめば対策は容易です。実際の学習方法は後述します。

英検3級1次試験(リスニング)

リスニングテストは3つのパートで構成されています。

問題 形式 問題数
第1部 会話の応答文を選ぶ問題 10問
第2部 会話の内容に関する選択問題 10問
第3部 文の内容に関する選択問題 10問

・会話の応答文を選ぶ問題

イラストに関する二人の対話を聞き、応答としてふさわしいものを選びます。会話と選択肢は1回しか放送されません。

・会話の内容に関する選択問題

二人の対話を聞き、内容に関する質問の答えを選びます。会話と質問は2回ずつ放送されます。選択肢は問題用紙に書かれています。

・文の内容に関する選択問題

35語前後の英文を聞き、内容に関する質問の答えを選びます。英文と質問は2回放送されます。選択肢は問題用紙に書かれています。

英検3級2次試験(スピーキング)

イラスト付きの英文が書かれたカードを使用します。英文を20秒間黙読したあと、音読するように指示されます。続けて英文に関する質問が1つ、イラストに関する質問が1つ、あなた自身に関する2つの質問への解答が求められます。

普段から音読する習慣を身に着けていれば落ち着いて読めるはずです。質問への解答は、疑問詞に注意を払い「何について聞かれているか」を正しく把握することがポイントです。

上記のように英検3級の問題範囲は広範囲にわたるので、直前になってあわてて取り組んでも合格は不可能です。最低でも1年程度の時間をかけてコツコツと学習を続けましょう。

小学生が英検3級に合格するための問題集と勉強法

小学生が独学で英検3級レベルの英語を学ぼうとしても高確率で失敗します。中学校で習うような内容を基礎から教えてくれる英語スクールやオンライン英語のサービスなどを利用して、先生から英語を習うのが一番です。

授業で習った内容をきちんと定着させる復習として、家庭で問題集に取り組むようにしましょう。文法の基礎を理解するための問題集と4技能と関連させながら発展させる問題集の2種類を用意しましょう。

試験直前の2か月前からは過去問を中心に勉強を進めます。過去問に取り組む理由は文法の範囲が限定されない問題に慣れることです。普通の問題集では「現在分詞」などの項目でまとめられているため解答が予想できてしまうことが難点です。

これらの学習の流れを5つのステップにまとめたものが下の図です。
英検3級対策5ステップ

ステップ1:英語の先生から文法を教わる

現在通っている英会話スクールで英検3級の講座があれば受講しましょう。もし通える範囲に英検の講座があるスクールがなかったり、何らかの事情で子どもの送迎が困難であればオンライン英会話を利用する方法もあります。

繰り返しになりますが英検3級の出題内容は中学校レベルなので、小学生が独学でテキストから学ぶのはほとんど不可能です。理解が難しい部分を知り尽くしたプロの先生から教えてもらうのがベストです。

英検の筆記問題に限定すると日本人講師のほうがネイティブ講師よりも優れています。文法の問題を日本人にわかりやすく解説できるのは、同じ日本人の経験者のほうが圧倒的に有利だからです。

英文法の基本を教わったら、すぐに家庭での復習に取り組みます。宿題等が出されるなら先生の指示に従ってください。もし問題量が不足していたり理解が今一つなら、もう少し家庭学習を充実する必要があります。

ステップ2:教わった文法の理解(復習)

英文法を復習するときの問題集として私がオススメするのは『小学生のための英検3級合格ドリル』(旺文社)です。各Lessonの冒頭では漫画でターゲットの文法事項のエッセンスを説明しているので、小学生でも取り組みやすいように配慮されています。

細かい字で書いてある部分にも大切な情報が詰め込まれているので、すべて読むようにしましょう。英語スクールなどの先生から文法を習ったら、できるだけ間を空けずに該当部分をこの問題集で復習するようにしましょう。

もしこの段階で子どもが理解できない部分が多いようでしたら、お母さんが教えてあげましょう。それが難しいなら英会話スクールの先生に質問してクリアする必要があります。理解があいまいなまま問題演習を繰り返しても効果はありません。

ステップ3:該当する文法の問題演習(4技能と関連させる)

『小学生のための英検3級合格ドリル』で身に付くのは、知識としての文法です。この知識を4技能と関連付けながら、実際に応用するトレーニングが必要です。そのための問題集として『いちばんやさしい英検3級』(新星出版社)を使用しましょう。

最大の特徴は、各学習事項について必ず4技能と連携させているところです。文法の解説の後、以下のような6つのステップと最後のテストで構成されています。

STEP 1 単語トレーニング
STEP 2 リスニングトレーニング
STEP 3 会話トレーニング
STEP 4 モノローグトレーニング
STEP 5 単語・イディオム & ライティングトレーニング
STEP 6 ライティングトレーニング
Challenge 1 筆記問題
Challenge 2 リスニング問題

これらのステップにきちんと取り組むと、英語の総合力を底上げできます。とくにステップ6のライティングは英検3級の出題形式そのものなので、毎回これに取り組めば得点源にすることができます。

ライティングでは質問されたことについて、自分の意見を述べます。そしてその理由を2つ挙げます。最後にこれらの文章を25~35語でまとめます。このパターンに慣れておけば、英検3級のライティングは簡単に乗り切れます。

この解答パターンを応用すれば、将来英検準2級以上のライティング問題でも役立ちますし、スピーキングテストでも自分の意見を筋道を立てて伝えることができるようになります。

・『いちばんやさしい英検3級』の使い方

『いちばんやさしい英検3級』は問題集としては充実していますが、文法の解説は簡略化されていて小学生が読んでも理解は難しいです。かならず『小学生のための英検3級合格ドリル』で理解をしてから『いちばんやさしい英検3級』に取り組みましょう。

全部で4章ありますが、第1章は基本表現や文法の基礎(品詞など)について扱っています。まず最初に第1章を仕上げてしまいましょう。子どもの理解があいまいなら、英会話スクールの先生やお母さん・お父さんのサポートが必要です。

第1章が終了したら、先生から教わった学習箇所を見つけて取り組んでいきましょう。当然、問題集の順番どおりには進みませんので、勉強したところは記録をつけておきましょう。最終的にすべてカバーできたら1周目は完成です。

1周目が終わったらもう一度最初から今度は順番通りに問題集に取り組みましょう。2週目では音読トレーニングに集中すると効果的です。音読のやり方について以下詳しく説明します。

ステップ4:モノローグの音読トレーニング

2週目に問題集に取り組むときは、『いちばんやさしい英検3級』STEP 4のモノローグを利用して音読練習に力を入れましょう。モノローグとは「一人の人物がひとりごとの形式で話をすること」です。その他のステップは飛ばして大丈夫です。

このモノローグにはテキストと音声、そして日本語訳があります。発音やイントネーションに気を付けながら何度もテキストを声に出して読みましょう。知らない単語があれば覚えてください。

また、CD音声を追いかけるようにして音読(テキストを見ないで)する「シャドウイング」と呼ばれる音読練習にも挑戦してみましょう。音だけを追わずに意味も頭の中でイメージするように気を付けるのがコツです。

最後の仕上げとして、日本語訳を見ながら英文を声に出してみましょう。また、CDを利用して一文ごとに休止を入れながら、紙に聞こえた英文を書きとる「ディクテーション」はリスニング力を高める効果があります。

音読練習は野球でいえばキャッチボールや素振りに相当する「基礎トレーニング」です。漫然と読むのではなく、それぞれのステップで伸ばしたい部分を意識しながら取り組みましょう。音読についての詳細は別の記事「小学生から始める英語音読トレーニング(実践編)」で扱っているので参考にしてください。

ステップ5:過去問に取り組む

ほとんどの文法の問題集は、文法の学習事項別にまとめられています。例えば、現在完了形の項目では、現在完了形を問う問題が集められています。文法を初めて学習するときはこれで問題ありません。

しかし、英検では分野別に出題されません。ランダムに広範囲にわたる問題が出題されても対応できなければいけません。そのための訓練として最も優れているのが英検の過去問です。

過去問は英検ホームページから過去3回分まではダウンロードできるようになっています。もし、それより多くの問題に取り組みたければ『英検3級過去全問題集』(旺文社)を購入しましょう。

過去問の勉強法ですが、本来の解答時間は無視して徹底的にわからないところを潰すつもりで取り組みましょう。実例を挙げながらポイントを説明します。

A: Sam, I’d like you (   ) Susan with her math homework.

B: Sure.

1  help    2  helped    3  be helped    4  to help

*2018年度第2回検定一次試験(3級)より引用

正解は4のto help です。この問題に正解しても間違えても、丸つけをして終わりにしてはいけません。

なぜ、4が正解なのか理由を説明できるでしょうか。また、他の選択肢はなぜ( )に入れられないのかを説明できるようにしましょう。

次にI’dの部分に省略形が用いられていますが、何が省略されているか答えられるでしょうか(答えはwould)。I would like to doとI would like you to doの違いは説明できますか。また似たような表現I want you to doはすぐに思いつきますか。

さらにhelp+O+with…で「Oを…の面で手伝う」という意味になることを知っていますか。

これらのすべてにきちんと答えられたら、スラスラと読めるまで音読してみましょう。最後に英文を見ないで英文を書いてみましょう。

このようにたった一つの問題でも、正解以外の選択肢について考えたり、解答に直接関係のない表現を覚えたりすることがとても大切です。普通の解答時間の10倍以上時間がかかりますが、気にせずそのまま進めましょう。

このようにして密度の濃い学習を習慣づけると、英検3級で終わるような実力ではなくすぐに準2級を狙えるような本物の英語力を身につけることができます。英語が得意な人は自然にやっていることなので、まねしてみましょう。

2次のスピーキング対策にはオンライン英会話を取り入れよう

スピーキング練習は普段の音読学習などで対応できます。しかし、スポーツに試合が必要なように、スピーキングも練習だけでなく「試合」感覚が必要です。

もしネイティブと会話する機会がない場合は、オンライン英会話のサービスを利用するといいです。費用を抑えつつ20分程度の会話練習ができます。子どもの送迎の負担がないので、一度試してみる価値はあります。

外国人と英会話をする経験を積んでおくと、英検2次試験でも緊張することなく落ち着いてスピーキングテストを受けることができます。

特に講師が質問するときに「何について聞かれているか」をきちんと聴き取るように注意し、その質問に正しく回答することがポイントです。特にWh-やHowから始まる疑問文は、具体的な答えが必要なので会話練習をして素早く反応できるようにしましょう。

一夜漬けでスピーキングテスト対策をしても、口ごもって何秒も沈黙してしまう結果となります。日頃からの慣れが大切です。

英検3級は3回受験

英検3級からは4技能を強く意識して英語学習に取り組むことが求められます。音読を中心に据えながら、弱いところを克服するように子どもをサポートしてあげましょう。

小学生の間に英検3級に合格したければ、小学5年生の1月に実施される英検に申し込みをしましょう。そうすれば、6年生の10月の試験までに合計3回受験することができます。

不合格でも気にせずに、各技能のバランスを見ながら得意・不得意を知ることが大切です。平均的にすべての技能が上がるのが理想ですが、実際は偏りが生じるのが普通です。得意なところはさらに伸ばしつつ、苦手なところにも力を入れるようにしましょう。

不合格だったとしてもスコアが少しずつ伸びていれば、成長している証拠です。頑張った子どもをほめてあげるようにしましょう。もし小学生のうちに合格できなかったとしても、中学校で挽回するチャンスはあるので心配無用です。

まとめ

小学生の間に英検3級に合格するのは不可能ではありません。しかし、ハードルが高いのも事実です。

親が子どもの発育段階を無視して文法学習を押し付けるのはやめましょう。もし、品詞や修飾関係が理解できているようだったら、少しずつ英文法を学ぶようにしましょう。

英検3級では4技能についてバランスよく問われます。まずは日本人の英語の先生を見つけて、初歩から文法を教えてもらうようにしましょう。そして、家庭では復習と4技能を意識した演習に時間をかけることが大切です。

特に音読トレーニングは英語の基礎練習になるものなので、時間をかけてじっくりと取り組むようにしましょう。試験2か月前からは過去問を解きながら、密度の濃い学習を心がけましょう。

英検は年3回受験できるので、合格したい時期から逆算して3回は受けるようにします。結果に一喜一憂せず、苦手分野の発見や得意分野をさらに伸ばす指針に活用するようにしましょう。

子どもが「英語好き」の状態で、英検3級合格に向けて学習できるように、お母さんは励ましてあげましょう。合格したときは家族みんなでお祝いしてあげれば良い思い出になります。

小学生が英検3級に合格する単語の覚え方

英単語の暗記を「楽しい」と感じる人はほとんどいません。必死に覚えても翌日には大半を忘れてしまい、やる気はみるみる低下していきます。私も最初の10ページくらいで単語帳を放り出した経験が何度かあります。

それでも何とか覚えたのは、やはり高校入試・大学受験など大切な「試験」があったからです。もし試験がなかったら、今の半分も英単語を覚えていなかったでしょう。

そう考えると、小学生で英検3級に合格するのは大変です。しかし、これを機会に中学卒業程度の語彙力を身につけたとしたら、英語の世界が広がり大きな武器になるのは間違いありません。そこで、小学生が英検3級に合格するための単語学習法について解説します。

英検3級に必要な単語数は1300語

英検3級の難易度は「中学卒業程度」とされており、小学生が英検3級に合格するのは決して簡単ではありません。単語に関しては1300語を知らないと問題を理解できません。しかし、時間をかけて計画的・効率的に取り組めば小学生でも合格は可能です。

英検3級以上はリーディングとリスニングだけでなく、ライティングとスピーキングも課されていて、4技能(聴く・話す・読む・書く)をバランスよく問う内容となっています。

それぞれの技能は単独で成立しているわけではなく相互に深く影響しています。4技能の中心にあるのは文法と単語力です。英語4技能と単語・文法学習の関係を整理したものを下の図にまとめました。

4skills

上の相関図を見てわかるのは、特定の技能のトレーニングをしていても常に他の技能や「単語・文法」が関連することです。例えば、リスニング力を向上させるために英語を聴くことはもちろん有効ですが、速読力(リーディング)も深く関連します。

単語力の増強についても同じことがあてはまります。つまり単語帳を使って暗記するだけが単語学習ではなく、文法学習や4技能のトレーニングと常に関連づけることを意識するようにしましょう。

英検3級合格の基準となる1300の英単語を小学生が覚えるためには工夫が必要です。根性だけで暗記しようとしても挫折します。無理に単語学習を強制すれば子どもは英語嫌いになってしまいます。

単語学習とは意味がわかる単語数を増やすだけではありません。日本語から英語に直せる数を増やすことも大切です。例えば「important」を見て「大切な」という意味であることを思い出せるのは単語学習の第一段階です。

しかし、話したり書いたりするためには「大切な」という日本語から「important」を瞬時に思い出すことが必要です。つまり意味だけ覚えている単語数を増やすだけでなく、「使える英単語」を増やすことも大切です。

下の図では同じ単語数を習得しているAさんとBさんの英語力を比較しています。両者の違いは「使える単語数」の違いです。同じ単語数を習得していても、使える単語数が圧倒的に多いBさんのほうがスピーキングやライティングにおいて有利です。
使える単語が多いと
英検3級からは4技能をバランスよく試されます。単語集で意味を暗記するだけでは不充分で、意味がわかるだけの単語を使える単語に変えていく努力が必要になります。

英検4級に合格しておこう

小学生が英検3級に挑戦するなら、その前に英検4級を取得しておきましょう。英検4級に出てくる単語レベルは600語程度です。そこまでをきっちりと覚えておけば、ゼロから1300語を覚えるよりはるかに楽だからです。

大学受験を経験したお母さんなら共感していただけると思いますが、知らない単語だらけの単語帳を暗記するのは本当に苦痛です。単語帳を開いたときに3分の1程度は意味がわかる状態なら、小学生でも前向きに単語学習に取り組めます。

英検3級合格に必要な残りの700語については単語帳を使用しながら、とりあえず意味がわかる単語を増やしておきましょう。英検3級の単語を小学生でも効率よく勉強するための具体的な方法について解説します。

小学生が英検3級に合格するための効果的な単語勉強法

小学生が英検3級対策として単語を覚えるとき、教材として「単語帳(紙の本)」「単語カード(自作)」「単語アプリ」の選択肢があります。私のおススメは単語帳です。

単語カードは作成に手間がかかり、持ち運びに適していないのでどこでも学習できるものではありません。単語アプリについては上手に使えば便利かもしれませんが、小学生はスマートフォンを使用するとゲームなどに夢中になり学習に集中できなくなる可能性が高いです。

単語帳は定番の『でる順パス単英検3級』(旺文社)を購入しましょう。試験に出る頻度(でる度A~C)で品詞別(動詞、名詞、形容詞・副詞その他)に構成されています。単語帳の最初ほど重要な単語が掲載されているので、途中で放棄したとしても最重要単語はカバーできます。

でる順パス単英検3級+赤シート
本の厚さは1センチ弱で、収録語数に圧倒されて気が滅入ることはありません。付属の暗記用の赤い半透明のシートを使用すると赤く印刷された訳語の文字が見えなくなり暗記に便利です。また、無料ですべての単語の音声が無料でダウンロードできるので、正確な発音を知ることができます。
でる度

この単語集にはbe satisfied with(に満足している)などの熟語やtake your time(ゆっくりしてください)などの会話表現も収録されていて、覚える優先順位が高いものばかりです。単語以外の熟語と会話表現も覚えてしまいましょう。

単語帳を購入するのは、暗記用に使用するだけでなく「辞書代わり」に便利だからです。小学生向けの英和辞典は出版されていますが、説明が不足していたりカタカナで読み方が書いてあったりするのであまりオススメできるものがありません。

本格的な英和辞典は漢字にルビがないため、定義の日本語が読めません。役に立たない英和辞書をわざわざ購入するくらいなら、英検3級の単語帳のほうが役に立ちます。

発音記号を覚えて単語学習を加速させる

『でる順パス単英検3級』はよくできた単語集ですが、欠点もあります。それは単語にすべてカタカナが振ってあることです。例えばfindには「ふアインド」と書いてあります。

日本語の「ふ」と英語の【f】の音は全く異なります。子どもにとってはカタカナのほうが覚えやすいので、どんなに注意してもカタカナ読みの癖がついてしまいます。

カタカナ読みの弊害は深刻です。リスニングで【f】で発音されても、覚えた「ふ」の音と異なるため聴き取りできません。また、誤った発音をしていると相手に理解してもらえません。学習初期の段階でカタカナ読みを排除することが重要です。
カタカナを消す
カタカナ読みをさせないために、お母さんはカタカナを黒く塗りつぶしてしまいましょう。面倒な作業ですが、カタカナで覚えてしまった子どもを後で矯正するほうがもっと手間がかかります。

次に発音記号を子どもに教えてしまいましょう。「発音記号なんて小学生には難しすぎる」と考えるお母さんもいるかもしれません。しかし、発音記号を覚えるのはそれほど難しくなく単語学習においてメリットが大きいのです。

覚え方はとても簡単です。子どもがすでに正しく読める単語を利用して、それと発音記号を見比べさせながら学習します。例えば、「animal」が読めれば【æ】(aとeが並んだ記号)がどのような音に対応しているかがわかります。

発音記号の多くはアルファベットと同じです。特殊な記号(ð, ʃ, ŋ, θなど)だけ覚えれば、発音記号はすぐにマスターできます。

発音記号が読めると初めて見る単語でも、とりあえず正しく発音することができます。いちいちCDで音声を確認する手間も省けて単語学習を効率的に進めることができます。わずかな期間でマスターできるので、この機会に発音記号を覚えましょう。

初めのうち子どもは自分の読み方に不安を感じるかもしれません。その場合はCDを再生して、発音記号からイメージした音と実際の音を比べながら修正しましょう。

動詞とその他(名詞・形容詞・副詞)で単語の覚え方を変えよう

先述のとおり、『でる順パス単英検3級』では「出る度(頻度)」により単語が配列されています。最も頻度が高いものは「出る度A」に収録されています。さらに品詞(動詞、名詞、形容詞・副詞・その他)によりカテゴリーが分かれています。

この分類を上手に利用して、覚え方に変化をつけるのがコツです。名詞・形容詞・副詞については、単語帳から暗記していくやり方で大丈夫です。しかし、動詞は活用(原形・過去形・過去分詞形)や使い方のルールを含めて覚える必要があります。

例えば「give=を与える」と覚えても、過去形(gave)過去分詞形(given)まで含めて覚えないと役に立ちません。これらの変化は文法学習と関連していて、受け身や現在完了を学ぶ前に過去分詞形を丸暗記してもあまり意味がありません。

また、動詞の用法についても理解しなくてはいけませn。「enjoy=を楽しむ」と覚えるだけでは不充分です。「~することを楽しむ」はenjoy + -ingで表現し、enjoy + to doとは使えないルールまで含めて覚えなければいけません。

このように動詞については、語形変化や使用法まで含めた知識の学習が必要です。単に意味だけ暗記しても使い物にならないので、英検3級の基本動詞は単語帳での暗記には向いていません。動詞は飛ばして、他の品詞から暗記しましょう。

一方、動詞以外の名詞・形容詞・副詞についてはとりあえず一つの訳語を覚えておきましょう。多義語(複数の意味がある言葉)もありますが、それは少しずつ慣れていけばいいことです。

進学校の生徒に学ぶ単語学習の極意とは

なお、私の近所に東大合格者が多い進学校があります。朝・夕は交差点で信号待ちをする生徒を見かけますが、初めて彼らを見たときに驚いたことがありました。

信号が赤に変わり歩道で立ち止まると、すぐに英単語集を開いてブツブツつぶやきながら単語を覚えています。青信号に変わるまで1分半、単語の暗記は続きます。
進学校生徒
さらに駅で電車待ちするときも、その高校の生徒だけは単語集を暗記しています。とにかくマメに単語集を開いて、わずかな時間でも集中して暗記しています。

私が高校生の頃はそんなことをした経験がないので、「さすが超進学校は違うなあ」と感心してしまいました。

あるとき私は英検1級の単語集を購入し暗記しようとしました。しかし、知らない単語が続出して挫折しそうになりました。そこで、進学校の生徒を参考にして、「スマホをポケットから取り出すときは必ず単語集を一度開く」という自分独自のルールを設定しました。

意味なくスマホを使おうとする回数は予想以上で、1日10回以上は単語集を開き、暗記をする習慣ができました。英検1級の単語はあまりなじみのない単語ばかりでしたが、毎日頻繁に眺めるうちにほとんど覚えられるようになりました。

正直言って、私は暗記が大の苦手です。高校時代は世界史・日本史で赤点を取り続け苦労したくらいです。そんな私でさえ難しいとされる英検1級の単語を覚えられたので、頻繁に復習するという勉強法は効果が高いといえます。

この経験から、単語学習の究極のコツは「高頻度の復習」です。数分間でいいので、何度も何度も繰り返しブツブツ単語を読みながら意味を復習していると、覚えにくい単語が徐々に減っていきます。

わざわざ単語学習の時間を設けて机に向かうのではなく、一日で何度も単語帳を開いてブツブツつぶやきながら覚えるようにしましょう。覚えてもすぐに忘れるのは普通のことです。気にせず、頻繁に復習することを習慣化するだけで単語は攻略できます。

ちなみに英検1級の単語を覚えたあとは、それまで難しかった英語の小説を少し楽に読めるようになり、ボキャブラリー増強の効果を実感できました。

多読と並行して取り組む

英検3級を目指すなら多読にもチャレンジしましょう。長い文章を読むことに慣れておくと、英検の読解問題を長いと感じなくなります。

子どもの英語力に見合った洋書の選び方を紹介します。アマゾンのトップページのカテゴリーから洋書を選びます。
アマゾンのカテゴリー
画面左側おすすめのところに「難易度別リーディングガイド」の項目があるのでこれをクリックします。
アマゾン難易度別

 

すると「Lexile指数」という指標が現れます。これは語彙の難易度や構文の複雑さなどから、読解力を数値化したものです。現在英検4級レベルならLexile指数は300L前後から始めるといいです。これはアメリカの小学1年生のレベルに相当します。
アマゾンのLexile指数子どもの興味関心に合わせて本を選ぶのは初めはなかなか大変ですが、子どもがハマったときにはお母さんもきっとうれしいはずです。

アマゾン検索結果

単語集では1単語につき一つの意味を対応させて覚えました。しかし、多読をすると同じ単語でも文脈によって複数の意味やニュアンスがあることが次第に理解できるようになります。豊かな語彙力を形成するためにも、子どもに多読をさせましょう。

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ボキャブラリーの増強がリスニング強化にもつながる理由とは

ボキャブラリーを増やし多読・速読に慣れてくると、リスニング力の向上にもつながります。英語上級者には常識になっている「知らない言葉は聴いてもわからない」という格言のようなものがあります。

子どもの頃、NHKのニュースを聞いても意味がわからなかった経験は誰でもあるはずです。語彙力が乏しいので「大統領は対抗措置として経済制裁を辞さない考えを示しました」と聞いても、子どもには意味がわかりません。

リスニング力の向上につながる単語学習とは、とにかく「正しい発音で読めること」を意識することです。知らない単語を見つけるとつい意味にばかり気を取られてしまいますが、最初にやるべきことは正しい発音ができることです。

もし知っている単語なのに聴き取れなかったときは、誤った発音で覚えてしまっている可能性があります。特にカタカナ読みを充てている場合は、リスニングが苦手になってしまう可能性が高く注意が必要です。

このように単語は単語帳だけでなく、多読やリスニングなどと関連させながら行われるべきです。お母さんは「3級を取得しさえばいい」という短期的な考え方をせずに、しっかりとした土台を築くようにさせましょう。

・使える単語を増やすには使うしかない

単語帳を使って単語の意味を暗記することは問題ありません。しかし、意味がわかるだけの単語を「使える単語」に変えることも必要です。

使える単語を増やすには実際に使うしかありません。普段使用しているテキストの「日本語訳を見ながら英語に直してみる」のはとても有効な勉強法です。

音読練習の途中でこの口頭英作文の訓練を取り入れておけば、少しずつ使える単語の数も増えていきます。紙に書くのも悪くはありませんが、時間がかかるのであまりおすすめはしません。口頭でテキパキと作文をするほうが大量の英作文に取り組めます。

さらにオンライン英会話のサービスなどを利用して、定期的に英語を話す機会を設けるようにしましょう。インプットとアウトプットを大量に行うことで、使える単語の数は増えていきます。

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まとめ

英検3級合格に必要な単語数はおよそ1300語です。単語帳を使って意味がわかる単語数を増やすだけでなく、単語の数も増やす必要があります。単語が増えると英語学習の効率が上がるので、早い段階から少しずつ取り組むことが大切です。

英検3級の合格を狙うなら、単語集は一冊揃えておきましょう。重要度と品詞別に分けられているので、最初のページから取り組めば効率のよい単語学習が可能です。この際、発音記号を覚えて正しい発音が瞬時にわかる状態にしておくと、学習効率が飛躍的に向上します。

単語帳に掲載されている単語を一様に覚えるのはやめましょう。名詞・形容詞・副詞などはそのまま暗記しても問題ありません。しかし、動詞は文法学習と関連させながら覚えるほうが使える知識となります。

ある程度暗記ができたら多読にも取り組みましょう。語彙力の向上はリスニングにも良い結果をもたらします。スピーキングやライティング力を伸ばすためにも、普段から口頭英作文の訓練を心がけましょう。

小手先の単語学習だけしかしなければ将来の伸びしろは期待できません。本物の英語力が身に付くように、子どもをサポートしましょう。

小学生が英検4級に合格するためのテキストと学習法

あなたは英検4級を受けたことがあるでしょうか? 我が家の娘は中学生で初めて3級を受けたので、5級と4級は未受験のままです。私の周りでは英検4級を受験したという話をあまり聞きません。

英検5級は子どもが最初に受ける英検として人気があります。また、英検3級の取得者には高校入試において優遇措置を受けられるので、多くの中学生が受験します。このような状況から英検4級を飛ばす人が多いことが推測できます。

しかし、英検4級で出題される内容を詳しく調べると、英文法の大切な基礎が扱われています。級としての人気はなくても、ここで問われている内容はとても重要です。

英検4級の出題内容は中学2年生くらいまでの学習内容と重なります。そのため、小学生で英検4級に合格するためには本格的な英語学習が必要です。そこで、合格に必要な「レベル・学習量」と「対策」について具体的に説明します。

小学生の英検4級の合格率と出題内容

小学校低学年から英語を学び始めた子どもなら、小学校卒業時までに英検4級を取得することはそれほど難しくありません。週1回の英会話教室やオンライン英会話などを利用しながら、家庭でも毎日英語を学ぶ習慣があれば英検4級は充分に可能です。

英検4級の出題内容には、英文法の最重要項目が含まれています。これらの知識がしっかりと定着していると、将来複雑な英語を学ぶときにも容易に理解できるようになります。

小学校卒業時までに英検4級に合格していると、スタートダッシュをかけられるので中学校で英検準2級取得の可能性が高くなります。その場合、高校入試ではかなりの優遇措置を受けられます。具体的な優遇例については、日本英語検定協会のホームページに掲載されています。

・英検4級のレベルと小学生の合格率

英検4級の出題レベルは、中学2年生の英語試験と同レベルです。合格ラインはおよそ60~65%の正答率とされています。受験者全体の合格率は約70%で、小学生の合格率は約60%というデータがあります。

数字のとらえ方は人によってさまざまですが、小学生でも充分に合格できるという印象を受けたお母さんが多いのではないでしょうか。

英語学習歴3年、小学5年生以上なら英検4級にチャレンジ

小学生でも合格が狙える英検4級ですが、簡単ではありません。子どもの学習歴や能力によって個人差はありますが、英語学習歴3年で小学5年生以上なら英検4級にチャレンジしても問題ありません。

英検4級では短文だけでなく、長文問題が出題されます。単語さえわかれば意味が推測できる英検5級と異なり、4級では基礎的な文法力や長い文章を読む力が必要となります。

週1回の英語スクールと自宅での毎日の学習習慣(15分程度)があっても、これらのレベルに到達するまでに数年はかかるでしょう。特に子どもが得意とする英語の音(発音・フォニックス・リスニング)の学習は語学の要です。最初の1年でしっかりと仕上げましょう。

英文法の学習には抽象的な概念の理解が必須であり、9歳未満の子どもは苦手です。小学4年生から少しずつ文法を学び、1年から1年半経過すれば英検4級のレベルに無理なく到達できます。

同年齢の周囲の子どもが英検4級に合格したからといって、自分の子どもに安易に受験させるのは早計です。子どもの年齢・能力・適性・学習歴などを考慮しながら英検4級にチャレンジしましょう。

英検4級の出題内容

英検4級ではスピーキングテストがありますが、合否には関係ありません。そのため実質、筆記試験(リーディング)とリスニングの2技能について問われるだけです。それぞれの問題の構成を表で確認しましょう。

・筆記試験

問題 形式 問題数
1 短文の穴埋め問題 15問
2 会話文の穴埋め問題 5問
3 語句の並べ替え問題 5問
4 長文の読解問題 10問

上記の問題はすべて選択問題です。

・リスニング

問題 形式 問題数
第1部 会話の応答文を選ぶ問題 10問
第2部 会話の内容に関する選択問題 10問
第3部 文の内容に関する問題 10問

リスニングテストは3つのパートで構成されています。放送は2回繰り返されるので、1回目に聴き取れなくても2回目で確認できます。

英検4級で出題される文法と単語レベル

英検4級では時制(現在形・過去形・未来形)の理解が欠かせません。平叙文(~です)だけでなく、それぞれの時制における否定文(~ではありません)・疑問文(~ですか)についても理解する必要があります。

現在形はその名称から「今のこと」と誤解されやすい時制です。現在形で表現されるのは「いつものこと」です。I get up at 6.00 every day. は、「昨日も今日もおそらく明日も6時に起床する」の意味です。今のことを表現するには、現在進行形を使います。

過去形のポイントは、基本的な不規則動詞を覚えられるかどうかです。動詞にはedを語尾につければ過去形となる規則動詞と、別の形になる不規則動詞があります。つづりまでは問われないので、過去形を見たときにすぐに意味が分かれば大丈夫です。

makeなどの基本的な不規則動詞については、過去形(made)についてもセットで覚えておきましょう。普段から簡単な物語を音読する習慣があれば、過去形が頻出するので慌てずにすみます。

be going to やwillを用いた未来形の学習では、be動詞の基本や助動詞の知識が応用できるかどうかがポイントになります。助動詞は動詞の変化がない(助動詞+動詞の原形)ので、比較的簡単に理解できます。

・英検4級の単語レベル

英検4級の単語レベルは700語程度です。現在、中学校3年間での必修単語が1500程度なので、ちょうどその半分の語彙力が必要です。

英検4級に必要な単語力をつけるために、単語帳で暗記するのはオススメしません。それよりも後述する語彙制限のある薄い本を多読して基礎的な語彙力を養うほうが小学生には向いています。覚えたかどうかを確認するために使用するならJリサーチ出版の『小学生英単語』を用意しましょう。

小学英単語
語彙力のレベルチェックをするなら、中学2年生の英語教科書を利用します。初見の文章を1分間に120語のペースで読んで、8割以上の内容を理解できていれば大丈夫です。

もし120語未満のペースでしか読めなかったり理解力が8割を下回ったりする場合は、まだ英検4級の受験には早すぎます。これは読解テストだけの問題ではありません。リスニングにも大きく影響します。

リスニングができるためにはリーディング力が必要です。返り読み(右から左に視線が戻ること)をせずに一定のスピードで読んで理解できないと、リスニングはできないからです。読んでわからないものは聴いてもわかりません。

英検4級なら英語の動画サイトを利用した勉強法がオススメです。

英検4級合格に必要な文法力をどのように攻略するか

英検4級の合格には文法学習は必須です。体系的な学習が必要となるため、子どもにわかりやすく英文法を教えてくれる先生が必要です。また、これらの知識の定着を図るためにワークブックや問題集に取り組むことも必要になってきます。

ただし、文法の知識を「知識」のままで終わらせるのではなく、それを使って英語を話してみる訓練も同時にするべきです。口頭英作文と呼ばれる訓練です。英語スクールでは時間の都合上難しいので、できるだけ家庭で取り入れてほしい練習です。

例えば「to 不定詞」とは「to+動詞の原形」で「~すること」という意味になると学ぶのは「知識」です。この知識を定着させるために、下記のような問題に取り組みます。

I like (walk) in the park. 「( )の中の動詞を適切な形に直しなさい」 答え:to walk

多くの場合、ここで学習をやめてしまいます。しかし、それでは使える英語になりません。この知識を使って、短い英文を口頭で作文します。

彼の妹はバスケットボールをするのが好きです。(His sister likes to play basketball.)
私は水が飲みたいです。(I want to drink some water.)
私はお母さんを手伝いたいです。(I want to help my mother.)

このとき重視するのはスピードと文法の正確性です。2秒以内に文法的に正しい英語が口から出てくるまで練習します。できないときは、解答例を何度も音読して暗唱します。そしてしばらく時間を空けてから再び同じ作文に挑戦します。

解答例の英文暗唱から始めてはいけません。5秒間でも日本語に合った英語を一生懸命考えることが大切です。小学生には少々きついトレーニングですが、毎日少しずつこの作業を続けましょう。英文法が腑に落ちる瞬間(自分のものになる)が必ず訪れます。

英文法を使える状態にしておくと、リーディングはもちろんリスニングのときにも英文の構造を瞬時に理解できます。また3級以降は合否にかかわるスピーキングテストが始まるので、そのための準備にもなります。

小学生向けの英検4級おすすめテキスト・問題集

英検関連本で最強なのは旺文社です。そこから出版されている小学生向けの英検4級ドリル『小学生のためのよくわかる英検4級合格ドリル』を紹介します。中学生以上を対象とした一般的な英検参考書とは異なり、小学生受験者を意識したドリルです。
小学生のための英検4級合格ドリル

すべての漢字にはルビがふってあり、未修漢字の多い小学生でも読めるように配慮されています。また、難しい文法用語をできるだけ使わずに、小学生にもわかりやすい言葉で言い換えられているのが特徴です。

例えば、「to不定詞」は「to+動詞の元の形」と表現されています。「不定詞」という文法用語を避けて、平易な表現が採用されています。

オンライン英会話のリクエスト機能を活用すると、英検対策をしてくれる会社があります。管理人イチオシのオンライン英会話ランキングはこちらをクリック!

試験2か月前から準備をしよう

英検の1次試験は年3回、6月・10月・1月に実施されます。日頃からコツコツと英語学習を続けているなら、2か月前から準備をすれば充分です。なぜ2か月前からが最適かというと、長期休暇を利用できるからです。

6月受験なら春休みや連休、10月受験なら夏休み、1月受験なら冬休みが活用できます。長期休暇を有意義に過ごすためにも、英検に取り組むのは良い考えです。

先ほど紹介した『小学生のためのよくわかる英検4級合格ドリル』を使用するなら、1レッスンを3日のペースで進めましょう。1日15分の学習時間で、2日で各レッスンを終了できます。3日目は口頭英作文を中心に、知識から使える英語になるように訓練します。

口頭英作文で使用する文章は、お母さんがドリルに登場する例文を抜き出してノートに書いてあげます。

英検4級口頭英作文ノート

上の写真のように、片側に日本語をあらかじめ書いておきます。子どもは前日までに学んだ表現を使いながら、それぞれの文を英語で言ってみます。すぐに英語が出てこないときは、ドリルを広げて答えとなる英文を探して隣のページに書き写します。

英文がスムーズに口から出てくるまで音読を繰り返します。しばらく時間をおいてから再び日本語だけをみて英文がすぐに言えるかをチェックします。すべての文が一瞬で正確に言えれば、このレッスンは終了です。

英検の問題集ばかりでなく、英語での読書にもチャレンジ

英検の5級と4級で決定的に異なるのは、4級ではある程度のまとまりのある長文読解が出題されるところです。英検の問題集に掲載された長文だけに取り組むのではなく、日頃から英語での読書習慣を身に着けることを推奨します。

いきなり本格的な英語の読書は無理なので、使用語彙数を限定している本を購入しましょう。語彙制限をしている英語学習者向けの本はたくさんありますが、IBCパブリッシング株式会社から出版されている「ラダーシリーズ」をオススメします。

ラダーシリーズ*株式会社IBCパブリッシングのサイトより

LEVEL 1の使用語彙は1000語で、英検4級程度の学習者に最適です。ラダーシリーズをオススメする理由は、巻末にワードリストが付属していて辞書を引く必要がないからです。小学生が使える英和辞典がほとんどないので、これは重宝します。

一部の本には無料で朗読音声を公開しています。一度自分のペースで読んでから、2回目に読むときに朗読のペースに合わせて文字を目で追いながら内容を理解すれば、リスニングの訓練にもなります。

「ラダーシリーズ」のような多読用教材を利用しながら、長い文章を読むことに子どもを慣れさせましょう。集中して1冊読めれば、英検の長文問題など「長文」と感じなくなります。

我が家では小学生の息子は、朝学校に行く前に15分間洋書を読むのが習慣になっています。1学期だけで、ハリーポッターシリーズを2冊以上読み終えてしまいました。一度にたくさん読もうとすると英語の読書は大変ですが、少しずつなら攻略できます。

小学生が英検4級を受験:お母さんの心構え

先述のとおり、英検4級は数年計画で進めれば小学生でも合格可能です。しかし、残念ながら英検4級に落ちてしまうこともあり得ます。そのときは、子どもを非難したり叱ったりしてはいけません。中学生の内容にチャレンジしたので、その心意気をほめましょう。

中学の授業で英文法を基礎からやり直すので、挽回のチャンスはすぐに来ます。不合格になったからといって子どもがやる気をなくすような言動は慎みましょう。

英検4級を受験する究極の目的は合格ではなく、正しい英語学習のスタイルを身に着けることです。「英文を左から右へ返り読みしない」「覚えた文法を使って口頭英作文をする」などを続けていけば、英語力が飛躍的に伸びるときが必ず来ます。

合否にかかわらず、英語の勉強をコツコツ続けられた努力に対してお母さんは評価してあげましょう。子どもが英語に対して前向きな気持ちを持ち続けられるようにサポートすることがお母さんの大切な役割です。

まとめ

英検の中では影が薄い4級ですが、英文法の最重要項目が出題されます。数年以上の学習歴と文法を理解できる年齢に達していれば、小学生でも合格は充分可能です。

出題内容は筆記試験(リーディング)とリスニングの2技能だけです。スピーキングテストもありますが、合否には関係ありません。文法については時制による動詞の変化がポイントです。語彙力は中学校で学ぶ単語数の約半分(700語)が目安です。

リーディング力とリスニング力には相関関係があります。語彙制限のある薄い多読用の本を利用しながら、普段から英語の長文に親しむようにしておきましょう。

試験対策は試験2か月前から準備をします。小学生向けの英検ドリルを入手して、長期休暇を有効に使いながら学習をすすめていきましょう。文法については知識だけでなく、それを使って口頭英作文をして「使える文法」レベルまで高めておきましょう。

このとき、残念ながら英検4級に不合格だった場合、決して子どもを叱責してはいけません。英語学習を続けていけば、すぐに挽回するチャンスは回ってきます。子どもが英語好きでいられるように、お母さんは励ましましょう。

小学生の英検2級体験記:帰国子女の英語力保持に英検を活用!

小学校で本格的に英語が導入されています。我が家には小学4年生の息子がいて、彼も英語の授業を受けています。帰国子女で英語も年齢相応にはできるので、得意の英語力を活かして楽しく授業を受けていると私は思っていました。

ところが、学校での様子を聞いてみると、彼が英語力を発揮する機会はほとんどないようです。日本では英語を使用する機会がほとんどなく、授業中でさえもあまり英語を使えていない様子です。そのため息子は英語に関する自己評価が低下している様子でした。

そのときに思いついたのが英検の受験です。帰国子女の英語力保持や英語学習へのモチベーションアップのためにも、英検を受験してみることは有効ではないかと考えました。ここでは息子が英検2級を受験したときの様子や効果について詳しくレポートします。

帰国子女の英語力保持に英検を活用

帰国子女といっても彼らの英語力はひとくくりに語れません。海外の学校に通っていた期間や本人の学力によって大きく変わるからです。

また、帰国したときの年齢も英語力を測るうえで重要です。英語で読書ができる前に帰国してしまうと、音声(聴く・話す)から覚えた英語が中心です。音から覚えた英語は、文字を学習した後と比較して忘れやすい特徴があります。

海外の学校(現地校やインターナショナルスクール)に小学校の低学年で入学し、2年以上在籍して年齢相応の読書ができる子どもならかなりの英語力を期待できます。一般的にネイティブの小学6年生は、英検1~準1級レベルといわれています。

努力して覚えた英語なので、「帰国後も英語を忘れないようにさせたい」と願う帰国子女のお母さんは多いはずです。しかし、帰国子女が日本で英語を使う機会はほとんどありません。意識的に努力しないと英語力の保持は難しいのが現状です。

帰国子女の帰国後の苦労

我が家にはマレーシアのインターナショナルスクールで3年半(Year 2~5:およそ日本の小学1~5年に相当)学んだ息子がいます。成績は中の上で、英語によるコミュニケーションは問題ありませんでした。

小学4年生の4月に帰国しました。通っている学校は普通の公立小学校です。この時期に帰国したのは、日本人としての国語力をつけることを優先したからでした。

海外にいるときから国語(日本語)の勉強は続けていたので、帰国後も国語はほとんど問題なく対応できています。

しかし、問題は英語でした。学習指導要領の改訂により公立小学校でも英語の授業が導入されています。「他の生徒よりも英語ができるので楽しいだろう」と私は予想していました。しかし、息子の反応は意外なものでした。

どうやら英語の授業中に発言させてもらえないらしいのです。どんなに手を挙げても先生は目を合わせず、遅れて遠慮がちに挙手した別の生徒を指名するそうです。

私には先生の行動を理解できます。いつも息子ばかりを指していたら他の生徒が発言する機会を奪うことになります。このため、授業中に息子が英語を話す機会はほとんどありません。せっかくの英語の授業は「ストレスのたまる時間」になってしまいました。

1学期が終了し、通信簿を持って帰りました。ABCの3段階で各教科の観点別に評価が並んでいます。何気なく見ていると、英語の評価欄に目がとまりました。なんと「外国の文化や習慣に関心がある」がB評価だったのです。

5歳でマレーシアに移住し、英語環境に適応しようと努力していた息子の姿を毎日見ていた私には信じられない評価です。

私は息子には「気にするな」と言いました。しかし、日本の小学校には息子が自分の英語力に自信を感じられる機会や場所がありません。現状を打破するために思いついたのが「英検の受験」でした。

英検を取得すれば自信につながる

私は長いこと英語学習を続けてきましたが英検には無関心でした。資格試験対策ばかりに固執して小手先のテクニックに走るのは邪道だと思っているからです。そのため一度も受験したことがありませんでした。

しかし、息子が英語力に自信を感じられない状況は早急になんとかしなければと感じました。そこで夕食時に英検の受験を息子に提案しました。

息子は最初、あまり乗り気ではありませんでした。しかし、妻が「お父さんも英検1級を受けるから」と提案したとたん、彼の目の色が変わりました。私に対してライバル心を燃やし始めたのです。

妻の提案が功を奏し、息子は英検の受験を決心しました。今年2回目の英検まで2か月あったので、準備期間は充分でした。ちょうど夏休みが始まったところだったので、暇な時間を有効活用できます。さっそく申し込みをすることにしました。

小学生が英検2級に合格するための対策と勉強法

英検の出願は英検のホームページ上から完結します。
英検HP

息子の受験級は「英検2級」を選択しました。IDやパスワードを入力して、クレジットカードで支払いを済ませるだけです。このときのデータは後で大切になるので、忘れずに記録しておきましょう。

息子の英語力から「英検準1級でも合格できる」と思いましたが、あえて2級に決めました。理由は2つあります。

まず、英検2級の筆記試験で扱われる英単語には小学生には理解が難しいものが多数含まれているからです。例えば、insurance は名詞で「保険」の意味です。小学4年生では保険がどういうものなのか理解は難しいでしょう。

「insurance=保険」と訳語を暗記することは可能です。しかし、それでは単語を理解したことにはなりません。年齢相応に少しずつ教養を深めながら、単語の理解をすることが大切です。

試験の中で単語力は一要素にすぎないので、英検準1級の取得も可能です。ただ、これらの言葉をきちんと説明できるように教養を深めてから準1級を受験させたいと考えました。だから足場を固める意味でも2級からが妥当であると判断しました。

二つ目の理由は、成功体験を積ませるためです。準1級にチャレンジして不合格だった場合、息子の英語学習への意欲がそがれる可能性があったからです。小学校で活躍できず英検でも不合格だったとしたら、やる気を失いかねません。

これらの理由から、息子が余裕で合格できる英検2級を選択しました。英検2級の平均合格率は約25%といわれていますが、小学生の受験者で絞ると40%が合格しているようです。これは帰国子女の割合が多いことが主な要因ではないかと推測されます。

スクール探し:小学4年生から参加できる英検2級講座がない!

私は仕事で忙しいので、息子の英検対策を見てあげられません。そこで、近所の英語スクールの夏期講習に通わせることにしました。

しかし、ここで思わぬ苦労をすることになりました。小学4年生が参加できる英検2級対策のスクール(塾)が見つかりません。英検2級は高校卒業程度のレベルです。受験者の多くは高校生です。そのため講習は中学生以上に限定しているところばかりでした。

「自分で教えるしかないか…」とあきらめかけていたとき、最後に問い合わせをしたのが埼玉県を中心に展開する「サイエイ・インターナショナル」でした。事情を説明すると、体験レッスンに参加してレベルチェックをすることを条件に認めてくれました。

サイエイ・インターナショナル
さっそく指定された日時に息子を連れていき、体験レッスンを受講させました。一日のレッスンは2時間です。前半は日本人講師によるレッスンで、後半は外国人講師による英語でのレッスンです。

レッスン終了後、「英検2級で問題ないです」と講師からお墨付きをいただきました。その場で、5日間の夏期講習を2回分(合計10日間)に申し込みました。入学金はサービスしてもらい、約3万円の講習料でした。

講座の開設時間は中高生に合わせて19~21時の時間帯でした。小学生にはやや遅いですが、これは妥協するしかありません。

英検2級対策講座の様子と使用テキストについて

息子の普段の英語学習について説明します。帰国後は週1回(50分)のオンライン英会話(帰国子女向け)を継続しています。また、英語での読書はほぼ毎日続けています。土日はサッカーで忙しく、学習塾には通っていません。

サイエイ・インターナショナルの夏期講習が始まると、積極的に通い始めました。久しぶりに自分のレベルにあった英語のレッスンを受けられたので、うれしかったのかもしれません。

授業の様子をたずねると「俺しか手を挙げていないのに、先生が指してくれない」と、また同じ悩みを語りだしました。

ただし、授業後に外国人講師から「君ばかり指したら他の人が答えられなくなってしまうから、少し我慢してね」とフォローがあったようで、息子は納得している様子でした。

私は英語学習に関して口を挟むことはしませんでした。夏期講習で使用するテキストを確認すると、小手先のテクニックではなく本質的な理解を目指した授業をしていることが見て取れました。

英検2級では文法の問題も出ます。たまに誤答していましたが、おおむね良好でした。文法に関してはマレーシアにいたときに『Essential Grammar in Use』(写真)を使用して、1年かけて取り組んでいました。文法学習の問題集として非常に優れた良書です。
Essential Grammar in Use
自然な例文が充実しているのが特徴です。文法や語法の問題の正答率が高いのは、このときの学習の成果だと思います。

夏期講習に通わせて良かったことは2つあります。一つ目は、英検の「試験形式」に慣れたことです。選択肢から選んだり、リスニングテストがどのように実施されるのかを理解したりしておくことは大切です。

二つ目は、Writing(ライティング)対策のテキストの完成度の高さです。さすがに英検を軸にしている英語スクールだけあって、教材が洗練されています。エッセイ形式に不慣れな日本人学習者でもわかりやすく学べるように配慮されていました。
サイエイのテキスト

夏期講習終了後に先生と雑談すると、「ライティングの模擬試験をして最後まで書ききったのは息子さんだけでした」とほめてもらいました。稚拙な内容でも解答用紙を埋めようと努力したことを私もほめてあげました。

小学生のための英検2級必勝法

先述のとおり語彙力の面で、小学生はどうしても不利な面がでてきます。これをどのように他の能力で補うかが英検2級合格のポイントです。

まず、音声面を徹底的に鍛えることです。リスニングの内容には難しい単語はほとんど使われていません。つまりきちんと聴き取りができれば、簡単に答えることができます。帰国子女の場合、音声面は強いのでリスニングはほぼ満点が狙えます。

そして最も重要なのは、リーディング力です。語彙力は多少不足していても、それを補う速読力・多読力を徹底的に鍛えておきます。これは普段から年齢相応の英語での読書習慣があるかどうかがカギになります。
Harry Potter
文字を読むスピードが速ければ、ライティングに時間をかけることができます。テーマが小学生にとって難しくても、構成を考える時間が充分に取れれば完成させることができます。

数百ページの本を日常的に読んでいれば、英検の試験問題の長文などは「長い」と感じません。知らない単語に出会っても前後の文脈から類推する能力が高く、語彙力不足をカバーすることができます。

帰国子女ではない普通の小学生が英検2級に合格するのはかなり難しいのは事実です。しかし、充分な読書量とナチュラルスピードの英語に慣れておけば勝機が見えてきます。

リスニングが弱い子どもには、こちらの動画セミナーがオススメです。

小学生が英検2級に合格するためにお母さんができること

子どもの英検受験のためにお母さんができることは、「夏期講習の送迎」と「子どもをほめたり励ましたりする」だけです。たったこれだけのことで、子どもは前向きに勉強に取り組みます。

もう一つ子どものやる気に刺激を与えたのが、私(父)の英検1級受験でした。息子は私を打ち負かしたい一心で、一生懸命に勉強していました。
英検1級受験票

家庭でできるサポートとは、気持ちよく送迎をしてあげることや、ほめたり励ましたりすることです。また、親子で受験して適度に競争心をあおるのもとても効果的です。お母さんも(お父さんも可)面倒くさがらずに、一緒に英検にチャレンジすることをオススメします。

英検2級1次試験の当日の流れ

いよいよ英検の当日です。息子の2級と私の1級は午後からスタートなので、午前中は自然と英検の話題になります。

普段はあまり細かいことを気にしない息子ですが、さすがに落ち着かない様子です。不安に思っていることを聞き出すと「ライティングができるか不安」ということでした。

今まで私は英検の指導は一切しませんでしたが、最後に私から「ライティングのコツ」を教えることにしました。

・ライティングのコツをおさらい

英検2級では与えられたテーマについて自分の立場(賛成・反対)を明らかにします。そして理由を2つ挙げて、自分の主張を80~100語でまとめることが求められます。

インターナショナルスクールではほとんど毎週、簡単なエッセイの宿題を出されていたので書くことには慣れているはずでした。しかし、時間制限のあるテストには不慣れです。そこで、短時間でまとめるコツを伝えました。

まず、与えられたテーマをよく読んで理解します。それから余白に簡単な表を作成して、理由を挙げていきます。このときの理由は賛成でも反対でもかまいません。思いつく順番にメモを取っていきます。

このとき、書きやすいほうを書いていきます。これが制限時間内にライティングを仕上げる究極のコツです。

例えば「企業の在宅勤務は将来増えるとあなたは思いますか」というテーマが与えられたら、下の図のようなメモを取ります。

英検2級ライティングメモ

この場合、2つ以上の理由を挙げられたのは賛成側(そう思う)なので、こちらの立場を選択します。さらに、3つの理由のうち書きやすい2つに絞ります。上記の例では「通勤時間を節約できるから」と「交通費を節約できるから」を取り上げるのが最良の選択です。

字数が不足しそうなら、「For instance, …(例えば)」を使用して、具体例で肉付けすれば大丈夫です。

ライティングに必要な表現のパターンはサイエイの夏期講習で教えてくれました。

I think 自分の立場.  (私は~のように思います)
I have two reasons to support my opinion.(私の意見を支持する二つの理由があります)
First,… Second, …. (ひとつめは~。二つ目は~)
For instance, 具体例.(たとえば、~)
For these reasons, I think 結論.(これらの理由から私は~と思います)

これらの表現はほぼ暗唱していたので、あとは当てはめるだけで完成です。

字数をカウントしやすいように、大きめの字で1行につき7~8文字で書くように指導しました。こうすれば、掛け算で簡単に字数を計算できるからです。最後に必ず最初から読んで、綴りや文法の間違いを見つけて訂正するように伝えました。

また、インターネットから過去の問題を探して、その場で理由を挙げる練習だけに集中しました。1時間ほどの学習でしたが次第に自信を取り戻した様子でした。

一方、1級を受験する英検初体験の私は何が出題されるのかまったく理解していませんでした。インターネットで出題される問題数や時間配分などを調べて、メモをとりました。

その様子を見て「今ごろ何をやっているの? お父さんは、完全に英検をなめている!」と息子から非難され、私は苦笑するしかありませんでした。

小学生の英検受験者は保護者の付き添いが可能

試験会場は電車で二駅離れた高校でした。30分前には到着できるよう、息子・私・妻の3人で早めに家を出ました。このときに受験票と身分証は絶対に忘れないようにしましょう。
2級受験票

小学生が英検を受験する場合、解答用紙に個人データを正確に記入する必要があるので、保護者の付き添いが認められています。私は別会場で受験しなければならないので、妻にこの役をお願いしました。

10月としてはかなり暑い日で、駅から会場までの徒歩15分がとても長く感じました。駅から会場までの道は、受験者らしい人の長い列ができています。親子連れも多く、たくさんの小学生が英検を受験していることがわかりました。英検会場

会場に着くと、持参した受験票(写真付)に割印を押してもらいます。ここで付き添いの保護者には衣服に貼る保護者シールが配られます。
保護者シール

英検会場では混乱を避けるためにエレベーターの使用は禁止されています。2級は5階、1級は7階が会場でした。大量の汗をかきながら階段を上り、5階で息子と別れました。

子どもの受験者には保護者の付き添いが認められています。妻の話では、開始5分前までは子どもの机の隣に立ちながら、解答用紙に個人データを記入するのを手伝ったそうです。この記入が終わると保護者は退出して、指定された待合室に移動します。
保護者待合
待合室には各級のスケジュールが書いてあります。終了時間が近づくと、保護者は退出して会場建物の出口で子どもと待ち合わせをします。廊下で待つことはできないので注意しましょう。

英検3~5級を受験する子どもの付き添いがほとんどなので、2級が終わる頃には保護者の待合室は誰もいなくなっていたそうです。

・英検1級会場の様子

7階にある英検1級の会場に到着したころには、私は全身から汗が止まらない状態になっていました。教室に入ると、同じように汗が止まらない中年の受験者達が神妙な面持ちでラストスパートの勉強に打ち込んでいます。

スマートフォンの電源を切り、一冊も参考書を持ってこない私はすることがありません。仕方なく周囲を観察すると、ボロボロにすり切れた『英検1級単語集』を血眼になって読み返していたり、なぜか10年前のNEWSWEEKを熟読していたりする人がいます。

私の前にいる男性は、緊張のためか15分の間に3回もトイレに行きました。初めて目にする英検1級の異様な空気に唖然としながら、試験の準備をまったくしてこなかった自分を今さらながら猛省しました。

・親子とも英検の1次試験終了

英検1級は難易度が高いだけでなく、問題量が多いです。後半のリスニングもなかなか終わらず、正直「もう勘弁してください」という精神状態になります。「子どもを鼓舞するだけなら、準1級で充分では?」と妻を恨みました。

試験が終了して会場の外に出ると、先に試験を終えた息子と妻が待っていました。「英検2級の試験はどうだった」とたずねると「簡単だった」と自信ありげでした。直前にやったライティングが功を奏したようで、指定された字数で完成したとのことでした。

無理に英語を教えず、子どもから求められた部分だけを教えてあげたのはとても良かったと思います。

英検2級1次試験の結果発表と2次試験に向けて

英検1次試験の合格発表は2週間後の月曜日です。土曜日に学校行事があり、当日、息子は休みでした。試験の結果発表は午後です。結果が気になるのか、午前中はそわそわしながら過ごしていました。

・12時に父の結果発表

まず、12時からは1級の結果発表です。英検のサイトにアクセスして、IDとパスワードを入れると1次試験の結果が閲覧できます。

結果は予想に反して「1次試験合格」でした。私の合否には一切関心のない妻は、子どもと昼食中です。仕方なく子どもを呼んで合格の画面を見せました。子どもが妻に私の合格を伝えると「ウソでしょ」と妻の声が階下から聞こえてきました。

私が1次試験に合格する番狂わせがあり、息子は急に不安になってしまいました。2級の発表までの1時間、さらにそわそわして落ち着かない様子でした。

・13時に子どもの英検2級1次試験の合否発表

2級は受験者数が多いせいか、発表直後はアクセスが集中してなかなか合否発表が見られません。30分ほど放置して再びアクセスすると「英検2級1次試験合格」の文字がありました!
英検2級合格
英検バンドを見ると「+9」で、余裕で合格しています。英検バンドとは合格点を起点にして、25点刻みで±1で表示したものです。

今回2級を受験させましたが、合格を知ったとき息子は予想以上に喜びました。2級に合格しても冷めているのではと思っていたのですが、それは私の間違いでした。日本に帰国して初めて自分の英語に対して自信を取り戻せたことが大きかったのではと感じています。

2次試験の面接は、息子の得意分野なので特に対策はしません。暇なときに、過去問を使いながら数回練習してみるつもりです。

小学生の英検は、確実な級から少しずつステップアップしよう

今回の経験から、小学生が英検を受験するときは英検5級から少しずつステップアップすることをオススメします。どんな級でも合格すればうれしいので、その後の英語学習に好影響を与えるからです。

帰国子女でもいきなり準1級に合格すると、残りは1級しかありません。2級から始めて、細かく刻んだほうがモチベーションの維持には好都合です。

もし子どもが不合格でも、叱ったり非難したりするのは厳禁です。合否だけでなくCSEスコア(過去のスコアと比較して伸びを確認できる指標)や英検バンドに注目しましょう。受験ごとに少しずつ合格ラインに近づいていれば努力を評価してあげましょう。

私は英検の合否ばかりにとらわれる姿勢には今でも反対です。しかし、今回のように息子が大喜びしている様子を見ると、成長を確認しモチベーションを維持する点で、英検を受験することは効果的であると考えています。

英検2級2次試験(スピーキングテスト)と合格発表!

2次試験は最寄りの駅から7キロ以上離れた大学を会場に指定されました。会場で受付を済ませると、首から下げる袋を配布(写真)されます。これはスマートフォンなどを入れる袋で、スマートフォンを持っていなくても首から下げる決まりとなっています。
英検2次試験袋
控室で受験生は名前を呼ばれるまで待機します。その間に面接カードを記入します。ここまでは保護者の付き添いが認められています。記入後は保護者は保護者控室に移動して、子どもの試験終了まで待ちます。受付から試験終了まで約1時間でした。

さて、それから2週間後。インターネットで合格発表が確認できます(郵便でも送られてきます)。昼過ぎには発表でしたが、あえて息子が学校から帰ってくるまで待ちました。

IDやパスワードを入力して、試験結果を確認します。2次試験の出来があまり良くなかったらしく、少し不安気な息子でしたが「合格」の文字を見つけ大喜びでした。
英検2級合格
ちなみにCSEスコアは2242で英検2級には余裕をもって合格しましたが、準1級にはあと一歩届きませんでした。

予想通り、小学4年生では語彙のレベルがまだ未熟で出題内容にどうしても追いつかない部分が出てきます。例えば、2級でも「representative: 代理人」という単語は出てきますが、小学生では難しすぎて意味を理解できません。

英語・日本語にかかわらず、もう少し幅広い教養を身につけ語彙レベルを引き上げてから、準1級を受験したほうがいいと改めて感じました。

ちなみに、私も1級に合格しましたが、家族の反応は今ひとつでした(結構大変なんですけれどね)。

まとめ

帰国子女の英語力保持は、お母さんにとって悩みの種です。小学校で英語の授業が正式に導入されていますが、帰国子女のモチベーションを維持するのは難しいです。

このような場合、子どもの英語力に見合った英検にチャレンジさせることは、帰国子女にとってよい刺激になります。必要に応じて近所の英語スクールに通いながら、試験に向けて準備を進めましょう。

お母さんができることは、子どもをほめたり励ましたりすることです。また、お母さんかお父さんも同じように英検にチャレンジすると、子どもの競争心を刺激していい結果につながります。

帰国子女ではない小学生でも、英語学習のモチベーションアップや学習進度の確認の点で、英検の受験は大変効果的です。子どもの場合、英検5級から少しずつステップアップしたほうが、子どもは合格の喜びを多く味わえます。

英検では4技能(聴く・読む・話す・書く)をバランスよく試されます。2次試験ではスピーキングテストが課せられるので、普段からアウトプットの機会を確保しておくことが大切です。オンライン英会話を利用すれば時間や場所に拘束されず、比較的安価で続けられます。

級が上がるごとに自分の英語力の進歩を感じられるのが英検の良さです。「〇級なんて当たり前」と思わずに、合格の喜びを家族全員で共有しましょう。

小学生が英検5級に合格する勉強法や考え方

「子どもに英検5級を一発で合格させたい!」というお母さんは多いです。英検5級の受験者のほとんどは英語を習い始めて1年程度の子どもです。子どもが合格して達成感を味合わい、今後の英語学習の弾みになれば理想的です。

しかし、5級に関しては「合否」よりも大切なことがあります。それは「いかに質の高い英語学習法を身につけるか」ということです。

かつて私が英語の個人指導をしていたとき、同じくらいの能力の2人の生徒がいました。まったく同じ英語の授業を行ったところ、しばらくすると両者に明確な英語の実力差が現れました。当時の私には本当になぜこのようなことが起きるのか不思議でした。

今は原因がはっきりとわかります。英語が苦手な子と得意な子では「頭の中の活動量」が異なるからです。これが何年も続くと二人の英語力には大きな差が生じます。やっかいなのは、見た目には両者の違いがほとんどわからないことです。

英検の筆記問題は、文法事項の大切なポイントを幅広く網羅しています。その問題に一つひとつじっくりと取り組み、「質の高い学習」を習慣づけることは「合否」そのものよりもはるかに大切です。

ここでは、英検5級の学習を通じて、質の高い英語学習を身につける方法について詳しく解説します。

小学生向け英検5級対策の基礎知識

小学生が英語を学び始めて1年ほど経過したら、そろそろ「英検5級」の受験を検討してもいい頃です。これから英語を学習するために基盤を固めるためにも、英検の勉強はとても有効です。

私は試験のための学習には否定的です。「人々がコミュニケーションのために使用する道具」としての本来の英語を忘れてしまうからです。しかし「試験をきっかけにして正しい勉強法を身につける」という意味では英検の受験に大賛成です。

小学生は英語や検定試験に不慣れです。もしあなたが合否にこだわりすぎて接し方を誤ると、子どもは「英語嫌い」になりかねません。そこで、合否以外の指標にも注目して、子どもの実力を長期的な視点で見守るように気をつけましょう。

合否判定だけでなくCSEスコアにも注目

「英検」を受験すると得られる最大のメリットは、子どもの「現在地」がわかることです。以前とは異なり、現在は「〇級合格・不合格」の成績だけでなく「CSEスコア」をすべての受験者に示しています。

CSEとはCommon Scale for English(英語の共通尺度)の略です。この評価が導入された背景には英語資格試験のグローバル化があります。英語の試験にはTOEFL・IELTS・TOEICなどがあり、かつてはそれぞれ独自の基準で評価され受験者にとって不便でした。

そこでお手本にしたのがCEFR(Common European Framework of Reference for Languages:ヨーロッパ言語共通参照枠)と呼ばれる指標です。ヨーロッパは多言語社会のため共通して利用できる外国語の習得基準を設けたのです。

CSE
*英検ホームページから引用:英検スコアとCSEスコアの換算表

英検受験でわかるCSEスコアを見ると、CEFRにおけるレベルがわかります。そうすると他の試験を受けなくても、そのスコアの目安を簡単に換算できます。

また同じ英検5級合格でも「ギリギリ合格」と「余裕で合格」では実力は異なります。不合格だったしても「あと少しで合格できた」など子どもの実力を正確に把握することができます。

CSEスコアを活用して、スキル別の現在地や伸びを長期的に記録することで、子どもの英語学習に活用できます。

英検5級のレベルと小学生の合格率

お母さんは「英検5級」のレベルを正しく把握しましょう。おおまかに説明すると「中学校初級程度」です。習得語彙数は300~400語が必要です。

  • 英検による5級の目安
級 推奨目安 出題目安 出題形式
5級 中学初級程度 英語を習い始めた方の最初の目標。家族のこと、趣味やスポーツなど身近な話題が出題されます。
英語の基礎固めに最適です。
スピーキングテストも受験可能です。
  • 筆記
  • リスニング
  • 録音形式のスピーキングテスト

*英検ホームページから引用:各級の目安

小学生で英検5級を受験することは、中学1年のレベルと同じ試験を受けることと同じです。子どもが前向きに英検受験に取り組むだけでもほめてあげましょう。

数字・曜日・月・基本単語(名詞・動詞・形容詞・副詞)など少なくとも「正しく読めて意味がわかる」レベルであることが合格の条件です。

  • 英検5級の合格ライン・合格率の状況

公式な発表はありませんが、合格ラインは問題の65%の正解率に設定されているようです。5級はリーディングとリスニングでそれぞれ25点合計50点の配点になっています。したがって、33点を獲得すれば合格できるといえそうです。

受験者全体の8割以上が合格できているようですが、中学生の受験者が半分以上います。小学生だけの受験者に限定するともう少し合格率は低下するかもしれません。とはいえ、英語を習い始めて1年程度の小学生で2か月くらいの準備期間があるなら合格は決して難しくありません。

語彙力・文法力と4技能の関係

最近、一般の人にも英語の4技能(Listening, Speaking, Reading, Writing)が認知されるようになりました。しかし、「語彙力・文法力」がこれら4技能とどのような関係になっているのかを正しく把握している人は少ないです。

語彙力と文法力は英語力の中心です。このふたつが揃っていないと話になりません。そして4技能もそれぞれ独立した技能(スキル)ではなく、お互いに相互作用している関係です。これを下に図で表しました。

4技能相関図

例えば、I can swim fast.という基本文を暗唱する会話練習をしたとします。canは「~できる」という意味の助動詞でその次に動詞の原形(run)が来ます。これは文法の知識です。当然、それぞれの単語の意味を知らないと暗唱をしても意味がありません。

音読しているときは自分で自分の声を聴いているので「リスニング」の練習をしていることになります。一部を忘れてテキストを読めば「リーディング」紙に書いて覚えようとすれば「ライティング」の学習です。

英語の学習をするときは常に「語彙・文法」を中心に、4つの技能を複合的に使用しています。だから「リスニングを強化」するための勉強であっても、その他の能力が極端に低いと伸びが悪くなるのは当然です。

語彙・文法と4技能の関係を理解して学習することが必要であることをお母さんはきちんと把握しましょう。

リスニングが弱点の子どもには、こちらの動画セミナーによる学習法がオススメです。

小学生向け英検5級おすすめ問題集

大きめの書店に行くと英検対策のコーナーがあります。そこには参考書がたくさん並べられていてどれを選んだらよいか迷ってしまいます。
book store
英検の対策本は主に「その級に頻出する単語・熟語集」と「過去問を主体とした問題集」の二つに分かれています。

5級を受験する場合、単語・熟語集は不要です。5級に登場する単語は超基本的なものばかりです。わざわざ単語集で暗記するまでもなく、しばしば目にするので普通の問題集を進めながら意味を確認すれば大丈夫です。

また5級で扱う超基本単語はカバーする意味の範囲が広く、1対1の訳語を暗記するやり方になじみません。例えば、単語帳で「call:呼ぶ」と暗記しても、“Please call me tonight.”(今夜私に電話してください)のような文脈では役に立ちません。

簡単な単語ほど多義語(一つの言葉でいろいろな意味を持つ言葉)の傾向があります。そのため、実際の文の中での意味をしっかりと確認したほうが、より単語のイメージを正しくとらえることができます。

もちろん知識を整理したり辞書替わりに単語帳を利用したりするのは問題ありません。ただし、暗記するために単語帳を買う必要はありません。

小学生向けの英検問題集がよい

英検5級は英語学習を始めて1年程度の初心者が受験します。したがって中学生の受験者が多く、問題集の多くは中学生が使用することを前提にして書かれています。

ところが注意深く探すと小学生向けの英検ドリルが発売されていました。試しに1冊購入してみたところ、なかなかよく出来ているので紹介します。
小学生向け英検ドリル

私がおすすめするのは『小学生のための英検5級合格ドリル』(旺文社)です。価格は税別で1,100円でした。このシリーズは英検5~3級まで対応しています。小学生でも3級の受験者が増えていることを反映しているようです。

「小学生のための英検5級合格ドリル」おすすめポイント

では、『小学生のための英検5級合格ドリル』のおすすめポイントについて詳しく説明します。

・英検情報が充実している

英語の問題集でありながら、英検の試験についての詳しい説明が充実しています。ネットでもいろいろと調べられますが、活字での情報は信頼性が高く重宝します。例えば、受験のときに必要な持ち物や結果がいつ頃わかるのかなどの情報が掲載されています。

・すべての漢字にルビが振ってある

本書にあるすべての漢字にはルビ(読みがな)が振ってあります。そのため小学校低学年の子どもでも頑張ればこの問題集を利用して勉強できます。学習者の年齢不問で利用できるのはとてもありがたいことです。
ルビ

・問題量がちょうどよい

1~13のレッスンとおまけページで構成されていて、小学生が2か月前から取り組むのにちょうどいい分量です。学習計画のモデルについては後述しますが、毎日1レッスンをすすめるのに30分あれば大丈夫です。

・CD付きで音声が充実

CD付きの問題集は珍しくありませんが、どのレッスンも英語の音を大切にしているところに好感が持てます。CDを聞かないと問題を進められないので、自然と英文を聞く量は増えていきます。

CDのデータをスマホなどに移行して、CDプレイヤーを利用しなくても聞けるようにお母さんがセッティングしてあげましょう。英文は聞くだけでなく、必ず自分でリピートするように習慣づけると英語の上達するスピードは加速します。

・すべての英文の日本語訳が巻末にある

5級の英文は簡単なものばかりです。それでも小学生が学ぶときには、意味がわからない箇所がいくつか出てきます。そのようなときにやはり日本語訳があると安心して学習をすすめられます。

最後の仕上げとして、「巻末の日本語訳を見ながら英語に直してみる」トレーニングをすると、より英語を深く理解できるようになります。
全訳

このように「小学生のための」と銘打つだけあって、細かい配慮が感じられる問題集です。ではこの問題集を使用して、どのように学習計画を立てて実行したらいいのかを具体的に説明します。

小学生向け英検5級の対策と教え方

英検の1次試験は6月・10月・1月に行われます。私のおすすめは、長期休暇を絡めながら2か月前から準備することです。例えば10月に受験する場合、夏休み(8月)にスタートするといいでしょう。

ドリルは全部で4回繰り返しますが、最初の1回目が最も大変です。長期休暇をその大変な部分の学習に充てることで、子どもが規則正しい生活を送れるようになります。また、お母さんのアシストも普段よりは期待できるので、より合格できる確率が高まります。

  • 1回目

平日は頑張って30分で1レッスンを進めましょう。私の経験では土日はイベントが多く、思ったよりも余裕がありません。だから思い切って休みにするか、何らかの事情で平日にできなかった場合の予備日として活用しましょう。

このペースで進めていくと、3週間で1回目が終了します。

  • 2~3回目

2~3回目を繰り返すときは、CDを聞かなくてもいいです。その代わり各レッスンの英文はすべて声を出して音読しましょう。もし読み方に自信がない場合は、面倒くさがらずにCDを聞くようにしましょう。

ここでは「プチ予想問題にチャレンジ」の筆記問題に力を入れましょう。1回目では正解を選べばOKですが、2回目以降は「なぜ、その答えを選んだのか」「なぜ、他の選択肢ではいけないのか」を自分で説明できるようにしてください。

単に正解・不正解をチェックするだけでなく、このように根拠をしっかりと説明しながら問題を解くことで文法や語法の理解を確実にしていきます。できればこの部分だけはお母さんがチェックしてあげるのが理想です。

教え方のポイントは、子どもが説明に困ったときはヒントを小出しにしながら、一生懸命考えさせてることです。子どもが考えた分だけ、英語の伸びにつながります。

最後のダメ押し(4回目)の復習はお母さんと一緒に

最後のダメ押しとなる4回目の復習について説明します。まずは巻末の予想問題に挑戦してみましょう。このとき、お母さんがそばにいられる状況で、本番と同じように時間を決めて実施します。
予想問題
採点後、合格圏内(30点以上)であれば思いっきりほめてあげましょう。実際、ここまで計画通りに学習を進められれば立派です。もし得点が合格ラインに到達していなくても、良かったところをきちんと評価してあげましょう。

予想問題で間違えたところはきちんと学習して理解を確実にしましょう。ドリルについては、「プチ予想問題にチャレンジ」に絞って最初から最後までもう一度復習します。これで、英検5級の対策は終了です。

小学生が身につけたい! 英検5級仕上げの勉強法

各レッスンにある「プチ予想問題にチャレンジ」について補足します。小学生でも表面的な学習で終わりにしないために大切なポイントをまとめました。英検5級受験を機に正しい勉強法を身につけて、将来の飛躍につなげていきましょう。

・単語
選択肢から1つ正解を選ぶ問題で、正解以外の単語についても意味を知っているかどうかをチェックしましょう。同じ問題は2度と出ないので、知らない単語があればきちんと調べることが大切です。

知らなかった単語については、はじめに正しく発音できることを心がけましょう。それから意味を調べるように習慣づけしましょう。

リスニングで英語を理解する場合、単語を聞いた瞬間にイメージが頭に浮かぶかどうかが大切です。例えば、baseballを読んだときに「野球」という訳語が頭に浮かぶようでは、リスニングのスピードに対応できません。

そうではなくて、baseballを読んだら野球場の光景や選手の様子が頭の中で浮かぶようにしておきましょう。普段、音読するときにこのようなことを常に意識しておくと、リスニング対策になります。

・文法
イメージが大切なのは単語だけではありません。文法に関しても同じことがいえます。例えば現在進行形の-ingを見たときに、「今、〇〇している最中」のようなイメージが浮かぶかどうかはとても大切です。

リスニング力は「聴く」とき以外でも鍛えられます。上記のように、リーディングをしていて単語や文法を即座にイメージ化(映像化)できるようにしておくと、それはリスニングにおいてとても有利に働きます。

・テキストの英文はすべて自分に向けられていると考える
ドリルに掲載されているダイアローグ(対話文)やその他の問題文について、「自分ごととして読む」ように子どもに教えてあげましょう。自分と関係ない無機質な文ではなく、自分がその人になったつもりで音読するだけで、英語の定着はまったく変わってきます。

1冊のドリルをここまで深く学習すると本物の英語力が身につきます。合格ラインを大幅に上回る得点が取れた場合、CSEスコアに注目してください。もし英検4級の合格ラインに近かったらそれはとてもいい学習ができていることの証左となります。

英検3級まではお母さんと一緒に挑戦するのが理想

お母さんの役割として理想なのは、子どもの「ライバル」として一緒に英検を受験することです。英語な苦手なお母さんは尻込みするかもしれませんが、英語が苦手なお母さんのほうが子どもからすると追いつけるかもしれない」とやる気になるものです。

英語ができるお母さんだとつい自分の英語力を子どもに誇示してしまい、子どもが委縮してしまいます。一方的に教えるよりは、子どもと同じテキストを使いながら一緒に学ぶ姿勢を見せましょう。

英検3級は「中学校卒業程度」のレベルです。できれば、英検3級までは親子受験を続けて欲しいと思います。

e-ラーニングサイト「リトルフォックス」にはさまざまなレベルが用意されていて、子どもから大人まで学べる教材が用意されています。

まとめ

英語を学び始めて1年ほど経過したら、子どもに英検5級を受験させてみましょう。合否よりもその学習過程で身につけられる「効果的な学習法」に価値があるからです。

小学生が英検を受験する場合は、問題集の選び方に注意しましょう。特に小学校低学年の子どもが勉強するときは、小学生向けの問題集を使用することをおすすめします。漢字にルビが振ってあるなど配慮が行き届いているからです。

1次試験の日から逆算して2か月前から準備を進めましょう。長期休暇を上手に活用すれば、小学生でも充分に合格できます。

問題集を何度も繰り返しながら、少しずつ深く学べるように子どもを導きましょう。最初のうちはなかなか意識できないことでも、常に意識させるように促せば少しずつ習慣化されていきます。質の高い学習が身につくと、将来子どもの英語力は飛躍的に伸びます。

最初の検定試験なので、子どもは負担に感じるかもしれません。できればお母さんも一緒に受験してライバル的な存在になりましょう。「お母さんに負けたくない!」という気持ちが子どもをやる気にさせます。

知る人ぞ知る「英語発音検定」を受験しました

「英語の発音が悪いので、子どもの前であまり英語を話せない」と発音に苦手意識を持っているお母さんはいませんか? 発音に自信のない日本人はかなりいますが、私は「あまり気にしなくてもよい」と感じます。

日本人が目指すべきは「相手がストレスなく聴き取れる」発音を身につけることであり、ネイティブのような発音ではありません。あなたの英語の発音が悪くても、その後の学習過程で他人の英語をたくさん聞くので心配し過ぎなくても大丈夫です。

ただ、これまで自分の発音を客観的に測定してもらったことのあるお母さんはほとんどいないでしょう。また、子どもの英語を聞いていて「何か違う」と感じていても、どこをどのように改善したらいいのかよくわからないお母さんもいるはずです。

今回紹介するのは「英語発音検定試験」です。初耳のお母さんがほとんどと思いますが、2012年に発足した国際英語発音協会が主催する英語の発音に特化した試験です。

内容的に英検3級レベルから受験可能です。英語学習中の子どもはもちろん、子どもに絵本を読み聞かせ中のお母さんも一度受験しておくと、その後の発音改善の大きなヒントを得られます。

せっかくなので私も「英語発音検定試験」を実際に受験してみました。その体験記と併せて「英語発音検定試験」について解説します。

英語発音検定とは

ほとんどのお母さんは「英語発音検定試験(以下、発検)」について聞いたことがないはずです。実は私も知人に教えてもらうまで、一度も聞いたことがありませんでした。

英検やその他の検定試験と比較して、発検は「進学や就職で有利になるもの」ではありません。外に向けてアピールするのではなく、「自分の英語の発音をより改善するための指針を示すもの」です。

知名度の低い検定試験なので、はじめに概要を説明します。

主催団体

発検の主催団体は「一般社団法人 国際英語発音協会(English Pronunciation Association)」です。2012年に設立された比較的新しい団体で、ホームページを見るととてもシンプルです。

英語発音検定

大阪に所在地があり、顧問の中には大手予備校のカリスマ講師として有名な安河内哲也さんがいらっしゃいます(俳優の大泉 洋さんそっくりです)。

設立の趣旨

国際英語発音協会サイトのトップページに設立の趣旨が掲載されているので、一部を引用します。

主たる活動は英語発音検定試験(EPT)の実施及び英語発音指導士®の養成、認定です。 近年、英語教育の中でもスピーキングの重要性がクローズアップされています。しかし、そのスピーキングの基礎となる「英語発音」、「イントネーション」、「相手に通じるかどうか」のレベルを確認する手段が限られていました。結果として、自身の弱点を理解し、レベルアップのポイントを見つけることが難しいという声を耳にします。 当協会の発音検定は「ネイティブスピーカーにとっての聞き取り易さ」を出来るだけ客観的に判定し、受験者の長所、短所をお示しすることに主眼をおいています。 世の中に英語発音のメソッド、指導者は数多く存在します。しかし、指導者の発音レベル、指導方法について一定レベルに達した方を指導者として認定する機関はありませんでした。 当協会は特定の発音メソッド、指導方法を推奨する機関ではありません。一定レベルの英語発音を備えた方を対象に研修を通じ英語発音指導の要領を理解いただき、研修終了者を英語発音指導士®として認定します。

国際英語発音協会サイトより一部引用

「検定試験の実施」と「英語発音指導士の養成・認定」が活動内容の2本柱です。英語教育に携わる人以外、後者は関係ありません。

確かに英語の発音だけにフォーカスして、指導者の発音レベルや指導法について認定する機関は他に聞いたことがありません。

小学校でも英語教育が実施されている中で、小学校の先生もこの資格を取得しておけば保護者も安心して英語教育を任してくれるようになるかもしれません。何よりも自分が自信を持って大きな声で英語を話せるようになるのがメリットです。

試験の形態

肝心の検定試験には、3つの受験形態があります。

*会場受験

東京または大阪、いずれかの会場で決められた時間に受験をします。

*オンライン受験

会場受験が難しい人のためのSkypeを使用した試験です。

*団体特別受験

書類審査で事前に認可された団体が指定した日時や会場で受験できるシステムです。最低5名から可能です。

会場受験 オンライン受験 団体特別受験
場所 東京または大阪 自宅で受験可能 団体が指定
日時 協会が指定した日時 リストから自分で選ぶ 団体が指定
費用(税込)

*前払い

4,860円

詳細審査は9,720円

4,860円

詳細審査は9,720円

4,860円
必要なもの 身分証明書 身分証明書 身分証明書
備考 年3回開催 パソコン、ヘッドセット、インターネット環境が必要

PayPalによるカード決済も可能

5名以上から受験可能

上記の表で確認できるとおり、オンライン受験が最も手軽でおすすめです。試験時間は5分強で終了するので、そのためにわざわざ遠方から会場まで移動するのはおっくうです。

2つの試験と評価について

「発検(English Pronunciation Test:EPT)」は初見文、課題文などを音読する形式のテストです。「〇級合格・不合格」ではなく、100点満点で測定されます。

2018年2月からは英語初心者のために「EPT Basic」が開始されました。英検3級程度のレベルなら、EPT Basicを選びましょう。

EPT EPT Basic
対象レベル 150文字ほどの英文を初見で読める力のある人 例題の単語と簡単な英会話が読める方
問題1 簡単な英語の質問に答える 簡単な英語の質問に答える
問題2 アルファベットの読み上げ アルファベットの読み上げ
問題3 短い会話文 単語ペアを15個音読
問題4 初見の英文(100ワード強)を30秒間黙読してから音読 単語15個を音読
問題5 課題文3つのうちから1つを指定されて音読 会話文を音読
問題6 フレーズを10個音読

ホームページから評価ポイントを引用してみます。

特定地域のアクセント(アメリカ英語など)に限定せず、いかに多くの聞き手にとって分かりやすく自然に発話されているかを、個々の発音、リズム、イントネーションなどの側面から多角的に判定します。試験終了後にはスコアと共にコメントを付けてお送りしますので、今後の学習に役立てることができます。

 

国際英語発音協会サイトより引用

つまり、ネイティブのように発音することではなく、多くの聞き手にとってわかりやすく自然に発話されているかが評価されます。国際語として英語を使うときには、とても大切な観点でありきちんとツボを押さえていると感じました。

###英検3級ならEPT Basicがおすすめ

子どもが英語を学んで小学校6年生までに英検3級を取得できたら、大成功といえるでしょう。一般的に英検3級は中学校卒業時に到達しているのが望ましいとされているレベルです。

普通の小学生にはハードルが高いですが、もしこのレベルに到達しているなら一度EPT Basicを受験してみることをおすすめします。

発音に関しては大人になってからよりも、若いうちに修正したほうが圧倒的に短時間で済むからです。目的はノンネイティブの人々にもきちんと伝わる英語の発音を身につけることです。

中学に行く前に客観的に自分の発音の評価をしてもらえば、早い段階でより理想的な発音ができるようになります。

EPTでもEPT Basicでも、スコアと一緒にコメントがつくので学習に役立てることができます。より詳細なレポートが欲しい場合は、「詳細審査」が可能です。ただし、受験料は2倍になるので普通の学習者には不要でしょう。

オンライン受験体験記

知人から「発検」の存在を聞き好奇心がムクムクと沸き上がった私は、すぐに申し込みを決意しました。EPTの詳細審査で受験料は9,720円でした。詳細審査にしたのはより細かいレポートが欲しかったからです。

会場受験でも良かったのですが、時間節約のためにオンライン受験を選びました。

予約方法

国際英語発音協会のサイトから受験予約はできます。支払いは口座振替またはPayPalの決済システムを利用してクレジットカードでの決済も可能です(オンライン受験のみ)。

申込と支払いが終わると登録したe-mailのアドレスに「発検受験受付完了のお知らせ」のタイトルでメールが届きます。そこに指定されたスカイプ名にリクエストするように指示がありました。

スカイプを使用する

オンライン英会話と同じく、Skype(スカイプ)というテレビ電話機能を持つアプリケーションを使用します。そのためインターネット環境とヘッドセット(下の写真参照:またはマイク付きのイヤホン)は必須です。

画面共有により問題文を見る都合上、画面の小さいスマートフォンでの受験はやめたほうがいいです。最低でも画面の大きなタブレットかパソコンが必要です。

スカイプでは「音声だけで会話をする」か「映像と音声で会話をするか」選べます。発検では必ず映像+音声を選びます。受験生から試験官の顔は見えませんが、身分証明書の提示や画面共有機能を使うために映像が映るようにしなければいけません。

準備

数日前から3つの課題文の音読を練習しました。このうちの1つが出題されます。難解な英語は一切ありませんが、数字がところどころに登場したり、日本人に馴染みの薄い固有名詞(アメリカの都市名など)がちりばめられていたりします。

国際英語発音協会のサイト上には米国人男性と英国人女性による録音のサンプルがそれぞれの課題文にあります。私は米国人男性の音声を参考にして、それぞれ4回ずつ音読練習しました。これを3日間続けたので、ひとつの課題文につき12回練習したことになります。

普段なら問題なく読める英文です。しかし「パーフェクトに読みたい」気持ちが強くプレッシャーがかかるので、簡単な箇所でも詰まることがあります。モデルの音読スピードは比較的ゆっくりでした。それに合わせて飛ばし過ぎないようにセーブしながら練習しました。

当日

試験10分前にスタンバイを完了しました。始まるまでの時間は長く感じます。開始時間ちょうどにスカイプにコールが入りました。女性の声が聞こえ、身分証明書の提示を求められました。カメラに免許証を近づけて終了です。

試験は画面共有(双方で同じ画面が見られる)機能を使って、問題文を提示されます。始めは簡単な英語の質問に英語で答える問題です(ごく初歩レベルです)。名前と今日の日付は高確率で質問されるので、間違えないようにしましょう。

アルファベットがランダムに並べてあるものを一文字ずつ読みあげる問題は、簡単すぎてかえって緊張します。アルファベットを真面目に音読する機会はほとんどないので、脇汗が流れるのを感じました。

その後対話文を読みますがこれは難なく終了。疑問文のイントネーションを確認しているのでしょう。

続いて初見の英文の音読です。100文字強の長さの文章を最初に30秒黙読します。その後、音読を開始します。

「100文字を30秒で黙読する」を1分間で換算すると200文字のペースで黙読しなければならないことになります。かなりの英語上級者でないと最後まで読み切るのは不可能なペースです。

黙読の段階で確認しておくことは、「何の話か」「読みづらい単語はないか」くらいが精一杯です。

意識して大きめの声と落ち着いたスピードで音読することを心がけました。目立った失敗はなかったので、「実力は出せたかな」と感じました。

課題文は準備までに練習を積んだので問題なく読めました。

「結果は2週間以内にメールでお知らせします」と伝えられて、試験は終了しました。所要時間は6分程度でした。あっという間です。

こんなにすぐに終わるなら会場受験するメリットを感じられません。オンライン受験にして正解でした。

結果発表

受験からピッタリ2週間でメールにPDFが添付される形で結果が届きました。
発音検定スコア

スコアは85点(ハイレベル)。あと1点取れていれば「指導者レベル」だったので残念です。
発音検定スコアの見方
私はオプションで詳細審査をつけたので、細かいレポートがついてきました。

これによると、「母音のアの区別があいまい」なのと「アクセントの箇所をもう少し長めに発音する」の2点が指摘されていました。薄々は自分の弱点を感じていましたが、他の人からキチンと指摘されたので今後の参考になりました。

ちなみに、英検1級の2次試験に合格したときの成績表では発音の項目は9/10でしたので、かなり正確に評価されていると感じました。

音読トレーニングをしていれば、発音やイントネーションは上手になります

英語発音検定の活用方法

英語発音検定の受験動機は主に2つあります。ひとつは学習者が英語の発音を良くするヒントを得るためです。子どもやお母さんが受験するのはこのケースです。

もう一つは、主に英語を教える立場の人が「英語発音指導士」の資格取得を目的に受験するケースです。90点以上のハイスコアを出した人だけが受講できる講座を受けたのちに資格を得られます。

英語が得意な子どもが受験した場合の活用方法

英検3級相当の子どもが「発検」を受験した場合、スコアそのものに一喜一憂する必要はありません。そうではなくて認定証に掲載された「通じにくい音」「間違って発音されている音」を自覚できることに価値はあります。

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例えば上記の記号に赤字が入っていれば、thanks, three, Thursdayなどの発音が苦手であることがわかります。今後はこの音を意識して矯正していけば効率良く発音を改善できます。

「子どもに英語絵本の音読をしてみたい」というお母さんにも「発検」はおすすめです。直したほうがいい発音のポイントが客観的にわかれば改善できるからです。また、自己評価よりもよいスコアであれば自信につなげることができます。

ちなみに、スコアが86点以上は「指導者レベル」、71~85は「ハイレベル」、56~70「英語発話学習者平均レベル」とサイトで紹介されています。

子どもの受験者とお母さんなら「56~70点を目安に」頑張ってみましょう。

まとめ

英語関連の資格試験としてはかなりマイナーな「英語発音検定試験」は、比較的新しく発足した「国際英語発音協会」が主催しています。サイトでも述べられている通り、ネイティブのような発音ではなく、「誰にでも通じる発音」を目標に設定されています。

受験には「会場受験」「オンライン受験」「団体特別受験」の3つの形態があります。個人で受験するなら私のおすすめは「オンライン受験」です。理由は日時が選べて自宅で受験できるからです。

試験は受験者のレベルに合わせて、「EPT」または「EPT Basic(初心者向け)」のどちらかを選択します。

私は前者を実際に受験してみました。簡単な文章でも、読み間違えに細心の注意を払うので意外と緊張します。試験時間は6分程度であっという間に終了します。結果は2週間以内に通知されます。

認定証には受験者の発音の弱点や誤りにチェックが入るので、今後の自分の発音矯正にとても役立ちます。子どもだけでなくお母さんも受験してみると、子どもの前でも堂々と英語を発音できるようになるのでおすすめです。

発音は意識しないと改善されません。「発検」を受験することで、自分の発音に意識を向けるきっかけになります。気軽に受けられる試験なので、子どもと一緒にお母さんも受験してみましょう。

「英検Jr.」と「英検」の違い:子どもにどちらを受けさせる?

子どもを英会話教室などに通わせているママさんなら、英検Jr.の名前を聞いたことがあるでしょう。中には何度もチャレンジさせている、という家庭もあるかもしれません。

名前に付く「ジュニア」からして、英検の子分的な存在であることは何となくわかります。しかし、両者の違いをきちんと理解している人はそれほど多くないかもしれません。

また、「ウチの子どもにはどちらを受けさせたほうがいいのだろう」と迷うママも多いのではないでしょうか。

今回の記事では、

・英検と比較しての英検Jr.の特徴

・英検Jr.と英検のどちらを受けたほうがいいのかの目安

・英検Jr.の勉強法

について詳しく説明します。

英検と比較したときの英検Jr.の特徴とは

かつて児童英検という名称で知られていた英語の検定試験が、2015年から改名されたのが英検Jr.(英検ジュニア)です(正直、ネーミングは昔のほうが良かったのでは?)。

私の息子が通っていた英会話教室でも

「〇〇ちゃん、シルバー正答率〇〇% おめでとう!」

という掲示物をよく見かけました。

英検のような「〇級」ではなく、英検Jr.では「ブロンズ・シルバー・ゴールド」の3段階から選んで受験をします。成績が英検のように合否で判定されずに、英検Jr.では「正答率」で表示されます。

英語を習いたてのチビッ子に「受かった・落ちた」はちょっと酷なので、このような配慮がされているものと思われます。

英検Jr.は英語を読めない児童が受験することを前提とした試験なので、大人も受験する英検とは異なる点がたくさんあります。

英検Jr. 英検
合否判定 なし

ブロンズ・シルバー・ゴールドの中から一つ選択

正答率を表示

あり
問題 問題文を耳で聞いてイラストを見て選択する方式 普通のテスト
問われる状態 リスニングのみ 筆記

リスニング

スピーキング(合否とは関係なし)

合格の目安 正答率80%で次のレベルを受験 正答率60%~70%
難易度 リスニングに関しては英検5級よりもやや難 英文(文字)が読めないと解答できない
試験と検定料 オンライン版:いつでも

BRONZE: 2,300円

SILVER: 2,500円

GOLD: 2,700円

年3回

5級:3,000円

4級:3,600円

英検Jr.の特徴を列挙します。

・合否判定ではなく、BRONZE/SILVER/GOLDでの正答率を表示

・英語を読めなくても、マークシートに不慣れでも受験できる

・個人はオンラインで受験する

幼稚園の頃から英語教室に通っていると、子どもの英語力はどの程度なのか気になるものです。他の子どもと比べても意味がないので、英検Jr.のような検定試験があると客観的に子どもの英語力を測ることができます。

小学校4年生くらいだと、英検Jr.を受験するか英検を受験するかで迷うママさんも多いことと思います。実際、「〇歳からは英検!」と断言することは難しいです。

そこで、子どもに英検Jr.と英検のどちらを受けさせるか、の目安について説明します。

英検Jr.と英検のどちらを受けさせる?

未就学児である場合、テストの経験がないため直感的に答えられる英検Jr.の一択です。英検だと会場に行って受験するのが、親子ともに結構な負担です。

駅から会場まで歩いたり、マークシートに名前や受験番号を記入したり、試験終了まで親が待機したりと結構大変です。

その点、英検Jr.はオンライン受験が基本なので、自宅でリラックスしながら受験できるのでストレスがありません。

悩み始めるのが、英検Jr.のゴールドレベルになった小学3~4年生くらいの子どもです。フォニックス(スペリングと音の規則)の基礎を学習して、少し英文が読めるなら英検5級も受けられそうです。

基準は、簡単な英語を読めるかどうかです。今は公立小学校でも小学3年生から英語の学習をしています。アルファベットはもちろん、簡単なフォニックスについても扱われています。

フォニックスとはスペリングと発音の規則のことです。厳密には例外だらけの緩い規則ですが、フォニックスにある程度慣れていると文字が読めるようになります。

3文字の基本的なフォニックスを8割以上正確に読めるなら、最初から英検5級を受けてもいいかもしれません。

map, cut, lot, set, win, dot, fix, get, jet, not

これらの単語が初見で正確に読めるなら、文字からの学習が可能です。1年くらいゆっくりと計画を立てれば、英検5級はそれほど難しくないでしょう。

英検Jr. か英検の受験で迷ったときの基準をまとめます。

・未就学児(小学校入学前)なら、英検Jr.

・3文字の英単語が読めるなら、最初から英検5級

これら2つの基準で決めれば、子どもに過剰な負担を強いることなく英語検定試験を受けさせることができます。

英検Jr.の勉強法

Amazonで英検Jr.と検索すれば、紙のテキストがヒットします。これらを使ってもまったく問題ありません。

しかし、英検Jr.では「英文が読めない子どもたち」を対象としているのと、実際の試験はオンライン版が中心なので、オンライン教材を利用するのがよいです。

英検の公式ホームページでは、ラーニング(学習)とテストがパックとなったオンライン教材が紹介されています。ラーニングのみ、テストのみの購入も可能です。

*英検公式ホームページより抜粋

ただし、ラーニングとテストのパックを購入したほうが割安なので、ほとんどの人はパックを購入することになります。

ここではサンプル問題が紹介されているので、パソコンを用意して子どもにやらせてみましょう。

ゴールドになると、最初の一語から集中して聞いていないと何を聞かれたかがわからず、正しく答えられません。特に、疑問詞(Wh-, How)は意味をすぐにわかるようにしておく必要があります。

このような訓練も、パソコンを使いながら楽しく学べるようになっています。このような理由から、紙のワークブックよりも最初からオンライン版の教材を利用することをオススメします。

試験勉強ばかりではバランスが悪いので、落ち着いたら↓のような教材もおすすめです。

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まとめ

英検Jr.はまだ英語が読めない年齢の児童を対象とした英語の検定試験です。文字がよめなかったり、マークシート方式の解答方法に不慣れでも、音声を聴きながら直感的に答えられるように配慮されています。

小学3年生くらいになると、英検Jr.と英検5級のどちらを受けさせたらいいのか迷うところです。このようなときは、3文字の簡単な英単語を8割以上正確に読めるかどうかを基準にしましょう。

読めるようであれば、1年くらい時間をかけて最初から英検5級にチャレンジしてもいいでしょう。

英検Jr.の勉強方法は、紙の参考書よりもオンライン版で提供されている有料サービスを利用したほうがいいです。

英検Jr.はほとんどの場合、オンラインで受験するので学習段階からパソコンを使って解答することに慣れていたほうがいいからです。

英検Jr.にしろ英検5級にしろ、あまり子どもにプレシャーをかけすぎないように注意しましょう。

まだ、英語学習を始めたばかりの段階です。楽しみながら学習を続けることが何よりも大切です。忙しいかもしれませんが、パパさんの協力も得ながらときどき子どもの学習も見てあげましょう。

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