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小学生のオンライン英会話で効果的な復習を

小学校での英語が本格的に始まり、高学年(5・6年生)には成績がつくようになりました。つまり教科として正式に英語が教えられることになったのです。

文部科学省の学習指導要領では、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を目標としてはっきりと掲げています。小学生から英語を「書く」技能が加わり、お遊び的な授業ではなくなりました。

また、小学校のうちに学ぶべき英単語数は600~700と定められています。私たち親世代が中学生だったころは、中学校の3年間で1000語だったのでかなりの前倒しといえるでしょう。

こうなると学校の授業だけでは理解が難しくなります。そこで学校外での英語学習についても検討するお母さんが増えてきています。

英語教室・学習塾・オンライン英会話など多様なサービスがあるなかで、今回は小学生の「オンライン英会話」を利用するための注意点について解説します。

オンライン英会話で小学生が効果を上げるための注意点

主にフィリピン人講師が教えるオンライン英会話には、送迎の手間が省け、インフルエンザなどの感染症の心配がいらないなどのメリットがあります。

オンライン英会話では、外国人講師の英語によるレッスンが一般的です。

そのため、基本的な英文法や英単語を知らなければ時間とお金の無駄になる可能性が高いです。以下、オンライン英会話を始められる基準と効果的な活用法について説明します。

オンライン英会話の前に、英検4級程度の文法力と単語を学ぶ

私がお母さん方におすすめしているのは、最初に英検4級程度の文法力と単語を学ばせることです。偶然ですが英検4級の合格に必要な単語数と小学校で目標とする単語数はほとんど同じです。

青:現在の必修語数、オレンジ:従来の必修語数。大幅に増量しているのがわかる

英検4級の合格に必要な主な文法は以下のとおりです。

be動詞の肯定文・否定文・疑問文

一般動詞の肯定文・否定文・疑問文

助動詞can

現在進行形

疑問詞(Whatなど)

過去形

未来表現(will/ be going to)

不定詞to doとdoing(~すること)

ちなみに英検4級の単語や熟語は以下のとおりです。

price(値段)

stamp(切手)

wrong(誤った)

arrive(到着する)

have a cold(風邪をひく)

leave A for B(Aを出発してBへ向かう)

become friends with(~と友達になる)

take a picture(写真を撮る)

いずれも基礎・基本ばかりです。文法や単語の意味を理解するだけではなく、例文がスラスラと口から出てくるようになっているのが理想です。

英文法を知らずしてオンライン英会話は効果が薄い!

英検4級は資格としては中途半端で正直人気のない級です。

しかし、ここで目標とされる文法事項をみると、英語の基礎となる大切な学習事項が含まれていることがわかります。

これらの文法を知らずに、いきなりフィリピン人講師のオンライン英会話を始めるとどうなるでしょうか。おそらく子どもはオロオロして時間が過ぎてしまうことは容易に想像できます。

反対に、英検4級レベルを理解していると、フィリピン人講師は生徒を適切にフォローしながらレッスンをすすめることが可能となります。

小学生はオンライン英会話で基礎英文法を徹底復習

もうひとつ、オンライン英会話を始める前に英検4級の取得をすすめる理由があります。それは、「オンライン英会話を英検4級の復習に利用する」ためです。

最初に英検4級に必要な文法や単語は日本人講師から学んでおきます。それからオンライン英会話で音(聞く・話す)にフォーカスした学習を取り入れます。

その時に、あえてその先の学習をするのではなく、これまでに習った文法事項をもう一度フィリピン人講師から学びます。

子どもはすでに習ったところなので、気持ちに余裕が生まれます。そうすると、音(聞く・話す)に集中できるようになります。そしてその過程でこれまでの学習事項をもう一度復習できます。

会社にもよりますが、比較的安価な授業料で週2~3レッスン受けられるところもあります。これだけ高頻度で復習すれば、基礎の定着には理想的です。

おそらく小学5年生からスタートすれば、このあたりで小学校を卒業するタイミングになるはずです。これなら中学校入学前の準備としては万全です。

英語嫌いにさせないための英語文法の学び方

英文法と聞くだけで、

「子どもが英語を嫌いになるのでは」

と心配するお母さんも多いかもしれません。

「3人称が主語で現在形のときには動詞にsをつける。それにはルールがあり、子音+yで終わる単語の場合は…」

確かに、英語の先生がこんな説明をしていたら、子どもは英語が嫌いになってしまうでしょう。

私ならそれを使った例文を何度も発話させることによって慣れさせる指導法をとります。

先ほどの例なら次のような例文を繰り返し音読練習させます。

I study English every day.

He studies English every day.

このような例文を何度も口に出して音読することにより、

「主語が私とあなた以外で単数のときは、動詞にsをつけるんだな」

「studyにsをつけるとstudiesになるんだな」

「every dayみたいに時間を表す言葉は最後につけるのか」

という知識が「使える状態」で学べます。このようにして文法の知識を使える状態で学ぶことにより、従来日本人が苦手だったとされる発信型の英語が身につくようになります。

もし、最初に文法の知識を学ばずにいきなりフィリピン人講師との英語のやりとりで英語を覚えようとすると、膨大な時間を無駄にしてしまいます。

「3人称が主語で現在形のときに動詞にsをつける」というたった一つのルールに気づくだけでも半年以上かかることは間違いありません。

文法は目的地までの時間を一気に短縮してくれる最高のツールであると覚えておきましょう。

オンライン英会話を始める前に、英検4級までの文法を誰からどのように学ぶか

英語の文法を理解するためには、国語で習う「主語」「述語」「形容詞」などの概念が理解できていることが前提となります。

小学校から返却されるテストを見て、これらのことが理解できていないようでしたら、問題集などできちんと攻略しておきましょう。

最後に英検4級までの文法を誰からどのように学べばいいのかについて説明します。

一番いいのはリアルな教室で、子どもの英語指導に慣れた日本人講師から学ぶことです。学習初期では英語の語順を学ぶのが最優先になります。このとき日本語と英語の両方を知り尽くしている先生から学ぶのが良いからです。

リアルな教室なら、子どもの反応が伝わりやすく、よりきめ細かい指導が可能となります。特にノートに英語を書いたときに先生がすぐにチェックできたり、目の前で発音の例を見せられたりすることは大きなメリットです。

もし、何らかの理由で通学が難しい場合はオンラインで指導が受けれるサービスを探してみるといいでしょう。オンライン英会話でも日本人講師がいて指導してくれるところがあります(人数が少ないので予約が取りづらかったり追加料金が発生したりする欠点があります)。

いずれにしてもテストの穴埋めや知識ばかりを詰め込むような古いやり方の指導者は避けるようにしてください。

私も小学校高学年(5・6年生)向けに「オンライン英語塾」を開催しています。興味のある方はお問合せいただければ、無料相談や体験授業を受けられます。

まとめ

英語ゼロの状態からフィリピン人講師が教えるオンライン英会話を始めても、小学生の子どもには難しすぎます。まずは、英検4級の合格に必要とされる文法と単語を身につけるようにしましょう。

英検4級は資格としてはあまり人気がありません。しかし、ここで学ぶことは英語の最重要項目が多数含まれていて、今後の英語の得意・不得意を左右するといっても過言ではありません。

初期の文法を学ぶには、リアルな教室またはオンラインで日本人講師から学ぶのが理想的です。知識として詰め込みテスト対策ばかりするようなスタイルではなく、文法を使える形で指導するタイプの教師が望ましいです。

オンライン英会話のサービスは、英検4級取得までに学んだ文法や単語の復習ツールとして活用すると、非常に効果的です。内容をある程度わかっているので小学生の子どもたちは「英語ができる・わかる」という感覚がつかめます。

また、フィリピン人講師が教えるオンライン英会話は比較的料金が安く、高頻度(週数回)のレッスンを受けることも可能です。そうすると英語の基礎の定着は格段に良くなり、中学入学前の準備が万全となります。

小学校での英語教育が本格化しています。家庭での取り組みが英語を伸ばせるかどうかの鍵になりますので、長期的な計画を立てて取り組むようにしましょう。.

小学生の英検2級体験記:帰国子女の英語力保持に英検を活用!

小学校で本格的に英語が導入されています。我が家には小学4年生の息子がいて、彼も英語の授業を受けています。帰国子女で英語も年齢相応にはできるので、得意の英語力を活かして楽しく授業を受けていると私は思っていました。

ところが、学校での様子を聞いてみると、彼が英語力を発揮する機会はほとんどないようです。日本では英語を使用する機会がほとんどなく、授業中でさえもあまり英語を使えていない様子です。そのため息子は英語に関する自己評価が低下している様子でした。

そのときに思いついたのが英検の受験です。帰国子女の英語力保持や英語学習へのモチベーションアップのためにも、英検を受験してみることは有効ではないかと考えました。ここでは息子が英検2級を受験したときの様子や効果について詳しくレポートします。

帰国子女の英語力保持に英検を活用

帰国子女といっても彼らの英語力はひとくくりに語れません。海外の学校に通っていた期間や本人の学力によって大きく変わるからです。

また、帰国したときの年齢も英語力を測るうえで重要です。英語で読書ができる前に帰国してしまうと、音声(聴く・話す)から覚えた英語が中心です。音から覚えた英語は、文字を学習した後と比較して忘れやすい特徴があります。

海外の学校(現地校やインターナショナルスクール)に小学校の低学年で入学し、2年以上在籍して年齢相応の読書ができる子どもならかなりの英語力を期待できます。一般的にネイティブの小学6年生は、英検1~準1級レベルといわれています。

努力して覚えた英語なので、「帰国後も英語を忘れないようにさせたい」と願う帰国子女のお母さんは多いはずです。しかし、帰国子女が日本で英語を使う機会はほとんどありません。意識的に努力しないと英語力の保持は難しいのが現状です。

帰国子女の帰国後の苦労

我が家にはマレーシアのインターナショナルスクールで3年半(Year 2~5:およそ日本の小学1~5年に相当)学んだ息子がいます。成績は中の上で、英語によるコミュニケーションは問題ありませんでした。

小学4年生の4月に帰国しました。通っている学校は普通の公立小学校です。この時期に帰国したのは、日本人としての国語力をつけることを優先したからでした。

海外にいるときから国語(日本語)の勉強は続けていたので、帰国後も国語はほとんど問題なく対応できています。

しかし、問題は英語でした。学習指導要領の改訂により公立小学校でも英語の授業が導入されています。「他の生徒よりも英語ができるので楽しいだろう」と私は予想していました。しかし、息子の反応は意外なものでした。

どうやら英語の授業中に発言させてもらえないらしいのです。どんなに手を挙げても先生は目を合わせず、遅れて遠慮がちに挙手した別の生徒を指名するそうです。

私には先生の行動を理解できます。いつも息子ばかりを指していたら他の生徒が発言する機会を奪うことになります。このため、授業中に息子が英語を話す機会はほとんどありません。せっかくの英語の授業は「ストレスのたまる時間」になってしまいました。

1学期が終了し、通信簿を持って帰りました。ABCの3段階で各教科の観点別に評価が並んでいます。何気なく見ていると、英語の評価欄に目がとまりました。なんと「外国の文化や習慣に関心がある」がB評価だったのです。

5歳でマレーシアに移住し、英語環境に適応しようと努力していた息子の姿を毎日見ていた私には信じられない評価です。

私は息子には「気にするな」と言いました。しかし、日本の小学校には息子が自分の英語力に自信を感じられる機会や場所がありません。現状を打破するために思いついたのが「英検の受験」でした。

英検を取得すれば自信につながる

私は長いこと英語学習を続けてきましたが英検には無関心でした。資格試験対策ばかりに固執して小手先のテクニックに走るのは邪道だと思っているからです。そのため一度も受験したことがありませんでした。

しかし、息子が英語力に自信を感じられない状況は早急になんとかしなければと感じました。そこで夕食時に英検の受験を息子に提案しました。

息子は最初、あまり乗り気ではありませんでした。しかし、妻が「お父さんも英検1級を受けるから」と提案したとたん、彼の目の色が変わりました。私に対してライバル心を燃やし始めたのです。

妻の提案が功を奏し、息子は英検の受験を決心しました。今年2回目の英検まで2か月あったので、準備期間は充分でした。ちょうど夏休みが始まったところだったので、暇な時間を有効活用できます。さっそく申し込みをすることにしました。

小学生が英検2級に合格するための対策と勉強法

英検の出願は英検のホームページ上から完結します。
英検HP

息子の受験級は「英検2級」を選択しました。IDやパスワードを入力して、クレジットカードで支払いを済ませるだけです。このときのデータは後で大切になるので、忘れずに記録しておきましょう。

息子の英語力から「英検準1級でも合格できる」と思いましたが、あえて2級に決めました。理由は2つあります。

まず、英検2級の筆記試験で扱われる英単語には小学生には理解が難しいものが多数含まれているからです。例えば、insurance は名詞で「保険」の意味です。小学4年生では保険がどういうものなのか理解は難しいでしょう。

「insurance=保険」と訳語を暗記することは可能です。しかし、それでは単語を理解したことにはなりません。年齢相応に少しずつ教養を深めながら、単語の理解をすることが大切です。

試験の中で単語力は一要素にすぎないので、英検準1級の取得も可能です。ただ、これらの言葉をきちんと説明できるように教養を深めてから準1級を受験させたいと考えました。だから足場を固める意味でも2級からが妥当であると判断しました。

二つ目の理由は、成功体験を積ませるためです。準1級にチャレンジして不合格だった場合、息子の英語学習への意欲がそがれる可能性があったからです。小学校で活躍できず英検でも不合格だったとしたら、やる気を失いかねません。

これらの理由から、息子が余裕で合格できる英検2級を選択しました。英検2級の平均合格率は約25%といわれていますが、小学生の受験者で絞ると40%が合格しているようです。これは帰国子女の割合が多いことが主な要因ではないかと推測されます。

スクール探し:小学4年生から参加できる英検2級講座がない!

私は仕事で忙しいので、息子の英検対策を見てあげられません。そこで、近所の英語スクールの夏期講習に通わせることにしました。

しかし、ここで思わぬ苦労をすることになりました。小学4年生が参加できる英検2級対策のスクール(塾)が見つかりません。英検2級は高校卒業程度のレベルです。受験者の多くは高校生です。そのため講習は中学生以上に限定しているところばかりでした。

「自分で教えるしかないか…」とあきらめかけていたとき、最後に問い合わせをしたのが埼玉県を中心に展開する「サイエイ・インターナショナル」でした。事情を説明すると、体験レッスンに参加してレベルチェックをすることを条件に認めてくれました。

サイエイ・インターナショナル
さっそく指定された日時に息子を連れていき、体験レッスンを受講させました。一日のレッスンは2時間です。前半は日本人講師によるレッスンで、後半は外国人講師による英語でのレッスンです。

レッスン終了後、「英検2級で問題ないです」と講師からお墨付きをいただきました。その場で、5日間の夏期講習を2回分(合計10日間)に申し込みました。入学金はサービスしてもらい、約3万円の講習料でした。

講座の開設時間は中高生に合わせて19~21時の時間帯でした。小学生にはやや遅いですが、これは妥協するしかありません。

英検2級対策講座の様子と使用テキストについて

息子の普段の英語学習について説明します。帰国後は週1回(50分)のオンライン英会話(帰国子女向け)を継続しています。また、英語での読書はほぼ毎日続けています。土日はサッカーで忙しく、学習塾には通っていません。

サイエイ・インターナショナルの夏期講習が始まると、積極的に通い始めました。久しぶりに自分のレベルにあった英語のレッスンを受けられたので、うれしかったのかもしれません。

授業の様子をたずねると「俺しか手を挙げていないのに、先生が指してくれない」と、また同じ悩みを語りだしました。

ただし、授業後に外国人講師から「君ばかり指したら他の人が答えられなくなってしまうから、少し我慢してね」とフォローがあったようで、息子は納得している様子でした。

私は英語学習に関して口を挟むことはしませんでした。夏期講習で使用するテキストを確認すると、小手先のテクニックではなく本質的な理解を目指した授業をしていることが見て取れました。

英検2級では文法の問題も出ます。たまに誤答していましたが、おおむね良好でした。文法に関してはマレーシアにいたときに『Essential Grammar in Use』(写真)を使用して、1年かけて取り組んでいました。文法学習の問題集として非常に優れた良書です。
Essential Grammar in Use
自然な例文が充実しているのが特徴です。文法や語法の問題の正答率が高いのは、このときの学習の成果だと思います。

夏期講習に通わせて良かったことは2つあります。一つ目は、英検の「試験形式」に慣れたことです。選択肢から選んだり、リスニングテストがどのように実施されるのかを理解したりしておくことは大切です。

二つ目は、Writing(ライティング)対策のテキストの完成度の高さです。さすがに英検を軸にしている英語スクールだけあって、教材が洗練されています。エッセイ形式に不慣れな日本人学習者でもわかりやすく学べるように配慮されていました。
サイエイのテキスト

夏期講習終了後に先生と雑談すると、「ライティングの模擬試験をして最後まで書ききったのは息子さんだけでした」とほめてもらいました。稚拙な内容でも解答用紙を埋めようと努力したことを私もほめてあげました。

小学生のための英検2級必勝法

先述のとおり語彙力の面で、小学生はどうしても不利な面がでてきます。これをどのように他の能力で補うかが英検2級合格のポイントです。

まず、音声面を徹底的に鍛えることです。リスニングの内容には難しい単語はほとんど使われていません。つまりきちんと聴き取りができれば、簡単に答えることができます。帰国子女の場合、音声面は強いのでリスニングはほぼ満点が狙えます。

そして最も重要なのは、リーディング力です。語彙力は多少不足していても、それを補う速読力・多読力を徹底的に鍛えておきます。これは普段から年齢相応の英語での読書習慣があるかどうかがカギになります。
Harry Potter
文字を読むスピードが速ければ、ライティングに時間をかけることができます。テーマが小学生にとって難しくても、構成を考える時間が充分に取れれば完成させることができます。

数百ページの本を日常的に読んでいれば、英検の試験問題の長文などは「長い」と感じません。知らない単語に出会っても前後の文脈から類推する能力が高く、語彙力不足をカバーすることができます。

帰国子女ではない普通の小学生が英検2級に合格するのはかなり難しいのは事実です。しかし、充分な読書量とナチュラルスピードの英語に慣れておけば勝機が見えてきます。

リスニングが弱い子どもには、こちらの動画セミナーがオススメです。

小学生が英検2級に合格するためにお母さんができること

子どもの英検受験のためにお母さんができることは、「夏期講習の送迎」と「子どもをほめたり励ましたりする」だけです。たったこれだけのことで、子どもは前向きに勉強に取り組みます。

もう一つ子どものやる気に刺激を与えたのが、私(父)の英検1級受験でした。息子は私を打ち負かしたい一心で、一生懸命に勉強していました。
英検1級受験票

家庭でできるサポートとは、気持ちよく送迎をしてあげることや、ほめたり励ましたりすることです。また、親子で受験して適度に競争心をあおるのもとても効果的です。お母さんも(お父さんも可)面倒くさがらずに、一緒に英検にチャレンジすることをオススメします。

英検2級1次試験の当日の流れ

いよいよ英検の当日です。息子の2級と私の1級は午後からスタートなので、午前中は自然と英検の話題になります。

普段はあまり細かいことを気にしない息子ですが、さすがに落ち着かない様子です。不安に思っていることを聞き出すと「ライティングができるか不安」ということでした。

今まで私は英検の指導は一切しませんでしたが、最後に私から「ライティングのコツ」を教えることにしました。

・ライティングのコツをおさらい

英検2級では与えられたテーマについて自分の立場(賛成・反対)を明らかにします。そして理由を2つ挙げて、自分の主張を80~100語でまとめることが求められます。

インターナショナルスクールではほとんど毎週、簡単なエッセイの宿題を出されていたので書くことには慣れているはずでした。しかし、時間制限のあるテストには不慣れです。そこで、短時間でまとめるコツを伝えました。

まず、与えられたテーマをよく読んで理解します。それから余白に簡単な表を作成して、理由を挙げていきます。このときの理由は賛成でも反対でもかまいません。思いつく順番にメモを取っていきます。

このとき、書きやすいほうを書いていきます。これが制限時間内にライティングを仕上げる究極のコツです。

例えば「企業の在宅勤務は将来増えるとあなたは思いますか」というテーマが与えられたら、下の図のようなメモを取ります。

英検2級ライティングメモ

この場合、2つ以上の理由を挙げられたのは賛成側(そう思う)なので、こちらの立場を選択します。さらに、3つの理由のうち書きやすい2つに絞ります。上記の例では「通勤時間を節約できるから」と「交通費を節約できるから」を取り上げるのが最良の選択です。

字数が不足しそうなら、「For instance, …(例えば)」を使用して、具体例で肉付けすれば大丈夫です。

ライティングに必要な表現のパターンはサイエイの夏期講習で教えてくれました。

I think 自分の立場.  (私は~のように思います)
I have two reasons to support my opinion.(私の意見を支持する二つの理由があります)
First,… Second, …. (ひとつめは~。二つ目は~)
For instance, 具体例.(たとえば、~)
For these reasons, I think 結論.(これらの理由から私は~と思います)

これらの表現はほぼ暗唱していたので、あとは当てはめるだけで完成です。

字数をカウントしやすいように、大きめの字で1行につき7~8文字で書くように指導しました。こうすれば、掛け算で簡単に字数を計算できるからです。最後に必ず最初から読んで、綴りや文法の間違いを見つけて訂正するように伝えました。

また、インターネットから過去の問題を探して、その場で理由を挙げる練習だけに集中しました。1時間ほどの学習でしたが次第に自信を取り戻した様子でした。

一方、1級を受験する英検初体験の私は何が出題されるのかまったく理解していませんでした。インターネットで出題される問題数や時間配分などを調べて、メモをとりました。

その様子を見て「今ごろ何をやっているの? お父さんは、完全に英検をなめている!」と息子から非難され、私は苦笑するしかありませんでした。

小学生の英検受験者は保護者の付き添いが可能

試験会場は電車で二駅離れた高校でした。30分前には到着できるよう、息子・私・妻の3人で早めに家を出ました。このときに受験票と身分証は絶対に忘れないようにしましょう。
2級受験票

小学生が英検を受験する場合、解答用紙に個人データを正確に記入する必要があるので、保護者の付き添いが認められています。私は別会場で受験しなければならないので、妻にこの役をお願いしました。

10月としてはかなり暑い日で、駅から会場までの徒歩15分がとても長く感じました。駅から会場までの道は、受験者らしい人の長い列ができています。親子連れも多く、たくさんの小学生が英検を受験していることがわかりました。英検会場

会場に着くと、持参した受験票(写真付)に割印を押してもらいます。ここで付き添いの保護者には衣服に貼る保護者シールが配られます。
保護者シール

英検会場では混乱を避けるためにエレベーターの使用は禁止されています。2級は5階、1級は7階が会場でした。大量の汗をかきながら階段を上り、5階で息子と別れました。

子どもの受験者には保護者の付き添いが認められています。妻の話では、開始5分前までは子どもの机の隣に立ちながら、解答用紙に個人データを記入するのを手伝ったそうです。この記入が終わると保護者は退出して、指定された待合室に移動します。
保護者待合
待合室には各級のスケジュールが書いてあります。終了時間が近づくと、保護者は退出して会場建物の出口で子どもと待ち合わせをします。廊下で待つことはできないので注意しましょう。

英検3~5級を受験する子どもの付き添いがほとんどなので、2級が終わる頃には保護者の待合室は誰もいなくなっていたそうです。

・英検1級会場の様子

7階にある英検1級の会場に到着したころには、私は全身から汗が止まらない状態になっていました。教室に入ると、同じように汗が止まらない中年の受験者達が神妙な面持ちでラストスパートの勉強に打ち込んでいます。

スマートフォンの電源を切り、一冊も参考書を持ってこない私はすることがありません。仕方なく周囲を観察すると、ボロボロにすり切れた『英検1級単語集』を血眼になって読み返していたり、なぜか10年前のNEWSWEEKを熟読していたりする人がいます。

私の前にいる男性は、緊張のためか15分の間に3回もトイレに行きました。初めて目にする英検1級の異様な空気に唖然としながら、試験の準備をまったくしてこなかった自分を今さらながら猛省しました。

・親子とも英検の1次試験終了

英検1級は難易度が高いだけでなく、問題量が多いです。後半のリスニングもなかなか終わらず、正直「もう勘弁してください」という精神状態になります。「子どもを鼓舞するだけなら、準1級で充分では?」と妻を恨みました。

試験が終了して会場の外に出ると、先に試験を終えた息子と妻が待っていました。「英検2級の試験はどうだった」とたずねると「簡単だった」と自信ありげでした。直前にやったライティングが功を奏したようで、指定された字数で完成したとのことでした。

無理に英語を教えず、子どもから求められた部分だけを教えてあげたのはとても良かったと思います。

英検2級1次試験の結果発表と2次試験に向けて

英検1次試験の合格発表は2週間後の月曜日です。土曜日に学校行事があり、当日、息子は休みでした。試験の結果発表は午後です。結果が気になるのか、午前中はそわそわしながら過ごしていました。

・12時に父の結果発表

まず、12時からは1級の結果発表です。英検のサイトにアクセスして、IDとパスワードを入れると1次試験の結果が閲覧できます。

結果は予想に反して「1次試験合格」でした。私の合否には一切関心のない妻は、子どもと昼食中です。仕方なく子どもを呼んで合格の画面を見せました。子どもが妻に私の合格を伝えると「ウソでしょ」と妻の声が階下から聞こえてきました。

私が1次試験に合格する番狂わせがあり、息子は急に不安になってしまいました。2級の発表までの1時間、さらにそわそわして落ち着かない様子でした。

・13時に子どもの英検2級1次試験の合否発表

2級は受験者数が多いせいか、発表直後はアクセスが集中してなかなか合否発表が見られません。30分ほど放置して再びアクセスすると「英検2級1次試験合格」の文字がありました!
英検2級合格
英検バンドを見ると「+9」で、余裕で合格しています。英検バンドとは合格点を起点にして、25点刻みで±1で表示したものです。

今回2級を受験させましたが、合格を知ったとき息子は予想以上に喜びました。2級に合格しても冷めているのではと思っていたのですが、それは私の間違いでした。日本に帰国して初めて自分の英語に対して自信を取り戻せたことが大きかったのではと感じています。

2次試験の面接は、息子の得意分野なので特に対策はしません。暇なときに、過去問を使いながら数回練習してみるつもりです。

小学生の英検は、確実な級から少しずつステップアップしよう

今回の経験から、小学生が英検を受験するときは英検5級から少しずつステップアップすることをオススメします。どんな級でも合格すればうれしいので、その後の英語学習に好影響を与えるからです。

帰国子女でもいきなり準1級に合格すると、残りは1級しかありません。2級から始めて、細かく刻んだほうがモチベーションの維持には好都合です。

もし子どもが不合格でも、叱ったり非難したりするのは厳禁です。合否だけでなくCSEスコア(過去のスコアと比較して伸びを確認できる指標)や英検バンドに注目しましょう。受験ごとに少しずつ合格ラインに近づいていれば努力を評価してあげましょう。

私は英検の合否ばかりにとらわれる姿勢には今でも反対です。しかし、今回のように息子が大喜びしている様子を見ると、成長を確認しモチベーションを維持する点で、英検を受験することは効果的であると考えています。

英検2級2次試験(スピーキングテスト)と合格発表!

2次試験は最寄りの駅から7キロ以上離れた大学を会場に指定されました。会場で受付を済ませると、首から下げる袋を配布(写真)されます。これはスマートフォンなどを入れる袋で、スマートフォンを持っていなくても首から下げる決まりとなっています。
英検2次試験袋
控室で受験生は名前を呼ばれるまで待機します。その間に面接カードを記入します。ここまでは保護者の付き添いが認められています。記入後は保護者は保護者控室に移動して、子どもの試験終了まで待ちます。受付から試験終了まで約1時間でした。

さて、それから2週間後。インターネットで合格発表が確認できます(郵便でも送られてきます)。昼過ぎには発表でしたが、あえて息子が学校から帰ってくるまで待ちました。

IDやパスワードを入力して、試験結果を確認します。2次試験の出来があまり良くなかったらしく、少し不安気な息子でしたが「合格」の文字を見つけ大喜びでした。
英検2級合格
ちなみにCSEスコアは2242で英検2級には余裕をもって合格しましたが、準1級にはあと一歩届きませんでした。

予想通り、小学4年生では語彙のレベルがまだ未熟で出題内容にどうしても追いつかない部分が出てきます。例えば、2級でも「representative: 代理人」という単語は出てきますが、小学生では難しすぎて意味を理解できません。

英語・日本語にかかわらず、もう少し幅広い教養を身につけ語彙レベルを引き上げてから、準1級を受験したほうがいいと改めて感じました。

ちなみに、私も1級に合格しましたが、家族の反応は今ひとつでした(結構大変なんですけれどね)。

まとめ

帰国子女の英語力保持は、お母さんにとって悩みの種です。小学校で英語の授業が正式に導入されていますが、帰国子女のモチベーションを維持するのは難しいです。

このような場合、子どもの英語力に見合った英検にチャレンジさせることは、帰国子女にとってよい刺激になります。必要に応じて近所の英語スクールに通いながら、試験に向けて準備を進めましょう。

お母さんができることは、子どもをほめたり励ましたりすることです。また、お母さんかお父さんも同じように英検にチャレンジすると、子どもの競争心を刺激していい結果につながります。

帰国子女ではない小学生でも、英語学習のモチベーションアップや学習進度の確認の点で、英検の受験は大変効果的です。子どもの場合、英検5級から少しずつステップアップしたほうが、子どもは合格の喜びを多く味わえます。

英検では4技能(聴く・読む・話す・書く)をバランスよく試されます。2次試験ではスピーキングテストが課せられるので、普段からアウトプットの機会を確保しておくことが大切です。オンライン英会話を利用すれば時間や場所に拘束されず、比較的安価で続けられます。

級が上がるごとに自分の英語力の進歩を感じられるのが英検の良さです。「〇級なんて当たり前」と思わずに、合格の喜びを家族全員で共有しましょう。

子どもの英会話教室の決め方・選び方を現役講師にインタビュー

「子どもの英会話教室はたくさんあるけれど、一体どれを選んだらよいのかわからない」という悩みは私の周りのお母さんからよく聞きます。我が家でも子どもが幼稚園の頃、英会話教室を探したことがありその気持ちはよくわかります。

当時、手当たり次第に体験レッスンを受けさせましたが、効率が悪かったと反省しています。やはり事前に英語教室の決め方・選び方に関して「基準」を持っておくことが大切です。

今まさに英会話教室選びで悩んでいるお母さんのために、現役の子ども英会話教室のA先生にインタビューしました。A先生は私の妻の友人で、教室の宣伝とは一切関係なく承諾していただけました。
インタビュー
A先生は現在、自分の英会話教室を経営されながら、小学校で導入された英語の授業の講師としても活躍されています。ご自身は大学時代カナダに留学経験があります。

名前や場所を非公開にすることを条件に、インタビューに応じていただけました。これから子どもの英語教室を探しているお母さんの参考になるように、次のポイントについて詳しく話をうかがいました。

・子どもの英語教育はいつから始めるのがいいのか
・子どもの英会話教室の選び方について
・子どもの英語力を伸ばす方法は何か

インタビューでは、長年の経験に裏付けされた貴重な意見を聞くことができました。これから子どものために英会話教室を探そうとしているお母さんにとって役立つ情報が満載です。

*インタビュアー(私)は管理人と表記します。

子どもの英語教育はいつから始めるのが正解か

・管理人
それでは、よろしくお願いします。はじめに「子どもの英語教育はいつから始めたらいいのか」について教えていただけますか。一部の意見では「小さい頃の英会話は無駄」という話を聞きます。それについてはどう考えていますか。

・A先生
はい、まず3歳以降なら無駄になることはありません。英語学習の開始年齢については、私は何歳から始めても大丈夫だと思います。

ただ、幼稚園から始めた子どもは英語の音に強くなる傾向があります。具体的には、リスニング力が高く、強く発音されない「複数形のs」をしっかりと聞き取ることができます。

小学6年生から始めた子どもでも、「中学校に入る前に英語を好きになれてよかった」と言ってくれています。だから何歳から始めても無駄になったり手遅れになったりすることはありません。

・管理人
音だけで学んだ英語は忘れやすい特徴があります。文字(リーディング・ライティング)を学習に取り入れていくのは何歳くらいからですか。

・A先生
年齢に応じて英語へのアプローチを変えるのは当然です。

私の教室では幼稚園までは読み書きはほとんどしません。アルファベットを見て認識できる程度です。小学1年生でアルファベットを仕上げ、歌いながらフォニックスの基本を身につけます。3文字の単語(web, top, cupなど)は1年生のうちに読めるようになります。

・管理人
文法に関しては小学校5年生くらいにならないと理解は難しいと思います。こちらの教室では英文法をどのように扱っていますか。

・A先生
そうですね。中学校と違っていきなり過去形も現在形も三人称単数現在形のsも混在するテキストを読みます。文法は大雑把な理解を目指しています。小学4年生くらいまでの子どもには「完璧な理解をしないと気持ちが悪い」という感覚はあまりありません。

5年生以上で文法に関して「なぜ」と質問をしてきた子どもには、個別に説明をします。中学校で文法の授業を受けて「ああ、そうだったんだ」と納得できればいいのではないでしょうか。

やはり中学入学前までに英語を始める意義は「英語を好きになる」ことに尽きます。これができなければ子どもに英語教育をする意味はありません。

・管理人
小学校高学年になると照れ臭さから英語の歌を歌わなくなったりゲームに積極的に参加しなくなったりする傾向があります。A先生はどのように対処されていますか。

・A先生
それはよくあります。特に親の参観日は、普段は無邪気に参加しているのに急に大人しくなる子どもは多いです。そういうときに無理強いはしません。本心は楽しいけれど、親を意識して関心がないふりをしているだけだとわかっていますから。

・管理人
小学校高学年から入ってきた子どもが、英語らしい発音をするのに抵抗を示すことはありませんか。

・A先生
ありません。小さい頃から英語を始めた子ども達に囲まれると、「自分も同じように発音しなくては」と意識するようです。英語らしい発音をすることには抵抗は感じていません。

もし周囲が日本語っぽい英語しか話していなければ、英語らしい発音をすることに抵抗を感じるかもしれません。

・管理人
興味深い話です。英語に対する恥ずかしさではなく、周りのクラスメイトと同じようにするという意識のほうが強いようですね。英語が得意な子どもに囲まれたほうが上達も早くなるのでしょう。

これは英会話教室に通わせる大きなメリットかもしれませんね。習熟度別のクラスではなく、あえて英語が得意な仲間に囲まれてみるのも刺激になっていいのかもしれません。

子どもの英語教室の決め方・選び方

・管理人
では、子どもの英語教室の選び方についてお伺いします。もしAさんが自分の子どもをこれから英語教室に通わせたいとき、どのようなポイントに注目しますか。

・A先生
体験レッスンを通じて、お母さんもお子さんも両方が「ここがいい」と感じるところが理想です。

・管理人
かつて私の子どもを英会話教室に入れたとき、大泣きで最初の2回くらいはレッスンにならなかったことがありました。けれども、先生が根気よく対応してくれて徐々に楽しく通うようになりました。

私は無理矢理通わせてしまいましたが、最初に親子で意見が一致しないときはどうしたらいいでしょうか。

・A先生
それは大変でしたね。私の教室でも泣き続けて体験レッスンにならなかったことがあります。そのときに大切なのは、先生がどのような対応をしてくれたかを観察することです。

トラブルがあるほうが先生の実力が見えます。根気よく楽しませようとしてくれる先生なら、しばらくすれば子どもは楽しく通えるのではないでしょうか。

・管理人
では、大手の英会話教室と小規模の教室のそれぞれの長所と短所について教えてください。

・A先生
大手の英会話教室は、教材が研究され尽くされているところがいいと思います。個人で経営しているところは、その先生の考えや実力がすべてなので当たり外れが大きくなるかもしれません。

・管理人
英語が苦手なお母さんでも判断できる英会話教室選びの基準はありますか。

・A先生
先ほどの話と重複するかもしれませんが、先生のとっさのときの対応力を見るべきだと思います。レッスンにはマニュアルがあります。しかし、子どもが想定どおりに答えなかったり機嫌が悪かったりするときに、先生がどのように対応するかはとても大切です。

マニュアル通りに進まなくても機転を利かせて、レッスンを進められる先生は頼れると思います。英語力も大切ですが、講師の人間力はもっと大切です。

英会話教室を選ぶときの注意点:月謝・振替授業の有無・教室の場所

・管理人
先生の能力以外に、子どもの英会話教室について確認しておくべきポイントはどんなことでしょうか。

・A先生
振替授業に対応してもらえるかどうかは大切です。子どもは体調を崩すことも多く、振替ができないと授業料が無駄になってしまいます。

月謝と教材費、初期費用や施設使用料などもきちんと確認しておきましょう。月謝だけを比較してもトータルで比べないと、きちんと比較したことになりません。もっと正確に比較するなら、年間の授業回数を確認して「授業1回あたりのコスト」で比較することが大切です。

車で送迎する必要があるときは、駐車場や車を一時停車できるかどうかも確認したほうがいいでしょう。自転車で通うなら駐輪場の確認も必要です。

英会話教室には設置場所によって2つのタイプに分かれます。私のように個人宅で開いている教室と、大規模な商業施設の中の教室です。商業施設の中にあれば子どものレッスン中、お母さんは買い物ができるので時間を有効利用できるかもしれません。

ただし、同じレッスン内容でもテナント料の違いにより月謝は数千円高くなるのが普通です。私の教室では月謝が6千円なので、同じ内容でも商業施設内の教室だと月謝は8千円です。年間で考えると結構な違いになります。

日本人講師と外国人講師のメリットとデメリット

・管理人
では、日本人講師と外国人(ネイティブ)講師のそれぞれのメリットとデメリットについて教えてください。子どもを英会話教室に通わせるとき、どちらの講師のほうがいいのでしょうか。

・A先生
日本人講師の最大のメリットは、日本人が苦手なポイントをすべて理解しているところです。また、例えば子どもが泣いているときでもその原因がすぐにわかり対応できるので、レッスンが停滞することがほとんどありません。

子どもの学習状況について、お母さんとのやりとりに関しても細かい情報交換が可能です。

一方で、外国人講師に教えてもらうメリットもあります。例えば、子ども達は肌や目の色が異なる人とも抵抗なく接するようになります。外国人に対する恐怖感は確実に減ります。

英会話教室に通って、どれくらい子どもは英語ができるようになるか

・管理人
英会話教室に子どもを通わせれば費用が発生します。そうなると気になるのが「効果」です。例えば、小学1年生から週1回の英会話教室に通った場合、子どもの英語力はどのように向上していくのかについて教えていただけますか。

・A先生
1年でアルファベットの大文字が書けるようになります。小文字はbとdが逆になったりして、完璧に書けるようにはなかなかなりません。単語に関しては、基礎的な食べ物や動物の単語を覚えます。ただし、すべて音声での理解であり文字が読めるわけではありません。

小学2年生になると、アルファベットは小文字もすべて書けるようになります。単語も3文字の単語なら書けます。リーディングも短い単語なら声に出して読めるようになります。

小学3年生では、接続詞(and, but, when, ifなど)があっても簡単な英文なら読めます。この時期から英検5級にチャレンジできます。これが小学3年生用の教材です(管理人に見せる)。
インタビュー2

・管理人
(教材を見ながら)want to doとかHe likes …とか結構難しい英語を理解できるんですね。では、小学6年生から英語を習い始めたら1年でどれくらいのレベルに到達できますか。

・A先生
小学5・6年生で英語を始めれば1年で英検5級にチャレンジできます。ただし、先ほどもお話したとおり、音声面(リスニング・発音)は小さい頃から始めた子どものほうが一般的に有利です。年齢が高くなるほど、文字認識の力が強くなりますね。

週一回のレッスンでも英語が伸びる子の特徴

・管理人
同じように英語教室に通っていても、英語力が伸びる子どもとそうでない子どもがいると思うのですが、何が違うと思いますか。

・A先生
ズバリ、親です。主にはお母さんです。レッスンは週1回しかありません。私の教室では毎日5分の家庭学習をするようにお願いしています。お母さんの協力がなければ、子どもは英語学習を習慣化することはできません。

・管理人
お母さん自身の英語力と子どもの英語力は関係ありますか。

・A先生
まったく関係ありません。やる気を起こさせるような声掛けをしてくれるだけでいいのです。頑張ったらほめてあげることです。これだけで子どもは英語に前向きに取り組むようになります。

私の教室で、子どもの送迎をお父さんがしている方がいます。そのお父さんは、教室に来ると簡単な英語で子どもに話しかけてくれます。英語を話す雰囲気を教室に来る前から作ってくれているので、私もやりやすいし子どもの英語力もどんどん伸びています。

・管理人
学習者本人である子どもの性格についてはどうでしょうか。英語が伸びる子どもはどのようなタイプでしょうか。

・A先生
以前、同じ学年でほぼ同時に入学した男の子二人がいました。一人はよくできる子で、もう一人はそそっかしくて単語をいつも間違えてばかりいました。

しばらくすると間違えてばかりいた子どもの英語力が急激に伸びて、もともとできる子を抜かしてしまいました。お母さんに確認すると、家で毎日時間をかけて一生懸命英語学習を続けていたようです。おそらくお母さんの励ましがあったと推測します。

・管理人
確かに英語の習得までは長い時間が必要なので、粘り強さは絶対に必要ですね。お母さんがほめたり励ましたりしながら、子どもに継続させるのが大切です。

ほめられながら学習を続けると結果が出る。それについてまたお母さんからほめられるとますますやる気になるという好循環が作れるのが理想的ですね。

本日は、長時間のインタビューをありがとうございました。

まとめ

A先生の人柄が暖かく、安心して子どもを任せられる感じが伝わってきました。インターネット全盛の時代であっても、リアルな教室では同年代の子ども達から刺激を受けられるのがメリットです。共に学ぶ仲間は貴重です。

印象的だったのは、子どもの英語教育に関してお母さんの役割がとても大きいことでした。子どもが前向きに取り組めるようなポジティブな声掛けをすることで子どもの英語力は飛躍的に伸びます。

子どもの英語教育の究極の目標は「英語は楽しいと思えること」です。これが達成できれば、子どもの英語教育は大成功です。このことを忘れずに、子どもに合った英語教室を選びましょう。

外国人講師vs.日本人講師:子どもが英語を習うならどっち?

私の近所に英語で保育をするインターナショナルプリスクールがあります。自宅前の道路は子ども達の散歩コースになっていて、ネイティブの先生と歌を歌いながら歩いていきます。

蝶やトンボを見つけるとIt’s a butterfly! と叫んでいる様子や英語の歌を上手に歌うのを見ていると、この年代の子どもにはネイティブ講師が向いているんだろうなと感じます。

一方、小学校高学年の子どもを教えるときは、日本人講師が文法を説明したり単語の使い方を解説したりしたほうが、英語が伸びるケースが多いです。

子どもに英語を習わせるとき、外国人講師から学ぶのがよいのかそれとも日本人講師から学ぶのがよいのか迷うことがあります。

結論からいえば、どちらも長所と短所があり、子どもの年齢や目的に合わせて上手に使い分けるのがベストです。

そして英語の講師を選ぶとき、外国人か日本人かということ以上に大切なポイントがあります。これらのことをしっかりと理解して、お子さんの英語スクールや先生選びに役立てましょう。

外国人講師の長所と短所

外国人講師といっても、英語圏のネイティブとフィリピン人など(主にオンライン英会話の講師)のノンネイティブに分かれます。

今回の記事では両者を分けずに、英語を話す外国人講師として話したいと思います。

外国人講師の長所

  • 英語表現が豊かで自然であること

英語表現が豊富で自然であることは強みです。簡単な英単語を使うときでも、日本人はそのニュアンスに迷うことが多いです。

例えば、watch/see/look atの使い分けです。これくらいなら日本人講師でも説明できますが、英語にはこのような紛らわしい単語や表現がたくさんあります。

英単語が持つニュアンスを感覚的に理解できない日本人講師が苦手な分野です。

・発音やイントネーションがネイティブ

当然ながら、発音やイントネーションが英語ネイティブレベルのため、それをまねして声を出していけば、当然彼らの発音に近くなります。スピーキングやリスニング能力に良い影響を与えるでしょう。

・文化的な違いを教えてくれる

外国語を学ぶときはその国の文化についても深く学ぶことになります。留学や移住経験がない日本人講師の場合、外国の文化について学習者に伝えるのが難しいです。

海外ドラマを見ていた時のことです。クリスマスに主人公の男がヤドリギの下で好きな女性にキスをして次の瞬間「バシッ」と平手打ちされたシーンがありました。

クリスマスのときは、mistletoe(ヤドリギ)の下にいる少女にキスをしていいという習慣を知らなければ、なぜ彼が突然キスしたのか、何がおもしろいのかがわかりません。

外国文化の理解は英語への興味関心を高めてくれるきっかけになります。外国人講師が得意とする分野です。

・子どもが外国人慣れする

何かを鍛えようとするなら、そのものをやるのが一番です。英語でスピーキングを強化したいのに、リーディングばかりしていては成長が見込めません。

海外未経験の子ども達に外国人と話すことに慣れさせたければ、実際にさせるのが手っ取り早いのは間違いありません。

小学校での英語必修化にともない外国人講師が教えることは珍しくなくなりました。私の印象では以前より外国人慣れしている子どもが増えたと感じます。

外国人講師の短所

圧倒的に有利に見える外国人講師にも短所はあります。子どもの先生やスクールを選ぶ際には短所もしっかりと把握しておかないと、過剰な期待をしてトラブルの元となります。

・日本語がわからず親の細かい要望が伝わらない

英会話スクールに子どもを通わせると、講師と親のコミュニケーションは大事です。子どもの性格やレッスンの様子の情報を交換することで、よりきめ細やかな指導ができます。

ところがまったく日本語ができない外国人講師の場合、親が英語を話せない限り子どもについての情報交換をすることができません。

スクールによっては日本人講師が間に入ってサポートしてくれるところがありますが、必ずしもうまくいくとは限りません。

・英文法を上手に説明できない

外国人講師が最も苦手とする分野です。考えてみれば当然ですが、母国語は文法を意識して学んだわけではないので、特別な勉強をしなければ人に教えることはできません。

日本語で例を挙げてみます。「公園に遊びに行く」と「公園でサッカーをする」の「に」と「で」の使い分けを論理的に説明するのは、普通の日本人には難問です。

英文法に関しては日本の学校教育が最も力を入れている分野なので、教えるレベルの差が目立ってしまいます。

・日本人講師ほど細かい配慮をしない

マレーシアに住んでいるときに、息子が通うインターナショナルスクールの担任の先生を見ていて、先生の役割の違いを感じました。

授業が終わりランチタイムになると先生は職員室に移動して、そこでお昼ごはんを食べます。お昼の時間は先生は完全に休み時間です。このときに起きる生徒同士のトラブルは基本的に両者の間で解決します。

このような環境で育った外国人講師と日本の先生しか知らない親の間で何かトラブルが生じると、「なんて薄情なんだ」とか「責任感がなさすぎる」と感じることもあるでしょう。

外国人講師は英語のレッスンについてだけ責任がある、と理解しています。レッスン以外のことについてはノータッチです。

このように英語がペラペラの外国人講師にも長所と短所があります。子どもが5歳くらいまでの幼児には文法から入るアプローチはNGなので、指導に慣れた外国人講師のほうが良い結果が得られることが多いかもしれません。

日本人講師の長所と短所

では、日本人講師の長所と短所について説明します。ここでの日本人講師とは、英語が得意な「日本で生まれ育った人」という意味です。例えば日系アメリカ人はネイティブと同じなので日本人講師ではありません。

日本人講師の長所

・生徒からの細かい質問に対応できる

当然日本語ネイティブなので、生徒からの細かい相談や質問にきめ細かい対応ができます。例えば、「辞書はどれを買ったらいいですか」という質問には、日本人講師でないと適切な回答はできません。

「本領発揮って英語でどのように表現したらいいでしょうか」という質問も、「本領発揮」という日本語を理解していないと正しい答えを返せません。

このように生徒からの英語に関する質問に細かく対処できるのが日本人講師の強みの一つです。

・英文法は得意なので、教え方もうまい

「英文法」に関しては日本の英語教育は成功しています。英文法は語彙とともに英語学習の核となるものです。

小学4年生以上が外国語を学ぶときは、幼児が母国語を学ぶように自然と習得することができなくなります。その代わり、論理的に言語を学ぶ能力が高くなるので、文法を学ぶアプローチは大変有効です。

文法偏重であってはいけませんが、わかりやすく英語の文法、特に語順を子どもたちに教えられる日本人講師は貴重な存在です。

・英語学習者の苦労がわかる

日本語と英語は構造的に対極にある言語で、習得が難しいといわれています。日本人が英語をマスターするまでに約2~3千時間を必要とします。日本人講師はそれだけの時間を英語に費やしてきたので、学習者の悩みや苦労を理解してくれます。

海外に留学しなくても英語をマスターできる、という見本になるため、子ども達にとってはいい刺激になるかもしれません。

日本人講師の短所

・英語表現が不自然

かなりの英語上級者であっても、ネイティブには英語表現の豊かさやスピーキングにおける流暢性はかないません。いわゆるネイティブ表現などは教科書などでは登場しないため、長期間留学した人以外は知らないのが普通です。

発音もコミュニケーションには充分でも、ネイティブ並みとまではいかないことが多いです。日本人講師の英語を何時間聞いても、リスニング力の向上にはあまりつながらないと考えたほうがいいです。

・生徒がなんとか英語で伝えようとしなくなる

日本人講師が相手だと、生徒は日本語が使えるため、必死になって英語を話そうとしなくなります。つい日本語に逃げてしまいます。

苦しみながら英語をつないで何とか相手に伝えるのも大切なトレーニングですが、日本人相手にそこまでする生徒はほとんどいません。

日本人講師は、文法を中心に教える能力は高いです。特に9歳以上の子どもには論理的な英語学習が有効になるため、文法を効率よく教えられる日本人講師のほうが向いているといえます。

先生選びの究極のポイント:〇〇を伝える指導者であるか

ここまで外国人講師と日本人講師の長所と短所をそれぞれ詳しく見てきました。私も両者を比べる機会が多々ありましたが、外国人講師でも英文法を熟知している人も多く、例外はあることをご承知おきください。

最後に、私が考える英語の「先生選びで最も大切な究極のポイント」があります。それは、

「声を出すことの大切さを子どもたちに伝えられるかどうか」

ということです。お母さん達に強調しておきたいのは、「声を出す」重要性を伝えないような先生には絶対に子どもを預けてはいけません。

極端な言い方をすると、その先生がどれくらいの英語力があるかなどはそれほど重要ではありません。それよりも、英語を音読しないと英語は上達しない、というただ一つのメッセージをきちんと伝えられるかどうか、のほうがはるかに大切です。

私はこれまでたくさんの中学生に英語を指導してきました。もちろん私は音読の重要性を事あるごとに強調していますし、授業中も何度もいろいろな角度から音読させます。

しかし、残念なことにこれくらいの年齢になると、なぜか皆声を出しません。残念なことです。

中学入学前までに英語学習は「声を出す」ことが基本ということを身につけるだけで、英語が得意になります。

残念ながら中学になってからだと、ほとんどの場合手遅れです。外国人講師でも日本人講師でも構わないので、子どものうちに英語を口から出すことを上手に促してくれる先生を探すようにすることが、英語を話せる子どもを育てるポイントです。

まとめ

外国人講師にも日本人講師にも長所と短所があります。外国人講師は英語表現が豊かで自然であり、この点については日本人講師はかないません。また、母国の文化に精通しているため、子どもは言語以外のことについても学ぶことができます。

しかし、英語力が未熟な生徒からの質問や親とのコミュニケーションは苦手です。また、英文法については特別な訓練を受けていない限り、日本人講師に軍配が上がります。

日本人講師の良さは、日本人学習者の気持ちを理解し、きめ細かい指導ができるところです。9歳以上の子どもには英文法からのアプローチが効果的ですが、日本人講師が得意とする分野です。

一方、発音や英語表現の豊かさにおいてはネイティブにはかないません。また、生徒は英語を使ってなんとか伝えようとするかわりに、日本語を使って逃げるようになります。

このように外国人講師と日本人講師それぞれに一長一短があり、子どもの成長段階や英語力に合わせて使い分けるのがベストです。

さらに、最も大切なことは英語学習において「声を出す」ことの大切さを子どもたちに伝えられているかどうかです。音読は語学の基本ですが、中学生以降になると生徒は音読をしなくなります。

中学入学前に「英語学習=音読」くらいの習慣を身につけられれば、その後英語が得意になる可能性はかなり高くなります。

講師が外国人か日本人かだけでなく、この点をしっかりと伝えられる先生に子どもを預けることが重要です。.

多様化する小学生対象の「国内の英語サマースクール」

私の小学生時代の思い出のひとつは「夏のキャンプ」です。いとこに誘われて1泊のキャンプに行きました。「原人」と呼ばれていたひげ面のインストラクターに連れられて川遊びしたのは今でも楽しい記憶としてよみがえってきます。

そのような夏のアクティビティと「英語」を合わせたものは、「英語サマースクール」と呼ばれています。その内容は実に多彩で、アウトドアはもちろんインドア中心のスクールもたくさんあります。

家族以外との宿泊経験のない子どもを誰かに預けるのは、お母さんとしては不安に感じるかもしれません。また、肝心の英語力はどう変化するのかも気になるところです。

今回は「日本国内のサマースクール」に焦点を当てて、プログラムの詳細について説明します。また、子どもを参加させるときのお母さんの心構えについて私の意見をまとめました。

夏休みの最高の思い出になるようなスクールを選んであげましょう。

canoe

サマースクールとは

「英語サマースクール」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか? 英語を学ぶのはもちろんですが、それ以外はどんなイメージでしょうか?「キャンプ・カヌー・スポーツ・教室内での勉強」など、人によってさまざまな光景をイメージしたと思います。

実は広い意味ではこれらすべて「サマースクール」と呼ばれる活動です。ネイティブのインストラクターや講師は、英語初心者の子ども達にも楽しめるようにこれらの活動をサポートしてくれます。

「英語サマースクール」は開催地が海外(英語圏)か国内かによって大きく二つに分かれます。今回は、日本国内で開催される「英語サマースクール」について詳しく説明します。

国内と海外のどちらがいい?

海外に行くほうがハードルは高くなるのは間違いありません。パスポートの取得に始まり、親からの物理的・精神的な距離が遠くなることから、子どもは緊張します。時差の大きいアメリカ・カナダ・イギリスへの移動は体力的にも大変です。参加費も当然高くなります。

海外のサマースクール(アメリカ・カナダで2週間)なら40万円近くは見積もる必要があります。

英語力に関しても、ハードルは高いです。海外でのサマースクールに参加して成果を感じるためには、最低2年くらいの学習歴は必要です。

しかし、そのような高い壁を克服できたときの達成感もまたひとしおです。また異文化を肌で感じられる経験はとても貴重です。特に同い年の外国人との交流はかけがえのない体験となるはずです。

一方、国内で行われる「英語サマースクール」の利点は何でしょうか?

まずは「安心感」が違います。子どもが熱を出したりケガをしたりしても、親はすぐに迎えに行けます。時差はないし、気候も普段の生活と大差ありません。渡航費がかからないため、参加費は10万円以内で収まるところがほとんどです。

国内のデメリットとしては、異国の文化を感じることはできないこと、参加者は日本人の子どもだらけなので「英語を話す」プレッシャーを回避して「日本語で話してしまう」傾向にあることです。

それでも、小学校で英語を習い始めたばかりの子どもや、家族以外の人と宿泊を伴う旅行経験のない子どもなら、国内の「英語サマースクール」から始めるほうが無難です。

参加後の様子を見ながら「海外にも行ってみたい」と子どもが言い出して、予算や状況が許されるなら来年の計画として海外サマースクールへの参加を検討するといいです。

アウトドア中心とインドア中心

日本国内の英語サマースクールは内容が多様化しています。「アウトドア中心」と「インドア中心」の2種類に大別できます。それぞれネイティブのインストラクターや講師が中心となって、さまざまな活動を進めます。

「アウトドア中心」のものは「英語サマーキャンプ」とも呼ばれます。「アウトドア」の良いところは、「英語を学ぶ」のではなく「英語で学ぶ」ところです。英語はあくまでもコミュニケーションの道具として扱われています。

それまでは「学校で教科として学ぶ英語」しか知らなかった子どもが、言葉を学ぶ原点を見つめなおすようになります。

「インドア」では宿泊を伴うスクールだけでなく、一定期間、その場所に通うタイプのものもあります。日本国内のインターナショナルスクールが夏休みの間場所を解放して、普段はインター校に通っていない子どもも受け入れているのはその典型です。

「インドア中心」のサマースクールでも、通常の英語の授業の他に「体験型のアクティビティ」が盛り込まれているようです。

活動内容と期間で選ぶ

インターネットで「国内 英語 サマースクール」のキーワードで検索すると、たくさんの情報がヒットします。あまりにもたくさんあるので、何を選んだらよいのか迷ってしまいます。

人気のコースは募集を開始してすぐに定員に達してしまうこともあります。遅くとも5月の連休にはチェックしたほうがいいです。

選ぶ基準は「活動内容(アウトドアかインドア)と開催期間」です。夏休みに入ってすぐの7月下旬は特に人気が高いので、あまり迷っている時間はありません。おそらく毎年参加するリピーターが早めに申し込んでいると思われます。

仲の良い友だちと参加するなら、なおさら早めにお母さん同士で日程を決める必要があります。

英語のレベル別になっているところもある

活動内容とは別に、英語の習熟度によってコースを分けているスクールもあります。同じくらいのレベルグループなら、インストラクターもコントロールしやすいです。参加者も「自分だけ英語を理解できなかった」という劣等感を感じずに済みます。

親心としてつい「ちょっとハイレベル」なグループに入れたくなる気持ちは理解できます。でも、子どもの英語力と性格をきちんと考慮して、適切なコースを選びましょう。不明な点があれば、主催者に遠慮せずに質問しましょう。

ちなみに帰国子女を対象にした「ハイレベル」なコースも用意されています。

英語のサマースクール(アウトドア)

キャンプといっても、サバイバル的なものではなく、子どもでも安心・安全に参加できるタイプのものがほとんどです。それでも、川遊びや山登りでは危険はゼロではありません。インストラクターがきちんと資格を持っているかどうか確かめましょう。

食品アレルギーや普段飲まなければならない薬がある場合は、事前に確実に伝えましょう。パンフレットや説明会、ホームページなどでそれに関する細かい記載のあるスクールを選んだほうが安心です。

前述したように、教室で学ぶのと違って英語で「アウトドア活動」などのアクティビティをするのが中心です。英語での指示を理解して「何かをやり遂げた」喜びを得られるのが、このタイプのスクールの良いところです。

英語のサマースクール(インドア)

「机に座って英語の授業を集中的に受ける」のがインドアタイプの主流です。しかし、こちらのほうも内容が多様化しています。こちらに参加させるお母さんは、「英語力について何かしらの向上」を期待している傾向が強いようです。

開催期間は3日~5日間くらいがほとんどです。この短い間で、お母さんにも伝わるような「成果」がスクールには求められます。そのため彼らも、あの手この手でいろいろと工夫を凝らした内容を提供しています。

アクティビティ&ワークショップ

主に、幼児~小学校低学年の参加者向けには、ゲームや歌などの楽しいアクティビティを通じて英語に慣れ親しませる内容が盛り込まれています。また、「英語で」何かの作品を造り上げるような作業をグループで行います。

幼児中心なので、宿泊ではなく「通いタイプ」が多いです。普段通っている幼稚園などととは違うお友達と楽しい時間を過ごせれば成功です。講師はもちろん英語で指示を出しますが、短期間なので英語力の急上昇は期待しないほうがいいです。

英語でのドラマ

短期間で成果を出すために、「英語での演劇」にチャレンジするコースです。お母さんは「書かれた台本じゃなくて、自由な会話を英語でして欲しい」と思うかもしれません。
drama

しかし、演劇は英語を覚えるのにかなり有効な手法だと私は思います。私の息子がインターナショナルスクールに通っていたときも、毎年大きな「演劇」がありました。

最初は英語が不得手だったので、短いセリフしか与えられませんでした。それでも、人前で堂々と英語を話せたので本人も自信につながったようです。2年目以降は徐々にセリフは長くなりましたが、前年にも増して堂々した演技でした。

セリフは何度も何度も繰り返して声に出して覚えます。つまり、音読と同じ効果があります。ただの音読よりも優れているのは、セリフを話す状況が明確で、その人物の心境に合わせてセリフを読むところです。これは音読より現実の世界に近いものです。

驚いたことに、帰国して数年経ってもセリフの一部や挿入歌などを口ずさむことがあります。繰り返し音読練習することの学習効果が高いことの証明です。

私は子どもをサマースクールに参加させたことはありません。それでも、「ドラマ」タイプはおもしろそうだと感じています。

英語学習

いわゆる英語の「お勉強」です。ただし、普段受けている学校での授業と違って、「オールイングリッシュ」で行われます。発言も積極的に行うように要求されるので、緊張感は段違いでしょう。

一般的にネイティブの先生は「ほめ上手」です。日本人には未体験レベルで「ほめられる」ので、子どもによっては大きな自信につながります。

以前、仕事の関係でニュージーランド人が経営する会社の女性スタッフと食事をすることがありました。普段の社長の様子をたずねると「彼はとにかくほめますね。ちょっとしたことでもYou’re a champion! と言って大げさにほめてくれるんです」とうれしそうでした。

大人だってほめられるといい気分になるのです。子どもならなおさらです。これがきっかけで「英語好き」になるかもしれません。

英検対策

「短期間で成果を出す」点では、検定対策もいいかもしれません。私は「英検の級だけを目標にした英語学習」は推奨していません。しかし、英検を受ける予定があるなら、短期間で集中して成果を上げるのは悪いことではありません。

英検合格がやや難しく感じられる3級から活用するといいでしょう(小学生で3級を狙う子どもは上級者です)。特にネイティブを活かして、面接練習を豊富にできるのがメリットです。

無事、目標の級に合格できたら「参加してよかった」とお母さんも納得です。

お母さんの心構え

サマースクールに子どもを参加させるとき、お母さんはどのような心構えでいるべきでしょうか? 同じスクールに参加しても、満足しているお母さんもいれば「不満だらけ」のお母さんもいます。

子どももお母さんも「参加して(させて)良かったな」と心から思えるために必要な「心構え」について説明します。

英語力向上の過大な期待はやめよう

海外でも国内でも、スクールの期間は数日~2週間程度です。確かにその期間は英語漬けの状態になります。しかし、語学習得の観点からすればそんな短期間で英語力の向上は無理です。

私は日本から英語ゼロで海外のインター校に入学してくる子ども達を何人も見てきました。英語を話し始めるまでの期間は、一般的に3か月~1年は必要です。これは「片言」レベルの話なので、ネイティブの子ども達と遜色ないレベルになるには数年は必要です。

だからサマースクールだけで英語力を大幅に向上させるのは不可能です。もし、お母さんが過度にそのような期待をしてしまうと、子どもは「お母さんの期待に応えられなかったから、ボク(ワタシは)ダメなんだ」と勘違いしてしまいます。

楽しい経験になるはずだったのに、お母さんの無茶な期待で不幸になってしまうのは避けましょう。

参加後の子どもの気持ちを大切にしよう

人間は忘れる動物です。帰宅直後は英語に対するモチベーションが高まっています。その時期を何もしないでやり過ごすのはあまりにももったいないです。英語学習の習慣づけのきっかけにしましょう。

スクールに参加するとわかりますが、普段音読などで繰り返し覚えたフレーズでなければ実際の場面ではすぐに口から出てきません。基礎練習の大切さを子どもは体験しているこのタイミングがチャンスです。

「英語は声に出して読むことが大切だよ」「毎日少しずつ音読の練習をしてみようか」など、現実的な目標を設定して、一段ギアアップした英語学習に移行しましょう。

参加者が得られる成果

サマースクールに参加しても「英語力そのものの向上はそれほど期待できない」ことは先述したとおりです。では、子どもがサマースクールに参加して得られる学習効果とはいったいどのようなものでしょうか?

英語への興味が高まる

何といっても英語への興味が高まります。たとえ短期間でも、英語を理解しようと頑張らないと楽しい活動はできません。それまでは「雑音」として英語を聞き流していたのが、「意味のある言葉」「有益な言語」として認識するようになります。

なぜ海外の現地校やインター校に移った日本人の子どもが英語を話せるようになるかというと、「必要性」を肌で感じているからです。英語を話せないと友だちと遊べません。先生の言うことも理解できません。英語に対する真剣度が違うのです。

日本国内でそのような環境に身を置くことは皆無です。しかし、サマースクールはたとえ短期間でも「英語の必要性」を感じられる貴重な時間となります。

英語「で」何かを学ぶ体験

私はこれが最も貴重な体験だと思います。日本人はどうしても英語を学校の「教科」や「受験科目」として考えています。そのため「解答欄に記入できればいい」と考えて音声を軽視したり、受験が終わると英語から離れてしまったりする残念な人が多いです。

しかし、アクティビティは、英語「で」何かを学ぶ体験そのものです。「何か楽しいことにチャレンジするために英語が必要」という動機なら、成績や受験に関係なく一生英語を学び続ける原動力になります。

帰宅したらぜひお母さんから子どもにこのような話をしてあげましょう。普段は関心を示さない内容かもしれません。しかし、サマースクール直後なら真剣に耳を傾けるはずです。

「もっと話せるようになりたい」につながるふたつの体験

サマースクールに参加中、子どもは二つの経験をします。つたない英語でも「通じた喜び」と、簡単なことでも「英語で言えなかった」フラストレーションです。実は、どちらも今後の英語学習を継続するために必要な経験です。

片言の英語でも、相手が理解してくれた喜びはひとしおです。英語の学習は長期間に渡る努力が不可欠です。そのため「ごほうび」がないと心理的に消耗してしまいます。「通じた喜び」は最高の瞬間です。

一方、「どうやって火をつけるんですか?」のように、日本語なら幼稚園児でも言えることを英語でうまく言えないことがあります。参加中このようなフラストレーションを子どもは頻繁に感じます。

あまりフラストレーションが多すぎるとやる気を失ってしまいます。しかし、適度なフラストレーションは「もっと勉強して英語を話せるようになりたい」気持ちにさせてくれます。

もし、参加者の英語レベルが細かく分かれているなら、子どもに合ったレベルに参加させましょう。うまくいくと、「通じた喜び」と「フラストレーション」の両方をバランスよく体験させられます。

モチベーションが最高潮になっているところで、英語の本格的なトレーニングを始めましょう。

まとめ

夏休みに子どもを「サマースクールに参加させたい」と計画中なら、5月の連休までにはチェックしましょう。人気のコースや日程はすぐに埋まってしまいます。

日本国内の英語サマースクール(サマーキャンプ)なら、手軽にお手頃な費用で参加できます。

それぞれのスクールでは、さまざまな内容を用意しています。子どもの適性に合わせて、どのスクールに参加させるのがよいのか子どもと相談しながら決めましょう。英語の習熟度に合わせたコースを用意しているスクールもあります。

短期間のサマースクールで、英語力の急激な向上を期待するのは禁物です。しかし、英語への興味を高めたり、コミュニケーションの道具として英語を再認識したりできる貴重な機会です。

また、英語で生活しながら「通じた喜び」と「通じないフラストレーション」の両方を体験できます。これらは両方ともその後の英語学習を継続するために大切な経験です。

比較的時間に余裕のある小学生のときは、サマースクールに参加するチャンスです。子どもが「参加してよかった」と笑顔で帰宅できるようなスクールを見つけてあげましょう。

小学生に英語文法を教える秘訣とは?

子どもを英語教室に通わせていて「なぜ、もっと英語の文法を教えてくれないのかしら」と不満に思ったことはありますか? お母さんが中学校のときは文法中心に英語を学び、テストでも問われたのは文法理解が中心でした。

まだまだ時間はあるとはいえ、将来の受験のことを考えると「文法を教えて欲しい」と思う気持ちもわからなくはありません。

小学生に文法を教えない理由のひとつは、文法を教えるには小学4年生までは幼過ぎるからです。文法学習とは抽象的な概念を理解することです。一般的に小学5年生以上でないと、文法学習はうまくいきません。

もうひとつの理由は、子どもが通っている英語教室でも実は「文法をきちんと教えている」のかもしれません。でも、お母さんが中学校で習った方法とは異なるので、文法を教えているように感じないだけです。

小学5年生くらいからは少しずつ文法を教えられます。ただし、小学生に教えるときにはコツがあります。これは英語教師の仕事の範疇です。でも、お母さんが大まかにそのコツを理解しておくことはとても有意義です。

小学生に英語の文法を教えるときは、帰納法が基本

お母さんが中学校や高校のときに受けた英語の授業を思い出してください。おおまかにいえば「最初に文法の説明→練習問題・読解→答え合わせ」の順番だったはずです。このような授業展開は「演繹法(えんえきほう)」と呼ばれています。

演繹法で、小学生に英語文法を教えても「英語嫌い」を量産するだけです。ここでは「小学生に適した英語文法の指導法」について詳しく説明します。

帰納法と演繹法

初めに「帰納法(きのうほう)」と「演繹法(えんえきほう)」について説明します。この際厳密な定義は無視して、車の運転に例えることにします。

「帰納法」で車の運転を覚える場合、実際に運転をするところから始めます。エンジンをかけてドライブにシフトすると車はスルスルと動き始めます。慌てた初心者ドライバーはブレーキと思い、右側のペダルを踏むと急発進。正面の壁にぶつかって止まります。

ここでドライバーは、ドライブに入れるとスルスルと動くこと(クリープ現象)と右側のペダルがどうやらアクセルであることを理解します。このようにして、実践を重ねながら車の仕組みや交通ルールを覚えていくのが「帰納法」です。

「演繹法」では、最初に車の仕組みと交通ルールをきっちりと教わります。そのあと実際に車に乗って、覚えた知識に従って車の運転をします。これが「演繹法」です。

車の運転は命にかかわります。だから教習所では、演繹法と帰納法のバランスをうまくとりながら教習が進められます。でも、小学生が英語文法を学ぶときは、「帰納法」で教えたほうが圧倒的に理解は早いです。

英語で何度間違えても、命の危険はありません。では、英語文法の学習における実技教習に相当するものとはいったい何でしょうか?

音読を繰り返すと、自然と法則を見出してボンヤリと理解し始める

小学生にとって英語の音読練習は「教習所内の技能教習」です。いきなり「英語を話しましょう」といわれてもポカンとして何をすればいいのかわかりません。

そこで、シンプルで正しい英語をいくつも与えて大きな声で音読させます。このとき、意味もわからずお経のように唱えていても効果はありません。きちんと意味を理解している状態で、何度も音読させます。

このような訓練を繰り返すと、子どもなりにボンヤリと英文の「法則」や「ルール」を理解し始めます。

音読から文法を学ぶ例

ピコ太郎さんの「PPAP」は一時期大流行しました。おそらく小学生も何十回と知らず知らずのうちに「I have a pen.」と歌いながら「英語を音読」したはずです。

映像から「私はペンを持っている」という意味は明らかです。それを何度も口頭練習します。そのうち勘のいい小学生は、英語では「私は/持っている/ペンを(主語+動詞+目的語)」の順番になることを覚えてしまいます。

ここまで口頭練習を積み上げた段階で、お母さんや先生が英語の基本的な語順について少しだけ説明してあげれば、小学生でも無理なく文法を理解できます。これが帰納法のメリットです。

初めに口頭練習したあとに、文法をあたえよう

このように小学生に英語文法を教えるときは、初めに口頭練習をたっぷり与えてから、最後に「ざっくりとした」文法を教えます。これが最も効果的な指導法です。

英語が得意なお母さんはつい、初めに文法を教えてからワークブックに取り組ませようとします。これはお母さんがかつて受けた演繹法による授業の影響です。

実はプロの英語教師もついやってしまいがちな失敗です。自分が受けてきた英語教育の呪縛からなかなか抜け出せず、同じ指導を繰り返してしまうのです。

長年、子どもに英語を指導してきた先生を観察していると、この「帰納法」の原則を忠実に守っています。

細かいところにどこまで目をつぶるか

ではなぜ、中学や高校では帰納法による英語文法の指導が主流でないのかという疑問が残ります。それは、多くの情報を伝えるときは「帰納法」は効率が悪すぎるからです。

たとえば名詞に複数形のsをつけるときに、演繹法ならこのように指導できます。

  1. sだけ最後につける
  2. 語尾がs, x, sh, ch, oのときはesをつける
  3. 語尾がf, feのときは、f, feをvに変えてesをつける
  4. 子音字+yで終わるときは、yをiにかえてesをつける

このあと問題に取り組みながら、複数形の作り方を覚えていきます。

帰納法で教える場合、“I don’t have a watch, but my dad has a lot of watches.”のような文に繰り返し触れることにより、何となく「watchはwatchesだったような…」という感覚を覚えるところまで進めます。そして最後に、先ほどのルール2を与えます。

一つひとつのルールにたいして大量の文を与えて音読をするとなると、膨大な時間を必要とします。これが、中学高校の授業ではあまり採用されない最大の理由です。

「効率的に英語文法を学べるなら小学生にも演繹法で教えるべきでは?」と思うかもしれません。でも、それは実際には難しいのです。なぜなら多くの文法事項を初めに教えると、小学生では英語嫌いになったり、そもそも理解できなかったりするからです。

今の段階で何を優先させるかを見極める

小学生には帰納法中心の指導が優れているのは間違いありません。なぜなら、細かい文法の知識は不要だからです。教えるべき大切な部分にだけ絞り、帰納法で扱うのが良いのです。

正しくない英語でも、「目をつぶれる部分と目をつぶれない部分」があります。この見極めができるのがプロ教師の腕の見せどころです。

「目をつぶれる間違い」とは、たとえば“I have a lot of watchs.”(正しくはwatches)のような間違いです。「目をつぶれない」のは、“I a lot of watches have.”のような語順に関する間違いです。

文法は「英語理解のためにどうしても必要な部分」に絞り、帰納法で教えていくのが大切なポイントです。

小学生での英語の文法は、彫刻でいえば「面取り」の段階で充分です。

彫刻(面取り)

これを中学・高校の英語の授業で細かいところを整えていき完成させるイメージです。

彫刻仕上げ

初めから細部にこだわり過ぎる文法指導は小学生には禁物です。

やっかいな三単現

「三単現(三人称・単数・現在形)のs」は教えるのが難しい項目のひとつです。私だったらまず、簡単な英語の本を音読しながら動詞にsがついた文とsがつかない文を大量に音読させます。

しばらくすると、子どもは「あれ?」と気がつきます。「動詞の部分にsがつくことがあるけれど、なぜだろう?」と不思議に思うのです。

自分から質問してきたときが、最初に教えるタイミングです。

何となく理解している子ども

ネイティブの子どもでも、三単現のsは「何となく使い分け」している状態です。きちんと根拠を説明できるわけではありません。

インター校の教室に掲示されていた作文を読むと、Year 3(日本の小2くらい)のネイティブの生徒でも、s を書き落としているミスを見つけたことがありました。

おそらく彼らの頭の中では「過去形にはsはつけない。いつものことを説明するときに、その場にいない人でひとりのときはsをつける。ひとつのものにもつける」程度の理解です。

小学生ならこれで充分ですし、まったく間違っていません。

私の失敗談

インター校に通っていた息子が小学2年生のころでした。宿題で書いた作文に先生が三単現のsを赤ペンで書き足していました。息子はこのとき初めて「なんでこうなるの?」と質問してきました。

これ以前に、すでに“Does he ~?”とか“He doesn’t ~.”などの表現は話していたので、理解していると私は思っていました。

そこで試しに中学生に教えるように、理屈をこねて説明してみました。するとすぐに大きなあくびをし始めて飽きてしまいました。完全にやってはいけない指導法です。

今の私なら次のように指導します。

T: Talk about yourself. What do you have?
S: I have some books.
T: Ok. How about your sister?
S: She has some books, too.
T: Why did you say “has” instead of “have”?TはTeacher(先生)、SはStudent(生徒)

このように導けば、どういう場合に動詞にsをつけるのかをぼんやりと理解しはじめます。こうして、何回か口頭練習したあと、最後にまとめとして簡単な文法の説明をします。

もちろん、すぐにスッキリとは理解できません。何度も何度も間違えを繰り返して、ようやく少しずつ理解します。根気よく待つしかありません。ちなみに息子が「三単現のs」をほぼ間違えなくなったのは、小学4年生になってからでした。

口頭練習による対比が理解のポイント

子どもの指導に有効な帰納法を用いる場合は「対比させる」のがポイントです。このことを理解するために、「現在完了形」を例に挙げて説明します。

  • 現在完了形を例に
T: What is your birthday?
S: My birthday is May 5th, 2010.
T: Where were you born?
S: I was born in this town.
T: You lived in this town 10 years ago, right? (黒板に書く)Where do you live now?
S: I live in this town.(黒板に書く)
T: Oh, you have lived in this town for 10 years! (黒板に書く)TはTeacher(先生)、SはStudent(生徒)

10years ago

I lived in this town 10 years ago.

now

I live in this town.

→I have lived in this town for 10 years.

10年前についての情報を過去形で、現在の情報を現在形で表現して対比させます。そして、現在形の一種として「(今では)10年間ずっとこの町に住んでいます」という現在完了形の感覚を覚えさせます。

帰納法で学ばせるときは、いかに効果的な対比を見せられるかがポイントです。

このようにしてできた自分に関する現在完了の例文を何度も口頭練習させます。すると、最初のhaveは「持つ」という意味はなく、「ずっと~してきた」の意味を添えたいときに使っているだけだと何となく理解し始めます。

もちろん、最後はかならずまとめとして情報を整理してあげます。すると子どもは「ああ、やっぱりな」と腑に落ちます。もし、自分の理解に誤りがあればここで気づくので、それはそれでいい勉強になります。

すべて理解したところで、ダメ押しの口頭練習が必要です。忘れた頃に反復して練習します。このようにして、少しずつ英語の力をつけていきます。

ガチガチの文法用語から入ると、英語の心は理解できない

もし、先ほどの「現在完了形」を演繹法で、文法用語から導入したらどうなるでしょうか? 優秀な小学5年生なら、中学生と同じく理解してしまう子どももいるかもしれません。でもそれは「理解」であり、「使える」文法にはなりません。

「現在完了形: have (has) +過去分詞形=ずっと~してきた(継続)」を最初に学んでも、空欄補充のテスト以外で役に立つことはありません。

“I have lived in this town for 10 years.”と話すときの話し手は「僕はこの町に10年住んでるよ(だから、(今)僕は君よりこの町について詳しいよ)」という心情が現れています。

この感覚をつかむためには、実例に即して口頭練習を積んでから文法を理解しないといけません。

テストで正解をもらうだけなら知識だけでもなんとかなります。しかし、「本物の英語力」を身につけるためには「なぜ、その表現(文法)は必要なのか?」まで深く理解しないと、使えるようにはなりません。

この観点でみると、haveに続く過去分詞形を少々間違えたとしても、たいした問題ではありません。

このように自分の体験に関連した英語を対比させて、口頭練習を充分に積んだ後に情報を整理してあげるのが小学生には効果的な文法の教え方です。

小学生の間に口頭練習を積むのが大切

小学生の間に口頭練習を大量に積んでおくと、中学校での英語の授業をとても有効な時間にできます。学校英語では英語を話せるようにならないと批判されますが、活用しだいではありがたい文法確認の貴重なチャンスなのです。

先ほどの現在完了形で、過去分詞形の理解が曖昧だったとします。それでも口頭練習をたくさんすると、have made, have read, have watched…のように口と耳が何となく覚えています。

もちろん、間違えて覚えているところもたくさんあります。その部分をきっちりとあぶりだして、仕上げていくのが学校での英語の授業です。すでに英語の心がわかり、使うシチュエーションを理解し、発音をできる状態なので、最後に知識を固めれば鬼に金棒です。

中学校の英語の授業をゼロから学んでも、話せるようになるまでに長時間必要です。でも、小学生までに口頭練習を積み上げていれば、英語を話せるようになるまであと一歩です。学校英語はムダではないのです。

こちらの動画セミナーでは音読トレーニングを通じて、英語4技能の向上を図る方法を紹介しています

考える割合が減る(=無意識化)は英会話への第一歩

すでに音読練習をしていて仕上げの文法を覚えれば、それほど考えなくても口をついて英語表現が出てくるようになります。ほんの一瞬頭を使うだけで文章の構文を思いつくので、難しい部分やうまく伝えるための論理展開に頭を使えます。

英語を話せる人達は、頭を使わずに英語を出せる(話す・書く)割合が多いのです。これが英会話のコツです。小学生のうちに音読訓練をしておくと、中学高校で英語力のカーブは急上昇します。

中学・高校で一気に英語力を伸ばすために

小学生の段階で、「英検〇級」というテストの結果にこだわり過ぎると、お母さんはあせって結果を求めようとしてしまいます。

音読練習をすると確実に英語力は向上しますが、必ずしもテストの点数に反映されません。テストでは「〇か×」を問われます。「70%の理解」は「×」だからです。帰納法による文法学習はテストの点にすぐには反映されません。

子どもは楽しく努力をしてせっかく英語力を蓄積しているのに、低く評価されたり怒られたりしたらたまったものではありません。中学高校にすすんで、授業で文法の完成度を上げればテストの点などあとからついてきます。

帰納法中心で学ぶ子どもに対しては、テストの点に現れない部分をお母さんに評価して欲しいと思います。そうすれば子どもも「お母さん、わかってくれているな」という感覚を持てるはずです。

まとめ

子どもの英語学習の8割は音読練習に充てられるべきです。音読練習とは、教科書を声に出して読むだけではありません。お母さんの口まねをして英語を話すのも立派な音読練習です。英語の歌を口ずさむのも音読練習のひとつです。

子どもは大量の英語に触れながら、少しずつ英語の語順などを自然と身につけていきます。このような「あいまいな理解」をしたところで、少しずつ文法の説明を受けて理解を確かな物にしていきます。

試行錯誤を繰り返しながら規則性をボンヤリと見つけさせ、最後に教師がまとめで知識を与える「帰納法」が子どもへの文法指導には有効です。

小学生までに音読練習を積み上げておくと、中高での英語の授業はあいまいな知識をチェックする時間になります。それまでの疑問点は一気に晴れますし、迷いがなくなるので「使える英語」を身につけられます。

小学生の頃に文法の知識ばかりを詰め込んでも、英語を話せるようにはなりません。上手な英語の先生なら、口頭練習を多くとりながら文法のまとめをしています。

小学生に英語の文法を教えるときは、いろいろと気をつけなければいけません。安心して英語教室に通わせるためにもこのことを理解しておくと良いです。

小学生のための、ワンランク上の「英語で自己紹介」

私は以前、海外に住んでいたときにあるチャットグループに参加していました。スマートフォンでアプリを開くと参加者のプロフィール画像が見られます。それらの写真とひとことコメントはどれもアピール力がとても強く驚きました。

「これはハリウッド女優か?」と見紛うまでに加工された自撮り写真は、笑顔で自信に溢れています。日本人ならそもそも自分の顔をアップで載せる人は少数派なので、これは大きな文化的な違いといえるでしょう。

子どもの自己紹介においても状況はまったく同じです。日本なら名前や年齢を言って、「よろしくお願いします」で終わらせてしまうのが一般的です。しかし、英語で同じように自己紹介すると、圧倒的にアピール力が足りません。

英語での自己紹介で最も大切なのは、「フレンドリーさ」「ポジティブ感」の演出です。そのツボさえ押さえれば、簡単な英語表現でも「ワンランク上」の自己紹介ができるようになります。

今回は小学生でもできる「ワンランク上の英語で自己紹介」について詳述します。

Hello, my name is ~.  I’m ~ years old. で終わり?

英語の授業で子どもに自己紹介をしてもらうと、ほとんどの子は “My name is ~.  I’m ~ years old.”まではスムーズにいえますが、その先が続けられません。主な原因は準備不足にあります。

自己紹介は、最も準備しやすいテーマです。自分自身のことなので、ひと通り英語でいえるようにしておくといろいろな場面で活用できます。

このときのポイントは、自己紹介の「構成」と「英語表現」です。自己紹介にはある程度決まり切った型(テンプレート)があるので、これを意識しながら原稿を練り上げるといいです。

まずは実際のインターナショナルスクールに掲示されていたYear 6(日本の小学5~6年生)による自己紹介の例を見てみましょう。

みんなの前で口頭で発表するなら、日頃の音読練習がモノを言います。

ネイティブの実例を見てみよう

self-introduction

あるインターナショナルスクールの男の子と女の子それぞれ二人ずつ自己紹介文を掲載します。Prefect(風紀委員のようなもの)のメンバーで、学校の生徒向けに掲示されていたものです。

これらを参考にすると、英語学習中の小学生でもワンランク上の自己紹介ができるようになります。

男の子1

My name is Tim.  If you are in trouble, come talk to me.  The class I’m in is 6JM.  I’ll try and sort any mayhem.  The house I’m in is Yellow house.  I was chosen as a prefect by Mr. T(校長先生の名前).

I was born on the 12th of February.  I’m always smiling and merry.  I enjoy all kinds of sports.  I’ll usually be in the four-square court.

I hope to see you around the school.  I’ll make sure you follow every rule.

 

和訳

僕の名前はティムです。困ったことがあるなら、話に来てください。僕のクラスは6JMです。どんな騒動でも対処しますよ。僕のハウス(縦割りに色分けして競い合う)は黄色です。T校長先生によって、風紀委員に選ばれました。

僕は2月12日生まれです。いつでも笑顔で陽気です。あらゆるスポーツが好きです。いつも「フォー・スクエア・コート」にいますよ。

学校で会えるといいですね。みんなが規則を守っているかどうかを確認します。

女の子1

Hi there, kids!  For you who don’t know me yet: I am Eliza from 6JA and one of the school prefects.

Here is a short fact file: I am in yellow house.  I don’t have a favourite colour because I like all colours.

I wanted to become a prefect so that I could help the school and you.

If you need help with something on the field, you can look out for me for help.

 

和訳

やあ、みなさん。まだ私を知らないあなた方のために。私は6JAのエルザで、学校風紀委員の一人です。

こちらは(私の)簡単な調査ファイルです。私は黄色のハウスです。私はお気に入りの色はありません。全部の色が好きです。

私は学校とあなた達を助けるために風紀委員になりたいと思いました。もし、校庭で何か助けが必要なら、私を探してくださいね。

男の子2

I want to take on the role of the Prefect because I have a thirst to contribute to the school community by helping to ensure my fellow school mates abide our 学校名’ rules and regulations including the 8 Golden Rules.

(中略)

Now a little bit about myself.  I enjoy playing tennis, swimming, football, and basketball.  These activities have prepared me to be tolerant, tenacious and work effectively in a team.  I have been with 学校名 since Nursery and I feel very honoured to be a part of the Prefect Team.  Have a pleasant day!

和訳

私が風紀委員の役を引き受けたのは以下の理由からです。学校の仲間たちに校則と8ゴールデン・ルールを含めた規則を確実に守ってもらう手伝いをすることで、学校に貢献したい渇望があるからです。

ではここで少々私のことを。私はテニス、水泳、サッカー、そしてバスケットボールをするのが好きです。これらの活動を通じて学んだのは辛抱強さと粘り強さそしてチームの中で効果的に働くことです。私はこの学校に保育園の頃からいます。そして風紀委員の一員であることにとても誇りを感じています。それでは良い一日をお過ごしください!

女の子2

Hi!  My name is フルネーム and you can call me Ting.  I have been in 学校名 since nursery till Y6, so 学校名 has been in my life for 8 years.

I wanted to be a prefect so that I can help the school and the children.  You can find me around school wearing a prefect badge and I could be the one to open your car door each morning.

My interests are swimming, cooking, reading and having fun with my friends.  When I grow up, I want to be a travel journalist and travel around the world.  What do you want to be when you grow up?

和訳

やあ! 私の名前は〇〇です。ティンと呼んでね。保育園から6年生までずっとこの学校にいます。だから学校は私の人生の中の8年間を占めています。

学校や子ども達を助けるために風紀委員になりたかったのです。学校では風紀委員のバッジをつけている私を見つけられます。そして毎朝車のドアを開けている一人かもしれません。

私の趣味は水泳、料理、読書そして友だちと遊ぶことです。大人になったら、旅行記者になって世界中を旅してまわりたいです。あなたは大人になったら何になりたい?

自己紹介のパターン

4人の子ども達の自己紹介文を掲載しました。よく読むと共通する構成や順番があることに気がつきます。これらをまとめてみましたので、子どもの自己紹介文を作成するときの参考にしましょう。

呼びかけ

以前、日本人学校に交流会に来たインター校の生徒達が日本人の生徒と記念撮影をした写真を見たことがあります。印象的だったのは、日本人の子ども達は全員真面目な表情で写っているのに対して、インター校の生徒達は全員歯を見せてニッコリと笑っているのです。

これは文化による違いです。日本人は記念撮影の際は真面目な表情をするように求められることが多く、外国人との記念撮影でもつい真面目な表情をしてしまうのです。環境によってこのような行動を取るのです。

その証拠に、インター校で育った日本人の子どもはカメラを向けるとすぐに笑顔を作ります。日本人が条件反射的に「ピースサイン」をするようなものです。

話がそれました。英語で自己紹介するときは、つかみの部分で「フレンドリーさ」を演出しましょう。写真なら笑顔が大切です。英語表現については後述します。

名前・所属・年齢

名前・所属・年齢はきっちりと書いておきましょう。定型表現で乗り切れるので、簡単に覚えられます。

ちなみにY6JMとはクラス名です。最初のY6はYear 6(6年生)のことです。これに続くアルファベットの2文字は、担任の先生のイニシャルです。例えば、担任の名前がHarrison Fordだったら、Y6HFとなります。

日本の学校なら6th grade, class 2(6年2組)と表記すれば大丈夫です。

出没箇所

正直私も戸惑ったのですが、「学校のどの辺に行けば自分に会えるか」の謎アピールです。日本の小学生はこのようなことは書きませんが、なぜかこの学校では半分の生徒がそのことに触れています。

おもしろい自己PRなので、日本の小学生でも書いてみるとおもしろいです。英語表現については後述します。

好きなことや性格

定番の説明です。自分の好きな色、スポーツ、自分の特徴などが該当します。これもできるだけポジティブな情報を盛り込みましょう。

一見つまらなさそうな情報でも、その人の性格を判断するのに貴重な情報となることはよくあります。「血液型はB型なので…」のような説明に科学的根拠は皆無です。しかし、そんな情報でさえも読み手(聞き手)は勝手に想像を膨らませてくれるからです。

将来なりたいもの

これも定番の情報です。なりたい職業を伝えるとその人の「性格や得意なこと」をイメージしやすくなります。だからこれらの情報を自己紹介に入れると効果的です。

締め

やはり締めの言葉がないと自己紹介が締まらないので、ひとこと入れるようにしたほうがいいです。簡単に“Have a pleasant day!”(良い一日を)で充分です。

役立つ英語表現

ここからは、先ほど紹介した自己紹介の構成順に、英語でどのように表現していくのかを具体的に説明します。最後に自己紹介の例文(全文)を掲載したので、参考にしてください。

呼びかけ

冒頭の部分は、小学生の子どもなら“Hi, there!”(やあ、こんにちは)くらいの調子で始めるとフレンドリーさを演出できます。簡単に “Hello!” で始めてもいいです。

  • 呼びかけ表現のまとめ
Hi, there!

名前・所属・年齢

“My name is ~.” と教科書的に名前を伝えるだけでも悪くはありません。しかし、ここではもう一つだけ文章を足してこのような表現にしましょう。

“My name is Kentaro Kawasaki(フルネーム), and you can call me Ken(呼び名).”

冒頭でのフレンドリーさを演出した流れをそのまま受け継いで、フルネームを伝えた後で呼び名も追加します。「〇〇って呼んでね」と言われたら、グッと親しみやすくなります。

次に所属の紹介です。先述のとおり「〇年〇組」の表現は英語圏では一般的ではありません。担任の先生の名前を使って表現します。例えば、“I’m in Mr. Smith’s class.” (私はスミス先生のクラスです)となります。

日本式のクラス(例えば4年3組)を英語で表現すると、「(序数)grade, class(組番号)」(4th grade, class 3)となります。

英語表現は、“I’m in 4th grade, class 3.”で大丈夫です。ネイティブの英語表現を真似すると、“The class I’m in is ~.”(私のいるクラスは~です)となります。“The class I’m in is 4th grade, class 3.”です。

最後に年齢です。“I’m ~ years old.”(私は~歳です)は小学生でもなじみのある表現です。よくあることですが、もうすぐ誕生日が近づいている場合(公開される頃には歳が変わっている)とか、つい最近誕生日を迎えた場合の表現も覚えておきましょう。

たとえば、現在10歳でもうすぐ11歳になる場合は次のようになります。“I’m 10 years old, but I’m turning 11 soon.” また、11歳になったばかりなら、“I turned 11.”となります。覚えておいて損はない表現です。

  • 名前・所属・年齢に関する表現のまとめ
My name is Kentaro Kawasaki and you can call me Ken.  I’m in 5th grade, class 1.  I’m 10 years old, but I’m turning 11 soon.

出没箇所

日本ではあまりなじみのない「出没箇所アピール」ですが、斬新なので取り入れてみましょう。

たとえば鉄棒が好きで、休み時間はいつもそこにいるのなら次のようになります。“You can find me around the bars.”

また、見た目の特徴があるのならそれについても触れたほうがいい自己紹介になります。例えばハリーポッターのような丸いメガネをかけているならこのようになります。“You can find me around the school wearing round glasses like Harry Potter.”

  • 出没箇所の表現のまとめ
“You can find me in the library wearing round glasses like Harry potter.”

好きなことや性格

ここでのおすすめ英語表現は2つあります。ひとつめは、“I enjoy ~ing.” です。3つ挙げるなら、A, B, and Cです。4つならA, B, C, and D(最後のandの前にはカンマを入れましょう)。ふたつのときは、A and Bのように単純にand でつなぎます。

“I enjoy playing tennis, swimming, and basketball.”

もう一つの表現方法は、“My interests are ~.”(私の関心ごとは~です)。特にこれといった趣味がない場合でも、悩む必要はありません。

“My interest is having fun with my friends.”(私の関心ごとは友達と楽しく過ごすことです)程度でもかまいません。

低学年なら好きな色を紹介するのも、手軽でおすすめです。日本人の会話では血液型からその人の性格を連想することが多いですが、これと似たような感覚です。簡単に“My favorite color is blue.”のように伝えれば充分です。

  • 好きなことの表現まとめ
“My interests are swimming, football, and reading.  My favorite color is red.”

将来なりたいもの

将来なりたい職業などに触れておくと、自分のことをより詳しく知ってもらえます。これも定型文があります。“When I grow up, I want to be a ~.”(大人になったら、~になりたい)とストレートに伝えましょう。

  • 将来なりたいもの表現のまとめ
“When I grow up, I want to be a policeman.”

締め

締めの言葉です。あくまでも「フレンドリーかつポジティブに」が基本です。

あいさつ的に終わらせるなら、簡単に“Have a nice day!” で大丈夫です。頼りがいのある自分をアピールするなら、“If you need help with something, you can count on me.”(もし何か困ったことがあるなら、ボクに任せて)くらい強気でオーケーです。

  • 締めの表現まとめ
“Have a nice day!”
  • 自己紹介例全文

Hi, there!  My name is Kentaro Kawasaki and you can call me Ken.  I’m in 5th grade, class 1.  I’m 10 years old, but I’m turning 11 soon.

You can find me in the library wearing round glasses like Harry Potter.

My interests are swimming, football, and reading.  My favorite color is red.  When I grow up, I want to be a policeman.

If you need help with something, you can count on me!

自己紹介をする機会は人生で多い

自己紹介をする機会は新学期だけではありません。インターネット上でのブログやフェイスブックなどには自己プロフィール欄があり、これらも自己紹介と同じです。

実は私自身、このような自己紹介欄を埋めるのがとても苦手です。なぜなら、自分の良い面を伝えることを遠慮したり、あまりにも他人の評価を気にしすぎたりするからです。つい無難な事実だけを書いてしまいがちです。

自己紹介で最も大切なのは、「フレンドリーさ」や「ポジティブさ」の演出と他人から覚えてもらうことです。嫌な部分は明かす必要はありません。

子どものうちに自己紹介の定番パターンを身につけておくと、その後の人生で何度も役にたちます。そしてそれが就職活動の自己PRにも少なからず影響を与えることになります。

英語で自己紹介することを通じて、自己紹介パターンを持つことはとても役に立つことなのでおすすめです。

まとめ

自分のことは書く内容に困ることはありません。決まりきった英語表現を使いこなすだけでも、名前や年齢だけに触れる自己紹介よりもワンランク上の自己紹介ができるようになります。

自己紹介は一度作ったら、そのまま放置するものではありません。年齢とともに情報を入れ替える必要があります。また、もっと高度な内容を盛り込みたくなってくるものです。

そのようなときは身近に利用できる英語の先生を見つけて、アドバイスをもらうといいでしょう。「〇〇のように書き直したいけれど、どうすればいいですか?」と質問すれば、きっといいアイデアをもらえるはずです。

写真付きの自己紹介なら、笑顔も忘れないようにしましょう!

子どものオンライン英会話:成果・効果を上げる復習方法

子どもの英語力向上のためにオンライン英会話を始めたけれど、思ったほど成果を感じずマンネリ化していませんか。毎回単調なレッスンで、子どもが何を習ったかすぐに忘れてしまうような状況なら対応策を考えなければいけません。

まず、英会話の向上のためにどのようなトレーニングが必要なのかをお母さんが理解する必要があります。そして、レッスン後の「復習」を充実させ、「よし、今度はもっと上手に話してみよう」という気持ちで子どもにレッスンを受けさせることが大切です。

またあまり使われていないオンライン英会話の「リクエスト機能」を最大限に活用して、より自分の子どもに合わせたレッスンを受けられるようにすることも大切です。

そこで、今回は子どものオンライン英会話の効果・成果を高めるためのコツについて具体的に解説します。

オンライン英会話が子どもの英会話に効果的な理由

英会話の上達にはインプットとアウトプットの両方が必要です。単語・文法の知識を頭にストック(=インプット)して、それらの知識を使って話してみる(=アウトプット)ことでしか英会話の上達方法はありません。

インプットとアウトプットを50:50の比率で行うと理想的な英会話のトレーニングになります。しかし、日本で暮らす大多数の人は英語を使う機会がほとんどないためアウトプットが圧倒的に不足しています。

さらに、インプットの量も充分ではありません。毎日単語や文法を学習したり、英文を何度も音読して暗唱している人は受験生以外、ほとんどいないのが現状です。

そこでオンライン英会話を活用してアウトプットの時間を確保します。そして、レッスンのない日はインプットに集中します。インプットをしておくと意識が高まり、レッスンを能動的に受けられるようになるメリットもあります。

ここではインプットとアウトプットを繰り返しながら英会話が上達する様子を詳しく説明します。

英会話上達のしくみ

「日本語を覚えたときのように、英語も苦労しないで覚えたい」という気持ちはよくわかりますが、現実には不可能です。日本語が母国語として定着した小学生以上の子どもは、日本語をベースにしながら英語を学ぶしか方法はありません。

しかし、悲観する必要はまったくありません。9歳になると少しずつ論理的な思考力が発達してくるので、「文法」を最大限に活用しながら英語を効率的に学べるようになります。

言葉は学習範囲が広くすぐには効果が表れにくいため、努力が報われないように感じますがそんなことはありません。長期間継続すれば必ず英会話は上達します。ここで、インプットとアウトプットを繰り返しながら英会話を上達させる過程を確認してみましょう。

仮に“I want to do ~.”(私は~したい)という表現をマスターする過程を確認してみます。まず、「~したい」と表現したいのに、言えずにフラストレーションが溜まる経験をします。実際に言葉は発していませんが、アウトプットしようとして気づいたのです。

次に、先生に聞いたり辞書で調べたりして“want to do ~”という表現を知ります(インプット)。そして、“I want to play tennis.”(私はテニスをしたい)とか“I want to go to Disneyland.”(私はディズニーランドに行きたい)という英文を暗唱します(インプット)。

その後、会話をする機会に覚えたフレーズを利用してみます。例えば夏休みの思い出を話しているときに「僕は釣りに行きたかったけれど、お父さんはゴルフをしたかった」と表現しようとします。

そして、“I want to go fishing, but my father want to play golf.”と言ったとします(アウトプット)。これを聞いた先生から、「過去のことだから、wantはwantedに直してみよう」とアドバイスをもらいます。

このとき初めて動詞には過去形があることを学び、-edを動詞につけることを理解します(インプット)。そして次回から「いつものことを話すときはwantで、過去のことを話すときはwantedにしよう」と覚えます。

このように、たった一つの表現でさえもインプットとアウトプットを何度も繰り返しながら少しずつ学んでいくのが普通です。だから、英会話を本気で上達させたければインプットとアウトプットを毎日繰り返すしかありません。

アウトプットの機会確保のためにオンライン英会話が効果的

インプットは本があれば自分でもある程度はできます。アウトプット(話す)訓練も大人であれば英語でひとり言をブツブツいいながら練習することは可能です。しかし、子どもの場合はなかなかそこまで器用にできないので、会話をする相手が必要になります。

そこで活用できるのがオンライン英会話です。安い月謝で週に複数回のレッスンを受けられるので、英語でのアウトプットを習慣化するにはもってこいのシステムです。

もちろんこれまでみてきたように、頭の中のストック(英語の知識)が足りないと、口から英語はほとんど出てきません。だから、オンライン英会話でのアウトプットを増やすと同時に、レッスンのない日のインプット(単語・文法学習)がとても大切になってきます。

オンライン英会話のない日は、復習とインプットに集中

週3回のレッスン(各25分)でアウトプットの機会を確保した場合、残りの4日間はインプットに専念しましょう。このインプットの質と量で、英会話の流暢性が決定します。

復習には紙を使った学習が最適です。子ども向けのオンライン英会話では、無料の独自教材と市販の推奨教材が使えるようになっています。独自教材の場合はPDFなどをダウンロードできるようになっているので、プリントアウトしておくとよいでしょう。

レッスンを受けたら、その時に習った部分をテキストで確認します。音声と文字を結びつける学習はとても大切です。リーディング力は英語力の基本となります。また、オンライン英会話ではライティングが弱点なので、鉛筆で書きこむだけでその弱点を補えます。

では、もう少し具体的にどのような復習をすると英会話力が向上するのかを説明します。

英文法の知識を確実にする

その日に習った部分が「Is this ~?」(これは~ですか)なら、主語と動詞の順番が入れ替わっていることをテキストを見ながら確認します。

私はかつて英語教師でしたが、音声のほうが理解力が上がる生徒と文字で確認したほうが理解できる生徒の2タイプいることに気づきました。そのため、レッスンで同じことを説明されても文字や図をみながら確認したほうがより定着しやすくなるので、文字による復習はとても効果的です。

意味がわからないところがあれば、次回のレッスンで質問をしてみるとか、お母さんから教えてあげるようにしましょう。

話すときは文法を意識しすぎると流暢性が損なわれることがありますが、復習のときは英文法の細部の理解に努めます。ここをいい加減にすると、いつまでたっても英会話は上達しません。

知らなかった英単語を覚える

小学生は知っている単語数が不足しているので、知らない単語ばかりかもしれません。語彙力の向上は表現力の向上と直結しているので、積極的に覚えるようにしましょう。

単語については、まず発音が大切です。意味を調べて発音はいい加減に覚えては、英語は上達しません。意味を調べる前に発音とアクセントを調べます。

主要な単語なら、電子辞書で調べると音声が再生されるので、それを聴きながら自分の口でもマネをしてみます。特にカタカナ化されている単語は注意が必要です。日本語に引きずられてしまい誤った発音やアクセントをしてしまいがちです。

例えば、plastic(プラスチック)を覚えるとき、「ラ」の部分が【l】と【r】のどちらなのかを正確に発音するようにしないと、あとで混乱することになります。

小学生の子どもにとって大きな山となるのが、基本的な動詞です。一見簡単そうに見えますが、多用されるのでいろいろな意味や文脈に使用され、意味の範囲が広いものが多いので使いこなすのは大変です。

例えば、haveの基本の意味は「を持つ」です。しかし、“I have a dinner at 7:00.”のhaveは「食べる」という意味です。このように文脈によって意味が変化する基本動詞は英語初心者の子どもにとってやっかいな存在です。

これらの単語については多くの用例に触れながら語感を養うしかありません。

テキストの英文を暗唱する

テキストにはターゲットとなる基本文が書いてあります。ここまでの学習で、文法と単語を完全に理解していれば、基本文の内容も正確にわかるはずです。横に日本語の訳を書いておきましょう。準備ができたら、この英文を音読しながら英文を暗唱します。

  • 手順
  • 英文を集中して3回音読します。今度は、テキストから目を話して同じ英文を声に出して言ってみます。
  • 時間を空けて日本語訳を見ながら、英文を音読します。このとき、途中でわからなくなったら、もう一度最初から繰り返します。
  • スラスラ言えるまで繰り返す。

英文の暗唱は、すき間時間に取り組むと効果的です。思わずテレビをつけたくなる直前とか、風呂上がりの時間などの短時間を利用して集中して取り組むと覚えられるようになります。また、どこかに出かけるときもその部分のコピーやメモを持ち歩き暗唱するようにします。

能動的にレッスンを受けてみる

オンライン英会話で成果を上げるために最も大切なのは、「レッスンを能動的に受ける」ことです。毎回何も準備せずに何となくレッスンを受けても、英会話は上達しません。

そこでオンライン英会話でもっと効果を上げるために必要なコツをいくつか紹介します。

  • 今日の出来事を英語にしてみる

オンライン英会話の冒頭では、挨拶とちょっとしたフリーカンバセーション(自由会話)のやり取りがあります。

オンライン英会話がマンネリ化してくると、子どもは最低限の言葉だけでやり過ごしてしまい、講師が話しづらい状況を作り出してしまいます。

挨拶は毎回“How are you?”と質問されるので、“Fine, thank you.” だけで終わりにせず、“I’m good.”(調子いいです)など他の答え方も覚えておきましょう。気分に合わせて答えられるように下の表現を目の前の壁に貼っておくのもいいアイデアです。

I’m good.
I’m okay.
I’m excellent.

さらに、これだけで終わりにしないで1センテンスを追加するように心がけましょう。その場合は、but(しかし)かbecause(なぜならば)でつなぐとスムーズです。相手にできるだけ情報を伝えたほうが会話は弾むので毎回話す内容を決めておきましょう。

例えば、“I’m okay, but I have a lot of homework today.” と返事をすると、オンライン英会話の講師は必ず宿題のことについて反応するはずです。

“I’m excellent, because my father gave me a PS4.” と返事をすれば、講師は「へえ、何かゲームソフトは買ったの?」と質問を続けます。これらの質問にも答えられるように、あらかじめ準備をしてメモを取っておくと、会話はスムーズに進行します。

  • 伝えたいのに表現できない部分をメモする

オンライン英会話はパソコンやタブレットに向かってレッスンを受けています。でも、私の子どもが受けるときは必ず横にノートと鉛筆を用意させます。これはレッスン中に言えなかったことや、印象に残った先生のフレーズや注意点を書き残すためです。

レッスン後は必ずこのメモを見て、フレーズを覚えたり知らない単語を覚えたりするようにします。ノートには先述したフリーカンバセーションのネタをメモしておくのもいいです。

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オンライン英会話のレッスン予約欄にお母さんがリクエストをする

レッスンを能動的に受けるために活用したいのが、リクエスト欄です。レッスン予約をするときに細かい要望をメニューから選べたり、書き込めたりします。よくあるレッスンリクエストとしては、次のようなものです。

  • 日本語を使用して欲しい:学習初期の子どもでも戸惑わずにレッスンを受けられる
  • 発音指導をして欲しい:日本人が苦手な発音を中心に丁寧に指導してもらえる
  • センテンスを正して欲しい:自分の英語の間違いを指摘してもらい正確性を高める

またオンライン英会話によっては、もっと細かいリクエストを送ることも可能です。例えばあらかじめ英検5級の問題集をスキャンしておき、そのファイルを添付します。

コメント欄に「(1)~(10)までの問題に取り組ませてください(日本語可能)」と入れておくと、講師はそのリクエスト通りにレッスンを進めてくれます。

細かい要望をすることについて遠慮する必要はありません。教える講師の立場からすれば、細かく指定されたほうがレッスンの目標がハッキリするのでかえってやりやすくなります。子どもも明確な目的意識をもってレッスンを受けるので英会話の向上が早くなります。

このようにお母さんがひと手間かけるだけで、子どもは前向きに・能動的にオンライン英会話のレッスンを受けられるようになります。この機能を十分に活用して、ダラダラとレッスンを受けることのないようにしましょう。

まとめ

英語は積み重ね型の教科です。基礎レベルから少しずつ理解を固めて、より高度なものへと伸ばしていくことが大切です。

英会話では文法や単語などの知識をインプットして、会話の中で使ってみる(アウトプット)ことを繰り返しながら、少しずつ向上させていくのが定石です。そのためには、オンライン英会話のレッスンを受けたら復習を充実させることが大切です。

また、レッスン前に今日話すネタを決めておき、講師にうまく伝えてみようという気持ちが大切です。さらに、お母さんから子どもに必要とするレッスンの要望を細かくリクエストすると、子どもが最も必要とする内容に特化されるのでマンネリ化を避けられます。

英語学習は長期間に渡るものなので、工夫をして子どもの学習意欲を刺激しながら継続することが理想です。毎回「今度こそうまく伝えてみる!」という気持ちで子どもがレッスンを受けられるように、サポートしてあげましょう。

試合(会話)ばかりでは英語は上達しません。英語のトレーニングはこの方法がオススメです!

小学生の英語通信講座の選び方

突然ですが、通信講座にどのようなイメージを持っているでしょうか? 子どもの頃を思い出してください。毎月どっさり送られてくる教材に最初は意気揚々と取り組むものの、しばらくすると溜めてしまい、親に怒られながら課題を提出した…そんな経験ありませんでしょうか?

時代は変わり、今では紙の教材からタブレットやパソコンで学ぶ「デジタル教材」に移行しています。大手通信講座運営会社では小学生向けの英語にも力を入れています。従来のイメージのままでは、現在の通信講座を正しく理解することはできません。

「そろそろウチの子も英語を」と検討中のお母さんには、英語教室やオンライン英語レッスンだけでなく、通信講座も選択肢に入れることをおすすめします。自習を前提に構成されているので親が先生代わりになる必要はなく、忙しいお母さんにもぴったりです。

今回は、さまざまな観点から英語の通信講座をどのように選んだらいいのかを解説します。

小学生の英語通信講座:教材はどうなっているか

通信講座といえば毎月大量の紙教材が送られてくるイメージがありますが、実際は違います。大手の運営会社が提供する内容を調べてみると、通信講座は2つの大きな柱から構成されています。それらは「タブレット(またはパソコン)を使った学習教材」と「オンライン英会話レッスン」です。

これら2つの柱に加えて、「紙のワークブック」が必要に応じて送られてきます。デジタル教材とアナログ教材の長所と短所を抑えて、それぞれが補完しあうように考えられています。以後、これらの内容について詳しく説明します。

パソコン、タブレットを使い4技能を伸ばす英語教材

先述のように、教材の大部分はデジタル化されています。英語だけでなく他の教科も同様です。このことから大量に溜まっていく教材の保管場所に頭を悩ませる必要はなくなりました。デジタル教材の長所は写真・図・音声・動画を駆使して、わかりやすく学習内容を伝えられることです。

以前、私は英語教師として授業をしていたとき気づいたことがあります。それは、生徒には「視覚・聴覚に強く反応するタイプ」と「文字に強く反応するタイプ」の両方がいることです。黒板に色分けしたチョークで図を描いたり矢印(→)で修飾関係を示したりするのはそのためです。

デジタル教材では文字解説も含まれますから、どちらのタイプにも理解しやすく工夫されています。英語の場合は音声面の学習が不可欠なので、デジタル教材との相性は抜群です。

このことから、デジタル教材では4技能の「Reading(読む)」「Listening(聞く)」「Speaking(話す)」「Writing(書く)」をバランスよく伸ばすことができます。紙のワークブックでは、どうしてもReadingとWritingに偏りがちでしたが、この弱点はデジタル教材では解消されています。

なおデジタル教材の場合、Writingは鉛筆と消しゴムが使えないのでタブレットのタイピングで補っています。記憶の面では鉛筆で書いた方が優れていますが、ついでにタイピングを覚えてしまうのも将来的には役立ちそうです。

オンライン英語レッスン

Speakingに大切なのは、英文の暗唱(インプット)と話す訓練(アウトプット)の2つです。英文の暗唱は音読を繰り返すことによって体得しますが、アウトプットは実際に話すことによってしか訓練できません。

ひとりごとのように話し続ける訓練法もありますが、小学生には難しいです。どうしても生身の人間を相手にして話す練習が必要です。これを低コストで実現するのが「オンライン英語レッスン」です。

大手の通信講座では標準セットの中に、「オンライン英語レッスン」が月1回含まれています。好きな日時に予約を取り、その時間になったらパソコンやタブレットを使用して講師と英語で会話をします。

レッスンは15分程度です。内容は普段の学習と連動しているので、極端に会話に詰まるようなことはありません。「タブレットで学習した英語を話したら本当に通じた」喜びは、継続するためのモチベーション維持に効果的です。

紙のワークブック

従来の紙のワークブックにも良いところはあります。目は疲れにくいし、鉛筆で書き込める手軽さはデジタル教材にはない長所です。

通信講座運営会社もその点は把握していて、半年に1回ほどの頻度で紙のワークブックを届けているところがあります。たまには鉛筆を手に、黙々とワークブックに取り組むことも必要である証拠です。

このように大手の通信講座は、2つの柱「タブレット(またはパソコン)を使ったデジタル教材」「オンライン英語レッスン」と、「従来の紙のワークブック」(プラス1)で構成されています。

それぞれの長所を活かし短所はお互いに補いながら関連づけられていて、うまくできているなと感心します。では、このような通信講座は、他の学習形態と比較してどのようなメリットがあるのでしょうか?

英語通信講座のメリット

通信講座のメリットのひとつは「費用の安さ」です。大手の受講料を調べてみると、英語だけなら月々約2,000円~3,000円で設定されています。英会話教室に通う費用と比べると3分の1~5分の1程度です。

学年が上がるにつれて教育費がかさむのは頭痛のタネです。しかし、通信講座をうまく利用すると費用を抑えることができます。

さて、小学生が英語を学ぶときは、英会話教室に通うとかオンライン英会話を受講するなど、いくつか形態があります。ここからは、これらの学習スタイルと比較して通信講座で学ぶメリットについて考えてみます。

英会話教室と比較して

お勤めをされているお母さんの悩みは「習いごとの送迎」です。通信講座は自宅で受講できるので、もちろん送迎不要です。車での送迎は、車の所有コスト・駐車代・ガソリン代・事故リスクなどを伴いますが、こうした悩みからも解放されます。

また、教室に通う場合は曜日と時間は固定されていますが、通信講座は子どもの好きなときに取り組めます。宿題や習いごとで忙しい小学生でも、すき間時間を利用して取り組めるのは大きな利点です。

タブレットを利用した学習は、反復トレーニングが必要な場面で威力を発揮します。英会話教室でも分からないところは繰り返し説明してくれますが、回数には限度があります。

一方、タブレットでの学習なら反復回数は無制限です。例えば、発音のトレーニングをするとき、“th”の発音がなかなかできないとします。英会話教室の先生は根気よく教えてくれても、せいぜい10分くらいが限度でしょう。

「動画を見て、口まね、発音・録音、発音のチェック」ができるタブレット教材では、時間も回数も無制限です。機械が相手なので、先生に遠慮することは一切ありません。自分が納得するまでとことん学習することができます。

紙のワークブックと比較して

「自由な時間に学習できる」利点は紙のワークブックも同じです。しかし、デジタルでしか実現できなかったこともあります。ここではデジタル教材ならではの3つの長所を紹介します。

一つ目は、デジタル教材はカラフルな図・絵、音声、動画などを組み合わせて学習内容がわかりやすく理解できるように工夫されていることです。また、正解を選べば拍手や「Good job!」と再生され、子どものやる気を高める工夫もされています。

二つ目は、解説が至れり尽くせりなので親の指導はほとんど不要なことです。これは忙しいお母さんにとって朗報です。わからないところがあると子どもの学習は止まってしまうので、自習を継続させるために大切なポイントです。

ただし、ときには親ができたところをほめてあげたり励ましたりすることは大切です。通信講座のなかには子どもの学習履歴がネットで確認できて励ましコメントを送ることができる「見まもり機能」がついています。仕事でいそがしくても、励ましのコメントを投稿できます。

三つ目のメリットは、復習をしやすいことです。既習事項を復習したいとき、紙のワークブックでは欲しい情報を探すのにひと苦労です。何かの原因で紛失してしまえば、探し出すことができません。

一方、タブレットを利用した教材は欲しかった情報をすぐに検索できます。万が一端末を紛失したり故障させたりしても、情報は残っているので安心です。

このようにデジタル教材には、費用を抑えられるだけでなく、英会話教室や紙のワークブックよりも優れている点が多くあります。次に、通信講座のデメリットにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

英語通信講座のデメリット

おそらく通信講座を検討しているお母さんの心配事のひとつは、「子どもが継続できるかどうか」です。いつでもどこでも勉強できるのはメリットですが、同時にデメリットでもあります。

つまり、強制力がないので自分でやる意志がないと、学習を始めないからです。この問題に対処するには、2つの方法があります。「おもしろい教材を与える」方法と「あえて学習時間を事前に決める」方法です。

おもしろい教材は、子どもに英語学習は楽しいと感じさせるためです。教材のレベルをきちんと子どもにあったものを選んだり、子どもの興味を惹くような教材の内容であるかをチェックしたりすることで、ある程度は解決できます。

この点については、運営会社も努力をしています。インターネットに接続していることを利用して、運営会社は会員のデータを大量に収集しています。これは全国の子ども達の学習パターンを分析するためです。

例えば、成績優秀な子ども達の学習パターンを集めて、効果的な使い方を紹介できます。また、子どもが飽きたりつまずいたりする学習事項も細かく特定できるので、その部分の説明をより興味を惹くように改善しています。

このようにして通信講座の運営会社は、子どもが少しでも継続できるような教材開発に力を入れています。

もう一つの「あえて学習時間を事前に決める」方法は、意志の弱い子どもに有効です。例えば、時間割を作ってしまい、自宅での学習もそれに従って淡々とこなすようにします。

オンライン英語レッスンを利用して、習慣化することも可能です。オンライン英語レッスンは事前に予約が必要です。子どもはその内容を先に学習しないと困ったことになるので、自らすすんで勉強するようになります。ちょっとした強制です。

どのような方法をとるかは、子どもの性格や各家庭の事情に合わせて考えてください。自習を前提としてうまく作られている通信講座の教材ですが、お母さんが時間のあるときに学習状況を確認するだけでも、継続率は向上します。

タブレットを使うと眼は悪くなる?

デジタル教材の良さばかりに注目してしまいがちですが、長時間近い距離からモニターを見つめていると子どもの眼に負担がかかります。一回の使用に上限を設けたり、ときどき窓の外の景色をしばらく眺めたりして、眼を休ませましょう。

専用タブレットの中には使用時間を設定できる機能が付いているものもあるので、そういったものを利用することも検討しましょう。

英語の通信講座を選ぶときのポイント

小学生向けの英語通信講座はいくつかあります。これらの中から、どのようなポイントに気をつけながら最適な通信講座を選んだらよいのかを解説します。

ネット環境は整っているか

タブレットやパソコンの使用が前提となっているので、自宅に安定したインターネットの環境があるかどうかを確かめてください。同じ家の中でも部屋によっては通信速度が遅くなる場所が発生するので、子どもが学習するエリアでの確認が必要です。

動画を再生するのに問題なければ、通信速度の心配はありません。

専用タブレットかどうか

選択する通信講座によって、既に持っているパソコンやタブレットでの受講が可能なものと、提供会社が指定する専用タブレットを使用するものの2パターンがあります。費用的には前者の方が抑えられるのはいうまでもありません。

専用タブレットの場合は、最初にタブレットの購入費用が約1万円発生します。タブレット端末としては決して高くありません。問題は短期で解約したり子どもが落として故障させたりしたときに、初期費用以上の金額を請求されることです。

例えば、6か月未満の短期で解約すると、約3万円のタブレット代金を請求されることがあります。故障の際の交換対応では、有料保障サービスをつけないと4万円近い金額を請求されます。

いずれにしても、タブレット関連で発生しうる費用に関しては、事前に慎重に調べましょう。

専用タブレットにも長所はあります。子どもの利用を主体に考えて設計されているところです。例えば、有害なホームページの閲覧をできないようになっていて、インターネットでの検索に使用しても安心です。

また、子どもの使用を考えて一般的なタブレットよりも耐久性を重視した造りになっており、壊れにくくなっています。

レベル設定・コースの選定は慎重にする

受講レベルの設定は子どもの継続意欲に大きな影響を与えるので、慎重にしましょう。変更手続きは簡単にできますが、新しい教材が配信されるのは翌月からになります。

難易度だけでなく、コース選びにも注意しましょう。普通に基礎的な英語を学ぶだけなら問題ありません。でも、「英検対策をしたい」など具体的な目標がある場合は、それに対応したコースを選びましょう。

レベルやコースの変更によって、費用が変わることがあるので確認が必要です。

英語だけでも受講できるか

小学生の通信講座は国語・算数・理科・社会が主体です。これらの教科に追加して英語を始める場合は特に問題はありません。しかし、「英語だけを受講したい場合」には、個別の受講は可能かどうか確認をしましょう。

また、これまでも他の教科を受講していて、あらたに英語を追加する場合は割引が適用されることがあるので、調べたほうがお得です。

過去の復習をできるか

デジタル教材の強みの一つは、復習が容易であることは先述したとおりです。この特性を生かすためにも、過去の教材を利用できるかどうか、きちんと確かめましょう。幸いほとんどの通信講座では、受講期間中の復習は問題なくできるようです。

小学生向け英語通信教育:肝心の効果は

英語の学習を継続する際の大きな壁は、上達を実感しにくいことが挙げられます。例えば、算数では足し算のひっ算を学習したら、その場で正解が出せるようになり達成感を得られます。

一方、英語の場合、複数形の勉強をしても英会話力が向上することはほとんどありません。すべての技能が複雑に絡み合っているので、効果を実感するまでに相当な時間がかかります。

お母さんが最も気になるのは、英語の通信講座を受講して、どのくらい英語力が向上するのかということでしょう。特に、英語教室に通った場合と比較しての効果を知りたいはずです。

しかし、実際に効果を正確に測定するのは難しいことです。子どもの能力はそれぞれ異なるので、他の子どもと比較しても通信講座の正しい評価にはなりません。

英語教室に通っている子どもより通信講座を受講している子どもの方が英語が上達した場合、それは学習形態の違いよりも学習時間や頻度に影響を受けているかもしれません。

たった週1回の英語教室だけで済ませている子どもと、毎日15分程度英語に触れている通信講座の生徒では後者の方が伸びる可能性は高いです。しかし、毎日の音読練習を取り入れれば英語教室に通っている生徒が上回る可能性もあります。

このように通信講座の正確な評価は難しく、個人の体験を一般化することは適切ではありません。しかし、これでは通信講座がいいのか悪いのか判断材料がなくなってしまいます。そこで、デジタル教材の特性を考えてどのような段階の学習者に通信講座は最適なのかを考えてみます。

初期の基礎的な学習には効果的

英語学習において基礎はとても大切です。とりわけ、フォニックス(音とつづりの関係)や英語独特の発音方法などの音声面はこの学習初期に身につけさせたいものです。

私は「基礎的な学習には通信講座はかなり効果的である」と思っています。我が家では、子ども達はすでにこのレベルを超えてしまったので検証できません。しかし、デジタル教材の特性を考えると、音声面の基礎的な学習には利用価値が高いと考えます。

例えば、thの発音の仕方を例にとってみましょう。デジタル教材では、上下の歯の間に軽く舌を挟んで空気を出す様子を動画で見られます。モデルの音声は何度でも再生できて、自分の声を録音して正しい発音ができているか確認もできます。

タブレットではその気になれば何時間でも反復訓練できます。英会話教室の先生も根気強く指導してくれるかもしれませんが、さすがに何時間もというわけにはいきません。

「英語で伝える」という点においてはネイティブのような発音を目指す必要はありません。ほどほどでいいのです。しかし、上手に読める自信をつけた子どもと、そうでない子どもでは英語に対する興味関心は確実に変わってきます。

このような理由から、英語がゼロの状態から音声面の基礎を学ぶ段階においては、デジタル教材をつかった通信講座は利用価値が高いと私は思います。

ある程度まで達成できたら、一度やめるのもアリ

では、英語の基礎を身につけた後も通信講座は効果的でしょうか? この点については、私も正直判断が難しいです。とりあえず受講して1年経ったところで、「英検」や「英検Jr.(小学校低学年・幼児向けの英検)」を受験することをおすすめします。

できれば半年後にもう一度受けて、スコアの推移を観察してみましょう。もしスコアが順調に伸びていて子どもも続けたいと言っているなら、そのまま継続で問題ありません。

もしスコアの伸びが今一つだったり、子どもがあまり乗り気でなかったりする場合は一度やめて、別の計学習形態に変更することも検討してみましょう。

基礎がある程度身についた後は、より深く幅広い学習を求められるので、タブレットだけで済ませるには無理が生じます。本をたくさん読んだり、自分のことをいろいろと書いてみたりして暗唱するような学習にはタブレットは向いていません。

子どもの英語の伸びが鈍くなったのは「成長のサイン」です。このサインを見逃さないように、学習方法や学習形態が子どもの実情に合っているかどうかを常に見極めることが大切です。

まとめ

小学生が英語を学ぶときには、英会話教室、オンライン英語レッスン、通信講座、eラーニング、音読を中心とした自習などさまざまな方法があります。子どもの性格・レベル・家庭の事情によりどれが適しているのかは一概に決められません。

どれを選んだとしても、週1回程度の頻度ではほとんど上達は見込めません。通信講座は毎日少しずつ学習するように設計されていますから、英語に触れる頻度は格段に増します。

最初に選んだ学習方法が最適なのかどうか、ときどき「英検」や「英検Jr.」を活用しながら、客観的に判断するのが望ましいです。通信講座では親が常に見守る必要はありませんが、時間があるときは学習を見てあげると子どもの成長を感じたり、つまづきに気づいたりすることができます。

これまで見てきた通り、通信講座には良い点がたくさんあります。子どもの英語を伸ばすためのひとつの方法として頭に入れておきましょう。

子どもの英会話教室:後悔しない選び方・決め方

博報堂こそだて家族研究所が実施した「子どもの習い事・身につけさせたいスキル」に関する調査があります。この調査によると、子どもに身につけさせたいスキルは「英語/英会話」がダントツの一位でした。(参照:博報堂こそだて家族研究所)

学校における必修科目として英語の存在感が大きいことが理由です。また、「義務教育期間中はずっと英語の習い事を続けて欲しい」と望んでいるお母さんが多いようです。

英語の習い事とは多くの場合、英語教室のことを意味します。ところが、いざ英語教室を探すとなると何からスタートすればいいのかわかりません。ママ友のクチコミは参考になりますが、これだけでは決め手になりません。

スマートフォンで検索すれば英語教室の情報を得ることはできます。でも、情報が多すぎてかえって選べなくなります。そこで、「どのような手順で探せば優良な英語教室を見つけられるか」を順に解説します。

英語教室の強みとは?

英語教室に子どもを通わせることは、「子どもの英語教育の一部を外注する」ことと似ています。そのような視点で考えると、英語教室に通わせる主な理由は以下の3つになります。

  1. 自分ができないことを英語教室にお願いする
  2. 自分でもできるが時間や効率の関係であえて英語教室にお願いする
  3. 家庭教師やオンライン英語教室(スカイプ英会話)ではできないことを英語教室にお願いする

1と2の理由を即答できる人は多いです。子どもに自信をもって英語を教えられるお母さんは限られていますし、子どもの英語教育のために充分な時間を割ける人は少数派だからです。

しかし、最も重視すべき項目は3です。英語の先生を探すだけなら、家庭教師やオンライン英語教室(スカイプ英会話)などの選択肢もあります。ただ、実店舗型の英語教室には、これらにはない強みがあります。まずは、その強みを知る必要があります。

私が考える英語教室の強みは、先生と生徒が同じ空間で英語のレッスンができることです。また、一緒に学ぶ仲間がいることもプラス材料です。

例えば、ワークブックに色を塗ったり文字を書いたりする学習は英語教室では簡単ですが、オンラインでは難しいです。ゲームなどのアクティビティは同じ空間に仲間がいないと成立しません。

このように、実店舗型の英語教室には家庭教師やオンライン英語教室にはない強みがあります。これを理解した上で、英語教室に魅力を感じるなら、具体的に選ぶ作業に移ります。

子どもの英語教室の決め方:事前調査の手順

手当たり次第に体験レッスンに申し込むのは時間の無駄です。事前調査はスマートフォンがあればできます。ここでは数か所に絞り込むまでのステップを5つに分けて順に解説します。

通える範囲の英会話教室か

通常、レッスンは週1回です。悪天候でも、毎回無理なく送迎できるかどうかは大切です。どんなに優良な教室でも、通える範囲にないなら存在しないのと同じです。交通手段にかかわらず、片道20分以上かかるならあきらめたほうがいいでしょう。

また、教室の近くに買い物ができる場所があると便利です。子どもがレッスンを受けている間、お母さんはそこで日用品などを買えるので、時間の有効利用ができます。

英会話教室の系統をチェック

子どもの英語教室を調べてみると、「英会話系」「塾系」「英語で習いごと系」の3つに系統が分かれています。これらの系統について、解説します。

  • 英会話系

一般的な英語教室で、ネイティブや日本人講師がゲームなどを通じて英語の基礎を教えてくれます。小さい子どもの場合は音声中心の授業です。読み書きや文法も年齢に応じて教えてくれます。

  • 塾系

中学受験の塾が英語に特化したクラスを開講しているパターンです。小学校の学習指導要領を意識しながら、中学校で習う英語を前倒しで教えているところが多いです。単語学習や基本例文の暗唱を中心に据えて、英会話系とは差別化を図っています。

  • 英語で習いごと系

数は少ないですが、英語で何かの習い事をする教室です。例えば、ネイティブのインストラクターが体操を教えている教室などが該当します。英語そのものの学習よりは、好きな習い事を通して英語に親しむことが目的です。

英語を本格的に学ぶのなら「英会話系」か「塾系」でしょう。「英会話系」は教える内容や学習方法の自由度が高いです。その反面、授業計画から逸脱することもあるので、計画にのっとってレッスンが行われているか確認しましょう。

「塾系」は小学生に中学英語の一部を前倒しで教えることが基本です。レッスン内容は親に理解しやすい反面、子どもが楽しいと感じるかどうかがポイントでしょう。

小学生の間は本格的な英語の学習は必要ないと考えるお母さんもいると思います。その場合、英語で習いごと系の教室も検討の価値ありです。

全国展開の大手英会話教室vs.町の小さい英会話教室

英語を教える能力に資本金は関係ありません。通えるエリアにあるならば、小さい英語教室でもまったく問題ありません。

一般的な傾向として、大手の場合、レッスンはある程度マニュアル化されています。つまり、違う町のスクールに通ったとしても授業内容やレベルはあまり変わりません。また大手の教育系企業の看板を掲げた小規模英会話教室も、教材レベルは比較的高く教室ごとのレベルのバラつきは少ないです。

一方、町の小さい教室では講師(兼経営者)の実力=教室のレベルです。小さい教室の場合は、どれくらいの期間運営されているか調べてみましょう。長期間(少なくとも5年以上)地元の人たちに愛されている教室には納得する理由があるはずです。

英会話教室の月謝と一時金

大手英語教室の月謝は月々1万円ほどで、それとは別に教材費や諸費用がかかります。小さな教室だと7千円くらいの月謝だけで大丈夫なところもあります。

英語教室は年単位で通い続けないと効果は表れません。家計に負担をかけすぎないように、毎月の月謝と一時金(初期費用など)がどれくらい必要かチェックしましょう。

有力候補の英語教室に関しては、費用に関する疑問点をあらかじめまとめておくといいです。

英会話教室のクチコミ情報の読み方

クチコミ情報の読み方は、飲食店のクチコミサイトの見方と似ています。投稿数は人気の目安になります。最高評価と最低評価の極端なクチコミは除外して、真ん中のクチコミを丁寧に読みましょう。教室のホームページからはわからない情報は貴重です。

例えば、「子どもの学校終了時刻の変更に合わせて、クラスを変えてくれた」などの情報は利用者にしか知りえないものです。

小さい教室での「講師の高評価」はそのまま「教室の高評価」となります。その講師がほとんど一人で教えているからです。彼らは異動もなければ、辞めることもほとんどありません。

反対に大手英語教室で「〇〇先生は教え方がうまい」と書いてあっても、その先生があなたの子どもを教えてくれるとは限りません。大手英語教室の場合は、先生に関する情報よりも授業内容を参考にしましょう。

ここまでが事前調査の手順です。すき間時間にスマートフォンで検索すれば、数日でいくつかの英語教室に絞れます。子どもの予定を確認しながら、体験レッスンの申し込みをしてみましょう。

もし周囲に英語教室が見つからない場合は、無理に遠方の教室を探しても挫折するだけです。「英語教室の強みは得られないことを理解した上でオンライン英語教室などを利用する」という発想に切り替える必要があります。

英会話教室の体験レッスンはここをチェック!

候補となる英語教室を絞り込めたら、次は体験レッスンの予約をしましょう。

車での送迎なら駐車場の状況を確認します。教室の第一印象も大切です。明らかに清掃が行き届いていない教室は、考え直したほうがいいかもしれません。ハロウィーンなど季節ごとの飾りで、子どもが楽しめる雰囲気づくりをしているかもチェックします。

楽しいと感じないことに子どもは絶対に夢中になることはありません。義務で英語を学習するわけではないので、子どもが楽しいと感じたかどうかはとても大切な要素です。

幼児は初めての場所で泣き出すこともあります。そのときの対応ぶりもチェックするといいでしょう。根気よくなだめすかしてレッスンに参加させようと努力してくれる先生なら好印象です。

さて、肝心の体験レッスンですが、英語教育に詳しくなくても良し悪しは判断できます。判断の基準は、「次の8項目をどれだけ網羅しているか」です。この8項目は「子どもが最初に身につけるべき項目」です。

(難易度が易しい順に並べてあります)

  • アルファベットを読めて書ける
  • 英語らしい発音を身につける
  • さまざまな人の英語に触れる
  • フォニックス(つづりと音のルール)の基本を身につける
  • 決まり文句を覚える
  • 基本の名詞・形容詞を読めて意味がわかる
  • 前置詞(on, in, under など)の使い分けができる
  • 命令文を聞いてその通りに行動できる

良いレッスンは、一回のレッスンの中でこれらの項目を複数カバーしています。子どもの集中力を保つために、短いサイクルで回す工夫もしてあります。例えば、良いレッスンの例は以下のような流れで行われます。

最初の挨拶は先生の“How’s the weather today?”(今日の天気は何?)から始まり、生徒は“It’s sunny!”(晴れです)と答えます。決まり文句の学習です。

アルファベットソングを歌い、「A(エイ) ア,ア,ア, apple!」で口頭練習。これはアルファベットの学習とフォニックスの基本を目的にしています。

英語の口の動きに慣らしたところで、ピクチャーカードを見せながら“big”“small”などの基本単語を覚えます。英語らしい発音の指導と基本単語の学習です。

動詞の“walk”(歩く)を歩きながら学習。続いて“Walk around!”と先生の命令文に合わせて、教室内を歩き回るアクティビティへと発展させます。命令文の学習です。言葉と動作を結びつけて学習する代表的な教授法のひとつです。

このように、一回のレッスンで、上記の項目が複数扱われていることが重要です。

私が高校の英語教員になりたてのころ、研修で教わったのは「授業で扱わなければ、生徒は学ばない」という原則でした。例えば、writing(書く)技能を伸ばしたければ、授業で書かせないと生徒は学ぶ機会がありません。

たった一回の体験レッスンですべてを判断できません。しかし、基礎的な項目のうち少なくとも半分以上を扱っていなければ、授業内容に疑問符がつきます。ダメな授業はテンポが悪く、一つか二つの項目をダラダラと繰り返しているだけです。

また、レッスン後は費用の詳細を確認しましょう。月謝と初期費用、そして教材費や設備費などの費用を細かくチェックします。こちらの気になる質問に誠実に答えてくれるかも肝心です。契約する前に疑問点はすべて解消しておきましょう。

ここまでくれば満足度の高い教室を選ぶのはそれほど難しくありません。限られた中から100点満点の教室を探すのは難しいので、ある程度の妥協は必要です。でも、今回紹介した手順で教室選びをすすめていけば、少なくともダメな教室を選ぶことはありません。

近所に良い英会話教室が見つからなかったり、送迎ができなかったりする場合は、オンライン英語塾(1対1の完全個人指導)を検討するのもいいでしょう。詳細はこちらをクリック!

英会話教室通学後に気をつけること

英語教室に子どもの教育を丸投げしていては、なかなかいい結果は得られません。子どもの英語教育に関心を持ち続けましょう。とはいってもお母さんが英語をガミガミ教える必要はありません。親が関心を持って見ているサインを子どもが感じられるかがポイントです。

毎回出される宿題は、休日にお父さんと一緒に取り組んでもいいかもしれません。たまにお父さんが英語を間違えることもあります。「お父さんよりできた!」と子どもは喜ぶので「すごいね!」とほめてあげればいいのです。子どもは飽きやすいので、20分くらいで終了するのがコツです。

このように、夫婦がお互いに子どもをサポートするのは自然なことです。夫婦の会話で子どもの英語に関する話題になるのは良い傾向です。

ただ、英語教室や宿題だけでは英語に触れる時間は短すぎます。そのため、宿題以外にも家庭で英語に触れる機会を作るようにしましょう。

例えば、英語絵本の読み聞かせは、家庭でも英語を自然に取り入れられておすすめです。また、車に乗ったら英語の歌を再生して親子で歌うだけでも立派な勉強です。毎日の積み重ねを大切にしましょう。

教室に通い始めて1年くらい経過したら、成果を確認することも必要です。幼児であれば「英検Jr.(子ども向けの英検)」、小学生なら「英検」を半年ごとに受けてその推移を見ていけば成長を数字で確認できます。

あまり進歩がなければ、英語教室の内容を再チェックして教室は適切かどうか判断する必要があります。思い切って別の教室に変えることを検討しましょう。

まとめ

子どもを英会話教室に通わせる前に、英会話教室の強みを把握する必要があります。お母さんが英語が得意でなかったり、忙しいので英語教育を任せたりするのは普通のことです。それ以外にも、英会話教室にしかできないことの価値を認識することが大切です。

子どもが定期的に通う場合、親の送迎の負担は大きいです。月謝についても毎月の固定費が増えるので、慎重に検討しなければいけません。いくつかに候補を絞ったら、体験レッスンを受けてみましょう。

週一回の英会話教室でのレッスンだけでは子どもの英語力は伸びません。やはり家庭での取り組みが大切です。お母さんだけでなくお父さんにも手伝ってもらって、子どもの英語教育をサポートしていきましょう。関心を持ち続けて励ますことがポイントです。

小学生英語塾ではオンラインで英語のレッスンが受けられます。詳しい情報はこちらから。

子どものオンライン英会話のメリットとデメリット

2020年の新型コロナウィルスによる学校や塾の休校により、それまで以上に脚光を浴びるようになったのがオンラインによる授業です。英語業界でも、従来の英語教室に加えてオンライン英会話や動画視聴型の英語通信講座などより一層多様化が進みました。

確かにネット環境さえあれば自宅で受講できるオンライン英会話は大変便利です。

我が家でも小学生の子どもがオンライン英会話を数年間継続しています。3年半、海外のインターナショナルスクールに通っていたため、帰国後の英語力維持に大変役に立っています。コロナウィルスによる影響も皆無でした。

しかし、オンライン英会話は万能ではありません。リアルな教室には、オンライン英会話では得られない利点も多くあります。

お母さんが子どもに英語を習わせたいときは、それぞれのメリットとデメリットを正しく理解する必要があります。そして、オンライン英会話を選ぶなら、どのように利用したらより効果的なのかを知っておいたほうがいいです。

今回の記事では、オンライン英会話の長所と短所、そして最も効果的な活用法について説明します。

オンライン英会話の長所と短所を正しく理解しよう

学校外で子どもが英語を習う場合、いくつかの形態があります。主にリアルな英会話教室とオンラインの英会話の2つのグループに分かれます。

リアルな英会話教室は従来からあるように近所のスクールに生徒が通うタイプの教室です。

オンラインについては、「動画視聴型」と「ライブ授業」の2つのタイプに分かれます。

「動画視聴型」とはあらかじめ録画してある授業動画を見て、問題を解いて解説を確認するレッスン形態です。

具体的には「スタディサプリ」「スマイルゼミ」「進研ゼミ」などがあり、比較的低価格で利用できるのが特徴です。

海外にいた頃、中学生の娘が塾替わりにこれを利用していました。日本国内で塾に通うのとそれほど変わらない環境が維持できたので、とても助かりました。

しかし、生徒が勘違いをしていてもそれに気づく仕組みがなかったり、その場で質問に答えてもらえなかったりするのが短所です。

では次に、主にフィリピン人講師がライブで行うオンライン英会話の長所と短所について詳しく見ていきましょう。

オンライン英会話のメリット

・通学・送迎が不要

オンラインでは家庭でレッスンが受けられるため、通学や送迎の負担が一切ありません。パートや買い物などの合間を縫って、英語教室に送迎をする親の負担はかなりのものです。

また、2020年に発生したコロナウィルスのような感染症や冬季のインフルエンザなどが流行しても、オンライン英会話では安心してレッスンを継続できます。

・比較的料金が安い

最近の子どもたちはたくさん習い事をしています。親が無理にやらせていなくても、毎日のように何かの教室に通わせている家庭は珍しくありません。

そうなると頭が痛いのが教育費です。リアルな教室では建物の賃貸料や設備の維持費などのコストがレッスン料に上乗せされています。

しかし、オンライン英会話なら比較的低料金(1回25分・月4回で3,000円前後)でレッスンを受けられます。講師もほとんどがフィリピン人講師であり、人件費も日本人講師よりも抑えられています。

英語以外の塾や習いごとをしている家庭でも経済的な負担が少ないのが、オンライン英会話のメリットです。

・講師とレッスンが自由に選べる

私が自動車免許の講習所に通っていたころ、教官が選べるシステムがありませんでした。そのため相性の悪い教官に当たると、ウンザリした記憶があります。

オンライン英会話では、講師とレッスン日時が自由に選べることがほとんどです。そのため、お気に入りの講師がいれば、その人を中心にレッスンの予定を立てることができます。

突然、他の行事と重なった場合でも、比較的直前までキャンセルできるところがほとんどです(もちろんキャンセル料なし)。

・ライブなので緊張感がある

動画視聴型のオンライン塾では、いつでも見られる反面、集中力がもたずに途中で見るのをやめたり、早送りしてしまったりすることがあります。

しかし、オンライン英会話ではフィリピン人講師(生身の人間)が画面の向こうにいるため、レッスンはインタラクティブ(双方向)なやり取りで進められます。

このような形態では、お互いに緊張感をもってレッスンを受けるため、より充実した時間を過ごせます。

このように、オンライン英会話にはリアルな教室より優れた特性が多くあります。では、オンライン英会話の短所にはどのようなものがあるのでしょうか。以下、詳しく見てみましょう。

オンライン英会話の欠点

・強制力がないのが欠点

リアルなスクールでは曜日と時間が固定されているため、多少疲れていても頑張って継続します。しかし、スケジュールを自由に組めるオンライン英会話は、そのことが長所でもあり短所でもあります。

つまり、「いつでも受けられる→なかな受けない」という状態になることも、あり得ます。

これを回避するためには、ある程度の曜日と時間帯を決めておき、レッスンが終了するごとに次のレッスン予約を入れておくことです。

・接続や機器のトラブルに子ども1人では対応できない

後述するように、インターネットとPC・タブレット・スマートフォンなどを利用するオンライン英会話では、トラブルが発生すると子ども1人では解決できないことが多いです。

特に小学4年生くらいでは、PCなどのIT機器の扱いに慣れていないことも多く、軌道に乗るまで親が隣でサポートしてあげる必要があります。

リアルな教室であれば、いったん子どもを預けてしまえば、その場を離れて買い物をしたりすることが可能です。しかし、オンラインでのレッスンの場合は、完全に子どもをフリーにするわけにもいかないのが実情です。

ただし、子どもが小学校高学年だったり機器の扱いに慣れたりすれば、親の負担は徐々に軽くなるのは確かです。

・ライティング指導にはやや不向き

私は小学校高学年の子どもたちにオンラインで英語を指導していますが、ライティングのチェックだけはやりづらさを感じます。

例えば、初めて英文をノートに書かせた時には以下のようなことを確かめたいのです。

・文頭は大文字から書き始めているか。

・文字と文字の間にきちんとスペース(空白)をとっているか。

・スペリングに間違いがないか。

・最後にピリオドを打っているか。

これらのことは、目の前に生徒がいれば簡単に確認できます。しかし、オンラインで画面越しに指導するとそうはいきません。

「(パソコンやタブレットの)カメラに向けて、ノートを見せて」

と声をかけると、生徒はノートを見せてくれます。でも、位置がちょっとズレていてそれを伝えるのがとても大変です。

私の場合は、事前に書いたノートの写真を送ってもらい、画面共有(同じ画面を生徒と講師で共有)しながら添削・解説をするなどの工夫をすることでやり繰りしています。

このようにオンライン英会話は万能ではありません。子どもの特性や家庭の事情などを総合的に考えて、上手に活用することが理想です。

ではオンライン英会話を利用するためには、どのような環境と機器が必要なのかについて説明します。

オンライン英会話に必要な環境と機器

まず、インターネット環境が必要です。光ファイバーやケーブルテレビなどの回線を契約して安定した通信が可能であることが望ましいです。

YouTubeなどの動画が途切れることなく視聴できるのであれば、特に心配しなくても大丈夫です。

次に、機材です。私のおすすめは、パソコンまたは大きめのタブレット(iPadなど)です。

スマートフォンでも受講は可能ですが、画面が小さいため非常に疲れます。また、SNSなどのメッセージが届くとレッスンに集中できなくなるため、スマートフォンは避けましょう。

ほとんどの場合これだけでも受講できますが、ヘッドセット(下の写真)を用意するとより快適に受講できます。

マイクが自分の声だけを拾うので、家族の会話や雑音が入らずにレッスンがスムーズになります。ヘッドセットは安価なものから高価なものまでさまざまですが、私は2千円程度の安価なもので充分だと感じます。

最後にアプリ(ソフトウェア)についてです。オンライン英会話の会社独自のソフトを利用したり、ZoomやSkypeなどの既存のアプリを使って行う場合の2種類があります。

いずれにしても、慣れてしまえば操作は難しくなく、小学生でもすぐに使いこなせるようになりますので心配無用です。

オンライン英会話を効果的に利用するためのプラン

これまでオンライン英会話の特性について説明しました。オンライン英会話では英語で授業が行われます。そのため英語を習ったことのない子どもにはハードルが高すぎるかもしれません。

では、実際に子どもに英語を学ばせるときに、どのようなケースでオンライン英会話を利用すると最も効果的なのかについて2つのプランを示します。

英検の面接対策

小学生には少し早すぎるかもしれませんが、英検3級以上では面接(スピーキング)試験が必須となります。

普段、人の前で大きな声で英語を話す訓練をしていないと、緊張のあまりせっかくの実力を発揮できないケースが発生します。

そこで、英検のスピーキング対策として、3~4か月前からオンライン英会話を活用してみましょう。

レッスンは最初に簡単なあいさつや雑談から入ることが多いです。これはムダな時間ではなく、英検のスピーキング試験の際、試験官から聞かれる質問とよく似ています。

“How are you?” と聞かれたときに、“I’m fine.” だけで終わらせるのではなく、少しだけ近況を話してみるような訓練をしておくと心に余裕が生まれます。

また、外国人慣れしていないのも試験で焦る原因になります。普段からフィリピン人講師との会話に慣れておくと、平常心で対応できるので有利です。

オンライン英会話のプログラムの中に「英検面接対策」が組み込まれているものがあります。体験レッスンのときにチェックするようにしましょう。

検定や英語試験ではスコアや級の合否となって結果が明確です。3~4か月の期間限定で効果測定ができるオンライン英会話と相性が良いように感じます。

文法・単語の復習として活用する

私が多くの小学生にすすめているのは、英検4級レベルの文法と単語を先に日本人講師から習うことです。

このレベルまでの基礎を身につけておくと、英語だけで行われるオンライン英会話にもなんとかついていけるからです。

そして、オンライン英会話では、それまでに習った文法や単語の復習をして欲しいのです。

日本人講師は日本人学習者がつまづきやすいポイントをよく理解しているので、教えるのが上手な傾向があります。子ども達にはまず英語を「わかる」状態にしておきます。

この「わかる」状態で終わらせてしまうと、英語を「使える」ようにはなりません。

使えるようにするためには、知識を使って実際に口から英語を話してみるトレーニングが必要です。家庭では例文を何度も音読することが必要ですし、オンライン英会話では意識的に習った文法や例文を応用して英語を話してみることが大切です。

スポーツに例えるなら、日本人講師による文法学習は「ルール説明」、家庭での音読練習は「練習」、そしてオンライン英会話は「試合」に相当します。

ルール説明や練習だけでは、スポーツは上手になりません。反対に試合ばかりで練習をおろそかにしていても実力は向上しません。

オンライン英会話を復習に充てるべき理由として、もうひとつ挙げられます。それは、子どもがすでに習ったことを英語でもう一度説明されるため、音声に集中できるからです。

知識ゼロの内容を英語で学習するのは難しすぎます。でも、復習であれば講師からの質問にもある程度答えられるため、生徒も自信がつきます。

「英検の面接対策」「すでに習ったことの復習・応用」など目標を絞ると、オンライン英会話を効果的に活用することができます。

お母さん方にはぜひ、子どもの英語教育のコーディネーターになっていただきたいと思います。そして、これらのことを念頭におきながら、子どもの英語力を伸ばしていきましょう。

まとめ

英語を習うときには、リアルな教室に通う方法とオンライン英会話を利用する方法があります。

オンライン英会話には、通学不要・低料金・講師や日時が自由に選べる・ライブなので緊張感がある、などの利点があります。

反対に、強制力が弱くついサボってしまう・機器のトラブルに子どもが対応できない・ライティング指導に不向き、などの欠点もあります。

また、最低限のネット環境や機器をそろえる必要です。これから新たにそろえるなら、かなりの出費になります。

これらの長所と短所を正しく理解することが、オンライン英会話を利用するための最初のステップになります。

英語だけでレッスンが行われるため、英検の面接対策や、すでに習った文法や単語の復習に活用すると、大変効果的です。

場合によっては、リアルな教室とオンライン英会話を上手に使い分けながら、子どもの英語力を伸ばしていきましょう。.

子どもの英語学習は何歳から? 子どもの英会話は意味ないって本当?

「英語ができる人は早期英語教育に否定的です。やらせたがる人は英語ができない人です」

有名なコメンテーターがテレビで主張して、一時期話題になりました。

ネットでは「そうだ、そうだ! よくぞ言ってくれた」という意見が多かったようなのですが、私は「そうかな?」と感じました。

知り合いの英語上級者の家庭では、子どもの英語教育に割と積極的だからです。しかも良い結果を出しています。

彼らの子どもの様子を聞いてみても、日本語が遅れることはなさそうです。

「子どもの英語学習はいつから始めるのがベストなのか」

今回の記事では私の経験をもとに、

・子どもの頃を逃すと英語は身につかないのか

・英語力をキャリアに活かすためにはどのようなプランで学んだらいいのか

・早期英語教育は本当に無駄なのか

上記の3点について解説します。

子どもの英語はいつから始めるのが正解?

英語の仕事をしていると、ママさんから「英語は何歳から始めるのが正解なんですか?」とよく聞かれます。

結論から言いますと、何歳から英語学習を始めても問題ありません。

「えっ、そうなの?」と意外な表情を浮かべるママさんが多いのですが、事実です。

確かに脳科学的には子どものほうが音に関する感性が高いことは証明されているようです。【l】と【r】が聞き分けられるなどの、いわゆる英語耳が育ちやすいのはその一例です。

しかし、大人にも論理的な類推力や常識など、子どもよりもはるかに優れている分野があります。

それぞれの年齢や発達段階に応じた強みを生かせば、何歳から始めても英語の習得は可能です。

「〇〇歳までに始めないと、英語脳(耳)は育たない!」

このような広告を見て、「ウチの子はもう遅いのか…」などとあきらめたり、慌てて高額の教材を購入する必要はまったくありません。

反対に、退職後のおじいちゃんやおばあちゃんが英語を習い始めても、まったく遅すぎることはありません。努力に比例して英語を伸ばすことは可能です。

しかし、私は10歳から本格的に英語学習を始めることをおすすめしています。

「話が違うだろ!」とツッコミが入りそうですが、落ち着いて私の話を聞いてください。

一つ目の理由は、人間は10歳くらいから、論理的・抽象的な思考力が高まります。そうすると英文法を理解できるようになるので、効率的な英語学習が可能となるからです。

論理的習得能力グラフ

もう一つの理由は、その時期から始めると受験においても就職・仕事・転職においても最も英語の恩恵を受けられるからです。

このことについてもう少し詳しく説明しましょう。

英語による収入アップを目指すなら、10歳から英語を始めよう

多くの人が大学進学を実現していますが、現役で合格したとすると21~22歳(大学3~4年生)あたりで、就職活動の時期を迎えます。

この時期に履歴書で「私は英語ができますよ」とアピールしたければ、英検準1級レベル、TOEICなら800点以上が目安です。

難関大学の入試レベルでも、英検準1級には届きません。つまり難関大学に入学してからも英語学習を正しい方法で1年間学び続けることが求められます。

海外との取引がある会社や部門で働くことになると、一定水準以上の英語力は必須となります。どんな業務であっても、やはり英検準1級程度の英語力がないと、実際の業務に支障があるでしょう。

もちろん簡単なことではないので、このレベルの英語力を持ったビジネスパーソンはそうでない人よりも年収が高くなる傾向にあります。

その証拠に、高い英語力を証明するTOEICのスコアを持っている人は、より有利な条件の転職に成功する傾向が顕著にあるようです。

これらのことを総合的に考えると、21歳までには英検準1級レベル、TOEICなら800点以上を取得しておくと、就職・仕事・転職で大きなアドバンテージを得られることがわかります。

これをとりあえずのゴールと考えるなら、小学4年生(10歳)くらいから本格的な英語学習を開始したほうが良いと私は考えます。

受験英語で優位に立ち、大学入学後も英語学習を続ければ社会人になっても高い収入を得られる確率が高まるからです。

英語ができる社会人になるまでのざっくりプラン

目標とその達成時期が明確になったところで、どのようなプランで達成するかを大まかに頭に入れておきましょう。

下の図は小学4年生から大学生までの間でクリアするべきステップを示したものです。上の段は、お母さん世代が受けていた英語教育の様子です。下の段は今の子ども達が目標にするべき目安です。

お母さん達がかつて受けていた従来の英語教育よりも、一段階目標到達時期が早まっていることがわかります。

そして、よりコミュニケーション能力が重視され、リスニング・スピーキング・ライティングも含めた4技能をバランスよく伸ばすことが求められています。

つまり、やることが増えてより早い段階で達成しなければいけなくなったのです。

しかし、中学校・高校では他教科のレベルも上がり部活動など時間のやり繰りが大変になってきます。英語学習ばかりに時間を充てられません。

英語学習は年単位の努力が必要です。そうなると中学入学前の小学校時代にできるところは進めておくことがポイントになります。

結論として、

英語は何歳からでも学べます。しかし、将来の収入アップに最大限活用したければ、小学4年生から本格的な英語学習を始めましょう。

そうすれば社会人になる前に英検準1級(TOEIC800点以上)の取得もかなり現実的になります。

「それなら、もっと早く幼児期から英語教育を始めたらどうなの?」

という疑問が湧いてきますよね。そこで、早期英語教育について、メリットとデメリットを考えてみましょう。

幼児期から英語学習を始めるメリットとデメリット

私の住む地域では、英語のプレスクールが大盛況です。英語のネイティブが幼児を預かり英語で子どもを保育する場所です。

ときどき散歩で家の前を通る子ども達を見かけますが、ネイティブのような発音で英語の歌を歌いながら歩いています。

“Look!  It’s a butterfly.”  (見て!チョウチョウだよ)

簡単な英語だけれど、状況に合わせてスラスラときれいな発音で英語を話すのを見ると感心してしまいます。

我が家は一時期海外に住んでいたことがあります。当時5歳だった息子はインターナショナルスクールに入り、3年半通いました。帰国して1年以上経過しますが、今でも英語を話せます。

一方、日本語が完成しないうちからの英語教育に反対する意見も根強くあります。日本語に悪影響を及ぼすというのが主な理由です。

また、小さい頃から英会話教室に通わせても、まったく英語が上達しなかったという話もよく耳にします。

幼児期からの英語教育は本当に効果的なのか、またどのようなメリットとデメリットがあるのかについて説明します。

本気で英語を必要と子どもに感じさせられるかどうかがポイント

私の経験上、幼児期の英語教育を成功させるための条件はたった一つです。その条件とは「英語が生活に必要な言葉として本人が本気で認識すること」です。

幼児は教養のためとか将来のために勉強をするわけではありません。その言葉を覚えないとお母さんと話ができなかったり、友達と楽しく遊べないから、必死になって覚えるのです。

英語のプレスクールに通う子ども達は、おそらく一日の大半を過ごす場所では英語がメインで使われるため、覚えたほうが絶対に楽しく過ごせるから英語を話すのです。

インターナショナルスクールに通っていた私の息子は本来は社交的な性格でしたが、最初は英語ができずに無言で過ごしました。

しかし「友達と遊びたい」「先生の指示がわからないとマズイ…」と本能で悟り、幼児期の自然に言語をマスターできる能力と合わさり、3カ月後には簡単な英語を話すようになりました。

英会話教室に通わせても子どもがなかなか英語を話さない、というケースをよく耳にします。これは、子どもの中では生活に必要な言語として英語が認識されないため、メインの言語として使おうと思わないからです。

日本で過ごしながら、子どもに英語の必要性を感じさせる環境を作るのは大変です。しかし、その条件さえクリアすれば子どもは積極的に英語を覚えようとします。

必要性がなければ急速に英語を忘れる

幼児期を海外で過ごした子どもが日本に帰国すると、あっという間に英語を忘れるという話は本当です。

なぜなら、「もう英語は必要ない」と子どもの脳が感じるからです。特に、音声だけから覚えた英語は必要なくなると急速に忘れます。

これを防ぐには、本(文字)を読めるようにしておくのが有効です。

私は自分の息子で試してみました。海外にいるとき、話すことよりも英語で読書をすることに力を入れました。

簡単な本を一緒に読んだりしながら、少しずつ読書経験を積ませます。テレビは見られなかったので、暇な時間は読書をするか映画をみるしかありません。

2年くらいすると、ネイティブの子どもと同じくらいの本が読めるようになりました。

帰国後は普通の公立小学校に通っています。普段の会話はほぼ100%日本語です。しかし、文字から覚えた英語はほとんど忘れていません。

幼児期に運よく英語を話せるようになったなら、もうひと頑張りをして英語で本が読めるようにしておくようにしましょう。

そうすることで日本語環境に戻ったとしても、英語を忘れずに一生のスキルとして保持することができます。

幼児期の英会話はムダって本当?

では、そこまで徹底的にやらない「習い事としての英会話」は無駄なのでしょうか? 週1回、楽しく英語に触れるレッスンは時間とお金の無駄なのでしょうか?

私は中学校から英語を習い始め英語が得意になりました。現在は、英語上級者といわれる英検1級も取得しています。

大人になったある日のこと、母から私が英会話教室に通っていたことを聞かされました。ところが、私はまったくこの記憶がありません。

通ったことすら忘れているありさまなので、普通に考えると時間とお金の無駄です。

ところが、一つ私が「そうだったのか!」と腑に落ちたことがあります。それは、中学校で英語を習い始めたときに、私はすぐに英語らしい発音ができたのです。

【f/v】【th/θ】【l/r】などは日本人が苦手とする発音です。しかし、私は先生の見本の通りにほとんど初日からこれらの発音の使い分けができました。

クラスメイトがなかなか発音できないのを見て、「なぜ、こんなのもできないのだろう」と不思議に感じたのを覚えています。

もしかすると小さい頃に通った英会話教室で訓練していて、身体が覚えていたのかもしれません。

中学校では、英語を上手に読めることで気分が良くなり、英語好きになりました(単純な性格ですね!)。

この経験から、幼児期の週1回の英会話教室も、実は役に立ったといえるのではないかと感じます。

確かに、あまりにも高額な教材を購入したり、嫌がる子どもに無理やり英語を習わせるのは私も反対です。

しかし、幼児期に楽しく英語に触れる経験をすることは、たとえ英語を話せなかったとしても無駄ではないでしょう。

そういう意味では、英会話教室に通わなくても、親と英語の絵本を読んで楽しく過ごすだけでも充分です。

幼児期の英語教育は、楽しく学びながら将来役に立つことがあるかもしれないと大らかに構えておきましょう。

英語の早期教育は日本語に悪影響を及ぼすって本当?

海外に住む日本人の子ども達は多かれ少なかれ日本語の発達が遅れます。母親との会話は簡単なやり取りで済むため、高度な日本語の刺激が入らず幼児レベルのままであることが多いです。

特に漢字については海外では必要性がないのと、難易度が高いために年齢相応に覚える子どもはほとんどいません。

しかし、これらの話は海外に住む子どものことです。

日本に住む子どもが半日英語環境で毎日暮らしていたとしても、一歩外に出ればそこは日本です。この状況では、日本語への悪影響はほとんどありません。

人工的に極端な英語環境を作れば話は別ですが、そんなことはほとんど起こりません。したがって、幼児期から英語を学んだとしても日本語が育たなくなるなどの心配は無用です。

まとめ

英語を学ぶのに年齢は関係ありません。しかし、受験・就職・仕事・転職において英語力を武器に収入アップを目指すなら、小学4年生から本格的な英語学習を開始したほうが余裕をもって取り組めます。

さらに早い時期である幼児の英語教育については、賛否両論あります。子どもが英語を必要と感じる環境に置けば、高確率で英語を話すようになります。

日本にいながら週1回の英会話教室では英語を話すのは難しいでしょう。しかし、将来、本格的な英語学習を開始したときに思わぬ形で役立つ可能性もあるので無駄とは言い切れません。

幼児の英語教育については、楽しく学ばせることが大切です。高額すぎる教材を購入したり、嫌がる子どもに無理強いするのは厳禁です。お母さんはあまり前のめりにならないように注意しましょう。

私の周りの英語上級者の家庭でも積極的に子どもに英語学習をさせています。日本語力の低下や思考力が育たないなどの心配はしなくても大丈夫です。

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