子どもの英語力向上のためにオンライン英会話を始めたけれど、思ったほど成果を感じずマンネリ化していませんか。毎回単調なレッスンで、子どもが何を習ったかすぐに忘れてしまうような状況なら対応策を考えなければいけません。
まず、英会話の向上のためにどのようなトレーニングが必要なのかをお母さんが理解する必要があります。そして、レッスン後の「復習」を充実させ、「よし、今度はもっと上手に話してみよう」という気持ちで子どもにレッスンを受けさせることが大切です。
またあまり使われていないオンライン英会話の「リクエスト機能」を最大限に活用して、より自分の子どもに合わせたレッスンを受けられるようにすることも大切です。
そこで、今回は子どものオンライン英会話の効果・成果を高めるためのコツについて具体的に解説します。
Contents
オンライン英会話が子どもの英会話に効果的な理由
英会話の上達にはインプットとアウトプットの両方が必要です。単語・文法の知識を頭にストック(=インプット)して、それらの知識を使って話してみる(=アウトプット)ことでしか英会話の上達方法はありません。
インプットとアウトプットを50:50の比率で行うと理想的な英会話のトレーニングになります。しかし、日本で暮らす大多数の人は英語を使う機会がほとんどないためアウトプットが圧倒的に不足しています。
さらに、インプットの量も充分ではありません。毎日単語や文法を学習したり、英文を何度も音読して暗唱している人は受験生以外、ほとんどいないのが現状です。
そこでオンライン英会話を活用してアウトプットの時間を確保します。そして、レッスンのない日はインプットに集中します。インプットをしておくと意識が高まり、レッスンを能動的に受けられるようになるメリットもあります。
ここではインプットとアウトプットを繰り返しながら英会話が上達する様子を詳しく説明します。
英会話上達のしくみ
「日本語を覚えたときのように、英語も苦労しないで覚えたい」という気持ちはよくわかりますが、現実には不可能です。日本語が母国語として定着した小学生以上の子どもは、日本語をベースにしながら英語を学ぶしか方法はありません。
しかし、悲観する必要はまったくありません。9歳になると少しずつ論理的な思考力が発達してくるので、「文法」を最大限に活用しながら英語を効率的に学べるようになります。
言葉は学習範囲が広くすぐには効果が表れにくいため、努力が報われないように感じますがそんなことはありません。長期間継続すれば必ず英会話は上達します。ここで、インプットとアウトプットを繰り返しながら英会話を上達させる過程を確認してみましょう。
仮に“I want to do ~.”(私は~したい)という表現をマスターする過程を確認してみます。まず、「~したい」と表現したいのに、言えずにフラストレーションが溜まる経験をします。実際に言葉は発していませんが、アウトプットしようとして気づいたのです。
次に、先生に聞いたり辞書で調べたりして“want to do ~”という表現を知ります(インプット)。そして、“I want to play tennis.”(私はテニスをしたい)とか“I want to go to Disneyland.”(私はディズニーランドに行きたい)という英文を暗唱します(インプット)。
その後、会話をする機会に覚えたフレーズを利用してみます。例えば夏休みの思い出を話しているときに「僕は釣りに行きたかったけれど、お父さんはゴルフをしたかった」と表現しようとします。
そして、“I want to go fishing, but my father want to play golf.”と言ったとします(アウトプット)。これを聞いた先生から、「過去のことだから、wantはwantedに直してみよう」とアドバイスをもらいます。
このとき初めて動詞には過去形があることを学び、-edを動詞につけることを理解します(インプット)。そして次回から「いつものことを話すときはwantで、過去のことを話すときはwantedにしよう」と覚えます。
このように、たった一つの表現でさえもインプットとアウトプットを何度も繰り返しながら少しずつ学んでいくのが普通です。だから、英会話を本気で上達させたければインプットとアウトプットを毎日繰り返すしかありません。
アウトプットの機会確保のためにオンライン英会話が効果的
インプットは本があれば自分でもある程度はできます。アウトプット(話す)訓練も大人であれば英語でひとり言をブツブツいいながら練習することは可能です。しかし、子どもの場合はなかなかそこまで器用にできないので、会話をする相手が必要になります。
そこで活用できるのがオンライン英会話です。安い月謝で週に複数回のレッスンを受けられるので、英語でのアウトプットを習慣化するにはもってこいのシステムです。
もちろんこれまでみてきたように、頭の中のストック(英語の知識)が足りないと、口から英語はほとんど出てきません。だから、オンライン英会話でのアウトプットを増やすと同時に、レッスンのない日のインプット(単語・文法学習)がとても大切になってきます。
オンライン英会話のない日は、復習とインプットに集中
週3回のレッスン(各25分)でアウトプットの機会を確保した場合、残りの4日間はインプットに専念しましょう。このインプットの質と量で、英会話の流暢性が決定します。
復習には紙を使った学習が最適です。子ども向けのオンライン英会話では、無料の独自教材と市販の推奨教材が使えるようになっています。独自教材の場合はPDFなどをダウンロードできるようになっているので、プリントアウトしておくとよいでしょう。
レッスンを受けたら、その時に習った部分をテキストで確認します。音声と文字を結びつける学習はとても大切です。リーディング力は英語力の基本となります。また、オンライン英会話ではライティングが弱点なので、鉛筆で書きこむだけでその弱点を補えます。
では、もう少し具体的にどのような復習をすると英会話力が向上するのかを説明します。
英文法の知識を確実にする
その日に習った部分が「Is this ~?」(これは~ですか)なら、主語と動詞の順番が入れ替わっていることをテキストを見ながら確認します。
私はかつて英語教師でしたが、音声のほうが理解力が上がる生徒と文字で確認したほうが理解できる生徒の2タイプいることに気づきました。そのため、レッスンで同じことを説明されても文字や図をみながら確認したほうがより定着しやすくなるので、文字による復習はとても効果的です。
意味がわからないところがあれば、次回のレッスンで質問をしてみるとか、お母さんから教えてあげるようにしましょう。
話すときは文法を意識しすぎると流暢性が損なわれることがありますが、復習のときは英文法の細部の理解に努めます。ここをいい加減にすると、いつまでたっても英会話は上達しません。
知らなかった英単語を覚える
小学生は知っている単語数が不足しているので、知らない単語ばかりかもしれません。語彙力の向上は表現力の向上と直結しているので、積極的に覚えるようにしましょう。
単語については、まず発音が大切です。意味を調べて発音はいい加減に覚えては、英語は上達しません。意味を調べる前に発音とアクセントを調べます。
主要な単語なら、電子辞書で調べると音声が再生されるので、それを聴きながら自分の口でもマネをしてみます。特にカタカナ化されている単語は注意が必要です。日本語に引きずられてしまい誤った発音やアクセントをしてしまいがちです。
例えば、plastic(プラスチック)を覚えるとき、「ラ」の部分が【l】と【r】のどちらなのかを正確に発音するようにしないと、あとで混乱することになります。
小学生の子どもにとって大きな山となるのが、基本的な動詞です。一見簡単そうに見えますが、多用されるのでいろいろな意味や文脈に使用され、意味の範囲が広いものが多いので使いこなすのは大変です。
例えば、haveの基本の意味は「を持つ」です。しかし、“I have a dinner at 7:00.”のhaveは「食べる」という意味です。このように文脈によって意味が変化する基本動詞は英語初心者の子どもにとってやっかいな存在です。
これらの単語については多くの用例に触れながら語感を養うしかありません。
テキストの英文を暗唱する
テキストにはターゲットとなる基本文が書いてあります。ここまでの学習で、文法と単語を完全に理解していれば、基本文の内容も正確にわかるはずです。横に日本語の訳を書いておきましょう。準備ができたら、この英文を音読しながら英文を暗唱します。
- 手順
- 英文を集中して3回音読します。今度は、テキストから目を話して同じ英文を声に出して言ってみます。
- 時間を空けて日本語訳を見ながら、英文を音読します。このとき、途中でわからなくなったら、もう一度最初から繰り返します。
- スラスラ言えるまで繰り返す。
英文の暗唱は、すき間時間に取り組むと効果的です。思わずテレビをつけたくなる直前とか、風呂上がりの時間などの短時間を利用して集中して取り組むと覚えられるようになります。また、どこかに出かけるときもその部分のコピーやメモを持ち歩き暗唱するようにします。
能動的にレッスンを受けてみる
オンライン英会話で成果を上げるために最も大切なのは、「レッスンを能動的に受ける」ことです。毎回何も準備せずに何となくレッスンを受けても、英会話は上達しません。
そこでオンライン英会話でもっと効果を上げるために必要なコツをいくつか紹介します。
- 今日の出来事を英語にしてみる
オンライン英会話の冒頭では、挨拶とちょっとしたフリーカンバセーション(自由会話)のやり取りがあります。
オンライン英会話がマンネリ化してくると、子どもは最低限の言葉だけでやり過ごしてしまい、講師が話しづらい状況を作り出してしまいます。
挨拶は毎回“How are you?”と質問されるので、“Fine, thank you.” だけで終わりにせず、“I’m good.”(調子いいです)など他の答え方も覚えておきましょう。気分に合わせて答えられるように下の表現を目の前の壁に貼っておくのもいいアイデアです。
I’m okay.
I’m excellent.
さらに、これだけで終わりにしないで1センテンスを追加するように心がけましょう。その場合は、but(しかし)かbecause(なぜならば)でつなぐとスムーズです。相手にできるだけ情報を伝えたほうが会話は弾むので毎回話す内容を決めておきましょう。
例えば、“I’m okay, but I have a lot of homework today.” と返事をすると、オンライン英会話の講師は必ず宿題のことについて反応するはずです。
“I’m excellent, because my father gave me a PS4.” と返事をすれば、講師は「へえ、何かゲームソフトは買ったの?」と質問を続けます。これらの質問にも答えられるように、あらかじめ準備をしてメモを取っておくと、会話はスムーズに進行します。
- 伝えたいのに表現できない部分をメモする
オンライン英会話はパソコンやタブレットに向かってレッスンを受けています。でも、私の子どもが受けるときは必ず横にノートと鉛筆を用意させます。これはレッスン中に言えなかったことや、印象に残った先生のフレーズや注意点を書き残すためです。
レッスン後は必ずこのメモを見て、フレーズを覚えたり知らない単語を覚えたりするようにします。ノートには先述したフリーカンバセーションのネタをメモしておくのもいいです。
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オンライン英会話のレッスン予約欄にお母さんがリクエストをする
レッスンを能動的に受けるために活用したいのが、リクエスト欄です。レッスン予約をするときに細かい要望をメニューから選べたり、書き込めたりします。よくあるレッスンリクエストとしては、次のようなものです。
- 日本語を使用して欲しい:学習初期の子どもでも戸惑わずにレッスンを受けられる
- 発音指導をして欲しい:日本人が苦手な発音を中心に丁寧に指導してもらえる
- センテンスを正して欲しい:自分の英語の間違いを指摘してもらい正確性を高める
またオンライン英会話によっては、もっと細かいリクエストを送ることも可能です。例えばあらかじめ英検5級の問題集をスキャンしておき、そのファイルを添付します。
コメント欄に「(1)~(10)までの問題に取り組ませてください(日本語可能)」と入れておくと、講師はそのリクエスト通りにレッスンを進めてくれます。
細かい要望をすることについて遠慮する必要はありません。教える講師の立場からすれば、細かく指定されたほうがレッスンの目標がハッキリするのでかえってやりやすくなります。子どもも明確な目的意識をもってレッスンを受けるので英会話の向上が早くなります。
このようにお母さんがひと手間かけるだけで、子どもは前向きに・能動的にオンライン英会話のレッスンを受けられるようになります。この機能を十分に活用して、ダラダラとレッスンを受けることのないようにしましょう。
まとめ
英語は積み重ね型の教科です。基礎レベルから少しずつ理解を固めて、より高度なものへと伸ばしていくことが大切です。
英会話では文法や単語などの知識をインプットして、会話の中で使ってみる(アウトプット)ことを繰り返しながら、少しずつ向上させていくのが定石です。そのためには、オンライン英会話のレッスンを受けたら復習を充実させることが大切です。
また、レッスン前に今日話すネタを決めておき、講師にうまく伝えてみようという気持ちが大切です。さらに、お母さんから子どもに必要とするレッスンの要望を細かくリクエストすると、子どもが最も必要とする内容に特化されるのでマンネリ化を避けられます。
英語学習は長期間に渡るものなので、工夫をして子どもの学習意欲を刺激しながら継続することが理想です。毎回「今度こそうまく伝えてみる!」という気持ちで子どもがレッスンを受けられるように、サポートしてあげましょう。