お母さん必見!「子どもの英語教育」
  • スマホメニュータイトル1
    • 英会話スクール
    • 英検等
    • 留学・インター校
    • 本・歌・DVD
    • 英語表現
    • 学習法
    • 教え方のコツ
    • サービス
    • お問い合わせ

お母さん必見!「子どもの英語教育」

本物の英語力を望むお母さんのための情報サイト

  • 英会話スクール
  • 英検等
  • 留学・インター校
  • 本・歌・DVD
  • 英語表現
  • 学習法
  • 教え方のコツ
  • サービス
  • お問い合わせ
トップページ
>
留学・インター校

留学・インター校

いいね! 0 はてブ 0 ツイート LINE
  • 小学生の英検2級体験記:帰国子女の英語力保持に英検を活用!
  • 多様化する小学生対象の「国内の英語サマースクール」
  • マレーシア母子留学について
  • インターナショナルスクールはどんな学校か
  • 子連れ海外旅行を英語力アップにつなげるコツ
  • 小学生の短期留学・ホームステイ:気になる費用と効果

小学生の英検2級体験記:帰国子女の英語力保持に英検を活用!

小学校で本格的に英語が導入されています。我が家には小学4年生の息子がいて、彼も英語の授業を受けています。帰国子女で英語も年齢相応にはできるので、得意の英語力を活かして楽しく授業を受けていると私は思っていました。

ところが、学校での様子を聞いてみると、彼が英語力を発揮する機会はほとんどないようです。日本では英語を使用する機会がほとんどなく、授業中でさえもあまり英語を使えていない様子です。そのため息子は英語に関する自己評価が低下している様子でした。

そのときに思いついたのが英検の受験です。帰国子女の英語力保持や英語学習へのモチベーションアップのためにも、英検を受験してみることは有効ではないかと考えました。ここでは息子が英検2級を受験したときの様子や効果について詳しくレポートします。

帰国子女の英語力保持に英検を活用

帰国子女といっても彼らの英語力はひとくくりに語れません。海外の学校に通っていた期間や本人の学力によって大きく変わるからです。

また、帰国したときの年齢も英語力を測るうえで重要です。英語で読書ができる前に帰国してしまうと、音声(聴く・話す)から覚えた英語が中心です。音から覚えた英語は、文字を学習した後と比較して忘れやすい特徴があります。

海外の学校(現地校やインターナショナルスクール)に小学校の低学年で入学し、2年以上在籍して年齢相応の読書ができる子どもならかなりの英語力を期待できます。一般的にネイティブの小学6年生は、英検1~準1級レベルといわれています。

努力して覚えた英語なので、「帰国後も英語を忘れないようにさせたい」と願う帰国子女のお母さんは多いはずです。しかし、帰国子女が日本で英語を使う機会はほとんどありません。意識的に努力しないと英語力の保持は難しいのが現状です。

帰国子女の帰国後の苦労

我が家にはマレーシアのインターナショナルスクールで3年半(Year 2~5:およそ日本の小学1~5年に相当)学んだ息子がいます。成績は中の上で、英語によるコミュニケーションは問題ありませんでした。

小学4年生の4月に帰国しました。通っている学校は普通の公立小学校です。この時期に帰国したのは、日本人としての国語力をつけることを優先したからでした。

海外にいるときから国語(日本語)の勉強は続けていたので、帰国後も国語はほとんど問題なく対応できています。

しかし、問題は英語でした。学習指導要領の改訂により公立小学校でも英語の授業が導入されています。「他の生徒よりも英語ができるので楽しいだろう」と私は予想していました。しかし、息子の反応は意外なものでした。

どうやら英語の授業中に発言させてもらえないらしいのです。どんなに手を挙げても先生は目を合わせず、遅れて遠慮がちに挙手した別の生徒を指名するそうです。

私には先生の行動を理解できます。いつも息子ばかりを指していたら他の生徒が発言する機会を奪うことになります。このため、授業中に息子が英語を話す機会はほとんどありません。せっかくの英語の授業は「ストレスのたまる時間」になってしまいました。

1学期が終了し、通信簿を持って帰りました。ABCの3段階で各教科の観点別に評価が並んでいます。何気なく見ていると、英語の評価欄に目がとまりました。なんと「外国の文化や習慣に関心がある」がB評価だったのです。

5歳でマレーシアに移住し、英語環境に適応しようと努力していた息子の姿を毎日見ていた私には信じられない評価です。

私は息子には「気にするな」と言いました。しかし、日本の小学校には息子が自分の英語力に自信を感じられる機会や場所がありません。現状を打破するために思いついたのが「英検の受験」でした。

英検を取得すれば自信につながる

私は長いこと英語学習を続けてきましたが英検には無関心でした。資格試験対策ばかりに固執して小手先のテクニックに走るのは邪道だと思っているからです。そのため一度も受験したことがありませんでした。

しかし、息子が英語力に自信を感じられない状況は早急になんとかしなければと感じました。そこで夕食時に英検の受験を息子に提案しました。

息子は最初、あまり乗り気ではありませんでした。しかし、妻が「お父さんも英検1級を受けるから」と提案したとたん、彼の目の色が変わりました。私に対してライバル心を燃やし始めたのです。

妻の提案が功を奏し、息子は英検の受験を決心しました。今年2回目の英検まで2か月あったので、準備期間は充分でした。ちょうど夏休みが始まったところだったので、暇な時間を有効活用できます。さっそく申し込みをすることにしました。

小学生が英検2級に合格するための対策と勉強法

英検の出願は英検のホームページ上から完結します。
英検HP

息子の受験級は「英検2級」を選択しました。IDやパスワードを入力して、クレジットカードで支払いを済ませるだけです。このときのデータは後で大切になるので、忘れずに記録しておきましょう。

息子の英語力から「英検準1級でも合格できる」と思いましたが、あえて2級に決めました。理由は2つあります。

まず、英検2級の筆記試験で扱われる英単語には小学生には理解が難しいものが多数含まれているからです。例えば、insurance は名詞で「保険」の意味です。小学4年生では保険がどういうものなのか理解は難しいでしょう。

「insurance=保険」と訳語を暗記することは可能です。しかし、それでは単語を理解したことにはなりません。年齢相応に少しずつ教養を深めながら、単語の理解をすることが大切です。

試験の中で単語力は一要素にすぎないので、英検準1級の取得も可能です。ただ、これらの言葉をきちんと説明できるように教養を深めてから準1級を受験させたいと考えました。だから足場を固める意味でも2級からが妥当であると判断しました。

二つ目の理由は、成功体験を積ませるためです。準1級にチャレンジして不合格だった場合、息子の英語学習への意欲がそがれる可能性があったからです。小学校で活躍できず英検でも不合格だったとしたら、やる気を失いかねません。

これらの理由から、息子が余裕で合格できる英検2級を選択しました。英検2級の平均合格率は約25%といわれていますが、小学生の受験者で絞ると40%が合格しているようです。これは帰国子女の割合が多いことが主な要因ではないかと推測されます。

スクール探し:小学4年生から参加できる英検2級講座がない!

私は仕事で忙しいので、息子の英検対策を見てあげられません。そこで、近所の英語スクールの夏期講習に通わせることにしました。

しかし、ここで思わぬ苦労をすることになりました。小学4年生が参加できる英検2級対策のスクール(塾)が見つかりません。英検2級は高校卒業程度のレベルです。受験者の多くは高校生です。そのため講習は中学生以上に限定しているところばかりでした。

「自分で教えるしかないか…」とあきらめかけていたとき、最後に問い合わせをしたのが埼玉県を中心に展開する「サイエイ・インターナショナル」でした。事情を説明すると、体験レッスンに参加してレベルチェックをすることを条件に認めてくれました。

サイエイ・インターナショナル
さっそく指定された日時に息子を連れていき、体験レッスンを受講させました。一日のレッスンは2時間です。前半は日本人講師によるレッスンで、後半は外国人講師による英語でのレッスンです。

レッスン終了後、「英検2級で問題ないです」と講師からお墨付きをいただきました。その場で、5日間の夏期講習を2回分(合計10日間)に申し込みました。入学金はサービスしてもらい、約3万円の講習料でした。

講座の開設時間は中高生に合わせて19~21時の時間帯でした。小学生にはやや遅いですが、これは妥協するしかありません。

英検2級対策講座の様子と使用テキストについて

息子の普段の英語学習について説明します。帰国後は週1回(50分)のオンライン英会話(帰国子女向け)を継続しています。また、英語での読書はほぼ毎日続けています。土日はサッカーで忙しく、学習塾には通っていません。

サイエイ・インターナショナルの夏期講習が始まると、積極的に通い始めました。久しぶりに自分のレベルにあった英語のレッスンを受けられたので、うれしかったのかもしれません。

授業の様子をたずねると「俺しか手を挙げていないのに、先生が指してくれない」と、また同じ悩みを語りだしました。

ただし、授業後に外国人講師から「君ばかり指したら他の人が答えられなくなってしまうから、少し我慢してね」とフォローがあったようで、息子は納得している様子でした。

私は英語学習に関して口を挟むことはしませんでした。夏期講習で使用するテキストを確認すると、小手先のテクニックではなく本質的な理解を目指した授業をしていることが見て取れました。

英検2級では文法の問題も出ます。たまに誤答していましたが、おおむね良好でした。文法に関してはマレーシアにいたときに『Essential Grammar in Use』(写真)を使用して、1年かけて取り組んでいました。文法学習の問題集として非常に優れた良書です。
Essential Grammar in Use
自然な例文が充実しているのが特徴です。文法や語法の問題の正答率が高いのは、このときの学習の成果だと思います。

夏期講習に通わせて良かったことは2つあります。一つ目は、英検の「試験形式」に慣れたことです。選択肢から選んだり、リスニングテストがどのように実施されるのかを理解したりしておくことは大切です。

二つ目は、Writing(ライティング)対策のテキストの完成度の高さです。さすがに英検を軸にしている英語スクールだけあって、教材が洗練されています。エッセイ形式に不慣れな日本人学習者でもわかりやすく学べるように配慮されていました。
サイエイのテキスト

夏期講習終了後に先生と雑談すると、「ライティングの模擬試験をして最後まで書ききったのは息子さんだけでした」とほめてもらいました。稚拙な内容でも解答用紙を埋めようと努力したことを私もほめてあげました。

小学生のための英検2級必勝法

先述のとおり語彙力の面で、小学生はどうしても不利な面がでてきます。これをどのように他の能力で補うかが英検2級合格のポイントです。

まず、音声面を徹底的に鍛えることです。リスニングの内容には難しい単語はほとんど使われていません。つまりきちんと聴き取りができれば、簡単に答えることができます。帰国子女の場合、音声面は強いのでリスニングはほぼ満点が狙えます。

そして最も重要なのは、リーディング力です。語彙力は多少不足していても、それを補う速読力・多読力を徹底的に鍛えておきます。これは普段から年齢相応の英語での読書習慣があるかどうかがカギになります。
Harry Potter
文字を読むスピードが速ければ、ライティングに時間をかけることができます。テーマが小学生にとって難しくても、構成を考える時間が充分に取れれば完成させることができます。

数百ページの本を日常的に読んでいれば、英検の試験問題の長文などは「長い」と感じません。知らない単語に出会っても前後の文脈から類推する能力が高く、語彙力不足をカバーすることができます。

帰国子女ではない普通の小学生が英検2級に合格するのはかなり難しいのは事実です。しかし、充分な読書量とナチュラルスピードの英語に慣れておけば勝機が見えてきます。

リスニングが弱い子どもには、こちらの動画セミナーがオススメです。

小学生が英検2級に合格するためにお母さんができること

子どもの英検受験のためにお母さんができることは、「夏期講習の送迎」と「子どもをほめたり励ましたりする」だけです。たったこれだけのことで、子どもは前向きに勉強に取り組みます。

もう一つ子どものやる気に刺激を与えたのが、私(父)の英検1級受験でした。息子は私を打ち負かしたい一心で、一生懸命に勉強していました。
英検1級受験票

家庭でできるサポートとは、気持ちよく送迎をしてあげることや、ほめたり励ましたりすることです。また、親子で受験して適度に競争心をあおるのもとても効果的です。お母さんも(お父さんも可)面倒くさがらずに、一緒に英検にチャレンジすることをオススメします。

英検2級1次試験の当日の流れ

いよいよ英検の当日です。息子の2級と私の1級は午後からスタートなので、午前中は自然と英検の話題になります。

普段はあまり細かいことを気にしない息子ですが、さすがに落ち着かない様子です。不安に思っていることを聞き出すと「ライティングができるか不安」ということでした。

今まで私は英検の指導は一切しませんでしたが、最後に私から「ライティングのコツ」を教えることにしました。

・ライティングのコツをおさらい

英検2級では与えられたテーマについて自分の立場(賛成・反対)を明らかにします。そして理由を2つ挙げて、自分の主張を80~100語でまとめることが求められます。

インターナショナルスクールではほとんど毎週、簡単なエッセイの宿題を出されていたので書くことには慣れているはずでした。しかし、時間制限のあるテストには不慣れです。そこで、短時間でまとめるコツを伝えました。

まず、与えられたテーマをよく読んで理解します。それから余白に簡単な表を作成して、理由を挙げていきます。このときの理由は賛成でも反対でもかまいません。思いつく順番にメモを取っていきます。

このとき、書きやすいほうを書いていきます。これが制限時間内にライティングを仕上げる究極のコツです。

例えば「企業の在宅勤務は将来増えるとあなたは思いますか」というテーマが与えられたら、下の図のようなメモを取ります。

英検2級ライティングメモ

この場合、2つ以上の理由を挙げられたのは賛成側(そう思う)なので、こちらの立場を選択します。さらに、3つの理由のうち書きやすい2つに絞ります。上記の例では「通勤時間を節約できるから」と「交通費を節約できるから」を取り上げるのが最良の選択です。

字数が不足しそうなら、「For instance, …(例えば)」を使用して、具体例で肉付けすれば大丈夫です。

ライティングに必要な表現のパターンはサイエイの夏期講習で教えてくれました。

I think 自分の立場.  (私は~のように思います)
I have two reasons to support my opinion.(私の意見を支持する二つの理由があります)
First,… Second, …. (ひとつめは~。二つ目は~)
For instance, 具体例.(たとえば、~)
For these reasons, I think 結論.(これらの理由から私は~と思います)

これらの表現はほぼ暗唱していたので、あとは当てはめるだけで完成です。

字数をカウントしやすいように、大きめの字で1行につき7~8文字で書くように指導しました。こうすれば、掛け算で簡単に字数を計算できるからです。最後に必ず最初から読んで、綴りや文法の間違いを見つけて訂正するように伝えました。

また、インターネットから過去の問題を探して、その場で理由を挙げる練習だけに集中しました。1時間ほどの学習でしたが次第に自信を取り戻した様子でした。

一方、1級を受験する英検初体験の私は何が出題されるのかまったく理解していませんでした。インターネットで出題される問題数や時間配分などを調べて、メモをとりました。

その様子を見て「今ごろ何をやっているの? お父さんは、完全に英検をなめている!」と息子から非難され、私は苦笑するしかありませんでした。

小学生の英検受験者は保護者の付き添いが可能

試験会場は電車で二駅離れた高校でした。30分前には到着できるよう、息子・私・妻の3人で早めに家を出ました。このときに受験票と身分証は絶対に忘れないようにしましょう。
2級受験票

小学生が英検を受験する場合、解答用紙に個人データを正確に記入する必要があるので、保護者の付き添いが認められています。私は別会場で受験しなければならないので、妻にこの役をお願いしました。

10月としてはかなり暑い日で、駅から会場までの徒歩15分がとても長く感じました。駅から会場までの道は、受験者らしい人の長い列ができています。親子連れも多く、たくさんの小学生が英検を受験していることがわかりました。英検会場

会場に着くと、持参した受験票(写真付)に割印を押してもらいます。ここで付き添いの保護者には衣服に貼る保護者シールが配られます。
保護者シール

英検会場では混乱を避けるためにエレベーターの使用は禁止されています。2級は5階、1級は7階が会場でした。大量の汗をかきながら階段を上り、5階で息子と別れました。

子どもの受験者には保護者の付き添いが認められています。妻の話では、開始5分前までは子どもの机の隣に立ちながら、解答用紙に個人データを記入するのを手伝ったそうです。この記入が終わると保護者は退出して、指定された待合室に移動します。
保護者待合
待合室には各級のスケジュールが書いてあります。終了時間が近づくと、保護者は退出して会場建物の出口で子どもと待ち合わせをします。廊下で待つことはできないので注意しましょう。

英検3~5級を受験する子どもの付き添いがほとんどなので、2級が終わる頃には保護者の待合室は誰もいなくなっていたそうです。

・英検1級会場の様子

7階にある英検1級の会場に到着したころには、私は全身から汗が止まらない状態になっていました。教室に入ると、同じように汗が止まらない中年の受験者達が神妙な面持ちでラストスパートの勉強に打ち込んでいます。

スマートフォンの電源を切り、一冊も参考書を持ってこない私はすることがありません。仕方なく周囲を観察すると、ボロボロにすり切れた『英検1級単語集』を血眼になって読み返していたり、なぜか10年前のNEWSWEEKを熟読していたりする人がいます。

私の前にいる男性は、緊張のためか15分の間に3回もトイレに行きました。初めて目にする英検1級の異様な空気に唖然としながら、試験の準備をまったくしてこなかった自分を今さらながら猛省しました。

・親子とも英検の1次試験終了

英検1級は難易度が高いだけでなく、問題量が多いです。後半のリスニングもなかなか終わらず、正直「もう勘弁してください」という精神状態になります。「子どもを鼓舞するだけなら、準1級で充分では?」と妻を恨みました。

試験が終了して会場の外に出ると、先に試験を終えた息子と妻が待っていました。「英検2級の試験はどうだった」とたずねると「簡単だった」と自信ありげでした。直前にやったライティングが功を奏したようで、指定された字数で完成したとのことでした。

無理に英語を教えず、子どもから求められた部分だけを教えてあげたのはとても良かったと思います。

英検2級1次試験の結果発表と2次試験に向けて

英検1次試験の合格発表は2週間後の月曜日です。土曜日に学校行事があり、当日、息子は休みでした。試験の結果発表は午後です。結果が気になるのか、午前中はそわそわしながら過ごしていました。

・12時に父の結果発表

まず、12時からは1級の結果発表です。英検のサイトにアクセスして、IDとパスワードを入れると1次試験の結果が閲覧できます。

結果は予想に反して「1次試験合格」でした。私の合否には一切関心のない妻は、子どもと昼食中です。仕方なく子どもを呼んで合格の画面を見せました。子どもが妻に私の合格を伝えると「ウソでしょ」と妻の声が階下から聞こえてきました。

私が1次試験に合格する番狂わせがあり、息子は急に不安になってしまいました。2級の発表までの1時間、さらにそわそわして落ち着かない様子でした。

・13時に子どもの英検2級1次試験の合否発表

2級は受験者数が多いせいか、発表直後はアクセスが集中してなかなか合否発表が見られません。30分ほど放置して再びアクセスすると「英検2級1次試験合格」の文字がありました!
英検2級合格
英検バンドを見ると「+9」で、余裕で合格しています。英検バンドとは合格点を起点にして、25点刻みで±1で表示したものです。

今回2級を受験させましたが、合格を知ったとき息子は予想以上に喜びました。2級に合格しても冷めているのではと思っていたのですが、それは私の間違いでした。日本に帰国して初めて自分の英語に対して自信を取り戻せたことが大きかったのではと感じています。

2次試験の面接は、息子の得意分野なので特に対策はしません。暇なときに、過去問を使いながら数回練習してみるつもりです。

小学生の英検は、確実な級から少しずつステップアップしよう

今回の経験から、小学生が英検を受験するときは英検5級から少しずつステップアップすることをオススメします。どんな級でも合格すればうれしいので、その後の英語学習に好影響を与えるからです。

帰国子女でもいきなり準1級に合格すると、残りは1級しかありません。2級から始めて、細かく刻んだほうがモチベーションの維持には好都合です。

もし子どもが不合格でも、叱ったり非難したりするのは厳禁です。合否だけでなくCSEスコア(過去のスコアと比較して伸びを確認できる指標)や英検バンドに注目しましょう。受験ごとに少しずつ合格ラインに近づいていれば努力を評価してあげましょう。

私は英検の合否ばかりにとらわれる姿勢には今でも反対です。しかし、今回のように息子が大喜びしている様子を見ると、成長を確認しモチベーションを維持する点で、英検を受験することは効果的であると考えています。

英検2級2次試験(スピーキングテスト)と合格発表!

2次試験は最寄りの駅から7キロ以上離れた大学を会場に指定されました。会場で受付を済ませると、首から下げる袋を配布(写真)されます。これはスマートフォンなどを入れる袋で、スマートフォンを持っていなくても首から下げる決まりとなっています。
英検2次試験袋
控室で受験生は名前を呼ばれるまで待機します。その間に面接カードを記入します。ここまでは保護者の付き添いが認められています。記入後は保護者は保護者控室に移動して、子どもの試験終了まで待ちます。受付から試験終了まで約1時間でした。

さて、それから2週間後。インターネットで合格発表が確認できます(郵便でも送られてきます)。昼過ぎには発表でしたが、あえて息子が学校から帰ってくるまで待ちました。

IDやパスワードを入力して、試験結果を確認します。2次試験の出来があまり良くなかったらしく、少し不安気な息子でしたが「合格」の文字を見つけ大喜びでした。
英検2級合格
ちなみにCSEスコアは2242で英検2級には余裕をもって合格しましたが、準1級にはあと一歩届きませんでした。

予想通り、小学4年生では語彙のレベルがまだ未熟で出題内容にどうしても追いつかない部分が出てきます。例えば、2級でも「representative: 代理人」という単語は出てきますが、小学生では難しすぎて意味を理解できません。

英語・日本語にかかわらず、もう少し幅広い教養を身につけ語彙レベルを引き上げてから、準1級を受験したほうがいいと改めて感じました。

ちなみに、私も1級に合格しましたが、家族の反応は今ひとつでした(結構大変なんですけれどね)。

まとめ

帰国子女の英語力保持は、お母さんにとって悩みの種です。小学校で英語の授業が正式に導入されていますが、帰国子女のモチベーションを維持するのは難しいです。

このような場合、子どもの英語力に見合った英検にチャレンジさせることは、帰国子女にとってよい刺激になります。必要に応じて近所の英語スクールに通いながら、試験に向けて準備を進めましょう。

お母さんができることは、子どもをほめたり励ましたりすることです。また、お母さんかお父さんも同じように英検にチャレンジすると、子どもの競争心を刺激していい結果につながります。

帰国子女ではない小学生でも、英語学習のモチベーションアップや学習進度の確認の点で、英検の受験は大変効果的です。子どもの場合、英検5級から少しずつステップアップしたほうが、子どもは合格の喜びを多く味わえます。

英検では4技能(聴く・読む・話す・書く)をバランスよく試されます。2次試験ではスピーキングテストが課せられるので、普段からアウトプットの機会を確保しておくことが大切です。オンライン英会話を利用すれば時間や場所に拘束されず、比較的安価で続けられます。

級が上がるごとに自分の英語力の進歩を感じられるのが英検の良さです。「〇級なんて当たり前」と思わずに、合格の喜びを家族全員で共有しましょう。

多様化する小学生対象の「国内の英語サマースクール」

私の小学生時代の思い出のひとつは「夏のキャンプ」です。いとこに誘われて1泊のキャンプに行きました。「原人」と呼ばれていたひげ面のインストラクターに連れられて川遊びしたのは今でも楽しい記憶としてよみがえってきます。

そのような夏のアクティビティと「英語」を合わせたものは、「英語サマースクール」と呼ばれています。その内容は実に多彩で、アウトドアはもちろんインドア中心のスクールもたくさんあります。

家族以外との宿泊経験のない子どもを誰かに預けるのは、お母さんとしては不安に感じるかもしれません。また、肝心の英語力はどう変化するのかも気になるところです。

今回は「日本国内のサマースクール」に焦点を当てて、プログラムの詳細について説明します。また、子どもを参加させるときのお母さんの心構えについて私の意見をまとめました。

夏休みの最高の思い出になるようなスクールを選んであげましょう。

canoe

サマースクールとは

「英語サマースクール」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか? 英語を学ぶのはもちろんですが、それ以外はどんなイメージでしょうか?「キャンプ・カヌー・スポーツ・教室内での勉強」など、人によってさまざまな光景をイメージしたと思います。

実は広い意味ではこれらすべて「サマースクール」と呼ばれる活動です。ネイティブのインストラクターや講師は、英語初心者の子ども達にも楽しめるようにこれらの活動をサポートしてくれます。

「英語サマースクール」は開催地が海外(英語圏)か国内かによって大きく二つに分かれます。今回は、日本国内で開催される「英語サマースクール」について詳しく説明します。

国内と海外のどちらがいい?

海外に行くほうがハードルは高くなるのは間違いありません。パスポートの取得に始まり、親からの物理的・精神的な距離が遠くなることから、子どもは緊張します。時差の大きいアメリカ・カナダ・イギリスへの移動は体力的にも大変です。参加費も当然高くなります。

海外のサマースクール(アメリカ・カナダで2週間)なら40万円近くは見積もる必要があります。

英語力に関しても、ハードルは高いです。海外でのサマースクールに参加して成果を感じるためには、最低2年くらいの学習歴は必要です。

しかし、そのような高い壁を克服できたときの達成感もまたひとしおです。また異文化を肌で感じられる経験はとても貴重です。特に同い年の外国人との交流はかけがえのない体験となるはずです。

一方、国内で行われる「英語サマースクール」の利点は何でしょうか?

まずは「安心感」が違います。子どもが熱を出したりケガをしたりしても、親はすぐに迎えに行けます。時差はないし、気候も普段の生活と大差ありません。渡航費がかからないため、参加費は10万円以内で収まるところがほとんどです。

国内のデメリットとしては、異国の文化を感じることはできないこと、参加者は日本人の子どもだらけなので「英語を話す」プレッシャーを回避して「日本語で話してしまう」傾向にあることです。

それでも、小学校で英語を習い始めたばかりの子どもや、家族以外の人と宿泊を伴う旅行経験のない子どもなら、国内の「英語サマースクール」から始めるほうが無難です。

参加後の様子を見ながら「海外にも行ってみたい」と子どもが言い出して、予算や状況が許されるなら来年の計画として海外サマースクールへの参加を検討するといいです。

アウトドア中心とインドア中心

日本国内の英語サマースクールは内容が多様化しています。「アウトドア中心」と「インドア中心」の2種類に大別できます。それぞれネイティブのインストラクターや講師が中心となって、さまざまな活動を進めます。

「アウトドア中心」のものは「英語サマーキャンプ」とも呼ばれます。「アウトドア」の良いところは、「英語を学ぶ」のではなく「英語で学ぶ」ところです。英語はあくまでもコミュニケーションの道具として扱われています。

それまでは「学校で教科として学ぶ英語」しか知らなかった子どもが、言葉を学ぶ原点を見つめなおすようになります。

「インドア」では宿泊を伴うスクールだけでなく、一定期間、その場所に通うタイプのものもあります。日本国内のインターナショナルスクールが夏休みの間場所を解放して、普段はインター校に通っていない子どもも受け入れているのはその典型です。

「インドア中心」のサマースクールでも、通常の英語の授業の他に「体験型のアクティビティ」が盛り込まれているようです。

活動内容と期間で選ぶ

インターネットで「国内 英語 サマースクール」のキーワードで検索すると、たくさんの情報がヒットします。あまりにもたくさんあるので、何を選んだらよいのか迷ってしまいます。

人気のコースは募集を開始してすぐに定員に達してしまうこともあります。遅くとも5月の連休にはチェックしたほうがいいです。

選ぶ基準は「活動内容(アウトドアかインドア)と開催期間」です。夏休みに入ってすぐの7月下旬は特に人気が高いので、あまり迷っている時間はありません。おそらく毎年参加するリピーターが早めに申し込んでいると思われます。

仲の良い友だちと参加するなら、なおさら早めにお母さん同士で日程を決める必要があります。

英語のレベル別になっているところもある

活動内容とは別に、英語の習熟度によってコースを分けているスクールもあります。同じくらいのレベルグループなら、インストラクターもコントロールしやすいです。参加者も「自分だけ英語を理解できなかった」という劣等感を感じずに済みます。

親心としてつい「ちょっとハイレベル」なグループに入れたくなる気持ちは理解できます。でも、子どもの英語力と性格をきちんと考慮して、適切なコースを選びましょう。不明な点があれば、主催者に遠慮せずに質問しましょう。

ちなみに帰国子女を対象にした「ハイレベル」なコースも用意されています。

英語のサマースクール(アウトドア)

キャンプといっても、サバイバル的なものではなく、子どもでも安心・安全に参加できるタイプのものがほとんどです。それでも、川遊びや山登りでは危険はゼロではありません。インストラクターがきちんと資格を持っているかどうか確かめましょう。

食品アレルギーや普段飲まなければならない薬がある場合は、事前に確実に伝えましょう。パンフレットや説明会、ホームページなどでそれに関する細かい記載のあるスクールを選んだほうが安心です。

前述したように、教室で学ぶのと違って英語で「アウトドア活動」などのアクティビティをするのが中心です。英語での指示を理解して「何かをやり遂げた」喜びを得られるのが、このタイプのスクールの良いところです。

英語のサマースクール(インドア)

「机に座って英語の授業を集中的に受ける」のがインドアタイプの主流です。しかし、こちらのほうも内容が多様化しています。こちらに参加させるお母さんは、「英語力について何かしらの向上」を期待している傾向が強いようです。

開催期間は3日~5日間くらいがほとんどです。この短い間で、お母さんにも伝わるような「成果」がスクールには求められます。そのため彼らも、あの手この手でいろいろと工夫を凝らした内容を提供しています。

アクティビティ&ワークショップ

主に、幼児~小学校低学年の参加者向けには、ゲームや歌などの楽しいアクティビティを通じて英語に慣れ親しませる内容が盛り込まれています。また、「英語で」何かの作品を造り上げるような作業をグループで行います。

幼児中心なので、宿泊ではなく「通いタイプ」が多いです。普段通っている幼稚園などととは違うお友達と楽しい時間を過ごせれば成功です。講師はもちろん英語で指示を出しますが、短期間なので英語力の急上昇は期待しないほうがいいです。

英語でのドラマ

短期間で成果を出すために、「英語での演劇」にチャレンジするコースです。お母さんは「書かれた台本じゃなくて、自由な会話を英語でして欲しい」と思うかもしれません。
drama

しかし、演劇は英語を覚えるのにかなり有効な手法だと私は思います。私の息子がインターナショナルスクールに通っていたときも、毎年大きな「演劇」がありました。

最初は英語が不得手だったので、短いセリフしか与えられませんでした。それでも、人前で堂々と英語を話せたので本人も自信につながったようです。2年目以降は徐々にセリフは長くなりましたが、前年にも増して堂々した演技でした。

セリフは何度も何度も繰り返して声に出して覚えます。つまり、音読と同じ効果があります。ただの音読よりも優れているのは、セリフを話す状況が明確で、その人物の心境に合わせてセリフを読むところです。これは音読より現実の世界に近いものです。

驚いたことに、帰国して数年経ってもセリフの一部や挿入歌などを口ずさむことがあります。繰り返し音読練習することの学習効果が高いことの証明です。

私は子どもをサマースクールに参加させたことはありません。それでも、「ドラマ」タイプはおもしろそうだと感じています。

英語学習

いわゆる英語の「お勉強」です。ただし、普段受けている学校での授業と違って、「オールイングリッシュ」で行われます。発言も積極的に行うように要求されるので、緊張感は段違いでしょう。

一般的にネイティブの先生は「ほめ上手」です。日本人には未体験レベルで「ほめられる」ので、子どもによっては大きな自信につながります。

以前、仕事の関係でニュージーランド人が経営する会社の女性スタッフと食事をすることがありました。普段の社長の様子をたずねると「彼はとにかくほめますね。ちょっとしたことでもYou’re a champion! と言って大げさにほめてくれるんです」とうれしそうでした。

大人だってほめられるといい気分になるのです。子どもならなおさらです。これがきっかけで「英語好き」になるかもしれません。

英検対策

「短期間で成果を出す」点では、検定対策もいいかもしれません。私は「英検の級だけを目標にした英語学習」は推奨していません。しかし、英検を受ける予定があるなら、短期間で集中して成果を上げるのは悪いことではありません。

英検合格がやや難しく感じられる3級から活用するといいでしょう(小学生で3級を狙う子どもは上級者です)。特にネイティブを活かして、面接練習を豊富にできるのがメリットです。

無事、目標の級に合格できたら「参加してよかった」とお母さんも納得です。

お母さんの心構え

サマースクールに子どもを参加させるとき、お母さんはどのような心構えでいるべきでしょうか? 同じスクールに参加しても、満足しているお母さんもいれば「不満だらけ」のお母さんもいます。

子どももお母さんも「参加して(させて)良かったな」と心から思えるために必要な「心構え」について説明します。

英語力向上の過大な期待はやめよう

海外でも国内でも、スクールの期間は数日~2週間程度です。確かにその期間は英語漬けの状態になります。しかし、語学習得の観点からすればそんな短期間で英語力の向上は無理です。

私は日本から英語ゼロで海外のインター校に入学してくる子ども達を何人も見てきました。英語を話し始めるまでの期間は、一般的に3か月~1年は必要です。これは「片言」レベルの話なので、ネイティブの子ども達と遜色ないレベルになるには数年は必要です。

だからサマースクールだけで英語力を大幅に向上させるのは不可能です。もし、お母さんが過度にそのような期待をしてしまうと、子どもは「お母さんの期待に応えられなかったから、ボク(ワタシは)ダメなんだ」と勘違いしてしまいます。

楽しい経験になるはずだったのに、お母さんの無茶な期待で不幸になってしまうのは避けましょう。

参加後の子どもの気持ちを大切にしよう

人間は忘れる動物です。帰宅直後は英語に対するモチベーションが高まっています。その時期を何もしないでやり過ごすのはあまりにももったいないです。英語学習の習慣づけのきっかけにしましょう。

スクールに参加するとわかりますが、普段音読などで繰り返し覚えたフレーズでなければ実際の場面ではすぐに口から出てきません。基礎練習の大切さを子どもは体験しているこのタイミングがチャンスです。

「英語は声に出して読むことが大切だよ」「毎日少しずつ音読の練習をしてみようか」など、現実的な目標を設定して、一段ギアアップした英語学習に移行しましょう。

参加者が得られる成果

サマースクールに参加しても「英語力そのものの向上はそれほど期待できない」ことは先述したとおりです。では、子どもがサマースクールに参加して得られる学習効果とはいったいどのようなものでしょうか?

英語への興味が高まる

何といっても英語への興味が高まります。たとえ短期間でも、英語を理解しようと頑張らないと楽しい活動はできません。それまでは「雑音」として英語を聞き流していたのが、「意味のある言葉」「有益な言語」として認識するようになります。

なぜ海外の現地校やインター校に移った日本人の子どもが英語を話せるようになるかというと、「必要性」を肌で感じているからです。英語を話せないと友だちと遊べません。先生の言うことも理解できません。英語に対する真剣度が違うのです。

日本国内でそのような環境に身を置くことは皆無です。しかし、サマースクールはたとえ短期間でも「英語の必要性」を感じられる貴重な時間となります。

英語「で」何かを学ぶ体験

私はこれが最も貴重な体験だと思います。日本人はどうしても英語を学校の「教科」や「受験科目」として考えています。そのため「解答欄に記入できればいい」と考えて音声を軽視したり、受験が終わると英語から離れてしまったりする残念な人が多いです。

しかし、アクティビティは、英語「で」何かを学ぶ体験そのものです。「何か楽しいことにチャレンジするために英語が必要」という動機なら、成績や受験に関係なく一生英語を学び続ける原動力になります。

帰宅したらぜひお母さんから子どもにこのような話をしてあげましょう。普段は関心を示さない内容かもしれません。しかし、サマースクール直後なら真剣に耳を傾けるはずです。

「もっと話せるようになりたい」につながるふたつの体験

サマースクールに参加中、子どもは二つの経験をします。つたない英語でも「通じた喜び」と、簡単なことでも「英語で言えなかった」フラストレーションです。実は、どちらも今後の英語学習を継続するために必要な経験です。

片言の英語でも、相手が理解してくれた喜びはひとしおです。英語の学習は長期間に渡る努力が不可欠です。そのため「ごほうび」がないと心理的に消耗してしまいます。「通じた喜び」は最高の瞬間です。

一方、「どうやって火をつけるんですか?」のように、日本語なら幼稚園児でも言えることを英語でうまく言えないことがあります。参加中このようなフラストレーションを子どもは頻繁に感じます。

あまりフラストレーションが多すぎるとやる気を失ってしまいます。しかし、適度なフラストレーションは「もっと勉強して英語を話せるようになりたい」気持ちにさせてくれます。

もし、参加者の英語レベルが細かく分かれているなら、子どもに合ったレベルに参加させましょう。うまくいくと、「通じた喜び」と「フラストレーション」の両方をバランスよく体験させられます。

モチベーションが最高潮になっているところで、英語の本格的なトレーニングを始めましょう。

まとめ

夏休みに子どもを「サマースクールに参加させたい」と計画中なら、5月の連休までにはチェックしましょう。人気のコースや日程はすぐに埋まってしまいます。

日本国内の英語サマースクール(サマーキャンプ)なら、手軽にお手頃な費用で参加できます。

それぞれのスクールでは、さまざまな内容を用意しています。子どもの適性に合わせて、どのスクールに参加させるのがよいのか子どもと相談しながら決めましょう。英語の習熟度に合わせたコースを用意しているスクールもあります。

短期間のサマースクールで、英語力の急激な向上を期待するのは禁物です。しかし、英語への興味を高めたり、コミュニケーションの道具として英語を再認識したりできる貴重な機会です。

また、英語で生活しながら「通じた喜び」と「通じないフラストレーション」の両方を体験できます。これらは両方ともその後の英語学習を継続するために大切な経験です。

比較的時間に余裕のある小学生のときは、サマースクールに参加するチャンスです。子どもが「参加してよかった」と笑顔で帰宅できるようなスクールを見つけてあげましょう。

マレーシア母子留学について

「マレーシア母子留学」という言葉を聞いたことはあるでしょうか? 最近、マスコミでも取り上げられるようになって少しずつ浸透してきました。

プール付きの広々としたコンドに母子で生活し、掃除や料理はお手伝いさんにお任せしている光景が映し出されます。テレビは偏った情報が多いので、このような映像を見ると「旦那を日本に残しておいて、いい気なもんだ」と怒りを覚える人も少なくないでしょう。

テレビの影響は絶大ですが、母子留学の実態とはかけ離れているように感じます。この記事では私の経験を踏まえて、実際の「母子留学」とはどのようなものなのかを説明します。また、母子留学にチャレンジしたいと考えている家庭のために、成功させる秘訣を書いてみます。

マレーシア母子留学の増加

我が家はマレーシアに2014年から3年半滞在しました。私(父)を含めて家族全員(4人)での移住です。現地では母子留学中の親子と出会う機会も多く、「マレーシアへの母子留学は増えている」と感じていました。

・母子留学とは

母子留学(ぼしりゅうがく)とは、母親と子どもだけで教育目的の移住をすることです(1か月の短期留学を含めることもありますが、この記事では年単位の長期留学のこととします)。

一方、父親は日本で仕事を続けます。多くの場合、会社を辞めると収入が途絶えてしまうので、必然的にこのような形態をとるしかありません。

マレーシア母子留学増加の背景にあるもの

malaysia

正確な統計は調べていませんが、母子留学の数は増えている気がします。背景にあるのはグローバル教育への関心の高まりです。簡単にいえば「英語力の向上と海外での経験を積ませたい」という親の希望を実現する手段です。

具体的に母子留学を考えると、費用・治安・学校・医療レベル・ビザ取得などを調べて納得する必要があります。これらの条件が揃う国はそれほど多くありません。

マレーシアは東南アジアの優等生と呼ばれる国です。生活費が日本と比較して割安であること、治安もそこそこ良いこと、インターナショナルスクールの選択肢が多く、医療レベルも悪くありません。ビザに関しても比較的取得しやすいです。

マレーシアの特徴をひとことで表すと多様性の国です。マレー系、中華系、インド系、欧米系、その他のアジア系など多様な人種が一つの国で生活しています。公用語はマレー語ですが、日常生活ではそれぞれの民族の言葉と共通語として英語が使われることが多いです。

宗教はイスラム教を中心として、仏教、ヒンズー教、キリスト教など礼拝所や寺院・教会が同じ町に共存しています。この風景からわかるように異なる宗教に対して寛容な国です。

上記のような要因の他、日本からのアクセスも6~7時間程度と比較的近く時差はたったの1時間であることから、母子留学先として人気があるのです。

準備

母子留学を実行するなら1年半前から準備を始めましょう。私の経験を踏まえて、どのような手順ですすめたらよいかを説明します。実際の業務はエージェントを見つけて、少しずつ進めていくのが普通です。

留学目的と必要な期間を明確にする

最も大切なのは、「母子留学の目的」と「必要な期間」をはっきりと決めることです。留学目的に「この時期にどうしても身につけさせておきたいこと」を明確にすることが成功の秘訣です。

もし留学の目的が「英語を話せるようになるため」だけなら、今すぐ中止しましょう。母子留学では家族が離れて暮らすことによるマイナスの影響や、日本語力低下の危険があります。英語のためだけにこれらの危険を冒すのは、ハイリスク・ローリターンです。

我が家の場合、少子高齢化が進む日本の将来を考えたのがきっかけです。子どもが成人する頃には大量の移民を受け入れているか、アジア圏の一部に取り込まれた日本を想定しないと、国の繁栄は難しいのではと考えました。

このような環境でたくましく生きていくには、従来の教育だけでは不充分です。夫婦で考えた結果、「外国人の中でも物怖じしない人間になること」「環境適応能力を高めること」「異なる人種・宗教・文化に寛容になること」を留学によって学ばせることにしたのです。

日本は人口の98%が日本人で構成される国です。国内環境でこれら3つのスキルや能力を高めるのは難しいと考えました。必要な期間は3年くらいと計算し、その後は日本の学校に戻すことにしました。

当時、私の娘は小学生で息子は幼稚園でした。娘は自然に英語を覚える年齢は過ぎていたので、インター校は不向きと考え現地の日本人学校へ通わせることにしました(学生ビザでは日本人学校には入学を許可されません)。

年齢を考慮せず兄弟平等にとインター校を希望する人が多いですが、子ども一人ひとりのことを考えることが大切です。英語ゼロの子どもがいきなり小学校高学年のインター校の授業についていけると考えるのは無理があります。

息子は年齢的にインター校でも大丈夫そうでした。そこで娘の中学卒業時(日本人学校は中学までしかない)までの3年半を留学期間に定めて計画を立てました。

母子留学をするなら子どもに身につけて欲しい「大きな目標」が必要です。夫婦で話し合ってお互い充分に納得した目標でなければいけません。英語だけなら日本国内でも学べます。海外でないと得られないものを設定できるかどうかが成功の鍵です。

ビザ

母子留学するには、子どもにビザ(学生ビザ)が必要です。子ども1名に対して保護者一人は「ガーディアンビザ(保護者ビザ)」を申請できます。兄弟がいる場合は、両親がガーディアンビザを取得することも可能です(マレーシアの場合)。

学生ビザの申請には通学するインター校の証明書が必要です。手続きは学校が紹介するエージェントを利用するのが普通です。手数料は一人につきRM250くらいでした。移民局の方針は頻繁に変わるので、条件などはその都度確認するしかありません。

申請は学校に通い初めてから出来るだけ早く、ということになります。ウェイティング(空き待ち)状態が長くなる場合は、一度出国(日本へ帰国)する必要があります。

視察は1年空けて最低2回、それぞれ5日以上

誠実な留学エージェントはとても心強い存在ですが、自分の眼で確かめる手間を惜しんではいけません。移住する1年半前に一回目の視察、移住する2か月前に2回目の視察は最低限必要です。

ネットで得られる情報よりも、自分が体験した1次情報の方が何十倍も正確です。視察のポイントをいくつか挙げてみます。

・1回目の視察(5日間以上)

最初に子どもの学校を絞り込みましょう。現地の人の意見や、実際に通う人を紹介してもらって直接話を聞くようにしましょう。希望する学校と事前にアポを取り見学しましょう。マレーシアは休日が多く、無計画に視察に行くと学校が休みの期間と重なってしまいます。

担任の先生はネイティブかどうかを確認しましょう。肌で感じる学校の雰囲気はとても大切です。気になることは事前にリストにしておいて、その場で質問しましょう。

学校を決めたら、ウェイティングリストに登録しておきます。評価の高い人気のインター校は、すぐには入学できません。

私の隣人は、子どもが生まれて3か月後にはインター校のウェイティングリストに登録していました。日本では考えられませんが、マレーシアでは普通のことです。

学校によってローカル枠、海外赴任枠、その他留学生枠の比率が決まっています。政府機関や観光業に携わる人の子ども達は優先して入学させることが多いです。

このような事情で、名前を書いたからといって必ず入学できるわけではありません。ときどきメールや電話でウエィティングの順番や、自分の子どもの様子(英語力など)を報告することは大切です。「この学校に子どもを通わせたい」という熱意が大切です。

次に学校周辺の住環境を調べます。学校から近い(車で15分圏内)コンドミニアムや一番近いショッピングモール、郵便局、レストラン、治安の状況などが対象です。マレーシアは車社会なので、渋滞状況の確認も必要です。

希望するエリアのホテルに宿泊すると効率よく調査できます。徒歩圏内で食べられるローカルフードを食べてみるのもいい経験になります。

・2回目の視察(5日間)

絶対に子どもを連れて現地視察をしましょう。ウェイティングに登録した学校にアポを取り、子どもを連れて見学に行きます。

どういう計画で移住計画を進めているか、どれくらい本気なのかを担当者や先生にアピールするためです。冷やかしでウェイティングに登録する人は大勢います。その中でわざわざ子どもを連れて日本から見に来ているという熱意を見せるのです。

住んだつもりになって、子どもと歩き回ることも大切です。お母さんだけで歩くのと子どもを連れて歩くのでは大違いです。交通量の多いところでは信号機があるかどうかも確認が必要です。

ウェイティングの状況を見て順番が回ってきそうだと感じたなら、エージェントに相談してコンドミニアムの見学をしましょう。日本とは事情が異なるポイントについてだけ、簡単なチェックリストを挙げておきます。

□セキュリティーはきちんとしているか
□風通しのよい部屋か(光熱費が相当変わる)
□すべての蛇口から水は出るか
□水漏れがないか
□蚊が多くないか(デング熱を媒介するので注意)
□すべてのスイッチを入れて電気製品が動くかどうか確認する
□近くにモスクがあるか(早朝、大音量でアザーンが流れるので気になる人は注意)
□日当たりが良すぎないか(南向きは避けるのが南国の基本)
□子どもが遊べるプールはあるか(子どもの運動と暇つぶしに)

条件や希望に合うコンドが見つかったら、その場で契約したほうが安心です。住所が決まると諸々の手続きが一気に進みます。

英語の準備

最初の見学でインター校の先生に「日本人の子どもは英語が全然話せないので、できる限り勉強させて欲しい」といわれました。英語力は学ぶための手段として絶対に必要です。Year1~Year2に入学するなら、簡単な本を読めるレベルになっているのが理想です。

私は移住までの1年半、英会話スクール(週一回)と自宅で「英語絵本読み聞かせ」(週数日)を継続しました。200語くらいの単語とフォニックスの基礎を覚えるのがやっとで、息子は英語を話せるレベルには到達しませんでした。

英語以上に時間をかけたのは、実は国語と算数でした。5歳で海外に行けば日本語に悪影響が出るのは明らかです。幸い幼稚園では、ひらがな・カタカナ・小1までに習う漢字を教えてくれました。

移住後しばらくの間は英語に集中しなければならないので、国語の勉強で1年間のアドバンテージを持つことはとても役に立ちました。

エージェント利用の注意点

ほとんどの母子留学では、エージェントにお願いするのが一般的です。ネットでは調べられないような細かい情報にもこたえてもらえるので、有効利用したほうがいいです。

一部には悪い噂のエージェントもいますので、現地調査のときに直接会って人柄を確かめた方がいいでしょう。トラブルを避けるために報酬額、支払い方法などを納得するまで確認しましょう。信頼できるエージェントならきちんと回答してくれるはずです。

自分でできることは自分で動き、移民局などの役所が絡むようなことやコンド選びなどに絞ってエージェントに依頼すると、比較的トラブルは少ないです。お母さんの依存心が強すぎると、すべての要望に応えられないエージェントに不信感を抱くようになります。

現地の日本人社会は狭いです。正当な理由もなく報酬を支払わなかったり嘘をついたりすると、悪い噂は確実に広まります。あとで母子ともに居心地の悪い状況を作らないためにも、社会人としてのルールやマナーを大切にしましょう。

親戚、周囲の人への告知

いよいよ移住が決まったら、親戚や周囲の人々への告知をしましょう。黙って国外に住み始めるのは良くないので、やはり何かしらの説明が必要です。

子どもが学校や幼稚園に通っている場合は、早めに担任の先生に母子留学の可能性があることを伝えておいた方がいいでしょう。

「みんなびっくりするのでは」「母子留学の理由を聞かれたらどのように答えようか」などと不安になるお母さんもいるかもしれません。どのように説明したらいいのかと悩むこともあるかもしれません。しかし、ほとんどの場合それは取り越し苦労です。

私の経験では、驚くほど周囲の人は興味を示しません。ほぼ無関心です。移住後に一時帰国して、親戚に会うこともありました。そのときも、マレーシアの様子について詳しく聞かれたことは一度もありませんでした。

費用

マレーシアでの母子留学が注目される理由のひとつに、費用の安さが挙げられます。そのため退職後の移住先としても人気があります。しかし実際住んでみると、思った以上にお金がかかるというのが正直な感想です。

生活費は日本の3分の1ではない

「物価は日本の3分の1」とよくいわれますが、実際の感覚とはかけ離れているように感じます。デフレの日本とは異なり、インフレのマレーシアでは当たり前に物価が上昇しています。
ringgit

移住中は、RM10.00(約300円)以内でランチを済ませることが多かったです。ときどき、空調のあるようなレストランでプチ贅沢するとRM20.00(約600円)を超えることもありました。

上下水道に関しては驚くほど安いのですが、浄水器をつけたりウォーターサーバーを契約したりすると、月々数千円かかります。電気代は日本よりは安いですが、広い部屋でエアコンを常時つけていると日本以上に電気代を請求されることもあります。

車のランニングコストはとても安いです。新車なら最初の3年間は保証期間ですから、故障しても無料で交換してくれます。ガソリンは日本の半分以下で、この価格に慣れると帰国時に満タンにするとびっくりします。駐車場はコンドについているので無料です。

全体的にみると、日本の7~8割程度の費用で生活できる感覚です。

学費は高い

中国をはじめとするアジア諸国で富裕層向けのインター校が増えています。そのため、優秀なネイティブの先生の採用競争が厳しい状況です。その他の要因と合わさり毎年のように授業料が上昇しています。授業料が3割上昇するくらいまでは想定しておきましょう。

インター校(小学校)の授業料は学年が上がるごとに高くなっていくのが普通です。安いところで年間60万~80万、普通は100万円以上です。

授業料と学校の質は必ずしも比例しません。やはり現地調査のときに自分の眼でしっかりと確認するのがベストです。先生の質は教育レベルに最も影響する部分なので、妥協は禁物です。

素敵なコンドは高い

便利でセキュリティーがしっかりしていて清潔なコンドは、家賃も高めです。母子であれば広さを妥協すれば都市部なら単身者向けの部屋を借りることもできるかもしれません。

最初から満点の物件を探すのは難易度が高いです。とりあえず1年契約にしておいて、次回の契約更新時にそのまま住み続けるか、別のコンドに引っ越しすることを検討してもいいでしょう。

マレーシアでは基本的にはfurnished(家具付き)なので、引越しはそれほど大変ではありません。母子の場合は荷物も少なめなので迷うことはありません。

自動車は必須に近い

マレーシアの公共交通機関は日本ほど発達していません。移動には自動車が必要な場面が多々あります。私も最初の頃はマイカー無しの生活を試みましたが、バスがバス停で止まらないことがあり(よくある)思い切って新車を買いました。

Grabなどの配車サービス(アプリから利用できる)をフル活用する人もいますが、女性や子どもだけの利用は安全面で不安が残ります。タクシーはどこでも拾えるわけではないし、お金もかかります。仕方なくマイカーを持つ人が多いのもうなずけます。

マレーシアの交通マナーは決して良くないので、慣れないと運転は怖いです。方向指示器を出さずに車線変更や、バイクのすり抜けなどは日常茶飯事です。一方通行も多いので、運転は気を使います。

それでも、1年以上滞在するならマイカーを所有したほうがいいかもしれません。

移住後の子どものサポート

学校に通学し始めると少しずつ生活が落ち着いてきます。しかし、これでようやくスタートラインに立っただけです。学校の勉強や宿題に加えて、英語の特訓、日本帰国後に困らないようにするために国語の勉強が欠かせません。

お金に余裕があるならチューター(家庭教師)をお願いする人もいます。それができないなら、お母さんが自分で教えるしかありません。

学校からはほぼ毎日宿題が出されるので、最初の1年半くらいは手伝ってあげないと何をしていいのかわからない状態です。ここでは、移住後の子どものケアに関して、お母さんが気をつけなくてはいけないポイントを説明します。

英語力

入学試験で入学を許可されるとホッとする気持ちになりますが、勉強の本番はこれからです。日本からやってくる子どものほとんどは英語力に問題があるので、必死に勉強しなければなりません。

小学生は基礎を身につける大事な時期です。英語を話せないだけなら問題ありません。しかし、英語がわからないことが原因で、足し算・引き算、掛け算などの大切な学習事項を身につけられなかったとしたら、その後の人生に深刻な影響を及ぼします。

インター校は英語を教える学校ではありません。「英語で」勉強を教えてくれる学校です。英語ができないと基礎的な学習がおろそかになってしまいます。

日本人の場合、5歳前後で入学すると英語を話し始めるのに3か月~1年は必要です。学校の授業に完全についていけるようになるためには約15か月必要です。母子留学で何かを学ばせたいなら、最低でも2年以上の滞在が必要な根拠はここにあります。

ちなみにヨーロッパから来た子ども達のなかには、英語ゼロでも1か月くらいで話し始める子どももいます。これは母国語と英語の言語構造が似ていて、習得までに必要な労力が圧倒的に少なくて済むからです。

我が家はコレで英語を伸ばしました!

日本語力

日本で英語を勉強している限り、日本語に悪影響が出ることはほとんどありません。しかし、6歳未満で海外のインター校に通い始めると、多くの場合日本語力がみるみるうちに衰えていきます。

問題はお母さんが子どもの日本語力の低下に気がつきにくいということです。なぜなら、日常会話レベルでは変化が見られないからです。家庭では「お腹空いた、ご飯まだ?」「すぐ作るよ」レベルのやり取りしかしません。

小学生が身につけるべき国語力とは、ひらがな・カタカナ・漢字を学び、本を読み(スラスラと音読)、その年齢の日本の子どもが知っているくらいの教養語を覚えることを指します。

日本語の必要性を感じられない環境で、国語力を上げる勉強を続けることは想像以上に大変なことです。しっかりと学習計画を立てて、特に長期休暇中は国語の学習時間を多くとるなどしないと、帰国後の学習に支障が出ることは間違いありません。

日本人の子どものための「日本語補習校」に通うと、毎週日本語を話す友だちと一緒に学ぶことができてペースがつかめるようになります。同じように母子留学してる方もたくさんいるので、情報交換の場としても貴重です。

精神面のサポート

言語も含めて生活環境が激変すると子どもの心には相当な負荷がかかります。お母さんに気を使って「日本に帰りたい」という気持ちを言わない子どももいます。お父さんと会えない寂しさを訴えることもあるかもしれません。

子どもの能力や性格によって対応はまちまちですが、サポートの大部分はお母さん次第です。時間を作って悩みを聞いてあげることはとても大切です。

私は息子の登下校には車で送迎していました。わざわざ車を手前で停めて、歩いて息子と学校に行き教室の手前まで一緒に行ってあげた時期があります。仲良しができずにウロウロしている様子を見ると辛かったですが、悩みを共有してあげることが大事です。

3か月目のある日、帰る途中で「僕は日本に帰りたいな」とポツリとつぶやいたことがありました。このときは真剣に帰国することを考えました。妻には「あと3か月で慣れないようだったら帰国する」と伝えました。

数週間後「一人で大丈夫だから」とスタスタ学校に向かい、途中で会った友達と笑顔で挨拶をかわしている様子を見てやっと安心しました。

子どもによっては我が家のようにうまくいかないケースも発生するでしょう。強いストレスに長期間さらされると、子どもの成長に深刻な影響を与えてしまいます。どこかでラインを引いておき、日本に帰国する選択肢を常に残しておきましょう。

食事

留学準備として、食べ物の好き嫌いを減らしておくのもとても大切です。我が家では「環境適応能力の向上」は重要な教育目標だったので、何でも食べさせるようにしました。

せっかく南国にいるのに果物は「バナナ・リンゴ・オレンジ」しか食べない日本人が多いことに驚いたことがあります。パパイヤ、マンゴー、マンゴスチンなど南国のフルーツがたくさん食べられるので、いろいろチャレンジさせたいです。

多民族国家のマレーシアでは、マレー、インド、中華を中心としてバラエティー豊かな料理を楽しめます。インド料理はスパイスが本格的で、子どもは食べられませんでした。しかし、半年もすると好んで食べるようになりました。

世界中どこの食事でも食べられるというのは「生きる力」そのものです。我が家はこの点はほぼパーフェクトにクリアしました。

レジャー

長期の休みには、レジャーに連れていくのも息抜きや勉強になります。マレーシアを拠点にするとアジア諸国へのアクセスが大変良く、国内旅行感覚で遊びに行けます。

我が家は東マレーシア(コタキナバル)、シンガポール、ベトナムに連れていきましたが、今となっては貴重な思い出です。ベトナムでは裏通りのおばちゃんの屋台にチャレンジしましたが、いつも通りに食べているのを見て「たくましくなったなぁ」と感心しました。

帰国後のことを常に頭に入れておく

留学中は親子とも忙しい日が続きますが、帰国後のことを常に考えて準備することが必要です。特に日本語力は維持するだけでなく、学年相当に伸ばしていかないと苦労します。

必要性を感じない漢字の書き取りや日本語の読書を継続するのは容易ではありません。帰国後にスムーズに日本の学校に戻れるようにするためには、時には厳しく子どもに接する必要もあります。

母子留学の場合、収入以外の全てのことが母親一人にかかってきます。子どもの学力や国語力の低下に悩むときに、一人で抱え込んでしまいます。相談できる相手がいればストレスは軽減されますので、一時帰国してでも夫婦で悩みを共有するのは大切です。

父親はどうなる?!

ここまでマレーシア母子留学について説明してきましたが、まだ大事なことに触れていません。それは「父親」です。私は一緒にマレーシアに行っても、仕事にそれほど支障がなかったので恵まれていました。普通は、ほとんどの家庭ではそうはいきません。

自分のケース

我が家でも、最後の3か月だけ母子留学状態になったことがあります。上の娘の高校受験を控え、私が同行したからです。

日本には私と娘、マレーシアには妻と息子の二つグループに分かれました。一時期だけ母子留学状態になったのです。そのときのことを振り返りながら、母子留学の時の父親の心情を振り返ってみます。

父は寂しい…はず

私は現地での生活を知り尽くしていたので、向こうで生活する2人のことを不安に感じることはありませんでした。もしそうでなかったら、どんなに説明されても不安な気持ちは晴れないままだと思います。できるだけ、お父さんが現地に行って過ごすことも必要です。

最初のうちはマメに連絡しますが、お互い忙しいので徐々に連絡の頻度は下がっていきます。スカイプ(インターネットのテレビ電話)で顔を見ながら子どもと話をしても、共通の話題が少ないので、話が盛り上がらなくなります。

やはり同じ空間を共有することが家族にとっては理想です。マレーシア側のお母さんたちは割とたくましく生きている人が多いです。日本で働くお父さんから話を聞く機会がないのでよくわかりませんが、私はだんだん子どもとの距離感がつかめなくなりました。

スカイプで話をしたとしても「元気?」以外の深い話題にならないとか、そういうことが起こるのではないかと感じます。子どもの中でもお父さんの存在感は少しずつ薄らいでいくのは確かです。

父の立場から正直に言えば、これは寂しいです。ほんの数か月離れるだけでもこの状況です。3年以上この状態が続く母子留学中、日本に残っているお父さんはどのように過ごしているのだろうと考えてしまいます。

そのような経験から母子留学に私はややネガティブにとらえていました。しかし、母子留学のお母さんたちと話す機会が増えるにしたがって、考えが少しだけ変わりました。今では母子留学については「完全に中立の立場」です。

見方が狭かったのを反省した

母子留学を決意するに至る経緯は、人それぞれです。事情をよく知らない人は「外国かぶれした母親が子どもと留学して、父親はATM扱いなのだろう」と考えがちですが、それは偏った見方かもしれません。

一例だけ紹介します。お父さんが過度に教育熱心で、娘さんはそのプレッシャーに押しつぶされそうになっていました。家庭内のことなので、学校や塾のように辞めて解決というわけにはいきません。

見かねたお母さんが出した策が「母子留学」です。外国に留学するという目的であれば、父親も許可するし娘さんにとってもいい結果を生むのではと考えました。一時的に距離を置くことでお父さんの考え方も変わるかもしれません。

この作戦は見事に的中して、女の子もニコニコしながら楽しそうに学校生活を送っていました。「こんな表情は日本では見られなかった」とお母さんから聞いたので、子どもは日本にいたときには相当なストレスを抱えていたと推測できます。

「母子留学」は準備を含めて大変です。それでも実行するのは、他人には理解できない深い事情がある可能性もあります。私自身、一面だけを捉えて「母子留学」にネガティブな感情がありました。でも、今では中立な立場で見ることができます。

期間限定で夫婦が納得していればいい

「母子留学」に関しては周囲の言葉を気にするよりも、家庭内で納得していればいいのです。

確かに帰国時期を決めずに、終わりが見えないような母子留学には私は反対です。しかし、きちんとした目標を立ててそれに必要な期間を話し合い、夫婦が納得すれば何も問題ありません。

1年で数日しか過ごさない親子の会話を聞いたことがありますが、お父さんは子どもへの接し方がわからず、子どももよその大人に話すような感じでよそよそしいものでした。

このような悪影響を最小限にとどめるためには、やはり期間を区切っての母子留学の方がいいのではと感じます。

まとめ

すべての物事には裏と表があり、一面だけを見ているとバランスを欠いた行動を取ってしまいます。「母子留学」は確かにブームかもしれませんが、ポジティブな効果ばかりを見ないで、家族関係や日本語能力に及ぼす負の影響についても検討するべきです。

成功の秘訣は、事前の目標と期間の設定です。面倒くさがらずに「留学しないと身につかない(難しい)もの」を夫婦で考え抜くことが大切です。

帰国後に家族全員が「留学してよかった」と笑顔で言えるように、計画・準備を進めましょう。帰国後の英語力維持には英会話教室やオンライン英会話などを利用するとともに、英語での読書習慣が大切です。帰国後のことを見据えて、留学中に子どもが勉強に打ち込めるようにサポートしましょう。

インターナショナルスクールはどんな学校か

「インターナショナルスクール(以下インター校)」の存在はほとんどのお母さんは知っています。しかし、インター校について正確な知識を持っている人は少数です。情報のほとんどは伝聞で実体験が乏しいので仕方ありません。

授業料が高いことから「芸能人や富裕層の一部の子どもが通う」イメージを抱く人も多いです。その影響からか「何か特別な教育が行われている」という誤解もあるようです。

この記事ではインター校の正しい理解と実態について説明します。また、インターの小学校への進学を検討しているお母さんのために、必要と思われる「心構え」について触れてみます。

インターナショナルスクールってどんな学校?

日本人が国内のインター校への進学を希望する背景には、帰国子女の増加やグローバル教育への関心の高まりがあると考えられています。

しかし、「グローバル教育=英語を話せること」という考えや「単なる憧れ」だけで子どもをインター校に進学させるのは安直すぎです。まずはインター校特有の事情を正しく理解することが必要です。

主な目的と学校教育法上の位置づけ

インター校は主にexpat(国外駐在者)の子女を教育するための学校です。海外から日本に転勤になった親が、子どもの教育に困らないようにするのがインター校の使命です。

グローバル企業にとって、適切な人材を世界中に配置するためには子どもの教育に支障が出ると、優秀な人材は集まらなくなってしまいます。そのため駐在者の子どもの教育費は全額企業が負担するケースがほとんどです。

つまり日本人の子どもが国内のインター校に通うのは、本来の設置目的と異なることはしっかりと理解する必要があります。

このような事情に対応するための学校なので、日本の「学校教育法」では、インター校は「学校」としては認められていません。法律上の扱いは「各種学校」であり、専門学校と同じです。当然、進学時にいろいろな制約が発生しますが、詳細は後述します。

日本にあるインター校の種類は3つ

日本にあるインター校は主に3種類あります。正式なカテゴリー名ではありませんが、設立時期や目的、学校教育法上の取り扱いの違いにより分類してあります。

・伝統的インター校(各種学校扱い)

「国外駐在者の子どもの教育」を第一の目的とした学校です。先述したとおり学校教育法上は各種学校扱いです。

生徒の多くは外国出身の子ども達です。母国語は英語だけでなく、中国語・フランス語など多岐にわたります。日本人の教育のためには設置されていないので、日本人の募集枠は0~少数です。

学校・学年により状況は異なるので、個別に問い合わせをして確認するしかありません。

・新興インター校(各種学校扱い)

伝統的インター校と法律上の扱いは同じです。異なるのは、駐在者の子どもだけでなく、日本人の募集枠もある程度確保している点です。算数・IT・プレゼンテーション教育に力を入れているインド式インターナショナルスクールはこのカテゴリーです。

「〇〇(国名)式インター校」はインターナショナル(国際的な)ではなく、民族学校として理解したほうが正確かもしれません。

・イマ―ジョン教育タイプのインター校(学校扱い)

「イマ―ジョン(immersion)教育」とは、「目標とする言語を集中的に与える教育法」です。おおまかにいうと「日本の指導要領に従った教育内容を英語で教える」タイプのインター校のことです。

先述した2タイプのインター校が「各種学校」扱いだったのに対して、イマ―ジョン教育タイプのインター校は学校教育法上「学校」として認められています。その点では、正式にはインター校のカテゴリーに該当しないかもしれません。

「英語教育特区」として認定された小中高一貫校はこのカテゴリーに該当します。国内の大学進学に制限はないため、生徒のほとんどは日本人です。そのため外国出身の子どもと接触することはほとんどないようです。

大学進学について

日本の学校教育法では「学校」として認められていないので、以前は高校卒業後の大学進学には大きな制約がありました。しかし近年では国内のインター校出身者でも日本の大学に進学できるルートが少しずつ整備されつつあります。まずは、下のチャートをご覧ください。

インターからの進学先

インター校卒業生の進学先は、海外の大学と日本の大学に分かれます。AP (Advanced Placement)やIB(International Baccalaureate)資格を取得すれば、基本的にどこの大学でも(日本の大学も含めて)受けれられるようになりますが、高度な能力と努力が必要です。

IBは日本でも認知度は高くなっています。誰でも希望すればDP(Diploma Programme)コースを受けられると勘違いする人も多いですが、高校1年生の段階で学力的に無理だと判断されると事実上あきらめるしかありません。

日本の大学を受験する場合には基本的に「高等学校卒業認定試験(旧大検)」で合格することが条件です。インター校のカリキュラム(学習計画)は日本の指導要領とは全く異なるものなので、取得のための学習は生徒にとって大きな負担となります。

インター校からの受け入れに積極的な日本の大学は少しずつ増えています。それらの大学では「高等学校卒業認定」がなくても受験は可能です。この場合は、インター校の教育水準が一定レベルに達しているかどうかがポイントです。

具体的には、「WASC (Western Association of Schools and Colleges)」、「ECIS (European Council of International Schools)」、「ACSI (Association of Christian Schools International)」の国際的な評価団体の認定校かどうかが基準となります。

詳しくは文部科学省のホームページを確認してください。

http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shikaku/07111319.htm

受験資格だけに絞ればインター校からも日本の学校へ進学することは可能です。ただし大学での講義は日本語が中心なので、講義内容を理解できなかったり、課題を提出できなかったりするケースも考えられます。

将来、日本国内の大学に進学予定なら小さい頃から学年相当の日本語(国語)の学習を継続しなければならないのは当然です。

中学入学、小中編入について

文部科学省の見解としては「各種学校扱いであるインター校の小学校を卒業したとしても、日本の中学校への入学資格はない」と示しています。また、「インター校から日本の中学校や小学校への編入も同様に認めない」立場です。

しかし実際はそれぞれの教育委員会に相談すれば、中学校への入学や小中学校への編入は認められます。「法律上は認めていないけれど、実際は認める」というねじれた状況になっています。

インター校卒業後の進路に関しては、優秀な生徒は何らかの形で世界中の大学に進学できます。普通の生徒の場合、日本の学校を卒業した生徒と比較して、国内の大学進学にはいろいろな制約があります。

インター校への入学と学費

普通の学校なら情報はオープンにされていますし、周囲の保護者からの話を聞く機会も多いです。しかし、インター校の場合、実際に通学している家庭から直接話を聞くチャンスはほとんどなく、ホームページを見ても情報は充分ではありません。

詳細についてはそれぞれの学校に問い合わせたり、見学や説明会などに参加したりして情報を収集するのが一番確実です。

私も国内のインター校について詳しくありません。しかし、過去に息子が海外のインター校に数年通っていたので、その経験をもとにおおまかな学校の様子を書いてみます。

インタナショナルスクールで問われる英語力

入学に際しては必ず試験(筆記と面接)があります。編入についても同じです。授業は英語で行われるので、入学時点で充分な英語力を求められます。伝統的なインター校では、ネイティブ並みの英語力を必要とされると思ってください。

「最初は英語ゼロでも、そのうち英語を話せるようになる」考えは甘いです。真剣にインター校への進学を考えるなら、入学時までに英語で意思の疎通ができるレベルに達していないと断れられます。両親のうちのどちらかの英語力も必須です。

子どもの英語力がゼロでも入学を許可する学校はあります。おそらく生徒の確保が難しい事情があるからかです。その状態で入学しても、しばらく英語で学べないので、小学生の大切な時期をほとんど何も学ばずに過ごすことになりかねません。

学校との連絡も英語が基本なので、親も英語でのコミュニケーションに困らないレベルであることが条件です。

インタナショナルスクールの学費の目安

老舗インター校では学費として年間300万~400万円が必要と言われています。小学校の6年間だけを考えても2000万円以上が必要となる計算です。新興インター校とイマ―ジョン教育の学校は年間100万円くらいが目安です。

学費が高くなる要因は大きく4つあります。一つめは、災害や経済動向に学校経営が左右されやすいことが挙げられます。東日本大震災の原発事故後は、外国人家族が一斉に国外に避難したことがありました。

昨今の経済動向において日本から撤退して、シンガポールや香港などに拠点を置く企業が増えている状況もあります。不透明な先行きのなか、安定した学校経営を続けるためには高い学費で補うしかないのです。

二つめは、世界中から集まる多様な子どもに対応するために少人数制を採用していることです。1クラス25人までに抑えている学校が多いです。生徒数を増やせないので、一人あたりの学費は当然割高になります。

三つめは、教員の採用コストが上昇しているからです。中国やインドなどアジアでのインター校が増えていて、ネイティブの優秀な先生を獲得するには好条件を出さないと集めることはできません。為替の影響も大きいです。

最後の要因は、補助金をほとんど受けられないからです。学校教育法の学校ではないので、国民の税金を投入できないのです。

これらの要因から、インター校の学費は高くなってしまいます。駐在家族の子ども達の学費は企業から支払われていますが、日本人が通う場合は全額自己負担なので負担感はまったく異なります。

インター校入学後の子どもの生活

インター校で子どもはどのような教育を受けているのか事前に調査しましょう。ホームページや学校見学・説明会などで不安な部分は解消してください。実際に子どもを通わせている親から直接話を聞くチャンスがあれば、ぜひ活用しましょう。

インターでの授業内容(時間割の例)

インター校での授業は日本の学校指導要領とは異なるカリキュラムに沿って実施されています。国際的な評価団体(WASC, CIS, ECIS, ACSI, IB)の認定校なら、その機関から定期的な評価を受ける必要があるので、一定水準の教育レベルはクリアしています。

日本式とインター式のどちらがいいとは一概にいえません。インター校に憧れが強すぎると日本の教育の悪い面ばかりを取り上げがちです。

しかし、どちらにも長所・短所はあります。両方のいいとこ取りは難しいので「何かを得たければ何かを捨てる」発想が必要です。

参考までに、私の息子が海外のイギリス式インター校に通っていたときの様子を紹介します。学校ごとに内容は大きく異なることを承知して参考にしてください。

・算数(Math)

日本では算数は「単元ごとにしっかりと理解して次に進む」手法が一般的です。一方、インター校では「ある程度の範囲を行ったり戻ったりを繰り返しながら、全体の理解を深めていく」という進め方です。算数は習熟度別のクラス編成でした。

文章題では英語を読めないと式を立てられないので、やはり英語読解力が必要となります。

ひっ算のやり方は日本式とは異なるので、子どもが覚えやすい方で統一しました。我が家では、掛け算九九やひっ算などは日本式で取り組ませました。答えが正しく出せれば、学校も無理に一つのスタイルに合わせるような指導はしません。

・国語(Literacy)

読み書きの勉強です。読書習慣はかなり重要視されています。週1回、図書館からフィクションとノンフィクションの本を借りてくるほか、クラス文庫からも毎日本を持ち帰ります。

日本人の親は「英語を話す」ことばかりに気を取られがちです。しかし、学習に最も必要なのは「高度なリーディング力」です。読めないと解答したり課題を書いたりできないからです。速く正確に読めることを求められます。

ライティングは日本人の子どもにとって、ハードルが高いです。物語の続きを考えたり、何かのテーマについて論理的にエッセイを書いたり、さまざまなスタイルを学びます。ライティングは毎週宿題が出されます。

授業の途中ではフリーディスカッションの時間が設けられます。「積極的に参加する姿勢」を求められるので、座っているだけの生徒はまったく評価されません。意見を言うときには根拠を示す、などの基本をディスカッションで学んでいきます。

最後に一週間の時間割(Year 4)の例を掲載しておきますので、参考にしてください。
timetableIPC=International Primary Curriculum(教科横断的な学習)
PSHE=Personal, Social, Health and Economic Education
MFL=Multi Foreign Language(英語以外の外国語)
ICT=Information and Communication Technology(パソコンスキル)

宿題

算数、スペリング、作文の宿題は毎週出されます。算数は単純な計算ドリルは少ないです。その代わり「自分のコンドの駐車場で、車の色を調べて棒グラフを作りなさい」「そこから読み取れる情報をありったけ書き出しなさい」という類のものが多いです。

スペリングは漢字の書き取り練習に近い感覚です。合格しないとペナルティとして休み時間に勉強させられます。

作文はもっとも時間のかかる宿題です。本を読んだり長文を読んだりしてからがスタートです。作文は学年ごとに目標とされるレベルが示されていて、書き出しのバリエーションや接続詞などを適切に使えているかどうかなど内容以外の部分も問われます。

日本の学校と違って、夏休みやクリスマス休暇には宿題は一切出ません。ネイティブの子ども達は思いっきり遊べますが、日本人の子どもは漢字の学習や国語の読解をこの時期に集中してやらないと、学習時間足りなくなります。

先生

インター校と日本の学校の先生との一番の違いは、仕事の範囲です。日本の先生は食事もとる暇がないほど多忙ですが、インター校の先生は休み時間や昼休憩のときはきっちりと休みます。インター校に慣れると日本の先生がサービス過剰に感じます。

週末に配られるような学級通信はありません。このように書くとドライなイメージを抱くかもしれませんが、良い面を評価してくれて、生徒のことはきちんと見ている印象でした。

習いごと

学校の放課後に行われるクラブ活動は学年なクラスを超えて実施されます。いろんな子どもと交流させるためにも参加したほうがいいです。インドアとアウトドアのどちらも用意されているので子どもの興味に合わせて選びましょう。

学校外の習いごとは、初めのうちは難しいかもしれません。なぜなら、しばらくは英語力を伸ばすのが最優先となるからです。時間的にも精神的にも余裕がないときの無理は禁物です。

親子とも無理をしないのが一番です。余裕が出てきたら少しずつ、好きなことにチャレンジしたほうがいい結果につながります。

管理人の考える「インター校についてのスタンス」

我が家では息子は数年間インター校でお世話になりました。彼は学校を好きでしたし、私も得るものが大きかったと感じています。しかし、周囲の日本人家庭を見ていると、必ずしも満足している人ばかりではありませんでした。

インター校を検討しているお母さんには後悔して欲しくありません。いつも私が思うのは「インター校についてのスタンス」がとても重要であるということです。

英語だけを目的とするなら、やめたほうがいい

もしインター校に通わせる目的が「英語を話せるようにするため」だけなら、やめたほうが賢明です。年間数百万円の学費をかけてまでやることではありません。これだけの資金があれば住み込みのネイティブ講師を雇えます。

日本の学校への進学を考えているなら、普通の日本人受験生と同じ国語力が必要です。英語で学ぶ学校に通いながら、国語力を伸ばすのは想像以上に大変です。日本に住んでいるので海外に比べれば国語を学ぶ環境は整っているのはいるものの、努力は必要です。

英語学習のためだけにインター校に通うことに私は反対です。費用対効果が悪すぎること、日本語の習得に支障が出る危険性があるからです。普通の学校に通いながら、英語をコツコツと学習したほうが安心です。

インター校を選ぶなら、「インター校に通わないとどうしても得られないもの」が動機として必要です。具体的にどのようなことが該当するのかを考えてみます。

インター校でないと得られないものを考えること

日本人の子どもをインター校に進学させるなら、各家庭で子どもに「何を学ばせたいか」を真剣に考える必要があります。そして、「インター校でしか得られない」何かに該当するなら、入学を検討するのもアリです。

例えば、海外転勤で子どもが英語での教育しか受けずに育った場合、日本国内ではインター校以外の選択肢はありません。

また、「多国籍の同年代の子ども達の中で、仲良くたくましく人間関係を構築する能力を身につけて欲しいと」いう目的なら、これもインター校検討の理由になります。

幼少の頃から秀でた才能がわかっていて、海外の一流大学への進学を目標としている場合も、普通の学校よりもインター校の方が有利でしょう。

これらははあくまでも一例です。家庭によって子どもに身につけて欲しいスキルや価値観は違いますし、それについて他人が良し悪しを判断することはできません。さらに親の教育方針が正解か不正解かは子どもが成長しないとわかりません。

夫婦で「なぜインター校なのか」を充分に話し合い、同じ価値観を共有するようにしましょう。さもないと、入学後にいろいろな問題が生じる可能性が高いです。

夫婦の話し合い、子どもとのコミュニケーションを密にすること

インター校への進学は大多数の家庭とは異なる選択です。ですから、想定外のことが起きることは覚悟したほうがいいです。そのときに大切なのは家族関係です。

繰り返しになりますが、子どもの教育について日頃から夫婦で議論を重ね、同じ価値観を共有することが大切です。子どもとのコミュニケーションも密にして、悩みがあるときに相談しやすい雰囲気を作ってあげましょう。

特に英語が未熟な状態で入学した場合は、きめ細かい親のフォローが必要です。親の期待を裏切らないように気を使う子もいるので、日頃から本音を引き出せるような親子関係を築くようにしましょう。

進路変更については柔軟に対応すること

どんなに準備を綿密にしても、子どもが学校に適応できなくなったり、学校が合わないと感じたりする事態は起こりえます。日本人は学校を変えることに心理的な抵抗を感じますが、即柔軟に対応したほうが子どものためです。

子どもが困った状況になったときに、夫婦で助け合って子どものためによりよい選択をしてあげましょう。夫婦のどちらかに責任を押しつけてはいけません。

また、初めからインター校への通学期間を限定するのも一つの選択です。日本の国語の教科書を読むと、小学4年生から語彙も分量も大幅に増えます。本格的な勉強が必要となるレベルです。

この時期に合わせて、小学校の前半はインター校で学ばせ、後半は日本の小学校に編入する計画です。中学受験を考えているなら小学4年生から準備をすれば間に合います。

「せっかくインター校に入ったのだから」とか「始めたことは最後まで」と硬直した考え方ではなく、子どもの状況に応じて「すぐに柔軟に」対応できるように心の準備をしておきましょう。

子どもの能力を冷静に見極めること

このような話をすると身も蓋もないのですが、「頭のいい子」はどんな環境においても結果を出します。中国から英語ゼロで来た子は1か月で英語を普通に話せるようになったり、アジアの数学コンテストでメダルをもらったりする日本人の子も見たことがあります。

インターのセカンダリー(中学高校相当)に在籍中の日本人の子は、英語力はネイティブ並みで国語力(日本語力)も抜群に高く、親の転勤に伴う帰国時に何の問題もなく進学校への編入を許可されました。優秀な生徒はどんな学校も放っておきません。

このような優秀な子どもは確かに存在します。しかし、あくまでも例外です。つい自分の子どもには期待をしてしまう親心はわかりますが、そこは冷静になる必要があります。

ほとんどの子どもは英語で何かを学ぶだけで精一杯です。そして日本語力は日本の学校に通う子どもに比べて低下していくのが普通です。メディアやブログに登場する成功例はほんの一握りのエリートであると考えましょう。

親の過剰な期待は、子どもにとって精神的負担となります。エリートと同じようなことを要求するのは不幸の始まりです。できたことをほめてあげて、できないところは一緒にフォローする思いやりを忘れないようにしてください。

まとめ

子どもの能力をどのように伸ばすのかについては、さまざまな方法があっていいと思います。日本の学校のレベルは世界的に見ても高い評価を受けていますが、カバーしきれていない弱点もあります。

子どもに望むスキルや能力が日本の教育では充分育たないと考え、そこを重要視したときにインター校を選択するのも一つの解決方法です。学費の面だけでなく、将来の進学に関する制約についても正しく理解することが大切です。

どんなに綿密に計画を立ててもその通りにはならないのが教育の難しいところです。そして、そういうときこそ日頃の家族間のコミュニケーションが問われると思います。子どもの様子を見ながら、サポートしてあげましょう。

子連れ海外旅行を英語力アップにつなげるコツ

私の知り合いに資産家の人がいます。彼は普段、質素な生活をしていて行きつけのレストランのポイントをマメにため込んでいます。車も時計も持っていないし、服装もいたって普通です。

そんな彼がよく口にするのは「モノではなくて経験にお金を使う」ということでした。

しかし、ときどき子どもを連れて海外の変わった場所に行き、いろいろな体験をさせています。たいていの物は古くなると価値が減りますが、経験は一生の財産となります。

私も彼に賛同するところがあり、マレーシアに家族で3年半住んでいたのも、子どもに海外での生活を経験させたかったからです。

マレーシアは近隣のアジア諸国にアクセスが良く国内旅行並みの料金で海外旅行に行けます。我が家も当時、子どもの長期休暇を利用してシンガポールやベトナムを旅行しました。

帰国後はどこも出かけない家族になってしまいましたが、行ったことのある国をテレビで見ると想い出話に花が咲きます。

お子さんが英語を学習中なら、海外旅行は英語のモチベーションアップの絶好の機会です。しかし、何も考えずに出かけると英語を使わずに旅行が終了することがほとんどです。

今回の記事では、子連れ海外旅行で子どもの英語モチベーションを上げるコツを紹介します。また、その経験から得られる英語以外のことについても詳しく説明します。

海外旅行では、子どもに英語体験をさせよう

日本国内で英語を話す場面はほとんどありません。そのため教科として英語を捉えていたり、受験に必要という理由だけで勉強していたりする子どもは多いです。

しかし、英語は「コミュニケーションに必要な道具」以外の何物でもありません。人に自分の希望や意見を伝え、相手の考えを理解するための道具です。この一点を小学生時代に理解できるだけでも、そうでない子どもと比較して大きなアドバンテージとなります。

外国で英語を使って生活している人たちを見ると、帰国後の英語学習に対する意識は確実に高まります。中学・高校で受験勉強をしても、その先に「コミュニケーションの道具としての英語」が見えていて、一段高い目標設定ができるからです。

海外旅行中、子どもに英語を話す場面を意図的に作ることをおすすめします。そして、「ボク(ワタシ)の英語が通じた!」という喜びを実感させてあげましょう。この小さな成功体験が、その後の英語学習の起爆剤になります。

海外旅行中は、子どもはほとんど英語を話す機会がない

残念なことに、旅行中、子どもが英語を話す場面はほとんどありません。家族で海外旅行に行ったことのあるお母さんなら同意してくれるはずです。子どもはビクビクして親から離れず、ひと言も英語を話そうとしません。現実はこんなものです。

我が家の初海外旅行での出来事を紹介します。ランチで庶民的な食堂に行きました。自分で食べたい屋台に行って注文するシステムです。妻と申し合わせていた私は、自分達だけ先に注文して何食わぬ顔をして食べていました。小6の娘は腹ペコです。

娘「私たちのご飯は?」

私「自分で注文するシステムだから、好きなところで注文しておいで」

娘「英語がわからない」

私「“Can I have~?” で通じるよ」

娘「…お腹空いてないから要らない」

私「あっ、そう」

私の麺のスープからはおいしそうな湯気が立っています。しばらくすると、さすがに空腹に耐えられなくなったのかお店の方へ歩いていき、いろいろやり取りしている様子でした。

数分後、ワンタンメンが運ばれてきて、娘はおいしそうに食べています。

私「それ、自分で注文したの?」

娘「そうだよ。ちゃんと注文できた。これ、おいしい!」

これ以降、どこへ行っても子どもだけで好きな料理を注文できるようになりました。ローカルの人に挨拶したり、お店で買い物をしたりするのも平気になりました。中学生になって英語を学ぶようになると、習った表現を積極的に使っていました。

このようにして、我が家では娘の「外国人に緊張してしまう病」を克服させることに成功しました。しかし、振り返るともう少しスマートな方法があったのではと反省しています。

そこで、初めて家族で海外旅行に行くお母さんのために考えた「子どもに英語を使わせるための2つの作戦」を紹介します。海外旅行に行く予定のあるお母さんは参考にしてください。

子どもと行く海外旅行ではあえて小規模宿泊施設B&Bを選んでみる

一つ目の作戦は、大きいホテルではなくB&B(Bed and Breakfast)に泊まることです。B&Bは一般の住宅の一部を宿泊客に提供し朝食が料金に含まれる小規模な宿泊施設です。

私はニュージーランドでB&Bを利用しました。快適なベッドとおいしい乳製品たっぷりの朝食で大満足でした。B&Bを経営するくらいなので、ご主人はフレンドリーです。宿泊客は私だけなので、朝食中は陽気なご主人とずっと雑談をしていました。

もし、あの場に子どもがいたら、ご主人は絶対に子どもに話しかけます。子どもは英語で答えるしかありません。小さいお子さんがいるようなB&Bだったら、子ども同士でちょっと会話するシチュエーションもあるかもしれません。

子どもと行く海外旅行ではホテルのプールでゆっくりと過ごしてみる

二つ目の作戦は、ホテルに泊まり、プールに子どもを連れていくことです。どういうわけか欧米人はプールサイドで日光浴をしながら本を読むのが大好きです。その間、彼らの子どもは完全放置状態です。
プール
暇になったネイティブの子どもは適当な遊び相手を探しているので、これがチャンスです。子どもはネイティブの子に話しかけられれば、英語を使わざるをえません。“Let’s play on the slide!(滑り台で遊ぼう)” などの英語を知っていると、結構盛り上がります。

短い時間でも外国の子どもと仲良く遊べた経験は「英語を使って仲良くなれた」という自信になります。

「通じた」喜びと同様に、「伝えたいことがうまく言えなかった」という軽いフラストレーションも、英語学習のモチベーションアップにつながります。いずれにしても、実体験から学んだことは強烈なインパクトがあるので貴重です。

「B&Bでの宿泊」と「ホテルのプール」でのシチュエーションづくりをヒントに、わずかな時間でも子どもに英語を使わせる機会を作ってみましょう。あまり強引にやりすぎると英語嫌いや外国人恐怖症になってしまうので、子どもの性格と反応を見ながら加減してください。

子どもの人生を豊かにする海外旅行

以前テレビ番組で、ドトール・コーヒー創業者の鳥羽さんがドトールの業態を思いついたいきさつを語っていました。

創業前、喫茶店組合でパリへの視察旅行があったそうです。通勤途中カフェへ気軽に立ち寄りコーヒーを楽しむ人たちを見て、鳥羽さんは衝撃を受けました。当時の日本では、喫茶店は暗い雰囲気でコーヒーの価格も高かったのが常識だったからです。これをヒントに鳥羽さんは気軽にコーヒーが飲めるコンセプトのドトールを全国に展開しました。

さて不思議なのは、同じ光景を他の人たちも見ていたのに、「これだ!」と気づいて成功したのは鳥羽さんだけという事実です。これについて鳥羽さんは次のような言葉を遺しています。

同じ旅行でも、ただ単に行くのと、明確な目的をもって行くのとではものの見え方、感じ方がまるで違ってくる。関心があればこそ見えてくる。関心がなければ見ているようで実は何も見えていないのだ。目的意識があればこそ、その光景をいつまでも心の中に鮮明に、克明にとどめておくことができる。

ほとんどの子どもは明確な目的意識や先入観を持っていません。ですから、旅先での両親の行動や発言が、子どもが海外で見たり考えたりするときの「基準」となります。そしてその延長線上に将来の価値観が形作られます。

例えば、海外のショッピングモールに行くと営業時間中にエスカレーターの整備をしていることがよくあります。お客さんは、停止したエスカレーターの隣のエスカレーターを階段のように上り下りしなければなりません。

それを見て「けしからん。夜中にやればいいのに」と反応するのと、「整備している人たちにも家族がいる。昼間に働けるようにみんなで協力している。日本もこれでいいのにね」と発言する親では、子どもの見方・考え方は大きく変わるはずです。

このように海外旅行で日常と異なるものを体験し、お母さんやお父さんの行動や発言をもとにして、子どもの認識の枠組みが出来上がります。

いろいろなことへの関心を高めることによって、子どもは「無意識にやり過ごしていたこと」や「常識だと思っていたこと」をもう一度考え直すいい機会を得られます。

このような経験を積み上げることによって、深みのある人格が形成されます。英語だけができる人ではなく、英語をフル活用して人生を豊かにできる大人に育ってほしいと思います。

では具体的にどのような経験が役に立つのかを紹介します。

海外旅行で子どもが学べる英語以外のこと(基本編)

ここまで「子どもに英語を使わせて、学習のモチベーションを上げる方法」について説明しました。

ここからは、さらに一歩すすめて英語以外のことにも目を向けてみましょう。海外旅行を思い出深いものにして、子どもにとって学びの多い機会とするためのヒントを挙げてみます。

マナー

海外旅行に限った話ではありませんが、マナーは大切です。宗教的・文化的にタブーとされていることはあらかじめ子どもにきちんと伝えておくべきです。旅先の人や文化に敬意を払うように教えましょう。

英語圏・非英語圏を問わず、挨拶とお礼くらいは現地の言葉で大きな声で言えるようになって欲しいです。英語なら “Hello!” と “Thank you.” は笑顔で言えるように、両親が模範を見せることが肝心です。

世界中を見たわけではありませんが、挨拶とお礼を笑顔で言われて怒る人はいないと思います。円滑なコミュニケーションの第一歩です。

多様性

異なる人種・宗教・文化を肌で感じられる海外旅行は、子どもが他者に寛容になれるチャンスです。テレビでの報道だけだと特定の宗教や国に悪いイメージを抱きがちです。しかし、実際に自分の目で見るとそれぞれに良いところがあって尊重すべきものであることに気づきます。

偏見を持たずに、自分と異なる人や物・習慣などを受け入れられるような心の広い子どもになって欲しいです。

日本を客観的に見直す

日本は世界でも類を見ないほどの急ペースで、少子高齢化が進んでいるのはご存知のとおりです。しかし、子どもは生まれた時から同じ環境にいるので、感覚的に理解できません(大人でも意識している人は少数です)。

東南アジア方面に旅行すると、どこへ行っても若い人たちで溢れていることに気づきます。通販が発達していないのか、休日のショッピングモールはたくさんの家族連れで賑わっています。

ところが帰国すると、ひと目で高齢者が多いことに気がつきます。このように外国と比較して初めて日本の置かれている現状に気がつくのです。

子どもが大人になる頃には人口減少と高齢化がさらに進行した社会になっています。帰国後、子どもにそのような話をしてあげると、そのようなニュースが流れた時には興味を持って聞くようになります。

このように英語以外のことも、子どもと対話する中で気づかせることができます。テレビや活字での知識ではなく、自分が見てきた経験に基づいているので記憶に深く刻まれます。

海外旅行の食事で子どもが学べる英語以外のこと(発展編)

ここでのテーマは食事です。私はマレーシアに移住していた間に、食事には「その人の性格や思考」が明確に反映されることに気がつきました。

駐在している家族で、海外生活を楽しんでいる人たちは現地の食べ物に積極的に挑戦していました。一方、いつも現地の不満ばかり口にするネガティブな人たちは日本食のレトルトやリンゴ・ミカン・バナナしか食べようとしませんでした。

海外旅行中は珍しい料理や果物、不衛生に見えるレストランなど日常とは異なる食事を前にするので、いつも以上にその人の性格や思考が反映されやすくなります。「たかが食事、されど食事」です。

反対に考えると、食事の際の行動を変えると思考を変えることができます。例えば、未知の食事に積極的に挑戦することで、運を引き寄せる子どもに育てることができます。このようなポジティブ思考は英語学習にもきっとプラスに働きます。

スタンフォード大学のクランボルツ教授が提唱した理論に、「運を引き寄せるための5つの行動パターン」があります。これと食事にまつわる私の経験を重ね合わせると、非常にわかりやすかったので紹介します。

子どもの好奇心が刺激される

マレーシアのデザートに「チェンドル」があります。


引用:近畿日本ツーリスト

私は最初にこれを見た時に「うわっ、着色料が大量に使用されていて健康に悪そう!」と思いました。しかし、すぐそばで地元の人が美味しそうに食べているので、試しに買ってみたのです。

「…うまい!」

緑麺のように見えるのはパンダンという植物から色付けされたゼリーです。これに氷、ココナッツミルク、甘い小豆と黒蜜をかけたのがチェンドルの正体です。

レストランで味がわかりきったものしか注文しない人は、好奇心が無さすぎます。親が好奇心を発揮すれば、子どもも挑戦するようになります。不味かったら笑い話にして終わりなので、何も失うものはありません。

子どもの粘り強さが向上する

私の知り合いに、事業で大成功している人がいます。彼の若い時の体験談がとても印象に残っているので紹介します。

初めての海外出張でアメリカに行ったとき、ドライブスルーでハンバーガーを注文したそうです。スピーカーから聞こえる英語は早口で何も聞き取れず、冷や汗を流しながら何とか注文を終えました。英語が通じず、ずいぶんと情けない思いだったそうです。

普通の人なら二度とドライブスルーには挑戦しませんが、彼は真逆でした。「英語がわかるまでドライブスルーでハンバーガーを注文する」と、毎日通い続けたのです。そして一か月後には何の問題もなく注文できるようになりました。

「いかに英語ができなかったか」という笑い話のつもりだったかもしれませんが、私はちょっと感動しました。彼の粘り強さは、子どもにも身につけて欲しい能力です。ついでに言うと英語の習得にも粘り強さが欠かせません。

例えば、ホテルでは朝食バイキングのところに、シェフが客の好みに合わせて卵料理を作っています。出来合いの物ばかり選ばずに、あえててシェフのいるところへ子どもを行かせて、目玉焼きやオムレツを自分の希望どおりに注文させます。

子どもは最初は避けますが、私がうまそうに食べていると我慢できなくなります。そのうち一人で行って、手ぶりや身振りを混ぜながらオーダーをします。

英語が伝わらず子どもが泣きそうになっても、あえて何度も挑戦させるのも大切な経験になります。「成功までは常にあと一歩である」ことを子どもに伝えましょう。

子どもの柔軟性が高まる

私が家族でシンガポールを旅行した時のことです。情けないことに、あまりの物価の高さにまともなレストランで朝食を食べることができず、街をうろうろしていました。すると街角に「トーストとゆで卵とコーヒー」をセットで販売する小さな店を見つけました。

「シンガポールらしいもの」を食べようと計画していたので、日本の喫茶店でも食べられるようなものは嫌でした。しかし、多くの出勤中の人たちが新聞を片手にパクパクと食べている光景を見て、これも「シンガポールらしいもの」であると判断して家族分注文しました。

サクサクのトーストと食べたことのない美味しいジャムが絶妙のコンビネーションでした。半熟卵にしょうゆを数滴たらして食べると、これもまたおいしい。南国で飲むホットコーヒーですっかり目が覚めて、すっかり元気になりました。

実は私たちが食べたのは「カヤトースト(ココナッツから作ったカヤジャムを塗ったトースト)」でシンガポール名物であることをホテルに帰ってから知りました。もし、あの時自分の思い込みに固執していたら、カヤトーストには出会えなかったでしょう。

子どもが楽観的な性格になる

ベトナム名物フォー。街角の屋台のほうがおいしい。

私の失敗談です。ベトナムのレストランでたらふく食事をした後、財布がポケットにないことに気づきました。「しまった。財布をホテルに忘れてきた!」とつぶやき、家族からは大ブーイングです。

私は生来の楽観主義者なので、「旅先のハプニングは後で笑い話にできる」としか思っていません。落ち着いてウェイターを呼び、これから財布をホテルに取りに行くから待って欲しいと英語で交渉しました。家族はここに置いていく条件です(人質です)。

ホテルまでは2キロ離れていたので往復4キロ。財布もないのでタクシーは使えません。歩くと1時間はかかります。ふと外を見ると従業員用らしい自転車が置いてあるので、厚かましくも使わせてもらえるか再び交渉。

気持ちよく1台を貸してくれて、30分で戻って来て無事支払いを済ませました。戻ってきたときはすべてのウェイターから笑われて拍手で迎えられましたが、旅行のいい思い出づくりに貢献できました。

あの時もしオロオロしている様子や夫婦で喧嘩をする様子を子どもが見ていたら、窮地を切り抜ける心構えを子どもに見せられなかったでしょう。英語力プラス楽観性で対処できたことを子どもに見せられたので私は大満足です。

子どもの冒険心を刺激する

マレーシアに住んでいた頃、近所のおいしいホーカー(屋台)でランチを済ませ外に出ました。すると日本人観光客の夫婦がガイドブックを見つめて、真剣に話し合っていました。

おせっかいだとは思いましたが声をかけると、「ガイドブックに載っているチキンライスの店が見つからないで困っている」とのことでした。地図が古く、その店のことは私も知りません。しかし、この夫婦の真後ろこそ、近所で最もうまいと評判のチキンライスの店でした。

そこで「ここのチキンライスがこの辺りでは最高ですよ」と教えてあげました。奥さんは「あら、そうだったの」と乗り気です。しかし、旦那さんは「いや、このガイドブックの店ではない」と譲りません。

私は用事があったのでそのまま立ち去ったので、この夫婦が実際に私のすすめたチキンラスを食べたかどうかは確認していません。私はあの夫婦は食べてないような気がします。旦那さんに冒険心が無いからです。

たった4リンギット(当時110円位)のチキンライスでさえも、思い切りのよさを発揮できないのでは、成功する人間にはなれないでしょう。たかが食事ですが、その人の思考がはっきりとわかります。

このように海外旅行は英語のモチベーションを高めるだけでなく、子どもの成長のきっかけにもなりえます。安全な範囲なら小さなトラブルも良い経験になります。

まとめ

家族で海外旅行に行けるのは幸せなことです。お金だけではなく健康や休みなどの条件が揃わないと実現できません。子どもが中学生以上になると忙しくてなかなか遠くに旅行することも難しくなっていきます。

もし小学生の間に家族で海外に出かける機会があるなら、ぜひ有意義な思い出深い旅にしてください。子どもが英語を使う機会は思ったよりも少ないので、事前の準備が大切です。少しでも「通じた!」という達成感は、英語学習のモチベーション向上に効果的です。

また、海外での両親の何気ない行動や発言が、子どもの生き方に大きな影響を与える可能性があります。英語だけでなく、人生を豊かにする思考を学ぶ絶好の機会でもあるので、旅行中は子どもと語り合って欲しいと思います。.

小学生の短期留学・ホームステイ:気になる費用と効果

「〇〇さんの子どもが夏休みを利用して短期留学に行ったんだって」という話を妻から聞くことが増えてきました。

ママ友の反応はさまざまで「小学生には早すぎる」「短期間で英語は話せるようにならない」「経済的に余裕のある家の話で、我が家には関係ない」といったネガティブな反応も多いようです。

話を聞きながら私は適当にあいづちを打っていますが、本音では「ツボを押さえれば、短期留学は英語習得にとって大きなメリットになる」と考えています。

短期留学成功の秘訣は、「留学で得られる効果を正しく理解すること」と「多様な短期留学の種類をきちんと理解して、子どもに適したものを選ぶこと」の2点です。この2つの秘訣をおさえると、帰国後の英語学習に対するモチベーションが劇的に向上します。

今回の記事では、短期留学成功のための2つの秘訣について順番に解説していきます。

成功の秘訣1:留学で得られる効果を正しく理解する

短期留学とは、10日間~数週間程度で終了する留学のことです。一般的に「日本人が英語を習得するためには3,000時間必要」といわれているので、どんなに英語漬けの生活を送っても、短期留学だけでは英語をマスターできません。

しかし、短期留学で得られた経験をきっかけに、「帰国後の英語学習に対するモチベーション(意欲)を劇的に高める」ことは充分に可能です。

短期留学では、主に以下のような経験を得ることができます。

自分の英語が相手に「通じた」という喜びの成功体験

海外に行って自分の英語が相手に通じた成功体験は、ポジティブな記憶として残ります。この成功体験は、間違いなく英語学習のモチベーションをあげてくれます。

例えば、ホストファミリーと食事をしていて“Would you like some more?”(もっといかがですか)と聞かれて、“No, thanks.  I’m full.”(いいえ結構です。お腹がいっぱいなので)とたまたまどこかで習ったフレーズが口をついて出てきたとします。

何気ない一場面ですが、この経験から得られる効果は大きいです。なぜなら、「英語のフレーズをすぐに口から出るレベルまで何度も暗唱する」という地味な努力の成果を体験できたからです。

留学する以前は、いやいや取り組んでいた英語の暗唱を帰国後は自発的に何度も練習するようになるかもしれません。知識として「英会話の上達には暗唱は欠かせない」と理解することと、体験して実感することでは天と地ほどの差があります。

自分の気持ちを英語で伝えられないフラストレーション

成功体験だけでなく、自分の気持ちがうまく英語で伝えられないときに感じる強いフラストレーション(もどかしさ)も、英語学習に対するモチベーションを上げる効果があります。

私が25歳で、初めての海外となるニュージーランドに行ったときのこと。電車で偶然向かいの席に座った中学生くらいの女の子と話す機会がありました。話題は日本の捕鯨問題で、彼女は捕鯨反対、私は賛成の立場でした。

小さいころからディベートの訓練を積んでいるらしく、彼女は理路整然と反対の主張をしてきました。一方、大人の私はしどろもどろになってしまいました。結局、あっという間に彼女にやりこめられて終了しました。

この経験は結構悔しくて、帰国してからエッセイ(小論文)の書き方を勉強して、論理的に考えを伝える練習をしたのです。議論で負けた悔しさがきっかけとなり、それまで避けていた学習を始めたのです。

このように、英語でのコミュニケーションのなかで感じたフラストレーションは、その後の学習に良い影響をもたらします。ただし、子どもの場合あまり強いストレスがかかると英語を嫌いになってしまいます。成功体験とフラストレーションの両方ともあるのが理想的です。

世界各国の同年代の子ども達と直接触れ合うことでしか得られない経験

今は、インターネットで世界中の情報が共有できる時代です。しかし、インターネット上でどうしてもできないことは人間と人間の直接的なふれあいです。

考え方や文化がまったく異なる外国人と直接交流したときに、いろいろな学びが得られます。日本人同士では暗黙の了解になっていることも、外国では当たり前ではないことを経験します。

例えば、日本人の子どもが年上の子どもに向かって「ケン!」と呼び捨てにすることには抵抗があるはずです。しかし、海外ではファーストネームで呼び合うのが普通です。

このようなシチュエーションは日本ではほとんどないので、文化の違いを考える貴重な経験となります。

英語を教科としてではなく、コミュニケーションの道具として認識する

日本だけで英語学習を続けていると、いつのまにか「英語=受験科目」としてのみ認識するようになります。その結果、「受験が終わったら英語は必要ない」と考える子どもが増えてしまいます。

「英語はコミュニケーションの道具である」という当たり前の認識が薄れてしまうのです。しかし、短期留学のときに日常会話で英語を使う人たちを目の当たりにすれば、道具としての英語を忘れることはないです。

この経験をした子どもは、受験勉強という枠を超えて、その先にある「使うための英語」を身につけようと努力するようになります。これは短期留学で得られる貴重な経験のひとつです。

短期留学で得られる効果のまとめ

繰り返しになりますが、短期留学の目標はそこで英語を上達させることではありません。短期留学中の経験をもとに、帰国してからの英語学習のモチベーションを上げることが、短期留学の最大の目標です。

留学体験が活かされるかどうかは、それまでの英語学習と子どもの好奇心の大きさに比例します。あなたの子どもが、日頃からいろいろなことにチャレンジしたり、関心を持ったりする性格なら、短期留学は「良い経験」になる可能性が大きいです。

モチベーションが絶好調になったところで、スタートしたいのがコレ↓

子どもがハマる!楽しい動画サイトを活用した「リスニング学習法」動画セミナーはこちら

成功の秘訣2「多様化する留学を正しく理解しよう」

短期留学成功の二番目の秘訣は、「多様な短期留学の種類をきちんと理解して、子どもに適したものを選ぶこと」です。

短期留学のことをインターネットで調べてみると、実にいろいろな形態があることに気がつきます。留学エージェントのホームページには当たり前のようにカタカナ用語が使われているので、初めて見た人は何が書いてあるのかさっぱりわかりません。

そこで、短期留学のホームページに登場する用語や留学形態を5つの観点からわかりやすく解説します。5つの観点とは以下のとおりです。

留学
期間 長期留学 短期留学
内容 語学研修タイプ アクティビティ中心タイプ
滞在先 ホームステイ 寮・ホテル ステイ
人数 子どもだけ 親子(主に母子)
場所 国内 海外

以下、「期間」「内容」「滞在先」「人数」「場所」に分けて、順に解説します。

留学の期間

留学は、10日から数週間で終了する「短期留学」だけではありません。3か月以上海外で学ぶ「長期留学」もあります。ここでは長期留学も含めて「期間」について解説します。

・長期留学

小学生が長期留学をする場合は家族での移住が前提となります。そのため、一番の問題は、両親の仕事です。会社を辞めて生活できる人は限られています。お父さんは日本で働き続け、お母さんと子どもだけが留学する「母子留学」を選択をする家庭もありますが、お父さんの存在感が低下するなどの問題がありそうです。

また、海外での長期滞在にはビザ(外国人が入国に値することの証明書)の取得や住居の契約などの複雑な手続きが必要です。これらの手続きに関しては、エージェントに依頼しながら少しずつ準備をすすめることになります。

・短期留学

一方、夏休みなどを利用した短期留学は、学校を欠席せずにチャレンジできることから、小学生の子どもを持つお母さんにも人気があります。中学生以降になると部活や受験勉強が忙しくなるため、あえて小学生のときに短期留学を考える人も多いです。

小学生の子どもが親と離れて生活することはストレスです。ましてや言葉が通じない環境に置かれればなおさらです。短期留学なら本格的なホームシックになる前に帰国できるので、長期留学よりも気軽に参加できます。このことも短期留学に人気がある要因でしょう。

短期留学の内容

短期留学では、「留学中、何をするのか」という内容によっても大きく2つに分かれます。一つ目は英語の授業を中心とした「語学研修」タイプ。もう一つはキャンプなどのアウトドア活動やスポーツを中心とした「アクティビティ中心」タイプです。

・語学研修タイプ

語学研修を中心とした短期留学では、滞在先から平日学校へ通い、半日程度の英語の授業を受けることになります。

海外の多くの語学学校などは6月~8月下旬までが夏季休業です。この期間を利用して「サマースクール(夏季限定のプログラム)」の英語の授業に参加するのが主流です。

ただし、授業内容が半分以上わからないと、授業を苦痛に感じるはずです。そのため、数年間英語学習を続けて英語の基本が理解できてから参加したほうが有意義なものとなります。

・アクティビティ中心タイプ

アクティビティ中心の短期留学では、英語を使いながらスポーツやアウトドア活動に参加します。サッカー、テニス、野球、キャンプ、川下りなどが活動内容です。

canoe

例えば、サッカーを中心としたイギリス短期留学を選んだとしましょう。その場合、現地の子ども達と一緒にサッカースクールに参加することになります。コーチはもちろん英語で指示を出すので、それに従って練習や試合をします。

日本の練習とは違って、チームメイトと言葉が通じないもどかしさを感じることがあるでしょう。いいプレイができてコーチやチームメイトからほめられたら大きな自信になるかもしれません。

自分の好きなことや得意な活動を通じて、外国人と交流できるのがアクティビティ型短期留学の魅力です。

滞在先:ホームステイそれとも寮?

・ホームステイ

ホームステイという言葉がそのまま留学を意味するくらい、メジャーな形態となっています。外国の家庭に泊まり、家族と衣食住を共にすることでその国の生活習慣や考え方、文化などを学べることがホームステイの長所です。

基本的に受け入れ先の家庭を選ぶことはできないので、食事が合わなかったり、ホストファミリー(受け入れ先の家族)と性格が合わなかったりすることはありえます。たいていの場合、ホストファミリーは日本語ができないので、最低限の英語は話せる必要があります。

なかには「ティーチャーズステイ」という語学学校の先生宅に滞在するプランもあります。外国人の子どもとの会話に慣れているので、その分、意思疎通はしやすいです。

ホームステイは子どもも受け入れる方も大変ですが、外国の家庭にお邪魔する機会はめったにありません。うまくいけば学校や参考書では絶対に学べない貴重な経験を得ることができます。

・寮またはホテルステイ

短期留学では、ホームステイ以外にも、日本人スタッフが常駐する寮やホテルに滞在するタイプもあります。ホームステイが重荷に感じる場合は、こちらの方がいいでしょう。

食事でアレルギーがある場合には、日本人スタッフに伝えておけば安心です。また食事の好き嫌いが激しい場合も、寮から通ったほうが、お母さんも安心できます。

参加人数

・子ども単独での参加

自分の身の回りのことができる年齢であれば、一人で参加するのが普通です。10日間~数週間、親元を離れて過ごすことになるので、自立心が養われるというメリットもあります。

・親子留学

子どもの短期留学では、子ども一人で参加するだけでなく、お母さんと二人で参加する「親子留学」もがあります。

親子留学なら何かあったときでもすぐに対応できるので、年齢的に不安があっても安心です。また、「私も留学したい!」と希望するお母さんも多いので、人気のある留学形態といえます。

参加費用はもちろん二人分かかってしまいますが、楽しい思い出を共有できることも人気の理由かもしれません。

英語が得意なお母さんなら、留学エージェントを利用せず、自分で海外のサマープログラムに応募して、チケットや宿泊先を手配する人もいます。この場合、エージェントへの支払いが不要なので、割安で親子留学できます。

渡航先と留学の費用

・国内留学

短期留学の場所は、「国内」と「海外」の二つに分かれます。正確には「留学=海外で学ぶこと」ですが、意外にも日本国内でも同様の体験ができるのです。

例えば、日本国内には米軍基地に勤務する人の居住区があります。その家庭にホームステイさせてもらうのです。国内なので、当然、海外渡航の往復チケットは不要です。そのため経済的な負担をかなり減らせます。

また、沖縄などの自然環境を利用して、ネイティブのインストラクターがいるアクティビティ型のサマースクールに参加することもできます。日本人が多く参加するので、英語だけの環境とはいきませんが、子どもの英語力が未熟でも参加可能です。

日本と比較して治安の面で不安が大きい国が多いなか、国内で開催されるサマーキャンプは安全面でも安心です。

・海外留学

一方、本格的な海外留学の場合は、異文化を肌で感じることができます。英語だらけの街の風景を見るだけで、異国の雰囲気を強く感じることでしょう。

海外留学は、渡航先によって費用が大きく異なります。英語が母語の国で人気があるのは、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどです。その時の為替レートによりますが、10日間ほどの期間でも50万円以上かかります。

滞在期間が3週間で渡航先がカナダの場合は、80万円以上は必要となります。

一方、第二言語として英語を話すフィリピンやマレーシアなどのアジア圏であれば、半分程度に費用を抑えられます。治安の面では先進国に比べて不安があるので、留学斡旋会社の実績やサポートをよく調べることが大切です。

「アジアで英語はちょっと…」と先入観をもつ人もいますが、フィリピンの人の英語力は決して低くありません。オンライン英会話の講師と話したことがありますが、まったく問題ありませんでした。

また、アメリカやカナダの場合は時差が大きくなるので、時差ボケで体調がすぐれないまま短期留学が終わってしまうことがあります。南半球のオーストラリアとニュージーランドは季節が日本と反対なので、気温差による体調の変化にも注意が必要です。

小学生の子どもの場合、心身ともに大人よりもデリケートです。環境の変化や長旅の疲れなど、想像以上に負担がかかることもあります。日頃の健康状態も観察しながら、どの国がもっとも適しているのかを見極める必要があります。

まとめ

子どもの短期留学を成功させるための秘訣をまとめます。

  • 短期留学は帰国後の英語学習のモチベーションを向上させるために行くこと
  • 多様化する留学形態を正しく理解して、子どもの状況や性格に合ったものを選ぶこと

短期留学はそれなりの費用がかかります。英語学習の基本は継続することにあるので、あまりに家計に負担を強いるようであれば、留学をあきらめてもまったく問題ありません。まわりで留学した友人から話を聞くだけでも、疑似体験できるのでおすすめです。

でも、もしいろいろな状況がクリアされるなら、子どもに短期留学を挑戦させる価値はあります。将来、子どもが大人になったときに、「あのとき参加した短期留学がきっかけで英語が得意になった」と言ってくれるようなプランを考えてあげてください。

  • Tokyo Global Gatewayは子どもの英語の試合場所Tokyo Global Gatewayは子どもの英語の試合場所
  • マレーシア母子留学についてマレーシア母子留学について
  • 多様化する小学生対象の「国内の英語サマースクール」多様化する小学生対象の「国内の英語サマースクール」
  • 子連れ海外旅行を英語力アップにつなげるコツ子連れ海外旅行を英語力アップにつなげるコツ
  • これだけは知っておきたい! 「子どもの英語を伸ばす」接し方これだけは知っておきたい! 「子どもの英語を伸ばす」接し方
  • 小学生の英検2級体験記:帰国子女の英語力保持に英検を活用!小学生の英検2級体験記:帰国子女の英語力保持に英検を活用!

人気の記事一覧

  • 小学生が英検5級に合格する勉強法や考え方
  • 小学生から始める英語音読トレーニング(実践編)
  • 子どもの英語リスニングは精聴で伸ばそう(実践編)
  • 子ども向けオンライン英会話ランキング

Information

  • 代表あいさつ
  • サイトマップ
  • 運営会社情報
  • お問い合せ

カテゴリー

  • 英会話スクール
  • 弊社提供サービス
  • 教え方のコツ
  • 留学・インター校
  • 英語の本・歌・DVD
  • 英語学習法
    • その他
    • スピーキング
    • フォニックス
    • ライティング
    • リスニング
    • リーディング
    • 英文法
    • 語彙力
  • 英語表現
  • 英語試験

Copyright(c) 2023 お母さん必見!「子どもの英語教育」 All Right Reserved.

©お母さん必見!「子どもの英語教育」