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子どもの英語発音:無料アプリを使った練習方法

私が英語学習を始めたのは中学生になってからでした。塾には通っていなかったので、学校の授業を受けながら少しずつ勉強していました。

3か月くらい経ったころ、私は他人より英語を上手に読めることに気がつきました。日本人が苦手なはずの「f, v, th, r, l」の発音が簡単にできました。自分では「英語の才能がある」と思っていました。

ある日、家で英語の教科書を音読していると、母が「やっぱり小さいときに英語を習っていたからうまいね」と言いました。何の話かまったく分からずたずねると、どうやら幼稚園のときに短期間、英語を習っていたらしいのです。

私は幼児期に英語の先生から発音訓練を受けていました。母から「英語らしい発音で歌を歌っていた」と聞かされました。英語はすっかり忘れてしまいましたが、子どもの頃に覚えた発音の筋肉は大きくなっても失われなかったようです。

子どもは英語の音に対して柔軟性があります。この時期に正しい発音を覚えると、英語学習において大きな利点となります。以下、英語の発音練習のコツと英語発音トレーニングに適したアプリについて詳しく説明します。
DL

日本人が苦手な英語の音

英語の発音が良くなると2つのメリットがあります。ひとつめは、英語を話すときに相手に伝わりやすいことです。聞き返されることが減るので、スムーズにコミュニケーションをとることができます。

もう一つのメリットは、英語の聴き取りが楽になることです。英語らしい発音をするのは、その音を毎回自分の耳で聞いていることと同じです。そのため他人が同じような英語を話したときも、それがどの単語のことか瞬時に聞き分けることができます。

このように英語の発音が良くなると、スピーキングだけでなくリスニングにも好影響を与えます。では具体的に「どのようにして英語の発音レベルを向上させればいいのか」について詳しく説明します。

日本語よりも英語のほうが音の数が多い

日本語と英語を構成する音の数を調べると、英語のほうが圧倒的に多いです。このことがわかると英語の発音をトレーニングするときにどういう姿勢で臨んだらいいのかがわかります。

・日本語に存在しない音がある

「英語のほうが音の数が多い」ということは「日本語には存在しない音がある」ということです。つまり、これまで出したことのない音を一から覚える必要があります。

未経験の音を出すのはとても違和感を覚えます。外から見える唇・舌先・歯だけでなく、口腔内の舌の位置や息の出し方まで意識しないと英語らしい音が出てきません。

私は学生のとき、英語の発音訓練を受けたことがあります。授業の翌日、口の周りが筋肉痛になったことを覚えています。慣れない筋肉を動かした証拠です。以下、日本人にとって未経験の英語の音を列挙しておきます。

・【f】/【v】(fan/ van)

【f】は上の歯で下唇の内側を軽く押さえ、強く息を出して発音します。【v】は【f】と同じ口の形で「ヴ」と発音します。
fとvの口の形

・【θ】/【ð】(throw/ this)

【θ】は舌の先を上下の歯で軽くかんだ状態で、息を出して発音します。【ð】は【θ】と同じ口の形で濁らせた音を出します。
thの口の形

・【r】/【l】(room/ look)

【r】は口の中で、舌を上に浮かせるようにして「ウ」に近い音を出します。
r の口の形
【l】は上の歯ぐきの裏側に舌先を軽くあてるような感じで発音します。
l の口の形

発音練習に関して、頭脳はほとんど不要です。それよりも口をいろいろ動かしながら理想的な音に近づけてみる試行錯誤が必要です。子どものが発音練習をするときは、正面に鏡を置き自分の口の形を常にチェックできるようにしてあげましょう。

日本語よりも強めに息を出さないと英語を発音することはできません。初心者のうちは少し大げさになるくらいでちょうどいいです。ときどき声を録音して、子どもに聞かせてみるのも発音の改善に効果的です。

幼児期から小学校低学年が最適

英語の発音練習に関しては、幼児から小学校低学年の頃に経験しておくのが理想的です。恥ずかしがったり面倒くさがったりせずに、好奇心旺盛に新しい音にチャレンジできる年齢だからです。

私の経験では、中学生や高校生に発音指導をするのはとても根気が必要です。彼らは新しい音を出すことを「恥ずかしい」「面倒くさい」と感じるからです。そして長期間指導する割にはあまり改善されないことも多いです。

低年齢のうちに発音練習を済ませておいたほうがいい理由はもう一つあります。それは「ローマ字」の弊害です。詳細は後述しますが、ローマ字は英語の読みとは似て非なるものなので、英語学習においては弊害でしかありません。

小学3年生から学校で「ローマ字」を習いますが、その前なら英語の音を素直に受け入れて練習できます。本格的な英語学習は後回しでもかまいませんが、発音は小学校低学年のうちに練習しておきましょう。

英語のカタカナ読みの弊害

子ども向けの英語教材では、英語に読み仮名(カタカナ)が記載されていることがほとんどです。子どもはすでに知っているカタカナを読むことで「英語を話している」と錯覚しますが、これでは英語を話していることになりません。

例えば日本語で「ア」と表記される英語の音には【æ】【ʌ】【a】【ə】の4つがあります。これらの違いは意味にも影響を与えるもので、すべてまとめてカタカナの「ア」ひとつで表現できません。

英語の4つのア

また、カタカナで音を覚えているとリスニング力は低下します。例えば「走る」意味の動詞の原形・現在分詞形「run」と過去形の「ran」があります。これらを両方ともカタカナの「ラン」と発音していたら、英語のrunを聞いてもどちらなのか判断できません。

run/ ran

リスニングで困らないためにも、カタカナに頼らずに英語を正しく発音することが大切か理解できます。

ローマ字は英語学習の妨げになる

ローマ字を習うことによって、英語の発音は余計に難しくなります。確かにローマ字と同じように英単語を読めるときもありますが、そうでない場合のほうが圧倒的に多いです。

私が中学生のころ英語の教科書を開いていると、母は「猫の話なのね」とつぶやきました。そのレッスンには猫など登場していないので、訳がわかりませんでした。

母になぜそう思ったのかをたずねて原因がわかりました。対話文の人物であるMikeを「ミケ(猫の名前)」と勘違いしたのです。

このようにローマ字読みが身体に染み付くと、英単語を学習するときに実際とは異なる覚え方をしてしまい危険です。このような理由から、ローマ字を学校で習う前に英語の発音に慣れておいて欲しいと私は考えます。

英語発音練習に無料アプリ「英語発音ドリルA to Z」

発音練習がやっかいなのは、ずっと先生につきっきりで教えてもらえないことです。最低でも1か月くらいは高頻度でトレーニングをすることが望ましいので、一人で練習できる方法を見つけなければいけません。

そんなときに重宝するのが、スマートフォンのアプリです。この記事を書くにあたり、英語の発音練習に適したアプリをいろいろと試してみました。

重視した評価ポイントは「価格:無料または格安」「信頼性:正しく評価してくれること」「文章単位:単語だけでなく文章でも練習できること」の3点です。この3つの条件に最も合致したアプリ「英語発音ドリルA to Z」について詳述します。
英語発音ドリル A to Z

「英語発音ドリルA to Z」

「英語発音ドリルA to Z」は無料で使えます。インストールを済ませると、「新しくデータを作る」画面が現れます。この機能により複数の利用者がそれぞれの学習履歴を残せます。まずは自分のデータを質問に従って入力しましょう。

 

 

入力B


・使い方

まず、発音練習に使用する例文を「カテゴリ」の中から選びます。先ほど入力した年齢が学習歴によって、使用する例文のレベルは異なります。
カテゴリー
チャレンジしたいカテゴリーを選んだら、レベルを選択して練習画面に移動します。

I'm on my way.自動でお手本の発音で例文が読まれます。スピードが速いので、もう一度聞きたい場合はオレンジ色の「お手本」と書いてあるところをタップします。

次に自分で読んでみましょう。まず、下のほうにある青いマイクの絵をタップします。すると「にんしき中」と書かれた緑色に変わります。できるだけお手本に近い読み方で、大きめの声で英語を読みます。

直後にスコアが右上に表示されます。もう一度チャレンジしたいときは、マイクのボタンを押せば何度でもできます。
スコア自分の声を再生したいときは、「あなた」と書いてある再生ボタンを押すと、直前に録音した自分の英語を確認できます。次の例文に移動するときは、マイクの横にある「次へ」をタップします。

使い方はとても簡単なので、教えてあげれば子どもでもひとりで練習できます。親子でスコアを競い合うと子どもは夢中になります。

スコアの信ぴょう性について

私が試すと毎回100点(二重丸)が出てしまうので、スコアの信ぴょう性について疑念が湧いてきました。そこで、英語の発音が苦手な妻にやってもらいました。

妻の英語に対しては、20点などの低い評価が連続しました。妻は「これ、壊れているでしょ」と文句を言っていましたが、正しい評価です。

また、英語の得意な息子にも試したら90点台で安定していました。3人しか試していませんが、このアプリのスコアはおおむね信頼できそうです。

「英語発音ドリルA to Z」にも欠点はあります。声の波形で分析していることから、まったく異なる音を当てはめても高評価が出てしまうことがあります。

例えば、“See you.” を“Thee you.” と発音しても、【s】と【θ】の違いを認識できずに、高評価が出てしまいました。おそらく、抑揚やアクセントがモデル音声と一致していれば正しく読んでいると認識してしまうからです。

このことから、まず個々の音の出し方については英語教室などで直接先生から習いましょう。その後、抑揚やアクセントに注意しながら「英語発音ドリルA to Z」を使用して短いセンテンスを読む練習をするのが理想です。

小学校高学年から英語の発音記号を覚えよう

英語の発音を学ぶときに「カタカナ」「ローマ字」は害でしかないことはすでに述べました。最近の教材にはCDが付属していて、新しく学ぶ英単語の発音を音声で確認できます。

しかし、CDだけに頼って発音を確認するのは2つの理由から学習効率が悪いと考えています。ひとつめは、音声の再生が面倒だからです。CDを再生するのはもちろん、該当の単語を見つけ出すにも時間がかかってしまいます。

もう一つの理由は、音だけを聞いても正しい発音を覚えられないからです。例えば、「バット」という音声を聞いたときbat(バット、こうもり) but(しかし) butt(たばこの吸いさし)なのか区別がつきません。

これらの理由から、英単語の発音を確認するときに毎回音声を再生すると効率が悪くなってしまいます。そこで活躍するのが「発音記号」です。学校の教科書にも単語の隣に必ず「発音記号」が表記されています。

ところがこれらの記号を覚えるのが面倒なため、先生も生徒もあまり積極的に発音記号を学ぼうとはしません。アルファベットだけでなく【ŋ】【æ】など見慣れない記号も覚えなくてはいけません。

しかし、やり方によっては小学校高学年の子どもにも発音記号を学ぶことは簡単です。そのコツについて説明します。

子どもが発音記号を覚えるためのコツ

まず、子どもが確実に読める英単語を活用します。例えば、dogなら発音記号は【dɔ(:)g】です。dとgはそのままで、口を大きく開けて発音する「オ」に該当する記号が【ɔ】であることが一目でわかります。

同じように、sheなら発音記号は【ʃ:】になります。【:】が音を伸ばす記号であるとわかれば、sが縦に伸びたような【ʃ】がshの部分を表していることが推測できます。

このようにして確実に正しい発音ができて綴りも読める英単語を利用しながら、少しずつ発音記号に慣れていくと、発音記号を見ただけでおよその音を知ることができます。

たとえば「心理学」psychology【saikaləʤi】という注意を要する単語を初めて見たときでも、発音記号を読めると「プシチョロジー」と読まずに最初から「サイコロジー」と発音できます。

私は変わっている子どもだったので、中学1年生のときに辞書の付録についていた発音記号を熟読して、独学で発音記号をマスターしました。そのため新しく単語を覚えるときは、意味よりも先に発音記号をチェックする癖がつき、正しい発音を効率よく学べました。

小学校高学年の子どもならそれほど難しくないので、少しずつ発音記号に慣れさせることを強くオススメします。

まとめ

日本語よりも英語のほうが構成する音の数は多いです。日本人が英語の発音が苦手な理由の一つは、この数の差にあります。

未経験の英語の音を無理やり日本語の音に当てはめても、英語を読んだことになりません。ローマ字は英語の発音とは異なる部分が多く、これも英語学習の妨げになります。

理想としては最初に小学校低学年までに英語教室やオンライン英会話などを利用して、英語らしい発音ができるようにトレーニングさせましょう。ひとつひとつの音がある程度読めたら、アプリを利用して完成度を高めていくといいです。

単語学習の効率を上げるために、小学校高学年からは少しずつ発音記号にも慣れていきましょう。確実に読める単語とその発音記号を比べることにより、見たことのない記号が何の音なのかを簡単に覚えられます。

音に強い子どもの特性を活かして、正しい英語の発音ができる筋肉をつけておきましょう。水泳や自転車と同様、一度覚えると大きくなっても忘れないのでオススメです。

英語の勉強になる子供向け映画DVD:「英語と外国文化や歴史」を学ぼう!

街の本屋さんの語学コーナーに行くと、海外ドラマや映画DVDを英語教材にした学習本が増えています。ネイティブの英語を楽しみながら学べるので、需要があるのでしょう。

また英語を学ぶ目標として「映画を字幕なしで楽しむこと」を挙げる人はとても多いです。映画と英語は相性がいいのです。

子どもの英語教材としても映画はおすすめです。しかし、子どもの英語のレベルは高くないので、ネイティブのセリフを聞き取るにはハードルが高すぎます。すべてのセリフを聞き取ろうとせずに、印象的なセリフに絞って学習したほうがうまくいきます。

英語以外でも、映画は「外国の文化・歴史・生活習慣」を学ぶ絶好の機会です。映画の舞台は現代だけでなく過去の出来事も舞台になるので歴史も学べます。

子どもの英語学習に向いている映画を探すにはコツがあります。それについても詳しく解説するので、参考にしてください。

子どもと映画を観よう

夏休みなどの長期休暇中「子どもに何か有意義なことをさせたい」と考えるお母さんは多いです。しかし、良いアイデアが思い浮かばずに、結局ダラダラと過ごしてしまう経験はありませんか。

私のおすすめは「子どもと良い映画を観ること」です。「夏休み中に15本映画を観て、30個のセリフを覚える」と具体的な目標を立てて実行できたら、充分に有意義な時間を過ごしたといえるでしょう。

映画のあと親子で映画について話し合い感想を述べるのは、議論の練習になります。映画で得た知識は将来英語圏の人と雑談するときにとても助かります。共通の映画で盛り上がったり意見交換できたりしたときは、映画を観ていて良かったと思います。

まず、映画ノートを一冊用意しましょう。子どもにタイトル(邦題と原題)を上に書かせて、観た日付を記入(英語で)させます。タイトルに知らない単語があったら、意味を調べさせましょう。ここまで準備できたら、あとはメモを取るだけです。

映画は英語圏の文化や習慣を学べる最高の教材

英語圏の国での文化・習慣について深く学ぶ教材として、映画は優れています。例えば、子ども向けの定番映画として『ホーム・アローン』があります。

「子どもが一人で家にいる」ことは日本ではそれほど珍しくありません。しかし、アメリカでは13歳未満の子どもを13歳以上の監督なしに一人にさせてはいけない」法律があるため、深刻度が違います。

よく中高生がアルバイトでベビーシッターをするシーンがアメリカのドラマで見られますが、そのような背景があるからです。それがわかると、「子どもを家でひとりにして家族が旅行に行ってしまった」のは日本以上に大事件であることを理解できます。

クリスマスは家族が集う機会でもあるので、皆が再開できるハッピーエンドはまさにクリスマスのテーマそのものです。

このように外国の文化や習慣を疑似体験できるのが、映画の良いところです。子どもと映画を観たあとはこのような豆知識を教えてあげると、子どもの教養レベルは高くなります。

このような雑学もノートにメモしておくと、知識が定着して忘れにくくなります。

好きなセリフを英語字幕で確認しよう

英語の映画ならもちろん英語を学べます。小学生で映画のセリフをすべて理解させるのはほとんど不可能です。そこで、子どもが印象に残った場面のセリフだけを1つか2つ選んでノートに記録してはどうでしょうか。

例えば『オズの魔法使』なら、最後のドロシーのセリフ“There’s no place like home.”(やっぱりおうちが一番)だけ、字幕表示を利用してノートに写します。

そしてそのセリフが読まれるときの役者のマネをして何度も音読します。映画を観終わった直後は特に登場人物に感情移入できます。シーンを思い浮かべながら気持ちを込めてセリフを繰り返すのがコツです。

応用で言葉の一部を置き換えてみるのもいい訓練です。“There’s no place like Disneyland.”(ディズニーランドが一番)のように子どもの考えや経験に合致した英文にしたほうが、頭に残りやすいです。

定額オンデマンドサービスが充実

映画はDVDでもいいし、定額オンデマンドサービスを利用してもいいです。大手のNetflixでは字幕や音声を切り替えられる機能があり、英語学習に重宝します。
字幕機能

レンタルだと返却日が気になります。返却も天気が悪かったりすると面倒です。その点、いつでも見られるオンデマンドサービスはとても便利です。

まだ利用していない人は最初の1か月はたいてい無料で利用できるので、この機会に試してみるといいでしょう。

どうやって子どもと楽しめる映画を見つけるか

映画が子どもの英語学習に役立つのはわかっていただけたと思います。しかし、たくさんのタイトルの中から「子どもの英語学習に適した映画」を選ぶのは簡単ではありません。

私もネットで「評判」を検索して探していた時期がありました。しかし、実際に見てみると評判ほど楽しくなかったり、英語学習の観点からは今ひとつだったりしたこともありました。

ディズニーのアニメならほぼ間違いないのでしょうが、毎回同じようなテイストだとやはり飽きてしまいます。

そこで活用したいのが「映画ガイドブック」です。

もっと簡単に英語の動画を楽しみたいなら、こちらの勉強法がオススメです

一冊揃えると超便利! 映画紹介本

限られた期間にできるだけ質の高い「子どもの英語学習に適した映画」をたくさん見るためには、やはり行き当たりばったりでは駄目です。そこで便利なのが映画ガイドブックです。

先生が薦める『英語学習のための特選映画100選』小学生編

私も1冊購入して大変便利だと感じたのは『英語学習のための特選映画100選(小学生編)』です。
英語紹介本
映画の基本情報はもちろん、英語学習の観点から役立つ情報がぎっしりと詰まっています。

執筆者は多数いますが、すべての映画は共通のフォーマットで構成されています。「セリフ紹介」「ふれあいポイント」「あらすじ」「映画情報」「おすすめの理由」「授業での留意点」「映画の背景と見所」「リスニング難易表」などです。

これらのうち「リスニング難易表」「セリフ紹介」「授業での留意点」について詳述します。

「リスニングの難易表」は便利

すべての映画には「リスニング難易表」があります。9個の評価項目があります。具体的には「会話スピード」「発音の明瞭さ」「アメリカ訛」「外国訛」「語彙」「専門用語」「ジョーク」「スラング」「文法」です。

それぞれ5段階で評価されていて、標準は3です。「スラング」は使用頻度が少ないと数字は小さくなります。「文法」はルールに忠実なほうが小さい数字です。初心者ほど数字が小さいものを選ぶとよいといえます。

この表をざっと眺めるだけで、子どものレベルに合った映画を選べるのでとても便利です。この本はもともと小学生編なので、はじめから難解な映画は含まれていません。でも作品によって難易度にかなりばらつきがあります。

「セリフ紹介」と「授業での留意点」

学校の先生用に執筆された本なので、「セリフの紹介」と「授業での留意点」が詳しく書いてあります。

ここに掲載されている情報はかなり詳細で、大人が読んでも勉強になります。何度も観たこともある映画でも新しい見方を与えてくれるので、もう一度観てみたい気持ちにさせてくれます。

全部を子どもに教えようとすると勉強臭がするので、教える内容は絞りましょう。

例えば、『アニー』の舞台は、1933年のニューヨークです。当時1929年に起こった世界大恐慌の影響で、経済はどん底でした。

1933年に米国大統領となったフランクリン・D・ルーズベルトは「ニューディール政策」と呼ばれる公共事業の拡大により失業率を改善して経済危機を乗り切りました。

中学校や高校の歴史でも登場しますが、子ども向けの映画で予習できるのは素晴らしいです。日本でも毎年人気のミュージカルなので、子どもが気に入ったら舞台を見せてあげても喜びそうです。

ちなみにアメリカの歴史上もう一人ルーズベルト大統領がいます。第26代大統領のセオドア・ルーズベルトです。映画『ナイトミュージアム』に登場します。

歌にも注目

映画と主題歌は切っても切り離せないものです。もし子どもが口ずさんだら、歌の一部でもいいので歌ってみましょう。

『アニー』ならTomorrow、『オズの魔法使』ならOver the Rainbowです。ノートに歌詞の一部を記入します。

Tomorrow, tomorrow, I love ya, tomorrow
You’re always a day away!

これだけ歌えるだけでも、子どもはうれしくなります。この部分はリフレイン(繰り返し)になっているから、満足度も高いです。上手に歌えたらほめてあげましょう。

私のおススメ映画

本の中では紹介されていませんでしたが、私が子どもと観ておもしろかった映画を一つ紹介します。たまたま観た映画で、今まで存在すら知りませんでした。邦題のつけ方を失敗しています。

「笑えて感動して泣けてくる」三拍子揃った映画『飛べ、バージル/ プロジェクトX』です。ぜひ、家族みんなで鑑賞してください。

・飛べ、バージル/ プロジェクトX

手話で人間の言葉を覚えたチンパンジーのバージルが、空軍の秘密プロジェクトに参加します。ところがそのプロジェクトは核戦争を想定したチンパンジーに爆撃機を操縦訓練させるものでした。

被ばくしてからどれくらい飛行できるかを実験するために次々に犠牲になるチンパンジーを救うために、若者2人が協力します。

冒頭で研究者がチンパンジーに言葉(英語)を教えるシーンがあります。チンパンジーにわかるように話す英語は、当然とてもわかりやすいです。英語を覚えたての子どもでも、理解できる英語が続くので楽しめます。

時代背景として、「米国とソビエト連邦が冷戦関係にあった」歴史を子どもに教えてあげる必要があります。そうしないと、なぜアメリカはチンパンジーを虐待しなければならなかったのか理解できないでしょう。

子ども向けの映画からでも深い教養を身につけられるのが映画のいいところです。

まとめ

もし子どもに夏休みを有意義に過ごさせるなら、英語の映画を観てみましょう。映画で印象に残ったセリフを英語で抜き出して、それを暗唱します。また、興味を持った生活習慣や文化などについて調べるのも大変勉強になります。

子ども向けの映画を選ぶのは難しいので、英語学習向けの映画ガイドブックを手元に用意するととても便利です。選ぶ段階ではリスニングの難易度について細かい指標があるので、役に立ちます。

その映画の時代背景や登場人物について子どもが調べるヒントを与えてあげると、海外や歴史に興味をもつきっかけになります。

観終わったあと親子で映画について語り合うのは、子どもにとってとてもいい勉強になります。親子で良い映画をたくさん見て、英語や外国の文化や歴史について学びましょう。

小学生にも使える!「中学英語教科書」の実力とは?

学生の頃、私は英語教材マニアでした。目新しい「〇〇メソッド」のようなタイトルを見つけたらほとんど何も考えずに購入しました。そして使用してしばらくすると、気づくことが2点ありました。

ひとつ目は、どんな教材にも「一つくらいは役立つ情報がある」ことです。その中のいくつかは今でも私の英語学習に影響を与えているものもあります。1500円くらいの本で一生使える情報が得られるなら悪い話ではありません。

そして、もうひとつ気づいたのは「中学の英語教科書は完成度が段違いである」ことでした。義務教育のときに「無料」で配布された教科書のほうが、自腹で購入したものよりレベルがはるかに高いのです。
中学英語教科書

通常高いお金を払えば払うほど「良い買い物をした」バイアス(思い込み)がかかります。「学校の教科書より、最新のこの〇〇メソッドのほうが優れている」と思いたいのが普通です。それにもかかわらず、学校教科書のほうが優れていると認めざるを得ないのです。

私がこのことを痛感したのは、15年前にベトナム語を勉強しようとしたときでした。当時はわかりやすいテキストがほとんどなく、大型の書店に行っても辞書と参考書合わせて10冊未満でした。

マイナー言語のテキストや辞書は、巨大な英語市場の教材と比べると、内容も作り込みのレベルもお話にならないほどお粗末です。英語教科書に該当する存在は、マイナー言語にはありません。

今回の記事では中学校で使用されている「英語教科書」が抜群に優れている理由を説明します。小学生の子どももすぐに中学に入学します。

子どもは無料で配られる教科書にありがたみを感じなくなっています。そんなときにはお母さんが「実は英語教科書っていうのはね…」とその価値を説明してあげましょう。子どもの英語への取り組み姿勢に影響することは間違いありません。

文法を体系的に学ぶ教材としては最高峰

学校英語教育を批判するときにやり玉にあがるもののひとつは「英語教科書」です。

「人生で一度も使ったことないThis is a pen.を教えている」とか「ネイティブでも使わない古い表現がある」という内容です(ちなみに私はThis is a pen. を実際の場面で一度だけ使いました)。

このような批判を聞くたびに私は「わかってないな」と感じます。もちろん教科書は完全無欠ではありません。しかし、英語教科書の完成度は語学教材において間違いなく最高レベルです。

英語以外の言語に興味を持って学習したことのある人ならわかりますが、英語教科書のレベルに達している教材は見たことがありません。

では、どのような点において学校の英語教科書は優れているのかについて具体的に説明します。

語彙・文法が「積み上げ式」

まず、「語彙・文法が積み上げ式である」ことです。例えばLesson 3の内容を見ると、Lesson 1~2までの内容と、今回新しく学ぶ内容だけで構成されています。それ以外のところからは単語も文法も使われていないのです。

英語教科書イメージ

これは算数の教科書の発想に似ています。足し算・引き算を学んだあとに、掛け算を学びます。足し算を学んでいる部分に、掛け算が混ざることはありません。

イギリスの有名な出版社から出ているESL(第二言語としての英語)教材を見ると、be動詞の疑問文のところにはいきなり疑問詞(What, Were, Whoなど)が登場します。これは日本の教科書ではありえません。

日本の教科書は学習者が一歩一歩学べることに重点を置いています。一方、海外の教材では内容を重視していて、そのターゲットの文法が自然に使われるシチュエーションを優先しています。そのため、純粋に積み上げ式で構成するのはほぼ不可能です。

どちらの教科書を使っても成果は出ているので、一概に白黒つけられるものではありません。

しかし、世の中の英語教材のほとんどは「シチュエーション型」で構成されていいます。積み上げ式で一歩ずつ英語を理解したい人にとっては、日本の英語教科書は唯一無二の教材です。

完璧に正しい

文部科学省の検定をパスしている教科書の編集には、多くの大学教授やネイティブが携わっています。彼らの目で何十ものチェックをパスしているので、使用されている英語表現に間違いはありません。

使用されている表現の中にはたしかに一般的ではない表現もあります。例えば、中学1年の英語教科書の最初にはおなじみの会話が掲載されています。

How are you?
I’m fine, thank you.  And you?

ネイティブにこの表現を見せると、「ダサい」とか「野暮ったい」と感じます。それを知った日本人は「もっとイケてる表現を教えるべきだ」と主張します。

How are you?
I feel good, because….

How are you? に対する答え方は複数考えられます。I feel good, because…. と答えれば、確かに自然な会話になるでしょう。しかし、一般動詞feelをSVCで使用するのは中2から学習します。さらにbecause(接続詞)もまだ学習していません。

自然でイケてる表現をストレートに掲載することが本当に英語初心者のためになるでしょうか?

英語教科書の編集に関わっている人達は「専門家」です。この英語があまり自然ではないことくらい百も承知です。しかし、彼らは生徒達が最もシンプルな形で英語の挨拶を覚えられるように配慮しているのです。「基本形」を覚えておけばあとで応用も効くので、まったく無駄ではありません。

例えるなら、赤ちゃんに最初に食べさせる離乳食のようなものです。離乳食を大人が食べてもおいしいとは感じません。しかし、衛生的で消化にいいもので添加物がほとんどないものです。赤ちゃんには最適です。

成長に合わせて少しずつ大人が食べるようなものを口にしていきます。物事には段階があるのです。

このことを知らずに「不自然だ」という理由だけで教科書を批判するのは、的外れと言わざるを得ません。

周辺教材が充実

中学生の頃、「教科書ガイド」にお世話になったお母さんは多いはずです。和訳が載っているのでそこに価値を感じて購入していたのではないでしょうか。

しかし、最近の英語の授業では和訳を求めるような場面はすっかり少なくなりました。では、「教科書ガイド」の価値は無くなったかといえば、そんなことはありません。

とにかく解説が豊富で、想定される質問のほぼすべてを網羅しています。大人で英語をやり直したいなら、教科書は使わずに「教科書ガイド」だけで学習を進められるほどです。

ひとつだけ難点を挙げると、読み方(発音)がカタカナ表記であることです。ここはやはり、最初の段階で英語の音で正しく覚えないと、永遠にカタカナ読みの呪縛から逃れられません。

わかりやすさを優先しすぎて(カタカナ表記)、学ばせるべき課題(正しい発音・フォニックス)から目をそらしすぎです。

もうひとつ必要なのはCDです。「教科書ガイド」と別売りになっていて、ふたつ揃えると5000円近くしますが、これは絶対に買ったほうがいいです。

よく「日本人英語教師の発音は悪い」と批判されています。それなら付属CDを聞けばいいだけです。CDやテープが存在しなかった大昔と違って簡単に解決できるのに、批判する意味がわかりません。

本文の音読部分だけ再生デバイスにコピーしておくと、より手軽に再生できます。できればスマホの再生アプリを利用して再生速度を変えられるようにしておくと、音読練習に便利です。

最後に「ワークブック(教科書に準拠した文法の問題集)」を揃えれば、教科書だけでは不足する問題数を補えます。ワークブックは学校の副教材で購入することが多いです。

余談ですが、英語教師が定期テストを作成するときは、ワークブックを参考にすることが多いです(私はそうでした)。毎回、オリジナルの問題は作るのは本当に面倒です。だからワークブックの問題をちょっとだけアレンジして作成するのが普通です。

生徒の立場から見れば、ワークブックをしっかり学習するだけで定期テスト対策は充分です。

このように教科書を中心として、「教科書ガイド」「付属CD」「ワークブック」の3点を揃えると、文法・語法の解説、ネイティブの音声、充実した文法問題が揃います。真剣に学習すれば、わからないことはほぼゼロの状態になります。

小学5年生以上の子どもがいて英語を本格的に学び始めているなら、中学1年の教科書とCDを揃えておくと、何かと役に立ちます。中古の教科書はAmazonでも購入できます。

英語教科書の欠点

上記のようにほとんどパーフェクトな英語教科書ですが、実は欠点もあります。その欠点は、学習のしやすさとトレードオフ(あちらを立てればこちらが立たず)の関係にあります。実際に英語教科書にはどのような欠点があって、それを補うためにはどうすればいいのかを解説します。

内容がつまらない

英語教科書の最大の欠点は「内容がつまらない」ことです。主な理由は、積み上げ式の構成を重視しているため、「使用できる語彙や文法に大きな制約」があります。その条件で中学生の知的好奇心を駆り立てる内容にするのは困難を極めるからです。

以前海外にいたときに、私の息子はチューター(家庭教師)に一時期お世話になったことがありました。彼女はときどきイギリスのESL教材を使用していました。

ある日、手渡したコピーにはセリフのない劇画調のマンガが印刷されていました。内容は「誘拐事件が発生。犯人が居眠りしている間に子どもは逃げ出して、犯人は逮捕される」というストーリーでした。

息子はセリフを考えて英語で書いていきます。最後に、すべての話の要約を英語でまとめて、先生の添削を受けていました。私は最初から最後まで隣で見ていましたが、とても興味を惹かれる内容で時間が短く感じました。

ただ、「英語習いたての子どもにransom(身代金)とかkidnap(誘拐をする)という単語は難しすぎるのでは」とも感じました(彼女は教え方が抜群に上手で、結果的には子どもは覚えていたので驚きました)。

一方、日本の教科書は本当につまらないです。昔に比べればイラストは現代風になっているし、自然なシチュエーション設定がされています。それでも、内容のほとんどは中学生の知的好奇心を喚起するものとは程遠いです。

例えば疑問詞(What)を学習するページを和訳すると、およそこのような会話が繰り広げられます。

A: 今朝、何食べた?
B: トーストと牛乳です。あなたはどうですか?
A: 僕はごはんとみそ汁です。
B: へえ、そうなんだ!

正直、どうでもいい内容です。中学生同士で他人の朝食の話をするなら、「輸入したプロテインを飲んでいる」「スーパーモデルが飲んでいるスムージーを飲んでいる」くらいの内容でないと話題にはなりません。

ほとんどの中学生にとっては、教科書本文は退屈極まりない内容です。しかし、先述のとおり積み上げ式の制限を考えると、これだけの会話を成立させるだけでも大変です。

退屈さは、英語学習の大敵です。やはり、簡単な英語で書かれた読書を続けながら、自分の精神年齢に少しでも近い読書を目指すことが大切です。この部分は教科書に期待せず、自分で開拓するしかありません。

教材のおもしろさと自然な英語を追及するなら、こちらの教材を使った学習がオススメです

文量が少ない

教科書は授業をスムーズに進めるために、構成が練られています。中学校の授業時間は50分です。つまり、この時間内に新出語句を扱い、本文を読んでポイントを伝え、ペアワークなどを通じて基本表現を学べるように構成されています。

そのため文章量が圧倒的に少ないのです。中学校3年間分の教科書本文はおよそ七千語といわれています。ネイティブの小3(7歳くらい)が読む本は1ページに100語あり、ひとつの本で100ページくらいです。トータル1万語です。

つまり日本の中学生が3年かけて読む英文の量は、ネイティブの小3が2時間で読み終わる本の約3分の2です。これでリーディング力が養われるわけがありません。

教科書はあくまでも「文法中心の授業を受けるためのもの」と考えて、長文を読むためのトレーニングは英語の読書を並行してすすめなければいけません。

アウトプットはどうするか

学校の授業では「英会話をする機会がない」といわれます。リアルな英会話を指すなら、そのとおりです。会話には相手が必要です。授業ではペアワークなどを頻繁に取り入れながら少しでも会話の機会を多く持たせようと教員は必死になっています。

本音を言うと、どちらも英語初心者同士なのでダイアローグ(対話文)の棒読みになるだけです。理想的には学習者よりもレベルの高い相手が必要です。しかし、学校の環境では、生徒一人ひとりにそんなことは実行不可能です。

そもそも初心者が英語を話せない最大の原因は「インプット」が全然足りていないからです。言葉や表現に詰まるとかのレベルではなく「何も思いつかず無言状態が続く」ことが物語っています。

「日本人はシャイだから英語を話そうとしない」とネイティブがコメントすることがありますが、そもそも頭の中にストックがないので最初のひと言さえ出ません。

自分でできることは、やはり教科書(または教科書ガイド)の徹底的な音読です。音読の仕上げには「日本語を英語に直す訓練」を取り入れます。そして、文章の一部や単語を入れ替えることで「自由英作文」の基礎力を養います。

このようなトレーニングを続けると会話の基礎が身につきます。そして、ある程度のストックができてきたら「オンライン英語教室」などのサービスを利用して会話練習をしたほうがいいです。

後述しますが、教科書の本文以外の部分には会話に役立つフレーズや豆知識がわかりやすくまとめられています。教科書を100%活用してフレーズの暗唱をすると、会話でも冒頭の部分が言えるようになり、表現に困る部分を減らせます。

効果的な活用法とは

授業時間に合わせた「教科書の短い本文」は、実は初心者の音読素材とし最適です。授業で学び、教科書ガイドに詳しい説明があるので、内容はほぼ完璧に理解しています。内容を理解していない英文の音読は、お経と同じです。つまり学習効果はありません。

詳しく内容を解説してくれている英文を音読に活用しない手はありません。音読に関する詳しい学習方法については、別の記事で取り上げていますので参考にしてください。

欄外や資料ページが充実している

教科書の欄外の小さい字で書かれた注意書きや、本文以外の資料ページをじっくりと見てみましょう。驚くほど役立つ情報がわかりやすく掲載されています。

例えば、最近の教科書には本文で使用されている語数(〇〇words)まで記入されています。ストップウォッチを利用すればどれくらいの速さで音読できるかを定期的に測定できます。

私が驚いたのは、中1の教科書の資料ページ「基本的な発音を覚えよう」でした。ほとんどの人は、「アルファベットがA~Zまで並べてあるだけ」と見向きもしないでしょう。

ところが、そこには大文字・小文字・発音記号(アルファベット読みではないフォニックス的な)・発音のコツ・その音を含む単語(アクセントが太字で表示)、そしてその絵すべてが収められています。

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これから英語を習う小学生のいるお母さんなら、この1ページのためだけに教科書を買っても価値があるほどです。私だったらこれを拡大コピーしてラミネート加工します。お風呂に貼ったり、リビングに貼ったりするだけで上質な「アルファベット表」を作成できます。

使いやすいアルファベット表を探すのは難しく、海外製のものは「L」の欄に「licorice」(リコリス: カンゾウという植物)などと日本人に馴染みのない単語が使われることがあります。日本の教科書はそのような単語は使用されていないので抜群に使いやすいのです。

教科書をバカにしている人達は、こうした「資料ページ」の価値をまったく理解していません。残念なのは、中学校の先生もこれらのページを「おまけ」程度に扱って、本文だけを追いかけてしまうことです。

中学校ではこれらのページに時間を割けないなら、小学校のうちに資料ページについて時間をかけて攻略するだけでも相当なアドバンテージになります。小学生のうちから教科書を買っておくといい理由はこのためです。

自分でどんどん読み進めてみる

先述のとおり、学校の英語教科書だけでは文章量がまったく足りていません。子どもの英語力にあった英語の本を並行してどんどん読むのがベストです。

ただ、せっかく本を購入しても「難しすぎて読めなかった」ということはしばしば起こります。

そこで、別の会社から出版されている英語教科書を読んでみるのもいい勉強になります。これのメリットは、普段使用している英語教科書と同様に「積み上げ式」で構成されていることです。

ほぼ同じ時期に同じ文法や単語を学習するので、極端に「内容がわからない」という事態を避けられます。他の学校で使用されている教科書なので、多少は新鮮に感じるかもしれません。

学校教科書なので基本的にそれほどおもしろくはありません。しかし、夏休みなどを利用して他校で採用されている教科書を読んでみるのは、とても効果的な学習方法です。

まとめ

積み上げ式で構成された中学英語教科書は、多数の専門家のチェックを受けた最高レベルの教材です。教科書ガイド・付属CD・ワークブックなども充実していて、教科書を中心に「痒いところに手が届く」状態です。

教科書の最大の欠点は「つまらない」ことです。わかりやすさを優先させるので、本文の内容は中学生の知的好奇心を刺激するものではありません。また、授業で使用されることを前提にしているので、文章量は極端に少ないです。

これらの欠点は各自で英語の読書を続けることで充分に補えます。教科書の最も有効な活用法は「音読素材」としての利用です。

付属のCDを使えば、さまざまなバリエーションで音読トレーニングをしながら総合的な英語力の向上を狙えます。

学校英語の欠点とされている英会話についても、その前段階である「英文のストック」は教科書の音読により増やせます。

教科書は本文だけでなく、欄外に書かれた小さい注意書きやおまけのように扱われている「資料ページ」がとても充実しています。これらを眺めるだけで、大人でも「なるほど!」と感心します。

小学5年生以上の子どもを持つお母さんは、思い切って中1の教科書・教科書ガイド・CDを揃えてしまいましょう。小学生にも役立つ情報が惜しみなく載っています。

お母さんは「教科書」の価値を正しく理解して、子どもが中学生になったときにはその知識をきちんと伝えてあげましょう。

NHKの英語アニメ「リトル・チャロ」を小学生が攻略する方法

1970年代、テレビで世界名作劇場が放映されていました。この頃私は幼稚園~小学生の子どもだったので「フランダースの犬」「あらいぐまラスカル」などを毎回楽しみにしていました。ストーリーを好むのは人間の習性かもしれません。

「英語の楽しいコンテンツなら、子どもも夢中になって英語を学ぶはず」と多くの人は考えます。実際、それは確かに正しいです。

しかし、現実には難しい問題があります。「楽しい」=「英語学習向き」とは限らないからです。ディズニーアニメは確かに楽しいし、大好きな子どもも多いはずです。ただ、使用されている英語は容赦ないネイティブ用のナチュラルスピードです。

なぜならそれらは英語学習者向けに作られているわけではありません。そのため気の利いた大人びた表現やギリギリの俗語が盛り込まれています。

「日本人の英語学習者に配慮されたおもしろいアニメがあったらな」と私もいつも思っていました。そこへ登場したのが「リトル・チャロ」です。さすがNHKだけあって、クオリティは素晴らしいです。

この「リトル・チャロ」を活用して、小学生でも英語を学べる方法を詳しく説明します。アニメ好き・動物好きの子どもならハマること間違いなしです。

「リトル・チャロ」の紹介

アニメ「リトル・チャロ」は2008年にNHKで放送された英語のアニメです。これは単なるアニメ作品とは異なり、英語学習のコンテンツとして活用できるように綿密に制作されています。

放送当時私もテレビで偶然見つけたときは「へえ、おもしろそう」とだけ思いましたが、それっきりでした。「リトル・チャロ」の再放送をきっかけにあらためてコンテンツを観ると「非常に優れた英語学習コンテンツ」だと感心しました。

平易な英語で制作されていますが、活用の仕方によっては初心者から中・上級者まで幅広く英語学習に利用できます。「中学生くらいのときにこんなコンテンツと出会えていたらもっと英語にのめり込めたのに」と私は今の子ども達をうらやましく感じます。

ストーリー

日本人の少年・翔太の飼い犬であった子犬のチャロは、アメリカ旅行から帰るときニューヨークの空港で迷子になってしまうところから話は始まります。

チャロは翔太に再び会えることを願いながら、仲間の犬たちとの交流を深めていきます。途中、笑いや涙の展開を織り交ぜつつ話は展開していきます。そしてついに、まったくの偶然から翔太の父にチャロは発見されて、無事、日本に帰国して翔太との再会を果たします。

主人公がかわいい子犬なので、小学校低学年の子どもも感情移入しやすいです。昔、私が子どもの頃テレビで見ていた「母をたずねて三千里」のような中毒性のあるストーリーです。最後は思わず泣いてしまう話です。

英語の特徴

使用されている語彙レベルは「中学校+アルファ」です。ナレーションと登場人物のセリフによって構成されています。もちろん、声優はそれぞれ異なる人が対応しています。

チャロ以外の登場人物はネイティブ・スピーカー(犬も含めて)なので、英語を流暢に話します。チャロは日本の子犬なので英語はそれほど得意ではありません。

使用されている英語は不自然ではない程度にゆっくりと発音されるため、リスニング初心者向けにピッタリの教材です。

アクティブ・ボキャブラリー(意味がわかるだけでなく、話したり書いたりするときに使える語彙)を増やしたい中・上級者にも学ぶところが多い教材です。限られた語彙の中でこれほど豊かに表現できることのサンプル集です。

英語が得意なお母さんは、ぜひ親子で楽しみながら英語学習に利用してみましょう。

一般的な映画(アニメ)と比較して英語教材として優れているところ

書店の語学コーナーでも、「DVDを教材にして英語を学ぶ」テーマの本は売れています。私も海外ドラマは大好きなので、これまでにも何度もこれらを利用して英語学習に役立ててきました。

しかし、いざ英語のアニメや洋画を英語初心者が学習に使おうとすると、問題が生じます。たとえば「アナと雪の女王」は一時期大ヒットして子どもも大好きなディズニー作品です。しかしながら、正直私でもすべての英語を聞き取れません。

英語圏(主にハリウッド)で制作されたアニメ・映画は、ネイティブ用に作られています。そのため会話のスピードは、英語を学習している日本人の子どもにとっては速すぎます。

また語彙レベルも学習者向けにコントロールされていません。子ども向けのアニメでも、英検1級レベルの単語が頻繁に登場します。さらに、省略表現や俗語表現も多く、学習教材としては使い勝手が悪いことが多いです。

英語音声がないシーンやただの絶叫シーンも多く、英語を学ぶときにいちいち飛ばすのは面倒です。

盲点なのは日本語字幕の内容は、英語のセリフを完璧にカバーしていないことです。字数制限があるため、短い日本語で「意訳」しなければいけないからです。そのため英文の細かい意味がわからずモヤモヤとした気分になることがしばしばあります。

また、同様に英語のセリフすべてが「英語字幕」として表示されるわけではありません。長すぎる部分は別の表現に置き換えられるのが普通です。

一方、NHKが英語学習者を意識して制作した「リトル・チャロ」はこれまで指摘した問題のすべてが解消されています。話される英語はすべて漏れなく字幕に表示されます。日本語の字幕も極端な意訳はなくて、ほとんどの英語のセリフを網羅しています。

語彙レベルは「中学校+アルファ」です。これは英語学習者用の英英辞書の定義で使用される語彙レベルとほぼ同じです。つまり、ここに出てくる語彙を充分に使いこなせれば、日常のほとんどのことは表現できる証拠です。

リトル・チャロは「ナレーションとセリフ」で構成されています。読まれるスピードは聴き取りやすい速さです。英語学習には速すぎても遅すぎてもダメですが、英語初心者向けに絶妙な速さを設定しています。

さらに使用されている英語は「完璧に正しい英語」であり、安心して英語学習に使えます。口語表現も「How come~?」など普通の表現ばかりで、子どもがまねしてもまったく問題ありません。

1話5分で構成されているので集中力は持続しますし、余計な無音シーンがほとんどないのも、学習効率を高めてくれます。

「リトル・チャロ」は英語学習者のツボを知り尽くして制作されているのがわかっていただけたでしょうか?

リトルフォックスというe-ラーニングサイトではリトルチャロのような動画教材が豊富に見られます。これを活用した学習法の動画セミナーはこちらで確認できます

「リトル・チャロ」はどうやったら見られるか

「リトル・チャロ」は再放送を待てば無料で見られますが、日本語字幕しか利用できません。英語学習には英語の台本(スクリプト)が必須です。

組み合わせとしては、以下のとおりです。

CD + テキスト
DVD(スクリプトは字幕表示を利用)
えいごで旅するリトル・チャロ(任天堂DS)

小学生でゲーム機DSを持っているなら、リトル・チャロのソフトを購入するといいです(評判も上々です)。テキスト+CDはすでに中古を探すしかないのと、子どもなら映像を確認したいと思うでしょう。

DVDを購入すれば、映像をテレビで楽しめて、英語字幕表示に切り替えればスクリプトも確認できます。

しかし、私は上記以外の方法で「リトル・チャロ」を観ました。それは高校生の娘が持っていた「電子辞書」でした。

おすすめは電子辞書の収録版

最近の電子辞書には、本来の辞書機能以外の「学習コンテンツ」が充実しているモデルがあります。その中に、「リトル・チャロ」を収録した電子辞書があります。

英語系の電子辞書の大手はカシオとシャープですが、全てのモデルに「リトル・チャロ」が収録されているわけではありません。実際に購入するときは、店頭で実物を手に取って確認したほうが確実です。

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娘の持っていた辞書はシャープのBRAIN(PW-SH4)では、「リトル・チャロ」全話が収録されています。カシオのXD-G4800には確実に収録されています。

両者の違いは、シャープでは紙芝居風に収録(シーンごとの静止画)されているのに対して、カシオでは動画が再生できます。

 

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小学生の子どもなら動画で見られたほうが楽しいかもしれません。一度、動画を観たことのある場合は、紙芝居風のほうが英語に集中できるともいえます。

では、なぜDVDではなく電子辞書で収録されたものが「英語学習におすすめなのか」について説明します。

おすすめの理由1:どこでも持ち運びができるから

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英語学習を続けるコツは、「いつでもどこでも」することです。電子辞書は携帯に便利です(大きさを比較するために、スマホと並べて撮影)。イヤホンと一緒に持ち歩いていつでもどこでも「リトル・チャロ」で英語を学べます。

電子辞書には「前回のファイルを再生」というメニューがついています。これを利用すれば、直前に学習したエピソードを素早く再生できます。細切れ学習には不可欠な機能です。

DVDプレイヤーではテレビが設置してあるところでないと学習できません。どちらが英語学習を継続できるかは明らかです。

たとえば朝、学校に行く前に5分だけ「リトル・チャロ」を観るときに、お父さんがテレビでニュースを観ていても、電子辞書なら問題ありません。

おすすめの理由2:字幕表示の切り替えが一瞬でできる

DVDプレイヤーでも字幕表示の切り替えはもちろんできます。しかし、一時停止中に切り替えることはできません。再生中に字幕の切り替えボタンを押して、少し間が空いた後切り替わります。このわずかな時間が英語学習をするときはストレスに感じます。

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一方、電子辞書の場合には一時停止中でも、言語を一瞬で切り替えられます(赤丸のボタン)。また、読まれている部分は赤い文字で表記されます(カラオケのように)。さらに、英語と日本語を同時に表示させることも可能です。この場合、該当する日本語訳はハイライトで表示されます。

欲しい情報を一瞬で入手できるのが、電子辞書収録版の優れているところです。

おすすめの理由3:セリフをタップすると、その場所から即再生するから

「リトル・チャロ」を英語学習に利用するときに、「音読練習」は欠かせません。そのときモデルとなる音声を何度も聞きながら、自分で声に出して練習しなければいけません。

DVDプレイヤーがもどかしいのは、聞きたい部分だけを繰り返しすぐに再生できないことです。「戻る」ボタンだけでは細かい頭出しはできません。

電子辞書の収録版では、スクリプトの部分をタップするとそこから「即」再生されます。これは大変ありがたい機能で、何度もモデルを聞きながら音読練習するのにうってつけです。

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携帯性に優れ、字幕表示の切り替えやセリフがすぐに再生されるので、電子辞書の収録版「リトル・チャロ」はおすすめです。

すでに電子辞書を持っている場合や、DVDが家にある場合には、わざわざ「リトル・チャロ」が収録された電子辞書を買う必要はありません。しかし、もしまだ電子辞書を持っていなくてそろそろ買おうと思っているなら、「リトル・チャロ」が収録されたものがいいです。

小学生でも「リトル・チャロ」を攻略できる方法とは

では、「リトル・チャロ」を利用して、小学生でも取り組める英語学習法について解説します。ポイントは「何を目的にして」「どのように学習するか」です。

「リトル・チャロ」は平易な英語しか使われていませんが、ほとんどの小学生にとっては難しい語彙レベルです。無理にリスニングに取り組ませても、すぐにあきらめてしまいます。

私のおすすめは、「リスニング」ではなく「英文暗唱」です。セリフの一部を繰り返し「音読」して、あたかも自分が声優になったかのようにスクリプトを読まないでセリフを言えたら完成です。

「音読」する過程で、Reading「読む」、Listening「聴く」、Speaking「話す」の3技能をバランスよく鍛えられます。小学校高学年なら、最後の仕上げとしてディクテーションをすればWriting「書く」もカバーできます。

すべてのセリフやナレーションでこれをやるのは非現実的なので、一部に絞り込んで取り組んでみましょう。

チャロは日本の犬…だからやさしい英語しか話さない

設定上、チャロは日本の子犬なので、簡単な英語しか話せません。発音もわざと日本人っぽく演じられています。これに対して「正しい発音ではないので、教材としては不適格」と決めつけてしまう人がいますが、私はそうは思いません。

チャロの姿は子どもからみれば「自分」なのです。小学生がニューヨークで親と離れ離れになったようなものです。

NHKがチャロの発音を日本人っぽくしたのは、おそらく「親しみやすさ」を視聴者に与えて、共感させるためです。

チャロは、やさしい短い英語を日本人っぽく一生懸命に話しています。この部分に的を絞り、小学生の子どもに音読練習させるのは理にかなっています。正しい発音は、ナレーションや他の仲間の犬たちから学べばいいのです。

チャロはもちろん主人公なので、子どもの満足度も高いはずです。小学生なら、チャロのセリフに絞って、音読練習してみましょう。これが攻略のコツです。

意味を理解して、セリフの音読練習

ここからは普通の音読練習と同じです。まずはストーリーをしっかりと理解するところから始めましょう。意味のわからない英語を何度音読しても、学習効果はありません。

チャロはしばしば日本語を話したり、犬の吠える声で「Arf!」と叫んだりしますが、そこは飛ばしましょう。

最初のエピソードの頃は、片言英語の部分が多いので、小学生でも簡単にまねできます。エピソードが進むにつれて、きちんとした文章が増えていきます(チャロの英語力が向上していきます)。

小学生には未習事項の「過去形」や「現在進行形」が頻繁に使われていますが、小学生に細かい文法解説は基本的に不要です。そのまま英語を繰り返しまねることだけに集中させましょう。

英語を日本語にしてみる

ここでもう一度、英語を理解しているか日本語にしてみましょう。正確に訳すのが目的ではありません。およその意味でよいので、英語の大意を理解しているかどうかを確認します。

意味を言えない場合、単語を知らないか文法を理解していないかのどちらかです。単語を知らない場合は、お母さんが教えてあげてください。

ここまでの段階で、「正確に英語を聞けて・音読できて・意味を理解している」状態であることがポイントです。

オーバーラッピング、シャドウイング、日本語→英語

次は、実際のスピードに合わせて音読する練習です。チャロのパートの少し前から再生して、チャロの声と同時に重ねて音読します。これがオーバーラッピングと呼ばれる音読練習です。

慣れてきたら、再生速度を一段階速めてもオーバーラッピングできるように練習してみましょう。電子辞書にも再生速度を調節できるボタンがあります。

充分にオーバーラッピングをしたあとは、シャドウイングに移ります。「シャドウイング」とは、シャドウ(影)のように「読まれる音声より3語くらい遅れて音読するトレーニング法」のことです

このときに音ばかりを追いかけるのではなく、チャロのセリフの内容に意識を向けましょう。

大変疲れる音読トレーニングですが、1語1語ではなくかたまりで英語を処理できるようになります。リスニング力を高めるときの基礎となるトレーニングです。

シャドウイングの次は、日本語字幕を読みながら該当する英語を口に出して読む練習です。英作に時間がかかるのは、ここまでの口頭練習が不足しているからです。もう一度、オーバーラッピングに戻って反復練習しましょう。

一瞬で言えるようになるまでには、一般的に50回~100回程度の反復練習が必要です。

アニメに合わせて演じる&ディクテーション

今度は声優になってアフレコをするつもりで、映像を観ながらチャロのセリフを言いましょう。このときに棒読みではダメです。チャロの心情をくみ取って、息づかいまでまねるつもりで練習しましょう。

感情と英語表現を結びつける訓練をすると、実際に自分がそれと近い感情になったときに英文が思い浮かぶようにするためです。ここまでくれば、ほとんどゴールです。

小学校高学年の子どもなら、最後の仕上げとして「ディクテーション(書き取り)」にも取り組んでみましょう。字幕をOFFにして、チャロのセリフの部分だけを聞いたあと、紙に英文を書きます。句読点(ピリオドやカンマ)なども正確に書きましょう。

このように紙に書くと、あいまいに覚えていた綴りや文法事項を確認できます。最後は必ず字幕をONにして、英語に誤りがないか答え合わせをします。

チャロのセリフは少ないですが、徹底して音読するのはそれなりに大変です。エピソードによっては英語を話さずに「Arf!」だけのものもありますが、その場合は音読練習せずにストーリーを楽しめばいいです。

しばらくしてから音読練習をしたエピソードを再生すると、チャロの部分の英語はすべて聞きとれるはずです。英語の学習はこれの繰り返しです。楽しみながら続けられるようにお母さんはサポートしてあげましょう。

まとめ

アニメとして楽しめて、英語学習用のコンテンツとしても細かく配慮されている「リトル・チャロ」を使えば、小学生でも楽しく英語を学べます。

DVDなどで再生してもいいのですが、DSのソフトや電子辞書に収録されている「リトル・チャロ」を活用すると、英語学習の効率が飛躍的にアップします。

平易で比較的ゆっくりとした英語で話されていますが、小学生がリスニング教材として使うにはレベルが高すぎます。それよりも、小学生の子どもと等身大の主人公「チャロ」のセリフに的を絞って、音読練習したほうがいいです。

電子辞書の再生機能をフル活用しながら、いろいろな角度から繰り返し音読練習しましょう。ひとつのセリフにつき最低50回は必要です。

しばらく経ってそのエピソードを観ると、チャロの英語は完璧に理解できるはずです。それが音読による学習効果です。

「リトル・チャロ」はディズニーのアニメよりもずっと日本人の子ども向きのコンテンツです。子どもの英語学習がマンネリ化してきたら、「リトル・チャロ」を利用した英語学習にチャレンジしてみましょう。

幼児向け英語教材選びで後悔しないために

突然ですがあなたにひとつ試してほしいことがあります。「〇歳の壁」というキーワードで、〇の中に2歳~10歳まで順に入れて検索してみてください。おそらくどの数字を入れても「〇歳の壁」の情報がヒットします。

それにしてもたくさんの「壁」があるものです。そして、そのほとんどは教材を売るために業者が作り上げたものであることは想像できます。英語の場合なら「〇歳を過ぎると英語を吸収しなくなる」という半ば脅し文句のようなものです。

セールストークとわかっていながら「今から英語を始めないと、最高の時期を逃してしまう」とつい不安になるものです。最初の子どもの場合はなおさらです。

このようなお母さんにこそ、今回の記事をきちんと読んでいただきたいと思います。結論からいえば、英語は何歳からでも習得できます(ただし、アプロ―チは年齢によって変える必要があります)。

高額な教材を契約してしまう前に今一度冷静になって、教材選びで後悔しないための視点を持つようにしてください。

これだけは知っておきたい幼児向け英語教材の大原則

英語教材を選ぶときほとんどのお母さんは、クチコミサイトやランキングサイトを検索します。これらのサイトには有益な情報も含まれていますが、最終的には自分で判断して決めなければいけません。

このときに大切ないくつかの「大原則」があります。その中でも、つい勘違いしてしまいがちなことを中心に説明します。教材選びで後悔した経験のあるお母さんはその原因をきちんと理解すれば、次回からはより賢い選択ができるようになります。

教材

英語教材だけでは子どもの英語は伸びない

英語指導の経験から断言できますが、教材だけでは英語は伸びません。少しわからない部分があって、そこを理解できるようになって達成感を味わったり、英語力が少しずつ伸びたりするようになります。そのためにはどうしても指導者が必要です。

もし子ども一人で学んで理解できるのなら、その教材はやさしすぎます。

指導者が必要なもうひとつの理由は、先の展開を見据えた人が指導すると学習効率が段違いに良くなるからです。

例えば、助動詞の「can」をある教材では「~できる」の意味で扱っているとします。確かにこれは正しいのですが、使われる状況によってはbe able to doのほうが適切だったり、文脈によっては「ありうる」という意味に使われたりすることもあります。

このような横展開できる指導者がいると、そのあとの学習効率が極めて高くなります。ところが初めて英語を学ぶ人が独習する場合、このような関連づけはできません。ある程度マスターした人がふり返って初めてわかることだからです。

エベレストなど難易度の高い山に挑戦する登山家は、シェルパと呼ばれる地元の人たちを雇います。彼らは表舞台に立つことはありません。しかし、山を知り尽くしている彼らのサポートなしでは、一流の登山家といえども登頂を成功させることはできません。

シェルパと指導者は似ています。間違いやすいポイントを先回りして察知しながら子どもに助言を与えることで、子どもは最短距離で学習することができます。

繰り返しになりますが、教材だけで子どもの英語力を伸ばすことはできません。そして最も身近な指導者はお母さんです。よい教材に巡り合えたらそれで終わりではないことは承知しておきましょう。

英語を学ぶなら「今しかない」のセールストークに惑わされない

幼児向け英語教材のセールストークを眺めていると「今しかない」のオンパレードです。「脳が柔らかいうちに…」「英語耳は〇歳まで」などがその典型です。

実証済みの事実ですが、英語は何歳からでも学習可能です。一定の年齢を過ぎても語学が習得できます。

小学生がいる家庭には「〇年生から学校の勉強は難しくなります!」「この春がラストチャンス!」と謳った通信講座の案内が毎春送られてきます。これらの説に大した根拠はありません。

賢いお母さんは、このようなセールストークに惑わされないようにしてください。

高額な英語教材は避ける

高額な教材を避けたほうがいいのには、ふたつ理由があります。ひとつめは、コストパフォーマンスが悪くなるからです。

時計に例えてみます。数千円で購入できる時計は、私のような素人にも安っぽく見えます。そして価格が上がるほどに高級感は増していきます。ところがある一定の価格を超えたところから、ほとんど品質に差はなくなります。

私は時計にまったく興味がないので、5万円台の時計と100万円の時計の違いがまったくわかりません。時計に詳しい人に聞いたところ、実際、使われている部品はほとんど変わらないとのことでした。

時計ならブランドに価値を見出すのもありです。しかし、英語教材にブランドなど関係ありません。子どもにとって有益かどうかだけです。

時計と同じく教材もそれなりに凝ったものにするためには手間暇かけるので、ある程度までは価格とクオリティは比例するかもしれません。しかし、何十万もするような高額教材を買ってみても劇的な効果を得られるとは思いません。

もう一つ、高額な教材を避けるべき理由があります。それは、子どもに合っていないと感じながらも、お母さんが「もったいない」とズルズルと使い続けてしまうからです。

また、明らかに子どもが興味を示していなくても「せっかく始めたのだから、しっかりやりなさい!」と怒鳴ってしまうこともあります。それは「損をしたくない」と焦るお母さんの感情から出てくる言葉です。

手頃な価格の教材であればさっさと見切りをつけて、別の教材に切り替えられます。このように高額教材を使うと、かえって子どもの英語学習の妨げになることもあるので注意が必要です。

絵本以外なら、映像・音声中心の英語教材を与えよう

幼児の英語学習のおすすめは「英語絵本の読み聞かせ」です。もちろん「英語の絵本」が教材です。これなら新品で購入しても毎月3,000円くらいで収まります。

これだけでも英語に親しむには充分です。しかし、もう一歩進んで英語力を伸ばしたいなら、音声面にフォーカスを当てた教材を利用してみましょう。

音や映像から単語や表現をまねするような活動を取り入れるようにすると、将来の英語力を伸ばす基盤がしっかりとします。

英語絵本以外の教材を取り入れるなら、映像・音楽が収録された教材で思わず口まねしてしまうようなものがいいです。学習内容としてはチャンツでフォニックスの基礎を学べるようなものが適しています。

ランキングサイトやクチコミサイトであっても、教材の正しい評価がされているとは限りません。売り手の論理に惑わされずに、自信を持って取捨選択できるようになりましょう。

幼児向け英語教材選びのポイント

「教材選びの大原則」を抑えたら、ここからは具体的なポイントについて説明します。慌てて選ぶとお金だけでなく「大切な時間」を失います。最短距離で最大限の効果を生むためにも、ひとつひとつを確認していきます。

子どものレベルを知り、現実的な目標を設定すること

お母さんの役割でとても大切なのは、子どものレベルを把握することです。これを間違えてしまうと教材選びは難航します。もう一つ大切なのは、数か月のスパンで現実的な目標を設定することです。

例えば「英語を話せるようになって欲しい」というのは現実的な目標ではありません。話すといっても、“Good morning.”のあいさつレベルなのか、“I don’t like green peppers because it tastes bitter.”と話せるレベルなのかはっきりしないからです。

「3か月後に、あいさつと数字を1から10までスラスラと言えるようになる」のように具体的な目標を立てるほど、最適な教材を絞り込むことができます。

すべてに万能な教材はありません。そのかわり、目標を絞り込むほどそこにターゲットを合わせた教材を選ようになります。

まとめると「子どもの現在のレベルを正しく把握」して、「3か月程度先の具体的な目標を立てる」ことが、教材選びには欠かせません。

子どもが楽しみながら英語を学べること

子どもは「楽しい」と感じることは夢中になります。反対に、押しつけられたつまらないものからは逃げようとします。大人だって本音はそうですが、感情を押し殺して我慢しているだけです。

つまり子どもに英語学習を継続させたければ、その教材について「楽しい」と感じさせることが必須条件です。楽しいと感じるツボは、子どもによって異なります。男の子と女の子でも異なります。

つまりここでも必要なのは、子どもをよく観察してどんなものに興味を惹かれるのかを理解することです。

教材選びは大変ですが、ハマれるものを見つけると期待以上に英語が伸びます。ほどんどの子どもにはそういうツボはあります。根気よく探してみましょう。

身近な題材

教材の題材は、子どもにも理解できる身近なものが無難です。ファンタジーでも子どもが楽しめるなら問題ありませんが、日常生活で目にする世界を取り扱った教材に主軸を置きましょう。

覚えた英語表現を使ってみるのが学習の最終段階です。もし、身の回りのことと学ぶ英語が関連していなかったら、英語を使う機会が減ってしまいます。

私の息子は3歳のとき「工事車両」が大好きでした。工事現場で穴を掘るショベルカーを飽きもせず、ずっと観察していました。

あるとき英語の絵本にカッコいいショベルカーが登場しました。ショベルカーは英語で「excavator」ですが、大人でも知っている人はほとんどいません。ところが私が何度も読んでいるうちに息子はこの単語を覚えてしまいました。

さらに工事現場でショベルカーを発見すると、“Excavator!”と叫んだことがあります。もし、見たこともない動物や妖精が登場する話だけしか与えていなかったら、このように現実世界と英語を結びつける機会はなくなります。

幼児向けの教材では、身近な題材を扱ったものを基本に選びましょう。

続けやすい費用

子どもの英語教育全般にいえることですが、家計が苦しいのに無理をしてはいけません。それぞれの家庭で無理なく続けられる金額を超えないように気をつけましょう。

英語学習は長期間続けるものです。金額的に無理なことは続きません。あまりお母さんが我慢しすぎると、家族全員が幸せではない状態となります。

先述したように、教材だけで効率的な学習はできません。指導してくれる人にもお金がかかります。もし他にも習いごとがあれば、英語教材だけ無理をするのもおかしな話です。

全体のバランスをみながら、決して金銭的に無理をし過ぎないように気をつけましょう。お母さんの顔が引きつっていては、子どもは楽しく学習できません。

教材を利用して英語学習を進めるためのアドバイス

教材購入後、子どもへの教材の与え方について説明します。一つの教材について1か月~1年くらい取り組むので、取り組み方次第で効果はかなり違ったものになります。

日常生活に英語を取り入れる

教材でだけ英語に触れていると「勉強としての英語」の認識から逃れられません。やはり、何らかの形で生活の一部に英語を取り入れて、「道具として」英語を捉えるようになるのが理想です。

しかし、日本国内で英語を使う環境を求めてもほとんど不可能です。簡単に取り組めるものとしては「英語絵本の読み聞かせ」が有効です。「英語で楽しい読書タイム」を日課にできれば充分です。

教材で学んだ単語や表現の一部を子ども部屋に貼るのも良いアイディアです。英会話教室ではアルファベット表、カラフルなイラスト、英単語が壁にきれいに貼られています。

子どもは無意識に英語を眺めています。これらの装飾は「英語を使う」雰囲気づくりに大いに役立っています。

「英語で育児」をできるならそれが理想です。しかし、それをできるお母さんはまだまだ少数です。「子どもと英会話をしなくては」と大げさに考えて何もしないより、できそうなことから少しずつ取り入れたほうが結果に結びつきやすいです。

NGワードは「勉強」

子どもには「勉強」という言葉は極力使わないようにしましょう。「勉強」には「苦行」のような響きがあって、徐々に子どもは嫌がるようになります。英語だけならまだしも、他の学習にも支障が出ては最悪です。

お母さんひとりで何もかもやろうとすると、ときどき苦しく感じることがあるかもしれません。忙しいときは特に子どもと穏やかな気持ちで相手できないときもあります。

そんなときは土日はお父さんと一緒に教材に取り組んでもらいましょう。楽しみながら続けると、そのうち「幼稚園のお休みの日にお父さんとやる」暗黙の了解ができあがります。

お父さんがわからないふりをしてあげれば、子どもは積極的に教えてあげようと頑張り始めます。なぜなら、子どもは大人に教えてあげるのが大好きだからです。

これを続けていくと習慣化されます。幼児の集中力はせいぜい15分程度なので、仕事で疲れているお父さんにもなんとか協力してくれるようにお母さんから頼んでみてください。

まとめ

おさらいですが、幼児向け英語教材で後悔しないための原則は下記のとおりです。

教材だけでは英語は伸びない
「今しかない」のセールストークに惑わされない
高額な教材は避ける
絵本以外なら、映像・音声中心の教材を与えよう

子どもが夢中になる教材を利用しながら、お母さん自身が教えてあげたり指導者の助けを借りたりすることで学習効率は飛躍的に高くなります。

くれぐれも高いお金を支払ったあとで「もったいないから」と無理やり合わない教材を使用することのないように注意しましょう。どうしても不安なら、比較的低価格のオンライン英会話などからスタートして子どもの興味関心を確かめてからにしましょう。

子どもの英語学習を洋画DVDで! オススメ活用法

あなたの子どもが大好きなDVDは何ですか? スタジオジブリの作品やディズニー作品は子どもに人気です。好きな映画にハマると子どもは繰り返し何度も見ます。「あの情熱を活用して英語学習に役立てられないか」とお母さんが考えるのはとてもいいアイデアです。

英語学習に不可欠なのは「反復練習」ですが、それは退屈との戦いでもあります。つまらない教材で反復練習を長時間繰り返すのは子どもにとっては苦痛でしかありません。

そこで効果的なのが、洋画DVDを活用した英語学習です。「大好きな作品なら何度でも見られる」子どもの情熱を利用して、主にリスニング力を伸ばします。英語字幕を読むのでリーディングもできますし、上級者ならスピーキングに応用することもできます。

DVDを利用した英語学習は一見楽しく学習できそうですが、実は活用法を誤るとすぐに挫折します。なぜなら、これらはネイティブの娯楽用に作られているので、容赦ないネイティブ仕様の英語だからです。子ども向けの英語でさえも、リスニングは相当難しいです。

しかしながら、無理のない教材を使って学ぶのも一つの方法ですが、「実践レベルの英語」にも定期的に触れないと英語力を伸ばすことはできません。筋トレと同様に、自分のレベルを超えた刺激を与えないと成長しないのです。

今回は、子どもが大好きな洋画DVDをどのように活用したら、リスニングやスピーキングを伸ばせるかを説明します。英語の難易度は高いので、子どもへの与え方を間違えると英語嫌いになるので注意しましょう。

英語学習に適した洋画DVDの選び方

英語のDVDといってもいろいろありますが、今回取り上げるのはDVD教材ではありません。娯楽用に作られた映画・アニメ・ドラマのDVDで英語ネイティブ向けのものです。「リアルな英語に気軽に触れられる」点で洋画DVDは非常に優れています。

英語学習者向けの教材ではないので難易度は高いです。何の準備もしないまま突然英語でDVDを観ても、すぐに飽きるのがオチです。

しかし、柔らかいものばかりを食べていると顎が発達しないように、加工された英語だけでは実践では歯が立ちません。ときどき「容赦ない英語」と「自分の実力」との差を感じることによって「いつかわかるようになりたい」と奮起することも大切です。

まずは、子どもの英語学習のために適した洋画DVDをどのように選んだらよいのかを具体的に説明します。

子どもの英語学習に効くDVDの選び方(実写orアニメ)

「子ども・洋画・英語」といえば「ディズニー映画(アニメ)」を連想する人も多いと思います。内容的にも暴力シーンやスラング(俗語)の使用はないため、お母さんは子どもに安心して見せられます。

ディズニー作品の中で同じタイトルでもアニメと実写の両方あるものがあります。例えば、『ジャングルブック』『美女と野獣』などが該当します。このような場合、実写映画とアニメ作品のどちらが子どもの英語学習に向いているか迷ってしまいます。

子どもがハマってしまうくらい内容が楽しければどちらでもかまいません。ただし、英語初心者の場合は実写のほうがいいです。

理由は、英語を話しているときの俳優の口の形がはっきりと確認できるからです。アニメでも実写に近い形で表現していますが、細かいところまでは表現できません。

私は中学生の頃『オズの魔法使(The Wizard of Oz)』を観たときに、「f」の口の形を覚えました。有名な挿入歌であるOver the rainbow(虹の彼方に)をドロシー役のJudy Garlandが歌っていたときです。

Somewhere, over the rainbow way up high

このときドロシーの顔が映し出されますが、overを発音するときの口の形が非常に印象に残りました。v(f)の発音についてはそれまで学校の先生から「下唇を上の歯に当てる」と教わりましたが違和感を覚えていました。

映画の中でドロシーは「下唇の裏側の下の方と上の歯を合わせて」vの音を出しています。顎のところに皺ができるイメージです。私はマネして練習しているうちに、自然とvの音を出せるようになりました。

アニメ版である「トムとジェリーの『オズの魔法使』」にも同じシーンがあるので、見比べてください。

アニメでは口の形まではわかりません。実写だと発音の仕方を映像で繰り返し学べます。発音に自信がないレベルなら、実写のほうをおすすめします。

子どもの英語学習に適したDVDの選び方(内容)

子どもにとって(おそらく大人にとっても)理想の教材は「ハマってしまうくらいおもしろいもの」です。英語学習には反復練習は欠かせませんが、つまらないDVDではこれに耐えられなくなるからです。

できるだけ平易な英語が使われているのが理想です。新作でも旧作でもかまいませんが、昔に制作されたものは言葉が平易なものが多く子ども向きです。

子どもの心をつかみやすい特徴のひとつは、「口ずさみたくなる歌が入っているからどうか」です。例えば、『ジャングルブック』(1967年アニメ)に挿入されているThe Bare Necessitiesは有名な歌で、クマのバルーと人間の少年モーグリが楽しく踊りながら歌います。

一部分だけでも歌えると、子どもは達成感を味わえます。

まとめると、「子どもが楽しめるストーリー」「平易な英語(旧作に多い)」「有名な主題歌」の3つの要素が揃うと、高確率で子どもの食いつきはよくなります。

「これらの条件が揃ったDVDを探すのは面倒」と思ったら、リトルフォックスを使った英語学習がオススメです。

英語学習に使用するDVDの選び方(仕様)

DVDを選ぶときは必ずパッケージの表示をチェックしましょう。ポイントは「音声」と「字幕」の仕様です。

DVDの仕様

まず、音声は英語と日本語吹替の両方必要です。子どもの場合は漢字を読めないことが多いので、字幕よりも吹替のほうが内容理解に役立つからです。また、字幕は字数の関係でかなり意訳されていることが多く、英語の理解を助けるには不足です。

字幕の仕様も大切です。日本語字幕と英語字幕の両方とも必要です。すべてのDVDで英語字幕を表示できるわけではないので注意しましょう。

「音声は英語と日本語」「字幕は英語と日本語」の2点を確認できれば、仕様については大丈夫です。

子どものための洋画DVDを利用した英語学習法

洋画DVDを観て子どもの反応が良ければ、さっそく英語学習に活用しましょう。子どものレベルを無視した与え方では英語嫌いになってしまいます。以下、子どもの英語レベルに即した与え方を紹介します。

全レベル共通

まずは映画全体を通して楽しみましょう。「勉強のため」などと肩ひじを張るとつまらなくなるので、この段階ではただ楽しめばオーケーです。子どもは日本語字幕を読むのは苦手なので、「日本語音声・字幕なし」にして再生しましょう。

この段階では「大好きなDVDを見つける」のが目標です。反応が今一つなら無理に引っ張らずに、次のDVDに移ったほうが賢明です。

子どもがハマったかどうかを見分けるのは簡単です。子どもが自分からもう一度見たがったら「気に入った」証拠です。子どもが繰り返し見る大好きなシーンをお母さんは覚えておきましょう。

初級編

お母さんはDVDのメニューから「英語音声・英語字幕」にセットしてあげましょう。大好きなシーンのチャプターに合わせて再生します。最初から最後まで英語で観るのは負担が大きいので、大好きな一場面だけで充分です。

このレベルの子どもには、「自分が知っている表現(英語)を映画のキャラクターはどのように話しているか」を確認するだけで充分です。

例えば、「オズの魔法使」でドロシーが黄色のレンガをたどるシーンがあります。“People come and go so quickly here.  Follow the yellow brick road.” とドロシーは言います。

このように簡単なセリフは、字幕を読むと初心者でも理解できます。でも、リスニングになると聞き取れないのは、自分の音とリアルな英語の音に隔たりがあるからです。

英語初心者の子どもには、本物の英語ではどのように話されているかを聞かせることが大切です。子どもは真似が大好きなので、真似しやすいセリフや印象に残る部分を勝手に口まねします。

リアルな英語を聞き取れたり登場人物と同じように話せたりすることは、初心者にとってはうれしいです。このような体験を積み重ねるだけで学習意欲は高まります。

中級編

英検3級くらいになったら、もう少し深くDVDと関わってみましょう。まず、子どもの好きな映画のワンシーンを選びます(1チャプターは長すぎるので、1シーンだけでいいです)。もちろん「英語音声・英語字幕」にセットします。

次に英語字幕をきちっと読みます。わからない単語があるときは辞書で調べましょう。それでも意味がわからないときは、もう一度、日本語音声と日本語字幕を表示させて該当部分の内容を確認します。

日本語吹替の原稿も日本語字幕も基本的に「意訳」です。オリジナルの英語のセリフを一字一句直訳したものではありません。例えば主人公が“I like him.”と言ったら、吹替では「彼って素敵」となります。

「私は彼を好き」→「(だから意味としては)彼って素敵」になるんだな、と思えるレベルでなければ、洋画DVDによる英語の学習はできません。最初のうちはお母さんとワイワイいいながら、字幕の意味を確認しましょう。

ひと通り、1シーンのセリフの英語をすべて理解できたら、あとは繰り返しリスニングと音読です。役者になったつもりになって、同じスピードで読めるようになるまで練習します。完璧になるまでやる必要はありませんが、これ以上無理なところまではやらせてください。

翌日に同じシーンを「英語音声・字幕なし」で再生します。すると、不思議なことに速すぎて歯が立たなかった英語が少しだけ聞きとれるようになっています。数日同じことを繰り返して、飽きてきたら学習は終了します。

上級編

英検で準2級以上のレベルであれば、もう一歩踏み込んで、会話に応用しましょう。映画は言葉が使われている状況(文脈)が明白なので、会話表現を覚えるのに非常に役に立ちます。

例えば“I’m on it.”(まかせて、今やっている最中です)の表現が出てきたとします。

「まかせて」を英語に直すのは、上級者でも難しいです。でも、このような表現を暗唱しておけば、瞬時に伝えられます。会話のすべてをすぐにいえるようになるのは現実的ではありませんが、その割合を少しでも増やしておくと負担は減ります。

このような「心に引っかかる表現」に出会ったら、子どもにノートに書かせます。きれいに書く必要はありません。左側に日本語を右側に英語を書きます。

まかせて I’m on it.
あなたが八方美人だと if you try to please everybody

 

「簡単だけど意外と言えない表現」「すぐに英語に直せない日本語の慣用句」などに意識を向けると、活用できる表現を集められます。このような表現は会話をするときも詰まりやすいからです。

普通に文法や語法に従って作れる文章を覚えても仕方ないので、このように英語に直しにくい表現を中心にノートにメモを取っていきます。ある程度溜まったら、日本語を見ながら英語を口に出す音読練習を繰り返します。

一回復習したくらいではすぐに忘れてしまうので、何十回も繰り返すことが大切です。新しい表現をメモしたら、その日のうちにその表現を含む文章をブツブツつぶやく練習も効果的です。

上記のように、洋画DVDを使った英語学習法で大切なのは子どものレベルに合わせて利用することです。ほとんど英語を理解できないレベルなのに、辞書を引いたり意味を考えたりする作業を強要すれば英語嫌いになってしまうので注意しましょう。

映画音楽を中心に学習する

『ジャングルブック』のThe Bare Necessitiesや『オズの魔法使』のOver the rainbowなど、名作映画にはしばしば有名な歌があります。セリフの部分はチンプンカンプンでも、歌の一部だけでも歌えたら気持ちいいです。

その点、ミュージカル映画は歌の宝庫なのでおすすめです。『サウンド・オブ・ミュージック』のDo-Re-Mi(ドレミの歌)は子どもでもメロディーを知っているので、歌いやすいです。

Doe, a deer, a female deer (Doeはシカ、メスのシカ)
Ray, a drop of golden sun (Ray:光線は黄金の太陽のしずく)
Me, a name I call myself (Me:自分を呼ぶときの名前)
Far, a long, long way to run (Farは走るときの長い長い道)
Sew, a needle pulling thread (Sewは糸を引く針)
La, a note to follow Sew (Laはソに続く音)
Tea, a drink with jam and bread (Teaはジャムとパンと一緒に飲むもの)
That will bring us back to Do (oh-oh-oh) (ではドに戻りますよ)

余談ですが、『シンプソンズ』のワンシーンで、ホーマーが運転していてシカの銅像をはねてしまいました。そのときのセリフが“Doh!” で、すかさず娘のリサが“A deer!” 、最後に妻のマージが“A female deer!”と叫びます。ドレミの歌の知識があれば、笑えるシーンです。

子どもにオススメ:映画のタイトル・俳優名から英語を学ぶ

もっと手軽に映画DVDを見ながら英語学習に役立てる方法があります。それは、映画のタイトルや俳優名に注目することです。ひとつずつ解説します。

・映画タイトル

これは私自身の経験に基づく学習法です。タイトルに含まれる英語や文法は、一度覚えると強烈な記憶となって長い間忘れません。これは映画のストーリーそのものが体験となり「エピソード記憶」として定着するからです。

私は中学生の頃、父の影響でクラッシック映画が好きでした。テレビで放送されていた洋画を録画しましたが、ビデオテープでは英語字幕を表示できませんでした。だから聞き取りはさっぱりできませんでした。そもそも、確かめようがなかったからです。

ところがタイトルは、毎度冒頭にしっかりと文字で出してくれるので、自然とタイトルに意識を向けるようになりました。

原題 邦題 学べることの例
SINGIN’ IN THE RAIN 雨に唄えば ingを短く読むとgは消失する
THE MAN WHO KNEW TOO MUCH 知り過ぎていた男 関係代名詞の主格
GENTLEMEN PREFER BLONDES 紳士は金髪がお好き GENTLEMENは複数だからpreferにsは不要
MONSTERS, INC. モンスターズインク 印刷関係の映画ではなく、Inc.は法人格
A RIVER RUNS THROUGH IT リバー・ランズ・スルー・イット 川が「流れる」にflowでなくrunなのが新鮮

このような感じで、すでに知っている英文法や語法を総動員して、英語のタイトルを調べるだけでもずいぶんと勉強になりました。映画のタイトルから覚えた英語は、30年以上経過した今でも忘れていません。

・俳優名や監督名からフォニックス学習につなげる

俳優の名前や監督名も英語の勉強に役立ちます。例えば、タイトルバックに流れる役者名はフォニックスの勉強になります。

私は気に入った映画のタイトルバックに登場する俳優の名前を見て、無理やり発音するのが好きでした。西部劇を観たときJohn Wayne(ジョン・ウェイン)の名前を見て、「ジョホン・ウェイネ?」と読むのです。

その後本で調べると「ジョン・ウェイン」と読むことを知り、紙に何度か書きながら声に出して読んでいるうちに英語のフォニックスが徐々に身につきます。著名な監督であるAlfred Hitchcockのtchが読めれば、catchも読めます。

Michael J. Foxのマイケルの綴りを見たときは「何でaが必要なんだ?」と不思議に思いました。少し調べると聖書に出てくるミカエルが由来であることがわかりました。中学生の雑学としてはなかなかのものです。

このように俳優や監督の名前に注意を向けるだけでも、いろいろと勉強になります。ついでにいえば、女性と男性の名前の違いや、両方に使われる名前(unisex names)などの知識も得ることができました。

子どもが洋画DVDで英語を勉強するときの注意点

洋画DVDの英語は「手加減なしの英語」です。口語表現に慣れていないとわからないことが多すぎて嫌気がさしてしまいます。

分からない部分をある程度受け入れることも必要です。映画の中の冗談ひとつとっても「何がおもしろいのかわからない」状態になることもしばしばです。これはその国で育った人だけが知る芸能人や文化などの知識がないと笑えません。完璧主義は捨てましょう。

ここでは洋画DVDを英語学習に活用しようと意気込みすぎて失敗してしまわないように、いくつかの注意点をまとめました。

口語表現の基礎

映画は口語表現のオンパレードです。標準的な英語に慣れている子どもには、少し難しく感じるかもしれません。ここではほんの一例を挙げてみます。

・be going to do→be gonna do

定番中の定番は、gonnaです。「going to」の口語表現です。これを理解しておかないと、セリフのほとんどは理解できないです。

・want to do→wanna do

want to もwannaと発話されることが多いです。

・have(has)→have got(has got)

「持っている」意味のhave(has)は、have gotと使われることが多いです。ビートルズの曲にも「SHE’S GOT A TICKET TO RIDE」で使われています。

・will not→won’t(want)と間違えやすい

「~しません」のwon’tの下線部は【ou】と発音されます。「したいと思う」のwantとは音は違うのですが、高速で読まれると非常に紛らわしい音になります。

他にも頻出する口語表現や省略語はたくさんありますから、それらに少しずつ慣れていきましょう。

完璧を求めない

私は洋画DVDで英語を学ぶときは、細かすぎることは無視します。どんなに調べても意味がわからなかったり、冗談のオチがわからなかったりすることはよくあるからです。

子どもはスッキリしないかもしれませんが、完璧主義は捨てさせましょう。子どもが洋画DVDを使って英語を学ぶときは、「テキトー」が一番です。完璧を求めると楽しかった映画が途端に拷問のように感じて、子どもの学習意欲は減退してしまいます。

強弱に逆らわない

英語のセリフは強弱をハッキリさせて読まれます。強の部分は、日本人が聞いていても聞き取りやすいです。問題は弱の部分です。訓練によっては、ある程度聞きとれるようになりますが、英語字幕に表記されていても実際は音は出ていないこともあります。

先述した『オズの魔法使』のドロシーのセリフを思い出してください。“People come and go so quickly here.”を聞くと、andとhereは非常に弱く発音されています。andはan(d)となりdは発音されません。

「意味上大切でない部分は弱く発音される」ので、リスニングもこの原則に逆らわないのが一番です。つまり、弱いところは「あまり聞こえない」くらいに考えて、文法の知識や文脈などで補うくらいでちょうどいいのです。

「聞けるときは聞ける、聞けないときは聞けない」ものです。真面目な子どもほど悩むかもしれませんが、お母さんからこのことを伝えてあげてください。

「強」の部分をしっかり聞き逃さないようにして、そこから聞こえづらいところを類推できるようにするほうが合理的です。

日常生活で使ってみる

お母さんと子どもで映画を見て何かのセリフを覚えたら、日常生活でも使ってみましょう。ピッタリのシーンはなくても、強引に使うのがコツです。

例えば『ターミネーター』のシーンでよく出てくるセリフに“Come with me if you want to live.”「生きていたいなら(死にたくなければ)、俺についてこい」があります。私は息子と映画を見ているときに、息子がブツブツつぶやいていたのを覚えていました。

ある日、サッカーの迎えに車で行ったとき助手席のウィンドウを下げて“Come with me if you want to live.”と叫びました。すぐに冗談と分かったらしくニヤリと笑っていました(「ここにいても死なないだろ」とつぶやいていましたが)。

このような感じで映画のセリフを普段のやり取りの中にちりばめるだけで、記憶は強化されて忘れなくなります。ぜひ、試してみてください。

まとめ

洋画DVDを活用した英語学習で最も大切なことは「完璧を求めない」ことです。ネイティブの娯楽用の英語は子どもにとってはかなりの負荷です。「シーンを限定した学習」や「知っている表現を確実に聞きとれるようにする」などの工夫が必要です。

映像やストーリーと関連づけて覚えた表現や単語は、長期記憶になりやすい特徴があります。そのような単語を一つでも増やしておくと、将来、受験勉強のときに語彙数を増やすときに大いに負担を減らしてくれます。

お母さんはあまり勉強っぽい雰囲気を作らずに、子どもが楽しみながら取り組めるようにしてあげましょう。「何かにハマる好奇心」を持っている子どもは、生きる力が高いです。この力をテコにして、子どもの英語力を伸ばしてあげるのが効果的です。

英語絵本の次はこれ! リーディングで子どもの教養を伸ばそう

子どもに英語を学ばせているお母さんに動機を尋ねると「英語を話せるようになって欲しいから」という回答が多いです。このときの「英語を話す」のは「英語ができる」ことと同じ意味であり、スピーキングを強く意識しているのがわかります。

一方、「英語を読めるようになって欲しいから」と答えるお母さんはほとんどいません。このことから英語に興味のある人はリーディングへの関心は高くないことがわかります。この理由は2つ考えられます。

ひとつ目は「日本人はすでにリーディングが得意だから」という理由です。すでに得意なスキルより苦手とされるスピーキングに力を入れるべきという理由です。もうひとつの理由は、「リーディングはそれほど重要なスキルではない」という考えです。

結論からいうと、日本人のリーディング力はそれほど高くないし、リーディングはとても重要なスキルです。

リーディングはネイティブも意図的に努力して身につけるものです。リーディングは幅広い教養を私たちにもたらし、人生を豊かにしてくれます。

残念ながら日本人の多くはリーディング力でさえも充分ではありません。子どもの頃から正しいリーディング力を積み上げることで、英語力はもちろん教養レベルも向上します。今回は、絵本を卒業してからの本格的な読書へのつなげ方について詳述します。
Harry Potter

教養を身につけるためのリーディング

「書かれているものを読めるようにする」ことはリーディングの最低限の目標です。語彙力と文法力を身につけて運用して、英語を読めるようにします。受験英語はこの部分について取り上げています。

でも、リーディングの最終目標は「教養を身につける」ことです。「英語で」情報を取り入れて、幅広い知識や考え方に触れて人生を豊かにしていくことです。

長文問題ばかり取り組むのではなく、幅広い分野の読書にも取り組みましょう。学校や塾ではそこまでの指導はしてくれません。家庭でカバーしない限り、英語リーディングは最低限のレベルにとどまります。

ネイティブの小学校ではリーディングに力を入れている

私の息子は5歳の時に海外のインターナショナルスクールのYear 2に編入しました。3年半の通学期間で最も力を入れたのは「リーディング」です。学校の勉強はとにかく読めないと始まらないのです。

週1回、学校図書館から2冊の本を借りてきます。フィクション1冊とノンフィクション1冊です。さらに、毎日学級文庫から薄い本を1冊持ち帰ってきます。ほぼ毎日読書をして、この記録をつけて先生に提出しなければいけません。

日本の学校でも読書は推奨されていますが、大部分は家庭に任されているのと対照的です。読書を重要な教育目標に掲げていて、授業では「音読」「精読」「内容理解」「ディスカッション」などを通じてリーディング力を高めていきます。

算数の宿題は問題文が英語で書かれているので、読めないと取り組めません。ライティングも何かの資料を読んでからそれについて意見を書くものばかりで、読めないと何をしていいのかさえわかりません。

私はボランティアで週1回、5~6人の子ども達と本読みをしていました。インター校の生徒なので皆英語を流暢に話します。でも、リーディング力にはかなりの個人差がありました。そしてリーディング力と学力には強い相関関係があるとも感じました。

上記のような経験から、英語でも日本語でもリーディング力をできるだけ向上させることをお母さんにも推奨したいと思います。

二つの面から見たリーディング

リーディングは2本の柱から構成されています。ひとつ目の柱は「英語を読める能力」です。フォニックスを学び、語彙力を伸ばし、文法の知識を運用することで英語を読めるようになっていきます。大学受験で問われているのはこれです。

「日本人はリーディングが得意」の誤解は、英語を読めればよいと勘違いしているからです。リーディングの真価が問われるのは、もうひとつの柱である「英語で学ぶ能力」です。大量の本や資料を読みながら教養を深めていくことです。

本来、この2つの柱は同時に進めていくべきものです。でも、学校や塾では「英語で学ぶ」ことまで手が回らず、残念ながらリーディング最大のメリットを得られない状態になっています。

英語を話せても中身のない人にならないために

早期の英語教育についてマスコミで取り上げられるたびに「論理的な思考力や教養を身につけるためには国語教育を優先せよ」という意見を聞きます。国語教育は大切です。異論の余地はありません。

でも、英語のリーディング力を高めても「論理的な思考力や教養」を身につけられます。英語では教養は身につかないと考えているのは、「英語を読める」技術指導だけで終わっているからです。

教養のある人たちと話をすると、何かのテーマについて深い意見の交換があったり、冗談もウィットが効いていたりします。たいていそういう人たちは、大量の読書を習慣としています。

英語でも教養を深めるリーディングを意識すると、発音や流暢性に多少難があったとしても一目置かれる人になることは可能です。「英語で学ぶ」状態に早めに到達することで、英語を話せて中身(教養)もある人になれます。

目標は正確に速く、長時間読めること

リーディングで必ず話題になるのは、「精読」か「多読(速読)」のどちらが大切か、です。結論はどちらも大切です。理解度を落とさずに速く読めるようにならないと、リーディングの意味がありません。

精読では、語彙・文法などの知識を運用して一文ごとに正確な理解を目指します。普通の読書でこれをやると飽きてしまいますから、精読専用に作られたワークブックを利用しましょう。

多読でも子どもが大意を理解できたかどうかの確認は必要ですが、基本は読書を楽しむことです。絵本を卒業したばかりの本選びは難しいですが、子どもと相性がいい本を見つけられると一気に子どもの読書量を増やすことができます。

リーディングでもう一つ大事なのは、長時間読めることです。何かにハマったときの子どもの集中力はすさまじく、小学校低学年でも1時間くらいは平気で読書をするようになります。ノンネイティブなら1分間200語のペースで1時間読めるレベルを目指しましょう。

使えるリーディング力の目標は、正確に速く、長時間読めることです。

絵本を卒業してから本格的読書までのアプローチ

英語絵本の読み聞かせから、本格的な読書に移るまでにはお母さんの想像する以上にギャップがあります。この隔たりをどうやってスムーズに乗り越えさせるかが、子どものリーディング力を伸ばす大事なポイントとなります。

ここでは、絵本から本格的な読書への移行期にするべきことを具体的に説明します。

子どものリーディングは3段ロケットで

子どものリーディング力は、右肩上がりになだらかに伸びるわけではありません。大まかに分けると3段階あるので、ここでは3段ロケットに例えて説明します。

リーディングロケット

*図の中のLexile 指数とは、米国のMetaMetrics 社が開発した指標で、読者の読書レベルと本の難易度を同じ指標で表したものです。精読の180 Daysは使用教材名で、Grade 1~6は米国小学校の学年に対応しています。

1段目は幼児期の「英語絵本読み聞かせ」です(詳細は『初めての「英語絵本読み聞かせ」完全ガイド』でご確認ください)。この時期にお母さんが充分な量の絵本の読み聞かせをすると、子どもは英語を読むことを楽しいと感じるようになります。

もちろん、アルファベットや基本的なフォニックスを習得していることが前提です。同じ本を繰り返し読んでいると、気に入ったフレーズを暗唱するようになります。小学校に入るあたりから、絵本を物足りなく感じてきたら2段目のロケット点火のサインです。

2段目は、正確に読むことを学びつつ、挿絵の多い語彙が限定された子ども向けの本を大量に読む活動が中心です。2~3年くらいコツコツと続けると、格段に子どものリーディング力は向上します。

3段目はネイティブの小学校高学年が読むような内容です。日本人の英語学習者ならこのレベルには最終的に到達して欲しいと思います。英検なら2級~準1級程度です。

今回の記事では、絵本の次の2段目のステップについて詳しく取り上げます。

リーディング力養成に必要な2つの柱とは

絵本から本への移行期間の方法は、とても難しいです。使用されている語彙や文法に大きな隔たりがあるからです。そのため、できるだけ負担に感じないように、スムーズにこのギャップを乗り越えさせることがポイントになります。

この時期にやるべきことは「ワークブックによる精読」と「できるだけ平易な言葉で書かれた本の読書」の2つです。精読と多読ともいえます。

突然、長時間の勉強や読書を強制するのは子どもにとって苦痛です。あせらず少しずつ取り組ませましょう。1年半くらいを目安にして、このギャップを乗り越えられれば充分です。

精読で文法・語彙・内容把握の力をつける

正確に読むトレーニングのためには、内容一致問題の豊富なワークブックを選びましょう。私が使用したのは180 Days of Reading for First Gradeです。アメリカの小学生用の問題集で、毎日の自習のためによく考えられていて使いやすいのが特徴です。

Grade 1では、数行の英文を読みます。使用されている語彙レベルは、本を読むために必要なものばかりです。選択肢の中から正解を選ぶ方式で、内容理解や単語の意味などを質問されます(問題文もすべて英語です)。

Week 1~36まであり、1 Weekの構成はDAY 1~DAY 5となっています(5 days×36 weeks=180 days)。1週間で一つのテーマを扱っていて、フィクションとノンフィクションがバランスよく混ざっています。

DAY5はいつもライティングです。日本の小学生には難しすぎるので、DAY 1~4までやれば充分です。DAY 1~3までは短い文で、DAY 4は長めの文章を読みます。

文章は必ず音読させ、間違えて発音したところはきちんと訂正しましょう。最低でも5回くらいは大きな声で音読させるようにしましょう。

毎日の勉強時間は15分~20分程度で、長すぎず短すぎずちょうどいい長さです。1週間で4つの問題をこなしていくので、余裕をもって進めることができます。

リトルフォックスは動画だけでなく、多読教材としても優れています

多読用の本選び

精読ばかりでは長い文章を読めるようにはなりません。やはり、長文を読むトレーニングが必要です。いわゆる「多読」用の本を読むことで、この力は養われます。

語彙力が不充分なこの時期に、子どもの興味を惹くような本を探すのはとても難しいです。語彙レベルをカバーするためには、挿絵の豊富なものを選ぶようにするといいでしょう。絵本と本の中間をイメージするといいです。

最初に紹介するのはRobert MunschのCD付きの本です。
Robert Munsch

英会話教室の先生にすすめられて購入しました。朗読のCDが本当に楽しくて、子どももゲラゲラ笑ってしまう内容です。車に乗ったら朗読CD、家ではお母さんが少しずつ読んであげると子どもは喜ぶこと請け合いです。

私が使用したのは、作家 Julia Donaldson のシリーズと、英語で育児をしている人たちにもよく知られている Magic Tree House のシリーズです。

Julia Donaldson の本は絵本と本格的な本をつなぐ存在です。文章を音読すると詩のような美しい響きがあります(韻を踏んでいるため)。Zog(ちょっとドジなドラゴン)の出てくる話には不思議な魅力があり、誰にでもおすすめできます。

Magic Tree House のシリーズは語彙レベルがやや高めです。Julia Donaldson に完全に慣れてから挑戦したほうがスムーズに移行できると思います。マニュアル車のギアを1段ずつ上げていくイメージです。

どちらの本も語彙レベルを限定しながら楽しい物語が展開されていて、作者の力量に感します。なお子どものレベルに適した本を探す時に便利な「Lexile 指標」というものがあります。Lexile指標の詳細は後ほど説明します。

実践編

本を買っても、子どもは自然と読むようにはなりません。だからといって、お母さんが無理やり読ませようとすれば本嫌いになってしまいます。子ども自らが読書にハマる状態を意図的に作る方法を説明します。

読み聞かせを毎日少しずつすると、子どもに変化が起きる

本を買っただけでは、子どもは読むようになりません。対処法として、お母さんの読み聞かせがとても有効です。「またか」と面倒くさがらないでください。

3分以内で読み終わる絵本に慣れた子どもには、長時間の読書には耐えられません。そこで、「毎日3ページずつ読もう」と決めておき、絵本と同じように読み聞かせをしていきます。このとき指で読んでいるところを示しながら、子どもにも目で追わせることが大切です。

お母さんはあらかじめ話を読んでおいて、話がおもしろくなる直前でその日の読み聞かせを終了します。話が中途半端なところで終わると「もっと読んで」と子どもはせがみますが、「また、明日ね」といって付箋を貼って本を置いておきます。

テレビ番組でもCMの手前で「答えはCMのあと!」とテロップを表示して視聴者をじらします。ほとんどの視聴者は結果を知りたくて仕方がないので、そのままチャンネルを変えずにその番組を見続けます。この作戦は子どもの読書にも応用できます。

続きが気になる子どもは、親が立ち去ったあと自分で本を開いて読み始めます。無理やり読まされているのではなく、自分の意志で読んでいます。

主人公がピンチのところで話を切り上げられたら、誰だって続きが気になります。「続きを知りたい!」目的で英語を読むので、もはや英語を勉強している意識は子どもにはありません。この状態を意図的に作ることがポイントです。

結末がわかると、ニヤニヤしながら「ボク(ワタシ)どうなったか知ってるよ」とお母さんに自慢気に話しかけてきます。とぼけて「えっ、そうなの?」と興味深く聞いてあげましょう。

このように本に関する話題で、親子で盛り上がるようにしていくと、少しずつ英語の読書を習慣化できます。

精読は毎日時間を決めて取り組む

精読は文章量の短いものを集中して読むことが大切です。先述した180 days Grade 1を利用して、内容理解をしているかどうか確かめながら進めましょう。

たとえ数行の文章でも、小さい子どもにとってはきっちりと読むのは疲れます。「1ページだけ」の約束をお母さんは守ってください。

精読はプロの先生にお願いしたほうが効果は出やすいのは確かです。でも、事情が許さないのであればできるだけお母さんが説明してあげてください。

正解なら「なぜこれを選んだか」、不正解なら「なぜ間違えたのか。正解の理由がわかるか」を考えさせるといいです。

スコアを気にするのではなく、正解にいたるまでの考え方や読み方を身につけるように意識するといいでしょう。解答の根拠となるところに線を引いて注目させるだけでも、子どもにはわかりやすくなります。

知らない単語に出会ったら

知らない単語に出会った場合には、「お母さんが教えてあげる」「自分で調べさせる」の2つの対処法があります。

動詞や副詞は日本語で説明してあげた方が理解は容易です。辞書で調べても過去形と原形で綴りが異なるので混乱します。多少ニュアンスは変わってしまっても、お母さんが子どもにもわかる言葉で教えてあげるのが一番です。

この時に注意するのは、すぐに正解を伝えるのではなく「子どもに意味を推測させる」ことです。これを続けていくと知らない言葉に出会ってもすぐに気持ちが萎えなくなります。意味を見つけていこうとする積極的なリーディングが身につきます。

名詞に関しては、ピクチャーディクショナリーを利用すると比較的簡単に調べることができます。自分で調べられるようになると、学習効率を加速させることができます。英語に限らず、他の教科にも良い影響を与えるでしょう。

ちなみに小学生が使える充実した英和辞書はあまりありません。定義に使われる漢字が読めなかったり、収録語数が極端に少なかったりするのがほとんどです。小学校高学年になるまでは辞書を使わずになんとかやりくりしましょう。

新しい単語に出会ったら、まずは声に出して読むことを習慣化させてください。発音→読み→綴りの順番でボキャブラリーを増やすのが王道です。

スイッチが入ればしめたもの

このように精読と多読を並行して進めていくと、ある時点を境にして一人で本を読むようになっていきます。ある作家のシリーズにハマると子どもの中の「スイッチ」が入った状態になります。

しばらくするとその作家の本を急に読まなくなります。「飽きる」のは悪いことではなく、成長の証です。次のステージに進めるように新しい本を与えてあげましょう。

2段ロケットの終盤になる頃には、ボキャブラリーのレベルは2000語を超えていきます。英検なら準2級にも挑戦できるレベルです。絵本を卒業して2~3年くらいで到達できます。

2段ロケット終了の目安は「Geronimo Stilton Series」

2段目のロケットから3段目への時期を知るには、Geronimo Stiltonのシリーズを与えるとわかります。新聞社編集長のネズミ Geronimo の話ですが、ダジャレやユーモア満載のストーリーです。

ボキャブラリーと文法のレベルはこれまでよりも一段高くなります。文章量もだいぶ増えてくるので、本格的な小学生の読み物の第一歩です。

3段目のレベルに移行するには精読のレベルを引き上げることです。幸い180 daysはGrade 1~6まであるので、Grade 3で正答率が常に半分を超えるとGeronimo Stiltonに挑戦できるようになります。

Lexile指数とおすすめ本の整理

書店に行って実際に中身を確認して、子どものレベルや興味に合うかどうかを確認できるのが理想です。でも洋書の充実している書店は都市部に限られますから、いつもそのような買い方は難しいでしょう。

Amazonで注文することを想定して、あなたの子どものレベルに合った本の探し方を具体的に説明します。

Lexile指数を参考にしよう

一部の本にはLexile指数(レクサイル指数)が表示されています。Lexile指数とは米国のMetaMetrics社が開発した指標です。読者の読書レベルと本の難易度を同じ指標で表すことで、自分のレベルに最適な本を探せるようになりました。

自分のレベルを知る正確な方法は、TOEFL®Juniorを受験することです。TOEFLのスコアレポートにLexile指数が示されているので簡単にわかります。

でも、そのためだけに受験することもないでしょう。例えば、Lexile指数200の本を読んでみて75%の理解力があれば、それが読者のスコアです。

Lexileの日本語サイトに子どものLexile指数を入力していくと、子どもの読書レベルにあった本を検索できます。

Lexile1

1の窓に、自分のLexile指数を入力します。ここでは200を入れてみます。

lexile 2

次に、読みたい本のジャンルにチェックを入れていきます。すべて選択したり複数選択したり可能です。

 

そうすると自分のLexile指数と希望するジャンルの本に合致した本が表示されます。

Lexile指数でヒットする本ですが、同じ指数であっても読みやすい本と読みにくい本があります。読者の知識や興味が偏っていると、特にそのようなことが起こります。あくまでも参考にしましょう。

Amazonの洋書販売ページでもLexile指数を確認できるようになっています(すべての本ではありません)。「なか見検索!」できる本を利用すれば、一部の文章から子どものLexile指数を推測できます。

おすすめのリーディングドリル

・180 Days of Reading(Grade1~6)

精読に関して私が息子に与えたのは180 Days of Reading のシリーズだけでした。テーマ別に一週間で5つの課題が与えられます(最終日はライティング)。時間のないときはライティングを飛ばしましたが、毎週、最低4つの課題は完了させました。
180 days

書店で精読用の教材を数時間かけて見比べて選んだのがこれでした。一日の分量は多すぎず、少なすぎずちょうどいいです。難易度も適切で子どもの集中力が切れることはありませんでした。

日本人の子どもが挑戦するならGrade1から始めるといいと思います。この本には、すべての問題が収録されたCDが付属しています。兄弟姉妹がいるなら、このデータをプリントアウトすればもう一度買いなおす必要はありません。

「継続は力なり」で、気がつくと子どものリーディングが一段アップしているのを感じました。Grade3が完了する頃には、英検3級に合格できるくらいのレベルになっています。

フィクション:Julia Donaldsonの作品と『マジック・ツリーハウス』シリーズ

・Zog and the Flying Doctors(Lexile指数不明)

Julia Donaldson(著)Axel Scheffler(イラスト)のコンビの本は、絵本の次に挑戦する本としてピッタリです。かわいらしいイラストには子どもはもちろんお母さんもワクワクさせる魅力があります。

音読すると詩を読んでいるようなリズムと韻を感じられて、この本を手に取ったときは「こういうのが欲しかったんだよ」と思いました。

・Magic Tree House(Lexile指数200-295L)

ネイティブ小学生向けの人気シリーズ。兄妹が主人公の冒険物語。不思議なツリーハウスで本を開くと時空を飛び越えた世界へと移動してしまう、ワクワクするような話です。

絵本を卒業していきなりこの本を読むのは少々難しいかもしれないので、半年くらいJulia Donaldsonのようなやさしい本で慣らしてから挑戦するといいです。毎回舞台が変わるので世界史や科学の知識も身につきます。

私の息子はややオタクっぽい兄のキャラを好きになれず4~5冊読んで終わりましたが、息子に同じシリーズの本を図書館から借りてくるようにリクエストして私が読んでいました。

ノンフィクション:科学マンガ

物語は直接書かれていないメッセージを読み取ったり(行間を読む)、キャラクターの心情に想像を膨らませたりすることができます。一方ノンフィクションでは、幅広い知識を身につけることができます。日常生活では登場しないような教養語も身につきます。

例えば、herbivoreとcarnivoreは「草食動物と肉食動物」のことですが、日常生活で使用されることは滅多にないので、ノンフィクションの本から学ぶことが必要です。

私のおすすめは科学マンガ(Science Comics)です。息子が夢中になって読んでいたのはシンガポールの出版社のものでした。マンガと解説があって、本当によくできた科学マンガでした。残念ながら日本では購入できませんが、どのような本か写真で説明します。

science adventures

単語のレベルは決してやさしくありません。でも、子どもの知識欲はすさまじく、そんなことお構いなしに繰り返し読み続けます。その結果、難しい単語もどんどん覚えていきます。

wholesome treasure

実は私も小学生の頃、雑誌「子供の科学」を定期購読していて毎回届くのを楽しみにしていました。「どうして海は青いのか」とか「虹ができる仕組み」など、夢中になって読んでいたのを思い出します。

このような雑誌を読むと、子どもの口から思いがけないような単語がしばしば出てくるようになります。学校の授業で科学や社会を学ぶときにもとても役に立ちます。

まとめ

日本の受験で学ぶリーディングは、英語を読むことにフォーカスを当ててきました。もちろんこれは大切ですが、もう一つの柱である「英語で学んで教養をつける」ことが疎かになっています。

「英検〇級取得」とか「〇〇大学に合格する」ことだけが目標となると、偏ったリーディングしか取り組まなくなります。子ども時代から英語を学ばせるなら、ぜひ「英語で読んで教養をつける」ことも並行して取り組んで欲しいと思います。

将来、海外の大学に留学する場合は高度なリーディング力が絶対に必要です。教養もあって英語もできる大人になるために、お母さんはサポートしてあげましょう。

オンライン英会話では、使用される教材を読めないとレッスンが思うように進まないことがあります。英会話を上達させたい場合でも、リーディング力がベースになることを忘れないようにしましょう。

子どもでも歌える! 「英語の定番クリスマスソング」

クリスマスが近づいてくると「サンタさんに何のプレゼントをお願いしようかな」と子ども達はソワソワしてきます。そんな様子を見ていると子どもの頃を思い出して、大人も幸せな気分になります。

ところで、「英語のクリスマスソング」をあなたはいくつ歌えるでしょうか? 最初から最後まで歌える曲は、意外と少ないのではないでしょうか?

「英語の歌はちょっと苦手」と感じているなら、親子で英語のクリスマスソングにチャレンジしてみましょう。この記事を読めば「今シーズン、子どもと挑戦してみよう」とやる気になること請け合いです。

日常生活に英語を取り入れる最大のチャンス

子どもに、英語の必要性を身近に感じさせることはとても難しいです。なぜなら日本国内では英語を話せなくても生活できるからです。

しかし、1 年に 1 度だけ子どもが英語を身近に感じる時期があります。それは「クリスマス」です。外国からやってくるサンタクロースにプレゼントをお願いしなければならないので、子ども達は真剣です。

この強いモチベーションを利用して、子どもに英語のクリスマスソングを教えましょう。クリスマスは毎年やってくるので、一度歌えるようになると一生楽しめます。

子どもへの伝え方の例として、「クリスマスの歌を英語で歌わないと、サンタさん来ないかもよ」と切り出したらどうでしょう。「歌うから教えて」と必死になってお母さんに聞いてくるはずです。こんなに英語学習に必死な姿勢を見せるのはクリスマス前しかありません。

クリスマス前の11月から盛り上げよう

11 月になり街にクリスマスの飾りが目立ち始めたら、英語のクリスマスソングに親子でチャレンジです。難しいことはさておき、車でCDを聞くとかリビングにいるときに歌を流して少しずつクリスマス気分を盛り上げていきます。

お母さんは子どもより一歩先行してマル秘特訓をしておきましょう。子どもの前で一部でもいいので英語で歌って見せてください。「お母さんが歌えるなら私だって」と競争心に火がつくはずです。

クリスマスソングが街で聞こえたときの喜び

スーパーやデパートへ子どもと買い物に行くと、クリスマスソングが絶え間なく聞こえてきます。その中に知っている歌があると「この歌知ってるよ!」と子どもは大喜びです。

もし子どもが歌詞の一部を英語で歌えたら、その部分の英語は聞き取れるはずです。これは子どもにとってうれしい経験となります。これがきっかけで、日頃マンネリ化していた英語学習に転機が訪れるかもしれません。

では、子どもが楽しく英語のクリスマスソングを歌えるようにするために、どのような点に注意すればいいのかを説明します。

子どもと歌えるクリスマスソングの条件

インターネットで「クリスマスソング」と検索すると、たくさんの歌が表示されます。あまり多くの歌を覚えようとすると混乱してしまうので、3 曲くらいを選んでみましょう。

選ぶときには「ノリがいいこと」「すでに子どもが知っていること」「歌詞の一部が歌いやすいこと」の 3 点に注意しましょう。以下、その理由について解説します。

ノリがいいクリスマスソング

クリスマスソング集のCDを買うと、厳かな雰囲気の曲ばかり収録されていることがあります。本来クリスマスはキリスト生誕を祝うものなので、当然といえば当然ですが、子どもはしんみりしてしまいます。

宗教色の強い歌よりも、ノリのいい曲の方が子どもにはウケます。例えば 3 曲選ぶとしたら、2 つは明るいノリのいい歌にしましょう。残りの1つに、「Silent Night(きよしこの夜)」のようにゆっくりとした曲を混ぜてもかまいません。

すでに子どもが知っているクリスマスソング

幼稚園や保育園などで、クリスマス関連の歌はいくつか習っているはずです。「ジングルベル」「赤鼻のトナカイ」などはその典型です。知っているメロディーに英語の歌詞を合わせて歌えばいいだけなので負担になりません。これらの知っている曲の中から選ぶと子どもは乗り気になります。

英語圏で歌われるクリスマスソングの中には「Deck The Halls」「Twelve Days Of Christmas」のように日本ではあまり有名でないものもあります。与えられた歌がすべて馴染みの薄いものだったら、子どもは戸惑ってしまいます。このような曲はなるべく避けるようにしましょう。

歌詞の一部が簡単に歌えるクリスマスソング

「1年に1度の英語学習の好機だ!」と歌詞のすべてを子どもに歌わせようと強要してはいけません。苦しいクリスマスになってしまいます。完璧主義は捨てましょう。

お母さんにも難しさを体感してもらうために、動画サイトで歌詞付きの「Santa Claus Is Coming to Town(サンタが町にやって来る)」を検索して歌ってみてください。「曲名 lyrics」で検索すると、下記のような動画がヒットするはずです。

どうでしたか? 最初から最後までスムーズに歌い切るのは簡単ではないはずです。では、“Santa Claus is coming to town.”の部分はどうでしたか? おそらくほとんどのお母さんは歌えたと思います。

このように「簡単に歌える部分から徐々に広げていく」作戦は子どもにはとても有効です。私だったら、冒頭の “You’d better watch out!”~ “Santa Claus is coming to town.” までを歌えることを目標にします。

このように歌詞の一部に簡単に歌える部分があると、子どもはやる気を出してきます。また、くりかえし(リフレイン)が多い歌も覚えやすいです。「We Wish You a Merry Christmas」などの曲はその典型です。

クリスマスソングの英語と雑学

今シーズンのクリスマスソングが決まり、歌詞の一部を歌えるようになったら、少しだけ子どもと英語の勉強をしましょう。

勉強といっても、それほど大げさなものではありません。カレンダーの裏側などにマジックで歌詞を大きめに書きます。そして、ポイントとなるところに線を引いて、ひらがなで説明や日本語を書いてあげます。

子どもには色鉛筆で参加してもらい、赤と緑で色を付けたり、雪だるまの絵を描いたりしてもらいます。これを冷蔵庫や壁に貼っておけば完成です。下に例を貼りましたので参考にしてください。

歌詞カード例

無理に「これを覚えなさい」と言わなくても、子どもは関心があれば自然と読むようになります。意味がわかると楽しさが深まるので試してください。

クリスマスソングを使って少しだけ英語の勉強

上記の「Santa Claus Is Coming to Town」を題材にして、少しだけ英語の勉強をしてみましょう。

You’d better watch out! You’d better not cry.
Better not pout, I’m telling you why.

歌の最初に短縮形(省略形)で出てくる「had better 動詞の原形」(~したほうがいい)は受験で習う表現なので覚えているお母さんも多いかもしれません。また、「had better not 動詞の原形」(~しないほうがいい)はその応用です。

ところがこの表現を使うときは、少し注意をしましょう。なぜなら、使われる状況が限定されるからです。had better を使うときは「もしそうしなかったら(したら)、悪いことが起きるかもよ」のニュアンスがあります。

状況に限定されずに一般的に「~したほうがいい」と言いたい場合、普通は should を使います。「~しないほうがいい」は should not です。

このことを頭に入れて、あらためて Santa Claus is coming to townの歌詞の続きを読んでみましょう。

He’s making a list, and checking it twice(彼=サンタはリストを作って 2 度チェックしているよ)
gonna find out who is naughty or nice(誰がいたずらっ子で誰が良い子か見つけるよ)

このように、「サンタクロースはみんなの行動を見ていて、もし悪い子だったらプレゼントを持ってこないよ」と「悪いこと」が予想されています。まさに、had better や had better not にぴったりの状況です。

普段いたずらっ子であったとしても、クリスマス前は大人しくさせるのにうってつけの表現です。

このように、1 つのクリスマスソングから 1~2個の表現を覚えるだけでも英語力は上がります。今回は「had better」「had better not」を取り上げましたが、他の表現でも構いません。「日常的によく使う表現を題材にすること」「勉強は最小限にして、とにかく曲を楽しむこと」がポイントです。

クリスマスソングを歌うときのコツ

一語一語にカタカナをふって読もうとすると、メロディーに乗れなくなり失敗します。英語の歌を歌うときは、英語特有の「音の消失」「音の連結」「音の変化」に注意しながら口を動かして覚えるのが一番です。

「Santa Claus is Coming to Town」の最初のところを例にとって、コツを説明します。

You’d better watch out (d:消失、tch out:連結)
You’d better not cry(d:消失、t:消失)
Better not pout (t:消失)
I’m telling you why(g と y:変化)
Santa Claus is coming to town(s is:連結、g:消失)

このように、冒頭部分には英語特有の音の変化がたくさん含まれています。冒頭部分を上手に歌えるようになるだけでも、英語の読み方はうまくなります。

クリスマスソングにまつわる雑学

ここでは日本人にあまり知られていない「クリスマスソングの雑学」について2つ触れてみます。おやつや食事のときに子どもに話をしてあげると、意外と関心を示すかもしれません。

・赤鼻のトナカイ(Rudolph)以外のトナカイの名前

クリスマスソングの定番「赤鼻のトナカイ」の原題は「Rudolph The Red Nosed Reindeer」です。この歌のメインパートの前に、他のトナカイの名前が羅列されます。日本語の歌では完全に省略されているので、英語の歌を知っている人しか知りません。

You know Dasher and Dancer and Prancer and Vixen, Comet and Cupid and Donner and Blitzen
But do you recall the most famous reindeer of all?(でも、一番有名なトナカイを思い出せるかい?)

これに続いて“Rudolph the red-nosed reindeer”(真っ赤なお鼻の…)と続きます。この歌は歌詞全体が一つのお話になっています。赤鼻のトナカイは Rudolph のことです。

赤鼻のことでいじめられていた Rudolph が、霧の中を進むサンタクロースの役に立ち、英雄になるストーリーはご存知の通りです。

・We Wish You a Merry Christmas の続きに出てくる食べ物

「We Wish You a Merry Christmas」を知っているお母さんは多いでしょう。“We wish you a Merry Christmas and a Happy New Year.”がひたすら繰り返されるので、記憶に残りやすい歌です。

ところでこの歌には続きがあります。 私は大人になるまで知りませんでした。その中で“figgy pudding”という名の食べ物が繰り返し登場します。fig はイチジクのことなので、それが入ったプディング(ケーキのようなもの)であることは想像できます。

Oh, bring us some figgy pudding(あぁ、figgy pudding を持ってきて)
Oh, bring us some figgy pudding
Oh, bring us some figgy pudding
And bring it right here!(早くここに持ってきて!)
We won’t go until we get some(食べるまで帰らないよ)
We won’t go until we get some
We won’t go until we get some
So bring some right here!(だから早く持ってきて!)

「そんなに figgy pudding を食べたいの?」と呆れるほど繰り返されるので、インターネットで検索してみました。すると、イギリスの伝統的なお菓子のようで、こんなケーキでした。

figgy pudding

引用:http://www.organicauthority.com

子ども達がここまでせがむ「figgy pudding」とは一体どんなものなのか、いつか機会があったら食べてみたいです。

おすすめの曲と歌詞

ここまでにすでに何曲か紹介していますが、あらためて私のおすすめする英語のクリスマスソングを紹介します。ノリのいいグループから2つ、ゆっくりめのグループから1つ、合計 3 つを選んでいただき、今シーズン一部でいいので歌えるように親子でチャレンジしましょう。

ノリのいいグループ

・Santa Claus Is Coming to Town

イチオシのクリスマスソングです。“Santa Claus is coming to town”のところから少しずつ歌えるところを広げていきましょう。

・Jingle Bells

このメロディーを知らない子どもはいないでしょう。“Jingle bells, Jingle bells, Jingle all the way.”の後に続く“O What fun it is to ride in a one horse open sleigh!”(一頭立てのそりに乗るのって何て楽しいんだ!)のところを歌えるかどうかが鍵です。

・Rudolph the Red Nosed Reindeer

この歌は普通に歌っても楽しいですが、お母さんと子どもで分かれて「合いの手」を入れるとさらに盛り上がります。

下の歌詞の中の( )内が合いの手の部分です。タイミングよく挟んでください。

Rudolph the red-nosed reindeer (reindeer)
Had a very shiny nose (like a light bulb)
And if you ever saw it (saw it)
You would even say it glows (like a flash light)
All of the other reindeer (reindeer)
Used to laugh and call him names (like Pinochio)
They never let poor Rudolph (Rudolph)
Join in any reindeer games (like Monopoly)
Then one foggy Christmas Eve
Santa came to say (Ho Ho Ho)
“Rudolph with your nose so bright
Won’t you guide my sleigh tonight?”
Then how the reindeer loved him (loved him)
As they shouted out with glee (yippee)
“Rudolph the red-nosed reindeer (reindeer)
You’ll go down in history” (like Columbus)

「モノポリー」とか「コロンブス」が登場するのが、この合いの手のおもしろいところです。

・Jingle Bell Rock

rhyme(韻)が効果的に使われているため、上手く歌えると「決まった!」感が味わえます。同じ歌でもゆっくり歌われるものもあるので、歌いやすい速さを探してみてください。

ゆっくりめのグループ

・We Wish You a Merry Christmas

例の「figgy pudding」は 0 分 26 秒のところから登場します。

・White Christmas

この歌はいろんな歌手がカバーしています。私は Bing Crosby の「White Christmas」が一番好きです。ゆっくりなので、頑張れば一曲コンプリートできるかもしれません。

 

その他

・Frosty the Snowman

雪だるまの歌でクリスマスソングではありませんが、クリスマスっぽいので紹介しました。メロディーは知っているのに英語で歌える人は少ないです。

・I Saw Mommy Kissing Santa Claus

多くの歌手がカバーしています。1970 年代にジャクソンファイブがカバーしたものが最も有名です。ママとサンタがキスをする場面を目撃した子どもの話です(実はサンタはパパであることを子どもは知りません)。

まとめ

クリスマス前の高揚感を活用して、子どもと一緒になって英語のクリスマスソングを攻略する方法をお伝えしてきました。一生懸命練習して少しずつでも歌えたら、子どもだけでなくお母さんだって楽しくなります。

完璧主義は捨てましょう。私の子ども達も、歌えないところは適当にごまかして、知っているところだけちゃっかり大声で歌っていました。大きな声で歌えたら、サンタさんからのプレゼントはきっと届きます! Wish you a merry Christmas!

意外と難しい! 小学生にオススメの英語辞書

子どもの英語学習が順調に進むと、「英語の辞書が必要かも」と考える時期が来ます。ところがお母さんが書店に行くと、なかなか子どもに買ってあげたい辞書が売られていないことに気がつきます。

子ども用の辞書には、収録語数が極端に少なく用例がほとんどない辞書、定義の漢字にルビがない辞書など、欲しいものを探すのが困難です。小学5年生くらいになると読める漢字が増えてくるので、辞書選びはグッと楽になります。問題はその前の期間です。

私も子どもの英語学習を探していたとき、常に辞書に関する不満を感じていました。そこで、英語学習が順調にすすんでいる小学1年生~4年生の子どものいるお母さんのために、どのようにこの時期を乗り切ったらいいのかをまとめました。

いつから辞書は必要になるか?

英語の学習に欠かせないもののひとつに辞書があります。英和辞典・和英辞典・英英辞典・類語辞典など、私もいろいろ揃えてきました。最初に本格的な辞書を購入したのは高校入学のときだったと記憶しています。

では、子どもが英語を勉強していて辞書を必要とするタイミングはいつ頃でしょうか?

幼児期(~5歳)

幼児期に英語の辞書は不要です。この時期に覚えるべきことは、基本語・基本表現です。家の中にある物の名前、数字、曜日、月などをお母さんからの語りかけ(英語)で覚えたり、フラッシュカードで学んだりします。音声からのインプット中心です。

絵本の読み聞かせはこの時期の英語学習の柱になるものです。基本表現や単語を本から学び、実生活と結び付けることを繰り返して学んでいきます。余裕があれば少しずつ、フォニックスの基本を習ってもいいと思います。

このように幼児期は現物を見たり触ったりしながら音声で言葉を覚えるので、辞書は完全に不要です。基本語300語くらいはまではこのような方法で習得可能です。

小学校1年生~4年生

絵本を卒業して簡単な英語の本を読めるようになるのがこの時期の目標です。音声を大切にしながら、文字からのインプットも少しずつ増やします。文字を見て読めないといけないので、フォニックスの基本を習得済みであることが前提です。

本の世界は子どもの生活空間を超えているので、見たことがない物も学ばないと内容を理解できません。そこで活躍するのは、「ピクチャーディクショナリー」です。有名なのは、「Oxford Picture Dictionary(English/Japanese)」です。
Picture Dictionary

カテゴリーごとにカラフルなイラストと、それに対応する英語が書いてあります。この辞書では、ネイティブの生活空間が紹介されています。日本にはあまりなじみのない食べ物や植物がありますが、イラストの力でわかりやすく紹介されています。

ピクチャーディクショナリーは名詞は充実していますが、その他の種類の単語はあまりカバーできていません。絵で表現しにくいからです。

本を読み始めたら、少しずつ音読練習を取り入れると高い学習効果を得られます。使用する教材には知らない単語がたびたび登場するようになり、子どもにとっては難敵です。

辞書を必要に感じ始める時期ですが、できるだけ単語の解説付き教材(辞書不要の教材)の利用をおすすめします。なぜなら、この年齢の子ども達に使える辞書はほとんどないからです。これについては後ほど詳述します。

小学校5年生~

語彙力レベル2000~3000語を目指して、どんどん読書量を増やしていく時期です。この年齢になると少しずつ抽象的な言葉を理解できるようになります。日本語・英語に関係なく、どんどん語彙レベルを上げるようにしましょう。

もし英検3級を取得しているなら、本格的な辞書を購入する時期です。英和辞典の定義に使用されている漢字をほぼ読めるなら、中学生用の辞書『ジュニア・アンカー英和・和英辞典』(学研)がおすすめです。

収録語数がちょうどいいです。収録語数が多すぎると調べるのに時間がかかります。辞書を調べている時間は無意味ですから、これはとても大切なポイントです。特殊な発音には注意書きがあるところも好感が持てます。

小学1年生~4年生の子どもが辞書を選ぶときの5つの問題

先ほど子どもの成長段階によって、3つの時期に分けました。幼児期は辞書不要であること、小学5年生からは本格的な辞書を購入してもよいことを確認しました。

小学1年生~4年生の子どもも、英語学習をしていると多くの知らない単語に出会います。当然、お母さんは「辞書を買ってあげようか」と考えます。ところがこの年齢の子どもの辞書選びには5つの問題があります。

子ども向け英語辞書は収録語数が少なすぎる

書店へ行き、子ども用の辞書を開くとあまりの収録語数の少なさに驚いてしまいます。知らない単語を調べたいのに単語が掲載されていないのです。これでは辞書の意味はありません。

子どもの読みやすい字の大きさで、収録語数がそれなりに充実している辞書はほとんどありません。

英語辞書の発音記号が読めない

新しい単語に出会ったときは、「発音(読み方)→意味→スペリング」の順番で覚えていくのが王道です。辞書の価値の半分は「発音」チェックにあるといっても過言ではありません。

ところが発音記号が読めない年齢の子どもには、初めて見る単語の読み方を調べようがないのです。カタカナで読み方を表記してある辞書もありますが、いくつかの理由からカタカナで覚えない方がいいです。

カタカナを敬遠する理由として、ひとつだけ例を挙げます。wrongとlongをカタカナで表すと、どちらも「ローング」としか表記できません。この二つの単語の発音はまったく異なるのに、【r】でも【l】でもない日本語の「ロ」では話になりません。

これを解決するには、フォニックスの基礎を習得してから、少しずつ発音記号を覚えるしかありません。音声で読み上げてくれる電子辞書でもいいのですが、小学生向けの良いモデルが今のところありません。

英語辞書の定義の漢字にルビが振られていない

日本人の子どもにとって頭の痛い問題は「定義の漢字が読めない」ことです。

例えばimproveの意味を調べて「を改善する」と定義に書いてあったとします。「改」は小4、「善」は小6で習う漢字です。「かいぜんする」の意味は知っていても漢字を読めないのでストレスを感じてしまいます。

このような辞書は、常に大人が傍にいないと学習できないので不便です。

定義が難しすぎて理解できない

辞書の役割は、「知らない言葉を知っている言葉で説明してくれること」です。もし知っている言葉が少ないと、辞書を調べても意味がわからないことがしばしば起こります。

例えば、potential(潜在的な)をこの年齢の子どもに説明するのは至難の業です。このような抽象的な言葉や論理的な言葉は、小学5年生以降でなければ理解するのは難しいでしょう。

子ども向け辞書は用例が少なすぎる

子ども向けの辞書にありがちな特徴ですが、ほとんど用例(例文)がないものが見られます。訳語がいくつか書いてあるだけのものが多いです。

これではどのように単語を使うのか、まったくわかりません。exciting と excitedの違いは例文や解説で確認すると簡単に理解できます。でも、例文がないとなかなか使い分けは難しいです。

このように、「子ども向け」を意識するあまり収録語数や例文が極端に少ない辞書がほとんどです。また、子どもが未熟なことが原因で、発音記号を読めなかったり、定義の漢字を読めなかったり、意味を理解できなかったりします。

適切な辞書がほとんどないこの時期、子どもはどのように英語学習をすすめていったらよいのかについて考えてみます。

小学1年生~4年生はこうして乗り切る

私の息子も6歳から辞書の必要性を感じ始めました。インターナショナルスクールで毎日のように出される宿題で、知らない単語と格闘している様子を見て何とかしてあげたかったからです。でも、子どもに適した辞書がないことに私はそのとき初めて気がつきました。

結果としては、辞書を買わなくても大きな支障もなくボキャブラリーを増やせましたが、そのときの経験をもとにアドバイスをします。

基本語300語とフォニックスをマスターする

まず、基本語300語は一瞬で口から出てくるまで練習しましょう。覚えるべきは、子どもの生活空間の名詞、親子でよく使う動詞、簡単な挨拶などです。

この種の基本単語は辞書からではなく、たくさんの用例を通じて単語の持つ多面的なイメージを捉えることが大切です。幼児期にマスターしていれば問題ありません。

このレベルの単語を辞書で覚えようとすると相当効率が悪いです。試しに「be」を調べてください。be動詞は基本中の基本ですが、辞書の定義や用例が多すぎて読む気が失せます。

この種の単語は、使いながらイメージを固めていくのが一番です。

もう一つ大切なのは、小学校に入ったら初めて見た単語を何とか読める状態にしておくことです。つまり、フォニックス(音と綴りの規則)の基本を身につけることです。

フォニックスには例外もたくさんありますので、そのような単語は個別に覚えるしかありません。

基本語とフォニックスの基本を身につけるまでは、辞書は一切不要です。

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できるだけ辞書不要の教材を使用する

音読トレーニング(詳しくは「小学生から始める音読トレーニング(理論編)(実践編)」の記事を参考にしてください)は小学生にも非常に有効な英語学習です。私は息子に音読トレーニングをさせたとき、教材としてeラーニング(インターネットを利用した学習サイト)を利用していました。

字幕ON/OFFできる動画、文字だけプリントアウトできる機能は大変便利でした。さらに、そこで扱う単語のほとんどは「単語リスト」として見られました。ひらがなの定義、スピーカーのアイコンをクリックすると音声を再生できます。これは重宝しました。

このような教材を使用することで、辞書を使わずに英語学習をすることは可能です。

シソーラス(類語辞典)は役に立つ

日本の学習者にはあまりなじみがないかもしれませんが、シソーラス:Thesaurus(類語辞典)があります。英語は繰り返し同じ言葉を使用することをできるだけ避けるようにするのが基本です。英作文をするときはこのような辞書が必要です。
類語辞典

例えば、「おいしい」の意味で、tastyばかりを使ってはいけません。good, nice, delicious, scrumptiousなどで言い換えていくのです。「最初にdeliciousを使ったら、次はどの言葉で言い換えようか」と考えた時に使用するのがシソーラスの本来の使い方です。

でも、すでに知っている単語がある程度あるのなら、それをヒントに意味を調べることが可能です。例えば、giganticの意味を調べたいとき、シソーラスで調べると、very big, very largeなどの言葉を見つけることができ、「とても大きい」とわかるようになります。

具体的には子ども向けのCollins Junior Illustrated Thesaurusなどを利用するといいでしょう。英英辞典にやや似ていますが、別の単語に言い換えているだけなので子どもにも理解しやすいと思います。

どうしても必要ならこれがおすすめ

上記のような方法で英語学習をすすめていても、進度の速い子どもの場合、どうしても辞書を欲しくなることもあります。その場合は、『ジュニア・アンカー英和辞典エッセンシャル版』(学研)がおすすめです。

収録語数もそこそこありますし、定義がひらがなで読みやすいです。付録も充実していて、暇なときに眺めるだけでも勉強になります。中学生向けとして販売されていますが、小学生向けです。

小学5年生からはもう少し本格的な辞書が必要になりますが、それまでの橋渡し役として、十分な内容です。

子どもの辞書についてのQ&A

辞書に関する質問をまとめてみました。私もこれまでたくさんの辞書を購入してきましたが、レベルや目的によってときどき買い替えるものだと思っています。使いづらさやストレスを感じたら、さっさと買い替える方が良い結果を生み出します。

紙の辞書と電子辞書のどちらがいいか?

先ほどおすすめした子ども向けの辞書『ジュニア・アンカー英和・和英辞典』は紙の辞書です。今のところ電子辞書に収録されていないようです。この場合は紙の辞書を使うしかありません。

家で調べるための辞書なので、重量は問題ありません。

いろいろな意見があると思いますが、英検準2級を目標にし始めたら、私は高校生向けの電子辞書をおすすめします。

電子辞書高校生モデル

・文字をタイピングするので、綴りを覚えられる

単語を調べるときに文字をタイピングするので、スペリングミスに気がつきます。例えば、Wednesdayなどは子どもが間違えやすい綴りです。よくあるのはdを忘れるパターンです。探している単語が表示されないので「あれ?」と気がつくようになります。

電子辞書入力ミス

 

・検索が早い

単語を調べている時間は無意味です。読み方や意味を覚える方が大切です。紙の辞書よりも電子辞書の方が時間を節約できます。

私もよくやってしまいますが、調べ終わった後いったん閉じてしまい、もう一度確認したくなるときがあります。あれは本当に面倒です。電子辞書ならONにすればそのまま残っていますし、履歴から検索することも簡単です。

・発音記号を覚えられる

発音記号を覚えるときに、まず記号を見ながら口でつぶやいてみます。その次に電子辞書の読み上げ機能を使って耳から確認します。このような作業を繰り返すと、発音記号を正確に覚えることができます。

全ての単語に読み上げ機能のアイコンがあるわけではないので、発音記号を速く正確にマスターできる電子辞書は便利です。

電子辞書のメーカーが最も力を入れているのは、高校生向けのモデルです。価格と内容のバランスを考えると、最もコストパフォーマンスの高いモデルが揃っています。

小学生が使用するにはやや高度すぎますが、小中学生モデルはほとんど販売されていない現状では、高校生用から選ぶしかなさそうです。

電子辞書、それともスマホ(タブレット)の辞書アプリ?

結論からいうと、両方揃えたほうがいいです。調べたいときに手元にないと困るのが辞書です。電子辞書は紙の辞書に比べて持ち運びしやすいですが、常に手元にあるものでもありません。

小学生にスマホを持たせているお母さんは多いでしょうから、有料の辞書アプリを入れてあげましょう。中には数千円するアプリもありますが、やはり内容は充実しています。

私は履歴(ヒストリー)機能を活用して単語力の増強(ボキャビル)をしているので、そのときは電子辞書を利用しています。一方、ブツブツつぶやきながら会話練習するときは、携帯の辞書アプリを利用しています。

和英辞書、英英辞書は必要か?

・和英辞書

お母さんの中には「和英辞書」は不要と考える人も多いです。塾や学校では「和英辞書は使用するな」と指導されることもあるようです。

和英辞書不要論の根拠は「日本語に引きずられておかしな英語を覚えてしまう」からです。

極端な例を挙げると、誰かの意見に賛同するときの「その通り」を英語にしたいと考えます。このときthe street(その通り)を辞書で見つけて覚えてしまうから、ということです。

でも、これは日本語力の問題です。さすがにここまでの勘違いをする子どもはほとんどいないと思います。ちなみに正解は“You are right.”です。

和英辞書は正しく使うと、スピーキングやライティングのときに手放せないくらい便利です。私は普段の思考を英語で行うトレーニングをしていますが、表現できないようなことがたくさん出てきます。

OLEX

*オーレックス英和・和英辞典より

先日も高齢者ドライバーの事故が増加しているニュースを聴いたとき、「免許を返納するべきだ」と考えました。「返納する」にぴったりの表現がわからないので、スマホの辞書アプリで検索するとturn upがヒットしました。

英語なら、“They should turn up their driver’s license.” でしょうか。このように英語の発信力(スピーキングやライティング)を高めるときに、和英辞書は活躍します。極端な誤用を恐れて和英辞書を使わないのは、非常にもったいないです。

・英英辞書

日本で英語学習する子どもには、英英辞書は不要です。定義に使われている言葉の語彙レベルに到達していないので理解できないからです。

英英辞書を信奉している人たちは、「英語と日本語でぴったりと対応しない言葉があるから英語は英語で理解させるべき」と主張をします。でも、実際は一致している言葉も数多くあります。

例えばmicroscopeを英英辞書で調べると“an optical instrument used for viewing very small objects.”(微小な物を見るための光学機器)と定義されています。この意味を小学生は理解できるでしょうか?

英和辞書で調べれば「顕微鏡(けんびきょう)」と書いてあり、理解できない小学生はいないはずです。名詞であれば、ピクチャーディクショナリーを活用したほうがより簡単に分かります。いずれにしても英英辞書にこだわる理由はありません。

まとめ

英語学習に熱心なお母さんなら、子どもの辞書選びの難しさは共感していただけると思います。子どもの知りたい気持ちにストレートに返してくれる辞書が理想ですが、なかなか見つかりません。

基本単語が1000語に到達するまでは辞書なしで学習をすすめても何ら問題はありません。単語リスト付きの教材を利用して乗り切ってください。どうしても必要なら、選択肢は少ないですが子ども向きの辞書を購入しましょう。

辞書は一生使うものではなく、学習レベルに合わせて買い替えるものという認識が必要です。映画を観ているときに気になった知らない単語などはすぐに調べられるように手元に置いておきましょう。

英会話教室やオンライン英会話でも知らない単語が出てきて気になるようなら、メモに残しておいて調べる習慣をつけるようにしましょう。

楽しい動画が見られるリトルフォックスの単語学習機能を使うと発音(音声)と意味が文脈の中で身につきます。

子どもの英語学習にオススメ「英語絵本読み聞かせ」完全ガイド

先日、本棚の整理をしているとき、息子が幼稚園のころに読んでいた英語の絵本を見つけたことがあります。私が何度も読み聞かせした本で、厚紙でできているのにボロボロの状態でした。

懐かしくなりページをめくっていると、息子に英語を教え始めたときの記憶がよみがえってきました。今では英語が得意になった息子ですが、その原点は私が取り組んだ「英語絵本の読み聞かせ」にあったのだと思います。

ふり返ると、英語絵本の読み聞かせには「大きな効果」があったと確信しています。これから「子どもの英語教育を始めたい」と考えているお母さんにも、ぜひ絵本の読み聞かせに挑戦して欲しいです。

以下、初心者でも安心して取り組めるようにノウハウをまとめてみましたので、ぜひ参考にしてください。

英語絵本の読み聞かせで得られる3つの効果とは

我が家では、息子が3歳のときに初めて英語の絵本を与えました。以降、小学校入学までの数年間、いっしょに絵本を読む毎日を送っていました。この経験から、英語絵本の読み聞かせには「3つの効果」があったと確信しています。

  • 日常生活に英語を取り入れることができる
  • 英語の定着とボキャブラリーの増強が自然にできる
  • 英語絵本を通じて親子のきずなを深めることができる

それでは「3つの効果」について順番に解説していきます。
英語絵本

英語の絵本があれば日常生活に英語を取り入れることができる

まずは、私の恥ずかしい失敗談を紹介します。

息子に英語教育を始めようと思い立ったある朝のこと。ふとんで寝ていた息子に“Good morning!  It’s time to wake up.”(おはよう。もう起きる時間だよ)と英語で話しかけました。息子はけげんな顔をしてから突然起きあがり、母親の方へ走って逃げていきました。

突然父親がわけのわからない言葉を話し始めて、息子は薄気味悪かったのでしょう。英語教育の出鼻をくじかれて、私は「きっかけ作りに失敗した」と苦笑いするしかありませんでした。

そこで取り入れたのが「英語絵本の読み聞かせ」です。時間があるときに日本語の絵本を読んであげていたので、その中に英語の絵本を少しずつ混ぜていったのです。

結果的にはこれが功を奏しました。本読みタイムの中に英語を組み込むことができたのです。朝、突然英語で話しかけるような不自然さはまったくありません。ごく自然に、日常生活の中に英語を取り入れることに成功したのです。

1年くらい経ったころ、再び“Good morning!  It’s time to wake up.”を試しました。すると驚いたことに、日本語で「まだ眠いよ」と正しく反応していました。英語を聞いて逃げて行ったときから比べると、大きな成長です。

絵本を活用することで、英語を日常生活に取り入れることができます。これは、英語教育の初めの一歩としては大きな効果です。

英語の定着とボキャブラリーの増強が英語絵本で自然にできる

「小さい頃、海外に住んでいて英語を話していたのに、帰国したらすぐに英語を話せなくなった」という話をよく聞きます。帰国したら英語は「必要ない言語」として認識されるので、日常生活で英語に触れなければ当然忘れてしまいます。

一方で、「英語の本を読める子どもは、帰国後も英語力を維持したり、さらに伸ばしたりすることができる」という話もあります。要するに、音声だけで習得した言語は忘れやすく、読書ができるレベルに到達した言語は忘れにくいのです。

幼児向けの英会話教室では、子ども達は楽しい歌やゲームをしながら英語を学びます。しかし、「しばらくするとほとんど覚えていない」という問題が発生することがあります。これを防ぐためにも家庭での英語絵本の読み聞かせは非常に効果的です。

また、絵本を読む習慣はその後の「本格的な読書習慣」へとつながります。本格的な読書習慣が身につくと、英語のボキャブラリー(語彙)は文字通り爆発的に増えていきます。

「小学生で英検準1級を取得した」というニュースをたまに見かけます。詳しく記事を読むと、ほとんど例外なく大量の読書によって高度なボキャブラリーを習得しています。

このように、幼児期の英語の絵本には英語の定着を促す効果があります。そして、将来英語のボキャブラリーを爆発的に増やすための基礎となる読書習慣を身につけることができます。

英語絵本を通じて親子のきずなを深めることができる

初めのうちは、英語の絵本を5冊買ったらそのうちの2冊くらいにしか興味をしめしません。親が子どもの好みを充分に把握できていないことが最大の原因です。

男の子だからと思って、乗り物が主人公の絵本を買ってきてもそっぽを向かれることはよくあります。逆に、なにげなしに読んだ恐竜の絵本に、びっくりするほど食いついてくることもあります。

絵本は安くありません。無駄にしないためにも、親は一生懸命子どもの好みを理解しようと努めます。やさしい色づかいが好きなのか、派手な色がちりばめられたほうが喜ぶのか、などと注文するときに必死に考えます。

言葉が足りない幼児の好みを探るには、根気が必要です。しかし、このような試行錯誤を繰り返していくうちに、親子のギャップは確実に狭まります。1年くらい経つと、かなりの高確率で子どもが喜ぶ絵本を選ぶことができます。

このように、英語の絵本選びを通じて、親子のきずなを深めることができます。これも、読み聞かせの大きな効果のひとつなのです。

ここまで「日常生活に英語を取り入れることができる」「英語の定着とボキャブラリーの増強が自然にできる」「英語絵本を通じて親子のきずなを深めることができる」の3つの効果について説明しました。

慣れない英語での絵本の読み聞かせは大変です。しかし、あせらず、楽しみながら続けることで、このような効果を確実に得られます。英語絵本の読み聞かせには、挑戦する価値が充分にあるのです。

英語絵本の選び方

ここでは英語絵本の購入方法について説明します。実際に手に取って選びたいところですが、一部の大型書店(丸善・紀伊國屋書店・ジュンク堂など)でないと子ども向けの洋書がそろっていません。毎回そこまで足を運ぶのは大変です。

そのような場合はAmazonなどでネット注文するのが一般的です。ここでは「Amazonで2歳児用の絵本を探す」という場面を想定して購入方法を説明していきます。

Amazonで人気の英語絵本購入方法

Amazonでの購入方法は、次のような手順となります。

  • アマゾンのトップ画面のカテゴリから「本・コミック・雑誌&Audible」>洋書を選択

  • ジャンルの中から「Children’s Books(児童書)」を選択

amazon_洋書

  • 絞り込みのLanguage(言語)から英語(English)にチェックを入れる

Amazon_英語

  • カテゴリのAge RangeからBaby-2を選択

Amazon_age

初めての場合、子どもの好みがまだわかりません。とりあえず、カスタマーレビューの数が多く、ベストセラーになっているなかから数冊選んでみましょう。

Amazon_英語絵本

「ボードブック」と書いてある本は、すべてのページが厚紙でできています。小さい子どもは力の加減ができないので、普通の紙だとすぐに破けてしまいます。この点において、ボードブックは丈夫で安心です。

初めのうちは、絵が大きくハッキリとしているものが子の興味を惹きやすいです。また、ロングセラーになっている絵本は、リズムよく読めて繰り返しの表現が多く、子どもの記憶に残りやすいのでおすすめです。

半年ほどで徐々に子どもが好きそうな絵や色づかい、親子ともに楽しめる内容がわかるようになります。お気に入りの作家で揃えてみるのもおすすめです。

CD付きやタッチペン付きの英語絵本の活用法

英語の絵本には朗読が収録されたCDが付属しているものがあります。また、タッチペンで単語をなぞると音声が出てくるものもあります。ネイティブによる「正しい音声」が聞けますが、これらに頼り過ぎてはいけません。

私の経験上、子どもにとって最高の読み手は親です。それは親の声こそが最も記憶に残るように、子どもの脳がプログラムされているからです。たとえネイティブのように上手に読めなかったとしても、まったく問題ないのです。

普段はお母さんやお父さんが英語の読み聞かせをしてあげてください。そのうえで、CDの上手な活用法を紹介します。

例えば、車に乗ったときに音声CDを聞くのは効果的です。聞きなれた親の英語と異なる「本格的な英語」を耳にするので、最初は戸惑うかもしれません。

しかし慣れてくると、他の人の英語も理解するようになります。これがリスニング力の向上につながります。内容は何回も読んでいるものなので、英語のまま理解することができます。

ついでにお母さんも、オーバーラッピング(音声と同時に音読する練習)やシャドーイング(音声から数語遅れて追いかけて音読する練習)をしましょう。運転中に少し練習するだけでお母さんの英語力も上達します。

子ども向け「おすすめの英語絵本」について

私なりに「おすすめの英語絵本」はたくさんあるのですが、ここでは紹介しません。理由は、あれこれ無駄な買い物をしながら、一生懸命に子どもの好みを考える大切な機会を奪ってしまうからです。

どうしても参考にしたい場合は、インターネットの英語育児ブログなどで「おすすめの英語の絵本」がたくさん紹介されています。でもそれらはあくまでもその家の子どもが気に入った本であり、あなたの子どもが気に入るとは限りません。

英語の絵本はだいたい1,000円~2,000円くらいするので、子どもが気に入らないと親はがっかりします。しかし「せっかく買ったのだから」と無理に読ませてもいい結果につながらないので、そういうときはあきらめて欲しい人に譲りましょう。

子どもの心をギュッとつかむ「英語絵本の読み聞かせ」方法

上述のとおり、私は数年間、息子に英語絵本を読み聞かせしていました。その経験をもとに、最も子どもの心をつかめた読み方を紹介します。専門家からみるとダメなところ満載でしょうが、理屈よりも結果が大切であると感じています。

親・子ども・英語絵本の位置

大勢の前で読むときは、子ども達と向かい合うようにして本を読むのが普通です。しかし、自分の子どもに読むときは下の2枚の写真のような位置関係が理想です。

写真1「読み聞かせ(ヒザの上)」

写真1

写真1は、「子どもが親のひざの上に座る」パターンです。小さい子どもはこのポジションが大好きです。体が大きくなると子どもの頭が視野をさえぎるので、お母さんが本を読みにくくなるのが難点です。

写真2「読み聞かせ(となり)」

写真2

写真2は、「子どものとなりに親が座り、二人の中央に本を置く」パターンです。子どもの身体が大きくなってもこれなら大丈夫です。ただし、大人は長時間読むと足がしびれたり肩が凝ったりすることがあります。

私が読み聞かせするときに気をつけていたのは、「ページを子どもにめくらせる」ことと「読んでいるところを指でなぞる」の2つです。

「ページを子どもにめくらせる」役割を与えるだけで、子どもは喜びます。親子の息が合ってくると、ちょうどいいタイミングで子どもはページをめくるようになります。子どもに役割を与えることによって、読み聞かせはいっそう楽しくなります。

「読んでいるところを指でなぞる」のは、「今声に出して読んでいるところはここですよ」と教えるためです。しばらくすると知っている単語のところは自分で声に出して読むようになります。

他人に見られたら恥ずかしいくらいのノリで英語を読む

絵本の読み方について書かれたインターネットサイトを見ると、「子どもの想像力を狭めるような抑揚をつけた読み方はダメ」とアドバイスされています。専門家の意見は正しいかもしれませんが、これだと私自身が楽しくありません。実際、私はこれでもかというほど抑揚をつけて読んでいました。

擬音語も多用しました。本文に書いてなくても、動物が登場したら「ワンワン!」と鳴き声のマネをしたり、車が出てきたら「ブーン」とエンジンの効果音をつけたりしました。

さらに、英語の上達とはまったく関係ないことも取り入れました。楽しく読むために、アクションやスキンシップを組み合わせたのです。

例えば、“hen”(オンドリ)が出てきたら「コッコッコッ」と言いながら手でクチバシのマネをして、子どものお尻やお腹を突っつきます。子どもは逃げ回るので、ケガをしない程度に追いかけます。

そのうち、次のページをめくると「突っつかれる」とわかるので、逃げる準備をしながらめくるようになります。しばらくすると、ニヤニヤしながら「その本を読んで欲しい」と持ってくるので、実は子どもは喜んでいたはずです。

正直、仕事や日々の雑用で疲れていると、読み聞かせが負担に感じることもあります。でも、いろいろな工夫によって親子で盛り上がるようにしておくと、続ける原動力になるので無理のない範囲で取り入れてみてください。

一つの英語絵本から横に展開する:日常生活と結び付けよう

「横に展開する」とは、絵本の中に出てきた単語やフレーズを現実の世界でも使ってみたり、他の絵本の中で見つけてみたりすることです。

例えば、『Excuse Me!』という英語の絵本があります。その絵本では、“You burped!”(ゲップをしたよ)、“What do you say?”(なんていうのかな?)、“EXCUSE ME!”(失礼!)というパターンで話が展開されます。

これを現実の世界に応用するのです。食事中息子がゲップをしたとき、すかさず“What do you say?”と語りかけたことがあります。息子は「ああ、あのことか」と勘づき、“Excuse me!”と返事をしていました。

このようなやり取りは、絵本の読書体験を共有しているからこそできる芸当です。これを繰り返すことで、絵本の言葉が現実の世界とつながり忘れにくくなります。すぐに忘れてしまう英語ではなく、いつまでも覚えられる英語に変わるのです。

子どもの心をギュッとつかむ「英語絵本の読み聞かせ」方法はこれで終わりです。これらを意識して続けると、子どもは好きな英語の本を持ってくるようになります。これは子どもの心をつかめたサインなので、気持ちよく読んであげましょう。

絵本を卒業したら、動画サイトで本格的な英語学習をスタートしましょう。

子どもがハマる!楽しい動画サイトを活用した「リスニング学習法」動画セミナーはこちら

英語絵本読み聞かせQ&A

「英語絵本の読み聞かせ」に初めて挑戦するお母さんからのよくある質問に回答します。

親の英語が下手なので、子どもの英語に悪影響を及ぼさないでしょうか?

できれば流ちょうな英語で子どもに絵本を読んであげたい、という気持ちはわかります。しかし、そんなことを考えているといつまでたっても始めることができません。

英語の発音のポイントは、日本語にない音を意識することです。それだけでだいぶうまくなります。動画サイトなどで「英語 発音 トレーニング」のように検索すれば、参考になる動画が見られます。そのような動画を参考にして、この機会に少し練習してみるといいでしょう。

例えば、th(舌を上下の歯に挟んで空気を出す)とs(閉じた歯のすき間から空気を出す)を使い分けるとか、sh(静かにさせるときの「シー」に近い音)とsを使い分けるなどいくつかのポイントをおさえるだけで、英語っぽく聞こえます。

たとえ親の間違った発音を覚えてしまったとしても、その後修正する機会はいくらでもあります。付属のCDを車の中で聞いてもいいですし、英会話教室などに通う機会があったら講師の人に教えてもらえます。すべての責任を一人で負う必要はありません。

意味が分からない英単語は調べたほうがいいですか?

「気になって気持ちが悪い」と感じるなら、さっさと辞書で調べて発音と意味をチェックしたほうがすっきりします。子ども用の絵本なので、何十個も未知の単語が出てくることはありません。

ただし、絵本の文章の意味がすべて理解できるわけではありません。というのは、絵本ではrhyme(韻)を踏むために意味よりも語呂を優先させることがあり、ナンセンスな文がしばしば登場するからです。

このような文章に出会ったら、「そういうものだ」とおおらかな気持ちで受け入れるくらいでちょうどいいのです。

英語の絵本は何歳くらいから与えるのがいいですか?

言葉を話し出すのが2歳くらいからなので、そのころから少しずつ与えていっていいです。日本語もほとんど話せない時期なので、大きくカラフルな絵が描かれた絵本がおすすめです。

最初は子どもの語彙の増え方はゆっくりです。もどかしさを感じることもあるかもしれませんが、絶対にあせってはいけません。少しずつ、楽しみながら続けることが大切です。

いつになったら子どもは自分で絵本を読めるようになりますか?

自分で読めるようになるまでの時間は、英語に触れている時間や環境に大きく左右されます。しかし、いつか必ず読めるようになります。

私の息子の場合は、幼稚園の間はひとりで読めませんでした。文中に出てくる単語やフレーズを声に出して読む程度でした。

英文を一人で読めるようになったのは小学校に入ってからで、そのときには絵本は卒業していました。振り返ってみればたいした時間ではないのですが、その当時は「なかなか英語が読めるようにならないなあ」とちょっと心配したものです。

個人差があるので「いつ」とは断言できませんが、そのうち必ずひとりで読めるようになります。

子どものころの英語はすぐに忘れるから意味がないのでは?

たしかに子どものころに覚えた細かいことは、大人になると忘れがちです。しかし、だからといってその経験は無駄ではないはずです。

幼稚園で毎日何を習ったかと聞かれれれば、ほとんどの大人は覚えていません。では、幼稚園での経験や学習はすべて無駄だったのでしょうか? そんなことはありません。

ハッキリとした記憶としては残っていなくても、その後の学習の基礎として大切な何かを学んでいるからです。英語に関しても同じで、「英語を知ると絵本の世界が広がった」というたった一つの成功経験から、その後の人生がまったく違ったものになるはずです。

冒頭の話に戻りますが、本棚から出てきた6年前の絵本を9歳になった息子に見せました。すると「ああ、これ全部覚えているよ」と大まかなストーリーを語り出したのです。当時、英語は読めなかったはずなのに、ほとんど理解していたことを知り驚きました。

あらゆることに当てはまりますが、「人生で無駄な経験は何一つない」といえます。

まとめ

育児をしていて子どもの成長に感動する瞬間が何度もあります。初めて歩いたときのことは親なら誰でも覚えていることでしょう。

同様に英語絵本の読み聞かせをしていると、「小さい感動」を感じることができます。絵本で出てきた英単語を読めたり、絵本のフレーズを日常生活の絶好のタイミングで使えたりしたときは、続けてよかったなと心底思いました。

正直、10分程度のわずかな時間であっても子どものために英語の絵本を読んであげることは大変です。しかし、そんなことをしてあげられる時間はあっという間に過ぎます。後から振り返ると、かけがえのない貴重な時期だったことがわかります。

子どもがお気に入りの英語の絵本を手に取って「読んで欲しい」と持ってきたら、それだけでお母さんの読み聞かせは大成功です。

小学生になると絵本を卒業します。英語を忘れてしまう前に、英会話スクールなどを利用してそのまま英語学習につなげていきましょう。「英語は楽しい」という感情を持ち続ける限り、子どもは英語を学び続けます。

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