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子どもの英語教育は日本語に悪影響? カタカナ英語から考えてみる

「意識高い系」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。言葉や見た目を過剰に演出してすごい人に見せようとしているけれど、中身は大したことのない人を揶揄する言葉です。

代表的なのが「意識高い系ビジネスマン」です。彼らの特徴は、やたらとカタカナ英語を会話の中に盛り込んでくることです。私もこの種のビジネスマンを何人か知っています。

「最近は、コンプライアンス(compliance)が厳しいから…」「社内で〇〇のナレッジ (knowledge) をシェア (share) するため…」

  • コンプライアンス:法令遵守(ほうれいじゅんしゅ)
  • ナレッジ:知識
  • シェア:共有する

このような人達と会話をすると疲れます。頭の中で次のような処理を目まぐるしくしなければいけないからです。

コンプライアンスはcomplianceのことかな。comply withで「に従う」の意味だから、その名詞形だろう。文脈から判断して、決まりを守ることくらいの意味かな。ナレッジはknowledge、シェアはshareか。日本語にしてくれないかな…。

ここまでカタカナ英語を使いたければ、いっそ英語で話してくれたほうが聞きやすいです。

子どもの英語教育について批判するとき、「正しい日本語を身につけることを優先すべきだ」という議論がなされます。この意見についてはいろいろと反論できます。私は英語を学ぶことによって、むしろ正しい日本語を意識するようになると考えます。

今回はカタカナ英語についての私の考えや英語学習における注意点について解説します。

カタカナ英語の使いすぎが相手を不快にする理由とは

いわゆる「意識高い系」と呼ばれるビジネスマンの話を聞いていると、やたらとカタカナ英語が登場します。カタカナ英語とは、日本語で置き換え可能な言葉があるにもかかわらず、わざわざ使用される英語由来のカタカナです。

たとえば、アジェンダ(agenda)という単語は、会議の議題とか提案内容の意味です。日本語を話すときは「議題」「提案内容」などの言葉で置き換えたほうがわかりやすいのですが、なぜかアジェンダという言葉を使いたがる人がいます。

このような不要なカタカナ英語を聞くたびに私はイライラします。薄っぺらい英語の知識を見せびらかしている態度に腹を立てているのかと最初は思いました。しかし、じっくりと考えるともう少し深い理由が見えてきました。

話す目的は、相手に伝えるため

そもそも人が何かを話すときは、ひとり言以外は相手に何かを伝えるためです。そのため、相手が確実に自分の発言を理解してくれるように話すことがとても大切です。

子どもに話すときは子どもにわかるような言葉で会話をします。ある漫才師は若者の前で漫才をするときと、高齢者の前で漫才をするときでは話すスピードを変えるそうです。これも聞き手によりよく伝えるための配慮です。

しかし、カタカナ英語を乱用する人は相手に伝えることを第一の目的にしていません。相手がわからなさそうなカタカナ英語を使い、自分の知性のほうが優れていることを知らせようとしています。

不要なカタカナ英単語を連発する人に不快感を覚えるのは、相手の話す目的が本来あるべき姿から完全にズレているからです。

経団連会長の記者会見を見て

先日、経団連の中西会長が原発反対派への意見を記者会見で述べていたときのセリフです。

「エモーショナル(感情的)な反対運動について議論してもしょうがない」

また、脱炭素化のために原発比率を高めましょうという意図の発言をしたときのセリフです。

「皆様方がアクセプト(受け入れ)するなら、相当原子力の比率を高めるのが一番現実的」

エモーショナル(emotional: 感情的な)とかアクセプト(accept:受け入れる)などは、もともと「感情的な」「受け入れる」という日本語を使ったほうがより多くの人に理解してもらえます。

おそらく会長は自分の意見を多くの人に伝えたいわけではなく、自分の知性を見せつけるのが本心です。東大から米国の名門スタンフォード大に進み日立の最高経営責任者まで上り詰めたエリートですが、相手をおもんばかる心はなさそうです。

私は英語を子どもに教えていますが、英語の知識やテクニックだけでなく相手の立場に立つことを強調しています。

  • 英語が下手でも相手に聞こえるように大きい声で話すこと。→英語が下手で声が小さかったら、相手は聞く気をなくしてしまうから。
  • 何か質問されたら、答えだけでなくプラス1センテンスを心がけること→自分に興味を持ってくれたのだから、話を膨らませてより話しやすい雰囲気を作るため。

このような気遣いが気持ちのいいコミュニケーションの基本です。カタカナ英語を乱用する人にはこのような視点が欠けています。

カタカナ英語は英語学習の大敵か?

カタカナ英語に否定的な私ですが、英語学習には活用できる部分があると感じています。たとえば某有名ダイエット系のCMで「結果にコミットする」というコピーがあります。

コミットという耳慣れない言葉を聞いたときに、ほとんどの人は聞き流してしまうかもしれません。子どもとテレビを見ていてこのような言葉に出会ったら、お母さんと元の英単語を調べる習慣をつけましょう。そうすると子どもの英語のボキャブラリー向上に役立ちます。

commitというのは動詞で受身形やcommit oneself on/ to doの形で「~に献身する、を誓う」という意味です。使い方が難しい動詞です。前述のCMは、「(ダイエットの)結果を出すことに献身します(誓います)」という意味です。

日本語なので文脈は明瞭ですしCMの映像も明確に思い出せるので、commitの意味を忘れません。このような方法で難しい英単語も割と簡単に覚えることができます。

このように意味を覚えるには重宝するカタカナ英語ですが、しょせん偽物です。本物の英語とは異なるためいくつかの点に注意しなければなりません。

発音とアクセントは元の英単語をきちんと学ぶ

カタカナで覚えても英語のスキルは向上しません。かならず元の英単語をきちんと調べて正しい発音とアクセントを覚えるようにしましょう。カタカナで発音しても通じないことが多いのでスペリングを確認しながら何度も音読することが大切です。

また、辞書をしらべると使い方についても情報が掲載されています。先ほどのcommitが「~に献身する」という意味で使われるときは、受け身かcommit oneself on/ to doの形になります。

このような勉強をしないで「commit=献身する」と暗記しても、実際の会話ではまったく使えないので注意しましょう。

音節の数の違い、音の違い、アクセントの違い

カタカナ英語がダメな理由について詳しく説明します。ここではわかりやすくするために、「orange: オレンジ」という単語を例に挙げます。

・日本語は基本的に母音が連続する

「オレンジ」をローマ字で表記すると「o re n ji」です。3つの母音(赤字)が連続しているのがわかります。4つの音で構成されています。

一方、英語のスペリングはorange【ɔrinʤ】で母音は2つだけです。音節と呼ばれる音のかたまりで分けるとor・rangeとなり2音節からなる単語であることがわかります。

カタカナ英語では4つの音で発音され、英語では2つの音で読まれます。カタカナ読みをするとネイティブにはまったく別の単語に聞こえるためどんなにゆっくり発音しても通じないことになります。

・音の違い

オレンジの「レ」は、英語の r と l のどちらの音とも異なります。日本人は r も l も「ラ行」で表現するため、同じ音として処理します。つまり、ネイティブは聞いたこともない「レ」の音が入ることにより、その音からorangeのスペリングに結びつきません。

r と l については日本人が苦手な音として取り上げられる代表的な例です。日本人の英語学習者としては、聞き分けることはできなくても、発音を分けられるように練習することが必要です。正直なところ私も聞き分けられるか微妙なところですが、自分が発音するときは明確に分けています。

日本語で使われるカタカナ英語に出会ったら、新しい単語を覚えるチャンスです。日本語で文脈を理解しながら意味を覚えるため覚えやすいのが特徴です。

しかし、カタカナ英語のまま覚えても通じる英語は身につきません。かならず元の英単語を辞書で調べて正しい発音・アクセントと使い方について確認するようにしましょう。

英語を学ぶほど、カタカナ英語を使わなくなる理由

私は30年以上英語を学んでいますが、カタカナ英語を普段の日本語の会話に混ぜることはありません。同様に、私が知っている英語上級者でコミットやアクセプトなどのわかりにくいカタカナ英語を使う人に会ったことがありません。

一方、英語が得意でない人の中にはこのような単語をやたらと使用する人がいます。どうやら、英語を学んだ人ほど正しい日本語を好む傾向があるようです。これには理由があります。まず、カタカナ英語を使うことが気持ちが悪いのです。

この気持ちの悪さは、英語の音を無理やりカタカナに直した発音からくるものと、文法上の気持ち悪さが原因です。commitは受け身やcommit oneselfの使い方をするのに、普通の動詞と同じように「結果にコミットする」と使うとどうにも気持ちが悪いのです。

カタカナ英語を抵抗なく使えるということは、間違った発音や使い方にも抵抗を感じないということです。英語を学べば学ぶほどこのようなカタカナ英語をできるだけ避けたいと考えるのは当然です。

次に、長年の英語学習を通じていかに相手に自分の言いたいことを正しく伝えるかを考える習慣が作られます。そのため、相手に伝わらないかもしれない変なカタカナ英語を使うという発想が出てきません。

私の経験から、英語のレベルがある程度以上になると、変なカタカナ英語を使わなくなります。それは発音や文法上の気持ち悪さを感じるだけでなく、わかりやすいような言葉を選ぶという相手への配慮が養われるからです。

ときどき子どもの英語教育について否定的な人から「英語よりも日本語教育の充実のほうが優先されるべき」という主張を聞きます。

これについてはいろいろと反論の材料はあるのですが、英語学習を通してより正しい日本語を使おうという意識が高まるのは間違いありません。将来社会人になったときに相手にわかってもらえる日本語を話せる人に育って欲しいと思います。

音読トレーニングを長期間していると地に足のついた英語力が身につきます。

まとめ

コミュニケーションの基本は相手に自分の考えを伝えることです。カタカナ英語を乱用する人には、この観点が欠けています。聞き手側に立つと、文脈からその単語がどのような意味なのかを推測しなければならず、非常に負担となります。

英語学習の面ではカタカナ英語はマイナス面ばかりではありません。意味を覚えるには、日本語で文脈を与えられるため、かなり好都合です。

しかし、発音・アクセント・語法など本来の英単語を調べて覚えないと、英語として使いこなすことはできないので注意しましょう。

英語学習を長年続けている人ほど、カタカナ英語を使わない傾向があります。元の英単語を知っているので発音をカタカナ化することへの抵抗感があるからです。

英語学習では英語で自分の意見を確実に伝えることを学びます。日本語を話すときは、相手に伝わりやすい言葉を選ぶように自然と意識が働きます。そのため、英語レベルの高い人はやたらとカタカナ英語を使うことはありません。

英語ばかりを学ぶと日本語が乱れると短絡的に考えるのは間違いです。反対に、英語学習を通じてより正しい日本語を使うことへの意識が高まることが期待できます。子どものころからの英語教育に不安を感じている方への参考になれば幸いです。

中学受験の英語入試について

我が家には小学生の子どもがいますが私立中学の受験は考えておらず、割とのんびりと生活しています。日が暮れるまで校庭で遊び、帰ってから宿題をやる程度の毎日です。

一方、私の住む地域では教育熱心な家庭が多く、中学受験に向けて夜遅くまで塾に通う小学生が大勢います。夜9時頃の塾帰りの小学生を見て「小学生なのにすごいな」と感心していました。

先日何気なく塾のチラシを読んでいると、「中学受験で英語入試を採用する学校が増加している」という記事がありました。大学入試改革における英語4技能の総合評価と小学校での英語の教科化の影響です。

中学受験の英語試験について私はこれまでまったく知識がありませんでした。しかし、中学受験における英語入試についていろいろと調べてみたところ、いろいろと学びがありました。小学生の子どもを持つお母さんで中学受験を検討されている方に、私なりの見解を交えて解説します。

中学受験で英語入試を実施する学校は年々増加

首都圏模試センターの資料によると、2019年首都圏中学入試での「英語(選択)入試」(帰国生入試以外)の実施校は私立と国立を合わせて125校でした。5年前の2014年はわずかに15校だったことを考えると、大幅に増加しています。

*詳しい資料はこちらからダウンロード:https://www.syutoken-mosi.co.jp/blog/upload/a09cfcb8651fbddc970d8acb8d509148_7.pdf
(首都圏模試センター)

資料を細かく調べると、試験形態や英語を含めた科目数はバラバラです。それぞれの学校が独自の基準を設けて、試行錯誤している様子がわかります。基本的な問題を出す学校から、小学生向けとは思えないような難問を出す学校まで難易度もさまざまです。

中学受験の英語入試2つのタイプとは

中学受験の英語入試には大きく2つのタイプがあります。一つ目は、帰国子女向けの英語入試です。親の海外勤務に帯同し海外で教育を受けた子どもが、中学受験を機に帰国するケースを想定しています。

生徒募集要項にある「帰国生入試」はこれに該当します。出願資格には、海外在留期間〇年以上などの条件があります。

もう一つのタイプは、日本で生まれ育った普通の小学生が対象の「英語選択入試」です。英語を小学校の間学び、英語が得意科目なのでそれを活かして受験したい、という子どものために一般入試の一形式として英語を選択できるケースです。英語は選択科目であり、受験に必ず必要ではないところがポイントです。

この場合、英語以外の科目については学校ごとに異なりますが、下記のうちのいずれかに分類されます。

国語、算数、英語から2科目選択
算数と英語の2科目で受験
英語のみの1科目で受験

近年増加しているのは、上記のうちのいずれかによる一般入試における英語選択入試です。次に、超難関校や難関校での英語試験導入についての動向について調べてみました。

中学受験:超難関校では英語入試は未実施

「英語選択入試」を採用している中学校は、つい最近までは中堅・下位校だけでした。しかし、2017年から難関校でも徐々に採用されるようになり、2019年度入試では慶応湘南藤沢中等部でも「英語選択入試」がスタートしました。

一方、私のように中学受験に疎い者でも聞いたことのある御三家(麻布・開成・武蔵・桜蔭・雙葉・女子学院)においては、2019年時点では未実施です。

これらの超難関校に入学できるくらいの能力ならば、中学から英語を学んでも大学受験の頃には余裕で英検準1級レベルに到達するでしょう。そのためこれらの学校ではあえて英語を入試科目に入れる必要はない、と判断しているのかもしれません。

中学入試:難関校の英語入試のレベル

超難関校では様子見が続いていますが、難関校では少しずつ英語選択入試を導入する学校が増えています。そこで、実際の英語試験のレベルはどの程度のものなのかを調べてみました。

実際に英語入試問題がインターネット上に公開されている学校から、関西の難関校である「西大和学園中学校」の英語入試問題を参考にしました(2018年度英語重視型A方式筆記問題・東京会場)。

西大和学園中学校の英語入試問題の紹介

まず、問題用紙の表紙から度肝を抜かれました。目次や注意書きがすべて英語で書かれています。受験生はあらかじめ塾などで何が書かれているかを予習するのでしょうが、小学生向けの試験とは思えない仕様です。

・Section 1: Error identification 文法や語法の誤りを見つける問題(15問)

選択肢をよく見ると、「d 間違いがない」が含まれており、これが難易度を上げています。あいまいな文法理解では正答できない問題で、英検2級に合格できるくらいの英語力が必要です。

・Section 2: Choosing the appropriate words 文中の空欄に適した語句を選ぶ問題(15問)

過去形と現在分詞形の違い・関係代名詞の正確な知識・高度な語彙が求められます。全問正解する必要はないのでしょうが、私にもわからない単語が含まれている問題がありました。

・Section 3: Choosing the best response to the prompt 質問に対する適切な応答を選ぶ問題(10問)

前のセクションと比較すれば、やや易しめの問題ですが、あとに長文が控えているので悩んでいる時間はありません。

・Reading Comprehension  長文の内容一致問題(2問)

長文の内容一致問題が二つ(それぞれ5問)あります。英検2~準1級レベルのリーディング力が求められます。

正確さだけでなく、圧倒的な速読力が必要です。前半の問題で20分かけたとしたら、一つの長文には答える時間も含めて10分しかかけられません。

海外のインターナショナルスクールに3年半通った息子は、ハリーポッターシリーズを英語で読めますが、この問題を解かせたところ制限時間ギリギリでした(10問中9問正解)。日本で生まれ育った小学生にこの英語力を求めるとは、もう笑うしかありません。

西大和学園中学校の英語入試は相当難しい

私が過去問を見たところ、問題のレベルは英検2級相当の生徒なら6割くらいは正答できます。しかし、英検2級よりも難易度が高いと感じることが2つあります。

一つ目は解答時間が短いことです。相当な速読力が求められており、同じ文を繰り返し読み直す時間的余裕はありません。

二つ目は扱われるテーマや語彙レベルの高さです。長文ではハッブル宇宙望遠鏡やイギリスの児童文学作家のロアルド・ダールによる『チャーリーとチョコレート工場』がテーマです。これらの知識がなくても解答はできるでしょうが、ある程度の予備知識がなければ小学生でこの内容を理解できる子どもはかなり限られます。

難易度をまとめると、文法力は英検2級レベル、リーディングに関しては英検準1級に近い英語力がなければ高得点を取るのは難しいテストです。

結局、合否を決めるのは日頃の英語トレーニングの質と量です。こちらの動画セミナーで詳しく説明しています。

中学入試:難関校を本気で英語入試で受けるためのプラン

ここまで読んだほとんどのお母さんは「そんなの無理」と思ったことでしょう。実際、その通りで普通に英語を習ったくらいでは、小学6年生でこのテストに自信をもって解答できる子はほとんどいないでしょう。

さすがにこのレベルになると、生まれつきの頭の良さが絶対に必要です。もちろん相応の努力も必要です。ここまで読んでもチャレンジしたい、と思う小学生やお母さんのために一応、私なりのプランを考えてみました。

  • 小学6年生の夏前までには英検2級取得が最低ライン

難易度から判断すると、小学6年生の6月の英検までには2級を取得しなければなりません。ギリギリの合格ではダメで、あまり試験対策をしなくても余裕をもって合格できるくらいの英語力が必要です。

小学6年生の夏からは文法・語法の細かい知識を完成させつつ、多読と精読に時間をかけてリーディング力を向上させましょう。リーディングだけなら準1級に合格できるくらいの結果が欲しいです。

  • 小学3年生から本格的な英語学習をスタート

逆算すると、どんなに遅くても小学3年生になったらすぐに本格的な英語学習に取り組まなければいけません。中学レベルの英語は1年半~2年で完成(英検3級レベル)させましょう。

ワークブックに取り組むだけでは不充分です。早い段階から、多読に取り組むことも大切です。使用語彙数が限定された英語の本を日常的に読む習慣を身につけましょう。

英検2級の取得前後からは、語彙数を多少強引に伸ばすことも必要です。具体的には単語帳などを活用しながら、暗記に励む努力が求められます。

  • 一般教養も必須

先述のとおり長文で扱われる内容が高度なため、普段から幅広い分野に興味を持つことが大切です。テスト勉強だけでなく、図書館やインターネットなどを活用しながら自ら調べるような習慣が厚みのある知識や教養を作ります。

難関校の中学受験で英語を選択する場合は、相当な時間と努力が必要です。英語を選択できる入試が増えているとはいえ、複数校を受験することを考えると効率の良い方法とはいえない気がします。

英語が好きでたまらなくて何時間勉強しても苦にならず、抜群に英語力が伸びる生徒に限定されそうです。難関校の英語試験については、私はこのように感じました。

中学受験と英語学習の継続は可能か

中学受験の詳細については私は素人です。しかし、メディアなどの情報から相当大変であることは理解できます。受験科目としてではなく、子どもに英語を習わせ続けるかどうか悩むお母さんも多いかもしれません。

私は、中学受験の勉強をしながら、受験に必須ではない英語を学習し続けることは難しいと推測します。英語は教科の中でも成果が表れるまでに最も時間がかかる科目です。限られた時間のなかで、中学受験と英語学習を両立させるのは困難です。本格的な受験勉強に取り組むならそちらを優先させるほうが効率がいいのは間違いありません。

  • 本気で英語入試に絞る子ども以外はおすすめできない

このように考えると、難関校を志望する場合、あえて英語を選択する小学生はどのような子どもでしょうか。

何らかの事情で海外の学校に数年通っていて、英語の基礎がすでにありつつ国語や算数もできる生徒。
神童レベルで何を学んでもすぐに吸収してしまう生徒。
英語が好きでたまらなくて、大人がビックリするほど急激に英語力が伸びる生徒。

このような条件から「帰国生よりも該当者が少ないのでは」と私は感じました。

  • 中学校の意図がわからない

中学受験の対象のほとんどは私立なので、それぞれ学校の独自性があっていいと思います。しかし、中学入学前までにこのようなハイレベルな英語力を課して、その後の6年間をどのように教育するつもりなのか私のレベルでは理解できません。

このような難問を8割以上正答できる生徒なら、あと1年英語の授業を受ければほとんどの大学に合格できます。中学生で英検1級に合格も可能でしょう。残りの5年間、英語の教師は何か教えることが残っているのでしょうか?

私が無知なだけで、もっと高度な英語力を養成するプログラムがあるのかもしれません。いろいろと調べた結果、世の中には実にいろいろな学校があり、スーパーエリートの子どもがいるものだとあらためて感じました。

まとめ

中学受験において、帰国子女以外の生徒が受ける「英語選択入試」を採用する学校が急激に増加しています。最難関校では今のところ英語は導入されていませんが、一部の難関校には少しずつ広がっています。

難関校で実際に出題された過去問を見ると、小学生が受けるとは思えないほどのハイレベルな問題です。日本で生まれ育った普通の小学生が本気で英語で受験するとなると、努力だけでなく才能も必要です。

普通の中学受験を選択するなら、英語学習との両立は困難なのでやめたほうがいいでしょう。

それにしても入学前に英検準1級相当の英語力を持った小学生が、中学・高校の6年間でどのような英語教育を受けるのでしょうか。私にはわかりませんが、想像を超えた世界であることは間違いなさそうです。

小学生が英検3級に合格する単語の覚え方

英単語の暗記を「楽しい」と感じる人はほとんどいません。必死に覚えても翌日には大半を忘れてしまい、やる気はみるみる低下していきます。私も最初の10ページくらいで単語帳を放り出した経験が何度かあります。

それでも何とか覚えたのは、やはり高校入試・大学受験など大切な「試験」があったからです。もし試験がなかったら、今の半分も英単語を覚えていなかったでしょう。

そう考えると、小学生で英検3級に合格するのは大変です。しかし、これを機会に中学卒業程度の語彙力を身につけたとしたら、英語の世界が広がり大きな武器になるのは間違いありません。そこで、小学生が英検3級に合格するための単語学習法について解説します。

英検3級に必要な単語数は1300語

英検3級の難易度は「中学卒業程度」とされており、小学生が英検3級に合格するのは決して簡単ではありません。単語に関しては1300語を知らないと問題を理解できません。しかし、時間をかけて計画的・効率的に取り組めば小学生でも合格は可能です。

英検3級以上はリーディングとリスニングだけでなく、ライティングとスピーキングも課されていて、4技能(聴く・話す・読む・書く)をバランスよく問う内容となっています。

それぞれの技能は単独で成立しているわけではなく相互に深く影響しています。4技能の中心にあるのは文法と単語力です。英語4技能と単語・文法学習の関係を整理したものを下の図にまとめました。

4skills

上の相関図を見てわかるのは、特定の技能のトレーニングをしていても常に他の技能や「単語・文法」が関連することです。例えば、リスニング力を向上させるために英語を聴くことはもちろん有効ですが、速読力(リーディング)も深く関連します。

単語力の増強についても同じことがあてはまります。つまり単語帳を使って暗記するだけが単語学習ではなく、文法学習や4技能のトレーニングと常に関連づけることを意識するようにしましょう。

英検3級合格の基準となる1300の英単語を小学生が覚えるためには工夫が必要です。根性だけで暗記しようとしても挫折します。無理に単語学習を強制すれば子どもは英語嫌いになってしまいます。

単語学習とは意味がわかる単語数を増やすだけではありません。日本語から英語に直せる数を増やすことも大切です。例えば「important」を見て「大切な」という意味であることを思い出せるのは単語学習の第一段階です。

しかし、話したり書いたりするためには「大切な」という日本語から「important」を瞬時に思い出すことが必要です。つまり意味だけ覚えている単語数を増やすだけでなく、「使える英単語」を増やすことも大切です。

下の図では同じ単語数を習得しているAさんとBさんの英語力を比較しています。両者の違いは「使える単語数」の違いです。同じ単語数を習得していても、使える単語数が圧倒的に多いBさんのほうがスピーキングやライティングにおいて有利です。
使える単語が多いと
英検3級からは4技能をバランスよく試されます。単語集で意味を暗記するだけでは不充分で、意味がわかるだけの単語を使える単語に変えていく努力が必要になります。

英検4級に合格しておこう

小学生が英検3級に挑戦するなら、その前に英検4級を取得しておきましょう。英検4級に出てくる単語レベルは600語程度です。そこまでをきっちりと覚えておけば、ゼロから1300語を覚えるよりはるかに楽だからです。

大学受験を経験したお母さんなら共感していただけると思いますが、知らない単語だらけの単語帳を暗記するのは本当に苦痛です。単語帳を開いたときに3分の1程度は意味がわかる状態なら、小学生でも前向きに単語学習に取り組めます。

英検3級合格に必要な残りの700語については単語帳を使用しながら、とりあえず意味がわかる単語を増やしておきましょう。英検3級の単語を小学生でも効率よく勉強するための具体的な方法について解説します。

小学生が英検3級に合格するための効果的な単語勉強法

小学生が英検3級対策として単語を覚えるとき、教材として「単語帳(紙の本)」「単語カード(自作)」「単語アプリ」の選択肢があります。私のおススメは単語帳です。

単語カードは作成に手間がかかり、持ち運びに適していないのでどこでも学習できるものではありません。単語アプリについては上手に使えば便利かもしれませんが、小学生はスマートフォンを使用するとゲームなどに夢中になり学習に集中できなくなる可能性が高いです。

単語帳は定番の『でる順パス単英検3級』(旺文社)を購入しましょう。試験に出る頻度(でる度A~C)で品詞別(動詞、名詞、形容詞・副詞その他)に構成されています。単語帳の最初ほど重要な単語が掲載されているので、途中で放棄したとしても最重要単語はカバーできます。

でる順パス単英検3級+赤シート
本の厚さは1センチ弱で、収録語数に圧倒されて気が滅入ることはありません。付属の暗記用の赤い半透明のシートを使用すると赤く印刷された訳語の文字が見えなくなり暗記に便利です。また、無料ですべての単語の音声が無料でダウンロードできるので、正確な発音を知ることができます。
でる度

この単語集にはbe satisfied with(に満足している)などの熟語やtake your time(ゆっくりしてください)などの会話表現も収録されていて、覚える優先順位が高いものばかりです。単語以外の熟語と会話表現も覚えてしまいましょう。

単語帳を購入するのは、暗記用に使用するだけでなく「辞書代わり」に便利だからです。小学生向けの英和辞典は出版されていますが、説明が不足していたりカタカナで読み方が書いてあったりするのであまりオススメできるものがありません。

本格的な英和辞典は漢字にルビがないため、定義の日本語が読めません。役に立たない英和辞書をわざわざ購入するくらいなら、英検3級の単語帳のほうが役に立ちます。

発音記号を覚えて単語学習を加速させる

『でる順パス単英検3級』はよくできた単語集ですが、欠点もあります。それは単語にすべてカタカナが振ってあることです。例えばfindには「ふアインド」と書いてあります。

日本語の「ふ」と英語の【f】の音は全く異なります。子どもにとってはカタカナのほうが覚えやすいので、どんなに注意してもカタカナ読みの癖がついてしまいます。

カタカナ読みの弊害は深刻です。リスニングで【f】で発音されても、覚えた「ふ」の音と異なるため聴き取りできません。また、誤った発音をしていると相手に理解してもらえません。学習初期の段階でカタカナ読みを排除することが重要です。
カタカナを消す
カタカナ読みをさせないために、お母さんはカタカナを黒く塗りつぶしてしまいましょう。面倒な作業ですが、カタカナで覚えてしまった子どもを後で矯正するほうがもっと手間がかかります。

次に発音記号を子どもに教えてしまいましょう。「発音記号なんて小学生には難しすぎる」と考えるお母さんもいるかもしれません。しかし、発音記号を覚えるのはそれほど難しくなく単語学習においてメリットが大きいのです。

覚え方はとても簡単です。子どもがすでに正しく読める単語を利用して、それと発音記号を見比べさせながら学習します。例えば、「animal」が読めれば【æ】(aとeが並んだ記号)がどのような音に対応しているかがわかります。

発音記号の多くはアルファベットと同じです。特殊な記号(ð, ʃ, ŋ, θなど)だけ覚えれば、発音記号はすぐにマスターできます。

発音記号が読めると初めて見る単語でも、とりあえず正しく発音することができます。いちいちCDで音声を確認する手間も省けて単語学習を効率的に進めることができます。わずかな期間でマスターできるので、この機会に発音記号を覚えましょう。

初めのうち子どもは自分の読み方に不安を感じるかもしれません。その場合はCDを再生して、発音記号からイメージした音と実際の音を比べながら修正しましょう。

動詞とその他(名詞・形容詞・副詞)で単語の覚え方を変えよう

先述のとおり、『でる順パス単英検3級』では「出る度(頻度)」により単語が配列されています。最も頻度が高いものは「出る度A」に収録されています。さらに品詞(動詞、名詞、形容詞・副詞・その他)によりカテゴリーが分かれています。

この分類を上手に利用して、覚え方に変化をつけるのがコツです。名詞・形容詞・副詞については、単語帳から暗記していくやり方で大丈夫です。しかし、動詞は活用(原形・過去形・過去分詞形)や使い方のルールを含めて覚える必要があります。

例えば「give=を与える」と覚えても、過去形(gave)過去分詞形(given)まで含めて覚えないと役に立ちません。これらの変化は文法学習と関連していて、受け身や現在完了を学ぶ前に過去分詞形を丸暗記してもあまり意味がありません。

また、動詞の用法についても理解しなくてはいけませn。「enjoy=を楽しむ」と覚えるだけでは不充分です。「~することを楽しむ」はenjoy + -ingで表現し、enjoy + to doとは使えないルールまで含めて覚えなければいけません。

このように動詞については、語形変化や使用法まで含めた知識の学習が必要です。単に意味だけ暗記しても使い物にならないので、英検3級の基本動詞は単語帳での暗記には向いていません。動詞は飛ばして、他の品詞から暗記しましょう。

一方、動詞以外の名詞・形容詞・副詞についてはとりあえず一つの訳語を覚えておきましょう。多義語(複数の意味がある言葉)もありますが、それは少しずつ慣れていけばいいことです。

進学校の生徒に学ぶ単語学習の極意とは

なお、私の近所に東大合格者が多い進学校があります。朝・夕は交差点で信号待ちをする生徒を見かけますが、初めて彼らを見たときに驚いたことがありました。

信号が赤に変わり歩道で立ち止まると、すぐに英単語集を開いてブツブツつぶやきながら単語を覚えています。青信号に変わるまで1分半、単語の暗記は続きます。
進学校生徒
さらに駅で電車待ちするときも、その高校の生徒だけは単語集を暗記しています。とにかくマメに単語集を開いて、わずかな時間でも集中して暗記しています。

私が高校生の頃はそんなことをした経験がないので、「さすが超進学校は違うなあ」と感心してしまいました。

あるとき私は英検1級の単語集を購入し暗記しようとしました。しかし、知らない単語が続出して挫折しそうになりました。そこで、進学校の生徒を参考にして、「スマホをポケットから取り出すときは必ず単語集を一度開く」という自分独自のルールを設定しました。

意味なくスマホを使おうとする回数は予想以上で、1日10回以上は単語集を開き、暗記をする習慣ができました。英検1級の単語はあまりなじみのない単語ばかりでしたが、毎日頻繁に眺めるうちにほとんど覚えられるようになりました。

正直言って、私は暗記が大の苦手です。高校時代は世界史・日本史で赤点を取り続け苦労したくらいです。そんな私でさえ難しいとされる英検1級の単語を覚えられたので、頻繁に復習するという勉強法は効果が高いといえます。

この経験から、単語学習の究極のコツは「高頻度の復習」です。数分間でいいので、何度も何度も繰り返しブツブツ単語を読みながら意味を復習していると、覚えにくい単語が徐々に減っていきます。

わざわざ単語学習の時間を設けて机に向かうのではなく、一日で何度も単語帳を開いてブツブツつぶやきながら覚えるようにしましょう。覚えてもすぐに忘れるのは普通のことです。気にせず、頻繁に復習することを習慣化するだけで単語は攻略できます。

ちなみに英検1級の単語を覚えたあとは、それまで難しかった英語の小説を少し楽に読めるようになり、ボキャブラリー増強の効果を実感できました。

多読と並行して取り組む

英検3級を目指すなら多読にもチャレンジしましょう。長い文章を読むことに慣れておくと、英検の読解問題を長いと感じなくなります。

子どもの英語力に見合った洋書の選び方を紹介します。アマゾンのトップページのカテゴリーから洋書を選びます。
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画面左側おすすめのところに「難易度別リーディングガイド」の項目があるのでこれをクリックします。
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すると「Lexile指数」という指標が現れます。これは語彙の難易度や構文の複雑さなどから、読解力を数値化したものです。現在英検4級レベルならLexile指数は300L前後から始めるといいです。これはアメリカの小学1年生のレベルに相当します。
アマゾンのLexile指数子どもの興味関心に合わせて本を選ぶのは初めはなかなか大変ですが、子どもがハマったときにはお母さんもきっとうれしいはずです。

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単語集では1単語につき一つの意味を対応させて覚えました。しかし、多読をすると同じ単語でも文脈によって複数の意味やニュアンスがあることが次第に理解できるようになります。豊かな語彙力を形成するためにも、子どもに多読をさせましょう。

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ボキャブラリーの増強がリスニング強化にもつながる理由とは

ボキャブラリーを増やし多読・速読に慣れてくると、リスニング力の向上にもつながります。英語上級者には常識になっている「知らない言葉は聴いてもわからない」という格言のようなものがあります。

子どもの頃、NHKのニュースを聞いても意味がわからなかった経験は誰でもあるはずです。語彙力が乏しいので「大統領は対抗措置として経済制裁を辞さない考えを示しました」と聞いても、子どもには意味がわかりません。

リスニング力の向上につながる単語学習とは、とにかく「正しい発音で読めること」を意識することです。知らない単語を見つけるとつい意味にばかり気を取られてしまいますが、最初にやるべきことは正しい発音ができることです。

もし知っている単語なのに聴き取れなかったときは、誤った発音で覚えてしまっている可能性があります。特にカタカナ読みを充てている場合は、リスニングが苦手になってしまう可能性が高く注意が必要です。

このように単語は単語帳だけでなく、多読やリスニングなどと関連させながら行われるべきです。お母さんは「3級を取得しさえばいい」という短期的な考え方をせずに、しっかりとした土台を築くようにさせましょう。

・使える単語を増やすには使うしかない

単語帳を使って単語の意味を暗記することは問題ありません。しかし、意味がわかるだけの単語を「使える単語」に変えることも必要です。

使える単語を増やすには実際に使うしかありません。普段使用しているテキストの「日本語訳を見ながら英語に直してみる」のはとても有効な勉強法です。

音読練習の途中でこの口頭英作文の訓練を取り入れておけば、少しずつ使える単語の数も増えていきます。紙に書くのも悪くはありませんが、時間がかかるのであまりおすすめはしません。口頭でテキパキと作文をするほうが大量の英作文に取り組めます。

さらにオンライン英会話のサービスなどを利用して、定期的に英語を話す機会を設けるようにしましょう。インプットとアウトプットを大量に行うことで、使える単語の数は増えていきます。

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まとめ

英検3級合格に必要な単語数はおよそ1300語です。単語帳を使って意味がわかる単語数を増やすだけでなく、単語の数も増やす必要があります。単語が増えると英語学習の効率が上がるので、早い段階から少しずつ取り組むことが大切です。

英検3級の合格を狙うなら、単語集は一冊揃えておきましょう。重要度と品詞別に分けられているので、最初のページから取り組めば効率のよい単語学習が可能です。この際、発音記号を覚えて正しい発音が瞬時にわかる状態にしておくと、学習効率が飛躍的に向上します。

単語帳に掲載されている単語を一様に覚えるのはやめましょう。名詞・形容詞・副詞などはそのまま暗記しても問題ありません。しかし、動詞は文法学習と関連させながら覚えるほうが使える知識となります。

ある程度暗記ができたら多読にも取り組みましょう。語彙力の向上はリスニングにも良い結果をもたらします。スピーキングやライティング力を伸ばすためにも、普段から口頭英作文の訓練を心がけましょう。

小手先の単語学習だけしかしなければ将来の伸びしろは期待できません。本物の英語力が身に付くように、子どもをサポートしましょう。

小学生の子どもが英語を話せるようになる方法とは

「英語をしゃべるとバカになる」という話を聞いたことがあるでしょうか。英語を話すには高度な情報処理が必要です。脳がその作業に追われてしまい、肝心の話す内容がおろそかになってしまうらしいのです。そのため話す内容のレベルが低下して「バカ」になるというものです。

私も海外で英語を使う仕事をした時期がありましたが、苦労したのが夕食の席でした。お酒を飲みながらのコミュニケーションは予想以上に大変でした。酔うと簡単な単語さえも思い出せずに、言いたいことの半分も言えなくなってしまいます。英語を話すと脳に負担がかかっていることが実感できました。

英語教育に関心のあるお母さんなら子どもには「英語ペラペラ」になって欲しいと思うはずです。しかし現実、英語ペラペラの小学生はほとんどいません。なぜなら、英語を話すのは小学生では難しすぎるからです。

ただ、英会話の仕組みと難しい部分を意識すれば、対策がハッキリと見えてきます。今回の記事では、小学生でもスピーキング力を伸ばせる有効なトレーニング法を紹介します。

英語を話す人の頭の中はどうなっているか

私たち日本人にとって日本語は母国語です。「言いたい何か」を頭に思い浮かべれば瞬時に日本語の文が口から出てきます。このとき日本語の文法を意識することはありません。人間の本能により文法を自然と身につけた結果です。

この能力は7歳くらいで急速に衰え、たとえ外国語の環境に移動しても日本語を覚えたようには自然と身につけるのは困難になります。外国語を身につけるためには勉強をするしかありません。

もちろん、子どもの中にはネイティブではないのに英語をスラスラと話せる人がいます。彼らを見ていると「なぜあんなにスラスラと英語を話せるのだろう」と不思議に思うかもしれません。でも、頭の中の活動を細かく見ていくと、決して簡単に話しているわけではないことがわかります。

ここでは「英語を話す」という行為を段階に分けて図で説明します。このプロセスを正確に理解したあとに、「小学生でも英語をペラペラと話すことができるか」について考えてみます。

第1段階:状況を把握し、言いたいことを思い浮かべる

まず、言葉に出す前に「状況」があります。例えば「レストランで友人と食事をしているシチュエーション」です。最近起きた出来事や考えたことなどをお互い話しながら、ランチを楽しんでいる状況です。

状況が明確になると、使用する英語の丁寧さが決まります。誰かの了解を得るなら、かしこまった場では“Would you mind~?”を使用し、友達なら“Is it OK if~?”で充分です。話すときの状況は英語表現に影響を与えるので大切な要素です。
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そして次に「言いたい何か」を頭に思い浮かべます。この時点ではボンヤリとしたイメージのです。例えば、次のようなことが該当します。

目の前にいる友人はグルメ好きである。そういえばここに来る途中、レストランの前にオープン待ちの長い行列ができていた…。そうだ、この話を友人に教えてあげよう!

この時点では「言いたい何か」は言語化されていません。イメージと感情が合わさったボンヤリとしたものです。次の第2段階で、このボンヤリとしたものを言語(英語)で伝えます。

第2段階:単語力と文法力

ではこのボンヤリとしたイメージを言葉に変えるにはどうしたらいいのでしょうか。それには2つの要素が不可欠です。それは「単語力」と「文法力」です。すでに説明したとおり、8歳以上の日本人は単語も文法も自然に身につきません。学習が必要です。
speaking2

先ほどのイメージを日本語にすると「ここに来る途中そのレストランのそばを通ったら、オープンを待つ長い行列があった」となります。この文を作るために必要な主な単語を挙げてみます。

walk past:~のそばを通る(歩く)
on one’s way here:ここへ来る途中
a long queue (line):長い行列
wait for:~を待つ

次にこれらの単語を組み立てるために必要な「文法」の学習項目を挙げてみます。

・分詞構文
・現在分詞の限定用法
・過去形
・to不定詞

ネイティブなら6歳の子どもでも言える内容です。ただ、日本人が英語で話すにはこれだけの知識が必要です。単語のレベルは中学校レベルです。文法に関していえば分詞構文は高校英語、その他は中学英語です。

では、高校生まで英語を真面目に学習していれば、この英語がすぐに口から出てくるのでしょうか。答えはノーです。なぜなら、「知っているだけ」の知識では「使えない」からです。もう少し詳しく解説します。

第3段階:必要な情報を引っ張り出せる能力

そもそも、たくさんある単語の中から適切な言葉を選んだり、使えそうな文法事項がすぐに頭に思い浮かべられたりできるまでには相当な訓練が必要です。何年も前に習ったことでも一瞬で引っ張り出せなければいけません。
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頭で覚えているうちは「ただの知識」です。学校の英語の授業では、教科書を読み先生の説明を聞いて、問題集などに取り組みながら正しい知識を身につけられます。しかし、どんなに内容を理解してもこれでは「知っているだけ」です。

「知っているだけ」から「使いこなせる」までのレベルには相当な差があると思ってください。頭で覚えるのではなく「口の筋肉に覚え込ませる」くらいの訓練が必要です。話すためには「話す」訓練をしなければいけません。

第4段階:正しい発音で声に出す

最後にようやく英語を話します。

Walking past the restaurant on my way here, I saw a long queue waiting for it to open.
(ここに来る途中レストランのそばを通ったら、オープン待ちの長い行列を見たよ)

このときに英語を日常的に使用する人達がストレスなく聴き取れる発音ができなければ、相手には伝わりません。単語を正しい発音で覚えるのはもちろん、英文となったときに特徴的な音の変化(消失・連結・変化)やイントネーションも身につけなければいけません。

発音に関してはネイティブレベルにこだわる必要はありません。世界で英語を使って日常的にコミュニケーションをしている人のうち、ネイティブは2割程度であり、残りはノンネイティブだからです。どこの国の人にも伝わる「標準的な英語」を話すことが肝心です。

上記のように、日本人が英語をスラスラと話すためには4つのステップをクリアしないといけません。さらに英会話を難しくしているのは「時間」です。「イメージ」から「発話」まで少なくとも2秒以内に処理しないと会話が間延びしてしまいます。

短時間に高度な処理をしつつ、話し終わる前に次の内容のイメージを思い浮かべなければいけません。英会話は簡単にできるものではなく、長期的な訓練が必要です。

自由な英会話は小学生には難しすぎる

では「小学生でも英語がペラペラと話せるかどうか」について検証します。

スピーキング練習で効果的なのは、「普段自分が日本語で話している内容どんどん英語にして、話せる表現を増やしていく」という方法です。これを続けるだけで、どんどんスピーキング力は向上していきます。高校生以上ならどんどんやるべきです。

ところが、小学生にこのトレーニングをやらせてもうまくいきません。その原因について説明します。

文法力・単語力が低すぎる

まず語彙力が低すぎます。一般的な小学5~6年生の語彙力(ボキャブラリーレベル)は、せいぜい300語程度です。これは言葉を話し始めた2歳児と同じくらいのレベルです。これでは小学5年生が普段考えることを英語で表現するのは不可能です。

自分の思考を自由に表現するには最低2000語レベルの語彙力(大学受験レベル)が必要です。根拠は、学習者向け英英辞書として定評のあるロングマンで定義に使われる語彙が2000語レベルだからです。2000語を使いこなせれば、ほとんどの表現を網羅できる証拠です。

もう一つの大きな問題は、文法を知らなさすぎることです。小学校では本格的な文法学習はしません。「主語+動詞+目的語…」の基本的な語順でさえも理解しているか怪しいレベルです。これでは英文を組み立てることができません。

文法力と単語力が低いレベルにもかかわらず、「さあ、自由に英語を話してごらん」と呼びかけても無言になるのは当然です。

「言いたいこと」と「言えること」のギャップが大きすぎてストレスになる

この事情がわかっていないネイティブや英語の先生は「間違いを恐れるから話さない」と勘違いしています。そうではなくて「話せない」のです。
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「言いたい何か」と「実際に言えるレベル」の格差が大きすぎて、子どもにはストレスがかかります。これを繰り返していくと子どもたちは英語嫌いになっていきます。

日常会話は「自由工作」

「普段自分が日本語で話している内容をどんどん英語にして、話せる表現を増やしていく」という方法は、例えるなら自由工作のです。「何を作っても何を使ってもいいから」はかえって難しいです。

何を作るか、どのような材料が必要か、使える工具はどれか、色はどうするかなど考えなければいけないことが多すぎます。

夏休みになると書店では工作キットのコーナーが設置されます。これは、自由工作の悩みから解放されたい子どもや親達の需要があるからです。

日常会話は小学生には難しすぎる

結論ですが、小学生の間に英語をペラペラと話せるようにはなりません。小学生のうちに英語ペラペラになることはほぼ不可能です。

しかし問題ありません。実は小学生でも取り組める効果的なスピーキングのトレーニング方法があります。それは「音読」です。スピーキングだけでなく、英語にかかわるすべての技能の向上が期待できます。小学生のうちから始めると中学生になればメキメキと英語力が向上します。

小学生でも取り組める「音読」とその効果について、以下詳しく説明します。

音読練習が効果的

英語学習において「音読」が効果的であることは、昔から知られています。でも多くの人は正確に音読の効果について理解できていません。そのため、ただ文字を読み上げるだけとか、流行りの「シャドウイング」だけ取り組んで効果を実感できずにいます。

音読練習は「プラモデル」のようなもの

大人向けのスピーキング練習方法が自由工作なら、音読練習は「プラモデル」です。音読トレーニングの詳細を下の図にまとめました。
ondoku1

プラモデルの特徴は「作るものはあらかじめ決められていて、必要な材料はすべて揃っている」ということです。そして指定された通りにパーツを組み立てると、誰でも格好いいロボットや車などを組み立てられます。

音読トレーニングには原稿(スクリプト)と音源(モデルリーディング)が用意されています。自由に話す代わりに、ネイティブの話す正しい英語をあたかも自分の言葉として声に出して読みます。

これなら12歳の知的レベルに近い内容を扱えるので、子どものストレスはかなり軽減されます。

パーツが単語、組立説明書は文法

実際のスピーキングでは、どの単語と文法を使うかを一瞬で考えなければいけません。しかし、小学生はほとんど単語も文法も知りません。そのため英語で話せる内容は非常に限られてしまいます。

音読では原稿があり、使用すべき単語と文法が用意されている状態です。これはあたかもプラモデルでパーツ(単語)と組立説明書(文法)が一式箱に入っているようなものです。

英会話の最も難しい部分(適切な単語と文法を選ぶこと)を「あらかじめ用意」してあげます。こうしてハードルを下げて、小学生でも英会話の疑似体験ができるようになります。

音読の具体例

実際の音読練習がどのようなものかを理解するために、具体例を見ながら体験してみましょう。まず、教材を用意しなければいけません。最低限必要なのは、「ネイティブによるモデル・リーディング(模範となる音読)を録音したもの(CD/録音データなど)」とそれを文字に起こした「スクリプト(原稿)」の2つです。

*私の知り合いのPaul先生にお願いして、オリジナル教材を作ってみました

・音声ファイル

https://hi5kids.net/wp-content/uploads/2018/09/音読素材.mp3

・スクリプト

Hello, my name is Paul.  (こんにちは、私の名前はポールです)
I’m from America. (わたしはアメリカから来ました)
This mug is on the shelf.  (このマグカップは棚にあります)
These mugs are also on the shelf. (これらのマグも棚にあります)
This mug is beautiful.  (このマグは美しいです)
These mugs are plain. (これらのマグは味気ないです)
This camera is old.  (このカメラは古いです)
This camera is new. (このカメラは新しいです)
Old camera, new camera.  (古いカメラに、新しいカメラ)
Smile! (笑って!)
This is a little pen.  (これは小さいペンです)
This is a big pen. (これは大きいペンです)
Little pen, big pen. (小さいペンに、大きいペン)
This is not a toy. (これはおもちゃではありません)
This is a real pen. (これは本物のペンです)
Dear Mother, (お母さんへ)
This is Paul.  (こちらはポールです)
That’s me! (それ、私のことですよ!)

子どもの場合、原稿が読まれている状況を理解するのが難しいことがあります。原稿が読まれている状況がひと目でわかる動画もあると理想的です。

・動画

 

一回の原稿の量はおよそ70語が良いでしょう。これは聴き取りやすいスピード(120語/分)で読まれた場合、40秒前後で完結する文量だからです。これくらいの長さなら小学生でも集中力を切らさずに取り組めます。

また一つのスクリプトにつき文法テーマを1つに絞ったものが理想です。イメージは中学校の英語の教科書です。中学校の英語教科書は内容が退屈であることが欠点ですが、音読用の素材としては優れています。今回の素材なら「This is~やThese are~」がターゲットとなる表現です。

音読練習の方法は多岐に渡り、ここではすべてを紹介できません。そこで、そのうちのひとつ「シャドウイング」と呼ばれる練習方法について説明します。前提条件として、単語や文法を充分に理解して、正しい発音で音読できる状態になっていることが求められます。

シャドウイングではスクリプトは一切見ません。音声を流し、聞こえてきた英語をそっくりそのまま真似をしながら後からついていきます。およそモデル音声から2~3語遅れてついていくのが理想です。

音への集中力が必要です。単語と文法を熟知しているはずなので、正しく聴き取れるはずです。「知らない単語は聴き取れない」とよく言われますが、「覚えたからこそ聞きとれる」ということを体感できることに意義があります。

最初は音を追うだけで精一杯です。しかし、慣れてきたら内容も理解しながら、自分が誰かに話しかけるようにしゃべると学習効果が高まります。このときに動画があると比較的容易に映像を思い浮かべることができます。これこそが「英会話の疑似体験」です。

このようなトレーニングを年単位で続けることにより、少しずつ自由に英語を話すための基本ができあがります。

音読トレーニングは英語の全ての技能を高める

今回はスピーキングに焦点を当てて紹介しています。でも音読トレーニングが優れているのは、英語にかかわるすべての技能を向上させる効果があることです。下の図の黄色いハイライトの部分に注目しましょう。
4技能+2

まず、素材となる原稿を読む(Reading)ことから始めます。このときに未習の単語や文法を学び(単語力・文法力)内容を理解します。

次に音読にはモデルとなるネイティブの音声を使用します。この音声を何度も聞きながら声に出すトレーニングをします(Listening・Speaking)。音読するときはこの原稿が読まれている状況を考えることが大切です(丁寧さの使い分け)。

声に出すときは、それぞれの単語の発音とアクセントに気をつかうのはもちろん、英語特有の音の変化(消失・連結・変化)をまねます。そして内容によっては感情も込めます。

音読の最終段階では、ディクテーション(口述筆記)をします。聞こえた英文を文字に書いて、正しく聴き取れたかどうかをチェックします。このときに綴りや文法のミスにも気づくので、Writing力を伸ばせます。

先述のように、普通の小学生は英語をペラペラと話すことはできません。

でもプラモデルのように「会話を疑似体験できるセット」を用意してあげれば、スピーキング力を中心に英語のあらゆる技能を伸ばすことが可能です。音読トレーニングは小学生だけでなく英語の基礎を身につけた中級者にとっても効果的です。

オンライン英語塾(1対1の完全個人指導)では、英検4級以上の生徒には音読トレーニングを取り入れています。詳細はこちらをクリック!

まとめ

ノンネイティブが英語を話すとき、頭の中の活動は想像以上に複雑です。特に、イメージを言葉にするときに「必要な単語」と「必要な文法」を瞬時に引っ張り出すにはかなりのトレーニングが必要です。

語彙力や文法力が低い小学生に、自由な英会話の練習をさせようとしてもうまくいきません。単語や文法のインプットが不十分だからです。普通の小学生が英語をペラペラと話せるようにはならないのは当然のことです。

しかし、小学生でもスピーキング力を磨く練習をすることは可能です。それは「音読」です。音読では自由な英会話では難しかった部分(適切な単語と文法を瞬時に思いつく)があらかじめ用意されています。

「言いたい何か」をイメージするところから、音声として話すまでの過程で必要なすべての情報がプラモデルのキットのように準備されています。これにより、実際の英語力よりも高いレベルの会話を扱うことができて、年齢相応の内容を話す疑似体験が可能になります。

「小学生が英語ペラペラ」になることはほぼ不可能です。でも、音読トレーニングを通じてスピーキング力を他の技能とともに伸ばすことは充分可能です。年単位で続ければ近い将来あなたの子どもの英語力は劇的に伸びます。

紛らわしい「comeとgo」を小学生でも攻略できる方法

私の父は九州の出身です。私は関東で育ちましたが、ときどき父の言葉で妙にひっかかる表現がありました。その一つは父が母に向かって言う「じぶん」でした。「じぶん、これから買い物行くの?」という具合でした。

私にとって「自分」は私(I)のことです。しかし文脈上、あきらかに父は「あなた」の意味で「じぶん」と呼びかけています。実は西日本では割と普通の表現であることを知ったときは本当に驚きました。

ここでのポイントは、視点の移動です。父の「じぶん」は、母の視点に立った「わたし」のことです。日本人だけでなく外国人も同じような使い方をすることから、人間にはときどき相手の立場になって語りかける性質があるようです。

今回のテーマである「come」は基本動詞ですが、ある条件が揃うときまさに「視点の移動」が適用されます。そのため反対の意味を持つ「go」と混乱してしまいます。

comeとgoは超基本単語です。しかし、使い方にはコツが必要です。日本で育った子どもは日本人の発想で英語を話そうとするため間違えがちです。状況を与えながら考えていけば子どもにも理解できるので、お母さんからきちんと説明してあげましょう。

comeを使うときは「相手の立場で」考えよう

普段、私たちは自分の視点から物事を見ています。そして言葉を話すときも基本的には自分から見た話をします。

ところがたまに相手の視点に意識を切り替えて話すこともあります。例えば、お母さんが子どもに向かって「お母さん、おやつを冷蔵庫に入れておいたからあとで食べてね」と語りかけたとします。

このときお母さんは自分のことを「お母さん」と呼んでいます。これは明らかに「子どもから見た視点」に意識を変化させている証拠です。西日本の人は相手に向かって「じぶん(あなた)」と話すのと似ています。

英語の基本動詞であるcome(来る)を使うときも、話し手の意識は「相手の視点」に切り替わることがあります。そのため動詞のgoと混乱してしまう子どもが多いです。ポイントさえつかめば子どもにも簡単に理解できます。

comeの意味は「来る」でOK

試しに英英辞典(オックスフォード新英英辞典)でcomeの定義を調べてみましょう。

come: move or travel towards or into a place thought of as near or familiar to the speaker.
(話し手に近いほうへ移動する)例文:Jess came into the kitchen.(ジェスはキッチンに来た)

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この例文の語り手は「私」です。私はすでにキッチンにいて、そこにジェスが来たからcomeを使って表現しています。「話し手(=私)のほうに移動する」に相当する日本語は「来る」で間違いなさそうです。

では、相手がキッチンにいて呼ばれたとき「僕は行くよ」と答えるときはどうでしょうか? 「行く」のだから「I’m going.」と考えがちですが、正解は「I’m coming.」です。その理由について以下詳述します。

相手の立場(聞き手の視点)に立つのがポイント

聞き手(you)のところへ行くときはcomeを使います。なぜならこの場合に限っては、視点が聞き手(you)に移動するからです。
come2

 

相手のほうへ移動するときに限っては「相手からの視点に移る」のです。

大切なポイントなのでもう一度繰り返します。相手のほうへ移動するときに限っては、「相手からの視点に移して」comeを使用します。

come homeそれともgo home?

理解を確かなものにするために、少し頭のトレーニングをしましょう。お母さんは子どもと一緒に考えてみて下さい。

(状況)あなたは友達の誕生パーティーに呼ばれました。

問題1.出かける前に、お母さんからWhere are you going?と質問されました。正しいほうを選びなさい。

I’m (going/ coming) to the birthday party.

問題2.誕生バーティ―に向かう途中、誕生日を迎える友達から「今どこ?」と電話がありました。答え方で正しいほうを選びなさい。

I’m (going/ coming) soon.

問題3.パーティーの途中、遅れてくる予定の友人Kから電話がありました。「あと5分でそっちに行くよ」という内容でした。電話を切ったあと、パーティー会場の仲間に「Kはあと5分で着くよ」と伝えるとき、どちらが正しいでしょうか?

K is (going/ coming) here in 5 minutes.

問題4.誕生パーティーも終わりが近づき、そろそろ家に帰る時間になりました。友達に「もう家に帰らないと」と伝えるとき、正しいほうを選びなさい。

I have to (go/ come) home now.

問題5.家のお母さんから電話があり「そろそろ帰らないとダメよ」と言われました。「もうすぐ家に帰るよ」と伝えるとき、正しいほうを選びなさい。

I’m (going/ coming) home soon.

解答

問題1.going
解説:聞き手はお母さんです。パーティーの場所は友達のところです。私のところに来るわけでもなく、聞き手のお母さんのところに行くわけでもありません。したがって離れた場所に行くので「going」が正解です。問題2.coming
解説:聞き手はあなた(友達)です。あなたの方向へ行く場合は、「あなた」に視点を移します。したがってcomingが正解です。問題3.coming
解説:これはcomeの本来の意味「(自分のほうへ)来る」意味なので、comingが正解です。

問題4.go
解説:家に帰るということは、聞き手からも自分のほうにも向かわないのでgoが正解です。

問題5.coming
解説:聞き手(お母さん)のほうへ向かうので、相手の立場に切り替えます。よってcomeが正解です。

comeとgoの使い分けはできましたか? ひとつだけ見分けるコツをお伝えします。それは「to you」を付けられるときは「come」を使う、というルールです。

例えば、ホテルで滞在中、フロントから電話がありました。「フロントで〇〇さんがお待ちです」といわれて「すぐに行きます」と伝えたいとき

I’m coming (to you) soon. →I’m coming soon.

となります。

相手の立場になって動詞を使う感覚は日本語にはない発想です。子どもが慣れるまでは時間がかかるかもしれません。しかし、日常的に頻繁に使う単語なのでマスターできるようにサポートしてあげましょう。

まとめ

comeは超基本動詞で意味は「来る」で間違いありません。基本的には「自分のほうへ移動する」ということです。ところが、自宅で待つお母さんに向かって「すぐに行くよ」の場合はgoではなくcomeを使います。I’m coming soon.が正解です。

comeとgoの使い分けを難しくしているのは、「あなたのほうへ移動する」条件のときのみ「視点が相手に移動するから」です。聞き手であるお母さんから見れば私は「来る」のでcomeを使用します。

一度理屈を理解し、あとは状況のなかで瞬時に使い分けができるようにトレーニングするしかありません。もし子どもの英語を聞いていて変だなと感じたら、お母さんからわかりやすく説明してあげましょう。

小学生が覚えておきたい「基本英単語」の取扱説明書

「基本単語」と聞いたとき、ほとんどのお母さんは「簡単な単語」というイメージを抱くかもしれません。このイメージは半分正しく半分間違っています。簡単であるがゆえに最も使用頻度が高く、自由自在に単語を使いこなすことが求められるからです。

また簡単な単語ほど定義がたくさんある傾向があります。例えばreinstate(を復職させる)は英検1級レベルの単語です。辞書を引くと項目は数個で終了です。一方、基本単語のplayを辞書で引くと、多くの定義が並んでいてどれを覚えたらいいのか困るほどです。

基本単語を覚えるときには、英語を見て日本語の訳を答えられるだけでは不十分です。今回は、基本語を子どもに学ばせるとき注意すべきポイントについて解説します。

お母さんに協力をお願いしたいのは、根気よく子どもを見守ることです。単語はすぐには覚えられません。意味を忘れたからといって怒らずに、子どもを励ましながらボキャブラリーの定着を目指すのが理想です。

基本単語はすべてアクティブ・ボキャブラリーとして考えよう

小学生のうちに覚えたほうがいい単語数を600語程度と仮定します。これは中学2年生程度(英検4級)に相当します。中学校での必修語は1500語くらいまで増えることを想定すると、入学前にその4割を覚えておかないと取りこぼしが発生します。

ここで問題になるのは、「どの程度まで単語を学ぶか」です。その単語を「読んだときに意味がわかる程度」なのか、「日本語から瞬時に英語が口から出せるレベル」なのかでは学習方法も所要時間もまったく異なります。

小学生が学ぶ単語は「超基本語」ばかりなので、最終的には「日本語から瞬時に英語が口から出せるレベル」を目指しましょう。これは「スピーキング」や「ライティング」で使える単語にすることです。いわゆる「アクティブ・ボキャブラリー」にすることが目標です。

4技能で使いこなせる状態が目標

アクティブ・ボキャブラリーとして基本動詞を覚えるということは、4技能(リスニング・スピーキング・リーディング・ライティング)すべてにおいて活用できることを意味します。例を挙げて説明します。

基本動詞のひとつaskについて取り上げます。単語を覚えるときは最初に正しい発音(読み方)から入ります。電子辞書や先生が発音した音をよく聞いて学びます(リスニング)。次に中核となる意味とイメージを覚えます(リーディング)。

ask: たずねる、頼む

頼む

「パッシブ・ボキャブラリー(受信型の語彙)」の学習はここまでです。続いて「アクティブ・ボキャブラリー(発信型の語彙)」にするための訓練です。

単語を会話(スピーキング)で使うためには、よく使われる組み合わせを覚える必要があります。例えば「ask a question: 質問をする」「ask sb to do: 人に~するように頼む」「ask for: を求める」などが該当します。
*sb=somebodyのことで人が置かれる

最後に正しい綴りを覚え、文法の知識と絡めながら過去形はaskedになることを覚えるとライティングで活用できるようになります。

このように基本単語とは「頻繁に使用される言葉」であり、「覚えるのがやさしい単語」ではありません。運用法まで深く学ぶ必要があるため覚えるのは大変です。

名詞は「単語→イメージ」

具体的な名詞は日本語訳ではなく「瞬時にイメージできるかどうか」が重要です。特に普通名詞の場合はこれが当てはまります。

具体的な名詞は、そのものを思い浮かべればいいので簡単です。一方、抽象名詞は半ば強引にでも具体的なイメージを持つように子どもにアドバイスしましょう。そのほうが英語の処理速度が向上し使える単語になっていきます。

例えばhealth(健康)を覚えるときに、「健康」の訳語だけを暗記しても子どもの場合すぐに忘れてしまいます。そこからもう一歩すすめて、いかにも健康そうな人をイメージしてみることが大切です。

health

動詞・形容詞・副詞はコロケーションで覚える

先述のとおり、会話で単語を使えるようにするためには「コロケーション」で覚えることが必要です。コロケーションとは「ある単語とよく使われる組み合わせ」のことです。

例えばgoなら「go to school: 学校に行く」「go home: 家に帰る」が基本的なコロケーションになります。

覚え方は何度も暗唱するしかありません。紙に書くのも悪くはありませんが、数をこなすのが必要なので時間の制約上、口頭練習が基本です。正直とても大変なトレーニングですが、これを乗り切らないといつまで経ってもアクティブ・ボキャブラリーになりません。

多義語攻略は読書で鍛える

多義語とは「ひとつの単語で複数の意味を持つ単語」のことです。まじめな子どもは単語帳や辞書に書いてある日本語の意味をすべて覚えようとしますが、挫折するのがオチです。

多義語の攻略法は、まず中核になる意味を一つ覚えます。そしてできるだけそこから意味を広げられるようにイメージを柔軟に持つように心がけることが大切です。

次に、できるだけ英語での読書を習慣づけることです。基本単語はさまざまな文脈の中で繰り返し登場します。すると最初に覚えた「中核となる意味」から大きく外れる使い方をされていると違和感を抱くことがあります。

例えば「book=本」と覚えている子どもが、読書中に次のような文章に出会ったとします。

Jim’s father booked a large room at the hotel.

まずbookにedがついていることから動詞の過去形であることが推測されます。でもbookは本という意味しか知りませんから「違和感」を覚えます。

そこで先生に聞いたり辞書を調べたりすると「bookには予約する」意味があることを学びます。ここまでは少し勉強のできる子どもなら普通にやれるでしょう。でも、ここで終わらせてはいけません。

もう一つ踏み込んで「なぜ、本のbookが予約するという意味になるか」をしっかりと考えます。丸暗記よりも「なぜ?」を大切にして本質的な理解を目指します。

古い洋画を見ればホテルで予約を受けるときは宿泊名簿に記入しているシーンがあります。あの台帳がbook(本)であり、そこから動詞として使われるようになったことが想像できます。

このように読書を通じて多様な文脈の中で違和感を覚えるたびにチェックし、さらにそれを知っている知識と結び付けてみることで記憶は強化されていきます。

単語は覚えたようにしか身につかない

子どもの単語学習をサポートするにあたり、ひとつの原則を知っておく必要があります。それは「単語は覚えたようにしか身につかない」ことです。

英単語から訳語だけを結び付けて覚えると主に「リーディング」に使える単語となります。でも、その他のリスニング・スピーキング・ライティングの分野においてはあまり期待できません。なぜなら、そのような訓練をしていないからです。

さまざまなアプローチから単語を学ぶために最も効率のよい学習法は「音読トレーニング」です。決して楽ではありませんが、4技能と文法の能力を総動員することで「使える単語」が身につきます。

リスニングを伸ばす音読トレーニングについては、こちらの動画セミナーで紹介しています。

3色ボールペンの活用法

基本単語を学ぶときに便利なツールとして「3色ボールペン」があります。色の組み合わせは黒・青・赤がいいです。この3色ボールペンを使った基本単語の覚え方を紹介します(ここでは例として動詞の「listen」を覚えます)。

まず、先生の発音・CD・電子辞書の読み上げ機能などを使って正しい発音を覚えます。繰り返し子どもに発音させます。もちろん【l】と【r】の区別ができているかもきちんとチェックします。くれぐれもカタカナ読みで妥協しないように注意しましょう。

次に紙(広告の裏などでよい)を用意します。そして、音節(音のかたまり)ごとに読みながらそれに対応させて紙に綴りを書きます。こうするとアルファベットのl(エル)を見ながら【l】の発音をするので、文字と音を一致させられます。

またtがあるにもかかわらず、発音されないことにも気づきます。自分の先入観と実際の綴りのズレを何度も確認するのはとてもよい勉強になります。

次にlistenを含む例文「Tim listened to the radio.」を丸ごと音読します。CDの助けを借りながら正しい発音で読めるまで何度も練習します(最低20回)。listenedのedの発音は【d】です。細かいところまでこだわって発音しましょう。

スムーズに読めるようになったら、今度は3色ボールペンの黒を使って例文を見ないでブツブツつぶやきながら紙に英文を書いていきます。

まず、一回だけ英文を声に出して読みます。このときの意識はあたかも誰かに真剣に話しかけているようなつもりで読みましょう。

例えば壊れたラジオを前に怒っている父に自分が壊したのではないことを証明するシーンを思い浮かべます。そして父に向って「ティムがラジオを聴いていたよ」と言わなければいけません。

テキストを何かで隠しておいて、3色ボールペンの黒で英文を書きます。忘れた個所は飛ばして、思い出したところはすべて紙に書きましょう。

Tim listened                    radio.

忘れた個所は意味を思い出しながら必死になって思い出そうとさせましょう。子どもはすき間を埋めようと必死に頭を使いながら「どんな言葉が適切か」を探っています。簡単に正解を与えてはいけません。

どうしてもわからなかったら、正解の例文を見ます。でもすぐに全文を見てはいけません。先頭から少しずつカバーをずらして、一文字ずつ確認します。

例文ライティング

そうすると子どもは「to」がひらめきます。このようにして思い出すと、listen to というコロケーションが頭に残りやすくなります。同じようにradioの前のthまで見れば「the」を思いつくでしょう。

「話題に出ているラジオは、話している人も聞いている人もどのラジオのことか明らかだからtheが必要」と納得します。綴りを間違えたり抜かした言葉は赤で記入します。

これを5単語くらいをそれぞれの例文とともに黒ボールペンで写します。それが終わったら、青ボールペンで同じことを繰り返します(Round 2)。同じようにRound 3は赤ボールペンで書きます。ボールペンは消せないので、自分の間違いを確認しながら学べます。

すぐに同じ単語で3回書かないのは、一回忘れるためです。記憶の定着には「忘れる→思い出す」作業が欠かせません。時間を空けすぎると永遠に忘れてしまうので、忘れかけのタイミングで復習するのが効果的です。

復習のタイミングと頻度が鍵

その日の単語練習を終了したら、翌朝にもう一度復習するのも非常に効果的です。夕方~夜に新しい単語を扱い、翌朝に復習します。

朝は脳に余計な情報が溜まっていない状態なので、単語を定着させるタイミングとしては最適です。

このような形で1週間の中で5日間を単語学習に充て、土日の2日間は予備日としておきます。我が家の経験上、土日は意外とイベントが多く普段のほうが予定通り学習できます。5日で1サイクルとして考えると長続きするのでおすすめです。

「忘れたことを叱らない」

繰り返しになりますが、単語の定着には「忘れる→思い出す」行為の反復が不可欠です。子どもが何度も単語の意味を覚えられないのは普通です。お母さんから見ているとイライラが募ってきますが、絶対に叱ってはいけません。確実に子どもは英語嫌いになります。

忘れるのは人間の本能のようなものです。特に子どもは雑念が多く、興味がなければあっという間に忘れます。それを充分に理解して根気よく復習するように促しましょう。ただし「思い出そうとする」努力は怠らないようにお母さんは子どもに注意する必要はあります。

まとめ

小学生のうちに覚えておいたほうがいい英単語の数はおよそ600語です。これくらいをマスターしておくと、中学校でスムーズに英語の授業についていけるようになります。

小学校で学ぶ英単語はすべて「基本単語」です。基本単語は「最も使用頻度が高い単語」のことであり、「覚えるのが簡単」という意味ではありません。実際、600語はすべて英語で発信するときにも使えるようなアクティブな状態にしておく必要があります。

4技能で使える単語にするためには発音・意味のチェックから始まり、読書を通じて意味を思い出したり、コロケーションで覚えたりする多角的なトレーニングが必要です。

単語学習の基本は反復です。「忘れる→思い出す」を繰り返すことで記憶は定着していきます。お母さんは子どもの単語学習を見守るときに、忘れたことに対して叱ってはいけません。根気よく付き合いながら「思い出す」努力を促すようにしましょう。

基本単語をマスターするのは大変ですが、身につけると中学以降で大きな起爆剤となります。また単語の学習方法を確立するとその後の学習にも大いに活用できます。語彙力は英語力の根幹なので、じっくりと取り組んでいきましょう。

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小学生向けおもしろい英語なぞなぞでボキャブラリーと社交力アップ!

子どもの友達が家に遊びに来ると、お母さんはその子と話をする機会があります。そのときに楽しく子どもと会話ができているでしょうか? つい、一方的に質問していませんか?

私なら「なぞなぞ」で盛り上げます。例えば「おやつ食べる?」と聞いておいて、「なぞなぞに正解したらあげるよ」と盛り上げます。ほとんどの子どもはこれに喰いついてくるので、知っているなぞなぞをいくつか出します。

子どもはなぞなぞに答えられればうれしいし、できなければ悔しいと感じます。でも同時に「だまされた爽快感」を覚えています。だから大人と子どもの心理的な距離が近くなり仲良くなれるのです。

英語でもいくつかなぞなぞをストックしておくと、外国人と交流があるときにとても重宝します。インターネットで検索するとたくさんヒットするので、お気に入りのものをプリントアウトしておきましょう。そして子どもに出題してみましょう。

少しくらいわからない単語があっても子どもは夢中になって読もうとします。そのため英語の学習にも「なぞなぞ」は適しているといえます。

大人の私が3回も引っかかった英語なぞなぞ!

英語の「なぞなぞ(riddles)」と聞くと必ず思い出す女の子がいます。マレーシアのインター校に息子が通っていたとき同級生だったキャリーです。

読書ボランティアをしていた関係で、学校で私を見かけるとときどき話しかけてくれました。頭も良くスポーツ万能の少女でした。そんな彼女はなぜか私に「なぞなぞ」を挑んでくるのです。

不敵な笑みを浮かべながら出題してきます。「大人が引っかかるわけないだろ」と甘くみていましたが、結果的に私は3回も引っかかってしまいました。

私が “You got me again!” (また、だまされた!)と悔しそうにすると、嬉しそうに去っていくのでした。この記事を読んでくれているお母さんにも同じ問題をだすので、チャレンジしてください。

*「Year 3」と書いてあるのは、私に出題したときのキャリーの学年です。

正解は記事の一番下(まとめのあと)に掲載します。

英語なぞなぞ:Year 3 編

Question 1: Do you know a pen with no body and no nose?
(胴体と鼻がないペンを知っている?)

ここでのnoseとはペン先のことです。

body, nose

英語なぞなぞ:Year 4 編

Question 2: Once upon a time, there was a cat which fell into a river.  A black cat saved the cat from drowning.  At the riverbank, what did the cat say to the black cat?
(むかしむかし、川に落ちたネコがいました。黒ネコはそのネコがおぼれているのを助けました。河岸でそのネコは黒ネコに何と言ったでしょうか?)

a black cat and a white cat

save A from -ing:  Aが~するのを救う
riverbank: 河岸

英語なぞなぞ:Year 5 編

最後は暑い日差しの中、ベンチでリラックスしていたらキャリーに不意を突かれた問題です。

Question 3:

Carrie: Hi.  Say exactly what I am saying. (私が言うとおりに言ってみて)
私: Okay. (いいよ)
Carrie: Blue, blue, blue.
私:Blue, blue, blue.
Carrie: Blue, blue, blue, blue, blue.
私:Blue, blue, blue, blue, blue.
Carrie: What is the colour of the sky? (空の色は何色?)
私: Blue?
Carrie: Ha, ha!
私: ?

blue sky

・息子も引っかかる

上記3つの問題はすべて家に帰ってから息子に試したところ、すべて引っかかりました。親子でキャリーにだまされてしまいました…。

なぞなぞの楽しいところは、だましてもだまされても「爽快感」が得られるところです。最初にだまされると、そのなぞなぞを覚えて他の誰かに試してみたくなります。

その際は問題文をまるごと暗唱しなければならないので、英語の勉強にもなります。

子どもがハマる! リスニング学習法を学ぶにはこちらの動画セミナーをご覧ください

なぞなぞに挑戦しよう

私の持ちネタは先ほどの3つで終わりです。もしお母さんがもっと他にもなぞなぞを知りたいなら、インターネットで「riddle for kids」と検索すると子ども向けのなぞなぞサイトがヒットします。riddleは英語で「なぞなぞ」のことです。

そのうちのひとつである「100 Brain Teasers with Answers for Kids and Adults」から、子ども向けのriddleを5つ引用します。teaseは「からかう、いじめる」の意味なので、brain teaserとは「脳をいじめるもの」の意味です。「なぞなぞ」の別の言い方です。

それぞれ必要とされる能力が異なるので、子どもと一緒に考えてみましょう。

Q1. 一般常識が問われる英語なぞなぞ

There are three houses.  One is red, one is blue, and one is white.  If the red house is to the left of the house in the middle, and the blue house is to the right to the house in the middle, where is the white house?
(3軒の家があります。ひとつは赤、ひとつは青、もう一つは白です。もし赤い家が真ん中の家の左で青い家は真ん中の家の右なら、白い家はどこでしょうか?)
In Washington, D.C.! (ワシントンD.C)

紙に絵を描いてまじめに考えていたら絶対にできません。「ホワイトハウスがアメリカ大統領の家である」一般常識がないと正解できません。

Q2. とんちが問われる英語なぞなぞ

You are in a cabin and it is pitch black.  You have one match on you.  Which do you light first, the newspaper, the lamp, the candle, or the fire?
(あなたは山小屋にいて、真っ暗です。あなたは何に最初に灯りをともしますか? 新聞紙、ランプ、ろうそく、それとも暖炉ですか)

pitch blackはpitch darkともいわれて「真っ暗」の意味です。
最後のfireはかまどのことです。

You light the match first! (マッチが最初)

ここでのlightは「火をつける」という意味の動詞です。

Q3. 文法力を問われる英語なぞなぞ

Who is bigger: Mr. Bigger, Mrs. Bigger. Or their baby? (どちらが大きいでしょうか。ビッガーさん(夫)かビッガーさん(妻)か。それとも彼らの赤ちゃんか。
The baby, because he is a little bigger. (赤ちゃん。なぜならちょっとだけ大きいから)

赤ちゃんだから「a little」をつけると、a little biggerで「少しだけ(より)大きい」の意味になります。だから、Bigger夫妻よりも大きいのです。

Q4. 熟語力を問われる英語なぞなぞ

A farmer has 17 sheep and all but nine die.  How many are left?
Nine.

これは意外と難しいです。ポイントはall butには2つ意味があるところです。

ひとつ目は「ほとんど」の意味。だから、「ほとんど9匹が死ぬので、17-9=8匹」となり、残りは8匹です。

もう一つは「~を除いてすべて」の意味です。だから、「9匹を除いてすべて死ぬ」ので残りは9匹です。

Q5. 常識がかえって邪魔になる英語なぞなぞ

In a year, there are 12 months.  Seven months have 31 days.  How many months have 28 days? (1年には12か月あります。7か月は31日まであります。28日あるのは何か月ありますか?)
They all do. (全部の月にある)

theyはmonthsのこと。すべての月には28日はあるので、これが答えです。

つい夢中になって読んでしまうのがriddleのいいところ

「なぞなぞ」の良いところは、時間を忘れてつい読んでしまうことです。英語を読むとなるとつい「勉強モード」になってしまいます。でも、なぞなぞなら楽しみながら読み進めることができます。

私も小学生のときなぞなぞの本を借りてきて、兄弟に出題して相手が引っかかると喜んでいました。お母さんが出題して子どもをひっかける。次に子どもがその問題文を暗唱して、お父さんや兄弟に出題してみる。お父さんや兄弟がだまされたら、子どもは大喜びです。

問題文では疑問文が使用されているので、疑問文を習ったばかりの子どもの練習にもなります。特にWh-やHowから始まる疑問文では、「何を聞かれているのか」「どのように答えるのか」を考えなければいけません。

英語なぞなぞをいくつか知っておくと、社交の場でも役に立つ

「なぞなぞ」をいくつかを覚えておくと、意外な場面で役に立ちます。例えば、海外に行ったとき同じ年代の子どもと仲良くしたい場合、なぞなぞをいくつか知っておくだけで仲良くなれます。

海外旅行に行ったとき、プールサイドで遊んでいる子どもの相手をしてあげるときに役立ちます。あまりやりすぎると“Mommy!”と親に言いつけに行くのでほどほどにしておきましょう。

まとめ

なぞなぞは出題しても解答しても楽しめます。英語ではなぞなぞのことはriddleといいます。インターネットではたくさんのなぞなぞが紹介されているので、お母さんは子どもに出題してみましょう。

一口になぞなぞと言ってみても、正解するためには一般常識や英語表現などを知っておく必要があります。雑学も増えるし英語の語彙力もアップするのでおすすめです。

お母さんから子どもに出題したら、子どもはその問題文を暗唱します。兄弟やお父さんに出題すれば今度は自分がだます側になれるのでモチベーションがアップします。

また、外国人の子どもと触れ合う機会があったときに英語でなぞなぞを覚えておくと仲良くなるチャンスが広がります。英語教室の先生に出題しても楽しそうですね。

キャリーのなぞなぞ正解と解説

Q1. Nobody knows. (誰にもわからない)

日本語に訳すと意味がわかりません。英語で読むと、no body, noseと同じ発音になります。

Q2. Meow. (にゃーお)

まあ、確かに。

Q3. What is the colour of the sky?

「同じことを繰り返して」と言われているので、まともに質問に答えた私が負け。

そういえば昔、「ピザって10回言ってみて」のあとヒジを指して「じゃあここは?」と問われて、「ヒザ!」と答えて恥ずかしかったことを思い出しました。

子どもの英語学習:多読を取り入れるとなぜ語彙が豊かになるのか

子どもの国語力の低下が話題になると、いかに子どもに読書をさせるか、という議論につながります。なぜなら、読書をすると国語力が伸びると考えられているからです。

一般的に読書好きな人は、そうでない人に比べて語彙が豊かです。しかし、なぜそうなるのかについては、あまり深く考えられていないような気がします。

英語では多読を続けると語彙力は伸びます。これは単に知っている単語数が増える、ということではありません。すでに覚えている単語の別の意味を覚えたり、比喩表現に気づくなど、もっと広い意味で語彙が豊かになります。

そこで今回の記事では、なぜ小学生の英語に多読を取り入れると英語の語彙力を豊かにできるのか、について説明します。

小学生の英語学習で多読を取り入れると語彙が豊かになる理由

リーディング力を向上させるには、正確に一文ずつ英文を解釈していく「精読」と大まかな文意を捉えながら大量の英文を読む「多読」の訓練を並行するのが効果的です。学校では精読を中心に指導されるため、どうしても多読指導にまで手が回りません。

小学生でも英検4級に余裕で合格できるほどの実力があるなら、積極的に多読トレーニングを取り入れるべきです。過去形・進行形・助動詞など英語の基本を理解し始めたころなので、始めるにはちょうどよいタイミングです。

多読というと洋書を何時間も読み続けるイメージがあります。しかし、それはさすがに小学生には難しすぎます。

多読に使用する教材は、「語彙制限本」と呼ばれるジャンルのものを使用するようにしましょう。語彙制限本とは、使用されるボキャブラリーレベルを限定し、読者のレベルにあった英単語だけを使用して書かれた本のことです。

具体的には、「ラダーシリーズ」や「Oxford Bookworm Library」がこれに相当します。また、「リトルフォックス」というサイトでは、楽しい物語が動画や音声付で利用できるようになっています(本についての詳細はこちらをクリック)。

これらの語彙制限本を利用すれば語彙数がまだそれほど多くない小学生の英語学習者でもストーリーを楽しめます。多読は読む量が大切なので、子どもが興味をもって楽しく読めるものを選ぶようにしましょう。

多読の効能はいくつかありますが、ここでは多読を通じて語彙がどのように豊かになるのかを説明します。

知らなかった単語を覚えられる

語彙制限本であっても、知らない単語に必ず出会います。その中には、一般的に学校や検定などでは登場しないような単語も登場します。

そのような単語はキーワードであることが多く、文中で何度も登場します。そのたびに忘れかけていた意味を思い出すので、記憶が強化されます。

私も中学生の頃、夏休みに英語の副読本と呼ばれる薄い本が課題に出されたことがありました。はじめは嫌々でしたが、広島で被爆した女の子の話に引きこまれていきました。

その主人公は最後は白血病で亡くなるのですが、白血病を意味するleukemiaという難しい単語はその時に覚えました(そして今でも忘れていません)。

感動した話とleukemiaという単語が結びついて(いわゆるエピソード記憶)、忘れにくくなっているのかもしれません。

ちなみにアルクによるレベル別語彙リストSLV12000のうち上から2番目のLevel11にleukemiaが掲載されていました。中学生でもこのレベルの単語を一発で覚えられるのが、多読のパワーです。

学校英語では取り扱われない生活用語を覚えられる

料理の名前や日用品など、ネイティブなら幼児でも知っている英単語を覚えられます。日本の英語の教科書では、environment(環境)など小難しい単語はどんどん登場します。しかし、大学受験を控えた受験生でさえ、「小指」を英語で言うことができません。

正解は「little finger/pinky」ですが、このような単語は読書をしていると頻繁に登場します。

「こんな単語を覚えてもテストに出ないため無駄」と考える人もいます。しかし、私はそうは思いません。いざ外国で生活する場面が訪れたときは、非常に役立つからです。

学校で教えてくれない生活語を多読で補う。

日本の英語教育の偏りを正しくしてくれる効果が期待できます。

多義語の「核」を知ることができる

やさしい単語ほど辞書で調べると定義がたくさんあってウンザリした経験はありませんか。例えば、haveという動詞を使った3つの文を見てみましょう。

I have a car.(私は車を持っている)

I have breakfast.(私は朝食を食べる)

I have a cat.(私は猫を飼っている)

このようにhaveという一つの単語でも、使用される文脈によって「所有する」「食べる」「飼う」などの異なる意味で使用されます。多くの意味を持つ言葉を「多義語」と呼びます。

多義語を学習するときに、訳語をすべて暗記しようとするのは学習効率が悪いです。

大切なのはいろいろな用例に触れながら、中心にある「核」のイメージを固めていくことです。haveの中心(核)にある意味は、「取り込んでいる」イメージです。これを中心に文脈ごとに照らし合わせると、自然と訳語は思い浮かぶものです。

I have a car.(私は車を取り込んでいる。→私は車を持っている)

I have breakfast.(私は朝食を取り込んでいる。→私は朝食を食べる)

I have a cat.(私は猫を取り込んでいる。→私は猫を飼っている)

多読をすると大量の英文に触れるので、中心にある意味を探る作業を頻繁にすることになります。これは基礎単語を使いこなすときにも大切で、会話にも役立ちます。

知らない単語の意味を文脈から類推する能力が高まる

先述の通り、本を読むと知らない単語がたくさん登場します。すべて辞書で調べていたら時間がもったいないです。そういうときは前後の文脈から「多分、こんな意味だろう」と類推します。

例えば、neighbor(近所の人)という英単語を知らなくても、文脈から意味を類推できます。

I don’t like my neighbor.  They are noisy at night.

少なくとも、neighborが人であることがわかるため、近くに住んでいる人達のことを指すのだろうという類推ができます。

どんなに単語を覚えても知らない単語は登場します。類推力を高めておくと難しい英語でも物怖じしなくなります。

小学生でも高い類推力を持った子どもがときどきいます。これは日本語・英語どちらの読書でも養われる能力なので、これまでの日本語での読書経験がものを言うのかもしれません。

知らない単語を無視できる

語彙数を増やすことと矛盾しますが、多読のためには「知らない単語を無視する」能力も必要です。いちいち辞書で意味をしらべていたら、せっかくのストーリーが台無しです。

話の展開に重要でなければ、無視してかまいません。英語初心者は、どうしても一語一語の意味をすべて知らないと気になってしまい先に進めなくなるものです。

これを防ぐには、話の展開がおもしろい本を選ぶしかありません。先の展開が気になれば、いちいち辞書を引くのがもどかしくなります。そして、大切ではないと判断したらすぐに無視できるようになります。

ときには書店へ連れていこう

このように語彙の観点だけからも、多読によって子どもの英語力がメキメキと伸びることがわかります。読書を通じて「おもしろい」「楽しい」という感覚を覚えて、自発的に読書に没頭するようになると英語力は爆発的に伸びます。

ネットで本を注文するのもいいのですが、もし洋書を取り扱っている大型書店(紀伊國屋書店やジュンク堂など)を訪れる機会があるならぜひ語彙制限本コーナーにお子さんを連れて行ってあげましょう。

https://town.ietan.jp/ie-ikebukuro/97

「読める・読めない」の判断は子どもに任せたほうがいいです。ときには読まずに放置される本もあるかもしれません。そんなときでも、読書を強制しないように気をつけましょう。自発的な興味・関心に任せるのが一番です。

多読に慣れておくと、英検の長文や高校入試の長文問題でも圧倒的に速く読めるため有利です。小学生でも英検4級程度の文法力・語彙力があるなら積極的に多読を取り入れましょう。

まとめ

小学生で英検4級相当の実力があるなら、積極的に多読トレーニングを取り入れましょう。多読にはいくつかの効能がありますが、語彙力が豊かになるのは間違いありません。

語彙力が豊かになるといっても、単に知っている語彙数が増えるということではありません。学校英語で扱われないけれど子どもでも知っているような生活用語に触れる絶好のチャンスです。

多義語の攻略には訳語一つひとつの暗記ではなく、中心にある核のイメージを捉えられるかどうかが大切です。大量の英文に触れることによりこの感覚が研ぎ澄まされます。

知らない単語に出会ったときも、文脈から意味を類推できるようになります。反対に、話の展開にそれほど重要でないときには、知らない単語を無視して読み進めることもできるようになります。

このように小学生でも英語の多読にチャレンジすることにより、英語の語彙力を飛躍的に伸ばすことが可能です。洋書を取り扱っているような大型書店を訪れるときには、子どもに何冊か選ばせてあげましょう。

このような機会を親が多く作るだけで、子どもの英語力は大きく伸びます。

小学生が英語のイディオムを攻略するために

英語の単語集を開くと、最後のほうに「熟語リスト」があります。あれを見つけると「単語だけだって覚えるのは大変なのに、最後にこんなダメ押しがあるとは…」と私は憂鬱になります。

英語を学ぶ他の人達も同じように感じているようで、「イディオムや熟語は覚えるのが大変」という感想をよく聞きます。

英語を本格的に始めたばかりの子どもでも、覚えておいたほうがいいイディオムや熟語はたくさんあります。このときお母さんが「つべこべ言わずに覚えなさい」と言って子どもに接してしまうと、英語嫌いになってしまいます。

まず、お母さん自身がイディオムを覚えたほうがいい理由を理解しましょう。それから、わかりやすく子どもに学んだことを伝えてあげましょう。

やみくもに覚えるのではなく、覚えるコツがあることを教えてあげるのも大切です。

イディオムを増やすと英語表現の幅が広がったり、どの言葉を使えばいいのか迷ったりしたときの助けになります。確かに覚えるのは楽ではありません。しかし、実際の会話でも多用されるのでかなり役に立ちます。

この記事を読んで、イディオムへの理解を深めて学習に困っている子どもにアドバイスをあげられるようにしましょう。

イディオムを増やそう

私もかつては受験生だったので、参考書に載っていたイディオムには苦労しました。「make up for: ~の埋め合わせをする、count on: ~を頼る…」などとやみくもに暗記しようとしましたが、なかなか覚えられずイライラしました。

そもそも「一語で伝えられる単語があるのに、どうしてわざわざいくつかの単語を組み合わせて同じ意味を持たせなければいけないのか」と不満に思っていました。

ところが海外にいたときに、思いのほかこのとき覚えた熟語が役に立ったのです。子どもとの会話にはもちろん、大人同士の雑談にも登場するものばかりでした。受験勉強で覚えた熟語は無駄ではなかったのです。

辞書でidiomの定義を調べてみると

「イディオム(idiom)」という言葉があります。あらためて考えると、「イディオムと熟語の違いは何だろう」と今まで深く考えずに使っていたことに気づかされます。

英和辞書でidiomを調べると、「名詞 熟語、成句、慣用句、イディオム(個々の単語の意味を集めた意味とは異なる独自の意味を持つ語群)」と定義されています。

狭い意味では「慣用句」のことを指すようです。例えば、「full of beans」とは「元気いっぱい」の意味で “He is always full of beans.” のように使われます。元の意味は「豆でいっぱいだ」です。これが転じて「元気いっぱい」を表しています。

受験参考書などを見ると、このような「慣用句」だけでなくいわゆる「熟語」もイディオムとして扱われています。例えば、「look after(~の世話をする)」などもイディオムとして扱われているようです。

この記事では、熟語などを含めた広い意味で「イディオム」を使用しています。

イディオムは口語的

イディオムは基本的にはやさしい複数の単語で構成されています。そのため、書き言葉(文語)よりも話し言葉(口語)のなかで頻繁に使用されます。

私の親戚で二字熟語を多用する人がいます。奥さんに向かって「これから〇〇の活動を開始します。〇〇は最優先事項なので」とまじめな顔で会話をしています(ちなみに奥さんは笑いもせずに黙って聞いています)。

「これから〇〇してくるよ。〇〇は先にやっておかないといけないからね」と話せば、この状況では自然です。

このように意味は通じても、その場の状況にふさわしくない表現があります。会話の中ではやはり口語表現を使ったほうが自然です。

子どもが英語を覚えるときも、やさしい単語の組み合わせで表現できるイディオムから覚えて、少しずつ高次元な単語を身につけていくほうが自然です。

しかし、それはネイティブの話であって、外国語として学ぶ場合には一単語で覚えるよりも、イディオムを覚えるほうが大変なケースがしばしばあります。

表現に幅を持たせるためにも積極的に増やそう

将来的に高度な英語を学ぶときには、同じことを複数の表現方法を使って描写することが求められます。ライティングでは、「同じ単語を繰り返し使うのは好ましくない」という英語独特の謎ルールがあります。

「元気だ」を表すのに、energeticしか知らなかったら、シソーラス(類語辞典)を駆使してvigorousとかactiveなども使うようにする必要があります。

このように表現に幅を持たせるためにも、イディオムを増やしておくのは無駄ではありません。本格的に英語を習い始めた子どもには大変かもしれませんが、お母さんからイディオムが必要な理由を簡単に説明してあげるのは大切なことです。

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暗記よりも「こじつけ解釈と反復練習」

イディオムを苦々しく感じるのは、「複数の単語の組み合わせ」が原因です。1単語を覚えるよりも暗記の負担が大きいからです。look after, look up to, look into などのように、単語に続く前置詞によって意味が異なるのも混乱する要因です。

英語も日本語と同様「言葉」なので、まったく無意味な言葉の組み合わせをしているわけではありません。イディオムを気合で丸暗記しようとする前に、少しだけ時間をかけて「あること」をしてみましょう。覚えるのはグッと楽になります。

2つのタイプに分ける

イディオムに出会ったら、「あきらめて暗記する」ものと「なぜそのような意味になるかじっくり考える」タイプに分けましょう。この作業をしないでやみくもに根性論で暗記しようとしてもうまくいきません。

「フルハウス」(アメリカのテレビドラマ)のワンシーンです。次女のステファニーが末っ子のミシェルに向かって“You should look up to me.”(お姉ちゃんを尊敬しなさいよ)と偉そうに言うシーンがあります。

それに対してミシェルは「ワタシ、お姉ちゃんのこと見上げているよ(look up to)」と返します。

2人は背の高さが違います。姉はlook up to を「尊敬する」の意味で使っているのに、妹は「上を見る」と受け取っているのです。

もともとの意味は「見上げる」です。しかし、じっくりとこのシーンを思い浮かべれば、目下の者が目上の人を「見上げる→尊敬する」と解釈できます。

このようにイディオムの多くには、その意味になるに至った理由がわかるようなものも多いのです。

じっくりと言葉を味わう

イディオムを解釈するには、こじつけに近いほどの豊かな想像力・連想力が必要です。しかし、これが言語感覚を研ぎ澄ませてくれるのです。

英語を習いたての子どもがイディオムに出会ったら、まずは一つひとつの単語から連想されるイメージを持たせるようにしてください。ときにはお母さんが実演してあげることも必要です。

そうした作業を踏んで意味を教えた場合は、そうでないときと比較して記憶の定着が断然よくなります。このような勉強法は国語の慣用句を覚えるときにも有効です。

イディオムには前置詞(in, on, for, fromなど)が多く含まれています。このような連想を繰り返すことで、前置詞のイメージにも幅ができてより深く英語を理解できるようになります。

ひたすら反復練習

イディオムを構成する単語を味わって想像・連想をしたあとは、繰り返し反復練習をするしかありません。例文があるなら、その例文を何十回も暗唱します。

忘れた頃を見計らって、もう一度「思い出す」ために暗唱をします。このような反復とレーニングによって得られた記憶は、一回で暗記しようとするよりも結局は効率がいいのです。

単なる暗記と「覚えるほど」繰り返すこととは、勉強法も学習効果も異なります。

実際の用例に多くあたるほど、英語表現は定着します。こちらの動画セミナーではそのためのトレーニング方法を紹介しています。

難しいイディオムは例文まるごと暗唱

一方、覚えるしかないようなイディオムもあります。連想やイマジネーションを膨らませてもどうにもならないものです。

例えば、受験勉強のときに私が苦労したのは「might as well…as(~するくらいなら…したほうがましだ)」でした。

こんな組み合わせに、連想力を膨らませても意味ありません。

こういうときに有効なのは、そのセンテンスを丸ごと暗唱することです。当時の受験参考書に載っていたのは、“You might as well throw your money away as lend it to him”(彼に金を貸すくらいならそれを捨てたほうがましだ)でした。

暗記してしまうくらい「暗唱→忘れる→暗唱して思い出す」を繰り返すことで記憶を定着させました。実際、30年経った今でも覚えています。

優先的に覚えるべきイディオムとは

イディオムを「面倒くさい」と思っている子どものために、ひとつ「イディオムのほうが面倒臭くないこともある」と教えてあげましょう。

最優先にするのは、イディオムでないと表現できないものです。例えば、pay attention to~(~に注意を払う)があります。これをひとつの単語で置き換えようとしても、思い浮かびません。

この場合は、「覚える優先順位の高いイディオムである」と考えられます。

カバーする範囲が広いものは優先して覚えよう

イディオムのほうが使い勝手がいいケースもあります。

例えば「調べる」に相当する英語はたくさんあって、それぞれ文脈によって使い分けをしなければいけません。study:(学問的に)調べる、survey:(統計などによって)調査する、investigate:(警察などが)調べるなど、使い分けが大変なのです。

本を読むにはたくさんの単語を覚える必要がありますが、自分で話すときは一瞬で言葉を選ばなければいけません。

ところがlook intoというイディオムは、これらの意味を広くカバーできます。このようなイディオムは優先して覚えたほうがいいです。そして、使えるレベルにまで落とし込まなければいけません。

使うことによってしか定着しない

イディオムの多くは口語表現なので、英会話で使ってみるのが身につけるための一番の近道です。口語表現は会話で使ってみて、文語表現は本を読みながら覚えたりライティングを通じて覚えたりするのが王道です。

何かの技能を向上させたければ、その技能そのものを練習するのが基本です。look at, be different fromなどは基本的なイディオムですが、「連想→暗唱」で意味を覚えたあとは、子どもが積極的に使う状況にもっていかなければなかなか身につきません。

ひとつの表現を覚えたら、数日間はお母さんからその表現を使えそうな状況や場面を教えてあげて、口で言わせてみることをおすすめします。子どもは嫌がりながらも、なんとか思い出そうと努力するので、これの繰り返しが記憶の定着につながります。

まとめ

口語表現の幅を広げてくれるイディオムは受験だけでなく、英会話でもかなり役に立ちます。

イディオムを覚えるときに丸暗記はあまり賢いやりかたではありません。使われている単語の意味から、想像・連想を膨らませて意味につなげる作業をしましょう。

そのあとで暗唱を通じてその表現を繰り返し覚えるようにすると、忘れにくくなります。

また、口語表現が多いので実際に覚えたイディオムを使用して英語を話してみることが大切です。子どもが最近覚えたイディオムを思い出す機会をお母さんはできるだけ多く作ってあげましょう。そうすれば、子どもの記憶の定着を促すことができます。

子どもの英単語:生活の中にある英語を利用しよう

突然ですが、「あなたの周りに英単語はいくつあるか」教えてください。目をつぶって。ハイ、始め!

どうでしたか? 「一つもありません」と答えたお母さんが多いと思います。では目を開けて、今度は英語を探すつもりでぐるりと部屋の中を見渡してください。カレンダーの曜日の「Sun」、電源タップの「on」、電気ポットの「push」など次々に見つかるはずです。

普段の生活圏にたくさん英語があるのだから、これらをフル活用して子どもの語彙力を増強しましょう。勉強を前面に打ち出すと子どもは逃げ出します。ゲーム感覚で取り組むことをおすすめします。

身の回りの英語はこれから何度も目にします。繰り返し触れることで、忘れにくくなる効果があります。ぜひ、最後まで記事を読んで、さっそく取り組んでみましょう。

子どもの身の回りの英単語を利用しよう

「日本人が英語を話せないのは、英語を使う環境がないから」という指摘は一理あります。確かに日常生活で、英語を話す場面はほとんどありません。

しかし、日本は英語で溢れています。カタカナ語も含めて、外に出ると英語やその他の言語で書かれた看板・ポスターなどを頻繁に目にします。

「子どもに英語に興味をもってもらいたい」と思うなら、まずは生活圏に「英語」を見つけて、興味を持たせるところから始めましょう。

近所の看板に注目しよう

休みの日、子どもと外に出かけるなら、とりあえず近所の看板に注目してみましょう。「ウチの近所には英語の看板はそんなに多くない」と思うかもしれません。

しかし、それは普段あまり意識せずに素通りしているからです。子どもとゲーム感覚で、近所の英単語を探し出し、その意味を予想したり調べたりするだけでもいい勉強になります。

カラーバス効果とは

有名な心理学用語で「カラーバス効果」というものがあります。何かを意識すると、それに関係する情報が目に飛び込んでくる現象です。

私が今の場所に引っ越しをして3週間が過ぎた頃のことです。髪が伸びたので床屋さんを探しに外に出てみると、たくさんの床屋さんがあることに初めて気がつきました。

引っ越してから3週間、同じ景色を見ていても床屋さんの存在にさえ気づきませんでした。これはまさしく「カラーバス効果」によるものです。

あなたの近所にもきっと英単語が溢れているはずです。子どもに「今日は〇〇に出かけるよ。途中で英単語を見つけてみよう」と声をかけてみましょう。少し意識するだけで、普段まったく気づかなかった「英単語」をたくさん見つけ出せます。

子どもが英単語を得意になるテクニック

私は中学生の頃から英語が得意でした。あるとき気づいたのは、「他の生徒より私のほうが単語に関して敏感だ」ということでした。

当時流行していた洋楽バンドの「カルチャー・クラブ」が話題に出たとき、「カルチャーって何?」と気になりました。友達のCDジャケットで綴りを見て辞書で調べました。

「cultureって文化のことか。そういえば駅前にあるカルチャー・スクールっていろんな習いごとをするところだから、文化って言葉が使われていたんだ…」

このように、一語調べたらできる限り別の何かと関連づけるのが習慣でした。当時は意識をしていませんでしたが、これは記憶を定着させるのにとても良い方法です。

もちろんすべての単語をこのように展開できるわけではありません。無理矢理暗記するしかないものも結構あります。しかし知らない単語に出会ったときのちょっとした行動習慣がその後の語彙力にかなり影響を与えるのは間違いありません。

頻繁に思い出すと忘れなくなる

英単語に対して敏感になるのも大切ですが、やはり人間は忘れます。「覚える→忘れる→再び覚える→忘れる→覚える」という反復をすることで、記憶は定着していきます。

子どもと街歩きをして英語を集めて、一週間経って再び同じコースを歩いたとき、子どもはカラーバス効果により再び同じ単語を目にします。ここで忘れかけていた意味を思い出すかもしれないし、忘れてしまっているかもしれません。

そこでお母さんが「〇〇はこういう意味だったっけ?」とヒントを出せば、記憶は定着していきます。そのあとまったく別の場所で別の文脈で同じ単語を見たとき、さらに単語の意味はより豊かな形で記憶に残っていきます。

ボキャブラリーの増強はこれの繰り返しです。すべての単語をこのように覚えられるわけではありません。単語集を使わないと、いつまでたっても登場しない単語もあります。しかし、実体験に基づいた単語は「忘れにくい」特徴があります。

ぜひ、子どもと外出するときは英単語を意識させてみてください。このときくれぐれも「勉強っぽさ」を出さずに、ゲーム感覚を演出するように心がけましょう。

街に出て英語を探そう

まずは、論より証拠。私が昨日、駅の反対側にある床屋さんへ往復した間に見かけた英単語(英文)を集めてみました。自分でもびっくりするくらいたくさん見つけられました。

Rental Dance Studio
rental dance studio日本語では「スタジオ」ですが、英語の場合「ストゥディオ」と発音します。「お金を払って、ダンスをする場所を提供している看板だよ」と子どもに教えてあげると、何の看板かわかるようになります。

FOR RENT
for rent

アメリカ映画を観ていると、家の前に立つ「FOR RENT」の看板を目にします。rentは名詞で「賃貸料」のことなので、「FOR RENT」で「賃貸用(に募集中)」の意味です。

同様に「FOR SALE」は「売り家」のことです。

82 seats/ 18 seats
seats

何気ない看板ですが、学ぶことは多いです。まず、数字を読めるでしょうか? 「Eighty-two, Eighteen」です。次に、seatの読み方のコツは、最初のsを隠すと「食べる」意味の「eat」になります。

偶然、ハンバーガーショップなので、seatのついでにeatも関連付けて覚えてしまいましょう。

Station Information/ Guide Map
station information

観光地に行けば「i」のマークはよく見かけます。informationのことです。

ENTRANCE
entrance

「entrance」は名詞なので入口、動詞に変わると「enter」で「~に入る」意味です。注意しなければならないのは、「toやintoなどの前置詞は不要である」ことです。

例文)The train entered a tunnel.(電車はトンネルに入った)

West Exit
west exit

まず、「exit」は「出口」のことで、「entrance」の反意語です。

次に方角の「west」を覚えたなら、ついでに他の方向も覚えてしまいましょう。

QUEEN’S ISETAN
queen's isetan

200メートルの距離に「QUEEN’S ISETAN」と「BURGER KING」があるこの街はさながら「王国」(kingdom)です! 「Queen’s」の「’s]は所有を表しているので「女王の伊勢丹」の意味になります。

WHOPPER
whopper

バーガーキングで限定販売中だった「whopper」【名詞】は「途方もなく大きいもの」の意味です。試しに注文してみると、隣のチーズバーガーよりもふた回りくらい大きかったです。私はこの単語を初めて知りましたが、体験と結びついたので意味を忘れることはないでしょう。

Elevator
elevator

イギリス英語だと「lift」と表記されます。

Tickets/ Charge
tickets

交通形ICカードをチャージするときは、英語では「top up」とか「load」を使います。英語の「charge」は「請求する・充電する」意味になってしまいます。

BURGER KING
burger king

BURGER KINGで「バーガーの王様」の意味です。

MAKE A DIFFERENCE/ THIS SUMMER/ ANYTIME FITNESS
anytime

「different」【形容詞】は「異なる」で、その名詞形が「difference」です。「make a difference」で「違いを作れ!」という意味です。スポーツジムのキャッチコピーです。

「anytime」は「いつでも」の意です(ここは24時間オープンがウリのジムです)

3 COINS
3 coins

100円硬貨3枚で買えるから「3 coins」。

TAXI
taxi

「take a taxi」で「タクシーに乗る」の 意味です。

STAFF
staff

「staff」はほとんど日本語化していて意味は「スタッフ」です。難しいのは「staff」は集合名詞(複数のグループを一つのものとして扱う)なので「I am a staff.」と言えません。正しくは「I am a member of the staff.」です。意外と奥の深い単語です。

Billiards/ Darts
darts

billiardの綴りを注意深く見ながら、発音してみましょう。カタカナ読みすると「ヤ」に相当する「y」は含まれていません。指で綴りを追いながらゆっくりと読み上げる練習をすると、フォニックス(綴りと発音のルール)の練習にもなります。

We are Reds! / We are supporting Urawa Reds.
reds

「We are ~.」でbe動詞の現在形まで学習できます。

片道10分でも、こんなにたくさんの看板やポスターに英語を見つけられました。次に、これらの単語を効率よく覚える方法を紹介します。そしてその単語を関連付けたり、横に展開したりして、さらに豊かな語彙力を身につけるための工夫を説明します。

語彙力増強法

さきほど集めた近所の英語を使って、子どもにどのように与えると英語が得意になるかを説明します。集めたままにするのではなく、この「ひと手間」をかけることによって、子どものボキャブラリーは何倍も豊かになります。

正しく読んで反復する

お母さんにぜひ実践して欲しいのは、新しい単語に出会ったときは子どもに「正しく音読させる」ことです。まずは、綴りを見ながら一緒に発音してみましょう。もし、読み方がわからなかったら、音声付きの電子辞書やスマートフォンで調べましょう。

意味を調べるのは「正しく音読できた」あとです。読めない単語は「使えない単語」だからです。

では「正しく読めて意味がわかった」ら、次は覚えた単語を関連付けたり「横に展開」させたりしてボキャブラリーを膨らませます。

反意語

集めた単語を眺めてみると、反意語(反対の意味を持つ言葉)やペアやグループで覚えたほうがいい言葉に気づきます。

king/ queen(王/女王)

entrance/ exit(入口/出口)

east/ west/ south/ north(東西南北)

品詞を変えてみる

dart【名詞】ダーツ(の矢)【動詞】さっと動く

例文 The lizard darted to the bush. (トカゲは草むらへさっと動いた)

ダーツの矢と同じように、「ス―ッと移動する」イメージはつかめましたか?

rent【名詞】賃貸料、 rental【名詞】家賃、賃貸し【形容詞】賃貸の

子どもには「賃貸とは何か」を説明する必要があります。英語を学ぶことは日本語の理解を深めることにもつながるので、面倒くさがらずに教えてあげましょう。

複数形

seats/ tickets/ darts/ coins/ billiards/ reds

名詞にsをつけるだけの単純なものばかりですが、読み方に意識を向けましょう。無声音で終わる場合は【s】、有声音で終わる場合は【z】の音になります。

無声音とは声帯を振動させないで出す音です。のどに指をあてて発音しても、振動を感じなければ無声音です。反対に、振動を感じるときは有声音といます。

seat, ticket, dartの t の音は無声音(声帯が振動しない音)なので、s をつけると「ツ」の音になります。反対にcoin, billiard, redのn, dの音は有声音なので、「ズ」の音です。

文法

We are reds./ We are supporting reds.

埼玉県の浦和はサッカーの街で、いたるところに「浦和レッズ」の存在を感じます。毎日、「We are reds.」と声に出して読んでいれば、「Weのbe動詞は何だっけ」と考えなくても出てくるようになります。

「We are supporting reds.」には現在進行形(be+-ing)が使われています。

現在の状態「私たちはレッズを応援しています」を表しているので、本来は「We support reds.」の現在形で表現するべきです。おなじような例でマクドナルドのCMでも「I’m lovin’ it」がありました。

あえて進行形にすることで、躍動感を演出していると思われます。ちなみに、supportに-erをつけるとsupporter(サポーター:応援する人)になります。

ケガしたときに使うサポーターも「支える」意味が中心にあります。ケガした患部を「支えるもの」という意味です。

support 一語だけでも、ここまで話を膨らませられます。

まとめ

このように私たちの身の周りにはたくさんの英語や英語に由来するカタカナがあります。普段気がつかないだけで、その気になればいくつも見つけることができます。

もし子どもが英語を勉強しているなら、これらの単語を教材にしてみましょう。街で見つけたら、「正しく音読」したあと、意味を調べます。

このようなことを続けているうちに、単語どうしで関連付けするとさらに語彙力は増していきます。

街歩きはその後何度も反復します。そのたびに同じ単語を読むので、自然に復習することになります。このようにして覚えると単語の読み方や意味は忘れにくくなります。

この勉強法の一番の目的は、子どもの英語に対する感性を高めておくことです。ちょっと気になる単語に出会ったときに、読み方を学び意味を調べるだけでも大きな進歩です。そこからさらに別の何かと結び付けられるようになると、記憶は強化されます。

お母さんのちょっとしたアドバイスで取り組めるので、ぜひチャレンジしてみてください。

フラッシュカードは子どもの英語学習に効果的?

中学校の英語の授業で先生が英単語の書かれたカードを素早くめくりながら、生徒にリピートさせていた光景を覚えてるでしょうか? あのカードを「フラッシュカード」と呼びます。主に単語の復習として昔から人気のあった道具です。

フラッシュカードを上手に取り入れると幼児の英語学習にとても高い効果が得られます。ところが「フラッシュカード」についてインターネットで検索すると、ネガティブな情報を目にします。

そこで、フラッシュカードによる弊害はどのようなものなのか、それを最小限にしつつ効果を上げる学習方法はないのかについて具体的に説明します。中途半端な知識で行動するのは危険です。この記事を最後まで読めば安心して取り組めるようになります。

フラッシュカードとは

「フラッシュカード」の英語のスペリングはflash cardです。flashとは「瞬間的に現れるもの」の意味です。

フラッシュカードは英語の授業でどのように利用されているのか動画を見てみましょう。

なかなかテンポ良くカードをめくっていますね。主に単語の暗記に有効なツールとして昔から取り入れられてきました。家庭での英語教育にも上手に取り入れると、子どもの語彙を飛躍的に伸ばせます。

ただし、注意点もありますのでフラッシュカードの長所と短所を正しく理解した上で導入しましょう。

フラッシュカードの長所

先ほどの動画でもわかるように、それぞれのカードを見せる時間は1秒以内です。すると生徒は瞬時に全体を把握して言葉を覚えるようになります。強制的に細かいところに目がいかないようにしているのが特徴です。

フラッシュカードは第二次世界大戦中に敵の戦闘機を素早く見分ける力を養うための訓練として導入されたものだそうです。戦闘機のパイロットは、瞬時に敵/味方を識別したり敵の数を把握したりしなければなりません。

敵と味方の戦闘機の写真をフラッシュカードにして戦闘機の名前を覚えました。数の把握方法については、それぞれのカードにドット(黒い点)を打ちその数を言い当てる訓練をしていたそうです。

人間の認識能力では、4つか5つのドットまでは瞬時に数を把握できます。しかし、6以上になると端から「いち、に、さん…」と数えていかないと数を把握できません。

ところがフラッシュカードによる訓練を重ねると、ドットが100を超えても瞬時に数を正確に言い当てられるようになったそうです。このようにフラッシュカードは視覚情報を通して大量の情報を脳にインプットするのに適しています。

英語に応用すると、フラッシュカードに描かれた絵を見たときにそれに対応する英単語を口から瞬時に出せるようになります。さらに応用すれば、「絵-単語」だけでなく「絵-関連したセンテンス」もインプットできます。

ある程度の年齢になってから英語を学習すると「車の映像→くるま→car」のように、一回日本語を間に挟みます。フラッシュカードで学習するとイメージとcarが直結して、瞬時に英語を口から出せるようになります。

また、幼児で大量の語彙を身につけると周りの大人から「よく知っているね!」とほめられることが多くなります。その結果、自分に自信を持つようになり、さらなる学習意欲の向上につながるのがメリットです。

フラッシュカードの短所

一方、フラッシュカードによる弊害も報告されています。例えば、「思考力が育たない」「自主性がなくなった」「表情が乏しくなった」「物事に無関心になった」などです。

フラッシュカードによる学習とこれらの症状との間にきちんとした因果関係は証明されていないようです。ただし、イメージとしては「洗脳」に近いものなので、子どもの人格に影響を及ぼす可能性もないとは言い切れません。

これらの症状に共通する原因は、「受け身の学習を長時間行ったから」です。子どもは五感をフル活用しながら、身の回りの物と言葉を結びつけて学んでいきます。例えば、散歩の途中で出会った犬の頭をなでてふわふわした毛を触りながら「いぬ」という言葉を覚えます。

一方、フラッシュカードでは、紙にプリントされた犬の写真を見て瞬時に「イヌ」と発音を繰り返すだけです。体験を通じて学んでいないので、犬を触ったときの感触やかわいいと思う感情が抜け落ちています。

そのため物事に関する興味関心が育たなくなってしまう可能性は充分ありえます。

デメリットの対処法

フラッシュカードの弊害を恐れるあまり、「まったく取り組まない」のももったいないです。実は2つの点にさえ気をつければ、フラッシュカードの弊害を避けることは簡単です。

一つ目は、5分くらいの短時間で終わりにすることです。「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」といいますが、何事もやり過ぎはいけません。短時間に抑えることで悪影響をほとんど受けずに済みます。

二つ目はフラッシュカードで覚えた知識を実生活と結びつけることです。例えば、フラッシュカードで動物の英単語を覚えたとします。その後動物園に連れて行って実物を見せることで知識と体験を関連付けできます。

そのとき感じた「大きいな」とか「おもしろい顔をしているな」のように感情が揺さぶられる体験をすることで、受け身の知識から能動的な記憶へと転換できます。

このように長時間やり過ぎないこととできるだけ実体験を積ませることの2点を守れば、フラッシュカードによる学習の悪影響を最小限にとどめられます。

フラッシュカードに関する注意点

大量の情報インプットに向いているフラッシュカードですが、万能ではありません。フラッシュカードの学習に向いていないものや、より効果的な与え方をお母さんは把握するようにしましょう。

・学習内容によっては不向きである

幼児向けのフラッシュカードの基本は、カードの表に絵、裏面に単語が書かれているものです。このことから名詞(物の名前)とは非常に相性がいいです。

動詞(動作を表す言葉)には、swimとかrunなど多数あります。これらの言葉も比較的フラッシュカードと相性がいいです。絵で表現しやすいからです。

ところが形容詞や副詞になると事情が違ってきます。例えば、「硬い」意味のhardを学習するときに適切なイラストを選ぶのが難しいです。石と豆腐の絵を見せてもピンときません。

同様に、副詞も絵で表現するのは難しいかもしれません。「きちんと」の意味のnicelyを端的に表す絵は難しいです。

このように、「パッと絵を見て瞬時に言葉が浮かばないもの」はフラッシュカードを使用した学習に不向きです。既製品の中でそのようなカードが混ざっていたら、思い切って使用しないほうがいいです。

・カテゴリーごとにまとめること

フラッシュカードの1セットは、同じカテゴリーの言葉でまとめるのが基本です。例えば「動物」のカテゴリーを作ったら、動物以外のカードを混ぜないことです。

初めに“Today we are learning about animals.” と子どもに伝えましょう。このように伝えれば子どもは心構えができて学習内容を受け入れやすくなります。

・シャッフルの効用

同じカテゴリー内でシャッフルするのはかまいません。例えば、1~10までの数字を覚えるときに、「3、6、5、1…」のようにカードを混ぜて練習するのはとても有効です。

フラッシュカードを使わない学習方法だと、8(eight)を思い出すときに1(one)から順番に口にしないと言葉を思い出せないことが起こりえます。ランダムなフラッシュカードで訓練すれば、どの数字を見ても瞬時に口から出てくるようになります。

アナログフラッシュカードvs. デジタルフラッシュカード

フラッシュカードには紙で作ったアナログのものと、デジタル機器(パソコン、タブレット、スマートフォン)で使えるアプリを利用したデジタルのものがあります。

どちらにも一長一短あるので、特徴を理解して試してみましょう(この記事ではデジタルを推奨しています)。

アナログ式(紙のフラッシュカード)

Amazonなどで既製品を購入するか、プリンターを利用しながら自作して紙のフラッシュカードを用意します。それでは、紙のカードの長所と短所を考えてみましょう。

・紙のメリット

紙の良さは何といっても「目に優しい」ところです。幼児にはできるだけ目に負担をかけたくありません。この点は紙は優れています。

・紙のデメリット

使いこめば汚れたり曲がるのはは仕方ありません。数が増えてくれば紛失することもありますし、保管場所も考えなくてはいけません。

お母さんがフラッシュカードを適切に扱えるようになるまでは、訓練が必要なこともデメリットです。私も経験しましたが、10枚くらいのカードの束を持って子どもに見せながらテンポよくめくっていくのは結構難しいです。

手順は、手前のカードの裏側にある「apple」を覚えながら、そのカードを子ども側に移動させ「apple」と読み上げます(子どもにはリンゴの絵が見えている)。次の「banana」を頭にいれながら、カードを表に移動して「banana」と読みます。

これを1秒以内でできるように次々と繰り返すので、慣れないうちは大変です。しかし、ゆっくりやってはフラッシュカードの意味がありません(考える余地を与えてしまうため)。

デジタル式(アプリ:Quizletの紹介)

フラッシュカード学習をデジタル化するなら、アプリケーションの「Quizlet」がおすすめです。息子が通う学校のスペリングの宿題で存在を知りましたが大変便利です。

quizlet

Quizletの詳しい利用方法は後述するとして、ここでは長所と短所をまとめてみます。

・長所

オリジナルのカードを自由に作成できるのは、大変魅力的です。既製品の紙のフラッシュカードにも親しみやすいイラストが使用されています。しかし、子どものことを知り尽くしているお母さんが、子どもの趣味にあったイラストや写真を利用できるのは大きな利点です。

実際に使ってみると反応の悪いイラストや写真の入替えや、カードの追加・削除も自由自在です。また、紙のように場所を取らず、欲しいカードのセットをすぐに見つけられる機能も重宝します。

音声で英語を読み上げる(自動読みあげ)の機能があるので、英語の発音に不安を感じる人には便利です。

・デメリット

デジタル機器全般にいえることですが、目に負担がかかります。5分くらいの学習時間ならそれほど気にすることはありません。

Quizletでは他の誰かが作ってくれたフラッシュカードを利用できます。しかし、使い勝手が今一つのことが多く、結局自分で作ったほうがよいです。慣れるとそれほど手間はかかりませんが、忙しいお母さんは負担に感じるかもしれません。

アナログでもデジタルでもフラッシュカードの学習効果に違いはありません。個人的には、パソコンで学習セットを作る方が使い勝手が良いと感じました。

Quizletを利用した学習方法

Quizletはフラッシュカードのアプリというよりは、暗記学習用のツールです。その中の一機能にフラッシュカードによる学習があります。実際の画面には、さまざまな学習モードが表示されています。

綴り(スペリング)の学習もタイピングができれば可能ですが、幼児にはあまり使えない機能かもしれません。英語に限らず幅広い学習に応用できますし、大人になっても大変便利なアプリです。

Quizletとは

Quizlet_top

Quizletとは、オリジナルのフラッシュカードをオンライン上で作成できて、さまざまな学習モードで暗記ができるサービスです。初心者でも直感的に操作できるようになっていて、適当にボタンを押しているうちに簡単に理解できます。

他人の作成した「学習セット」を検索して利用することもできます。例えば、「英検4級単語」と検索するとそれに該当する学習セットがヒットするので、気に入ったものを選び学習に利用できます。

最も効果的な対象年齢は1歳~3歳

フラッシュカードを用いた学習(絵→音声)で最も効果が高いのは、1歳~3歳の幼児です。この年齢の子ども達は、文字からの干渉を受けずに映像をそのまま記憶する能力が高いそうです。

もちろん、小学生でも大人でもQuizletは暗記ツールとして効果的です。その場合は絵→音声だけでなく、英単語→日本語でも大丈夫です。

アカウントの取得

まず、Quizletにアクセスします。画面右上の「新規作成」を押すと、アカウント取得のウィンドウが現れますので、それぞれの項目に記入します。GoogleのアカウントやFacebookのアカウントからもログインできます。

Quizlet_account

アカウントは、お母さん用(先生)と子ども用(生徒)の2つ取得したほうがいいです。とりあえず、お母さん用だけを取得して、操作に慣れてから子どものアカウントを取得する方法でも大丈夫です。

お母さんは「先生用のアカウント」を取得して、子どもは「生徒用アカウント」で学習をすすめましょう。子どもの進捗状況をお母さんは確かめられます。息子の学校ではこれを使って宿題を出していたので、勉強していないと先生にすぐにバレました。

まずはあちこち開いてみて、使い勝手を確かめましょう。マニュアルを見るより、手を動かして試行錯誤するほうが早く覚えられます。

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お母さんには有料のアップグレードがおすすめ

幼児が英語を学ぶときにはカードの表面に「絵(写真)」を挿入します。この機能を使うためには有料のアップグレードが必要です。1年で$34.99なので、月々およそ330円の利用料です。「設定」から支払いに進めます。

Quizlet_設定

設定の項目にはアカウントの種類を「先生」または「生徒」のどちらかから選べるようになっていますので、最初に間違えて選んだとしても後から変更できます。

Quizlet_設定2

作成

画面上の「作成する」をクリックすると、「新しい学習セットを作成する」の画面が現れます。最初にフラッシュカードのカテゴリーを決めて、タイトルを記入します。例えば動物のカテゴリーを作るなら「animals」と記入します。

Quizlet_studyset

後はフラッシュカードに該当する部分を作成するだけです。左側に単語、右側に画像を挿入していきます。例えば、左にdogと入れたら、右側の画像のアイコンを押すと自動的に犬の写真やイラストが出てきますので好きなものを選びクリックすると挿入されます。

Quizlet_studyset_making

この画像にはお母さんが撮影した写真や、インターネットの画像検索でダウンロードしたものを利用できます。例えば「family」のカテゴリーでは、「dad」に本物のお父さんの写真を使うなどの工夫もできます。

1カテゴリーにつき、10枚の単語カードを作りましょう。幼児の学習にはこれくらいの数は集中力が切れずにちょうどいいです。

カテゴリーは身の回りのものから始めて、職業、国旗など少しずつ世界を広げていくのがコツです。あまりにも抽象的で幼児の理解を超えるようなものは避けましょう。固有名詞は普通名詞を覚えさせたあとに取り入れるなど、順番にも配慮しましょう。

例えば動物の中で「bird」を覚えた後に、「sparrow」「hawk」「eagle」「owl」 などを覚えていくようにすると、頭の中に知識の階層が順序立てて組み立てられます。

学習方法

まず、パソコンのモニターの前にお母さんと子どもが座ります。小さな子どもなら、ひざの上に座らせてもいいです。キーボードの操作はお母さんの担当です。

“Today we are learning about animals.  Do you like animals?”などと子どもと英語で話しかけながら準備をしましょう。子どもと勉強するときは楽しくやるのが基本であることを忘れないようにしましょう。

Quizlet_study_mode

 

Quizlet_study_key

再生ボタンを押すと順番に「表→裏(単語読み上げ)」→次のカード、と自動で学習をすすめていきます。便利な機能ですが、残念なことに再生スピードはおよそ2秒で遅すぎます。これではフラッシュカードとしての効果は半減してしまいます。

仕方がないので、お母さんがキーボードを操作して素早くカードをめくりましょう。「spaceキー」で「カードをめくる」、「→キー」で「次のカード」にすすめます。紙のカードよりもずっと楽です。すぐに簡単にテンポ良くめくれます。

ある程度「絵→単語の読み上げ」をできるようになったら、センテンスにも挑戦しましょう。先ほど使った学習セットをコピーして、左側のセンテンスだけを変更します。

例えば、左に「I like cats.」-「猫の写真」とか、「She is sleeping on the sofa.」-「猫がソファーで寝ている写真」のように、センテンスを記入します。カテゴリーごとに同じ表現の方が混乱しません。学習セットのタイトルは「animals 現在進行形」のように設定します。

注意点

先述したように、長時間のフラッシュカードによる学習は危険性が指摘されています。「1回5分一日2回まで」のように時間と回数を制限しましょう。子どもの表情がぼんやりして機械的に解答しているだけの状態はよくありません。

子どもがまだ話せない時期は、リピートや発音練習はできません。話せるようになってから無理のないようにすすめていきましょう。お兄さんお姉さんがいる場合は、いっしょに取り組ませると盛り上がります。

受け身の学習にならないように、実生活の体験とフラッシュカードで覚えた知識をつなげるように意識しましょう。例えば、最近、乗り物カテゴリーで単語「bus」を覚えたとします。

お出かけしたときにバスを見かけたら、すかさず “What’s that?” とたずねましょう。子どもが “A bus!” と答えたら “Do you want to get on a bus?” と質問を続けます。

このように日常のあらゆる場面でカードの知識を体験と結びつけると、受け身の学習から能動的な学習へと変換できます。

お母さんへのアドバイス

Quizletには「自動読みあげ機能」があり、英語に関してはほぼ正しい発音とアクセントで再生されます。それを参考にしながら、お母さんも一緒に発音しながら子どもと一緒に勉強しましょう。

発音に関しては、ネイティブのような完璧さは不要です。ただし、L/R、TH/Sなど日本人がつまづきがちなポイントに注意をしながら読む練習は必要です。

フレーズやセンテンスを扱う場合はシンプルで自然な英語にしましょう。文章が正しいかどうか気になるようでしたら、英語に詳しい人に聞きましょう。

お母さんが読み上げるときは、気持ちや感情を込めるようにしましょう。子どもの学習効果において、お母さんの肉声にかなうものはありません。

楽しい雰囲気をつくるために、ジェスチャーや笑顔も大切です。毎回、フラッシュカードの学習を楽しみにするような雰囲気づくりができたら成功です。

最初は10枚のカードを覚えるだけでも時間がかかります。あせらずに根気強く続けましょう。5分間集中力を切らさずに続けられたら、子どもの集中力も相当高まっています。

まとめ

インターネットで「フラッシュカード」と検索すると、ネガティブな意見が多くヒットします。詳細は本文で紹介した通りです。何事にも両面がありますので、このような意見にも耳を傾けることは大切です。

しかし、過剰に恐れるあまりせっかくのプラスの面を無視してしまうのはもったいないです。日本語を介さずにイメージと英語を瞬時に結び付けて記憶できるトレーニング方法として効果は実証されています。

言葉や表現を数多く知るようになり、現実の世界と結び付けられるようになると、子どもは学ぶことの楽しさを感じるようになります。また集中して勉強する習慣をつけると、小学校や中学校にすすんでもきっと役に立ちます。

フラッシュカードは万能ではありませんが、要所要所で大きな威力を発揮します。正しい方法で子どもと一緒に楽しみながら取り組みましょう。

最終的には、いろいろな文脈の中で使われる単語の意味を何度も考えることによって、豊かなボキャブラリーは得られます。こちらの動画セミナーではその方法を詳しく説明しています。

子どものための英単語の覚え方(実践編)

電車の中で、英語の単語集を開いて一生懸命暗記している高校生を見かけることがあります。学校で単語テストがあるのかもしれません。このような光景を見ると「頑張れよ」と応援したくなります。

そのような彼らの様子を見ていて、気になることがあります。暗記用シートが挟まった単語集をじっと見つめるだけで、口が動いていないのです。電車の中でも声に出ない程度にわずかでも口を動かして発音したほうが、使える単語として学べます。

学校の先生はきちんと時間を取って、学習の仕方を教えた方がいいです。授業以外の時間にも生徒が自習できるようにしたほうが英語は伸びるからです。

英語力は4技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)から成り立っています。それを下から支えているのは「文法と語彙力」です。今回は子どもが語彙力を高めるための実際の手順を詳しく説明します。

幼児~小学校高学年の期間、能力や心が急激に変化します。大人の学習方法とは異なる部分をお母さんが理解して、子どものボキャビル(単語学習)をサポートしてあげましょう。

第一段階:最初にアクティブ・ボキャブラリーを300語覚える

小学校入学前の幼児であれば、ボキャビルよりも先にやっておくことが2つあります。まず、英語絵本の読み聞かせを通じて子どもが「英語の音」に慣れるようにしましょう。このときお母さんは発音を気にしすぎる必要はありません。ほどほどで大丈夫です。

もう一つのやるべきことは、「アルファベットとフォニックスの基本」を学ぶことです。アルファベットの読み方は単語で使用されるときの読み方と一致しないことが多いです。そのため綴りと音の緩い規則であるフォニックスを学ぶ必要があります。

まず、英語の音に慣れてアルファベットとフォニックスの基本を身につけたら、ボキャブラリーを意識した学習に進むことができます。ボキャビルのコツを学ぶと子どもの英語学習に弾みがつきます。

超基本単語300語を一気に攻略

文字から覚えるボキャビルは5歳くらいから可能です。だからといって単語集を買ってきて暗記するのは、この年齢の子どもには無理があります。

とりあえずの目標は、300語くらいの超基本単語です。「英語絵本の読み聞かせ」「英語での育児」を通じて、とりあえず意味がわかるようにします。暗記ではなく、生活に英語を取り込みながら何度も単語と英語の音・文字を結びつける作業を繰り返します。

具体的な方法は、家中の物に英語を書いた「ふせん」を貼ってみるのもひとつのアイディアです。やり方は簡単です。冷蔵庫に「fridge」と書いた付箋を貼るだけです。

そして毎日、“Do you want some milk?  It’s in the fridge.”とか“Close the fridge now.”と話しかければ、冷蔵庫がfridgeであることを覚えます。このように少しずつ単語を増やしていけば、身の回りの単語はかなり理解できるようになるはずです。

数字、曜日、月、色などは同じ種類でまとめて覚えたほうがいいので、フラッシュカードも利用したほうがいいです。そして、覚えた単語を実生活と結びつけることがポイントです。

毎朝お着替えをした時に、服の色を指で指しながら“You want to wear this one?  Yellow is your favorite color.”などと話しかければ、カードで覚えた単語と現実の世界が結びつき記憶が強化されます。

どの単語を覚えたらいいのかわからない場合は、Jリサーチ出版の『英語が得意になる! 最初に覚えたい600語 ゼロからスタート 小学英単語』(安河内哲也著)がオススメです。
小学英単語

基本単語をアクティブ・ボキャブラリーにする

聞いたり読んだりするときに意味がわかるけれど使うことはできない語彙を「パッシブ・ボキャブラリー」と呼びます。例えば、「矜持」は「きょうじ」と読み、意味は「プライドのこと」であると私は知っています。しかし、会話や文章を書くときに矜持という言葉は出てきません。

一方、「プライド」という言葉は日常会話で使います。このように自分で使いこなすことができる語彙のことを「アクティブ・ボキャブラリー」と呼びます。私にとって矜持はパッシブ・ボキャブラリーであり、プライドはアクティブ・ボキャブラリーです。

300語ほどの超基本単語を知っているだけでは、子どもは英語を話せません。意味を知っているだけの単語を「アクティブ」に変化させる必要があります。

使える単語にするためには、「使うトレーニング」が必要です。日本語環境で、子どもに英語を使わせるには3つのコツがあります。

一つ目は、英語での話しかけの中で、子どもが何かを欲しているときを狙います。例えば「牛乳飲みたい」と言ったらSay “Milk, please.”(ミルクちょうだい、って言ってごらん)と話しかけます。

“Milk, please.”と言わないといつまでたっても牛乳が飲めないので、子どもは英語を話さざるをえません。これを繰り返すと、牛乳を飲みたいと思ったら“Milk, please.”と言えるようになります。

自分で言えた単語のmilkもpleaseもアクティブ・ボキャブラリーです。このようにして、意味がわかるだけの言葉(パッシブ・ボキャブラリー)を使える言葉であるアクティブ・ボキャブラリーへと変えていきます。

二つ目の方法は、文字で覚えた単語やフレーズを子どもに使わせるやり方です。

例えば、スイッチパネルのところにturn on the light/ turn off the lightと書いておけば、アクティブにすることができます。

夕方暗い部屋に戻ったときお母さんが“It’s dark here.  What shall we do?”(ここ暗いわね。どうしましょ?)と子どもに問いかけます。子どもが“Turn on the light!”と言えばしめたものです。

三つ目の方法は、英語絵本に登場してきた動物やフレーズを実生活の中でも使わせることです。私が息子に読んだ絵本「Excuse me!」の中で、ゲップをした子が親からWhat do you say?と聞かれてExcuse me!と答える場面があります。

何度も繰り返し読んであげるうちに、子どもはセリフを暗記して“Excuse me!”と言えるようになりました。ある日、夕食を食べていたら息子がゲップをしたので、すかさず私は英語でWhat do you say?と尋ねると、ニヤリと笑いExcuse me!と答えたのです。

楽しみながら音読をするうちにフレーズを自分のものにして、実際の場面で使えるようになった瞬間です。

上記のような要領で、超基本単語をアクティブなものに変えていくことができます。「私はあなたを愛しています」をほとんどの人は“I love you.”と言えます。このレベルまで使いこなせる英単語を増やせば、会話力が向上していきます。

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第二段階:パッシブ・ボキャブラリーを1000語に増やす

アクティブ・ボキャブラリーとパッシブ・ボキャブラリーの数は常に「アクティブ<パッシブ」の状態です。「パッシブを増やしながら使用する頻度が高いものをアクティブに変えていく」という順番が正しいのです。

本格的に読書をするなら、パッシブ・ボキャブラリーも増やさなければいけません。ここでは子どものパッシブ・ボキャブラリーを増やす効果的な方法について説明します。

音読トレーニングで扱った単語を中心に覚える

目標とする語彙レベルは1500~2000語です。とりあえず1000語くらいの単語の意味がわかるようになると、絵本を卒業して簡単な本が読めるようになってきます。1000語と聞くと大変そうに感じるかもしれませんが、これでもネイティブの5歳に及びません。

単語の覚え方の原則は「繰り返し復習」と「読める→意味がわかる→(書ける)の順番を守ること」です。単語だけを取り上げて学習するのは小学生にはおススメできません。単調になりがちで飽きるからです。

おすすめは、音読トレーニングをしながら出会った単語を一つひとつ覚えていくことです。音読トレーニングは「意味がわかるものを正しい読み方で繰り返し行う」のが大原則なので、ついでに単語も覚えられるからです。

では新しく覚えた単語は、後で復習できるようにノートに記録したり、単語カードを作成したりした方がいいのでしょうか? 私の答えは「ノー」です。カードを作成する手間がかかりますし、後述する電子辞書を使えば時間ゼロでオリジナルの単語帳を作成できます。

また、このレベルの単語は使用頻度が高いので、しょっちゅう出会います。忘れたらまた覚え直すくらいの気持ちでまったく構いません。忘れないことに意識を置くより、繰り返し覚えることを意識したほうが良い結果につながります。

図鑑、マンガ、読書で気になった単語だけに絞って覚える

知らない単語をすべて調べて覚えようとしても疲れるだけです。どうしても意味が気になる言葉だけに絞って、英単語を電子辞書で調べましょう。

忘れてはいけないのは、「読み→意味」の順番です。かならず口に出して、何回か読み上げましょう。これらの中には絶対に試験に出題されなさそうな単語も含まれていますが、お構いなしに覚えたほうがいいです。

本気で新しい単語を覚えるのは音読を通じて行い、プラスアルファでそれ以外の機会で目にした気になる単語を取り扱うようにします。

ちなみに小学生の場合は、単語を書ける状態を目指さなくても大丈夫です。半分以上はフォニックスがわかれば音からスペリングを推測できます。また、音読トレーニングの仕上げとしてディクテーション(書き取り)を導入すれば、そこで学習できます。

電子辞書のヒストリー機能を使う

電子辞書があると、「ヒストリー機能(履歴機能)」を活用して単語を効率よく復習できます。音読練習やその他の機会で調べた知らない単語は、履歴に残るようになっています。

調べた単語が新しいほど、履歴の最初の方に表示されます。カーソルを合わせるだけで意味が小さく表示されるので、この機能を利用して復習をします。

読めないときや意味を忘れた単語にカーソルを合わせて決定ボタンを押すと、詳しい意味が表示されます。次に、ヒストリー画面を見ると、この単語は履歴の最初に移動します。

これを繰り返していくと、覚えられない単語ほど履歴の最初に表示されます。つまり、ヒストリー機能で復習するときは、上から順番に復習していくのがベストです。

ヒストリー機能に収録できる語数は決まっているので、一定数を超えると古いものから自動消去されます。最も覚えている可能性が高いものから消えていくので、わざわざ消去する必要もありません。

普段あまり活用されることのない地味な機能ですが、このように利用するといつの間にか子どもにカスタマイズされた単語帳を作ることができます。

覚えるためのコツ

目新しいコツがあるわけではありませんが、子どもでも応用できる単語暗記術をいくつか紹介します。

・接頭辞・接尾辞・語源を利用する

接頭辞・接尾辞・語源を利用した単語の覚え方はポピュラーですし、このレベルの語彙を増やすのには効果的な方法です。たとえば、happyに否定を表すun-という接頭辞をつけるとunhappy(不幸な)という意味になります。

・語感を利用する

語感を利用するのも効果的です。語感のセンサーが高いと、単語の覚えが早いのは確かです。thudは(どさっ)という物が落ちる音を表しますが、この感覚がすっと腑に落ちる子どもは英語センスがあります。

・連想力を発揮する

連想力が働く子どもは英語学習に向いています。全米プロフットボールリーグの王座決定戦を「スーパーボウル」と呼びますが、ボウルを「玉(ball)」と勘違いしている人が多いです。正しい綴りはSuper Bowlです。

bowlは料理に使う「ボウル」です。アメフトのスタジアムの形がボウル状なので、このように呼ばれているのです。bowlを1.料理に使うボウル 2.アメフトのスタジアムのように覚えるのではなく、共通するイメージが頭に浮かぶだけで語彙はグッと増えます。

・エピソード記憶を利用する

「エピソード記憶」を利用する方法もあります。エピソード記憶とは、何かを経験したときにそれに伴った事柄が記憶されることです。意図的に利用するのが難しいのが欠点ですが、努力不要で覚えられるのが長所です。

私の息子が幼児の頃、ボウルに入った氷水に手を入れて「冷たーい!」と叫んでいました。そこですかさず“It’s icy water.”と教えてあげました。それからしばらくして、「この前のicy water冷たかったねー」と話し始めました。

何か印象に残るような出来事(びっくりするほど冷たい水に触った)により、icy waterという単語の意味が強烈に記憶に残った結果です。このようにエピソード記憶には、忘れにくいという特徴があります。

普段の生活で子どもが大喜びしたり、びっくりしたりすることは山ほどあります。その経験と英単語がうまく結びつくと、忘れにくい記憶となり、パッシブの状態を飛び越えてアクティブ・ボキャブラリーとして一気に定着することも期待できます。

ポピュラーな単語暗記術をいくつか紹介しましたが、一つの方法に頼り過ぎてはいけません。覚えやすい特徴があれば利用するべきですが、上記のテクニックが常に有効というわけではありません。

その場合は丸暗記するしかありません。電子辞書のヒストリー機能を使いながら、復習を繰り返して覚えるように子どもにアドバイスをしましょう。

第三段階:アクティブ・ボキャブラリーを増やす

第二段階で1000~1500語レベルに到達すると、英検3級は合格できるようになっています。小学生でこのレベルまで到達すれば、なかなかの実力といえるでしょう。

しかし、英検3級に合格しても英語を話せる子どもは極めて少ないです。それは、1000語~1500語のボキャブラリーのほとんどが、パッシブだからです。

中学・高校・大学受験へと進むにしたがって覚える単語数は増えていきますが、ほとんどの学習者はパッシブのままに放置してしまいます。すると入試・資格試験は合格できても、英語を話せない人になってしまいます。

せっかく子どもの頃から英語学習に取り組むのなら、使える英語を身につけないともったいないです。そこで、読みと意味だけ知っているパッシブ・ボキャブラリーを少しでもアクティブなものに変えていく方法について解説します。

使えるようになりたければ、使って覚える

第一段階で説明した原則は、ここでも同じです。「使えるようになりたければ、使って覚える」ことが大切です。このレベルの語彙を使いこなすのはかなりハードですが、時間をかければ必ず攻略できます。

・ひとり言ブツブツ英会話

最初の頃よりも語彙レベルが上がっているので、第一段階で説明したような方法は通用しません。今回は、ひとり言ブツブツ英会話が有効です。

とりあえず、子どもに日常の雑談を30秒くらいの英語で表現させます。筆記用具は不要で、自分でブツブツ言うだけです。たとえば、家族で山梨県に墓参りにいったとしたらこのような感じです。

I went…(墓参りって何て言うんだろう)in Yamanashi.  (帰る途中)we saw few people.  Suddenly, we (見つけた) a deer on the road.  My father stopped the car and the deer looked at us (長い間)

最初はこれだけ言うのにも四苦八苦ですが、気にすることはありません。30秒どころか、数分かかるかもしれませんが、相手がいるわけではないので大丈夫です。

・和英辞書や翻訳ソフトで英作文

言えない部分を和英辞書で調べながら、ノートに文章を書いてみます。和英辞書でもぴったりとした表現が見つからなければ、翻訳ソフトを利用してみましょう。まだまだ改善の余地がありますが、シンプルな文章ならかなりの精度で日本語を英語に変換してくれます。

I visited my family grave with my family in Ymanashi.  On our way home, we saw few people.  Suddenly, we found a deer on the road.  My father stopped the car and the deer looked at us for a long time.

小学生では本格的に文法を習っていませんから、時制や複数形などのミスが多いのが普通です。書いた文章は、英語の先生に添削してもらいましょう。自分が表現したかったことを細かく伝えて、そのニュアンスに近い英語にしてもらいます。

・暗唱する

そしてこの英語をスムーズに感情を込めて言えるようになるまで、何度も繰り返しブツブツ言いながら練習します。翌日になってもスムーズに口をついて出るようなら、この文章の練習は終わりです。

このような練習を毎日ひたすら繰り返すと、英語で表現できることが徐々に増えていきます。

子ども特有のボキャビルに関する疑問

ここでは子どものボキャビルに関する疑問に回答します。子ども特有の事情により、大人とは違った難しさがあります。

子どもに理解できない単語が登場するがどうしたらいいか

小学生でも上級者になると、英検準2級くらいから難しめの単語が登場するようになります。たとえばpotentialは「潜在的な(形)、潜在力(名)」という意味ですが、このような抽象的な概念を表す言葉が増えてきます。

小学生4年生以下で「潜在的」という言葉をきちんと理解している子どもはほとんどいないでしょう。問題は、「潜在的な」という言葉や概念をしっかりと理解できないのに、英語と意味を暗記させることに意味はあるのか、ということです。

私の考えでは、子どもが気にせずに丸暗記できるならそのままでいいと思います。しかし、意味がわからない単語に嫌気がさしているようだったら、飛ばしてもいいと思っています。日本語で言葉の概念を正しく理解してから覚えれば大丈夫です。

いずれ中学生くらいになれば、きちんとその言葉を理解できるようになるからです。長い目で見れば大きな問題ではありません。

文法はどうするか

不規則動詞は、時制によって形が変化します。例えば、thinkはthought、readはread【発音:red】のようにです。

「最初に時制に関する文法の知識を教えないと混乱するのでは…」と英語が得意なお母さんは考えるかもしれません。しかし、文法のことはとりあえず保留にしておきましょう。

先ほどの例なら、thinkとthoughtを別々に覚えても構いません。いずれ、ふたつの動詞が同じ動詞であると気づきます。気がつかなかったとしても、中学校で本格的に文法を習えばすぐに理解できます。

文法を先に学んでから英語に触れるよりも、実際の英語に触れてモヤモヤを抱えているタイミングで文法を学んだほうが定着は早いといわれています。小学校の間は正確な文法理解を求めて焦り過ぎないようにしましょう。

まとめ

ボキャビルのコツは究極のところ、「単語によって付き合い方を変える」ことだと思います。

一緒にいる時間を増やさないと親友レベルの友人にはなりません。同じように、アクティブな語彙を増やしたければ、何度も会話で使ってみるという訓練を避けることはできません。一方、意味だけ分かればよい単語も存在します。

英語の勉強がある程度進むと、単語力が停滞する時期が必ずあります。すべての単語を全力で覚えようとすると英語が嫌になってしまいます。単語によっては気楽に付き合えばいいと考えるだけで、心にゆとりが生まれます。

英語力が停滞したら、お母さんから子どもにボキャビルの話をしてあげましょう。停滞期を乗り切るきっかけになるかもしれません。せっかく子どもの頃から英語を学び始めたのなら、使える英語が身につくようにサポートしてあげましょう。

小学生の英単語暗記法

英単語の暗記は誰にとってもつらいものです。私も中学校で初めて英語を習ったとき、曜日の英単語に苦労しました。Sunday, Monday, Friday, Saturdayは比較的簡単でした。しかし、Wednesdayになると発音されない「d」を入れることを毎回忘れてしまい、テストで間違えてばかりいました。

小学生が英単語を覚える場合は、大人が覚える以上に大変です。ここで苦しさしか感じないと英語学習が苦痛になります。そこで、ある程度暗記の困難を緩和するテクニックが必要になります。万能ではありませんが、何らかの助けにはなるはずです。

学習指導要領の中で小学校の英語では卒業時までに600語程度の単語力を身につけておくことが求められています。そこで、どうすれば少しでも効率的に子どもが英単語を増やせるのかについて解説します。

小学生のための英単語暗記法

英単語学習は、文法学習と共に英語学習の核になるものです。よく言われる英語4技能(読む・聞く・書く・話す)はこの二つの知識をもとにして身につけることができます。これらの関係を図で表すと下のようになります。

お母さんによく観察して欲しいのは、知らない英単語に出会ったときに子どもが「どのようにその単語を調べて覚えようとしているか」ということです。簡単にいえば覚え方のステップです。

英語が伸びる子どもは、「読める(正しく発音)→意味がわかる→スペル(つづり)」の順番で知らない単語を覚えていきます。これまで個人指導も含めて多くの子どもを指導してきましたが、あとで英語が伸びる子どもはこのやり方を守っています。

まず、アクセントも含めて正しい発音でその単語を読めるように何度も口に出してブツブツ発音します。音を最初にマスターすると会話やリスニングで登場したときに使えるため、生きた知識になります。

最初に自己流の変な読み方(ローマ字読みなど)で適当に発話していると、あとで修正してもう一度正しい読み方を覚えなければなりません。最初から正しい読み方をマスターしたほうが労力は少なくて済みます。

次に、意味を調べます。ここはいろいろなテクニックを駆使して覚えるしかありません。テクニックについては後ほど解説します。これでもダメなら丸暗記が有効な方法です。

最後にスペリング(つづり)を覚えます。細かい話ですが、英語の得意な子どもはその英単語の発音をしながら、該当部分を紙に書くのが習慣づいています。

英語が伸びない子どもは知らない単語に出会うと、「意味→スペル(つづり)」のステップで単語を暗記しようとします。発音は無視するか、適当にローマ字読みをして流してしまうので、会話やリスニングで活用できる知識になりません。

知らない単語に出会ったら、意味やつづりよりも先に正しく発音できることを最優先にすることを子どもに習慣づけさせましょう。

究極の単語暗記法は反復すること

高校に入学したときのことを思い出してください。同級生と合うのは初めてなので、当然、名前と顔が一致しません。しかし、5月の連休前にはクラス全員の顔と名前は一致していたはずです。

この体験の中に、ボキャビル(語彙学習)の基本が隠されています。毎朝、担任の先生が点呼して、呼ばれた生徒は手を挙げます。授業中、先生が指名したらその子は返事をして答えます。子どもは胸に名札をつけているので、ひらがなが読めれば確認できます。

あなたは何度も顔と名前を一致させる作業を繰り返していたはずです。もちろん目立たない子や似た名前が複数いる場合は混乱しますが、確認作業を繰り返すうちに全員の顔と名前は一致するようになります。

英語のボキャビルの極意もまったく同じです。一日だけ一生懸命暗記しようとしても記憶は定着しません。英語が苦手な子どもほど、最初の1回で暗記をしようと試みますが特殊な才能がない限り覚えられません。

それよりも忘れることを前提に学習をするほうがはるかに現実的です。単語の綴り・読み・意味を一致させる作業を一定期間に何度も何度も繰り返す方が記憶は定着します。ですから究極の単語学習のコツは「90%以上の時間を復習に充てる」ことといえます。

小学生が覚えるべき英単語の一覧:おすすめ英単語帳

大学受験のときに、英語学習で単語帳を購入した経験のあるお母さんは多いでしょう。単語帳の役割を改めて考えてみると、「大学に合格するために必要な単語がわかる」ことです。

辞書にはたくさんの単語がありますが、すべてを覚えることはできません。そこで、「これさえ覚えれば何とかなる」という基準を与えてもらい、必要最低限の努力で英語の試験をパスできるためのツールが単語帳の役割です。

小学生が覚えておくと英語学習がはかどる単語が掲載されているのは、『ゼロからスタート 小学英単語』(安河内哲也著、Jリサーチ出版)です。

小学英単語

小学校の中・高学年向けに最初に覚えるべき600語が掲載されています。最初にイラスト付きで「いきもの」「果物」などのカテゴリーごとにイラスト付きで名詞が並んでいます。

次に動詞が掲載されていますが、原形だけでなく例文付きで過去形も紹介されています。英検4級では過去形について出題されるので、そのレベルまでは使用に耐えるつくりになっているのが好感が持てます。

最後に形容詞が紹介されています。本当に基礎的でよくつかわれるものが厳選されている印象を受けます。単語以外にも基礎的な英会話フレーズがあって、小学校の間はこれ一冊で充分間に合います。

単語帳以外の単語が大切な理由とは

単語帳は手元にあれば便利なのは確かです。しかし、ここに掲載されていない単語を「覚えなくてもいい」とか「重要ではない」と考えるのはやめましょう。

例えば、『ゼロからスタート 小学英単語』にはdinosaur(恐竜)という単語は掲載されていません。そのときに、「小学生は覚えなくてよい」と子どもにアドバイスをしてしまうとせっかく英単語を増やせる機会を台無しにしてしまいます。

私も含めてお母さん世代は中学校から英語を学びました。どうしても試験を意識した概念的な単語を多く覚えるようになります。ところが、実際の生活では日常的な単語のほうが重要です。

例えば指の名称(人差し指~小指)をすべて英語で言える人は意外と少ないです(正解は、the index finger, the middle ~, the ring ~, the little ~ or pinkie)。environment(環境)は知っているけれどこのような基礎的な単語がわからないのはバランスが悪いです。

学校英語だけでは身の回りの英語を網羅しきれません。「試験に出る・出ない」という狭い考えで単語勉強をすると実践的な英語力から外れてしまいます。歯磨き粉を意味するtooth pasteなどネイティブなら3歳でも知っている単語ですが、日本の中学生の多くはすぐに口から出てきません。

小学生の頃はテストに縛られないので、単語帳の枠にとらわれないようにしましょう。子どもが興味を持ったり気になったりしたなら、どんどん調べて教えてあげましょう。そのほうが豊かな英語力が育ちます。

小学生の英単語学習の難しさ

小学生で英語を学んでいる子どもの多くは、超初心者レベルです。大人が英単語を学習するのと異なり、特有の難しさがあります。その原因は主に、発音と文法に関するものです。

単語帳にはCDが付属していて、正しい英語の音を聴けます。また、電子辞書などを使用すると、正しい発音を再生できます。しかし、これだけでは小学生が正しい発音を学ぶことは難しいです。

例えば、telephone(電話)という単語を付属のCDなどで音を聴いても、正しい発音をできるようにはなりません。なぜなら、日本人の子どもならこの音を聞いたときに、脳内で「テレフォン」というカタカナに置き換えて処理するからです。

カタカナで「レ」と発音している限り「lかr」なのか、永遠にわかりません。phは本来【f】という上の歯を下唇に押し当てて息を吐きだす音ですが、カタカナの「フォ」で処理しているのでfoと書き間違える可能性が高いです。

この対策としては、正しい発音がある程度できるまでは英語の先生に指導してもらうのが一番です。英語の発音はフォニックス(音とつづりの法則)にある程度習熟すると、発音記号を読むことで独学でも単語学習を効率よく進めることが可能になります。

カタカナでルビをふるのがダメな理由

子どもの向けの教材では、英単語を読みやすくするためにカタカナのルビがふってあります。子どものためにカタカナのルビをふることに私は断固反対です。カタカナで発音すると、相手に伝わりませんし相手の発音を聞き取ることが難しくなります。

例えば、pencilを読むときに、無理やりカタカナをふると「ぺ・ン・スィ・ル」(4つの音)となります。ところが英語では、pen・cilの2つの音のかたまりで読まれます。ここに「音の数のズレ(差)」が生じる原因があります。

リスニングのときに「英語が速すぎて分からない」との悩みをよく聞きます。原因のひとつは、この音のかたまりの数の差です。日本人はカタカナで音を捉えていて音のかたまりは英語よりも多いのです。英語ではもっと少ない音のかたまりで一気に発話されます。

上の図のように、同じ3秒でも読まれる範囲は全然違ってきます。カタカナに慣れた日本人が英語を聞いていて処理できなくなるのは当然です。長めの単語や読みにくい単語が登場したら、音のかたまりで下線を引いてあげると子どもが読むときの助けになります。

また、英語は子音が連続する傾向があるのに対して、日本語は子音と母音が交互に現れます。例えば、 twelfth(12番目)の発音記号は【twelfθ】で、母音は【e】のひとつです。これをカタカナ読みで「トウェルフス」と読むと【towelfusu】となり、ネイティブが聴いてもまったく別単語にしか聞こえません。

話しても通じない、相手の話したことも理解できないような単語学習は時間のムダなので、カタカナ読みは絶対に避けるべきです。

文法の知識がないため単語学習が進まない

文法の知識不足も、小学生の単語学習の足かせになります。例えば、“We enjoyed the play.”のplayを「遊ぶ」とか「スポーツなどをする」と動詞として考えていると、いつまでたっても意味がわかりません。

この場合、the playと定冠詞のtheがついていることから、playは名詞であり「芝居」という意味になることがわからないと、文意があいまいなままになってしまいます。

文法の知識不足は別の形でも影響してきます。物語を読むと、過去形が頻出します。不規則動詞のwentを見て、すぐに「goの過去形だ」とは小学生は気づきません。

対策としては、単語リスト付の本や教材を使用するのがいいです。その文章での意味がそのまま掲載されているので、文法の知識不足による単語学習の効率の悪さが解消されます。

ドリル、プリントがオススメできない理由とは

私は小学生時代の勉強といえば、毎日の漢字練習を思い出します。一行に何個も同じ漢字を書かされて、本当に大変でした。思い返すと、あの練習をしているときは無言でした。ドリルやプリントをするときは無言で取り組む習慣が身に染みています。

英単語を学ぶときに、ドリルやプリントをおすすめできない理由はまさにこれです。黙々と紙に単語を書いても、正確な発音をする機会がないために実践で活用できないからです。声に出しながら取り組むならいいのですが、染み付いた習慣はなかなか変わりません。

単語カードは昔から定番の英単語暗記ツールですが、これも小学生にはおすすめしません。そもそも書くスピードが遅いので、カード作成に膨大な時間がかかります。これなら単語帳を音読しながら学習したほうが圧倒的に効率がよいです。

このように小学生は英語に関しては超初心者なので、英単語の暗記に関して大人以上に注意が必要です。雪だるまづくりと似ていて、最初ほど大きくするのは難しいのです。少しでも最初の負担を減らすために、小学生に有効な英単語の暗記法を紹介します。

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小学生の英単語暗記法

英単語の丸暗記は確かに苦痛です。そこで、その苦痛を半分程度に抑えるために、巷でいわれるいろいろな方法をすべて試してみましょう。具体的には、語源や外来語を利用したり、多読を積みながらさまざまな文脈で使用される単語を覚えていく方法です。

長い間英語学習を続けた私が断言しますが、「英単語をすぐに覚えられるたった一つの方法」は存在しません。手を変え品を変え、少しでも暗記の負担を減らすのが最も有効な手段です。もしそのどれもが通じなければ、最後は丸暗記が最も有効です。

そこで、丸暗記の量を少しでも減らしてくれる代表的なテクニックと注意点について、詳しく説明します。

語源で覚える

漢字の部首のように、英単語にも意味のあるパーツで構成されているものがあります。例えば接頭辞(単語の頭について意味を添えるもの)にex-が付くと、「外に」という意味になります。

この知識を利用すると、explode(爆発する)やexhale(息を吐きだす)などを比較的簡単に暗記できます。反対を意味するun-を活用すれば、unhappy(不幸な)を簡単に覚えられるなど、語源の知識は知っておいて損はありません。

しかし、語源の知識は万能ではありません。例えば、money(お金)には暗記に役立つ語源はありません。辞書で調べると「ローマで最初の貨幣が女神ユノ=モネタを司る神殿で鋳造されたから」とわかりますが、単語を覚えるのには何の役にも立ちません。

カタカナ語(外来語)を活用する

日本語は外来語が氾濫しています。私の目の前にあるパソコン雑誌を適当に開くと次のようなカタカナが見つかりました。

  • アップデート update(~を最新のものにする)
  • スマート smart (賢い)
  • タップ tap (コツコツとたたく)
  • アイコン icon (アイコン、像)
  • フォルダ folder (紙を挟む厚紙)
  • ページ page (ページ)

日頃から本や新聞を読む習慣のある小学生なら、カタカナの知識を英語に活かさないのはもったいないです。日頃から日本語を読んでいて意味があいまいなカタカナに触れたらすぐに調べる習慣をつけておきましょう。

この積み重ねがあると、英単語を覚えるときにも確実に役に立ちます。ただし、2つ注意しなければいけないことがあります。それは、和製英語と発音です。

和製英語とは、日本人が勝手に英単語を並べて作り出した言葉で、英語圏の人には通じない単語です。有名なものには、「アルバイト」「マンション」「ナイター」などがあります。

これらは正しい英語では「part-time job」「condominium(mansionは大邸宅の意)」「night game」となります。これらの和製英語には気をつけなければいけません。

また、発音については「カタカナ」は無視しましょう。特に2重母音(【ei】【ou】など)は、日本語のカタカナでは「ー(音引き)」で処理されることが多いです。

例えば、majorは正しい発音は「メイジャー」ですが、日本語では「メジャー」と表記・発音されるため、まったく参考にはなりません。

カタカナの意味の知識は活用しつつ、発音は丁寧にオリジナルの英単語を調べることが大切です。

多読で覚える

多読により語感が研ぎ澄まされるのは確かです。これはいろいろな文脈の中で使用される単語に触れるからです。

例えば「彼女は鏡をバッグから取り出した」という文章で “She took a mirror out of her bag.”と書いてあったとします。「から」ですぐに思いつくのは「from」です。しかし、ここでは out ofが使用されています。

日本語ではあいまいに処理されていますが、箱やバッグの中にあるものを取り出す場合の「から」は「out of」が正解です。「from」ではもともと中にあったというニュアンスが伝わらず変な意味になってしまうからです。これは、単語帳からは学べない貴重な知識です。

多読の経験を重ねると、多義語についても学べます。多義語とは「たくさんの意味や用法がある単語」です。一つの単語で複数の意味を持つので、単語帳で暗記するには不向きな単語です。

多義語を攻略するにはいろいろな用例に触れて実際に使いながら覚えるしかありません。tellという動詞は文脈によって意味や使い方が異なる単語です。

多義語

 

この単語の全体像を捉えるには異なる文脈での使われ方を見ていくしかありません。単語学習の観点からは多読は単語数を増やすのではなく、言葉のイメージを豊かにしていく効果があるといえます。多読で単語を覚えようとするのは非効率です。そもそも本を読める前提として9割以上の単語を知っていることが条件だからです。

しかし、単語帳で覚えた意味を実践で思い出す訓練や、ストーリーと関連づけて印象的な単語を覚えやすくする効果はあるので、多読は大切です。

以上、英単語を楽に覚えるコツを3つ(語源の活用・カタカナの知識・多読)を紹介しましたが、現実的にはこれらをすべて試してみることが肝心です。それでもダメなら、最後は根性で丸暗記するのが最後の手段です。英語学習の辛い部分ですが、長期的な視点に立って子どもをサポートしてください。

スペリングは「ぶつぶつライティング」で覚える

単語学習の仕上げとして、スペリング(つづり)について触れたいと思います。小学生の間は書けなくても問題ありませんが、中学校では英語の試験が始まり英単語を正確に書くことが求められます。

そのため、小学生のうちから少なくとも「正しいスペリングの覚え方」を身につけておくことが大切です。私のおすすめは「ぶつぶつライティング」です。これは声に出しながら、英単語を書く方法です。

例えば、mouth(口)を書くときは、【mau】と声に出しながらmouとつづります。声とスペリングを同時にすると、「ouはアウと発音するのか」と確認できます。

【th】を舌先を上下の歯に軽く挟んで息を出すことで発音しながらthとつづると、thの文字を見るとこの音を出すようになります。もしいい加減にカタカナの「ス」と発音していると、ネズミを意味するmouseと混同する可能性が出てきます。

英語が苦手な子どもほど黙々と英語を書いて覚えようとします。正しい発音でつぶやきながら書くだけで、英単語のスペリングは驚くほど正確に覚えられるようになります。ぜひ、子どもにぶつぶつライティングを習慣づけさせてください。

まとめ

小学生にとって英単語の習得は本当に大変です。しかし、英語力の核となる部分なので、正面から取り組む必要があります。

小学生が最低限覚えるべき英単語の一覧として、英単語集を手元に置いておくといいです。ただし、それ以外の単語学習にブレーキをかけないように注意しましょう。

辛い丸暗記を少しでも減らすために、語源やカタカナを活用したり多読を積むのは良いアイデアです。しかし、万能は暗記法は存在しないので、これらの方法がうまくいかないときには丸暗記の努力も必要です。

中学校に進めばスペリングも大切になるので、ブツブツつぶやきながら英語を書く習慣を小学校のときから身につけておくと有利です。簡単にできるので試してください。

単語に関しては、単語帳を開いて学習するだけでなく、あらゆる機会を通じて英単語を覚えようとする姿勢が大切です。町の看板、本で読んだ意味の分からないカタカナなど気になったら調べる好奇心と行動力を子どもが身につけると、英語力は加速度的に向上します。

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