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リーディング

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語彙力アップだけじゃない!子どもの英語、多読のメリットとは

公立中学校に通う生徒は3年生になると高校受験を意識して勉強し始めます。10年前なら本格的な受験対策は夏休みからで充分間に合いました。

しかし、最近では難関校では都道府県で共通の問題ではなく、学校ごとの「自校作成問題」を出すようになりました。

東京都立高校の自校作成問題を詳しく見てみると、問題の難易度が高いだけでなく、英文の量がとにかく多いです。1分間に読む単語数をWPM(Word Per Minute)で表しますが、150WPM(中学生レベルなら最速)で読み続けてもほとんど見直す時間がないほどの量です。

学校の授業では精読(正確に読む)が中心です。教科書の1~2ページを1時間かけて正確な意味を解釈する、という授業スタイルです。精読だけでは、3年生の夏休みから本格的に長文対策に取り組んでも、難関校志望の場合は間に合いません。

私はある程度英語力があるのなら、小学生のうちから「多読」の習慣を取り入れるべきたと考えています。多読とは、語彙レベルの平易な英文を大量に長時間読み続けるリーディングです。

多読を通して子どもは豊かな語彙力を身につけます(詳細についてはこちらの記事をお読みください)。今回は、語彙力以外で多読によって得られるメリットについて詳しく説明します。

子どもの英語学習に多読を取り入れよう

過去形や助動詞をひと通り習ったら、小学生から英語の多読にチャレンジして欲しいと思います。物語はどうしても過去形中心で書かれるため、英検4級程度の文法知識が前提となります。

小学生の英語多読には、普通の洋書ではなく「語彙制限本」と呼ばれるものを教材にします。語彙制限本とは語彙レベルに応じて使用される単語レベルを調節して書かれた本のことです。

例えば、英単語1000語レベルの学習者でも読めるように書かれているため、辞書を引かずにストーリー展開に集中できます。ときどきレベル外の単語も登場しますが、その場合は注釈がつくようになっています。

多読の最大のメリットは語彙力が豊かになるところですが、それ以外にも英語の多読によって得られることを中心に説明します。

英文法の定着

文法は知識として覚えるだけではダメです。多読のなかで覚えた知識を何度も確認することで、記憶が強化されていきます。

例えば、money(お金)は数えられない名詞です。これを知識として覚えても、すぐに忘れてしまいます。また、英語を話したり書いたりするときに、数えられない名詞として使えないと意味がありません。

本を読んでいて、主人公が財布を拾ったとします。“Wow, there is so much money inside the wallet.”(ウォー!財布の中にたくさんお金がある!)というセリフを読んだとき、これまで覚えた知識が活躍します。

moneyは数えられない名詞なので、「たくさんのお金」というときはa lot of moneyかmuch moneyで表現します。そして動詞は単数扱いのisとなります。

文法知識として覚えたことが、多読を通じておもしろいストーリーの中で実際に使われているのを何度も確認することになります。無理に暗記している状態から、自然と頭の中に定着していきます。

また、まだ習っていない文法が文中に使われているとモヤモヤした感じが残ることがあります。軽いフラストレーションは語学のモチベーションを高めてくれます。

しばらくして昔に読んだ本を取り出して読み返すとき、以前よくわからなかったところがスラスラと頭に入ってくると自分の成長を実感できます。テストの点数が上がるよりも、このような瞬間に英語スイッチが入るものです。

読書を通じて異文化を学べる

簡単な英語で書かれてあっても、小説の舞台は外国です。日本とは異なる文化を垣間見ることができるため、異文化を学べる絶好の機会です。

小説は空間だけでなく、時代も飛び越えられます。古代ギリシアの話を読めば、演劇では男性が女性を演じていたとか、そのような知識が自然と身につきます。

留学をしなくても、英語を通じて歴史や多国の文化を深く知ることができるのが多読のよいところです。

マレーシアに住んでいた頃、子どもに「KOKKO & MAY」という英語版のマンガを買ってあげました。チャイニーズ系マレーシア人の男の子が主人公のマンガで、マレーシアの文化や習慣が満載でした。

学校の先生が生徒を棒でたたく指導をしているシーンなどがあり、日本との違いを興味深く感じたものです。実際に現地の親に確認すると、チャイニーズ系の学校では体罰は普通に認められている、とのことでした。

入試や英検の長文問題が楽になる

多読の楽しさがわかると、小学生でも1時間くらい英語を読み続けることができるようになります。この能力は、受験のときに大いに役に立ちます。

最近の難関公立高校の入試問題を見ると、英語の語数が驚くほど多いです。これは成績上位の生徒の点数を少しでも散らして評価しやすいようにするためです。都立の難関校では英語の合格基準が60点あたりになるように調節されています。

中学3年生になってから初めて長文に取り組む生徒と、小学生時代から英語の読書習慣がある生徒では大きな差が開くはずです。

語彙制限本であっても一冊の本の英語のボリュームはかなりのものです。この長さの英語を読むことに慣れていれば、英語の入試問題を読むのも苦になりません。

また、検定試験でも同様のことが当てはまります。社会人が受験するTOEICのリーディングパートでは速読だけでなく、斜め読みの技術がないと制限時間内に終了できません。

従来のように短めの文を細かく分析しながら読む「精読」に加えて、大量の英文をスピーディーに読む「多読」の能力は必須です。

読書の力は日本語も英語も共通

英語の本ばかり読ませると日本語能力に悪影響があるのでは、と心配されるお母さんもいるかもしれません。しかし、その心配は不要です。

どんな言語においても読書は教養を深めるために大切なものです。

我が家では息子が海外のインター校にいた間は、英語の読書に力を入れました。会話は学校で自然と身に付くため、リーディングは意識的に取り組みました。

子どもが好きそうなジャンルの本を目につくところに放置しておくと、いつの間にか本好きになっていました。

Year5(日本の小4)のときにはハリーポッター全巻を原書で読み切りました。もちろん知らない単語はたくさんあったようですが、読み飛ばしたり類推したりしたようです。

帰国後、日本語能力の低下がないか心配でしたが、杞憂に終わりました。国語の読解問題のテスト結果を見ると、それほど悪くなかったからです。

行間を読む力は、どの言語の読書をしても養われます。おそらく英語の読書を通じてそのような訓練をしていたため、日本語で読んでも登場人物の本当の気持ちなどが直接書かれていなくても予想できるようになっているのです。

英語の多読を続けると国語の読解力にも好影響を与えます。安心して取り組むようにしましょう。

まとめ

難関校の高校入試問題で、英語の長文量がとても増えています。かつては中3から長文対策をすれば間に合いましたが、今後はそれでは間に合いません。小学生から英語の多読に慣れ親しませることで、大量の英文を制限時間内に読み終わるようになります。

多読を通じて語彙力が向上するのは間違いありません。しかし、多読のメリットにはそれ以外にもあります。

参考書や問題集で知識として蓄えた文法をさまざまな文脈の中で確認することで、すぐに忘れてしまう知識ではなく一生頭に残るようになります。また、多読をすると舞台となっている国の文化や歴史についても深く知ることになります。

多読の楽しみを知ると、子どもでも1時間を超えて英語を読み続けるようになります。このような経験を積んでおくと、大量の英文を制限時間内に処理しなければならない入試や検定試験でもあわてずに済みます。

英検4級程度の英語力がついてきたら、子どもの英語教育に多読を取り入れましょう。

中学受験の英語入試について

我が家には小学生の子どもがいますが私立中学の受験は考えておらず、割とのんびりと生活しています。日が暮れるまで校庭で遊び、帰ってから宿題をやる程度の毎日です。

一方、私の住む地域では教育熱心な家庭が多く、中学受験に向けて夜遅くまで塾に通う小学生が大勢います。夜9時頃の塾帰りの小学生を見て「小学生なのにすごいな」と感心していました。

先日何気なく塾のチラシを読んでいると、「中学受験で英語入試を採用する学校が増加している」という記事がありました。大学入試改革における英語4技能の総合評価と小学校での英語の教科化の影響です。

中学受験の英語試験について私はこれまでまったく知識がありませんでした。しかし、中学受験における英語入試についていろいろと調べてみたところ、いろいろと学びがありました。小学生の子どもを持つお母さんで中学受験を検討されている方に、私なりの見解を交えて解説します。

中学受験で英語入試を実施する学校は年々増加

首都圏模試センターの資料によると、2019年首都圏中学入試での「英語(選択)入試」(帰国生入試以外)の実施校は私立と国立を合わせて125校でした。5年前の2014年はわずかに15校だったことを考えると、大幅に増加しています。

*詳しい資料はこちらからダウンロード:https://www.syutoken-mosi.co.jp/blog/upload/a09cfcb8651fbddc970d8acb8d509148_7.pdf
(首都圏模試センター)

資料を細かく調べると、試験形態や英語を含めた科目数はバラバラです。それぞれの学校が独自の基準を設けて、試行錯誤している様子がわかります。基本的な問題を出す学校から、小学生向けとは思えないような難問を出す学校まで難易度もさまざまです。

中学受験の英語入試2つのタイプとは

中学受験の英語入試には大きく2つのタイプがあります。一つ目は、帰国子女向けの英語入試です。親の海外勤務に帯同し海外で教育を受けた子どもが、中学受験を機に帰国するケースを想定しています。

生徒募集要項にある「帰国生入試」はこれに該当します。出願資格には、海外在留期間〇年以上などの条件があります。

もう一つのタイプは、日本で生まれ育った普通の小学生が対象の「英語選択入試」です。英語を小学校の間学び、英語が得意科目なのでそれを活かして受験したい、という子どものために一般入試の一形式として英語を選択できるケースです。英語は選択科目であり、受験に必ず必要ではないところがポイントです。

この場合、英語以外の科目については学校ごとに異なりますが、下記のうちのいずれかに分類されます。

国語、算数、英語から2科目選択
算数と英語の2科目で受験
英語のみの1科目で受験

近年増加しているのは、上記のうちのいずれかによる一般入試における英語選択入試です。次に、超難関校や難関校での英語試験導入についての動向について調べてみました。

中学受験:超難関校では英語入試は未実施

「英語選択入試」を採用している中学校は、つい最近までは中堅・下位校だけでした。しかし、2017年から難関校でも徐々に採用されるようになり、2019年度入試では慶応湘南藤沢中等部でも「英語選択入試」がスタートしました。

一方、私のように中学受験に疎い者でも聞いたことのある御三家(麻布・開成・武蔵・桜蔭・雙葉・女子学院)においては、2019年時点では未実施です。

これらの超難関校に入学できるくらいの能力ならば、中学から英語を学んでも大学受験の頃には余裕で英検準1級レベルに到達するでしょう。そのためこれらの学校ではあえて英語を入試科目に入れる必要はない、と判断しているのかもしれません。

中学入試:難関校の英語入試のレベル

超難関校では様子見が続いていますが、難関校では少しずつ英語選択入試を導入する学校が増えています。そこで、実際の英語試験のレベルはどの程度のものなのかを調べてみました。

実際に英語入試問題がインターネット上に公開されている学校から、関西の難関校である「西大和学園中学校」の英語入試問題を参考にしました(2018年度英語重視型A方式筆記問題・東京会場)。

西大和学園中学校の英語入試問題の紹介

まず、問題用紙の表紙から度肝を抜かれました。目次や注意書きがすべて英語で書かれています。受験生はあらかじめ塾などで何が書かれているかを予習するのでしょうが、小学生向けの試験とは思えない仕様です。

・Section 1: Error identification 文法や語法の誤りを見つける問題(15問)

選択肢をよく見ると、「d 間違いがない」が含まれており、これが難易度を上げています。あいまいな文法理解では正答できない問題で、英検2級に合格できるくらいの英語力が必要です。

・Section 2: Choosing the appropriate words 文中の空欄に適した語句を選ぶ問題(15問)

過去形と現在分詞形の違い・関係代名詞の正確な知識・高度な語彙が求められます。全問正解する必要はないのでしょうが、私にもわからない単語が含まれている問題がありました。

・Section 3: Choosing the best response to the prompt 質問に対する適切な応答を選ぶ問題(10問)

前のセクションと比較すれば、やや易しめの問題ですが、あとに長文が控えているので悩んでいる時間はありません。

・Reading Comprehension  長文の内容一致問題(2問)

長文の内容一致問題が二つ(それぞれ5問)あります。英検2~準1級レベルのリーディング力が求められます。

正確さだけでなく、圧倒的な速読力が必要です。前半の問題で20分かけたとしたら、一つの長文には答える時間も含めて10分しかかけられません。

海外のインターナショナルスクールに3年半通った息子は、ハリーポッターシリーズを英語で読めますが、この問題を解かせたところ制限時間ギリギリでした(10問中9問正解)。日本で生まれ育った小学生にこの英語力を求めるとは、もう笑うしかありません。

西大和学園中学校の英語入試は相当難しい

私が過去問を見たところ、問題のレベルは英検2級相当の生徒なら6割くらいは正答できます。しかし、英検2級よりも難易度が高いと感じることが2つあります。

一つ目は解答時間が短いことです。相当な速読力が求められており、同じ文を繰り返し読み直す時間的余裕はありません。

二つ目は扱われるテーマや語彙レベルの高さです。長文ではハッブル宇宙望遠鏡やイギリスの児童文学作家のロアルド・ダールによる『チャーリーとチョコレート工場』がテーマです。これらの知識がなくても解答はできるでしょうが、ある程度の予備知識がなければ小学生でこの内容を理解できる子どもはかなり限られます。

難易度をまとめると、文法力は英検2級レベル、リーディングに関しては英検準1級に近い英語力がなければ高得点を取るのは難しいテストです。

結局、合否を決めるのは日頃の英語トレーニングの質と量です。こちらの動画セミナーで詳しく説明しています。

中学入試:難関校を本気で英語入試で受けるためのプラン

ここまで読んだほとんどのお母さんは「そんなの無理」と思ったことでしょう。実際、その通りで普通に英語を習ったくらいでは、小学6年生でこのテストに自信をもって解答できる子はほとんどいないでしょう。

さすがにこのレベルになると、生まれつきの頭の良さが絶対に必要です。もちろん相応の努力も必要です。ここまで読んでもチャレンジしたい、と思う小学生やお母さんのために一応、私なりのプランを考えてみました。

  • 小学6年生の夏前までには英検2級取得が最低ライン

難易度から判断すると、小学6年生の6月の英検までには2級を取得しなければなりません。ギリギリの合格ではダメで、あまり試験対策をしなくても余裕をもって合格できるくらいの英語力が必要です。

小学6年生の夏からは文法・語法の細かい知識を完成させつつ、多読と精読に時間をかけてリーディング力を向上させましょう。リーディングだけなら準1級に合格できるくらいの結果が欲しいです。

  • 小学3年生から本格的な英語学習をスタート

逆算すると、どんなに遅くても小学3年生になったらすぐに本格的な英語学習に取り組まなければいけません。中学レベルの英語は1年半~2年で完成(英検3級レベル)させましょう。

ワークブックに取り組むだけでは不充分です。早い段階から、多読に取り組むことも大切です。使用語彙数が限定された英語の本を日常的に読む習慣を身につけましょう。

英検2級の取得前後からは、語彙数を多少強引に伸ばすことも必要です。具体的には単語帳などを活用しながら、暗記に励む努力が求められます。

  • 一般教養も必須

先述のとおり長文で扱われる内容が高度なため、普段から幅広い分野に興味を持つことが大切です。テスト勉強だけでなく、図書館やインターネットなどを活用しながら自ら調べるような習慣が厚みのある知識や教養を作ります。

難関校の中学受験で英語を選択する場合は、相当な時間と努力が必要です。英語を選択できる入試が増えているとはいえ、複数校を受験することを考えると効率の良い方法とはいえない気がします。

英語が好きでたまらなくて何時間勉強しても苦にならず、抜群に英語力が伸びる生徒に限定されそうです。難関校の英語試験については、私はこのように感じました。

中学受験と英語学習の継続は可能か

中学受験の詳細については私は素人です。しかし、メディアなどの情報から相当大変であることは理解できます。受験科目としてではなく、子どもに英語を習わせ続けるかどうか悩むお母さんも多いかもしれません。

私は、中学受験の勉強をしながら、受験に必須ではない英語を学習し続けることは難しいと推測します。英語は教科の中でも成果が表れるまでに最も時間がかかる科目です。限られた時間のなかで、中学受験と英語学習を両立させるのは困難です。本格的な受験勉強に取り組むならそちらを優先させるほうが効率がいいのは間違いありません。

  • 本気で英語入試に絞る子ども以外はおすすめできない

このように考えると、難関校を志望する場合、あえて英語を選択する小学生はどのような子どもでしょうか。

何らかの事情で海外の学校に数年通っていて、英語の基礎がすでにありつつ国語や算数もできる生徒。
神童レベルで何を学んでもすぐに吸収してしまう生徒。
英語が好きでたまらなくて、大人がビックリするほど急激に英語力が伸びる生徒。

このような条件から「帰国生よりも該当者が少ないのでは」と私は感じました。

  • 中学校の意図がわからない

中学受験の対象のほとんどは私立なので、それぞれ学校の独自性があっていいと思います。しかし、中学入学前までにこのようなハイレベルな英語力を課して、その後の6年間をどのように教育するつもりなのか私のレベルでは理解できません。

このような難問を8割以上正答できる生徒なら、あと1年英語の授業を受ければほとんどの大学に合格できます。中学生で英検1級に合格も可能でしょう。残りの5年間、英語の教師は何か教えることが残っているのでしょうか?

私が無知なだけで、もっと高度な英語力を養成するプログラムがあるのかもしれません。いろいろと調べた結果、世の中には実にいろいろな学校があり、スーパーエリートの子どもがいるものだとあらためて感じました。

まとめ

中学受験において、帰国子女以外の生徒が受ける「英語選択入試」を採用する学校が急激に増加しています。最難関校では今のところ英語は導入されていませんが、一部の難関校には少しずつ広がっています。

難関校で実際に出題された過去問を見ると、小学生が受けるとは思えないほどのハイレベルな問題です。日本で生まれ育った普通の小学生が本気で英語で受験するとなると、努力だけでなく才能も必要です。

普通の中学受験を選択するなら、英語学習との両立は困難なのでやめたほうがいいでしょう。

それにしても入学前に英検準1級相当の英語力を持った小学生が、中学・高校の6年間でどのような英語教育を受けるのでしょうか。私にはわかりませんが、想像を超えた世界であることは間違いなさそうです。

小学生向けおもしろい英語なぞなぞでボキャブラリーと社交力アップ!

子どもの友達が家に遊びに来ると、お母さんはその子と話をする機会があります。そのときに楽しく子どもと会話ができているでしょうか? つい、一方的に質問していませんか?

私なら「なぞなぞ」で盛り上げます。例えば「おやつ食べる?」と聞いておいて、「なぞなぞに正解したらあげるよ」と盛り上げます。ほとんどの子どもはこれに喰いついてくるので、知っているなぞなぞをいくつか出します。

子どもはなぞなぞに答えられればうれしいし、できなければ悔しいと感じます。でも同時に「だまされた爽快感」を覚えています。だから大人と子どもの心理的な距離が近くなり仲良くなれるのです。

英語でもいくつかなぞなぞをストックしておくと、外国人と交流があるときにとても重宝します。インターネットで検索するとたくさんヒットするので、お気に入りのものをプリントアウトしておきましょう。そして子どもに出題してみましょう。

少しくらいわからない単語があっても子どもは夢中になって読もうとします。そのため英語の学習にも「なぞなぞ」は適しているといえます。

大人の私が3回も引っかかった英語なぞなぞ!

英語の「なぞなぞ(riddles)」と聞くと必ず思い出す女の子がいます。マレーシアのインター校に息子が通っていたとき同級生だったキャリーです。

読書ボランティアをしていた関係で、学校で私を見かけるとときどき話しかけてくれました。頭も良くスポーツ万能の少女でした。そんな彼女はなぜか私に「なぞなぞ」を挑んでくるのです。

不敵な笑みを浮かべながら出題してきます。「大人が引っかかるわけないだろ」と甘くみていましたが、結果的に私は3回も引っかかってしまいました。

私が “You got me again!” (また、だまされた!)と悔しそうにすると、嬉しそうに去っていくのでした。この記事を読んでくれているお母さんにも同じ問題をだすので、チャレンジしてください。

*「Year 3」と書いてあるのは、私に出題したときのキャリーの学年です。

正解は記事の一番下(まとめのあと)に掲載します。

英語なぞなぞ:Year 3 編

Question 1: Do you know a pen with no body and no nose?
(胴体と鼻がないペンを知っている?)

ここでのnoseとはペン先のことです。

body, nose

英語なぞなぞ:Year 4 編

Question 2: Once upon a time, there was a cat which fell into a river.  A black cat saved the cat from drowning.  At the riverbank, what did the cat say to the black cat?
(むかしむかし、川に落ちたネコがいました。黒ネコはそのネコがおぼれているのを助けました。河岸でそのネコは黒ネコに何と言ったでしょうか?)

a black cat and a white cat

save A from -ing:  Aが~するのを救う
riverbank: 河岸

英語なぞなぞ:Year 5 編

最後は暑い日差しの中、ベンチでリラックスしていたらキャリーに不意を突かれた問題です。

Question 3:

Carrie: Hi.  Say exactly what I am saying. (私が言うとおりに言ってみて)
私: Okay. (いいよ)
Carrie: Blue, blue, blue.
私:Blue, blue, blue.
Carrie: Blue, blue, blue, blue, blue.
私:Blue, blue, blue, blue, blue.
Carrie: What is the colour of the sky? (空の色は何色?)
私: Blue?
Carrie: Ha, ha!
私: ?

blue sky

・息子も引っかかる

上記3つの問題はすべて家に帰ってから息子に試したところ、すべて引っかかりました。親子でキャリーにだまされてしまいました…。

なぞなぞの楽しいところは、だましてもだまされても「爽快感」が得られるところです。最初にだまされると、そのなぞなぞを覚えて他の誰かに試してみたくなります。

その際は問題文をまるごと暗唱しなければならないので、英語の勉強にもなります。

子どもがハマる! リスニング学習法を学ぶにはこちらの動画セミナーをご覧ください

なぞなぞに挑戦しよう

私の持ちネタは先ほどの3つで終わりです。もしお母さんがもっと他にもなぞなぞを知りたいなら、インターネットで「riddle for kids」と検索すると子ども向けのなぞなぞサイトがヒットします。riddleは英語で「なぞなぞ」のことです。

そのうちのひとつである「100 Brain Teasers with Answers for Kids and Adults」から、子ども向けのriddleを5つ引用します。teaseは「からかう、いじめる」の意味なので、brain teaserとは「脳をいじめるもの」の意味です。「なぞなぞ」の別の言い方です。

それぞれ必要とされる能力が異なるので、子どもと一緒に考えてみましょう。

Q1. 一般常識が問われる英語なぞなぞ

There are three houses.  One is red, one is blue, and one is white.  If the red house is to the left of the house in the middle, and the blue house is to the right to the house in the middle, where is the white house?
(3軒の家があります。ひとつは赤、ひとつは青、もう一つは白です。もし赤い家が真ん中の家の左で青い家は真ん中の家の右なら、白い家はどこでしょうか?)
In Washington, D.C.! (ワシントンD.C)

紙に絵を描いてまじめに考えていたら絶対にできません。「ホワイトハウスがアメリカ大統領の家である」一般常識がないと正解できません。

Q2. とんちが問われる英語なぞなぞ

You are in a cabin and it is pitch black.  You have one match on you.  Which do you light first, the newspaper, the lamp, the candle, or the fire?
(あなたは山小屋にいて、真っ暗です。あなたは何に最初に灯りをともしますか? 新聞紙、ランプ、ろうそく、それとも暖炉ですか)

pitch blackはpitch darkともいわれて「真っ暗」の意味です。
最後のfireはかまどのことです。

You light the match first! (マッチが最初)

ここでのlightは「火をつける」という意味の動詞です。

Q3. 文法力を問われる英語なぞなぞ

Who is bigger: Mr. Bigger, Mrs. Bigger. Or their baby? (どちらが大きいでしょうか。ビッガーさん(夫)かビッガーさん(妻)か。それとも彼らの赤ちゃんか。
The baby, because he is a little bigger. (赤ちゃん。なぜならちょっとだけ大きいから)

赤ちゃんだから「a little」をつけると、a little biggerで「少しだけ(より)大きい」の意味になります。だから、Bigger夫妻よりも大きいのです。

Q4. 熟語力を問われる英語なぞなぞ

A farmer has 17 sheep and all but nine die.  How many are left?
Nine.

これは意外と難しいです。ポイントはall butには2つ意味があるところです。

ひとつ目は「ほとんど」の意味。だから、「ほとんど9匹が死ぬので、17-9=8匹」となり、残りは8匹です。

もう一つは「~を除いてすべて」の意味です。だから、「9匹を除いてすべて死ぬ」ので残りは9匹です。

Q5. 常識がかえって邪魔になる英語なぞなぞ

In a year, there are 12 months.  Seven months have 31 days.  How many months have 28 days? (1年には12か月あります。7か月は31日まであります。28日あるのは何か月ありますか?)
They all do. (全部の月にある)

theyはmonthsのこと。すべての月には28日はあるので、これが答えです。

つい夢中になって読んでしまうのがriddleのいいところ

「なぞなぞ」の良いところは、時間を忘れてつい読んでしまうことです。英語を読むとなるとつい「勉強モード」になってしまいます。でも、なぞなぞなら楽しみながら読み進めることができます。

私も小学生のときなぞなぞの本を借りてきて、兄弟に出題して相手が引っかかると喜んでいました。お母さんが出題して子どもをひっかける。次に子どもがその問題文を暗唱して、お父さんや兄弟に出題してみる。お父さんや兄弟がだまされたら、子どもは大喜びです。

問題文では疑問文が使用されているので、疑問文を習ったばかりの子どもの練習にもなります。特にWh-やHowから始まる疑問文では、「何を聞かれているのか」「どのように答えるのか」を考えなければいけません。

英語なぞなぞをいくつか知っておくと、社交の場でも役に立つ

「なぞなぞ」をいくつかを覚えておくと、意外な場面で役に立ちます。例えば、海外に行ったとき同じ年代の子どもと仲良くしたい場合、なぞなぞをいくつか知っておくだけで仲良くなれます。

海外旅行に行ったとき、プールサイドで遊んでいる子どもの相手をしてあげるときに役立ちます。あまりやりすぎると“Mommy!”と親に言いつけに行くのでほどほどにしておきましょう。

まとめ

なぞなぞは出題しても解答しても楽しめます。英語ではなぞなぞのことはriddleといいます。インターネットではたくさんのなぞなぞが紹介されているので、お母さんは子どもに出題してみましょう。

一口になぞなぞと言ってみても、正解するためには一般常識や英語表現などを知っておく必要があります。雑学も増えるし英語の語彙力もアップするのでおすすめです。

お母さんから子どもに出題したら、子どもはその問題文を暗唱します。兄弟やお父さんに出題すれば今度は自分がだます側になれるのでモチベーションがアップします。

また、外国人の子どもと触れ合う機会があったときに英語でなぞなぞを覚えておくと仲良くなるチャンスが広がります。英語教室の先生に出題しても楽しそうですね。

キャリーのなぞなぞ正解と解説

Q1. Nobody knows. (誰にもわからない)

日本語に訳すと意味がわかりません。英語で読むと、no body, noseと同じ発音になります。

Q2. Meow. (にゃーお)

まあ、確かに。

Q3. What is the colour of the sky?

「同じことを繰り返して」と言われているので、まともに質問に答えた私が負け。

そういえば昔、「ピザって10回言ってみて」のあとヒジを指して「じゃあここは?」と問われて、「ヒザ!」と答えて恥ずかしかったことを思い出しました。

子どもの英語学習:多読を取り入れるとなぜ語彙が豊かになるのか

子どもの国語力の低下が話題になると、いかに子どもに読書をさせるか、という議論につながります。なぜなら、読書をすると国語力が伸びると考えられているからです。

一般的に読書好きな人は、そうでない人に比べて語彙が豊かです。しかし、なぜそうなるのかについては、あまり深く考えられていないような気がします。

英語では多読を続けると語彙力は伸びます。これは単に知っている単語数が増える、ということではありません。すでに覚えている単語の別の意味を覚えたり、比喩表現に気づくなど、もっと広い意味で語彙が豊かになります。

そこで今回の記事では、なぜ小学生の英語に多読を取り入れると英語の語彙力を豊かにできるのか、について説明します。

小学生の英語学習で多読を取り入れると語彙が豊かになる理由

リーディング力を向上させるには、正確に一文ずつ英文を解釈していく「精読」と大まかな文意を捉えながら大量の英文を読む「多読」の訓練を並行するのが効果的です。学校では精読を中心に指導されるため、どうしても多読指導にまで手が回りません。

小学生でも英検4級に余裕で合格できるほどの実力があるなら、積極的に多読トレーニングを取り入れるべきです。過去形・進行形・助動詞など英語の基本を理解し始めたころなので、始めるにはちょうどよいタイミングです。

多読というと洋書を何時間も読み続けるイメージがあります。しかし、それはさすがに小学生には難しすぎます。

多読に使用する教材は、「語彙制限本」と呼ばれるジャンルのものを使用するようにしましょう。語彙制限本とは、使用されるボキャブラリーレベルを限定し、読者のレベルにあった英単語だけを使用して書かれた本のことです。

具体的には、「ラダーシリーズ」や「Oxford Bookworm Library」がこれに相当します。また、「リトルフォックス」というサイトでは、楽しい物語が動画や音声付で利用できるようになっています(本についての詳細はこちらをクリック)。

これらの語彙制限本を利用すれば語彙数がまだそれほど多くない小学生の英語学習者でもストーリーを楽しめます。多読は読む量が大切なので、子どもが興味をもって楽しく読めるものを選ぶようにしましょう。

多読の効能はいくつかありますが、ここでは多読を通じて語彙がどのように豊かになるのかを説明します。

知らなかった単語を覚えられる

語彙制限本であっても、知らない単語に必ず出会います。その中には、一般的に学校や検定などでは登場しないような単語も登場します。

そのような単語はキーワードであることが多く、文中で何度も登場します。そのたびに忘れかけていた意味を思い出すので、記憶が強化されます。

私も中学生の頃、夏休みに英語の副読本と呼ばれる薄い本が課題に出されたことがありました。はじめは嫌々でしたが、広島で被爆した女の子の話に引きこまれていきました。

その主人公は最後は白血病で亡くなるのですが、白血病を意味するleukemiaという難しい単語はその時に覚えました(そして今でも忘れていません)。

感動した話とleukemiaという単語が結びついて(いわゆるエピソード記憶)、忘れにくくなっているのかもしれません。

ちなみにアルクによるレベル別語彙リストSLV12000のうち上から2番目のLevel11にleukemiaが掲載されていました。中学生でもこのレベルの単語を一発で覚えられるのが、多読のパワーです。

学校英語では取り扱われない生活用語を覚えられる

料理の名前や日用品など、ネイティブなら幼児でも知っている英単語を覚えられます。日本の英語の教科書では、environment(環境)など小難しい単語はどんどん登場します。しかし、大学受験を控えた受験生でさえ、「小指」を英語で言うことができません。

正解は「little finger/pinky」ですが、このような単語は読書をしていると頻繁に登場します。

「こんな単語を覚えてもテストに出ないため無駄」と考える人もいます。しかし、私はそうは思いません。いざ外国で生活する場面が訪れたときは、非常に役立つからです。

学校で教えてくれない生活語を多読で補う。

日本の英語教育の偏りを正しくしてくれる効果が期待できます。

多義語の「核」を知ることができる

やさしい単語ほど辞書で調べると定義がたくさんあってウンザリした経験はありませんか。例えば、haveという動詞を使った3つの文を見てみましょう。

I have a car.(私は車を持っている)

I have breakfast.(私は朝食を食べる)

I have a cat.(私は猫を飼っている)

このようにhaveという一つの単語でも、使用される文脈によって「所有する」「食べる」「飼う」などの異なる意味で使用されます。多くの意味を持つ言葉を「多義語」と呼びます。

多義語を学習するときに、訳語をすべて暗記しようとするのは学習効率が悪いです。

大切なのはいろいろな用例に触れながら、中心にある「核」のイメージを固めていくことです。haveの中心(核)にある意味は、「取り込んでいる」イメージです。これを中心に文脈ごとに照らし合わせると、自然と訳語は思い浮かぶものです。

I have a car.(私は車を取り込んでいる。→私は車を持っている)

I have breakfast.(私は朝食を取り込んでいる。→私は朝食を食べる)

I have a cat.(私は猫を取り込んでいる。→私は猫を飼っている)

多読をすると大量の英文に触れるので、中心にある意味を探る作業を頻繁にすることになります。これは基礎単語を使いこなすときにも大切で、会話にも役立ちます。

知らない単語の意味を文脈から類推する能力が高まる

先述の通り、本を読むと知らない単語がたくさん登場します。すべて辞書で調べていたら時間がもったいないです。そういうときは前後の文脈から「多分、こんな意味だろう」と類推します。

例えば、neighbor(近所の人)という英単語を知らなくても、文脈から意味を類推できます。

I don’t like my neighbor.  They are noisy at night.

少なくとも、neighborが人であることがわかるため、近くに住んでいる人達のことを指すのだろうという類推ができます。

どんなに単語を覚えても知らない単語は登場します。類推力を高めておくと難しい英語でも物怖じしなくなります。

小学生でも高い類推力を持った子どもがときどきいます。これは日本語・英語どちらの読書でも養われる能力なので、これまでの日本語での読書経験がものを言うのかもしれません。

知らない単語を無視できる

語彙数を増やすことと矛盾しますが、多読のためには「知らない単語を無視する」能力も必要です。いちいち辞書で意味をしらべていたら、せっかくのストーリーが台無しです。

話の展開に重要でなければ、無視してかまいません。英語初心者は、どうしても一語一語の意味をすべて知らないと気になってしまい先に進めなくなるものです。

これを防ぐには、話の展開がおもしろい本を選ぶしかありません。先の展開が気になれば、いちいち辞書を引くのがもどかしくなります。そして、大切ではないと判断したらすぐに無視できるようになります。

ときには書店へ連れていこう

このように語彙の観点だけからも、多読によって子どもの英語力がメキメキと伸びることがわかります。読書を通じて「おもしろい」「楽しい」という感覚を覚えて、自発的に読書に没頭するようになると英語力は爆発的に伸びます。

ネットで本を注文するのもいいのですが、もし洋書を取り扱っている大型書店(紀伊國屋書店やジュンク堂など)を訪れる機会があるならぜひ語彙制限本コーナーにお子さんを連れて行ってあげましょう。

https://town.ietan.jp/ie-ikebukuro/97

「読める・読めない」の判断は子どもに任せたほうがいいです。ときには読まずに放置される本もあるかもしれません。そんなときでも、読書を強制しないように気をつけましょう。自発的な興味・関心に任せるのが一番です。

多読に慣れておくと、英検の長文や高校入試の長文問題でも圧倒的に速く読めるため有利です。小学生でも英検4級程度の文法力・語彙力があるなら積極的に多読を取り入れましょう。

まとめ

小学生で英検4級相当の実力があるなら、積極的に多読トレーニングを取り入れましょう。多読にはいくつかの効能がありますが、語彙力が豊かになるのは間違いありません。

語彙力が豊かになるといっても、単に知っている語彙数が増えるということではありません。学校英語で扱われないけれど子どもでも知っているような生活用語に触れる絶好のチャンスです。

多義語の攻略には訳語一つひとつの暗記ではなく、中心にある核のイメージを捉えられるかどうかが大切です。大量の英文に触れることによりこの感覚が研ぎ澄まされます。

知らない単語に出会ったときも、文脈から意味を類推できるようになります。反対に、話の展開にそれほど重要でないときには、知らない単語を無視して読み進めることもできるようになります。

このように小学生でも英語の多読にチャレンジすることにより、英語の語彙力を飛躍的に伸ばすことが可能です。洋書を取り扱っているような大型書店を訪れるときには、子どもに何冊か選ばせてあげましょう。

このような機会を親が多く作るだけで、子どもの英語力は大きく伸びます。

NHKの英語アニメ「リトル・チャロ」を小学生が攻略する方法

1970年代、テレビで世界名作劇場が放映されていました。この頃私は幼稚園~小学生の子どもだったので「フランダースの犬」「あらいぐまラスカル」などを毎回楽しみにしていました。ストーリーを好むのは人間の習性かもしれません。

「英語の楽しいコンテンツなら、子どもも夢中になって英語を学ぶはず」と多くの人は考えます。実際、それは確かに正しいです。

しかし、現実には難しい問題があります。「楽しい」=「英語学習向き」とは限らないからです。ディズニーアニメは確かに楽しいし、大好きな子どもも多いはずです。ただ、使用されている英語は容赦ないネイティブ用のナチュラルスピードです。

なぜならそれらは英語学習者向けに作られているわけではありません。そのため気の利いた大人びた表現やギリギリの俗語が盛り込まれています。

「日本人の英語学習者に配慮されたおもしろいアニメがあったらな」と私もいつも思っていました。そこへ登場したのが「リトル・チャロ」です。さすがNHKだけあって、クオリティは素晴らしいです。

この「リトル・チャロ」を活用して、小学生でも英語を学べる方法を詳しく説明します。アニメ好き・動物好きの子どもならハマること間違いなしです。

「リトル・チャロ」の紹介

アニメ「リトル・チャロ」は2008年にNHKで放送された英語のアニメです。これは単なるアニメ作品とは異なり、英語学習のコンテンツとして活用できるように綿密に制作されています。

放送当時私もテレビで偶然見つけたときは「へえ、おもしろそう」とだけ思いましたが、それっきりでした。「リトル・チャロ」の再放送をきっかけにあらためてコンテンツを観ると「非常に優れた英語学習コンテンツ」だと感心しました。

平易な英語で制作されていますが、活用の仕方によっては初心者から中・上級者まで幅広く英語学習に利用できます。「中学生くらいのときにこんなコンテンツと出会えていたらもっと英語にのめり込めたのに」と私は今の子ども達をうらやましく感じます。

ストーリー

日本人の少年・翔太の飼い犬であった子犬のチャロは、アメリカ旅行から帰るときニューヨークの空港で迷子になってしまうところから話は始まります。

チャロは翔太に再び会えることを願いながら、仲間の犬たちとの交流を深めていきます。途中、笑いや涙の展開を織り交ぜつつ話は展開していきます。そしてついに、まったくの偶然から翔太の父にチャロは発見されて、無事、日本に帰国して翔太との再会を果たします。

主人公がかわいい子犬なので、小学校低学年の子どもも感情移入しやすいです。昔、私が子どもの頃テレビで見ていた「母をたずねて三千里」のような中毒性のあるストーリーです。最後は思わず泣いてしまう話です。

英語の特徴

使用されている語彙レベルは「中学校+アルファ」です。ナレーションと登場人物のセリフによって構成されています。もちろん、声優はそれぞれ異なる人が対応しています。

チャロ以外の登場人物はネイティブ・スピーカー(犬も含めて)なので、英語を流暢に話します。チャロは日本の子犬なので英語はそれほど得意ではありません。

使用されている英語は不自然ではない程度にゆっくりと発音されるため、リスニング初心者向けにピッタリの教材です。

アクティブ・ボキャブラリー(意味がわかるだけでなく、話したり書いたりするときに使える語彙)を増やしたい中・上級者にも学ぶところが多い教材です。限られた語彙の中でこれほど豊かに表現できることのサンプル集です。

英語が得意なお母さんは、ぜひ親子で楽しみながら英語学習に利用してみましょう。

一般的な映画(アニメ)と比較して英語教材として優れているところ

書店の語学コーナーでも、「DVDを教材にして英語を学ぶ」テーマの本は売れています。私も海外ドラマは大好きなので、これまでにも何度もこれらを利用して英語学習に役立ててきました。

しかし、いざ英語のアニメや洋画を英語初心者が学習に使おうとすると、問題が生じます。たとえば「アナと雪の女王」は一時期大ヒットして子どもも大好きなディズニー作品です。しかしながら、正直私でもすべての英語を聞き取れません。

英語圏(主にハリウッド)で制作されたアニメ・映画は、ネイティブ用に作られています。そのため会話のスピードは、英語を学習している日本人の子どもにとっては速すぎます。

また語彙レベルも学習者向けにコントロールされていません。子ども向けのアニメでも、英検1級レベルの単語が頻繁に登場します。さらに、省略表現や俗語表現も多く、学習教材としては使い勝手が悪いことが多いです。

英語音声がないシーンやただの絶叫シーンも多く、英語を学ぶときにいちいち飛ばすのは面倒です。

盲点なのは日本語字幕の内容は、英語のセリフを完璧にカバーしていないことです。字数制限があるため、短い日本語で「意訳」しなければいけないからです。そのため英文の細かい意味がわからずモヤモヤとした気分になることがしばしばあります。

また、同様に英語のセリフすべてが「英語字幕」として表示されるわけではありません。長すぎる部分は別の表現に置き換えられるのが普通です。

一方、NHKが英語学習者を意識して制作した「リトル・チャロ」はこれまで指摘した問題のすべてが解消されています。話される英語はすべて漏れなく字幕に表示されます。日本語の字幕も極端な意訳はなくて、ほとんどの英語のセリフを網羅しています。

語彙レベルは「中学校+アルファ」です。これは英語学習者用の英英辞書の定義で使用される語彙レベルとほぼ同じです。つまり、ここに出てくる語彙を充分に使いこなせれば、日常のほとんどのことは表現できる証拠です。

リトル・チャロは「ナレーションとセリフ」で構成されています。読まれるスピードは聴き取りやすい速さです。英語学習には速すぎても遅すぎてもダメですが、英語初心者向けに絶妙な速さを設定しています。

さらに使用されている英語は「完璧に正しい英語」であり、安心して英語学習に使えます。口語表現も「How come~?」など普通の表現ばかりで、子どもがまねしてもまったく問題ありません。

1話5分で構成されているので集中力は持続しますし、余計な無音シーンがほとんどないのも、学習効率を高めてくれます。

「リトル・チャロ」は英語学習者のツボを知り尽くして制作されているのがわかっていただけたでしょうか?

リトルフォックスというe-ラーニングサイトではリトルチャロのような動画教材が豊富に見られます。これを活用した学習法の動画セミナーはこちらで確認できます

「リトル・チャロ」はどうやったら見られるか

「リトル・チャロ」は再放送を待てば無料で見られますが、日本語字幕しか利用できません。英語学習には英語の台本(スクリプト)が必須です。

組み合わせとしては、以下のとおりです。

CD + テキスト
DVD(スクリプトは字幕表示を利用)
えいごで旅するリトル・チャロ(任天堂DS)

小学生でゲーム機DSを持っているなら、リトル・チャロのソフトを購入するといいです(評判も上々です)。テキスト+CDはすでに中古を探すしかないのと、子どもなら映像を確認したいと思うでしょう。

DVDを購入すれば、映像をテレビで楽しめて、英語字幕表示に切り替えればスクリプトも確認できます。

しかし、私は上記以外の方法で「リトル・チャロ」を観ました。それは高校生の娘が持っていた「電子辞書」でした。

おすすめは電子辞書の収録版

最近の電子辞書には、本来の辞書機能以外の「学習コンテンツ」が充実しているモデルがあります。その中に、「リトル・チャロ」を収録した電子辞書があります。

英語系の電子辞書の大手はカシオとシャープですが、全てのモデルに「リトル・チャロ」が収録されているわけではありません。実際に購入するときは、店頭で実物を手に取って確認したほうが確実です。

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娘の持っていた辞書はシャープのBRAIN(PW-SH4)では、「リトル・チャロ」全話が収録されています。カシオのXD-G4800には確実に収録されています。

両者の違いは、シャープでは紙芝居風に収録(シーンごとの静止画)されているのに対して、カシオでは動画が再生できます。

 

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小学生の子どもなら動画で見られたほうが楽しいかもしれません。一度、動画を観たことのある場合は、紙芝居風のほうが英語に集中できるともいえます。

では、なぜDVDではなく電子辞書で収録されたものが「英語学習におすすめなのか」について説明します。

おすすめの理由1:どこでも持ち運びができるから

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英語学習を続けるコツは、「いつでもどこでも」することです。電子辞書は携帯に便利です(大きさを比較するために、スマホと並べて撮影)。イヤホンと一緒に持ち歩いていつでもどこでも「リトル・チャロ」で英語を学べます。

電子辞書には「前回のファイルを再生」というメニューがついています。これを利用すれば、直前に学習したエピソードを素早く再生できます。細切れ学習には不可欠な機能です。

DVDプレイヤーではテレビが設置してあるところでないと学習できません。どちらが英語学習を継続できるかは明らかです。

たとえば朝、学校に行く前に5分だけ「リトル・チャロ」を観るときに、お父さんがテレビでニュースを観ていても、電子辞書なら問題ありません。

おすすめの理由2:字幕表示の切り替えが一瞬でできる

DVDプレイヤーでも字幕表示の切り替えはもちろんできます。しかし、一時停止中に切り替えることはできません。再生中に字幕の切り替えボタンを押して、少し間が空いた後切り替わります。このわずかな時間が英語学習をするときはストレスに感じます。

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一方、電子辞書の場合には一時停止中でも、言語を一瞬で切り替えられます(赤丸のボタン)。また、読まれている部分は赤い文字で表記されます(カラオケのように)。さらに、英語と日本語を同時に表示させることも可能です。この場合、該当する日本語訳はハイライトで表示されます。

欲しい情報を一瞬で入手できるのが、電子辞書収録版の優れているところです。

おすすめの理由3:セリフをタップすると、その場所から即再生するから

「リトル・チャロ」を英語学習に利用するときに、「音読練習」は欠かせません。そのときモデルとなる音声を何度も聞きながら、自分で声に出して練習しなければいけません。

DVDプレイヤーがもどかしいのは、聞きたい部分だけを繰り返しすぐに再生できないことです。「戻る」ボタンだけでは細かい頭出しはできません。

電子辞書の収録版では、スクリプトの部分をタップするとそこから「即」再生されます。これは大変ありがたい機能で、何度もモデルを聞きながら音読練習するのにうってつけです。

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携帯性に優れ、字幕表示の切り替えやセリフがすぐに再生されるので、電子辞書の収録版「リトル・チャロ」はおすすめです。

すでに電子辞書を持っている場合や、DVDが家にある場合には、わざわざ「リトル・チャロ」が収録された電子辞書を買う必要はありません。しかし、もしまだ電子辞書を持っていなくてそろそろ買おうと思っているなら、「リトル・チャロ」が収録されたものがいいです。

小学生でも「リトル・チャロ」を攻略できる方法とは

では、「リトル・チャロ」を利用して、小学生でも取り組める英語学習法について解説します。ポイントは「何を目的にして」「どのように学習するか」です。

「リトル・チャロ」は平易な英語しか使われていませんが、ほとんどの小学生にとっては難しい語彙レベルです。無理にリスニングに取り組ませても、すぐにあきらめてしまいます。

私のおすすめは、「リスニング」ではなく「英文暗唱」です。セリフの一部を繰り返し「音読」して、あたかも自分が声優になったかのようにスクリプトを読まないでセリフを言えたら完成です。

「音読」する過程で、Reading「読む」、Listening「聴く」、Speaking「話す」の3技能をバランスよく鍛えられます。小学校高学年なら、最後の仕上げとしてディクテーションをすればWriting「書く」もカバーできます。

すべてのセリフやナレーションでこれをやるのは非現実的なので、一部に絞り込んで取り組んでみましょう。

チャロは日本の犬…だからやさしい英語しか話さない

設定上、チャロは日本の子犬なので、簡単な英語しか話せません。発音もわざと日本人っぽく演じられています。これに対して「正しい発音ではないので、教材としては不適格」と決めつけてしまう人がいますが、私はそうは思いません。

チャロの姿は子どもからみれば「自分」なのです。小学生がニューヨークで親と離れ離れになったようなものです。

NHKがチャロの発音を日本人っぽくしたのは、おそらく「親しみやすさ」を視聴者に与えて、共感させるためです。

チャロは、やさしい短い英語を日本人っぽく一生懸命に話しています。この部分に的を絞り、小学生の子どもに音読練習させるのは理にかなっています。正しい発音は、ナレーションや他の仲間の犬たちから学べばいいのです。

チャロはもちろん主人公なので、子どもの満足度も高いはずです。小学生なら、チャロのセリフに絞って、音読練習してみましょう。これが攻略のコツです。

意味を理解して、セリフの音読練習

ここからは普通の音読練習と同じです。まずはストーリーをしっかりと理解するところから始めましょう。意味のわからない英語を何度音読しても、学習効果はありません。

チャロはしばしば日本語を話したり、犬の吠える声で「Arf!」と叫んだりしますが、そこは飛ばしましょう。

最初のエピソードの頃は、片言英語の部分が多いので、小学生でも簡単にまねできます。エピソードが進むにつれて、きちんとした文章が増えていきます(チャロの英語力が向上していきます)。

小学生には未習事項の「過去形」や「現在進行形」が頻繁に使われていますが、小学生に細かい文法解説は基本的に不要です。そのまま英語を繰り返しまねることだけに集中させましょう。

英語を日本語にしてみる

ここでもう一度、英語を理解しているか日本語にしてみましょう。正確に訳すのが目的ではありません。およその意味でよいので、英語の大意を理解しているかどうかを確認します。

意味を言えない場合、単語を知らないか文法を理解していないかのどちらかです。単語を知らない場合は、お母さんが教えてあげてください。

ここまでの段階で、「正確に英語を聞けて・音読できて・意味を理解している」状態であることがポイントです。

オーバーラッピング、シャドウイング、日本語→英語

次は、実際のスピードに合わせて音読する練習です。チャロのパートの少し前から再生して、チャロの声と同時に重ねて音読します。これがオーバーラッピングと呼ばれる音読練習です。

慣れてきたら、再生速度を一段階速めてもオーバーラッピングできるように練習してみましょう。電子辞書にも再生速度を調節できるボタンがあります。

充分にオーバーラッピングをしたあとは、シャドウイングに移ります。「シャドウイング」とは、シャドウ(影)のように「読まれる音声より3語くらい遅れて音読するトレーニング法」のことです

このときに音ばかりを追いかけるのではなく、チャロのセリフの内容に意識を向けましょう。

大変疲れる音読トレーニングですが、1語1語ではなくかたまりで英語を処理できるようになります。リスニング力を高めるときの基礎となるトレーニングです。

シャドウイングの次は、日本語字幕を読みながら該当する英語を口に出して読む練習です。英作に時間がかかるのは、ここまでの口頭練習が不足しているからです。もう一度、オーバーラッピングに戻って反復練習しましょう。

一瞬で言えるようになるまでには、一般的に50回~100回程度の反復練習が必要です。

アニメに合わせて演じる&ディクテーション

今度は声優になってアフレコをするつもりで、映像を観ながらチャロのセリフを言いましょう。このときに棒読みではダメです。チャロの心情をくみ取って、息づかいまでまねるつもりで練習しましょう。

感情と英語表現を結びつける訓練をすると、実際に自分がそれと近い感情になったときに英文が思い浮かぶようにするためです。ここまでくれば、ほとんどゴールです。

小学校高学年の子どもなら、最後の仕上げとして「ディクテーション(書き取り)」にも取り組んでみましょう。字幕をOFFにして、チャロのセリフの部分だけを聞いたあと、紙に英文を書きます。句読点(ピリオドやカンマ)なども正確に書きましょう。

このように紙に書くと、あいまいに覚えていた綴りや文法事項を確認できます。最後は必ず字幕をONにして、英語に誤りがないか答え合わせをします。

チャロのセリフは少ないですが、徹底して音読するのはそれなりに大変です。エピソードによっては英語を話さずに「Arf!」だけのものもありますが、その場合は音読練習せずにストーリーを楽しめばいいです。

しばらくしてから音読練習をしたエピソードを再生すると、チャロの部分の英語はすべて聞きとれるはずです。英語の学習はこれの繰り返しです。楽しみながら続けられるようにお母さんはサポートしてあげましょう。

まとめ

アニメとして楽しめて、英語学習用のコンテンツとしても細かく配慮されている「リトル・チャロ」を使えば、小学生でも楽しく英語を学べます。

DVDなどで再生してもいいのですが、DSのソフトや電子辞書に収録されている「リトル・チャロ」を活用すると、英語学習の効率が飛躍的にアップします。

平易で比較的ゆっくりとした英語で話されていますが、小学生がリスニング教材として使うにはレベルが高すぎます。それよりも、小学生の子どもと等身大の主人公「チャロ」のセリフに的を絞って、音読練習したほうがいいです。

電子辞書の再生機能をフル活用しながら、いろいろな角度から繰り返し音読練習しましょう。ひとつのセリフにつき最低50回は必要です。

しばらく経ってそのエピソードを観ると、チャロの英語は完璧に理解できるはずです。それが音読による学習効果です。

「リトル・チャロ」はディズニーのアニメよりもずっと日本人の子ども向きのコンテンツです。子どもの英語学習がマンネリ化してきたら、「リトル・チャロ」を利用した英語学習にチャレンジしてみましょう。

小学生のリーディングに「スラッシュリーディング」は必要?

あなたの子どもは英語を読むとき「左から右へ」読めているでしょうか? 日本語と英語では語順はまったく異なるので、英語を読んでもつい思考は日本語になってしまいます。そして、日本語で意味を取ろうとして、目線は右から左へ逆方向に何度も戻ってしまいます。

このような読み方を続けていると、速読はいつまでたってもできるようになりません。速読できないと多読も難しいので、英語力は向上しません。

小学校低学年までの子どもは素直に左から右に読めます。なぜなら、日本語(国語)が頭に完全に定着していないので、英語を読むときは英語の語順で読もうとするからです。

一方、小学校中学年は日本語の完成期です。自然な日本語の語順に沿って英語を読もうとするので、目線は何度も逆方向に戻ってしまいます。

今回はそのような症状を改善するのに有効な「スラッシュリーディング」について解説します。

スラッシュリーディングって何?

お母さんに大学受験の経験があれば、一度くらいはスラッシュリーディングについて聞いたことがあるかもしれません。名前を聞いたことがなくても、参考書で英文にスラッシュをいれて解説しているのは「スラッシュリーディングの応用」です。

スラッシュ

それでもよくわからないお母さんのために、あらためて「スラッシュリーディング」について例を挙げて説明します。

実例を見てみよう

まずはスラッシュ(/)なしの英文を読んでみましょう。英文のあとに和訳を掲載します。

The fireplace keeps me warm like a blanket on the chilly nights.  My cat likes to sleep on my lap when I sit near the fire.
(寒い夜には毛布のように暖炉は私を温めてくれます。私のネコは私が火のそばに座っているときにひざの上で寝るのが好きです)

英語に慣れている人なら難なく左から右へ読める文章です。しかし、英語初心者の場合、日本語の語順で読んでしまいがちです。初心者の思考を追ってみましょう。

(最初の文を最後まで読んで)「寒い夜に…(like a blanketを読みながら)毛布のように…(先頭に戻って)暖炉は私を温めます」

このように初心者は長い文章に出会うと、英語の自然な順番(左→右)へと目線が一定に動きません。日本語の順番にしたがって英文を理解しようとして、逆方向(右→左)に戻りながら読んでしまいます。これを「返り読み」といいます。

「返り読み」をするといつまでたっても英文を速く読めません。そのためいわゆる「長文」を読めないので、受験でも困ったことになります。

次に、英文を意味のかたまりごとにスラッシュを入れてわかりやすくしてみます。これを読むときは、かたまりごとに意味を捉えるようにしてください(参考までに日本語訳をつけました)。

The fireplace keeps me warm/ like a blanket/ on the chilly nights.  My cat likes to sleep/ on my lap/ when I sit/ near the fire.
(暖炉は私を温めてくれます/ 毛布のように/ 寒い夜には。私のネコは寝るのが好きです/ 私のヒザの上で/ 私が座っているときに/ 火のそばで)

このように短いかたまりごとに英文を分けると、初心者でも英語の順番で読めるようになります。これがスラッシュリーディングの効果です。

目的

スラッシュリーディングの目的は「英文を英語の順番で(左→右)、かたまりごとに意味を理解すること」です。

小学校低学年までの子どもなら英語をそのままに受け入れることが多く、反対側から読んでいくようなことはありません。しかし日本語が確立した年齢の小学3~4年生以降では、「返り読み」をするようになります。

特に和訳をする習慣があると、この傾向は顕著になります。お母さんは子どもが理解しているかどうかを確認するときに何気なく「日本語でどういう意味?」と聞くかもしれません。きれいな日本語で答えてばかりいると、つい日本語の順番で読もうとするようになります。

そのような学習者のために短いかたまりごとに意味を捉えるように強制的に読ませる仕掛けがスラッシュリーディングです。

細かく切るか、長めに切るか

さきほどの例文を使って、短いかたまりにした場合と長いかたまりにした場合を見てみましょう。

  • 短く区切った場合
My cat likes to sleep/ on my lap/ when I sit/ near the fire.
  • 長いかたまりにした場合
My cat likes to sleep on my lap/ when I sit near the fire.

ある程度英語を読める子どもなら、「短く区切った英文」はかえって読みづらいです。また、最初は短いほうが理解しやすかったとしても、徐々に長いかたまりで読めるように学習をすすめるのが普通です。

区切る長さは子どもの英語力に応じて、能力が高ければ高いほど「長めのかたまり」で与えたほうがいいです(最終的にはスラッシュなしで読めるのが目的です)。

読むときのコツ

スラッシュリーディングをするときのコツは、「情報を付け足していく」イメージで読むことです。さきほどの例文を使うと次のようになります。

My cat likes to sleep/ on my lap/ when I sit/ near the fire.

「私のネコは寝るのが好き/(どこで?)私のヒザの上で/(いつ?)私が座っているとき/ (どこで?)火の近くで」

このように、ひとつの情報に対してツッコミ(かっこの中)を入れながら、読むとテンポよく読めるようになります。

このとき日本語でつぶやきながら読まないようにしてください。あくまでも、英語で意味を取りながら読むようにするのが理想です。頭の中で「かたまりごとに映像が再生される」感覚です。子どもにこの感覚を伝えるのは難しいのですが、とても大切です。

スラッシュリーディングの効果とは?

ここではスラッシュリーディングの効果を3つ挙げます。私も受験勉強をしていた頃、一時期スラッシュリーディングを試して効果を実感できたことがあります。

効果1:英文を日本語の語順で読んでしまう「返り読み」を防ぐ

漢文の授業を思い出してください。漢文を読むときに「レ点や一二点」のことを覚えているでしょうか?

本来の漢文(中国語)は、上から下に読むものです。しかし、それでは日本語の語順に合わないために、わざわざあのような記号を考案して日本語風に読めるようにしているのです。

英語を返り読みするのも、レ点や一二点こそないものの、同じ発想です。英語を読んでいるようで実は日本語を読んでいるようなものです。そのため目線が本来とは逆である右から左に頻繁に移動します。

スラッシュリーディングの第一の効果は「英語を英語の順番で読めるようになる」ことです。

効果2:読むスピードを上げる

目線が逆方向に戻らないので、当然長文を読む時間は短くなります。入試に長文問題は必ず出題されるので、制限時間内に読むためには「返り読みをしない」ことが第一段階です。

慣れてくると一回で処理できる量が増えてくるので、大きいかたまりで一度に意味を捉えられるようになります。その結果、ますます読むスピードを上げることができます。これが、スラッシュリーディングの第2の効果です。

リスニング力の基礎になる

「スラッシュリーディング」は呼び名のとおり「リーディング」訓練の一種です。しかし、効果はリーディングだけではありません。リスニングの基礎力にもなります。

音声で読まれる英語は当然英語の順番に従って読まれます。文字と違って音は聞こえるとすぐに消えてしまいます。つまり英語の順番で、一度も戻れない状態で、英語を理解しなければなりません。

勘のいいお母さんならわかると思いますが、まさに「スラッシュリーディング」で期待される効果そのものです。英語の順番で読める訓練をしておくと、リスニングのときも聞こえた順番で理解できるようになるからです。

これがスラッシュリーディングの第3の効果です。

このようにスラッシュ(/)をかたまりごとに入れることにより、英文を正しい順番で速く読めるようになるだけでなく、リスニング力の基礎を養うことができます。

リスニングのトレーニング方法についてはこちらの動画セミナーを参考にしてください。

スラッシュを入れる場所

スラッシュリーディングの効果は理解できました。しかし、「どこにスラッシュを入れたらいいのかわからない」のでは、練習できません。ここでは、スラッシュを入れるべき目安となる基準について説明します。

スラッシュを入れる場所の目安とは?

  • カンマ( , )、セミコロン(;)、コロン(:)の後
  • 前置詞句の前と後
  • that節、疑問詞節、whether/ if節の前
  • 関係代名詞、関係副詞の前
  • 不定詞、分詞、動名詞の前
  • 接続詞(when, because, ifなど)の前
  • 長い目的語や補語の前
  • 長い主語の後

なんだか文法の参考書のような用語が並んでしまいました。大切なのは「英文の構造上の節目となる部分にスラッシュを入れられるかどうか」です。不適切なところにスラッシュを入れてしまうとかえって英文を読み間違えてしまうことも起こりえます。

初心者が間違えがちな例を挙げて説明します。

The man arrested on Monday was innocent.

この文章の主語はwasです。The man~Mondayまでが長い主語です。したがって、次のように区切るのが正解です。

(正)The man arrested on Monday/ was innocent.
(月曜日に逮捕された男は/ 無実だった)

英文の文法構造を理解していないと、arrestedを動詞と思い込んで次のように区切ってしまいます。

(誤)The man arrested/ on Monday/ was innocent.
(男は逮捕した/ 月曜日に/ 無実だった?)

このようにスラッシュリーディングを自分で英語学習に取り入れようとしても、ある程度の文法構造を理解していないとトレーニングできません。

実際のすすめかた

文法用語を駆使しながら厳格にスラッシュを入れていくのを一文一文検討するのはあまりにも非効率的です。

極端なことをいえば「意味のまとまりをとらえて、読みやすいかたまりでスラッシュを入れる」のが理想です。スラッシュを入れる位置にあれこれ頭を悩ましていても、ちっとも勉強していることにはならないからです。

スラッシュリーディングの欠点

ここまでの説明を読んで「スラッシュリーディングはとっつきにくい」と感じたお母さんも多いはずです。実際、英語の先生でもスラッシュリーディングに批判的な人もいます。

ここではスラッシュリーディングの2つの欠点について詳しく述べてみます。

適切な位置にスラッシュを入れられる人はすでに構造を理解している

「英文の構造の切れ目を目安に適切にスラッシュを入れていく」ことをスムーズにできる人は、すでに英文構造を理解できている人です。その人にはスラッシュリーディングは必要ありません。

英文の途中にスラッシュなど入れなくても、頭から順番に読めていれば、わざわざスラッシュを入れる必要はありません。

これが第一の欠点です。

スラッシュを入れることだけに意識を向けすぎて、かえって効率が悪くなる人がいる

「スラッシュをどこに入れるか」ばかりに意識を向けすぎて、英語の学習効率を悪くしている人をたまに見かけます。

鉛筆でスラッシュを入れたけれど、正しい場所かどうかが気になり落ち着かないのです。これでは学習効率は悪くなるだけです。こんなことなら、スラッシュなしで読む訓練を積んだほうが効率はいいです。これが二つめの欠点です。

万能策ではないが、スラッシュリーディングが効果的な場面3つ

英語の指導法・学習法にはいろいろあります。しかし、「万能な指導法・学習法は存在しない」ことを覚えておくと、いろいろと役に立ちます。

私の経験ですが、「フォニックス」は英語をこれから読もうとしている子どもにはとても有効な学習法です。ただ、細かいことまで説明し始めると、かえって英語を正しく読むまでに時間を費やしてしまいます。

どんな指導法・学習法も「それだけやっていれば大丈夫」ということはありません。スラッシュリーディングにも同じことが当てはまります。リーディングをするときにいつまでもスラッシュばかり引いているようでは、ちっとも成長しません。

次に、もし私がスラッシュリーディングを活用するとしたら「どのような場面に絞るか」について説明します。

経験者が初心者を指導するときに有効

長文に挑戦する子どもに対して、英語の先生やお母さんがスラッシュを入れて読みやすくしてあげるのはとてもいいことです。

また、スラッシュの代わりに改行するのも同じ効果があります。

My cat likes to sleep
on my lap
when I sit
near the fire.

このようにすると強制的にそのかたまりしか目に入ってこないので、より「返り読み」はできないようになります。

初心者がどのくらい文の構造を理解しているかを確認するとき

お母さんが、子どもに「意味のかたまりごとにスラッシュを1つ入れてみてごらん」と子どもに鉛筆で入れさせるのも効果的です。これは子どもが英語の構造をどれくらい理解しているかを確かめるためです。

文法用語を知らなくても英語を正しく読める子どもは何となく区切りが見えるものです。「この文章は長いから、一本スラッシュを入れてみよう。どこがいいかな」と具体的に数を指定すると子どもは混乱しません。

明らかに不適切な場所にスラッシュを入れた場合は、子どもは正しく読めていないことがわかります。

私の場合は子どもに音読させると、その子がどれくらい英語を理解しているかはすぐにわかります。意味を理解して読んでいる子どもは、「息つぎ」の場所がスラッシュを入れるべき場所になっているからです。

反対にまったく意味を理解していない子どもは「切ってはいけない場所」で「息つぎ」を入れてしまいます。

長く複雑な英文のときだけスラッシュを入れてみるのもよい

子どもが自習しているとき、一文が長い英文の意味を理解しづらいときがあります。そのようなときは「スラッシュを入れてみる」ことで、グッと理解しやすくなることがあります。

ある程度英語読解能力のある子どもに限られますが、普段からお母さんがそのようなアドバイスをしておくといいです。「困ったときの対処法」としてスラッシュリーディングを活用するはずです。

まとめ

小学校中学年以降の子どもならついやってしまいがちな「返り読み」を防ぐ方法として、スラッシュリーディングは有効です。

しかし、英文構造を理解していないとスラッシュを入れる位置がわからなかったり、迷ってしまったりする欠点もあります。

反対に自分で簡単に適切なところにスラッシュを入れられるなら、すでにスラッシュリーディングのトレーニングは不要です。

子どもが長文を読むのが辛そうなときは、ところどころにお母さんがスラッシュを引いてあげると子どもの理解の助けになります。スラッシュリーディングを信奉するのではなく、場面を絞って活用したほうがいいです。

スラッシュリーディングはリスニング力の基礎としても役立ちます。上手に取り入れてあげると、子どもの英語力は飛躍的に伸びることもあります。

英語は英語の順番に読むのが正解です。もし子どもがこの段階で困っているなら、スラッシュリーディングを活用して、子どもをサポートしてあげましょう。

小学生から始める「英語音読トレーニング」(実践編)

書店の語学コーナーに行くと、斬新なタイトルがつけられた英語学習法に関する本がズラリと並んでいます。私は新しいものが好きなので、つい立ち読みしてしまいます。

そこで気がついたことがひとつあります。それは、ネーミングは違っても結局のところ「音読練習を否定している本は一冊もない」ということでした。

つまり、ほとんどの英語指導者は音読の効果を認めているということです。ただ、その方法が多少異なっているにすぎません。

小学生が長期間取り組めることを前提に、私の経験をもとに「英語音読トレーニングのやり方」をまとめてみました。まずは、私のやり方でしばらく試していただき、それぞれの状況に合わせてアレンジしてください。

小学生の音読に適したテキストとは?

小学生の音読トレーニング用のテキストを選ぶときは慎重にしましょう。中学生や高校生なら学校の英語教科書が最適です。しかし、小学生用の英語教科書は内容的にまとまりのある文章が少ないので不向きです。

お母さんが本や通信講座の題材などから探すしかありません。そこで、どのような観点で選べばいいのかを説明します。

おもしろい内容であること

結論からいいますと、圧倒的におもしろい内容であることが必要です。たとえば小学1年生の子どもに「環境問題」をテーマにしたテキストを使用しても、すぐに飽きてしまうのは明らかです。

普段、子どもが好んで見ている番組や本を思い出して、それに近い英語のテキストを探すといいでしょう。善悪がはっきりした登場人物や、動物や乗り物が出てくる話など、子どもによってハマるテキストはさまざまです。

続きが楽しみになるような内容なら音読を継続したくなるはずです。おもしろさには妥協しないで根気よく探しましょう。

セリフ(会話)と地の文が適度に混ざっていること

セリフと地の文が混ざっているテキストが、小学生の音読に適しています。セリフの部分には口語表現が多く含まれていますし、地の文ではやや難しめの表現や過去形が頻出します。

例えば、“It’s a piece of cake!” said Peter. (「簡単だよ!」とピーターはいいました)のセリフでは口語表現でよく使われる“it’s a piece of cake.”(楽勝だ)というフレーズが使われています。地の文では、“said”(sayの過去形)が使用されています。

このようにセリフと地の文が混ざっていると、バランス良く幅広い英語が学べるので音読には適しています。セリフのところには感情を込めて音読すると、感情と表現が結びついて学習効果が高まります。

難しすぎず、長すぎないこと

難易度にも気を使いましょう。絵や動画をヒントにしながら数回音声を聞いて、8割くらい理解できるのが理想です。つまり、2割程度わからない部分や聞きとれなかった部分が残るくらいがちょうどいい難しさです。

長さはノーマルスピードで読み上げて40秒くらいから始めましょう。集中力を切らさずにリスニングできる長さがそれくらいです。慣れてきたら少しずつ延ばしても大丈夫ですが、長くても1分くらいにしておきましょう。

音声、挿絵、動画付きであること

音読トレーニングをするときは、模範となる音声を何度も聞きます。したがって、ネイティブが収録した音声が絶対に必要です。車での移動中に練習できるように、スマホに音声ファイルを入れておくと便利です。

また、テキストに関連する挿絵も必要です。内容理解の助けになるからです。さらに、アニメーション(動画)がついていると、細かい部分まで理解することができます。

通信講座やeラーニング(インターネットを利用した学習サイト)の中には、動画(字幕ON・OFF)だけでなく、本文のテキストファイルや音声ファイルが用意されているものがあります。これらのファイルはダウンロードして自由に使えるのでとても便利です。

理想の音読教材を使った、音読によるリスニング強化はこちらを参考にしてください。

用意するものと環境づくり

音読トレーニングは習慣化しないと意味がありません。そのため、音読のたびに必要なものを探すようでは時間の無駄です。また、音読がどこまで進んだかをお母さんも子どもも一目でわかるようにする工夫が必要です。

ここではe-ラーニングの教材で音読することを前提に、用意するものを表にしてまとめてみました。

必要な物 目的
パソコン、スマートフォン(またはタブレット)、プリンター テキストの動画や音声を再生したり、印刷したりするため
ストップウォッチ 音読の速さを記録するため
筆記用具 テキストに記入できるように
チェックリスト(ondoku_checklist) 音読したらチェックしたり、秒数を記録したりするため
小さなカゴ 上記の物を入れておくため

パソコン、スマートフォン(またはタブレット)、プリンター

スマートフォンかタブレットがあればほとんどのことはできますが、一部の機能に制限がある場合があります。また、ゲームアプリに気が散ってしまって音読に集中できないこともあります。

パソコンがあれば、eラーニングのサイトをフル活用できます。プリンターで印刷したものを使用すれば、気が散って途中でゲームを始めてしまうようなこともありません。

初めは動画や絵を見ながら音声を聞くので、パソコン・スマートフォン・タブレットのいずれかが必要です。しかし、子どもの眼の負担を考えると、途中からできるだけ紙で読んだ方が好ましいです。

プリンターが一台あると、モニターを見つめることなく音読練習できるのでおすすめです。また、後述する穴埋め式のスクリプト(原稿)を作ったりするときにも、パソコンとプリンターがあった方が便利です。

その他

ストップウォッチは安いもので構わないので、ぜひ揃えたいアイテムです。ときどき音読のスピードを測って記録すると、自分の成長を数値で実感できるからです。お母さんや兄弟と競わせるなどして、ゲーム感覚で取り組ませることも長続きさせるコツです。

筆記用具も音読用に揃えてもいいかもしれません。鉛筆、消しゴム、赤ペンがあれば充分です。音がつながるところに印をいれたり、意味をメモしたりするときに使います。

カゴに入れておく

百均の店などで小さいカゴを購入して、その中に今週読むテキスト(本)、筆記用具、タブレット、ストップウォッチなどを入れておきましょう。

また、音読チェックリストもこの中に入れておくと、既に終わったこととこれからやるべきことが一目でわかるので便利です。できた項目にはチェックを入れたり、タイムを測ったときの秒数を記録したりします。

なお、上記の音読チェックリストについては「こちら(ondoku_checklist)」からもダウンロードできます(上記と同じファイルです)。実際に使用するときは、子どもの状況に合わせてアレンジしてください。

実際の手順

ここでは、音読トレーニングの手順を解説します。私の経験から、1週間で1つの音読トレーニングを終了するサイクルが最適と感じています。短時間の音読でも頭と口が疲れるので、7日目は休みにしてあります。忙しくてどうしてもできなかったときは、7日目の予備日を使いましょう。

1週間に当てはめて下の表のようにモデルプランを考えてみました。スピードに慣れてくる後半ほど密度が濃くなるように配慮してあります。

  音読メニュー
1日目 内容把握
発音・意味のチェック
2日目 リッスン&リピート
3日目 オーバーラッピング
スピードオーバーラッピング
4日目 イメージ読み
シャドウイング
5日目 シャドウイング
Read & Look Up
6日目 穴埋め・ディクテーション
会話練習
最後1回のリスニング
7日目 休み(予備日)

また、それぞれの音読活動がイメージしやすいように、実際の音読練習風景の動画を掲載します。下記の説明や注意事項と合わせて映像で確認すると、スムーズに理解できます。

以下、このモデルプランについて詳しく解説していきます。なお、最後に動画でも解説しているので、そちらも参考にしてみてください。

1日目:内容把握、発音・意味のチェック

テキストを用意できたら、音声を再生してリスニングを始めます。動画・挿絵などを参考にして、どのような内容が話されているのか英語の音に集中させます。3回くらい集中して聞いてみて、聞き取れないところを少なくしていきます。

次にテキストや字幕を読みながら音声を再生します。耳で聞きとれなかった部分を文字で読んで「ああ、このことだったのか」と子どもが納得することが大切です。

初めて見る単語は、発音も意味もわかりません。まずは、発音を確認して、何度も声に出して読ませましょう。それから意味を確認します。「最初に発音、次に意味」です。新しい単語を覚えるときは、この順番を守らせるようにしましょう。

知らない単語については、ときどき子どもに前後関係から意味を類推させてみましょう。すぐに答えを教えずに考えさせると良い頭のトレーニングになります。

一日目の目標は、英語の本文を読んで内容を把握したり、知らない単語の読み方や意味を学んだりすることです。子ども一人では難しいので、お母さんやお父さんが手伝ってあげましょう。ストーリーを一緒に楽しむような感じで教えてあげるのがコツです。

この日の最後に、子どものペースでテキストを一回音読させましょう。つっかえながらでも構いません。ストップウォッチで時間を計測して、秒数を記録させます。これで、一日目の音読トレーニングは終了です。

2日目:リッスン&リピート

一文ずつ聞く(Listen)→ 音読で繰り返す(Repeat)の順に進めていきます。一つの文が長すぎるときは、意味のかたまりごとにリッスン&リピートしていきます。

例えば“Taking care of a pet is a lot of work.”(ペットを飼うのは大変です)という文章が長すぎると感じたとします。 “Taking care of a pet/ is a lot of work.”というように、最初にお母さんがスラッシュ(/)を入れてあげると子どもは読みやすくなります。

音声のスピード、抑揚などをできるだけまねるようにリピートさせてください。セリフの部分は特に登場人物の気持ちになりきって読むように伝えましょう。

3日目:オーバーラッピング、スピードオーバーラッピング

・オーバーラッピング

オーバーラッピングとは「被せる」という意味です。つまり音声と同時に被せるようにして、テキストを読んでいきます。読み方が遅いと、モデルの音声とどんどんズレるので、頑張ってついていくように子どもを励ましましょう。

・スピードオーバーラッピング

スムーズに読めるようになったら、さらに速く読めるように「スピードオーバーラッピング」の練習をします。これにはスマホの再生アプリを利用します。音声ファイルをダウンロードして、「1.3倍速」で同じ英文を再生してオーバーラッピングしていくのです。

毎回詰まってしまうところは、音声なしでテキストを読みながら何度も音読させます。最初から完全にできるのは教材がやさしすぎる証拠です。10回くらい繰り返してやっと読めるようになるくらいが普通です。

この日の最後に、音声なしで音読してタイムを測りましょう。初日よりは確実に速く読めるようになっているはずです。時間が短くなっていたら、「上手に読めるようになったね!」とほめてあげましょう。

4日目:イメージ読み、シャドウイング

・イメージ読み

3日目は速く読むことに集中させましたが、4日目の最初は内容をかみしめるように音読させましょう。内容を理解できるペースで音読させます。これができると英語の語順で内容を理解できるようになるので、速読やリスニングの土台づくりに最適です。

コツは読みながら頭の中にその文章の動画が流れているように音読することです。日本語の文字が頭に浮かぶようだと処理速度が遅くなります。

例えば“Taking care of a pet is a lot of work.”と読んだときは、ペットの散歩に汗を流している人を思い浮かべるようにします。「ペットの世話をすることは…」と日本語の字幕が流れてしまうと次々に読まれる英文に追いつかなくなります。

・シャドウイング

今度はテキストを使わずに、音声だけを使用します。「シャドウイング」とは、再生される音から3語ほど遅れて追いかけるようにして音読するトレーニング方法です。文字は見ません。

途中で詰まっても気にせずに、できるところから再開するように伝えましょう。耳で聞こえた内容を頭に2秒ほどためておき、同じように英語を話します。わずか数秒ですが、情報を頭の中に蓄えることにより処理が遅れてもあわてず英語を理解できるようになります。

初めのうちはほとんど再現できずに子どもは嫌になってしまうかもしれません。しかし、繰り返し練習しているうちに少しずつできるようになっていきます。あまり完璧を求めず集中力が切れたところでおしまいにしましょう。

5日目:シャドウイング(仕上げ)、Read & Look Up

・シャドウイング(仕上げ)

不思議なことに、前日できなかった部分が一晩寝るとスムーズにシャドウイングできるようになっていることがあります。数回、前日と同じように練習したら、仕上げのシャドウイングに移ります。

今までは音を聞いて、その通りに話すことばかりに意識を集中させていたと思います。しかし、仕上げでは内容をしっかりと意識したシャドウイングに挑戦します。

「音声から聞こえる英語の映像を思い浮かべる → 頭に2秒分溜める → 同じように話す」という流れです。これはとても脳に負荷がかかる練習方法で大人でも長時間続けることはできません。

子どもなので完璧を目指さなくても構いません。「音ばっかり追いかけないで、どんな話か思い浮かべながらやってみよう」と注意をうながすだけで充分です。

・Read & Look Up

最後に、テキストを使ったトレーニングです。まず、一文を黙読させます。その文章を頭にためておいて、目線を上に向けます。そして、下を見ないで同じ内容を音読します。これがRead & Look Upです。

もし文章の終わりまでが長すぎるようでしたら、リッスン&リピートのときに書き込んだスラッシュごとに行っても大丈夫です。

6日目:穴埋め・ディクテーション、会話練習、最後1回のリスニング

・穴埋め

もしテキストをプリントアウトできるなら、キーワードになるようなところを3つくらい選び出して、空欄を作ったり黒いマジックで塗りつぶしたりします。

そして、全文をリスニングさせながらその空欄部分の英語を記入させます。これまで暗記してしまうほど読み込んでいるので、簡単に記入できるはずです。それでいいのです。最初は全然わからなかったものが聞き取れるようになったので大きな成長です。

・ディクテーション

余裕があればディクテーション(聞こえた音声を文字で書く)にも挑戦させましょう。一つの文を選んで、リスニングをしてそれを紙に文字で書き取ります。句読点や大文字・小文字の使いわけにも注意しながら、完璧な文章を再現させます。

注意点は必ず一文の最後まで聞いてから、鉛筆で書くように伝えることです。一語一語一時停止しながら書き取っては意味がありません。何度か聞いて完成したら、テキストと見比べてお母さんが赤ペンで訂正します。どこを間違えたのかを目で確認するのはとてもよい勉強になります。

・会話練習

いよいよ大詰めのトレーニングとなりました。お母さんが先生となって、セリフの一部を入れ替える口頭作文にチャレンジさせてください。

例えば、先ほどの“Taking care of a pet is a lot of work.”の前半部分を入れ換えれば、英会話に応用できます。「『赤ちゃんの世話は大変だ』って英語で何ていう?」と問いかけます。“a pet”を“a baby”にすれば立派な英語です。

これまでやった音読が会話に応用できることを実感させるためにも、このような口頭英作文はとても効果的です。

・最後のリスニング

最後に1回だけ、静かにリスニングをしましょう。一週間前とは違って、ほとんど完璧に聞きとれるようになっているはずです。子どもと一緒に「聞きとれるようになって、すごいね!」と喜んであげましょう。

以上の流れをイメージしやすいように、実際の音読練習風景の動画を掲載します。上記の説明や注意事項と合わせて映像で確認すると、スムーズに理解できるでしょう。

まとめ

動画では椅子に座って音読学習をしていますが、実際はどこでも構いません。例えば、習いごとに行く途中の車の中で、音声を再生しながらオーバーラッピングやシャドウイングをしても全然構いません。

そうすれば「勉強」っぽく感じさせずに、子どもに音読トレーニングをさせることができます。家に帰ったら、他のことに時間を使えるので子どももお母さんもうれしいはずです。

このように家庭ごとに工夫して、音読トレーニングを習慣化しましょう。地味なトレーニングですが、ほとんどの英語の達人が推奨している効果抜群の学習方法です。必ず効果があらわれると信じて続けてください。

小学生から始める「英語音読トレーニング」(理論編)

子どもが英語教室に通い始めると、最初の一年でいろいろなことを覚えてきます。「英語教室に通わせて良かった」と感じるお母さんも多いでしょう。

しかし、そのまま右肩上がりで英語力がどんどん伸び続けることはありません。1年半を過ぎると、子どもの英語力が本当に伸びているのかどうか疑問を感じることが増えてくるはずです。

もし、あなたの子どもがアルファベット、発音、フォニックス(つづりと発音の法則)などの基本をすでに身につけているなら、次のステップにすすむ絶好のタイミングです。

とはいえ、やみくもにワークブックを家でやらせても子どもは嫌がるだけです。本当に身につく英語学習を積み上げて、子どもの英語力が確実に伸びるような学習方法を取り入れましょう。

私が推奨するのは「音読トレーニング」です。そこで今回は、英語音読が必要な理由とどのような効果があるのかについて述べていきます。

英語力は自宅学習の「量と質」で差がつく

英語は体育や音楽のような技能教科に似ています。これらの技能を伸ばすための指導法を参考にすれば、子どもの英語力を伸ばすヒントが見えてきます。

例えばピアノが上手に弾けるようになるための方法を見てみましょう。ピアノを習う子どもは、週1回30分のレッスンを受けるのが普通です。レッスンでは先生がマンツーマンで教えるので質の高い時間を過ごします。

しかし、たった週1回30分のレッスンだけでピアノが上達する子どもはいません。ピアノが上手な子どもは、例外なくその何倍も自宅で練習しています。つまり何かの技能を伸ばすには、質の高い指導と同時に圧倒的な練習量が必要です。

学校や英語教室だけでは量が足りない!

英語の習得にはおよそ3,000時間の学習が必要と言われています。学校で仮に週2コマ(1コマ=45分)1.5時間を1年間(35週で計算)実施したとして、1年でおよそ50時間学習したことになります。

しかし、学校の授業の1時間は「1時間学習した」とみなしていいのでしょうか? 厳密には学習時間とは「実際に英語の活動をしている時間」のことです。

例えば、先生の一方的な日本語での解説は、正確には英語学習時間にカウントすることはできません。あくまでも子どもが英語を「読む・聞く・話す・書く」のいずれかの活動をしている時間が「学習時間」です。

このように考えると、実際の学習時間は単純に合計した時間の4分の1くらいに減ってしまいます。上記の例でいうと、学校で年間50時間の英語授業を受けたとしても、実際の学習時間は約13時間になります。どんなに英語の先生が質の高い授業をしても、英語を身につけるための時間が圧倒的に不足しています。

このような学習時間不足を解消するには、毎日の自宅学習で補うしかありません。しかし、毎日たった10分~15分程度の英語学習を習慣化するだけで、子どもの英語力は確実に伸ばせます。

自宅学習は質も高める必要がある

学習時間不足は自宅学習で補う必要がありますが、「勉強時間」だけを気にしていてはいけません。自宅学習では、勉強の「質」にも気を配らなければなりません。繰り返しになりますが、英語は技能教科です。英語を「読む・聞く・話す・書く」活動をしない限り、成果を上げることは難しいでしょう。

例えば、ピアノは「ピアノを弾くこと」が練習の基本です。楽譜ばかり読んでピアノを弾かないとしたら、ピアノは上達しないでしょう。

同じように、英語学習の基本は音声のトレーニングだと私は考えています。もし、自宅学習の大半が問題集に黙々と取り組むだけだとしたら、英語を使えるようにはならないでしょう。

子どもの英語力を伸ばすためには、時間(量)の確保とともに「質の高いトレーニング」が必要です。では、具体的に何をしたらいいのかを説明します。

おすすめは4技能を伸ばす「音読トレーニング」

音読トレーニング

写真はリトルフォックスのプリンタブル機能で作った絵本を使って、音読練習をしているところです。詳しくはこちらを参考にしてください。

巷には英語学習法の情報が溢れています。私もいろいろと試してみましたが、最終的に「音読トレーニング」が最高の自宅学習法であると確信しています。

音読は「教科書を開いて文章を読み上げる単調な作業」と思われがちです。しかし、実際は非常に奥が深いトレーニング方法です。正しい方法で音読を継続すると4技能(読む・聞く・話す・書く)すべてを刺激することができます。

4つの技能に対して、どのように音読が効果的なのかを一つひとつ説明します。

・Reading(読む)

Readingに関しては音読のメリットは二つあります。一つ目のメリットは、英語の語順に従って音読するので強制的に英語の語順で内容を理解するようになることです。初心者にありがちな、語順に逆らって読んでしまう「返り読み」を防ぐことができます。これは速読につながる第一歩です。

二つ目のメリットは、音読のスピードと同じ速さで内容を理解することができるようになります。1分間に約150語が音読の最速ペースと言われているので、このレベルまでは音読だけで達成できます。ちなみに150語/分で読めれば、大学入試の英語長文でも安心です。

・Listening(聞く)

リーディングによって英語の語順のままに理解できるようになると、リスニングにも好影響をもたらします。なぜなら、聞こえた音の順番に内容を理解しなければならないリスニングは、まさにリーディング力が基礎だからです。

また、実際の音読トレーニングでは何十回もネイティブによる英語音声を聞くことになります。例えば、シャドウイングと呼ばれる練習方法では、モデルとなる音声を耳で聞きながら数語遅れで自分の口で同じ英語を話します。細かい音にも注意しながら何十回も繰り返します。

その結果、英語特有の「音の消失(sit down)」「音の連結(an egg)」「音の変化(meet you)」という日本人の聞き取りを難しくしている現象にも慣れます。

・Speaking(話す)

音読で体得した英文の一部を身の回りのものや人で置き換えると、それは英会話をしていることと同じです。例えば“I see yellow pencils.”を覚えていると、“You see yellow pencils.”と言えますし、“I see red pencils.”とも言えます。

このように暗唱できるパターンが多ければ多いほど、英会話ができるようになります。スピーキングのようなアウトプットには、大量のインプットが必要なのです。日頃から音読トレーニングを積んで、表現を覚えてしまうほど反復練習する必要があります。

・Writing(書く)

ライティングはすべての技能の集大成ともいうべき最も高度な技能です。文法・語彙・論理性・文体などさまざまな要素が絡みあうからです。日本人が日本語で小論文を書くのが大変であることを思い出してもらえれば、その難しさが想像できるでしょう。

小学生の段階では、スピーキングができるだけで充分です。なぜなら、スピーキングがライティングの基礎になるからです。

本格的なライティングは小学生には難しすぎます。そこで音読の最終段階で、文章の一部についてディクテーション(聞こえた英語を書いていくこと)を行うことで、ライティングのトレーニングをすることは充分可能です。

このように「音読トレーニング」は英語の4技能すべてに好影響をもたらします。これほど効果的な学習法は他に見当たりません。ここでもう一つ、「音読トレーニング」をするべき決定的な理由について述べます。

「ネイティブは音読していない」はウソ!

音読で効果を上げるには、年単位の努力が必要です。その必要性をきちんと理解していないと、子どももお母さんもすぐに心が折れてしまいます。

「ネイティブは音読トレーニングなんかしていないのに、なぜ必要なの?」と思うお母さんは多いかもしれません。しかし、実際はネイティブも気が遠くなるほどの音読トレーニングをしています。

例えば、幼児が“Pass me the salt, please.”(その塩を取ってください)といえるまでにどのような過程があったかを考えてみます。

最初は誰かがそう言っているのを何度も聞きながら(リスニング)、塩が入った瓶が手渡される様子を見るところから始まります(内容理解)。

次に、しょっぱい味がするものが“salt”であることを覚えます(単語学習)。それ以降は、塩が欲しいときは、“Salt.”と指で指しながら発話するはずです(音読)。

その後、おもちゃで遊んでいるときに“pass me~”(私に~を渡して)という表現を覚えます(音読)。このフレーズと以前覚えた“salt”を組み合わせて、塩が欲しくなったら“Pass me the salt.”と言い始めます(音読)。

しばらくすると親から「“please”をつけなさい」と教えられます。ここまで来てようやく、“Pass me the salt, please.”と場面に即して使えるようになります(音読)。

このようにネイティブは日常生活で無意識に大量の音読練習をして、少しずつ英語を身につけています。幼児が毎日1時間話していたとしたら、それは音読を1時間していることと同じです。

一方、日本人の子どもは日常生活で英語を使う場面がありません。そのため、テキストや音の素材を用意して、「人工的な音読練習」をする必要があります。毎日1時間は無理ですが、小学生の子どもでも毎日15分くらいの音読トレーニングを習慣化したいところです。

このように、無意識か意識的かの違いはあっても、英語学習には音読トレーニングは不可欠です。トレーニングの意味に疑問を持つと効果が薄れてしまいます。子どもに「何でこんなことするの?」と聞かれたら即答できるようにしておきましょう。

音読トレーニングの3つの注意点

音読トレーニングを効果的にするには、「英文を理解すること」「正しい発音で読むこと」「相手に伝えるつもりで音読すること」の3点に注意しなくてはいけません。順番に説明します。

・「英文を理解すること」

意味のわからない文章を何度も音読しても、使えるようにはなりません。先ほどの例で挙げたように、ネイティブによる無意識の音読でも、自分が話している内容(塩を取って欲しいと頼んでいる)は理解しています。

子どもなので、細かい文法事項の説明は不要です。しかし、少なくとも絵や動画を見ながら、どのような意味の文章なのかはきちんと理解する必要があります。「意味のわかる文章を音読する」ことが大切です。

意味がわからない単語が出てきたときは、お母さんがいきなり答えを教えるのではなく子どもに推測させるといいでしょう。前後の文脈や挿絵・映像を駆使して考えさせるのです。行間を読む力は日本語でも必要ですし、英単語力も伸ばすことができます。

・「正しい発音で読むこと」

めちゃくちゃな読み方では、聞いている相手に負担をかけてしまいます。ネイティブのような発音をする必要はありませんが、「英語らしい音(日本語にはない音)」に気をつけて読む必要があります。

例えば、日本語の母音である「あ」は1つだけです。一方、英語では「あ」に近い音は、“apple(アとエの中間)” “cut(のどの奥から出す)” “hot(口を大きく丸く開けて出すア)” “balloon(あいまいな母音のア)” のように複数あり、ネイティブはすべて使いわけています。

私が中学生の頃、このような発音練習の手間を省いて英語にカタカナの読み仮名をふらせる先生がいました。私はこの指導には大反対です。

例えば、pencilを読むときに、読み仮名をふると「ぺ・ン・スィ・ル」(4つの音)となります。ところが実際は、pen・cilの2つの音のかたまりで読まれます。

カタカナ読みを習慣づけてしまうと、オーバーラッピング(英語の音声と同時に読み上げる音読練習)のときに、音声についていけなくなります。読み上げる音の単位が、英語は少なくカタカナは多いからです。

このような理由から、本格的な音読トレーニングを始める前に、音声面の基礎を身につけておく必要があります。英語教室などで1年半ほど先生に発音を教えてもらった後、音読トレーニングを開始するのが理想です。

・「相手に伝えるつもりで読むこと」

現実の世界では、独り言以外は聞いている相手がいます。音読トレーニングは基本的に一人で行うものですが、目の前に聞いている人がいることを想定して音読することが大切です。

例えば「命令文にpleaseをつけると丁寧な依頼になる」と言われますが、実際はそれほど単純ではありません。言い方によっては、相手に断ることを許さない雰囲気になることもあります。

やさしい調子で“Open the window.”と相手にいうと、失礼どころかむしろ丁寧な依頼に聞こえます。登場人物の気持ちになりきり、相手がいるつもりで音読をすると、そのフレーズの表現力が豊かになります。

ここであらためて、ネイティブが無意識にやっている音読と、日本人の英語の音読を重ねてみましょう。ネイティブは伝えたいこと(意味がわかる文)を正しい発音(相手に伝わる発音)で、相手に対して(相手に伝えるつもりで)話しかけています。

つまりここで述べられている3つのポイントは、ネイティブの日常会話を再現したものです。これらのポイントを意識して音読トレーニングを続けると、より大きな効果を生み出すことができます。

どれくらいの期間で、どのように英語力は伸びるのか?

音読トレーニングは正しい方法で行えば、必ず効果はあらわれます。ただし、即効性はありません。個人差はありますが、早くても3か月、通常は1年以上継続しないと効果を実感できません。

我が家は家族で海外に住んでいた時期がありました。そのとき私は2人の子ども達に、真逆の英語教育をしました。

娘は中学校の授業以外に塾や英語教室には一切通いませんでした。中学校は日本人学校だったため、普通の日本の中学生とほぼ同じ環境でした。また、私は家で娘に英語を教えたことはほとんどありません。中1の頃、彼女の英語の成績は5段階で4か3でした。

一方、息子は海外のインターナショナルスクールに入学して、Year2~Year5(日本の小学1年~4年に相当)の3年半を過ごしました。当然、英語漬けの毎日です。私は息子に家で毎日英語を教えていました。入学当時の彼の英語力は、同級生と差がありすぎてどうしたものかと悩むほどでした。

唯一2人が共通して取り組んだのが、音読トレーニングです。娘は学校の教科書を中心に、息子はeラーニングの教材を中心に1年以上に渡り継続しました。2人ともほぼ毎日続けて、最後の方は完全に習慣化していました。

1年半後、娘は学校以外でまったく英語を習っていないのに、急に成績が伸びて5段階で5になりました。中3で英検3級に合格しましたが、成績表を見ると準2級も合格圏に届いていました。

息子は音読に取り組んでから、リーディング力が大幅に向上しました。文字を読むスピードが速くなり、難しい本にもチャレンジするようになりました。その結果、語彙力が大幅に向上して、それまで低迷していた成績が一気に平均を超えるようになりました。

娘も息子も1年以上音読を続けて、ようやく結果が出ました。時間はかかりますが、音読は正しい方法で継続すれば必ず結果がついてきます。

まとめ

英語教室や学校での英語の授業は、先生が教えてくれる貴重な時間です。しかし、圧倒的に時間(量)が足りません。

時間不足は自宅学習で補うしかありませんが、学習内容も追求したいです。それを可能にするのが音読トレーニングです。

ネイティブでさえも無意識の音読に膨大な時間を費やしています。日本人の子どもはふだん英語を使う機会がありません。そのため意識的に英語の音読を取り入れることが重要です。

最低でも3か月~1年くらい継続しないと結果が見えず、途中で嫌になることもあるでしょう。まずは、お母さんが音読の意義をきちんと理解しましょう。そして、子どもの音読をほめてあげたり、励ましたりして習慣化できるように支えてあげましょう。

子どもの英語力に変化が見られないと、音読の効果に疑問を持つこともあるかもしれません。しかし、効果を信じて継続すれば必ず子どもの英語力は向上します。

なお具体的な音読の方法については、「小学生から取り組む英語音読トレーニング(実践編)」で詳しく取り上げています。ぜひ、そちらも参考にしてください。

子どもの英語学習にオススメ「英語絵本読み聞かせ」完全ガイド

先日、本棚の整理をしているとき、息子が幼稚園のころに読んでいた英語の絵本を見つけたことがあります。私が何度も読み聞かせした本で、厚紙でできているのにボロボロの状態でした。

懐かしくなりページをめくっていると、息子に英語を教え始めたときの記憶がよみがえってきました。今では英語が得意になった息子ですが、その原点は私が取り組んだ「英語絵本の読み聞かせ」にあったのだと思います。

ふり返ると、英語絵本の読み聞かせには「大きな効果」があったと確信しています。これから「子どもの英語教育を始めたい」と考えているお母さんにも、ぜひ絵本の読み聞かせに挑戦して欲しいです。

以下、初心者でも安心して取り組めるようにノウハウをまとめてみましたので、ぜひ参考にしてください。

英語絵本の読み聞かせで得られる3つの効果とは

我が家では、息子が3歳のときに初めて英語の絵本を与えました。以降、小学校入学までの数年間、いっしょに絵本を読む毎日を送っていました。この経験から、英語絵本の読み聞かせには「3つの効果」があったと確信しています。

  • 日常生活に英語を取り入れることができる
  • 英語の定着とボキャブラリーの増強が自然にできる
  • 英語絵本を通じて親子のきずなを深めることができる

それでは「3つの効果」について順番に解説していきます。
英語絵本

英語の絵本があれば日常生活に英語を取り入れることができる

まずは、私の恥ずかしい失敗談を紹介します。

息子に英語教育を始めようと思い立ったある朝のこと。ふとんで寝ていた息子に“Good morning!  It’s time to wake up.”(おはよう。もう起きる時間だよ)と英語で話しかけました。息子はけげんな顔をしてから突然起きあがり、母親の方へ走って逃げていきました。

突然父親がわけのわからない言葉を話し始めて、息子は薄気味悪かったのでしょう。英語教育の出鼻をくじかれて、私は「きっかけ作りに失敗した」と苦笑いするしかありませんでした。

そこで取り入れたのが「英語絵本の読み聞かせ」です。時間があるときに日本語の絵本を読んであげていたので、その中に英語の絵本を少しずつ混ぜていったのです。

結果的にはこれが功を奏しました。本読みタイムの中に英語を組み込むことができたのです。朝、突然英語で話しかけるような不自然さはまったくありません。ごく自然に、日常生活の中に英語を取り入れることに成功したのです。

1年くらい経ったころ、再び“Good morning!  It’s time to wake up.”を試しました。すると驚いたことに、日本語で「まだ眠いよ」と正しく反応していました。英語を聞いて逃げて行ったときから比べると、大きな成長です。

絵本を活用することで、英語を日常生活に取り入れることができます。これは、英語教育の初めの一歩としては大きな効果です。

英語の定着とボキャブラリーの増強が英語絵本で自然にできる

「小さい頃、海外に住んでいて英語を話していたのに、帰国したらすぐに英語を話せなくなった」という話をよく聞きます。帰国したら英語は「必要ない言語」として認識されるので、日常生活で英語に触れなければ当然忘れてしまいます。

一方で、「英語の本を読める子どもは、帰国後も英語力を維持したり、さらに伸ばしたりすることができる」という話もあります。要するに、音声だけで習得した言語は忘れやすく、読書ができるレベルに到達した言語は忘れにくいのです。

幼児向けの英会話教室では、子ども達は楽しい歌やゲームをしながら英語を学びます。しかし、「しばらくするとほとんど覚えていない」という問題が発生することがあります。これを防ぐためにも家庭での英語絵本の読み聞かせは非常に効果的です。

また、絵本を読む習慣はその後の「本格的な読書習慣」へとつながります。本格的な読書習慣が身につくと、英語のボキャブラリー(語彙)は文字通り爆発的に増えていきます。

「小学生で英検準1級を取得した」というニュースをたまに見かけます。詳しく記事を読むと、ほとんど例外なく大量の読書によって高度なボキャブラリーを習得しています。

このように、幼児期の英語の絵本には英語の定着を促す効果があります。そして、将来英語のボキャブラリーを爆発的に増やすための基礎となる読書習慣を身につけることができます。

英語絵本を通じて親子のきずなを深めることができる

初めのうちは、英語の絵本を5冊買ったらそのうちの2冊くらいにしか興味をしめしません。親が子どもの好みを充分に把握できていないことが最大の原因です。

男の子だからと思って、乗り物が主人公の絵本を買ってきてもそっぽを向かれることはよくあります。逆に、なにげなしに読んだ恐竜の絵本に、びっくりするほど食いついてくることもあります。

絵本は安くありません。無駄にしないためにも、親は一生懸命子どもの好みを理解しようと努めます。やさしい色づかいが好きなのか、派手な色がちりばめられたほうが喜ぶのか、などと注文するときに必死に考えます。

言葉が足りない幼児の好みを探るには、根気が必要です。しかし、このような試行錯誤を繰り返していくうちに、親子のギャップは確実に狭まります。1年くらい経つと、かなりの高確率で子どもが喜ぶ絵本を選ぶことができます。

このように、英語の絵本選びを通じて、親子のきずなを深めることができます。これも、読み聞かせの大きな効果のひとつなのです。

ここまで「日常生活に英語を取り入れることができる」「英語の定着とボキャブラリーの増強が自然にできる」「英語絵本を通じて親子のきずなを深めることができる」の3つの効果について説明しました。

慣れない英語での絵本の読み聞かせは大変です。しかし、あせらず、楽しみながら続けることで、このような効果を確実に得られます。英語絵本の読み聞かせには、挑戦する価値が充分にあるのです。

英語絵本の選び方

ここでは英語絵本の購入方法について説明します。実際に手に取って選びたいところですが、一部の大型書店(丸善・紀伊國屋書店・ジュンク堂など)でないと子ども向けの洋書がそろっていません。毎回そこまで足を運ぶのは大変です。

そのような場合はAmazonなどでネット注文するのが一般的です。ここでは「Amazonで2歳児用の絵本を探す」という場面を想定して購入方法を説明していきます。

Amazonで人気の英語絵本購入方法

Amazonでの購入方法は、次のような手順となります。

  • アマゾンのトップ画面のカテゴリから「本・コミック・雑誌&Audible」>洋書を選択

  • ジャンルの中から「Children’s Books(児童書)」を選択

amazon_洋書

  • 絞り込みのLanguage(言語)から英語(English)にチェックを入れる

Amazon_英語

  • カテゴリのAge RangeからBaby-2を選択

Amazon_age

初めての場合、子どもの好みがまだわかりません。とりあえず、カスタマーレビューの数が多く、ベストセラーになっているなかから数冊選んでみましょう。

Amazon_英語絵本

「ボードブック」と書いてある本は、すべてのページが厚紙でできています。小さい子どもは力の加減ができないので、普通の紙だとすぐに破けてしまいます。この点において、ボードブックは丈夫で安心です。

初めのうちは、絵が大きくハッキリとしているものが子の興味を惹きやすいです。また、ロングセラーになっている絵本は、リズムよく読めて繰り返しの表現が多く、子どもの記憶に残りやすいのでおすすめです。

半年ほどで徐々に子どもが好きそうな絵や色づかい、親子ともに楽しめる内容がわかるようになります。お気に入りの作家で揃えてみるのもおすすめです。

CD付きやタッチペン付きの英語絵本の活用法

英語の絵本には朗読が収録されたCDが付属しているものがあります。また、タッチペンで単語をなぞると音声が出てくるものもあります。ネイティブによる「正しい音声」が聞けますが、これらに頼り過ぎてはいけません。

私の経験上、子どもにとって最高の読み手は親です。それは親の声こそが最も記憶に残るように、子どもの脳がプログラムされているからです。たとえネイティブのように上手に読めなかったとしても、まったく問題ないのです。

普段はお母さんやお父さんが英語の読み聞かせをしてあげてください。そのうえで、CDの上手な活用法を紹介します。

例えば、車に乗ったときに音声CDを聞くのは効果的です。聞きなれた親の英語と異なる「本格的な英語」を耳にするので、最初は戸惑うかもしれません。

しかし慣れてくると、他の人の英語も理解するようになります。これがリスニング力の向上につながります。内容は何回も読んでいるものなので、英語のまま理解することができます。

ついでにお母さんも、オーバーラッピング(音声と同時に音読する練習)やシャドーイング(音声から数語遅れて追いかけて音読する練習)をしましょう。運転中に少し練習するだけでお母さんの英語力も上達します。

子ども向け「おすすめの英語絵本」について

私なりに「おすすめの英語絵本」はたくさんあるのですが、ここでは紹介しません。理由は、あれこれ無駄な買い物をしながら、一生懸命に子どもの好みを考える大切な機会を奪ってしまうからです。

どうしても参考にしたい場合は、インターネットの英語育児ブログなどで「おすすめの英語の絵本」がたくさん紹介されています。でもそれらはあくまでもその家の子どもが気に入った本であり、あなたの子どもが気に入るとは限りません。

英語の絵本はだいたい1,000円~2,000円くらいするので、子どもが気に入らないと親はがっかりします。しかし「せっかく買ったのだから」と無理に読ませてもいい結果につながらないので、そういうときはあきらめて欲しい人に譲りましょう。

子どもの心をギュッとつかむ「英語絵本の読み聞かせ」方法

上述のとおり、私は数年間、息子に英語絵本を読み聞かせしていました。その経験をもとに、最も子どもの心をつかめた読み方を紹介します。専門家からみるとダメなところ満載でしょうが、理屈よりも結果が大切であると感じています。

親・子ども・英語絵本の位置

大勢の前で読むときは、子ども達と向かい合うようにして本を読むのが普通です。しかし、自分の子どもに読むときは下の2枚の写真のような位置関係が理想です。

写真1「読み聞かせ(ヒザの上)」

写真1

写真1は、「子どもが親のひざの上に座る」パターンです。小さい子どもはこのポジションが大好きです。体が大きくなると子どもの頭が視野をさえぎるので、お母さんが本を読みにくくなるのが難点です。

写真2「読み聞かせ(となり)」

写真2

写真2は、「子どものとなりに親が座り、二人の中央に本を置く」パターンです。子どもの身体が大きくなってもこれなら大丈夫です。ただし、大人は長時間読むと足がしびれたり肩が凝ったりすることがあります。

私が読み聞かせするときに気をつけていたのは、「ページを子どもにめくらせる」ことと「読んでいるところを指でなぞる」の2つです。

「ページを子どもにめくらせる」役割を与えるだけで、子どもは喜びます。親子の息が合ってくると、ちょうどいいタイミングで子どもはページをめくるようになります。子どもに役割を与えることによって、読み聞かせはいっそう楽しくなります。

「読んでいるところを指でなぞる」のは、「今声に出して読んでいるところはここですよ」と教えるためです。しばらくすると知っている単語のところは自分で声に出して読むようになります。

他人に見られたら恥ずかしいくらいのノリで英語を読む

絵本の読み方について書かれたインターネットサイトを見ると、「子どもの想像力を狭めるような抑揚をつけた読み方はダメ」とアドバイスされています。専門家の意見は正しいかもしれませんが、これだと私自身が楽しくありません。実際、私はこれでもかというほど抑揚をつけて読んでいました。

擬音語も多用しました。本文に書いてなくても、動物が登場したら「ワンワン!」と鳴き声のマネをしたり、車が出てきたら「ブーン」とエンジンの効果音をつけたりしました。

さらに、英語の上達とはまったく関係ないことも取り入れました。楽しく読むために、アクションやスキンシップを組み合わせたのです。

例えば、“hen”(オンドリ)が出てきたら「コッコッコッ」と言いながら手でクチバシのマネをして、子どものお尻やお腹を突っつきます。子どもは逃げ回るので、ケガをしない程度に追いかけます。

そのうち、次のページをめくると「突っつかれる」とわかるので、逃げる準備をしながらめくるようになります。しばらくすると、ニヤニヤしながら「その本を読んで欲しい」と持ってくるので、実は子どもは喜んでいたはずです。

正直、仕事や日々の雑用で疲れていると、読み聞かせが負担に感じることもあります。でも、いろいろな工夫によって親子で盛り上がるようにしておくと、続ける原動力になるので無理のない範囲で取り入れてみてください。

一つの英語絵本から横に展開する:日常生活と結び付けよう

「横に展開する」とは、絵本の中に出てきた単語やフレーズを現実の世界でも使ってみたり、他の絵本の中で見つけてみたりすることです。

例えば、『Excuse Me!』という英語の絵本があります。その絵本では、“You burped!”(ゲップをしたよ)、“What do you say?”(なんていうのかな?)、“EXCUSE ME!”(失礼!)というパターンで話が展開されます。

これを現実の世界に応用するのです。食事中息子がゲップをしたとき、すかさず“What do you say?”と語りかけたことがあります。息子は「ああ、あのことか」と勘づき、“Excuse me!”と返事をしていました。

このようなやり取りは、絵本の読書体験を共有しているからこそできる芸当です。これを繰り返すことで、絵本の言葉が現実の世界とつながり忘れにくくなります。すぐに忘れてしまう英語ではなく、いつまでも覚えられる英語に変わるのです。

子どもの心をギュッとつかむ「英語絵本の読み聞かせ」方法はこれで終わりです。これらを意識して続けると、子どもは好きな英語の本を持ってくるようになります。これは子どもの心をつかめたサインなので、気持ちよく読んであげましょう。

絵本を卒業したら、動画サイトで本格的な英語学習をスタートしましょう。

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英語絵本読み聞かせQ&A

「英語絵本の読み聞かせ」に初めて挑戦するお母さんからのよくある質問に回答します。

親の英語が下手なので、子どもの英語に悪影響を及ぼさないでしょうか?

できれば流ちょうな英語で子どもに絵本を読んであげたい、という気持ちはわかります。しかし、そんなことを考えているといつまでたっても始めることができません。

英語の発音のポイントは、日本語にない音を意識することです。それだけでだいぶうまくなります。動画サイトなどで「英語 発音 トレーニング」のように検索すれば、参考になる動画が見られます。そのような動画を参考にして、この機会に少し練習してみるといいでしょう。

例えば、th(舌を上下の歯に挟んで空気を出す)とs(閉じた歯のすき間から空気を出す)を使い分けるとか、sh(静かにさせるときの「シー」に近い音)とsを使い分けるなどいくつかのポイントをおさえるだけで、英語っぽく聞こえます。

たとえ親の間違った発音を覚えてしまったとしても、その後修正する機会はいくらでもあります。付属のCDを車の中で聞いてもいいですし、英会話教室などに通う機会があったら講師の人に教えてもらえます。すべての責任を一人で負う必要はありません。

意味が分からない英単語は調べたほうがいいですか?

「気になって気持ちが悪い」と感じるなら、さっさと辞書で調べて発音と意味をチェックしたほうがすっきりします。子ども用の絵本なので、何十個も未知の単語が出てくることはありません。

ただし、絵本の文章の意味がすべて理解できるわけではありません。というのは、絵本ではrhyme(韻)を踏むために意味よりも語呂を優先させることがあり、ナンセンスな文がしばしば登場するからです。

このような文章に出会ったら、「そういうものだ」とおおらかな気持ちで受け入れるくらいでちょうどいいのです。

英語の絵本は何歳くらいから与えるのがいいですか?

言葉を話し出すのが2歳くらいからなので、そのころから少しずつ与えていっていいです。日本語もほとんど話せない時期なので、大きくカラフルな絵が描かれた絵本がおすすめです。

最初は子どもの語彙の増え方はゆっくりです。もどかしさを感じることもあるかもしれませんが、絶対にあせってはいけません。少しずつ、楽しみながら続けることが大切です。

いつになったら子どもは自分で絵本を読めるようになりますか?

自分で読めるようになるまでの時間は、英語に触れている時間や環境に大きく左右されます。しかし、いつか必ず読めるようになります。

私の息子の場合は、幼稚園の間はひとりで読めませんでした。文中に出てくる単語やフレーズを声に出して読む程度でした。

英文を一人で読めるようになったのは小学校に入ってからで、そのときには絵本は卒業していました。振り返ってみればたいした時間ではないのですが、その当時は「なかなか英語が読めるようにならないなあ」とちょっと心配したものです。

個人差があるので「いつ」とは断言できませんが、そのうち必ずひとりで読めるようになります。

子どものころの英語はすぐに忘れるから意味がないのでは?

たしかに子どものころに覚えた細かいことは、大人になると忘れがちです。しかし、だからといってその経験は無駄ではないはずです。

幼稚園で毎日何を習ったかと聞かれれれば、ほとんどの大人は覚えていません。では、幼稚園での経験や学習はすべて無駄だったのでしょうか? そんなことはありません。

ハッキリとした記憶としては残っていなくても、その後の学習の基礎として大切な何かを学んでいるからです。英語に関しても同じで、「英語を知ると絵本の世界が広がった」というたった一つの成功経験から、その後の人生がまったく違ったものになるはずです。

冒頭の話に戻りますが、本棚から出てきた6年前の絵本を9歳になった息子に見せました。すると「ああ、これ全部覚えているよ」と大まかなストーリーを語り出したのです。当時、英語は読めなかったはずなのに、ほとんど理解していたことを知り驚きました。

あらゆることに当てはまりますが、「人生で無駄な経験は何一つない」といえます。

まとめ

育児をしていて子どもの成長に感動する瞬間が何度もあります。初めて歩いたときのことは親なら誰でも覚えていることでしょう。

同様に英語絵本の読み聞かせをしていると、「小さい感動」を感じることができます。絵本で出てきた英単語を読めたり、絵本のフレーズを日常生活の絶好のタイミングで使えたりしたときは、続けてよかったなと心底思いました。

正直、10分程度のわずかな時間であっても子どものために英語の絵本を読んであげることは大変です。しかし、そんなことをしてあげられる時間はあっという間に過ぎます。後から振り返ると、かけがえのない貴重な時期だったことがわかります。

子どもがお気に入りの英語の絵本を手に取って「読んで欲しい」と持ってきたら、それだけでお母さんの読み聞かせは大成功です。

小学生になると絵本を卒業します。英語を忘れてしまう前に、英会話スクールなどを利用してそのまま英語学習につなげていきましょう。「英語は楽しい」という感情を持ち続ける限り、子どもは英語を学び続けます。

子どもの英語学習は何歳から? 子どもの英会話は意味ないって本当?

「英語ができる人は早期英語教育に否定的です。やらせたがる人は英語ができない人です」

有名なコメンテーターがテレビで主張して、一時期話題になりました。

ネットでは「そうだ、そうだ! よくぞ言ってくれた」という意見が多かったようなのですが、私は「そうかな?」と感じました。

知り合いの英語上級者の家庭では、子どもの英語教育に割と積極的だからです。しかも良い結果を出しています。

彼らの子どもの様子を聞いてみても、日本語が遅れることはなさそうです。

「子どもの英語学習はいつから始めるのがベストなのか」

今回の記事では私の経験をもとに、

・子どもの頃を逃すと英語は身につかないのか

・英語力をキャリアに活かすためにはどのようなプランで学んだらいいのか

・早期英語教育は本当に無駄なのか

上記の3点について解説します。

子どもの英語はいつから始めるのが正解?

英語の仕事をしていると、ママさんから「英語は何歳から始めるのが正解なんですか?」とよく聞かれます。

結論から言いますと、何歳から英語学習を始めても問題ありません。

「えっ、そうなの?」と意外な表情を浮かべるママさんが多いのですが、事実です。

確かに脳科学的には子どものほうが音に関する感性が高いことは証明されているようです。【l】と【r】が聞き分けられるなどの、いわゆる英語耳が育ちやすいのはその一例です。

しかし、大人にも論理的な類推力や常識など、子どもよりもはるかに優れている分野があります。

それぞれの年齢や発達段階に応じた強みを生かせば、何歳から始めても英語の習得は可能です。

「〇〇歳までに始めないと、英語脳(耳)は育たない!」

このような広告を見て、「ウチの子はもう遅いのか…」などとあきらめたり、慌てて高額の教材を購入する必要はまったくありません。

反対に、退職後のおじいちゃんやおばあちゃんが英語を習い始めても、まったく遅すぎることはありません。努力に比例して英語を伸ばすことは可能です。

しかし、私は10歳から本格的に英語学習を始めることをおすすめしています。

「話が違うだろ!」とツッコミが入りそうですが、落ち着いて私の話を聞いてください。

一つ目の理由は、人間は10歳くらいから、論理的・抽象的な思考力が高まります。そうすると英文法を理解できるようになるので、効率的な英語学習が可能となるからです。

論理的習得能力グラフ

もう一つの理由は、その時期から始めると受験においても就職・仕事・転職においても最も英語の恩恵を受けられるからです。

このことについてもう少し詳しく説明しましょう。

英語による収入アップを目指すなら、10歳から英語を始めよう

多くの人が大学進学を実現していますが、現役で合格したとすると21~22歳(大学3~4年生)あたりで、就職活動の時期を迎えます。

この時期に履歴書で「私は英語ができますよ」とアピールしたければ、英検準1級レベル、TOEICなら800点以上が目安です。

難関大学の入試レベルでも、英検準1級には届きません。つまり難関大学に入学してからも英語学習を正しい方法で1年間学び続けることが求められます。

海外との取引がある会社や部門で働くことになると、一定水準以上の英語力は必須となります。どんな業務であっても、やはり英検準1級程度の英語力がないと、実際の業務に支障があるでしょう。

もちろん簡単なことではないので、このレベルの英語力を持ったビジネスパーソンはそうでない人よりも年収が高くなる傾向にあります。

その証拠に、高い英語力を証明するTOEICのスコアを持っている人は、より有利な条件の転職に成功する傾向が顕著にあるようです。

これらのことを総合的に考えると、21歳までには英検準1級レベル、TOEICなら800点以上を取得しておくと、就職・仕事・転職で大きなアドバンテージを得られることがわかります。

これをとりあえずのゴールと考えるなら、小学4年生(10歳)くらいから本格的な英語学習を開始したほうが良いと私は考えます。

受験英語で優位に立ち、大学入学後も英語学習を続ければ社会人になっても高い収入を得られる確率が高まるからです。

英語ができる社会人になるまでのざっくりプラン

目標とその達成時期が明確になったところで、どのようなプランで達成するかを大まかに頭に入れておきましょう。

下の図は小学4年生から大学生までの間でクリアするべきステップを示したものです。上の段は、お母さん世代が受けていた英語教育の様子です。下の段は今の子ども達が目標にするべき目安です。

お母さん達がかつて受けていた従来の英語教育よりも、一段階目標到達時期が早まっていることがわかります。

そして、よりコミュニケーション能力が重視され、リスニング・スピーキング・ライティングも含めた4技能をバランスよく伸ばすことが求められています。

つまり、やることが増えてより早い段階で達成しなければいけなくなったのです。

しかし、中学校・高校では他教科のレベルも上がり部活動など時間のやり繰りが大変になってきます。英語学習ばかりに時間を充てられません。

英語学習は年単位の努力が必要です。そうなると中学入学前の小学校時代にできるところは進めておくことがポイントになります。

結論として、

英語は何歳からでも学べます。しかし、将来の収入アップに最大限活用したければ、小学4年生から本格的な英語学習を始めましょう。

そうすれば社会人になる前に英検準1級(TOEIC800点以上)の取得もかなり現実的になります。

「それなら、もっと早く幼児期から英語教育を始めたらどうなの?」

という疑問が湧いてきますよね。そこで、早期英語教育について、メリットとデメリットを考えてみましょう。

幼児期から英語学習を始めるメリットとデメリット

私の住む地域では、英語のプレスクールが大盛況です。英語のネイティブが幼児を預かり英語で子どもを保育する場所です。

ときどき散歩で家の前を通る子ども達を見かけますが、ネイティブのような発音で英語の歌を歌いながら歩いています。

“Look!  It’s a butterfly.”  (見て!チョウチョウだよ)

簡単な英語だけれど、状況に合わせてスラスラときれいな発音で英語を話すのを見ると感心してしまいます。

我が家は一時期海外に住んでいたことがあります。当時5歳だった息子はインターナショナルスクールに入り、3年半通いました。帰国して1年以上経過しますが、今でも英語を話せます。

一方、日本語が完成しないうちからの英語教育に反対する意見も根強くあります。日本語に悪影響を及ぼすというのが主な理由です。

また、小さい頃から英会話教室に通わせても、まったく英語が上達しなかったという話もよく耳にします。

幼児期からの英語教育は本当に効果的なのか、またどのようなメリットとデメリットがあるのかについて説明します。

本気で英語を必要と子どもに感じさせられるかどうかがポイント

私の経験上、幼児期の英語教育を成功させるための条件はたった一つです。その条件とは「英語が生活に必要な言葉として本人が本気で認識すること」です。

幼児は教養のためとか将来のために勉強をするわけではありません。その言葉を覚えないとお母さんと話ができなかったり、友達と楽しく遊べないから、必死になって覚えるのです。

英語のプレスクールに通う子ども達は、おそらく一日の大半を過ごす場所では英語がメインで使われるため、覚えたほうが絶対に楽しく過ごせるから英語を話すのです。

インターナショナルスクールに通っていた私の息子は本来は社交的な性格でしたが、最初は英語ができずに無言で過ごしました。

しかし「友達と遊びたい」「先生の指示がわからないとマズイ…」と本能で悟り、幼児期の自然に言語をマスターできる能力と合わさり、3カ月後には簡単な英語を話すようになりました。

英会話教室に通わせても子どもがなかなか英語を話さない、というケースをよく耳にします。これは、子どもの中では生活に必要な言語として英語が認識されないため、メインの言語として使おうと思わないからです。

日本で過ごしながら、子どもに英語の必要性を感じさせる環境を作るのは大変です。しかし、その条件さえクリアすれば子どもは積極的に英語を覚えようとします。

必要性がなければ急速に英語を忘れる

幼児期を海外で過ごした子どもが日本に帰国すると、あっという間に英語を忘れるという話は本当です。

なぜなら、「もう英語は必要ない」と子どもの脳が感じるからです。特に、音声だけから覚えた英語は必要なくなると急速に忘れます。

これを防ぐには、本(文字)を読めるようにしておくのが有効です。

私は自分の息子で試してみました。海外にいるとき、話すことよりも英語で読書をすることに力を入れました。

簡単な本を一緒に読んだりしながら、少しずつ読書経験を積ませます。テレビは見られなかったので、暇な時間は読書をするか映画をみるしかありません。

2年くらいすると、ネイティブの子どもと同じくらいの本が読めるようになりました。

帰国後は普通の公立小学校に通っています。普段の会話はほぼ100%日本語です。しかし、文字から覚えた英語はほとんど忘れていません。

幼児期に運よく英語を話せるようになったなら、もうひと頑張りをして英語で本が読めるようにしておくようにしましょう。

そうすることで日本語環境に戻ったとしても、英語を忘れずに一生のスキルとして保持することができます。

幼児期の英会話はムダって本当?

では、そこまで徹底的にやらない「習い事としての英会話」は無駄なのでしょうか? 週1回、楽しく英語に触れるレッスンは時間とお金の無駄なのでしょうか?

私は中学校から英語を習い始め英語が得意になりました。現在は、英語上級者といわれる英検1級も取得しています。

大人になったある日のこと、母から私が英会話教室に通っていたことを聞かされました。ところが、私はまったくこの記憶がありません。

通ったことすら忘れているありさまなので、普通に考えると時間とお金の無駄です。

ところが、一つ私が「そうだったのか!」と腑に落ちたことがあります。それは、中学校で英語を習い始めたときに、私はすぐに英語らしい発音ができたのです。

【f/v】【th/θ】【l/r】などは日本人が苦手とする発音です。しかし、私は先生の見本の通りにほとんど初日からこれらの発音の使い分けができました。

クラスメイトがなかなか発音できないのを見て、「なぜ、こんなのもできないのだろう」と不思議に感じたのを覚えています。

もしかすると小さい頃に通った英会話教室で訓練していて、身体が覚えていたのかもしれません。

中学校では、英語を上手に読めることで気分が良くなり、英語好きになりました(単純な性格ですね!)。

この経験から、幼児期の週1回の英会話教室も、実は役に立ったといえるのではないかと感じます。

確かに、あまりにも高額な教材を購入したり、嫌がる子どもに無理やり英語を習わせるのは私も反対です。

しかし、幼児期に楽しく英語に触れる経験をすることは、たとえ英語を話せなかったとしても無駄ではないでしょう。

そういう意味では、英会話教室に通わなくても、親と英語の絵本を読んで楽しく過ごすだけでも充分です。

幼児期の英語教育は、楽しく学びながら将来役に立つことがあるかもしれないと大らかに構えておきましょう。

英語の早期教育は日本語に悪影響を及ぼすって本当?

海外に住む日本人の子ども達は多かれ少なかれ日本語の発達が遅れます。母親との会話は簡単なやり取りで済むため、高度な日本語の刺激が入らず幼児レベルのままであることが多いです。

特に漢字については海外では必要性がないのと、難易度が高いために年齢相応に覚える子どもはほとんどいません。

しかし、これらの話は海外に住む子どものことです。

日本に住む子どもが半日英語環境で毎日暮らしていたとしても、一歩外に出ればそこは日本です。この状況では、日本語への悪影響はほとんどありません。

人工的に極端な英語環境を作れば話は別ですが、そんなことはほとんど起こりません。したがって、幼児期から英語を学んだとしても日本語が育たなくなるなどの心配は無用です。

まとめ

英語を学ぶのに年齢は関係ありません。しかし、受験・就職・仕事・転職において英語力を武器に収入アップを目指すなら、小学4年生から本格的な英語学習を開始したほうが余裕をもって取り組めます。

さらに早い時期である幼児の英語教育については、賛否両論あります。子どもが英語を必要と感じる環境に置けば、高確率で英語を話すようになります。

日本にいながら週1回の英会話教室では英語を話すのは難しいでしょう。しかし、将来、本格的な英語学習を開始したときに思わぬ形で役立つ可能性もあるので無駄とは言い切れません。

幼児の英語教育については、楽しく学ばせることが大切です。高額すぎる教材を購入したり、嫌がる子どもに無理強いするのは厳禁です。お母さんはあまり前のめりにならないように注意しましょう。

私の周りの英語上級者の家庭でも積極的に子どもに英語学習をさせています。日本語力の低下や思考力が育たないなどの心配はしなくても大丈夫です。

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