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小学生の英検2級体験記:帰国子女の英語力保持に英検を活用!

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小学校で本格的に英語が導入されています。我が家には小学4年生の息子がいて、彼も英語の授業を受けています。帰国子女で英語も年齢相応にはできるので、得意の英語力を活かして楽しく授業を受けていると私は思っていました。

ところが、学校での様子を聞いてみると、彼が英語力を発揮する機会はほとんどないようです。日本では英語を使用する機会がほとんどなく、授業中でさえもあまり英語を使えていない様子です。そのため息子は英語に関する自己評価が低下している様子でした。

そのときに思いついたのが英検の受験です。帰国子女の英語力保持や英語学習へのモチベーションアップのためにも、英検を受験してみることは有効ではないかと考えました。ここでは息子が英検2級を受験したときの様子や効果について詳しくレポートします。

帰国子女の英語力保持に英検を活用

帰国子女といっても彼らの英語力はひとくくりに語れません。海外の学校に通っていた期間や本人の学力によって大きく変わるからです。

また、帰国したときの年齢も英語力を測るうえで重要です。英語で読書ができる前に帰国してしまうと、音声(聴く・話す)から覚えた英語が中心です。音から覚えた英語は、文字を学習した後と比較して忘れやすい特徴があります。

海外の学校(現地校やインターナショナルスクール)に小学校の低学年で入学し、2年以上在籍して年齢相応の読書ができる子どもならかなりの英語力を期待できます。一般的にネイティブの小学6年生は、英検1~準1級レベルといわれています。

努力して覚えた英語なので、「帰国後も英語を忘れないようにさせたい」と願う帰国子女のお母さんは多いはずです。しかし、帰国子女が日本で英語を使う機会はほとんどありません。意識的に努力しないと英語力の保持は難しいのが現状です。

帰国子女の帰国後の苦労

我が家にはマレーシアのインターナショナルスクールで3年半(Year 2~5:およそ日本の小学1~5年に相当)学んだ息子がいます。成績は中の上で、英語によるコミュニケーションは問題ありませんでした。

小学4年生の4月に帰国しました。通っている学校は普通の公立小学校です。この時期に帰国したのは、日本人としての国語力をつけることを優先したからでした。

海外にいるときから国語(日本語)の勉強は続けていたので、帰国後も国語はほとんど問題なく対応できています。

しかし、問題は英語でした。学習指導要領の改訂により公立小学校でも英語の授業が導入されています。「他の生徒よりも英語ができるので楽しいだろう」と私は予想していました。しかし、息子の反応は意外なものでした。

どうやら英語の授業中に発言させてもらえないらしいのです。どんなに手を挙げても先生は目を合わせず、遅れて遠慮がちに挙手した別の生徒を指名するそうです。

私には先生の行動を理解できます。いつも息子ばかりを指していたら他の生徒が発言する機会を奪うことになります。このため、授業中に息子が英語を話す機会はほとんどありません。せっかくの英語の授業は「ストレスのたまる時間」になってしまいました。

1学期が終了し、通信簿を持って帰りました。ABCの3段階で各教科の観点別に評価が並んでいます。何気なく見ていると、英語の評価欄に目がとまりました。なんと「外国の文化や習慣に関心がある」がB評価だったのです。

5歳でマレーシアに移住し、英語環境に適応しようと努力していた息子の姿を毎日見ていた私には信じられない評価です。

私は息子には「気にするな」と言いました。しかし、日本の小学校には息子が自分の英語力に自信を感じられる機会や場所がありません。現状を打破するために思いついたのが「英検の受験」でした。

英検を取得すれば自信につながる

私は長いこと英語学習を続けてきましたが英検には無関心でした。資格試験対策ばかりに固執して小手先のテクニックに走るのは邪道だと思っているからです。そのため一度も受験したことがありませんでした。

しかし、息子が英語力に自信を感じられない状況は早急になんとかしなければと感じました。そこで夕食時に英検の受験を息子に提案しました。

息子は最初、あまり乗り気ではありませんでした。しかし、妻が「お父さんも英検1級を受けるから」と提案したとたん、彼の目の色が変わりました。私に対してライバル心を燃やし始めたのです。

妻の提案が功を奏し、息子は英検の受験を決心しました。今年2回目の英検まで2か月あったので、準備期間は充分でした。ちょうど夏休みが始まったところだったので、暇な時間を有効活用できます。さっそく申し込みをすることにしました。

小学生が英検2級に合格するための対策と勉強法

英検の出願は英検のホームページ上から完結します。
英検HP

息子の受験級は「英検2級」を選択しました。IDやパスワードを入力して、クレジットカードで支払いを済ませるだけです。このときのデータは後で大切になるので、忘れずに記録しておきましょう。

息子の英語力から「英検準1級でも合格できる」と思いましたが、あえて2級に決めました。理由は2つあります。

まず、英検2級の筆記試験で扱われる英単語には小学生には理解が難しいものが多数含まれているからです。例えば、insurance は名詞で「保険」の意味です。小学4年生では保険がどういうものなのか理解は難しいでしょう。

「insurance=保険」と訳語を暗記することは可能です。しかし、それでは単語を理解したことにはなりません。年齢相応に少しずつ教養を深めながら、単語の理解をすることが大切です。

試験の中で単語力は一要素にすぎないので、英検準1級の取得も可能です。ただ、これらの言葉をきちんと説明できるように教養を深めてから準1級を受験させたいと考えました。だから足場を固める意味でも2級からが妥当であると判断しました。

二つ目の理由は、成功体験を積ませるためです。準1級にチャレンジして不合格だった場合、息子の英語学習への意欲がそがれる可能性があったからです。小学校で活躍できず英検でも不合格だったとしたら、やる気を失いかねません。

これらの理由から、息子が余裕で合格できる英検2級を選択しました。英検2級の平均合格率は約25%といわれていますが、小学生の受験者で絞ると40%が合格しているようです。これは帰国子女の割合が多いことが主な要因ではないかと推測されます。

スクール探し:小学4年生から参加できる英検2級講座がない!

私は仕事で忙しいので、息子の英検対策を見てあげられません。そこで、近所の英語スクールの夏期講習に通わせることにしました。

しかし、ここで思わぬ苦労をすることになりました。小学4年生が参加できる英検2級対策のスクール(塾)が見つかりません。英検2級は高校卒業程度のレベルです。受験者の多くは高校生です。そのため講習は中学生以上に限定しているところばかりでした。

「自分で教えるしかないか…」とあきらめかけていたとき、最後に問い合わせをしたのが埼玉県を中心に展開する「サイエイ・インターナショナル」でした。事情を説明すると、体験レッスンに参加してレベルチェックをすることを条件に認めてくれました。

サイエイ・インターナショナル
さっそく指定された日時に息子を連れていき、体験レッスンを受講させました。一日のレッスンは2時間です。前半は日本人講師によるレッスンで、後半は外国人講師による英語でのレッスンです。

レッスン終了後、「英検2級で問題ないです」と講師からお墨付きをいただきました。その場で、5日間の夏期講習を2回分(合計10日間)に申し込みました。入学金はサービスしてもらい、約3万円の講習料でした。

講座の開設時間は中高生に合わせて19~21時の時間帯でした。小学生にはやや遅いですが、これは妥協するしかありません。

英検2級対策講座の様子と使用テキストについて

息子の普段の英語学習について説明します。帰国後は週1回(50分)のオンライン英会話(帰国子女向け)を継続しています。また、英語での読書はほぼ毎日続けています。土日はサッカーで忙しく、学習塾には通っていません。

サイエイ・インターナショナルの夏期講習が始まると、積極的に通い始めました。久しぶりに自分のレベルにあった英語のレッスンを受けられたので、うれしかったのかもしれません。

授業の様子をたずねると「俺しか手を挙げていないのに、先生が指してくれない」と、また同じ悩みを語りだしました。

ただし、授業後に外国人講師から「君ばかり指したら他の人が答えられなくなってしまうから、少し我慢してね」とフォローがあったようで、息子は納得している様子でした。

私は英語学習に関して口を挟むことはしませんでした。夏期講習で使用するテキストを確認すると、小手先のテクニックではなく本質的な理解を目指した授業をしていることが見て取れました。

英検2級では文法の問題も出ます。たまに誤答していましたが、おおむね良好でした。文法に関してはマレーシアにいたときに『Essential Grammar in Use』(写真)を使用して、1年かけて取り組んでいました。文法学習の問題集として非常に優れた良書です。
Essential Grammar in Use
自然な例文が充実しているのが特徴です。文法や語法の問題の正答率が高いのは、このときの学習の成果だと思います。

夏期講習に通わせて良かったことは2つあります。一つ目は、英検の「試験形式」に慣れたことです。選択肢から選んだり、リスニングテストがどのように実施されるのかを理解したりしておくことは大切です。

二つ目は、Writing(ライティング)対策のテキストの完成度の高さです。さすがに英検を軸にしている英語スクールだけあって、教材が洗練されています。エッセイ形式に不慣れな日本人学習者でもわかりやすく学べるように配慮されていました。
サイエイのテキスト

夏期講習終了後に先生と雑談すると、「ライティングの模擬試験をして最後まで書ききったのは息子さんだけでした」とほめてもらいました。稚拙な内容でも解答用紙を埋めようと努力したことを私もほめてあげました。

小学生のための英検2級必勝法

先述のとおり語彙力の面で、小学生はどうしても不利な面がでてきます。これをどのように他の能力で補うかが英検2級合格のポイントです。

まず、音声面を徹底的に鍛えることです。リスニングの内容には難しい単語はほとんど使われていません。つまりきちんと聴き取りができれば、簡単に答えることができます。帰国子女の場合、音声面は強いのでリスニングはほぼ満点が狙えます。

そして最も重要なのは、リーディング力です。語彙力は多少不足していても、それを補う速読力・多読力を徹底的に鍛えておきます。これは普段から年齢相応の英語での読書習慣があるかどうかがカギになります。
Harry Potter
文字を読むスピードが速ければ、ライティングに時間をかけることができます。テーマが小学生にとって難しくても、構成を考える時間が充分に取れれば完成させることができます。

数百ページの本を日常的に読んでいれば、英検の試験問題の長文などは「長い」と感じません。知らない単語に出会っても前後の文脈から類推する能力が高く、語彙力不足をカバーすることができます。

帰国子女ではない普通の小学生が英検2級に合格するのはかなり難しいのは事実です。しかし、充分な読書量とナチュラルスピードの英語に慣れておけば勝機が見えてきます。

リスニングが弱い子どもには、こちらの動画セミナーがオススメです。

小学生が英検2級に合格するためにお母さんができること

子どもの英検受験のためにお母さんができることは、「夏期講習の送迎」と「子どもをほめたり励ましたりする」だけです。たったこれだけのことで、子どもは前向きに勉強に取り組みます。

もう一つ子どものやる気に刺激を与えたのが、私(父)の英検1級受験でした。息子は私を打ち負かしたい一心で、一生懸命に勉強していました。
英検1級受験票

家庭でできるサポートとは、気持ちよく送迎をしてあげることや、ほめたり励ましたりすることです。また、親子で受験して適度に競争心をあおるのもとても効果的です。お母さんも(お父さんも可)面倒くさがらずに、一緒に英検にチャレンジすることをオススメします。

英検2級1次試験の当日の流れ

いよいよ英検の当日です。息子の2級と私の1級は午後からスタートなので、午前中は自然と英検の話題になります。

普段はあまり細かいことを気にしない息子ですが、さすがに落ち着かない様子です。不安に思っていることを聞き出すと「ライティングができるか不安」ということでした。

今まで私は英検の指導は一切しませんでしたが、最後に私から「ライティングのコツ」を教えることにしました。

・ライティングのコツをおさらい

英検2級では与えられたテーマについて自分の立場(賛成・反対)を明らかにします。そして理由を2つ挙げて、自分の主張を80~100語でまとめることが求められます。

インターナショナルスクールではほとんど毎週、簡単なエッセイの宿題を出されていたので書くことには慣れているはずでした。しかし、時間制限のあるテストには不慣れです。そこで、短時間でまとめるコツを伝えました。

まず、与えられたテーマをよく読んで理解します。それから余白に簡単な表を作成して、理由を挙げていきます。このときの理由は賛成でも反対でもかまいません。思いつく順番にメモを取っていきます。

このとき、書きやすいほうを書いていきます。これが制限時間内にライティングを仕上げる究極のコツです。

例えば「企業の在宅勤務は将来増えるとあなたは思いますか」というテーマが与えられたら、下の図のようなメモを取ります。

英検2級ライティングメモ

この場合、2つ以上の理由を挙げられたのは賛成側(そう思う)なので、こちらの立場を選択します。さらに、3つの理由のうち書きやすい2つに絞ります。上記の例では「通勤時間を節約できるから」と「交通費を節約できるから」を取り上げるのが最良の選択です。

字数が不足しそうなら、「For instance, …(例えば)」を使用して、具体例で肉付けすれば大丈夫です。

ライティングに必要な表現のパターンはサイエイの夏期講習で教えてくれました。

I think 自分の立場.  (私は~のように思います)
I have two reasons to support my opinion.(私の意見を支持する二つの理由があります)
First,… Second, …. (ひとつめは~。二つ目は~)
For instance, 具体例.(たとえば、~)
For these reasons, I think 結論.(これらの理由から私は~と思います)

これらの表現はほぼ暗唱していたので、あとは当てはめるだけで完成です。

字数をカウントしやすいように、大きめの字で1行につき7~8文字で書くように指導しました。こうすれば、掛け算で簡単に字数を計算できるからです。最後に必ず最初から読んで、綴りや文法の間違いを見つけて訂正するように伝えました。

また、インターネットから過去の問題を探して、その場で理由を挙げる練習だけに集中しました。1時間ほどの学習でしたが次第に自信を取り戻した様子でした。

一方、1級を受験する英検初体験の私は何が出題されるのかまったく理解していませんでした。インターネットで出題される問題数や時間配分などを調べて、メモをとりました。

その様子を見て「今ごろ何をやっているの? お父さんは、完全に英検をなめている!」と息子から非難され、私は苦笑するしかありませんでした。

小学生の英検受験者は保護者の付き添いが可能

試験会場は電車で二駅離れた高校でした。30分前には到着できるよう、息子・私・妻の3人で早めに家を出ました。このときに受験票と身分証は絶対に忘れないようにしましょう。
2級受験票

小学生が英検を受験する場合、解答用紙に個人データを正確に記入する必要があるので、保護者の付き添いが認められています。私は別会場で受験しなければならないので、妻にこの役をお願いしました。

10月としてはかなり暑い日で、駅から会場までの徒歩15分がとても長く感じました。駅から会場までの道は、受験者らしい人の長い列ができています。親子連れも多く、たくさんの小学生が英検を受験していることがわかりました。英検会場

会場に着くと、持参した受験票(写真付)に割印を押してもらいます。ここで付き添いの保護者には衣服に貼る保護者シールが配られます。
保護者シール

英検会場では混乱を避けるためにエレベーターの使用は禁止されています。2級は5階、1級は7階が会場でした。大量の汗をかきながら階段を上り、5階で息子と別れました。

子どもの受験者には保護者の付き添いが認められています。妻の話では、開始5分前までは子どもの机の隣に立ちながら、解答用紙に個人データを記入するのを手伝ったそうです。この記入が終わると保護者は退出して、指定された待合室に移動します。
保護者待合
待合室には各級のスケジュールが書いてあります。終了時間が近づくと、保護者は退出して会場建物の出口で子どもと待ち合わせをします。廊下で待つことはできないので注意しましょう。

英検3~5級を受験する子どもの付き添いがほとんどなので、2級が終わる頃には保護者の待合室は誰もいなくなっていたそうです。

・英検1級会場の様子

7階にある英検1級の会場に到着したころには、私は全身から汗が止まらない状態になっていました。教室に入ると、同じように汗が止まらない中年の受験者達が神妙な面持ちでラストスパートの勉強に打ち込んでいます。

スマートフォンの電源を切り、一冊も参考書を持ってこない私はすることがありません。仕方なく周囲を観察すると、ボロボロにすり切れた『英検1級単語集』を血眼になって読み返していたり、なぜか10年前のNEWSWEEKを熟読していたりする人がいます。

私の前にいる男性は、緊張のためか15分の間に3回もトイレに行きました。初めて目にする英検1級の異様な空気に唖然としながら、試験の準備をまったくしてこなかった自分を今さらながら猛省しました。

・親子とも英検の1次試験終了

英検1級は難易度が高いだけでなく、問題量が多いです。後半のリスニングもなかなか終わらず、正直「もう勘弁してください」という精神状態になります。「子どもを鼓舞するだけなら、準1級で充分では?」と妻を恨みました。

試験が終了して会場の外に出ると、先に試験を終えた息子と妻が待っていました。「英検2級の試験はどうだった」とたずねると「簡単だった」と自信ありげでした。直前にやったライティングが功を奏したようで、指定された字数で完成したとのことでした。

無理に英語を教えず、子どもから求められた部分だけを教えてあげたのはとても良かったと思います。

英検2級1次試験の結果発表と2次試験に向けて

英検1次試験の合格発表は2週間後の月曜日です。土曜日に学校行事があり、当日、息子は休みでした。試験の結果発表は午後です。結果が気になるのか、午前中はそわそわしながら過ごしていました。

・12時に父の結果発表

まず、12時からは1級の結果発表です。英検のサイトにアクセスして、IDとパスワードを入れると1次試験の結果が閲覧できます。

結果は予想に反して「1次試験合格」でした。私の合否には一切関心のない妻は、子どもと昼食中です。仕方なく子どもを呼んで合格の画面を見せました。子どもが妻に私の合格を伝えると「ウソでしょ」と妻の声が階下から聞こえてきました。

私が1次試験に合格する番狂わせがあり、息子は急に不安になってしまいました。2級の発表までの1時間、さらにそわそわして落ち着かない様子でした。

・13時に子どもの英検2級1次試験の合否発表

2級は受験者数が多いせいか、発表直後はアクセスが集中してなかなか合否発表が見られません。30分ほど放置して再びアクセスすると「英検2級1次試験合格」の文字がありました!
英検2級合格
英検バンドを見ると「+9」で、余裕で合格しています。英検バンドとは合格点を起点にして、25点刻みで±1で表示したものです。

今回2級を受験させましたが、合格を知ったとき息子は予想以上に喜びました。2級に合格しても冷めているのではと思っていたのですが、それは私の間違いでした。日本に帰国して初めて自分の英語に対して自信を取り戻せたことが大きかったのではと感じています。

2次試験の面接は、息子の得意分野なので特に対策はしません。暇なときに、過去問を使いながら数回練習してみるつもりです。

小学生の英検は、確実な級から少しずつステップアップしよう

今回の経験から、小学生が英検を受験するときは英検5級から少しずつステップアップすることをオススメします。どんな級でも合格すればうれしいので、その後の英語学習に好影響を与えるからです。

帰国子女でもいきなり準1級に合格すると、残りは1級しかありません。2級から始めて、細かく刻んだほうがモチベーションの維持には好都合です。

もし子どもが不合格でも、叱ったり非難したりするのは厳禁です。合否だけでなくCSEスコア(過去のスコアと比較して伸びを確認できる指標)や英検バンドに注目しましょう。受験ごとに少しずつ合格ラインに近づいていれば努力を評価してあげましょう。

私は英検の合否ばかりにとらわれる姿勢には今でも反対です。しかし、今回のように息子が大喜びしている様子を見ると、成長を確認しモチベーションを維持する点で、英検を受験することは効果的であると考えています。

英検2級2次試験(スピーキングテスト)と合格発表!

2次試験は最寄りの駅から7キロ以上離れた大学を会場に指定されました。会場で受付を済ませると、首から下げる袋を配布(写真)されます。これはスマートフォンなどを入れる袋で、スマートフォンを持っていなくても首から下げる決まりとなっています。
英検2次試験袋
控室で受験生は名前を呼ばれるまで待機します。その間に面接カードを記入します。ここまでは保護者の付き添いが認められています。記入後は保護者は保護者控室に移動して、子どもの試験終了まで待ちます。受付から試験終了まで約1時間でした。

さて、それから2週間後。インターネットで合格発表が確認できます(郵便でも送られてきます)。昼過ぎには発表でしたが、あえて息子が学校から帰ってくるまで待ちました。

IDやパスワードを入力して、試験結果を確認します。2次試験の出来があまり良くなかったらしく、少し不安気な息子でしたが「合格」の文字を見つけ大喜びでした。
英検2級合格
ちなみにCSEスコアは2242で英検2級には余裕をもって合格しましたが、準1級にはあと一歩届きませんでした。

予想通り、小学4年生では語彙のレベルがまだ未熟で出題内容にどうしても追いつかない部分が出てきます。例えば、2級でも「representative: 代理人」という単語は出てきますが、小学生では難しすぎて意味を理解できません。

英語・日本語にかかわらず、もう少し幅広い教養を身につけ語彙レベルを引き上げてから、準1級を受験したほうがいいと改めて感じました。

ちなみに、私も1級に合格しましたが、家族の反応は今ひとつでした(結構大変なんですけれどね)。

まとめ

帰国子女の英語力保持は、お母さんにとって悩みの種です。小学校で英語の授業が正式に導入されていますが、帰国子女のモチベーションを維持するのは難しいです。

このような場合、子どもの英語力に見合った英検にチャレンジさせることは、帰国子女にとってよい刺激になります。必要に応じて近所の英語スクールに通いながら、試験に向けて準備を進めましょう。

お母さんができることは、子どもをほめたり励ましたりすることです。また、お母さんかお父さんも同じように英検にチャレンジすると、子どもの競争心を刺激していい結果につながります。

帰国子女ではない小学生でも、英語学習のモチベーションアップや学習進度の確認の点で、英検の受験は大変効果的です。子どもの場合、英検5級から少しずつステップアップしたほうが、子どもは合格の喜びを多く味わえます。

英検では4技能(聴く・読む・話す・書く)をバランスよく試されます。2次試験ではスピーキングテストが課せられるので、普段からアウトプットの機会を確保しておくことが大切です。オンライン英会話を利用すれば時間や場所に拘束されず、比較的安価で続けられます。

級が上がるごとに自分の英語力の進歩を感じられるのが英検の良さです。「〇級なんて当たり前」と思わずに、合格の喜びを家族全員で共有しましょう。

小学生の英語通信講座の選び方

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突然ですが、通信講座にどのようなイメージを持っているでしょうか? 子どもの頃を思い出してください。毎月どっさり送られてくる教材に最初は意気揚々と取り組むものの、しばらくすると溜めてしまい、親に怒られながら課題を提出した…そんな経験ありませんでしょうか?

時代は変わり、今では紙の教材からタブレットやパソコンで学ぶ「デジタル教材」に移行しています。大手通信講座運営会社では小学生向けの英語にも力を入れています。従来のイメージのままでは、現在の通信講座を正しく理解することはできません。

「そろそろウチの子も英語を」と検討中のお母さんには、英語教室やオンライン英語レッスンだけでなく、通信講座も選択肢に入れることをおすすめします。自習を前提に構成されているので親が先生代わりになる必要はなく、忙しいお母さんにもぴったりです。

今回は、さまざまな観点から英語の通信講座をどのように選んだらいいのかを解説します。

小学生の英語通信講座:教材はどうなっているか

通信講座といえば毎月大量の紙教材が送られてくるイメージがありますが、実際は違います。大手の運営会社が提供する内容を調べてみると、通信講座は2つの大きな柱から構成されています。それらは「タブレット(またはパソコン)を使った学習教材」と「オンライン英会話レッスン」です。

これら2つの柱に加えて、「紙のワークブック」が必要に応じて送られてきます。デジタル教材とアナログ教材の長所と短所を抑えて、それぞれが補完しあうように考えられています。以後、これらの内容について詳しく説明します。

パソコン、タブレットを使い4技能を伸ばす英語教材

先述のように、教材の大部分はデジタル化されています。英語だけでなく他の教科も同様です。このことから大量に溜まっていく教材の保管場所に頭を悩ませる必要はなくなりました。デジタル教材の長所は写真・図・音声・動画を駆使して、わかりやすく学習内容を伝えられることです。

以前、私は英語教師として授業をしていたとき気づいたことがあります。それは、生徒には「視覚・聴覚に強く反応するタイプ」と「文字に強く反応するタイプ」の両方がいることです。黒板に色分けしたチョークで図を描いたり矢印(→)で修飾関係を示したりするのはそのためです。

デジタル教材では文字解説も含まれますから、どちらのタイプにも理解しやすく工夫されています。英語の場合は音声面の学習が不可欠なので、デジタル教材との相性は抜群です。

このことから、デジタル教材では4技能の「Reading(読む)」「Listening(聞く)」「Speaking(話す)」「Writing(書く)」をバランスよく伸ばすことができます。紙のワークブックでは、どうしてもReadingとWritingに偏りがちでしたが、この弱点はデジタル教材では解消されています。

なおデジタル教材の場合、Writingは鉛筆と消しゴムが使えないのでタブレットのタイピングで補っています。記憶の面では鉛筆で書いた方が優れていますが、ついでにタイピングを覚えてしまうのも将来的には役立ちそうです。

オンライン英語レッスン

Speakingに大切なのは、英文の暗唱(インプット)と話す訓練(アウトプット)の2つです。英文の暗唱は音読を繰り返すことによって体得しますが、アウトプットは実際に話すことによってしか訓練できません。

ひとりごとのように話し続ける訓練法もありますが、小学生には難しいです。どうしても生身の人間を相手にして話す練習が必要です。これを低コストで実現するのが「オンライン英語レッスン」です。

大手の通信講座では標準セットの中に、「オンライン英語レッスン」が月1回含まれています。好きな日時に予約を取り、その時間になったらパソコンやタブレットを使用して講師と英語で会話をします。

レッスンは15分程度です。内容は普段の学習と連動しているので、極端に会話に詰まるようなことはありません。「タブレットで学習した英語を話したら本当に通じた」喜びは、継続するためのモチベーション維持に効果的です。

紙のワークブック

従来の紙のワークブックにも良いところはあります。目は疲れにくいし、鉛筆で書き込める手軽さはデジタル教材にはない長所です。

通信講座運営会社もその点は把握していて、半年に1回ほどの頻度で紙のワークブックを届けているところがあります。たまには鉛筆を手に、黙々とワークブックに取り組むことも必要である証拠です。

このように大手の通信講座は、2つの柱「タブレット(またはパソコン)を使ったデジタル教材」「オンライン英語レッスン」と、「従来の紙のワークブック」(プラス1)で構成されています。

それぞれの長所を活かし短所はお互いに補いながら関連づけられていて、うまくできているなと感心します。では、このような通信講座は、他の学習形態と比較してどのようなメリットがあるのでしょうか?

英語通信講座のメリット

通信講座のメリットのひとつは「費用の安さ」です。大手の受講料を調べてみると、英語だけなら月々約2,000円~3,000円で設定されています。英会話教室に通う費用と比べると3分の1~5分の1程度です。

学年が上がるにつれて教育費がかさむのは頭痛のタネです。しかし、通信講座をうまく利用すると費用を抑えることができます。

さて、小学生が英語を学ぶときは、英会話教室に通うとかオンライン英会話を受講するなど、いくつか形態があります。ここからは、これらの学習スタイルと比較して通信講座で学ぶメリットについて考えてみます。

英会話教室と比較して

お勤めをされているお母さんの悩みは「習いごとの送迎」です。通信講座は自宅で受講できるので、もちろん送迎不要です。車での送迎は、車の所有コスト・駐車代・ガソリン代・事故リスクなどを伴いますが、こうした悩みからも解放されます。

また、教室に通う場合は曜日と時間は固定されていますが、通信講座は子どもの好きなときに取り組めます。宿題や習いごとで忙しい小学生でも、すき間時間を利用して取り組めるのは大きな利点です。

タブレットを利用した学習は、反復トレーニングが必要な場面で威力を発揮します。英会話教室でも分からないところは繰り返し説明してくれますが、回数には限度があります。

一方、タブレットでの学習なら反復回数は無制限です。例えば、発音のトレーニングをするとき、“th”の発音がなかなかできないとします。英会話教室の先生は根気よく教えてくれても、せいぜい10分くらいが限度でしょう。

「動画を見て、口まね、発音・録音、発音のチェック」ができるタブレット教材では、時間も回数も無制限です。機械が相手なので、先生に遠慮することは一切ありません。自分が納得するまでとことん学習することができます。

紙のワークブックと比較して

「自由な時間に学習できる」利点は紙のワークブックも同じです。しかし、デジタルでしか実現できなかったこともあります。ここではデジタル教材ならではの3つの長所を紹介します。

一つ目は、デジタル教材はカラフルな図・絵、音声、動画などを組み合わせて学習内容がわかりやすく理解できるように工夫されていることです。また、正解を選べば拍手や「Good job!」と再生され、子どものやる気を高める工夫もされています。

二つ目は、解説が至れり尽くせりなので親の指導はほとんど不要なことです。これは忙しいお母さんにとって朗報です。わからないところがあると子どもの学習は止まってしまうので、自習を継続させるために大切なポイントです。

ただし、ときには親ができたところをほめてあげたり励ましたりすることは大切です。通信講座のなかには子どもの学習履歴がネットで確認できて励ましコメントを送ることができる「見まもり機能」がついています。仕事でいそがしくても、励ましのコメントを投稿できます。

三つ目のメリットは、復習をしやすいことです。既習事項を復習したいとき、紙のワークブックでは欲しい情報を探すのにひと苦労です。何かの原因で紛失してしまえば、探し出すことができません。

一方、タブレットを利用した教材は欲しかった情報をすぐに検索できます。万が一端末を紛失したり故障させたりしても、情報は残っているので安心です。

このようにデジタル教材には、費用を抑えられるだけでなく、英会話教室や紙のワークブックよりも優れている点が多くあります。次に、通信講座のデメリットにはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

英語通信講座のデメリット

おそらく通信講座を検討しているお母さんの心配事のひとつは、「子どもが継続できるかどうか」です。いつでもどこでも勉強できるのはメリットですが、同時にデメリットでもあります。

つまり、強制力がないので自分でやる意志がないと、学習を始めないからです。この問題に対処するには、2つの方法があります。「おもしろい教材を与える」方法と「あえて学習時間を事前に決める」方法です。

おもしろい教材は、子どもに英語学習は楽しいと感じさせるためです。教材のレベルをきちんと子どもにあったものを選んだり、子どもの興味を惹くような教材の内容であるかをチェックしたりすることで、ある程度は解決できます。

この点については、運営会社も努力をしています。インターネットに接続していることを利用して、運営会社は会員のデータを大量に収集しています。これは全国の子ども達の学習パターンを分析するためです。

例えば、成績優秀な子ども達の学習パターンを集めて、効果的な使い方を紹介できます。また、子どもが飽きたりつまずいたりする学習事項も細かく特定できるので、その部分の説明をより興味を惹くように改善しています。

このようにして通信講座の運営会社は、子どもが少しでも継続できるような教材開発に力を入れています。

もう一つの「あえて学習時間を事前に決める」方法は、意志の弱い子どもに有効です。例えば、時間割を作ってしまい、自宅での学習もそれに従って淡々とこなすようにします。

オンライン英語レッスンを利用して、習慣化することも可能です。オンライン英語レッスンは事前に予約が必要です。子どもはその内容を先に学習しないと困ったことになるので、自らすすんで勉強するようになります。ちょっとした強制です。

どのような方法をとるかは、子どもの性格や各家庭の事情に合わせて考えてください。自習を前提としてうまく作られている通信講座の教材ですが、お母さんが時間のあるときに学習状況を確認するだけでも、継続率は向上します。

タブレットを使うと眼は悪くなる?

デジタル教材の良さばかりに注目してしまいがちですが、長時間近い距離からモニターを見つめていると子どもの眼に負担がかかります。一回の使用に上限を設けたり、ときどき窓の外の景色をしばらく眺めたりして、眼を休ませましょう。

専用タブレットの中には使用時間を設定できる機能が付いているものもあるので、そういったものを利用することも検討しましょう。

英語の通信講座を選ぶときのポイント

小学生向けの英語通信講座はいくつかあります。これらの中から、どのようなポイントに気をつけながら最適な通信講座を選んだらよいのかを解説します。

ネット環境は整っているか

タブレットやパソコンの使用が前提となっているので、自宅に安定したインターネットの環境があるかどうかを確かめてください。同じ家の中でも部屋によっては通信速度が遅くなる場所が発生するので、子どもが学習するエリアでの確認が必要です。

動画を再生するのに問題なければ、通信速度の心配はありません。

専用タブレットかどうか

選択する通信講座によって、既に持っているパソコンやタブレットでの受講が可能なものと、提供会社が指定する専用タブレットを使用するものの2パターンがあります。費用的には前者の方が抑えられるのはいうまでもありません。

専用タブレットの場合は、最初にタブレットの購入費用が約1万円発生します。タブレット端末としては決して高くありません。問題は短期で解約したり子どもが落として故障させたりしたときに、初期費用以上の金額を請求されることです。

例えば、6か月未満の短期で解約すると、約3万円のタブレット代金を請求されることがあります。故障の際の交換対応では、有料保障サービスをつけないと4万円近い金額を請求されます。

いずれにしても、タブレット関連で発生しうる費用に関しては、事前に慎重に調べましょう。

専用タブレットにも長所はあります。子どもの利用を主体に考えて設計されているところです。例えば、有害なホームページの閲覧をできないようになっていて、インターネットでの検索に使用しても安心です。

また、子どもの使用を考えて一般的なタブレットよりも耐久性を重視した造りになっており、壊れにくくなっています。

レベル設定・コースの選定は慎重にする

受講レベルの設定は子どもの継続意欲に大きな影響を与えるので、慎重にしましょう。変更手続きは簡単にできますが、新しい教材が配信されるのは翌月からになります。

難易度だけでなく、コース選びにも注意しましょう。普通に基礎的な英語を学ぶだけなら問題ありません。でも、「英検対策をしたい」など具体的な目標がある場合は、それに対応したコースを選びましょう。

レベルやコースの変更によって、費用が変わることがあるので確認が必要です。

英語だけでも受講できるか

小学生の通信講座は国語・算数・理科・社会が主体です。これらの教科に追加して英語を始める場合は特に問題はありません。しかし、「英語だけを受講したい場合」には、個別の受講は可能かどうか確認をしましょう。

また、これまでも他の教科を受講していて、あらたに英語を追加する場合は割引が適用されることがあるので、調べたほうがお得です。

過去の復習をできるか

デジタル教材の強みの一つは、復習が容易であることは先述したとおりです。この特性を生かすためにも、過去の教材を利用できるかどうか、きちんと確かめましょう。幸いほとんどの通信講座では、受講期間中の復習は問題なくできるようです。

小学生向け英語通信教育:肝心の効果は

英語の学習を継続する際の大きな壁は、上達を実感しにくいことが挙げられます。例えば、算数では足し算のひっ算を学習したら、その場で正解が出せるようになり達成感を得られます。

一方、英語の場合、複数形の勉強をしても英会話力が向上することはほとんどありません。すべての技能が複雑に絡み合っているので、効果を実感するまでに相当な時間がかかります。

お母さんが最も気になるのは、英語の通信講座を受講して、どのくらい英語力が向上するのかということでしょう。特に、英語教室に通った場合と比較しての効果を知りたいはずです。

しかし、実際に効果を正確に測定するのは難しいことです。子どもの能力はそれぞれ異なるので、他の子どもと比較しても通信講座の正しい評価にはなりません。

英語教室に通っている子どもより通信講座を受講している子どもの方が英語が上達した場合、それは学習形態の違いよりも学習時間や頻度に影響を受けているかもしれません。

たった週1回の英語教室だけで済ませている子どもと、毎日15分程度英語に触れている通信講座の生徒では後者の方が伸びる可能性は高いです。しかし、毎日の音読練習を取り入れれば英語教室に通っている生徒が上回る可能性もあります。

このように通信講座の正確な評価は難しく、個人の体験を一般化することは適切ではありません。しかし、これでは通信講座がいいのか悪いのか判断材料がなくなってしまいます。そこで、デジタル教材の特性を考えてどのような段階の学習者に通信講座は最適なのかを考えてみます。

初期の基礎的な学習には効果的

英語学習において基礎はとても大切です。とりわけ、フォニックス(音とつづりの関係)や英語独特の発音方法などの音声面はこの学習初期に身につけさせたいものです。

私は「基礎的な学習には通信講座はかなり効果的である」と思っています。我が家では、子ども達はすでにこのレベルを超えてしまったので検証できません。しかし、デジタル教材の特性を考えると、音声面の基礎的な学習には利用価値が高いと考えます。

例えば、thの発音の仕方を例にとってみましょう。デジタル教材では、上下の歯の間に軽く舌を挟んで空気を出す様子を動画で見られます。モデルの音声は何度でも再生できて、自分の声を録音して正しい発音ができているか確認もできます。

タブレットではその気になれば何時間でも反復訓練できます。英会話教室の先生も根気強く指導してくれるかもしれませんが、さすがに何時間もというわけにはいきません。

「英語で伝える」という点においてはネイティブのような発音を目指す必要はありません。ほどほどでいいのです。しかし、上手に読める自信をつけた子どもと、そうでない子どもでは英語に対する興味関心は確実に変わってきます。

このような理由から、英語がゼロの状態から音声面の基礎を学ぶ段階においては、デジタル教材をつかった通信講座は利用価値が高いと私は思います。

ある程度まで達成できたら、一度やめるのもアリ

では、英語の基礎を身につけた後も通信講座は効果的でしょうか? この点については、私も正直判断が難しいです。とりあえず受講して1年経ったところで、「英検」や「英検Jr.(小学校低学年・幼児向けの英検)」を受験することをおすすめします。

できれば半年後にもう一度受けて、スコアの推移を観察してみましょう。もしスコアが順調に伸びていて子どもも続けたいと言っているなら、そのまま継続で問題ありません。

もしスコアの伸びが今一つだったり、子どもがあまり乗り気でなかったりする場合は一度やめて、別の計学習形態に変更することも検討してみましょう。

基礎がある程度身についた後は、より深く幅広い学習を求められるので、タブレットだけで済ませるには無理が生じます。本をたくさん読んだり、自分のことをいろいろと書いてみたりして暗唱するような学習にはタブレットは向いていません。

子どもの英語の伸びが鈍くなったのは「成長のサイン」です。このサインを見逃さないように、学習方法や学習形態が子どもの実情に合っているかどうかを常に見極めることが大切です。

まとめ

小学生が英語を学ぶときには、英会話教室、オンライン英語レッスン、通信講座、eラーニング、音読を中心とした自習などさまざまな方法があります。子どもの性格・レベル・家庭の事情によりどれが適しているのかは一概に決められません。

どれを選んだとしても、週1回程度の頻度ではほとんど上達は見込めません。通信講座は毎日少しずつ学習するように設計されていますから、英語に触れる頻度は格段に増します。

最初に選んだ学習方法が最適なのかどうか、ときどき「英検」や「英検Jr.」を活用しながら、客観的に判断するのが望ましいです。通信講座では親が常に見守る必要はありませんが、時間があるときは学習を見てあげると子どもの成長を感じたり、つまづきに気づいたりすることができます。

これまで見てきた通り、通信講座には良い点がたくさんあります。子どもの英語を伸ばすためのひとつの方法として頭に入れておきましょう。

子どもの英会話教室:後悔しない選び方・決め方

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博報堂こそだて家族研究所が実施した「子どもの習い事・身につけさせたいスキル」に関する調査があります。この調査によると、子どもに身につけさせたいスキルは「英語/英会話」がダントツの一位でした。(参照:博報堂こそだて家族研究所)

学校における必修科目として英語の存在感が大きいことが理由です。また、「義務教育期間中はずっと英語の習い事を続けて欲しい」と望んでいるお母さんが多いようです。

英語の習い事とは多くの場合、英語教室のことを意味します。ところが、いざ英語教室を探すとなると何からスタートすればいいのかわかりません。ママ友のクチコミは参考になりますが、これだけでは決め手になりません。

スマートフォンで検索すれば英語教室の情報を得ることはできます。でも、情報が多すぎてかえって選べなくなります。そこで、「どのような手順で探せば優良な英語教室を見つけられるか」を順に解説します。

英語教室の強みとは?

英語教室に子どもを通わせることは、「子どもの英語教育の一部を外注する」ことと似ています。そのような視点で考えると、英語教室に通わせる主な理由は以下の3つになります。

  1. 自分ができないことを英語教室にお願いする
  2. 自分でもできるが時間や効率の関係であえて英語教室にお願いする
  3. 家庭教師やオンライン英語教室(スカイプ英会話)ではできないことを英語教室にお願いする

1と2の理由を即答できる人は多いです。子どもに自信をもって英語を教えられるお母さんは限られていますし、子どもの英語教育のために充分な時間を割ける人は少数派だからです。

しかし、最も重視すべき項目は3です。英語の先生を探すだけなら、家庭教師やオンライン英語教室(スカイプ英会話)などの選択肢もあります。ただ、実店舗型の英語教室には、これらにはない強みがあります。まずは、その強みを知る必要があります。

私が考える英語教室の強みは、先生と生徒が同じ空間で英語のレッスンができることです。また、一緒に学ぶ仲間がいることもプラス材料です。

例えば、ワークブックに色を塗ったり文字を書いたりする学習は英語教室では簡単ですが、オンラインでは難しいです。ゲームなどのアクティビティは同じ空間に仲間がいないと成立しません。

このように、実店舗型の英語教室には家庭教師やオンライン英語教室にはない強みがあります。これを理解した上で、英語教室に魅力を感じるなら、具体的に選ぶ作業に移ります。

子どもの英語教室の決め方:事前調査の手順

手当たり次第に体験レッスンに申し込むのは時間の無駄です。事前調査はスマートフォンがあればできます。ここでは数か所に絞り込むまでのステップを5つに分けて順に解説します。

通える範囲の英会話教室か

通常、レッスンは週1回です。悪天候でも、毎回無理なく送迎できるかどうかは大切です。どんなに優良な教室でも、通える範囲にないなら存在しないのと同じです。交通手段にかかわらず、片道20分以上かかるならあきらめたほうがいいでしょう。

また、教室の近くに買い物ができる場所があると便利です。子どもがレッスンを受けている間、お母さんはそこで日用品などを買えるので、時間の有効利用ができます。

英会話教室の系統をチェック

子どもの英語教室を調べてみると、「英会話系」「塾系」「英語で習いごと系」の3つに系統が分かれています。これらの系統について、解説します。

  • 英会話系

一般的な英語教室で、ネイティブや日本人講師がゲームなどを通じて英語の基礎を教えてくれます。小さい子どもの場合は音声中心の授業です。読み書きや文法も年齢に応じて教えてくれます。

  • 塾系

中学受験の塾が英語に特化したクラスを開講しているパターンです。小学校の学習指導要領を意識しながら、中学校で習う英語を前倒しで教えているところが多いです。単語学習や基本例文の暗唱を中心に据えて、英会話系とは差別化を図っています。

  • 英語で習いごと系

数は少ないですが、英語で何かの習い事をする教室です。例えば、ネイティブのインストラクターが体操を教えている教室などが該当します。英語そのものの学習よりは、好きな習い事を通して英語に親しむことが目的です。

英語を本格的に学ぶのなら「英会話系」か「塾系」でしょう。「英会話系」は教える内容や学習方法の自由度が高いです。その反面、授業計画から逸脱することもあるので、計画にのっとってレッスンが行われているか確認しましょう。

「塾系」は小学生に中学英語の一部を前倒しで教えることが基本です。レッスン内容は親に理解しやすい反面、子どもが楽しいと感じるかどうかがポイントでしょう。

小学生の間は本格的な英語の学習は必要ないと考えるお母さんもいると思います。その場合、英語で習いごと系の教室も検討の価値ありです。

全国展開の大手英会話教室vs.町の小さい英会話教室

英語を教える能力に資本金は関係ありません。通えるエリアにあるならば、小さい英語教室でもまったく問題ありません。

一般的な傾向として、大手の場合、レッスンはある程度マニュアル化されています。つまり、違う町のスクールに通ったとしても授業内容やレベルはあまり変わりません。また大手の教育系企業の看板を掲げた小規模英会話教室も、教材レベルは比較的高く教室ごとのレベルのバラつきは少ないです。

一方、町の小さい教室では講師(兼経営者)の実力=教室のレベルです。小さい教室の場合は、どれくらいの期間運営されているか調べてみましょう。長期間(少なくとも5年以上)地元の人たちに愛されている教室には納得する理由があるはずです。

英会話教室の月謝と一時金

大手英語教室の月謝は月々1万円ほどで、それとは別に教材費や諸費用がかかります。小さな教室だと7千円くらいの月謝だけで大丈夫なところもあります。

英語教室は年単位で通い続けないと効果は表れません。家計に負担をかけすぎないように、毎月の月謝と一時金(初期費用など)がどれくらい必要かチェックしましょう。

有力候補の英語教室に関しては、費用に関する疑問点をあらかじめまとめておくといいです。

英会話教室のクチコミ情報の読み方

クチコミ情報の読み方は、飲食店のクチコミサイトの見方と似ています。投稿数は人気の目安になります。最高評価と最低評価の極端なクチコミは除外して、真ん中のクチコミを丁寧に読みましょう。教室のホームページからはわからない情報は貴重です。

例えば、「子どもの学校終了時刻の変更に合わせて、クラスを変えてくれた」などの情報は利用者にしか知りえないものです。

小さい教室での「講師の高評価」はそのまま「教室の高評価」となります。その講師がほとんど一人で教えているからです。彼らは異動もなければ、辞めることもほとんどありません。

反対に大手英語教室で「〇〇先生は教え方がうまい」と書いてあっても、その先生があなたの子どもを教えてくれるとは限りません。大手英語教室の場合は、先生に関する情報よりも授業内容を参考にしましょう。

ここまでが事前調査の手順です。すき間時間にスマートフォンで検索すれば、数日でいくつかの英語教室に絞れます。子どもの予定を確認しながら、体験レッスンの申し込みをしてみましょう。

もし周囲に英語教室が見つからない場合は、無理に遠方の教室を探しても挫折するだけです。「英語教室の強みは得られないことを理解した上でオンライン英語教室などを利用する」という発想に切り替える必要があります。

英会話教室の体験レッスンはここをチェック!

候補となる英語教室を絞り込めたら、次は体験レッスンの予約をしましょう。

車での送迎なら駐車場の状況を確認します。教室の第一印象も大切です。明らかに清掃が行き届いていない教室は、考え直したほうがいいかもしれません。ハロウィーンなど季節ごとの飾りで、子どもが楽しめる雰囲気づくりをしているかもチェックします。

楽しいと感じないことに子どもは絶対に夢中になることはありません。義務で英語を学習するわけではないので、子どもが楽しいと感じたかどうかはとても大切な要素です。

幼児は初めての場所で泣き出すこともあります。そのときの対応ぶりもチェックするといいでしょう。根気よくなだめすかしてレッスンに参加させようと努力してくれる先生なら好印象です。

さて、肝心の体験レッスンですが、英語教育に詳しくなくても良し悪しは判断できます。判断の基準は、「次の8項目をどれだけ網羅しているか」です。この8項目は「子どもが最初に身につけるべき項目」です。

(難易度が易しい順に並べてあります)

  • アルファベットを読めて書ける
  • 英語らしい発音を身につける
  • さまざまな人の英語に触れる
  • フォニックス(つづりと音のルール)の基本を身につける
  • 決まり文句を覚える
  • 基本の名詞・形容詞を読めて意味がわかる
  • 前置詞(on, in, under など)の使い分けができる
  • 命令文を聞いてその通りに行動できる

良いレッスンは、一回のレッスンの中でこれらの項目を複数カバーしています。子どもの集中力を保つために、短いサイクルで回す工夫もしてあります。例えば、良いレッスンの例は以下のような流れで行われます。

最初の挨拶は先生の“How’s the weather today?”(今日の天気は何?)から始まり、生徒は“It’s sunny!”(晴れです)と答えます。決まり文句の学習です。

アルファベットソングを歌い、「A(エイ) ア,ア,ア, apple!」で口頭練習。これはアルファベットの学習とフォニックスの基本を目的にしています。

英語の口の動きに慣らしたところで、ピクチャーカードを見せながら“big”“small”などの基本単語を覚えます。英語らしい発音の指導と基本単語の学習です。

動詞の“walk”(歩く)を歩きながら学習。続いて“Walk around!”と先生の命令文に合わせて、教室内を歩き回るアクティビティへと発展させます。命令文の学習です。言葉と動作を結びつけて学習する代表的な教授法のひとつです。

このように、一回のレッスンで、上記の項目が複数扱われていることが重要です。

私が高校の英語教員になりたてのころ、研修で教わったのは「授業で扱わなければ、生徒は学ばない」という原則でした。例えば、writing(書く)技能を伸ばしたければ、授業で書かせないと生徒は学ぶ機会がありません。

たった一回の体験レッスンですべてを判断できません。しかし、基礎的な項目のうち少なくとも半分以上を扱っていなければ、授業内容に疑問符がつきます。ダメな授業はテンポが悪く、一つか二つの項目をダラダラと繰り返しているだけです。

また、レッスン後は費用の詳細を確認しましょう。月謝と初期費用、そして教材費や設備費などの費用を細かくチェックします。こちらの気になる質問に誠実に答えてくれるかも肝心です。契約する前に疑問点はすべて解消しておきましょう。

ここまでくれば満足度の高い教室を選ぶのはそれほど難しくありません。限られた中から100点満点の教室を探すのは難しいので、ある程度の妥協は必要です。でも、今回紹介した手順で教室選びをすすめていけば、少なくともダメな教室を選ぶことはありません。

近所に良い英会話教室が見つからなかったり、送迎ができなかったりする場合は、オンライン英語塾(1対1の完全個人指導)を検討するのもいいでしょう。詳細はこちらをクリック!

英会話教室通学後に気をつけること

英語教室に子どもの教育を丸投げしていては、なかなかいい結果は得られません。子どもの英語教育に関心を持ち続けましょう。とはいってもお母さんが英語をガミガミ教える必要はありません。親が関心を持って見ているサインを子どもが感じられるかがポイントです。

毎回出される宿題は、休日にお父さんと一緒に取り組んでもいいかもしれません。たまにお父さんが英語を間違えることもあります。「お父さんよりできた!」と子どもは喜ぶので「すごいね!」とほめてあげればいいのです。子どもは飽きやすいので、20分くらいで終了するのがコツです。

このように、夫婦がお互いに子どもをサポートするのは自然なことです。夫婦の会話で子どもの英語に関する話題になるのは良い傾向です。

ただ、英語教室や宿題だけでは英語に触れる時間は短すぎます。そのため、宿題以外にも家庭で英語に触れる機会を作るようにしましょう。

例えば、英語絵本の読み聞かせは、家庭でも英語を自然に取り入れられておすすめです。また、車に乗ったら英語の歌を再生して親子で歌うだけでも立派な勉強です。毎日の積み重ねを大切にしましょう。

教室に通い始めて1年くらい経過したら、成果を確認することも必要です。幼児であれば「英検Jr.(子ども向けの英検)」、小学生なら「英検」を半年ごとに受けてその推移を見ていけば成長を数字で確認できます。

あまり進歩がなければ、英語教室の内容を再チェックして教室は適切かどうか判断する必要があります。思い切って別の教室に変えることを検討しましょう。

まとめ

子どもを英会話教室に通わせる前に、英会話教室の強みを把握する必要があります。お母さんが英語が得意でなかったり、忙しいので英語教育を任せたりするのは普通のことです。それ以外にも、英会話教室にしかできないことの価値を認識することが大切です。

子どもが定期的に通う場合、親の送迎の負担は大きいです。月謝についても毎月の固定費が増えるので、慎重に検討しなければいけません。いくつかに候補を絞ったら、体験レッスンを受けてみましょう。

週一回の英会話教室でのレッスンだけでは子どもの英語力は伸びません。やはり家庭での取り組みが大切です。お母さんだけでなくお父さんにも手伝ってもらって、子どもの英語教育をサポートしていきましょう。関心を持ち続けて励ますことがポイントです。

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