あなたの周囲で「英語で育児」に取り組んでいる人はいるでしょうか? おそらくかなりの少数派であることは間違いありません。しかし、ブログを見ると英語で育児に取り組んで「子どもが英語を話し始めました」という人達も少なからずいるようです。
我が家ではそのような時期を過ぎてしまったので、少しうらやましく感じます。何歳からでも英語の学習は可能です。しかし、英語を親子のコミュニケーションツールとして使える経験は、小さい頃を逃すと難しいです。
実は、私は英語で育児にチャレンジしたことがありますが結果は惨敗でした。失敗の原因は、成功するためのポイントを知らなかったからです。完全に勉強不足でした。
もしあなたが英語で育児にチャレンジしたいなら、私の失敗から学ぶことは多いはずです。今ではいろいろな人が記録したブログや書籍を入手できます。一人の子どもにつき一度だけの貴重な機会なので興味のあるお母さんはしっかりと準備をしましょう。
英語で育児~私の失敗談~
繰り返しになりますが、私は「英語で育児」に失敗しました。元英語教師として恥ずかしいですが本当のことです。これからチャレンジするお母さんには、ぜひ私の失敗から学んで欲しいと思います。まずは、私の失敗の原因を3つ述べます。
原因1:5歳からでは遅すぎた
私は息子が5歳のときに英語で育児を始めましたが、遅すぎました。息子はおしゃべりで言葉の発達が早く、年齢の割には日本語はしっかりとしていました。その分、英語を受け入れるのに抵抗があったようです。
もちろん母国語である日本語の習得は大切なので、これ自体は良いことです。ただ英語に関しては、2歳くらいから始めれば英語を自然と受け入れたと考えています。
母語である日本語の発達には個人差があるので一概に何歳までとは言えません。しかし一般的には、3歳までには始めたほうがいいです。
原因2:子どもとの接触時間が短すぎた
私は仕事の都合で、週の半分は帰宅しませんでした。子どもとの接触は多くても週2日半くらいでした。妻は専業主婦で常に子どもと一緒でした。しかし、英語が苦手で英語での語りかけは一切しませんでした。
一週間で合計10分~15分英語で話しかけても、子どもに変化が起きないのは当然です。英語を聞いたり使う時間や頻度が圧倒的に不足していました。
原因3:英語教育に関して家族の協力がマイナスだった
当時、義理の父母、私と妻、娘と息子の6人で生活していました。私以外の家族は全員、英語教育にネガティブな感情を持っていました。先述したように、妻は英語が苦手で「私は嫌だ」というスタンスでした。
協力がゼロなのはまったくかまいません。しかし、義母は「お父さんは英語を話していて嫌だねえ」などと発言していたので、子どもは英語にネガティブな感情を持ってしまいました。
同居している家族には「ネガティブな発言や態度は絶対にやめてもらうよう」事前に伝えましょう。また、子どもの英語を試すような「〇〇を英語で言ってごらん」のような脈絡のない質問も、子どもが嫌になる原因になので注意しましょう。
これら3つの原因から、英語で育児に私は失敗してしまいました。しかし、成果があったことも確かなので一つだけ紹介します。
成果:英語の絵本を好きになった
絵本好きな息子のために英語絵本を読み聞かせしました。これは息子の食いつきがよく、楽しんでくれました。最初は私から「ちょっとだけ本を読もう!」と誘っていました。そして、数か月後には自分から「これ読んで!」と持ってくるようになりました。
何度も繰り返し読んだ英語の絵本は、息子はほとんど暗記するほどまでになりました。このように「英語の絵本の読み聞かせ」は成果があり、息子の英語学習にも確実にプラスに働きました。
英語で育児を成功させるためのポイント
私が失敗から学んだ「英語で育児を成功させるための5つのポイント」を紹介します。これらのポイントを外さなければ、高い確率で英語での育児に成功します。これから挑戦できるお母さんはしっかり読んでください。
英語での語りかけを1~3歳までに始めること
英語学習を始めるのに、年齢制限はありません。しかし、「英語で育児」をしたければ、取り組む年齢は大切なポイントです。
結論から言うと、言葉を話し始める前の1歳から日本語が定着する前の3歳までに始めるのがベストな時期だと思います。日本語がしっかりと身についた後は、子どもは英語を素直に受け入れなくなることは私の例を見れば明らかです。
日本語への悪影響を心配して、小さい子に英語で話しかけることに抵抗を感じるお母さんもいるでしょう。しかし一日10分くらいお母さんが英語で話しかけても、周囲の環境はほぼ日本語です。日本語の発達に悪影響を及ぼすことはないので安心してください。
最も接触時間の長い人が英語で育児を担当すること
私が失敗したのは、「英語の得意な人が担当するべき」という勘違いです。英語で育児をするのなら理想は「最も長時間育児をする人」が英語で話しかけることです。
接触時間が最も長いのがお母さんなら、英語の得手・不得手に関わらずお母さんが担当するのが一番です。仕事をしていて保育園に子どもを預けているのであれば、「英語で保育する施設を利用する」のが一番効果的です。
後述しますが、英語が得意とか不得意とかは、「英語で育児」に関してはあまり関係ありません。なぜなら子どもを相手に話す英語には、難しい単語や文法は不要だからです。
家族にあたたかく見守ってもらう
お母さんが英語で育児をする場合「お父さんにも協力してもらいたい」と思うかもしれませんが無理は禁物です。「これ英語で何ていうか知っているか?」などと知識を試すような質問を子どもにするくらいなら何もしないほうがいいです。
家族に求める協力とは、子どもが英語を話したときに「〇〇ちゃん(くん)、すごいね!」とほめてくれることです。そのような環境なら子どもの英語力は伸びやすいです。
英語絵本の読み聞かせから始めること
まずは英語絵本の読み聞かせから始めましょう。具体的にはこちらの記事「初めての『英語絵本読み聞かせ』完全ガイド」を参考にしてください。子どもの好きそうな絵本を選ぶのは頭を使う作業ですが、子どもを深く理解できて、親子の絆を深められます。
子どもにとってもある日突然、英語で話しかけられるより、「絵本タイム」限定で英語を使うほうが自然な状況です。英語絵本を起点に少しずつ日常会話に広げていくイメージで、すすめていくと良いでしょう。
まずはお母さんが英語を使うこと
まずはお母さんが楽しく積極的に英語を使うことから実践しましょう。大人が楽しそうなことをしていると、自然と子どもは集まってきます。
例えば、大人がおもちを楽しそうにこねていれば、子どもは呼ばなくても見に来て「ボク(ワタシ)にもやらせて!」とせがむはずです。
英語での育児も同様に、お母さんが楽しそうに英語を使えば子どもだってマネしたくなるのです。反対に、眉間にしわを寄せてつまらなさそうに英語を話していたら、子どもは関心を示しません。
以上が「英語で育児を成功させるための5つのポイント」です。生まれたばかりの子どもがいるなら、日々の成長を楽しみにしながら準備をすすめましょう。
子どもにとっての日常の英会話とは
良く使われる「日常会話」という言葉ですが、その意味を深く考えることはほとんどありません。人それぞれに普段使用している言葉は異なるので、「日常会話」の意味はあいまいです。
1歳~3歳の子どもに限定すれば、日常会話とは「お母さんとのやりとり」です。ですから、英語で育児をしたければ「朝起きてから夜寝るまで」お母さんとどのような会話をしているかを知る必要があります。
普段の会話を記録してみる
まず、ノートと鉛筆を用意して、朝から晩まで子どもとどのような会話があったのか記録しましょう。ノートの見開きの左側にどんどん書き込みます。
パジャマ脱いで。
おきがえしようか。
顔を洗おうか。
一度に全部書くのは難しいですが、頑張って記録してください。一日だけでなく数日かけて会話を記録します。おそらく200フレーズくらいになるはずです。
記入後にチェックして同じような表現を一つにまとめます。このようにしてあなたに合ったオーダーメイドの日常会話リストの完成です。
日常会話のほとんどは「あいさつ」「ほめる」「注意」「命令・提案」の4つ
出来上がった日常会話のリストをあらためて眺めると、ほとんどは「あいさつ」「ほめる」「注意」「命令・提案」の4つに分類できることに気がつきます。それぞれの英語の特徴を説明します。
・あいさつ・決まり文句
あいさつや決まり文句はそのまま覚えるしかありません。Good morning. や Sweet dreams.(いい夢見てね)などが該当します。シンプルなものが多いので覚えやすいです。
・ほめる
ほめ方にもいろいろレベルはあります。よく使うものを3つくらい決めておいて、タイミングよく笑顔でいえるように練習しましょう。
Very good!
Nice!
Excellent!
Amazing!
Incredible!
Perfect!
Fantastic!
ほめるときは「どれだけ感情を込めて伝えるか」がとても大切です。「いいタイミングで、はっきりと伝わるように」ほめてあげましょう。
・注意
Don’t ~. が一般的です。大人は子どもに伝える場合にはPleaseはあまり使いません。言い方によってはきつい叱り方になってしまうので、できるだけやわらかく伝えるのがポイントです。
子どもに対して「~してはだめよ」と伝えたいときには No ~ing. とも言えます。例えば、病院で大声を出していたら No screaming here!(ここで騒いではダメよ)となります。
・命令・提案
命令文は文法的にとてもシンプルです。Wake up! (起きて!) とか Take off your pajamas.(パジャマを脱いで)など使う頻度も高いです。
命令文は主語を考えたり、それに合わせて動詞に-sをつけたりする必要もありません。現在形とか過去形のように時制も考えなくていいので簡単です。
言い方によってはきつく聞こえるので、もし可能なら Let’s~. で伝えると「(いっしょに)~やろう」とか「お母さんも手伝うよ」というニュアンスになりおすすめです。
このようにお母さんと小さい子どもの間の会話は簡単な英語で充分表現できます。それでは日常会話の勉強の仕方を具体的に解説します。
英語の本を買って暗唱する
Amazonで「英語 育児」のキーワードで検索すると、いくつかの書籍がヒットします。おすすめは実際に英語での育児経験のある著者で、CD付きのものです。お母さんとしての体験は貴重なので女性の著者がいいです。
ノートの右側のページに、日本語の日常会話に対応する英語を記入しましょう。多少ニュアンスが違っても気にしないでください。本に載ってない場合は、後回しにしてネットで検索しましょう。
CDは音声データをスマートフォンに移して、いつでもどこでも練習できるようにしましょう。日本語→英語で収録されているので、ブツブツとひとりごとを言いながら音読練習します。必ず声に出して練習してください。
CDの口頭練習は覚えた部分も再生されるので、上達するにしたがってもどかしさを感じます。
そこで、並行してノートの日本語を見ながら、口頭で瞬間英作文をしましょう。1秒で英語にできることを目標にしてください。完全に覚えた文を飛ばせば、時間を有効に使えます。
このようにスマートフォンでの音読練習とノートの瞬間英作文で7割くらいできるようになったら、いよいよ「英語で育児」に挑戦しましょう。
ある日突然、子どもに英語で話しかけるのは照れ臭かったり、戸惑いを感じたりするものです(私でさえそうでした)。こういうときは開き直って、堂々と子どもに英語で接したほうがいい結果を得られます。
毎日5分くらいから始めて、少しずつ時間を伸ばしていきましょう。最初、子どもは「ポカン」としていますが、身振りや手振りを交えながら完全に英語で通して下さい。中途半端な日本語は絶対に使わないと決めましょう。
英語で育児がうまくいかないときのチェックポイント
1か月くらい毎日「英語での育児」を続けられたら立派です。少しずつ結果が出てきた人もいれば、「全然子どもが理解してくれない」と悩むお母さんもいると思います。
育児は教科書どおりにいかないものです。ましてや英語を交えての育児なので、うまくいかなくても全く悩む必要はありません。しかし、成果が出ないとモチベーションが続かないのも事実です。
「結果が今一つ」と感じるお母さんのために、「5つのチェックポイント」を用意しましたので参考にしてください。
英語での語りかけを毎日続けているか
私の失敗の原因を思い出してください。毎日英語で語りかけるのが英語で育児の基本です。「今日は疲れているから」とか「いそがしくてそんな暇はない」といって、英語ゼロの日が続いたりしていませんか?
英語を日常的に使うなら、頑張って話すのではなく、どんな状況でも使い続けることが必要です。日常使う言葉が英語なので、毎日続けることが肝心です。
また、5分と時間を決めていてもそのほとんどが沈黙だったら意味がありません。その時間はほとんど間を空けずに英語でしゃべりつづけてください。
「そんなに英語を話せない」と心配になるかもしれませんが、大丈夫です。一方的にしゃべるのではなく子どもに質問したらどうでしょうか?
子ども: Lion!(ライオン!)
お母さん: Good! It’s a lion. Do you like it?(よくできた! ライオンだね。それ好き?)
子ども: No.(ううん)
お母さん: Oh, you don’t like it. Me, neither. I’m scared.(あら、好きじゃないの。お母さんもよ。私怖いのよ)
このようにテンポよく会話をつないでいきます。最初は難しいですが、徐々に慣れてくるので間違いを恐れず英語を使い続けましょう。Yes/Noで答えられる質問よりも、Wh-から始まる質問をしたほうが子どもの英語をより引き出せます。
子どもは英語を楽しいと感じているか
「つまらない」と感じた瞬間に人間の脳はその対象からできるだけ離れるようにプログラムされています。子どもは遠慮せずに、つまらないと思った瞬間に英語を拒絶します。
何の脈絡もなく What color is this? と突然たずねるなど、テストのような質問はしていませんか? このような質問は子どもにとって全然楽しくありません。
一方、絵本に登場するライオンを見て Look at this! It’s a lion. What color is his mane? Is it green or yellow? (これ見て! ライオンだよ。ライオンのたてがみは何色? 緑かな黄色かな?)と質問すれば自然なやりとりになります。
All Englishで出来ているか
ついやってしまいがちなのは、日本語訳を混ぜてしまうやりかたです。「blueは青だよ」と英語と日本語訳をセットで教えていませんか? このようなときは、身の回りの青いものを指で指しながら It’s blue. と繰り返し教えてあげましょう。
名詞だったら指で指してあげればわかりやすいですし、slowlyやquicklyは動作で見せてあげれば子どもは単語の意味を類推できます。「言葉だけで説明しなければならない」と考えるのではなく、身振り手振りをフル活用して教えてあげましょう。
ごほうびはあるか
「ごほうび」といえばとお金やお菓子を連想するかもしれません。しかし、お母さんが喜んだり驚いたりして、子どもとその喜びを共有するだけで充分です。例えば、ネイティブがよくやるのは High five! です。日本語でいう「ハイタッチ」です。
子どもをほめるときに笑顔で High five! といって手と手をパチンと合わせて、喜びを共有します。私は手が当たる瞬間に、わざと髪の毛をかくふりしてタッチをかわして子どもを悔しがらせて遊んでいました。
もう一つのごほうびは、 Hug(抱擁) です。Give me a hug! とお母さんが両手を広げて笑顔でいえば、子どもは喜んでお母さんと抱き合います。どちらかといえば男の子のほうが喜ぶかもしれません。
High five! と Give me a hug! のどちらも効果的なごほうびでなので、ぜひ試してください。
完璧に英語を覚えるまで話さないようにしていないか
子どもには「間違いを恐れず、積極的に英語を話して欲しい」という割には、お母さん本人は間違いを恐れて英語での語りかけに戸惑いを感じていませんか?
CDやノートでの例文の暗唱や瞬間英作文のトレーニングはとても大切です。しかし、完璧になるまで使わないスタンスはいけません。覚えかけの段階でどんどん使っていきましょう。多少間違っても相手は子どもなので気にしていませんし、覚えていません。
言いたくても言えなかったことはメモして、次回は必ずいえるように練習しましょう。実践を通して何度も口頭練習することで、場面や状況にあったフレーズが瞬時に口からでてくるようになります。
英語で育児すると決めたなら、実践を積みながら本やCDで学習したほうが断然効率的です。「暗唱→実践→暗唱→実践」を繰り返すと、自分でも驚くほど英語がスムーズに口から出てくるようになります。
万が一、子どもに何の変化があらわれなかったとしても、お母さん自身の英語力は確実にアップします。無駄なことは何一つありません。しかも、お母さんが英語を身につけた経験は、子どもが大きくなったときに最高のアドバイスになります。
お母さんが英語で話しかけるのが楽しいと感じれば、子どももお母さんとの共通語を身につけようと本能的に感じるものです。ときどき「5つのチェックポイント」を読み返して必要に応じて軌道修正してください。
「英語で育児」に関するよくある質問
日本に住みながら日本人のお母さんが「英語で育児」をする人はごく少数です。周囲に相談する人は少ないので、お母さんの疑問・質問について回答してみます。
日本語に悪影響はないか
結論から言うと、母国語である日本語に悪影響はありません。子どもはお母さんとだけ接触しているわけではありません。お父さんや祖父母、近所の人、公園で遊ぶ同年代の子ども達などに囲まれて生活しています。
お母さんが毎日1時間英語を話しても、子どもの主言語である日本語に大きなインパクトはありません。お母さんだって英語よりも日本語の方が得意だし、日本語を使う時間の方が圧倒的に長いのです。周囲の人はいろいろ言うかもしれませんが、気にしないことです。
不思議なことに子どもは話しかける相手によって言葉を使い分ける能力も備えています。お母さんが英語モードのときは英語で、お父さんがいるときは日本語で話そうとします。国際結婚したカップルの子どもを見ると、相手によって器用に使い分けています。
安心して英語で育児に取り組んでください。
子どもは英語をすぐに忘れるから意味ないのではないか
「子どもの頃に覚えた英語は忘れるのも早い」とはよく言われることです。実際、音声だけで覚えた幼少期の英語は、英語を使わないとすぐに忘れます。
そのような結果をわかっているのなら、英語学習を続けましょう。音だけで学んだ英語を文字で読める学習につなげて(アルファベットやフォニックス)、一人で英語の本を読めるように継続しましょう。
小学生のうちに本格的な児童書(例えば、ロアルド・ダールの『チャーリーとチョコレート工場』)を読めるようになったら、一生忘れない英語力が身につきます。英語での育児だけに満足せずに、その後も楽しく英語学習できるようにサポートしてください。
子どもに難しい英語を使っても大丈夫?
本の例文を見ると Want some milk? のように、日本人にはなじみの薄いsomeのような言葉が使われています。「子どもに文法の説明したほうがいいのかな…」と真面目なお母さんは考えるかもしれません。
また、 The cat looks sleepy. のlooksのような三人称単数現在形のsを見ると「小さい子には理解できないのでは?」と使用をためらう気持ちは理解できます。
しかし、そんなことは気にせず、むしろ積極的に使用しましょう。長い時間をかけて、子どもはどういうときにsomeが必要なのかとか動詞にsがつくのはどういう条件のときかを理解します。
私の息子はインターナショナルスクールのYear 2 から入学しましたが、三単現のsを理解するのに2年弱かかりました。その間、先生も友達も毎日何十回も三単現のsを使用していたはずです。それでもこれだけ時間がかかりました。
同じようにお母さんも「難しいから使わないようにしよう」と思わずに、どんどん自然な英語を使うように心がけてください。子どもに変化があらわれなくても、大きくなったときに文法学習をすればまったく問題ありません。
英語の発音が下手なのでためらっています
英語らしい発音を心がけたり練習したりすることは必要です。聞いている相手に負担をかけないためです。通じる範囲の発音なら気にする必要はありません。
間違った発音を子どもが真似をすることを気にするお母さんもいますが、それも心配ありません。動画サイトやDVDを観たりすれば、ネイティブの本格的な英語を聞くことができるからです。
子どもがなかなか英語を話さない
充分な量と期間、お母さんが子どもに英語で話しかけると、子どもはお母さんの英語を理解するようになります。例えば Turn on the light. と言えば部屋の電気のスイッチを入れてくれるようになります。
これだけでも大変な成果です。まずは、ここまでできたことを認めてほめてあげましょう。
順調にいけば、1~2単語の英語を話すようになりますが、「聞いてわかること」と「英語を話すこと」の間には相当なレベル差があります。時間のかかることは認識する必要がありますが、一つだけコツをお知らせします。
子どもがお母さんに何かをして欲しいときがチャンスです。遊びから帰って来てのどが渇いて「ママ、ジュース飲みたい!」と言ったとします。ここですかさず Say “Orange juice, please.”と教えてあげましょう。
ちゃんと言えたら Very good! とほめて、オレンジジュースをあげるのです。「ボク(ワタシ)の言いたいことが英語で伝わった」体験が、次第に子どものほうから英語を話すことにつながっていきます。
英会話のきっかけをつかめない
子どもとの会話は、目の前の物や状況について話したほうが盛り上がります。例えば、散歩の途中で犬を見つけたとします。 Look! There is a dog over there! と言えば、子どもの興味を惹きやすいです。
目の前の物や経験と英語を直接結びつけることで、英語を英語のまま理解できるようになります。
まとめ
あなたの周囲には「英語で育児」をしている人は少ないかもしれません。しかし、全国には多くのお母さんがチャレンジしています。子育てブログなどを見れば体験記が見つかるので、そのような情報も参考にしてください。
英語で育児ができるのは一人の子どもにつき一回だけのチャンスです。この貴重な体験に立ち会えるのは接触時間の長いお母さんだけの特権です。プロの英語教師でもお母さん以上の影響力を与えることはできません。
子どもが生まれてから幼稚園に入るまでは、毎日の育児が大変でストレスに感じることも多いと思います。それでも育児しながらお母さんも英語をマスターできるなら、楽しい時間になると思います。
私の失敗体験を参考にして、多くの子どもがお母さんとの英会話を楽しんでくれたらこんなにうれしいことはありません。もし、私と同様にうまくいかなくても「もう子どもは英語を話せない」などと悲観しないようにしましょう。
英会話教室などを利用しながら定期的に英語に触れるようにしていけば、子どもが英語好きになるチャンスはいくらでもあります。