子どもを英会話教室などに通わせているママさんなら、英検Jr.の名前を聞いたことがあるでしょう。中には何度もチャレンジさせている、という家庭もあるかもしれません。
名前に付く「ジュニア」からして、英検の子分的な存在であることは何となくわかります。しかし、両者の違いをきちんと理解している人はそれほど多くないかもしれません。
また、「ウチの子どもにはどちらを受けさせたほうがいいのだろう」と迷うママも多いのではないでしょうか。
今回の記事では、
・英検と比較しての英検Jr.の特徴
・英検Jr.と英検のどちらを受けたほうがいいのかの目安
・英検Jr.の勉強法
について詳しく説明します。
英検と比較したときの英検Jr.の特徴とは
かつて児童英検という名称で知られていた英語の検定試験が、2015年から改名されたのが英検Jr.(英検ジュニア)です(正直、ネーミングは昔のほうが良かったのでは?)。
私の息子が通っていた英会話教室でも
「〇〇ちゃん、シルバー正答率〇〇% おめでとう!」
という掲示物をよく見かけました。
英検のような「〇級」ではなく、英検Jr.では「ブロンズ・シルバー・ゴールド」の3段階から選んで受験をします。成績が英検のように合否で判定されずに、英検Jr.では「正答率」で表示されます。
英語を習いたてのチビッ子に「受かった・落ちた」はちょっと酷なので、このような配慮がされているものと思われます。
英検Jr.は英語を読めない児童が受験することを前提とした試験なので、大人も受験する英検とは異なる点がたくさんあります。
英検Jr. | 英検 | |
---|---|---|
合否判定 | なし
ブロンズ・シルバー・ゴールドの中から一つ選択 正答率を表示 |
あり |
問題 | 問題文を耳で聞いてイラストを見て選択する方式 | 普通のテスト |
問われる状態 | リスニングのみ | 筆記
リスニング スピーキング(合否とは関係なし) |
合格の目安 | 正答率80%で次のレベルを受験 | 正答率60%~70% |
難易度 | リスニングに関しては英検5級よりもやや難 | 英文(文字)が読めないと解答できない |
試験と検定料 | オンライン版:いつでも
BRONZE: 2,300円 SILVER: 2,500円 GOLD: 2,700円 |
年3回
5級:3,000円 4級:3,600円 |
英検Jr.の特徴を列挙します。
・合否判定ではなく、BRONZE/SILVER/GOLDでの正答率を表示
・英語を読めなくても、マークシートに不慣れでも受験できる
・個人はオンラインで受験する
幼稚園の頃から英語教室に通っていると、子どもの英語力はどの程度なのか気になるものです。他の子どもと比べても意味がないので、英検Jr.のような検定試験があると客観的に子どもの英語力を測ることができます。
小学校4年生くらいだと、英検Jr.を受験するか英検を受験するかで迷うママさんも多いことと思います。実際、「〇歳からは英検!」と断言することは難しいです。
そこで、子どもに英検Jr.と英検のどちらを受けさせるか、の目安について説明します。
英検Jr.と英検のどちらを受けさせる?
未就学児である場合、テストの経験がないため直感的に答えられる英検Jr.の一択です。英検だと会場に行って受験するのが、親子ともに結構な負担です。
駅から会場まで歩いたり、マークシートに名前や受験番号を記入したり、試験終了まで親が待機したりと結構大変です。
その点、英検Jr.はオンライン受験が基本なので、自宅でリラックスしながら受験できるのでストレスがありません。
悩み始めるのが、英検Jr.のゴールドレベルになった小学3~4年生くらいの子どもです。フォニックス(スペリングと音の規則)の基礎を学習して、少し英文が読めるなら英検5級も受けられそうです。
基準は、簡単な英語を読めるかどうかです。今は公立小学校でも小学3年生から英語の学習をしています。アルファベットはもちろん、簡単なフォニックスについても扱われています。
フォニックスとはスペリングと発音の規則のことです。厳密には例外だらけの緩い規則ですが、フォニックスにある程度慣れていると文字が読めるようになります。
3文字の基本的なフォニックスを8割以上正確に読めるなら、最初から英検5級を受けてもいいかもしれません。
これらの単語が初見で正確に読めるなら、文字からの学習が可能です。1年くらいゆっくりと計画を立てれば、英検5級はそれほど難しくないでしょう。
英検Jr. か英検の受験で迷ったときの基準をまとめます。
・未就学児(小学校入学前)なら、英検Jr.
・3文字の英単語が読めるなら、最初から英検5級
これら2つの基準で決めれば、子どもに過剰な負担を強いることなく英語検定試験を受けさせることができます。
英検Jr.の勉強法
Amazonで英検Jr.と検索すれば、紙のテキストがヒットします。これらを使ってもまったく問題ありません。
しかし、英検Jr.では「英文が読めない子どもたち」を対象としているのと、実際の試験はオンライン版が中心なので、オンライン教材を利用するのがよいです。
英検の公式ホームページでは、ラーニング(学習)とテストがパックとなったオンライン教材が紹介されています。ラーニングのみ、テストのみの購入も可能です。
ただし、ラーニングとテストのパックを購入したほうが割安なので、ほとんどの人はパックを購入することになります。
ここではサンプル問題が紹介されているので、パソコンを用意して子どもにやらせてみましょう。
ゴールドになると、最初の一語から集中して聞いていないと何を聞かれたかがわからず、正しく答えられません。特に、疑問詞(Wh-, How)は意味をすぐにわかるようにしておく必要があります。
このような訓練も、パソコンを使いながら楽しく学べるようになっています。このような理由から、紙のワークブックよりも最初からオンライン版の教材を利用することをオススメします。
試験勉強ばかりではバランスが悪いので、落ち着いたら↓のような教材もおすすめです。
子どもがハマる!楽しい動画サイトを活用した「リスニング学習法」動画セミナーはこちら
まとめ
英検Jr.はまだ英語が読めない年齢の児童を対象とした英語の検定試験です。文字がよめなかったり、マークシート方式の解答方法に不慣れでも、音声を聴きながら直感的に答えられるように配慮されています。
小学3年生くらいになると、英検Jr.と英検5級のどちらを受けさせたらいいのか迷うところです。このようなときは、3文字の簡単な英単語を8割以上正確に読めるかどうかを基準にしましょう。
読めるようであれば、1年くらい時間をかけて最初から英検5級にチャレンジしてもいいでしょう。
英検Jr.の勉強方法は、紙の参考書よりもオンライン版で提供されている有料サービスを利用したほうがいいです。
英検Jr.はほとんどの場合、オンラインで受験するので学習段階からパソコンを使って解答することに慣れていたほうがいいからです。
英検Jr.にしろ英検5級にしろ、あまり子どもにプレシャーをかけすぎないように注意しましょう。
まだ、英語学習を始めたばかりの段階です。楽しみながら学習を続けることが何よりも大切です。忙しいかもしれませんが、パパさんの協力も得ながらときどき子どもの学習も見てあげましょう。